JPH09193963A - 炭酸塩又は重炭酸塩を充填した樹脂容器の包装方法 - Google Patents

炭酸塩又は重炭酸塩を充填した樹脂容器の包装方法

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JPH09193963A
JPH09193963A JP8025753A JP2575396A JPH09193963A JP H09193963 A JPH09193963 A JP H09193963A JP 8025753 A JP8025753 A JP 8025753A JP 2575396 A JP2575396 A JP 2575396A JP H09193963 A JPH09193963 A JP H09193963A
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bicarbonate
container
resin container
filled
carbonate
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JP8025753A
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English (en)
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Hiroyuki Shichi
宏幸 志知
Hiroshi Motobayashi
博志 本林
Keinosuke Isono
啓之介 磯野
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Material Engineering Technology Laboratory Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂容器に充填した炭酸塩又は重炭酸塩の分
解を極力抑えることができ、医療分野への応用に好適な
炭酸塩又は重炭酸塩を充填した樹脂容器の包装方法を提
供。 【構成】 炭酸塩又は重炭酸塩を樹脂容器に密封して包
装する方法において、厚みが10μm乃至1600μm
の可撓性壁を有する樹脂容器に上記炭酸塩又は重炭酸塩
を密封充填し、次に、水溶液が密封充填してある樹脂容
器を共存させて、上記炭酸塩又は重炭酸塩を充填した樹
脂容器を更に包装体で液密に包装することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭酸塩又は重炭酸塩を
充填した樹脂容器の包装方法に関するものであり、より
詳細には、炭酸塩又は重炭酸塩の分解が極力抑えられる
その包装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】炭酸塩
又は重炭酸塩は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水
素ナトリウム、炭酸水素カリウムとして医療分野におけ
る薬品に多用されている。またこれらの炭酸塩及び重炭
酸塩は粉末、錠剤などの固形として或いは水溶液として
提供され注射剤、輸液剤、透析用液、及び臓器保存液な
どに使用されている。炭酸塩及び重炭酸塩は極めて不安
定で、炭酸ガスを容易に放出して分解する。このため、
水溶液の場合はガラスアンプルなどの機密性の高い容器
に収納されている。また炭酸塩及び重炭酸塩の溶液では
蒸気滅菌処理などにより高温に加熱した場合は容易に分
解してしまう。最近、薬品の容器としては樹脂容器が用
いられ、樹脂容器はガラス容器のようにその取り扱いや
廃棄処理に手間がかからない点で優れている。しかし、
樹脂容器はガラス容器に比べて気密性がないため、固形
の炭酸塩又は重炭酸塩であっても、これをある程度の高
温化に晒した場合には分解が生じる。このため、炭酸塩
又は重炭酸塩を容器、特に樹脂シートなどの可撓性壁の
容器に充填して注射剤、輸液剤、透析用液、及び臓器保
存液として用いることには問題がある。従って、人体の
血液中或いは組織細胞中には重炭酸が一定の濃度で含ま
れているにも拘わらず、人体の治療等に使用される輸液
剤、人工透析液、及び臓器(組織)保存液には所定の電
解質が含有されるものの、重炭酸は全く、或いは殆ど含
まれていない。
【0003】例えば、人体の血漿中の重炭酸濃度は、通
常24乃至27mEq/L程度である。輸液により重炭
酸を直接体内に投与する場合、また血液透析や腹膜透析
により間接的に投与する場合等には、それぞれの溶液の
重炭酸濃度を血漿中の濃度に合わせて調合することが望
ましい。しかし、輸液剤等はプラスチックの医療用容器
内に充填されて、通常高圧蒸気滅菌等により完全に滅菌
した状態で病院に提供される。このため、予め重炭酸を
容器内の液に調合しておくと、重炭酸は高圧蒸気滅菌時
に殆ど炭酸ガスに分解する。また、従来のプラスチック
の医療用容器に重炭酸を充填して高圧蒸気滅菌をしなく
ても、希釈された溶液内では、重炭酸は炭酸ガスに分解
して消失する。このため、輸液剤、透析液等には重炭酸
が使用されず、体内でこれに代わるものが添加されてい
る。血漿中等の重炭酸濃度を一定に保つためには、重炭
酸に代わるものとしてアセテート又はラクテート等が調
合される。しかしながら、従来のこのような電解質液に
多量のアセテート、クエン酸等の有機酸を用いた場合、
アセテート等は直ぐに体内で分解されない患者、例えば
肝障害のある患者がいるため、患者の体内はアシドーシ
スの傾向が見られる。また、上述のように輸液剤等のP
H値ができるだけ低くく抑えられると、投与患者には酸
過剰投与、腎障害、下痢、嘔吐などを生じることがあ
る。特にPH値が5.0以下では頻繁にこのような症状
が見られる。
【0004】従って、本発明の目的は、樹脂容器に充填
した炭酸塩又は重炭酸塩の分解を極力抑えることがで
き、医療分野への応用に好適な炭酸塩又は重炭酸塩を充
填した樹脂容器の包装方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭酸塩又は重
炭酸塩を樹脂容器に密封して包装する方法において、厚
みが10μm乃至1600μmの可撓性壁を有する樹脂
容器に上記炭酸塩又は重炭酸塩を密封充填し、次に、水
溶液が密封充填してある樹脂容器を共存させて、上記炭
酸塩又は重炭酸塩を充填した樹脂容器を更に包装体で液
密に包装することを特徴とする炭酸塩又は重炭酸塩を充
填した樹脂容器の包装方法を提供することにより上記目
的を達成したものである。
【0006】本発明に係る樹脂容器の包装方法におい
て、透湿度が100cc/m2hr(測定法がJIS
Z0208で厚さ30μmに換算)以上の樹脂を上記水
溶液を充填した樹脂容器に使用することを特徴とするも
のである。本発明に係る樹脂容器の包装方法において、
上記炭酸塩又は重炭酸塩を充填した樹脂容器と上記水溶
液を充填した樹脂容器とを、複数の充填室を有した同一
の多室容器とし、且つ該室と室との隔離壁の全部又は一
部を上記容器外からの開放が可能で該室と室とを連通可
能にする隔離開放手段で形成した多室容器とし、上記多
室容器の一の室に電解質を含む上記水溶液を密封充填し
た後に蒸気滅菌を行い、次に、上記多室容器の他の一の
室に上記炭酸塩又は重炭酸塩を密封充填した後に上記多
室容器を上記包装体で液密に包装することを特徴とする
ものである。
【0007】本発明に係る樹脂容器の包装方法におい
て、上記炭酸塩又は上記重炭酸塩の充填室を電子線照射
滅菌処理することを特徴とするものである。本発明に係
る樹脂容器の包装方法において、上記電子線照射滅菌は
その加速電圧が1MeV以下のである中低加速電圧によ
る電子線照射滅菌であることを特徴とすることができ
る。
【0008】
【作用】上記炭酸塩又は重炭酸塩が充填してある樹脂容
器を単純に気密或いは炭酸ガスバリアー性の包装体で液
密に包装しても、室温から一時的に40℃乃至60℃に
晒された場合には、樹脂容器内の炭酸塩又は重炭酸塩が
多量に分解することが見られる。これに対して、本発明
にように上記炭酸塩又は重炭酸塩が充填された樹脂容器
と水溶液が充填された樹脂容器とを一緒に包装体に液密
に収納してあると、樹脂容器は透湿性があるため、水溶
液が充填してある容器内の水蒸気が容器壁を透過して気
密な包装体内に放出される。このような放出により、外
部環境温度が一時的に40℃乃至60℃になったとして
も、樹脂包装体内の相対湿度はその温度変化に関係なく
一定に維持される。これは、炭酸塩又は重炭酸塩が充填
してある樹脂容器を収納した樹脂包装体内の相対湿度が
温度変化に無関係に50%以上に維持されることを意味
し、かかる樹脂包装体内の湿度を高く維持することが樹
脂容器の炭酸塩又は重炭酸塩の分解を防止する。このよ
うな樹脂包装体内の湿度の維持と分解防止との関係は不
明であるが、樹脂包装体内を乾燥させないことが多少の
高温時に樹脂容器内の炭酸塩又は重炭酸塩の分解を極力
抑えることが分かる。
【0009】
【実施例】以下、本発明に係る炭酸塩又は重炭酸塩を充
填した樹脂容器の包装方法の好ましい実施例を添付図面
を参照しながら詳述する。図1は炭酸塩又は重炭酸塩を
充填した樹脂容器を本発明の包装方法により包装した第
一実施例における包装体の平面図、図2は図1に於ける
包装体の断面図である。図3は炭酸塩又は重炭酸塩を充
填した医療用容器を本発明の包装方法により包装した第
二実施例における包装体の部分断面図、図4は第二実施
例に用いられる医療用容器の製造途中の断面図、図5は
第二実施例における医療用容器の製造途中の断面図、図
6は第二実施例における医療用容器に用いられる電子線
照射装置の概略断面図、図7は第二実施例における医療
用容器の使用時の断面図である。
【0010】図1及び図2に示す如く第一実施例の炭酸
塩又は重炭酸塩を充填した樹脂容器の包装方法は、重炭
酸塩4を樹脂容器2に密封して包装する方法において、
厚みが10μm乃至1600μmの可撓性壁を有する樹
脂容器2に重炭酸塩4を密封充填し、次に、水溶液5が
密封充填してある樹脂容器3を共存させて、重炭酸塩4
を充填した樹脂容器2を更に樹脂包装体1で液密に包装
するものである。
【0011】本実施例の包装方法を更に詳しく説明する
と、先ず重炭酸塩4を厚みが10μm乃至1600μm
の可撓性壁を有する樹脂容器2に密封充填するものであ
る。本実施例における樹脂容器2は2枚の樹脂シート1
1、12を重ね、所定の周縁を熱溶着シールすることに
より成形する。樹脂シート11、12の厚みは10μm
乃至1600μm、特に50μm乃至800μmである
ことが望ましく、本実施例においては厚みが500μm
の樹脂シートが用いられている。樹脂シートの厚みが上
記範囲を上回れば、樹脂容器2の壁の柔軟性が低下し、
容器のコストが高くなり、製造上の経済性を悪くする。
樹脂シートの厚みが上記範囲を下回れば、樹脂容器2の
壁強度が十分に得られない。本実施例において樹脂シー
ト11、12は直鎖状低密度ポリエチレンが用いられ、
かかる樹脂はオレフィン系であるため溶出物に官能基が
無いこと、ローコストであること、汎用性の樹脂である
こと等の点で好ましい。
【0012】本発明においては、本実施例のように直鎖
状低密度ポリエチレンに限る必要はなく、熱可塑性樹脂
であれば、それ自体公知の多様な樹脂を用いることがで
きる。例えば、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエ
チレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、軟質ポリエステル樹
脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体等の可撓性に富んだ材料を用い
ることができる。また樹脂シートは、異なる樹脂の多層
ラミネートであっても良い。この場合、特に、外層或い
は中間層等に炭酸ガスの難透過性の高い樹脂を用いても
良い。炭酸ガスのバリア性の高い樹脂としては、高密度
ポリエチレン、塩化ビニリデン、ポリエステル、ナイロ
ン、ビニロン等がある。また本実施例において樹脂容器
2は2枚の樹脂シートから成形したが、本発明において
はインフレション成形チューブ、押出し成形物、真空成
形物、射出成形物、ブロー成形物等でも良い。
【0013】本実施例において樹脂容器2内に密封充填
される重炭酸塩4は、日本薬局方に記載された規格の炭
酸水素ナトリウムである。炭酸水素ナトリウムは室温に
放置すると炭酸、水及び水酸化ナトリウムに容易に分解
する塩である。本発明においては、重炭酸塩として、炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウ
ム等の薬品を用いることができる。また重炭酸塩4と共
に炭酸塩を混合しても良く、また重炭酸塩4の替わりに
炭酸塩を用いても良い。炭酸塩としては炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等が挙げられる。
【0014】本実施例は、水溶液5が密封充填してある
樹脂容器3を共存させて、重炭酸塩4を充填した樹脂容
器2を更に樹脂包装体1で液密に包装するものである。
本実施例における樹脂容器3は2枚の樹脂シート11、
12を重ね、所定の周縁を熱溶着シールすることにより
成形する。樹脂シート11、12には樹脂容器2と同様
な樹脂シートを使用している。しかし、ここでの樹脂シ
ートに用いられる樹脂は、透湿度が100cc/m2h
r(測定法がJIS Z0208で厚さ30μmに換
算)以上、特に300cc/m2hr以上であることが
望ましい。樹脂容器3の透湿度が上記範囲以上であれ
ば、外部環境が急激に高温になった場合でも、樹脂容器
3内からの水蒸気が容易に樹脂壁を通過して包装体内の
相対湿度を50%以上に維持し、乾燥状態を回避するこ
とができる。また上記範囲を下回れば、樹脂容器3を極
めて肉薄に形成したとしても外部環境温度に素早く対応
して包装体1内の相対湿度を一定に維持することが困難
である。尚、樹脂容器3には樹脂容器2と同様な素材及
び構造としたが、本発明ではこれに限る必要はなく、上
述の樹脂容器2でも説明したように、樹脂シートは直鎖
状低密度ポリエチレンに限ることはなく、また多層シー
トであっても良い。更に、本発明において、樹脂容器3
はインフレション成形チューブ、押出し成形物、真空成
形物、射出成形物、ブロー成形物等でも良い。また本発
明において水溶液5は精製水でも良く、アルコール等の
混合溶媒でもよく、電解質が溶解した溶液でも良く、ま
た糖などの炭水化物、蛋白質、油脂等が溶解した溶液で
あっても良い。
【0015】重炭酸塩4を充填した樹脂容器2と水溶液
5を充填した樹脂容器3とを包装体1内に液密に共存し
て収納する。共存方法は本実施例のように樹脂容器2と
樹脂容器3とを重ねても良く、また互いに重ならないよ
うに並べても良い。包装体1はインフレーション成形し
た筒状のシートの両端を熱シールして形成する。包装体
1は樹脂容器2を液密に密封する限り、本発明において
はどのような樹脂容器でも良く、例えば、包装体1は全
く気密なアルミ箔とのとラミネートのシートからなって
いても良く、また通常の樹脂シートのように水蒸気を透
過させ難い半気密性の樹脂シートであっても良い。本実
施例における包装体1には樹脂容器2及び3と同様な樹
脂素材が用いられている。また、本発明において包装体
1は可撓性の柔軟な容器である必要はなく、定型性、保
形性のある樹脂容器であっても良い。従って、包装体1
は樹脂シート成形物に限ることはなく、ブロー成形物、
射出成形物等でも良い。
【0016】このような実施例に基づく包装方法におい
て、水溶液が充填してある樹脂容器3には透湿性がある
ため、容器3内の水蒸気が容器壁を透過して包装体1内
に放出される。このような放出により、外部環境温度が
一時的に40℃乃至60℃になったとしても、包装体1
内の相対湿度はその温度変化に関係なく一定に維持され
ている。このため、重炭酸塩4が充填してある樹脂容器
2は包装体1内で乾燥状態に置かれず、後述する実施例
の評価の表1から明らかに高温に耐えうることが分か
る。
【0017】(実施例評価)第一実施例に基づいて、実
施例サンプル1、2、3及び4の包装体を作成し、実施
例サンプル1を室温、実施例サンプル2を温度32℃、
実施例サンプル3及び4を温度60℃の条件で約40日
間保存した。保存後の樹脂容器2内から重炭酸ナトリウ
ムを適宜に精秤し、これをワルダー法に基づく中和滴定
法で第一終点の滴定量と第二終点の滴定量とを求め、水
酸化ナトリウムと重炭酸ナトリウムとの含有比率を求め
て、水酸化ナトリウムになった量を重炭酸塩の変質量%
とした。 その結果を表1に示した。尚、重炭酸塩の標
準品から測定誤差範囲は±2%であった。また、比較例
として、水溶液が充填された樹脂容器3と共存させない
で包装した以外は実施例と同様な方法で樹脂容器2の包
装体を比較例サンプルとして4つ作製し、それぞれの各
サンプルを実施例の各サンプルと同様の温度条件で保存
した。そして、これらの比較例サンプルを実施例と同様
な評価を行い、その結果を表1に比較例として示した。
【0018】
【表1】
【0019】次に、本発明に係る樹脂容器の包装方法の
第二実施例を図3〜図7を参照しながら説明する。図3
〜図7に示す如く、本実施例に係る樹脂容器21の包装
方法において、重炭酸塩を充填した樹脂容器と上記水溶
液を充填した樹脂容器とを、複数の充填室22、23を
有した同一の多室容器21とし、且つ第一室22と第二
室23との隔離壁を容器21外からの開放が可能で第一
室22と第二室23とを連通可能にするピールシール部
24で形成した多室容器とし、多室容器21の一の室2
2に電解質を含む水溶液である母液32を密封充填した
後に蒸気滅菌を行い、次に、多室容器21の他の一の室
23に重炭酸塩33を密封充填した後に多室容器21を
包装体20で液密に包装するものである。
【0020】図4に示す如く多室容器21は、インフレ
ション成形した筒状の直鎖状低密度ポリエチレン及びポ
リプロピレン組成物からなる樹脂シートを所定の大きさ
に裁断して形成する。裁断したシートの一端部21Aを
熱溶着により固着シールし、固着シールの際に排出口2
5を取り付ける。多室容器21の所定の中間部に外部か
ら剥離可能なピールシール部24を形成し、輸液剤の母
液32の第一充填室22を形成する。具体的には、直鎖
状低密度ポリエチレン(密度:0.916g/cm3、
MI:2)とポリプロピレン(密度:0.90g/cm
3、MI:0.7)を6:4の割合で2本のロール(ロ
ール温度が175℃)により、混練りし、これを肉厚2
00μm、幅200mmにインフレーション成形する。
成形した筒状シートを長さ500mmに裁断し、インパ
ルスシーラー(富士インパルス株式会社製オートシーラ
FA−300−5W)で一端部21Aを熱溶着により固
着シールして排出口25を取り付ける。シール条件はシ
ール時間1.5秒間、冷却時間5秒間である。次に、裁
断シートの所定の中間部にピールシール部24を外部か
ら剥離可能となるように、上下から130℃乃至150
℃の加熱金型で10mm幅、長さ200mmの区間を1
2秒間プレス状態に置いた。尚、プレスによりシール面
が完全に潰れないようにストッパーを設けて過大なプレ
ス圧が及ばないように調整する。
【0021】次に、母液32を排出口25から第一室2
2内に充填し、排出口25をゴム栓で密栓し、多室容器
21を高圧蒸気滅菌処理する。高圧蒸気滅菌処理は日本
薬局方の蒸気滅菌の基準に基づいて行われ、本実施例で
は100〜130℃の温度でオートクレーブ等で行われ
る。尚、本発明ではそれ自体公知の蒸気滅菌を採用する
ことができる。高圧蒸気滅菌後、図5に示す如く、多室
容器21の他端部21Bの開放開口から重炭酸塩33を
充填し、他端部21Bをインパルスシーラーで上述の一
端部21Aと同様に熱溶着により固着シールし、液密な
第二室23を多室容器21に形成する。
【0022】図7に示す如く使用時、多室容器21の外
部からピールシール部24を開放したとき、母液32と
重炭酸塩33とが混合して輸液剤31となる。本実施例
の輸液剤31は電解質維持液であり、不感蒸泄、尿中排
泄により生理的水分や電解質の補充に使用されるもので
あり、経口摂取不能で、嘔吐、下痢、異常発汗等の異常
経路からの体液喪失が続いていない患者等に適用され
る。従って本輸液剤31は、浸透圧が血漿の1/2〜2
/3の低張であり、電解質中のNaが30〜60mEq
/Lの範囲で含まれ、Kが10〜30mEq/Lの範囲
で含まれ、Clが20〜50mEq/Lの範囲で含まれ
る。本実施例の電解質輸液剤31には、アセテート又は
ラクテート等の電解質と共に、又はその替わりに重炭酸
が1〜65mEq/Lの範囲で含有される。重炭酸は、
血漿中の濃度付近が好ましく、特に、5〜50、更には
15〜30mEq/Lの範囲で含有されることが望まし
い。このため、アセテート又はラクテートの濃度は、2
5mEq/L以下、特に重症肝障害者には15〜0mE
q/Lの範囲で含有される。また、本実施例の輸液剤3
1はカロリー補給も必要とするため、糖類が1〜15重
量%の範囲で含む。糖類の含有量が上記範囲を下回れば
カロリー補給の意義が失われ、上記範囲を上回れば、通
常の静脈投与をすると、血管壁に障害を与えるおそれが
ある。輸液剤31は、そのPH値が5.5〜8.0の範
囲にあり、特に6.0〜7.5の範囲内で調整される。
かかる範囲のPH値は重炭酸塩の添加により容易に達成
され、投与患者に腹痛や下痢を生じさせるおそれがな
い。また、PH値が上記範囲を下回ると、重炭酸塩が点
滴中に不安定となる。
【0023】母液32は多室容器21の大部分をしめる
充填室22に充填され、重炭酸塩33が分離して充填室
23に充填される関係から、ラクテート及びナトリウム
塩等の理論量を差し引いた組成液として充填される。従
って、母液32の充填室22は水溶液が充填された室と
なっている。母液32は、重炭酸塩33と混合される前
に、そのPH値が5.5以下であることが望ましく、特
に5.3、更には5.0以下であることが望ましい。こ
のような母液32の酸性化は充填室22に重炭酸塩33
を分離しナトリウム又はカリウムを奪ったことにより容
易に達成され、上記範囲のPH値に母液32が維持され
た場合には、高圧蒸気滅菌により母液32を加熱して
も、母液32内のブドウ糖等が変質を起こすおそれが極
めて少なくなる。充填室23に充填される重炭酸塩33
は、日本薬局方に基づく重曹等の粉末、錠剤等ある。本
実施例ではこのような重炭酸塩33が上述の配合量に基
づいて充填される。重炭酸濃度(HCO3 )は、1〜6
5、特に15〜30mEq/Lの範囲であることが望ま
しい。このため、本実施例では、24mEq/Lの重炭
酸ナトリウムが用いられている。従って、本実施例で
は、医療用容器である多室容器21に液が1000mL
収納されることから、重炭酸塩13としての炭酸水素ナ
トリウムは、2.02gの範囲で用いられる。
【0024】重炭酸塩33を充填した多室容器21の第
二充填室23のみを外部から照射滅菌する。本実施例で
は第二室33内の照射滅菌は電子線照射滅菌によりなさ
れている。本発明の照射滅菌処理は、γ線、電子線、及
び紫外線による照射滅菌処理でも良い。しかし、滅菌の
確実性とその経済性及び大量生産適応性の点から以下の
電子線照射滅菌が望ましい。電子線照射滅菌を確実にす
るには電子線の容器壁の透過性が問題となる。電子線の
透過性は、主に加速電圧により決定され、高エネルギー
型では最高13000g/m2であり、これは、水(比
重1g/m2)の厚みで13000μmである。しか
し、加速電圧装置が大型化するとX線の遮蔽設備が大が
かりになり、また樹脂素材を変質させるおそれがある。
このため、中低エネルギー型の1MeV以下、特に低エ
ネルギー型の500KV以下の加速電圧装置が望まし
く、かかる装置では中エネルギー型で約1500g/m
2 、低エネルギー型で約800g/m2が限界であるた
め、電子線透過の厚みは樹脂素材で1600μmが最適
な限度とされる。従って、上述したように容器21の壁
の厚み及び第二室23の厚みは上記範囲内であることが
望ましい。電子線滅菌はその加速電圧が1MeV未満、
特に低エネルギー型の500KV〜50KVのものであ
れば、電子線の所定の浸透性が得られる一方、X線等の
放出がほとんどないため、その遮蔽設備を必要とせず、
生産ラインにコンパクトに配することができる。即ち、
加速電圧500KVによる電子線の浸透性は約8000
g/m2以下で、特に800μm以下の樹脂肉薄部での
浸透性が十分に得られる。
【0025】 図6に示す如く電子線照射装置50は、
ベルトコンベア51の上方に設けられ、機枠52と、機
枠52に形成される窓枠53、窓枠53に取り付けられ
た窓箔54、窓枠53の上方を覆っている加速管55、
及び加速管55内の真空チャンバ内に設けられた電子線
発生部56からなる。また電子線発生部56はグリッド
57、ガンフレーム58、及びフィラメント59とから
なる。フィラメント59は通電され、加熱させられて熱
電子を発生する。熱電子は所定の電圧が印加されたフィ
ラメント59とグリッド57との間で加速され、窓箔5
4からコンベア51上に照射される。尚、機枠52は電
子線照射により二次的に発生するX線等の外部漏出を防
止するため鉛遮蔽がされている。従って、コンベア51
の速度とフィラメント59の通電量により、照射電子線
量が調整され、加速電圧により、電子線の浸透性を調整
することができる。
【0026】図6において多室容器21の第二室23の
みが電子線照射装置50により照射滅菌されている。ま
た電子線照射が容器1の両面からなされている。微生物
の殺菌においては、特開平7−16286号公報にも記
載されるように、放射線菌で指標となるB.pumilus(spor
es)E-601で約0.2Mrad(2kGy)のD値を有す
る。1cm2当たり、通常100オーダーの菌が付着して
いるが、安全性を十分考慮すれば、102オーダーまで
の付着があるとの仮定も成り立つ。また滅菌保証レベル
(SAL)は生存率10-6%である。従って、本実施例
での電子線照射装置50は第二室3内が6×0.2Mr
ad以上、好ましく8×0.2Mrad以上で滅菌され
るように通電量とコンベア速度が調整されて滅菌処理が
なされている。
【0027】次に、インフレション成形した筒状のポリ
エチレンシートにアルミ箔をラミネートした多層シート
を所定の大きさに裁断して一端部を熱溶着により、固着
シールして、上述の医療用容器である多室容器21を収
容し、包装体20の他端部を固着シールして多室容器2
1の包装を完了する。このように構成された多室容器2
1の包装方法にあって、例えば、包装体20が運搬、移
送中に60℃に晒されたとしても、重炭酸塩33は固形
で多室容器21内に充填され、しかも水溶液である母液
32も別の第一室22に充填された状態で包装体20に
より包装されているため、母液32中の微量の水が第一
室22から水蒸気として包装体20内にでる。従って、
多室容器21である医療用容器が一時的に高温度に晒さ
れても、多室容器21内の重炭酸塩33は分解すること
がない。
【0028】上記実施例において、多室容器21に直鎖
状低密度ポリエチレン及びプロピレンの組成混合物とし
たが、本発明においてはこれに限る必要はなく、その他
の汎用な樹脂及び組成物でも良い。また、多室容器21
の隔離開放手段をピールシール部24としたが、本発明
においては、ピールシール部24は隔離壁の一部として
形成してあっても良く、またピールシール部24以外
に、それ自体公知の挟持ピン、及びクリックチップを隔
離開放手段に用いても良い。但し、操作性、生産性の点
でピールシール部であることが望ましい。上記実施例に
おいて照射滅菌処理を包装体20で包装する前に行った
が、包装体20で包装した後、照射滅菌処理をしてもよ
い。上記実施例では、多室容器21の充填物を電解質維
持液としたが、しかし、本発明では、充填物が生理食塩
水、生理食塩水−糖液、リンゲル液、リンゲル液−糖
液、ハルトマン液、ハルトマン液−糖液等の開始液、細
部外液補充液、胃腸液補充液、電解質維持液、高カロリ
ー輸液剤等であってもい。また、このような輸液剤の他
に、人工透析液、腹膜透析液、及び臓器保存液等を多室
容器21に重炭酸塩33を分けて充填しても良い。ま
た、本発明の各実施例の重炭酸塩の室に重炭酸塩の粉
末、顆粒を用いたが、この他に、打錠剤等であっても良
い。また、室には、その安定性が保証されれば、重炭酸
塩だけでなく炭酸塩を充填しても良い。また重炭酸塩又
は炭酸塩はナトリウム塩に限ることはなく、カリウム
塩、リチウム塩等でも良い。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る炭酸塩
又は重炭酸塩を充填した樹脂容器の包装方法では、厚み
が10μm乃至1600μmの可撓性壁を有する樹脂容
器に上記炭酸塩又は重炭酸塩を密封充填し、次に、水溶
液が密封充填してある樹脂容器を共存させて、上記炭酸
塩又は重炭酸塩を充填した樹脂容器を更に包装体で液密
に包装するので、樹脂容器に充填した炭酸塩又は重炭酸
塩の分解を極力抑えることのでき、医療分野への応用に
好適な炭酸塩又は重炭酸塩を充填した樹脂容器の包装方
法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】炭酸塩又は重炭酸塩を充填した樹脂容器を本発
明の包装方法により包装した第一実施例における包装体
の部分断面図である。
【図2】図1に於ける包装体の断面図である。
【図3】炭酸塩又は重炭酸塩を充填した医療用容器を本
発明の包装方法により包装した第二実施例における包装
体の部分断面図である。
【図4】第二実施例に用いられる医療用容器の製造途中
の断面図である。
【図5】第二実施例における医療用容器の製造途中の断
面図である。
【図6】第二実施例における医療用容器に用いられる電
子線照射装置の概略断面図である。
【図7】第二実施例における医療用容器の使用時の断面
図である。
【符号の説明】
1、20 包装体 2 重炭酸塩を充填した樹脂容器 3 水溶液を充填した樹脂容器 4 重炭酸ナトリウム 5 水溶液 11、12 樹脂シート 21 多室容器 22 第一室 23 第二室 24 ピールシール部 25 排出口 31 輸液剤 32 母液 33 重炭酸ナトリウム 50 電子線照射装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸塩又は重炭酸塩を樹脂容器に密封し
    て包装する方法において、 厚みが10μm乃至1600μmの可撓性壁を有する樹
    脂容器に上記炭酸塩又は重炭酸塩を密封充填し、次に、
    水溶液が密封充填してある樹脂容器を共存させて上記炭
    酸塩又は重炭酸塩を充填した樹脂容器を、更に包装体で
    液密に包装することを特徴とする炭酸塩又は重炭酸塩を
    充填した樹脂容器の包装方法。
  2. 【請求項2】 透湿度が100cc/m2hr(測定法
    がJIS Z0208で厚さ30μmに換算)以上の樹
    脂を上記水溶液を充填した樹脂容器に使用することを特
    徴とする請求項1記載の包装方法。
  3. 【請求項3】 上記炭酸塩又は重炭酸塩を充填した樹脂
    容器と上記水溶液を充填した樹脂容器とを、複数の充填
    室を有した同一の多室容器とし、且つ該室と室との隔離
    壁の全部又は一部を上記容器外からの開放が可能で該室
    と室とを連通可能にする隔離開放手段で形成した多室容
    器とし、 上記多室容器の一の室に電解質を含む上記水溶液を密封
    充填した後に蒸気滅菌を行い、次に、上記多室容器の他
    の一の室に上記炭酸塩又は重炭酸塩を密封充填した後に
    上記多室容器を上記包装体で液密に包装することを特徴
    とする請求項1又は2記載の炭酸塩及び重炭酸塩を充填
    した樹脂容器の包装方法。
  4. 【請求項4】 上記炭酸塩又は上記重炭酸塩の充填室を
    電子線照射滅菌処理することを特徴とする請求項3記載
    の樹脂容器の包装方法。
  5. 【請求項5】 上記電子線照射滅菌はその加速電圧が1
    MeV以下である中低加速電圧による電子線照射滅菌で
    あることを特徴とする請求項4記載の樹脂容器の包装方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006034788A (ja) * 2004-07-29 2006-02-09 Fuso Pharmaceutical Industries Ltd 輸液バッグ収納容器
JP2008239197A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Dainippon Printing Co Ltd 包装方法および包装品の製造方法
US8298575B2 (en) 1998-08-05 2012-10-30 Boehringer Ingelheim Pharma Gmbh & Co. Kg Two-part capsule to accept pharmaceutical preparations for powder inhalers
US8662076B2 (en) 2005-01-11 2014-03-04 Boehringer Ingelheim Pharma Gmbh & Co. Kg Two-part capsule with pre-closure for housing pharmaceutical preparations for powder inhalers

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