JPH09204002A - 写真感光材料用支持体 - Google Patents

写真感光材料用支持体

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JPH09204002A
JPH09204002A JP1189696A JP1189696A JPH09204002A JP H09204002 A JPH09204002 A JP H09204002A JP 1189696 A JP1189696 A JP 1189696A JP 1189696 A JP1189696 A JP 1189696A JP H09204002 A JPH09204002 A JP H09204002A
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JP
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film
sps
polymer
sensitive material
amount
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JP1189696A
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English (en)
Inventor
Shigeru Shiozaki
茂 塩崎
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた熱的、物理的、化学的、光学的特性、
寸法安定性を有し、かつ接着性に優れたSPS系フイル
ムを提供する。 【解決手段】 SPS系フイルムよりなる写真感光材料
用支持体において、該支持体中の残留スチレン系単量体
の含有量が0.05重量%以下であることを特徴とする
二軸配向シンジオタクチックポリスチレン系フイルムよ
りなる写真感光材料用支持体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真感光材料用支
持体に関するものである。更に詳しくは、シンジオタク
チックポリスチレン系フイルムよりなる写真感光材料用
支持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シンジオタクチックポリスチレン(以下
『SPS』と略称する)フイルムは、PETフイルムの
有する、熱的、機械的、物理的、化学的、光学的特性を
併せ持ち、特に、光学的特性(光線透過率、ヘーズ
等)、寸法安定性に優れた特性を有している。従って、
SPS系フイルムは、写真感光材料用途(カラー、X−
レイ、印刷感材等)、磁気記録用途(オーディオ、ビデ
オ、フロッピー等)、電気用途(コンデンサー、電気絶
縁材料等)、蒸着用途、包装用途等に適している。
【0003】しかしながら、SPS系フイルムは結晶化
度が非常に高く、PETフイルムに比較して接着性が悪
く、改良が求められている。その理由は良くわからない
が、結晶性が非常に高く、従来PET支持体の接着性を
上げるために適用していた、例えばコロナ処理とか、下
引層といった技術を適用しても、なおSPS支持体表面
の活性化が十分に出来ないということなのであろうと現
在までのところ推定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、優れた熱的、物理的、化学的、光学的特性、寸
法安定性を有し、かつ接着性に優れたSPS系フイルム
を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】SPS系フイルムよりな
る写真感光材料用支持体において、該支持体のスチレン
系単量体の含有量が、特定数値以下であることを特徴と
する二軸配向シンジオタクチックポリスチレン系フイル
ムよりなる写真感光材料用支持体によって達成された。
すなわち、SPS系フイルムよりなる写真感光材料用支
持体において、該支持体中の残留スチレン系単量体の含
有量が0.05重量%以下であることを特徴とする二軸
配向シンジオタクチックポリスチレン系フイルムよりな
る写真感光材料用支持体によって達成されたものであ
る。
【0006】以下に、本発明を更に詳細に説明する。
【0007】まず本発明のシンジオタクチックポリスチ
レンについて記す。
【0008】本発明において、シンジオタクチックポリ
スチレン(SPS)を主成分とするフイルムとは、立体
規則性構造(タクティシティー)が主としてシンジオタ
クチック構造、即ち炭素−炭素結合から形成される主鎖
に対して側鎖であるフェニール基や置換フェニール基が
交互に反対方向に位置する立体構造を有するものであ
り、主鎖の主たる連鎖が、ラセモ連鎖であるスチレン系
重合体あるいは、それを含む組成物であり、スチレンの
単独重合体であれば、特開昭62−117708号記載
の方法で重合することが可能であり、またその他の重合
体については、特開平1−46912号、同1−178
505号等に記載された方法により重合することにより
得ることができる。
【0009】そのタクティシティーは同位体炭素によ
る、核磁気共鳴法(13C−NMR法)により定量され
る。13C−NMR法により測定されるタクティシティー
は、連続する複数個の構成単位の存在割合、例えば2個
の場合はダイアッド、3個の場合はトリアッド、5個の
場合はペンタッドによって示すことができるが、本発明
に言う主としてシンジオタクチック構造を有するスチレ
ン系重合体とは、通常ラセミダイアッドで75%以上、
好ましくは85%以上、若しくはラセミトリアッド60
%以上、好ましくは75%以上、若しくはラセミペンタ
ッド30%以上、好ましくは50%以上であることが好
ましい。
【0010】シンジオタクチックポリスチレン系組成物
を構成する重合体の具体的なモノマーとしては、スチレ
ン、メチルスチレン等のアルキルスチレン、クロロメチ
ルスチレン、クロロスチレン等のハロゲン化(アルキ
ル)スチレン、アルコキシスチレン、ビニル安息香酸エ
ステル等を主成分とする単独もしくは混合物である。
【0011】本発明のシンジオタクチック構造を有する
ポリスチレン系樹脂は、上記のような原料モノマーを重
合用の触媒として、特開平5−320448号、4頁〜
10頁に記載の(イ)(a)遷移金属化合物及び(b)
アルミノキサンを主成分とするもの、又は(ロ)(a)
遷移金属化合物及び(c)遷移金属化合物と反応してイ
オン性錯体を形成しうる化合物を主成分とするものを用
いて重合して製造することができる。
【0012】本発明フイルムに用いられるスチレン系重
合体を製造するには、まず、前記スチレン系単量体を十
分に精製してから上記触媒のいずれかの存在下に重合さ
せる。この際、重合方法、重合条件(重合温度,重合時
間)、溶媒などは適宜選定すればよい。通常は−50〜
200℃、好ましくは30〜100℃の温度において、
1秒〜10時間、好ましくは1分〜6時間程度重合が行
われる。また、重合方法としては、スラリー重合法,溶
液重合法,塊状重合法,気相重合法など、いずれも用い
ることができるし、連続重合,非連続重合のいずれであ
ってもよい。ここで、溶液重合にあっては、溶媒とし
て、例えばベンゼン,トルエン,キシレン,エチルベン
ゼンなどの芳香族炭化水素,シクロペンタン,ヘキサ
ン,ヘプタン,オクタンなどの脂肪族炭化水素などを一
種又は二種以上を組合わせて使用することができる。こ
の場合、単量体/溶媒(体積比)は任意に選択すること
ができる。また、重合体の分子量制御や組成制御は、通
常用いられている方法によって行えばよい。分子量制御
は例えば水素,温度,モノマー濃度などで行うことがで
きる。
【0013】SPSポリマーの重合は、外部より異物の
混入を防ぐよう、十分注意して行われることが必要であ
る。使用されるスチレン系単量体、触媒、溶媒等の精
製、重合釜の洗浄等には、特に細心の注意を払う必要が
ある。
【0014】重合触媒として(イ)(a)遷移金属化合
物及び(b)アルミノキサンを主成分とするもの、又は
(ロ)(a)遷移金属化合物及び(c)遷移金属化合物
と反応してイオン性錯体を形成しうる化合物を主成分と
するものが使用されるが、上述の(イ)(ロ)はいずれ
も、Ti,Zr,Cr,V,Nb,Ta,およびAl金
属を含む。触媒量は微量で、大部分は溶解していて、金
属として析出してこないが、しばしば重合ポリマー中
に、あるいは製膜プロセスで、ポリマー押出フイルター
材質の金属、例えば、ブロンズ等と一緒に異物として析
出してくることが確認されている。
【0015】バッチ式でポリマーを重合する場合は、溶
融ポリマーを押出し、ペレットにカットする場合は、外
部より異物(例えば、塵埃)の混入を徹底的に排除しな
ければならない。また、ポリマー重合中に発生が避けら
れない異物は、ペレットにカットするプロセスで、メッ
シュあるいは製膜フイルターよりは目の粗い金属粉焼結
タイプのフイルター等で取り除く等の操作を実施してお
いたほうが良い。製膜プロセスで、ポリマー押出時、フ
イルターで取り除くとの考えもあるが、完全に除けない
場合もあるので、製膜以前のプロセスで、極力除いてお
くことが好ましい。連続重合の場合も同様である。
【0016】本発明の二軸配向SPS系フイルムの分子
量は、SPS系フイルムが要求される上述の諸特性を満
足すると云う観点からと後述の生産上の制約から、重量
平均分子量で、150,000以上850,000以下
のものが好ましい。特に好ましくは、250,000以
上550、000以下が好ましい。
【0017】その理由は、高分子量ポリマーは、重合
に時間がかかり、ポリマー重合の生産性が低いこと、
ポリマー溶融粘度が高く、技術的に難しい問題を抱えて
いること、高分子量ポリマーでは、製膜時、延伸張力
の増加に伴う破断の発生などが生じるため好ましくない
ことである。の技術的問題としては、例えば、フイル
ムに製膜する際に、SPS系ポリマーを溶融し、ポリマ
ー中の異物除去の為フイルターで濾過し、しかる後押出
すプロセスで、1)溶融粘度が高く、それに伴ってフイ
ルター圧が高くなって、フイルター寿命を短くするこ
と、2)溶融粘度を下げるため、ポリマー樹脂温度を上
げざるを得ないことと相まって、スクリュー回転に伴う
樹脂の内部発熱による熱分解で熱劣化を伴うこと、及び
分子量低下が極めて大きく、ポリマー分子量を上げると
いう初期の目的が大きく損なわれること等の問題であ
る。
【0018】またこの時の分子量分布(重量平均分子量
と数平均分子量の比)は、なるべく小さく、狭いことが
好ましく、4.0以下が良い。分子量分布が大きいと、
高分子量物と、低分子量物が広く混在し、SPS系フイ
ルムに高分子量物が原因と思われる筋状物が出現した
り、低分子量物が原因と思われる析出物が観察される。
分子量分布の下限は特に限定されないが、通常の重合で
は下限は2.5程度である。この分子量分布について
は、異なる分子量のものを混合することにより調整する
ことも可能であるが、本発明の重量平均分子量範囲で
は、分子量分布は、4.0を越えないことが好ましい。
また、本発明の効果を損なわない程度に、これらと共重
合可能な他のモノマーを共重合することはかまわない。
【0019】本発明のSPS系フイルムとしては、スチ
レンから作られるSPS単独であることが好ましいが、
さらにSPSを含むフイルムとして、SPSに、主鎖が
メソ連鎖であるアイソタクチック構造を有するスチレン
系重合体(IPS)を混合することにより結晶化速度の
コントロールが可能であり、より強固なフイルムとする
ことが可能である。SPSとIPSとを混合する際に
は、その比はお互いの立体規則性の高さに依存するが、
30:70〜99:1好ましくは、50:50〜98:
2である。
【0020】支持体中には、本発明の目的を妨げない範
囲において、機能性付与のために無機微粒子、酸化防止
剤、UV吸収剤、帯電防止剤、染料、顔料、色素等を含
有させても良い。
【0021】この様にして得られるSPS系ポリマー
は、特に意識的に管理しなければスチレン系単量体を1
重量%程度含んだものが得られる。写真感光材料用支持
体として、SPS系フイルムのスチレン系単量体の含有
量を0.05重量%以下と少なくするには、SPS系ポ
リマーの残留スチレン系単量体の含有量を出来るだけ少
なくしておく必要がある。SPS系ポリマーの残留スチ
レン系単量体の含有量を少なくする方法としては、S
PS系ポリマーの重合終了後、溶融状態で真空・減圧下
で残留スチレン系単量体を排気・トラップし、得られ
たSPS系ポリマーペレットを乾燥・結晶化する過程
で、常圧または減圧・真空下でSPS系ポリマーのガラ
ス転移温度(Tg=約95〜100℃)以上、好ましく
は乾燥・結晶化と兼ねて120〜180℃で、1〜24
時間、真空下、或いは常圧下で空気又は窒素等の不活性
気体雰囲気下で乾燥し、押出幾、特に二軸のベント付
き押出機の先端にキャピラリーを設けた装置等で脱気す
ることが好ましい。上記の操作で、残留スチレン系単
量体量を1重量%程度から0.5重量%程度に減らすこ
とができる。更に、の操作を加えることで、残留ス
チレン系単量体を0.05重量%以下に減らすことがで
きる。
【0022】本発明のSPS系フイルムは、SPS系ペ
レットを乾燥、結晶化し、押出幾で溶融、押出し、二軸
延伸、熱固定して製膜する。SPS系ペレットは、12
0〜180℃で、1〜24時間、真空下或いは、常圧下
で、空気又は窒素等の不活性気体雰囲気下で乾燥する。
目的とする含有水分率は、特に限定されないが加水分解
による機械的強度等の低下を防ぐ観点から、0.05%
以下、好ましくは0.01%以下が良い。しかしながら
目的を達成すれば、これらの方法に特に限定されるもの
ではない。
【0023】製膜時に押し出す方法は、例えば、上述の
二軸のベント付き押出機の先端にキャピラリーを設けた
装置等で脱気し、Tダイで押し出すことが好ましい。S
PSペレットを280〜350℃で溶融し、残留スチレ
ン系単量体を脱気しながら押出して、キャスティングロ
ール上で静電印加しながら冷却固化させて未延伸フイル
ムを作製する。
【0024】次にこの未延伸フイルムを2軸延伸し、2
軸配向させる。本発明のSPS系フイルムの製造法は、
縦延伸及び横延伸を順に行う逐次2軸延伸法のほか、横
・縦延伸の逐次2軸延伸法が好ましく用いられる。もち
ろん横・縦・縦延伸法、縦・横・縦延伸法、縦・縦・横
延伸法、同時二軸延伸法で製膜出来ることは云うまでも
ない。
【0025】SPS系フイルムは、SPS系未延伸フイ
ルムを縦方向に105℃乃至150℃{(Tg+10)
℃〜(Tg+50)℃}で2.0乃至5.0倍に延伸し
た後、横方向に110乃至160℃{(Tg+15)℃
〜(Tg+60)℃}で2.0乃至5.0倍延伸する。
寸法安定性を要求される写真感光材料用途(カラー、X
−レイ、印刷感材等)には、200〜270℃(融点
は、およそ275℃)で、3秒から100秒間熱固定し
て得られる。
【0026】あるいは、SPS系フイルムよりなる未延
伸非晶のフイルムを、一方向に倍率2.7乃至5.0倍
で第一段延伸を行い、次いで、該延伸方向に対し、直角
の方向に倍率1.2乃至4.5倍で第二段延伸するに際
し、第一段延伸温度を第一段延伸後のフイルム面内にお
ける延伸方向と直角の方向の屈折率が1.597以上と
なるように選定し、第二段延伸温度を70℃以上105
℃未満で延伸し、同様に200〜270℃で、3秒から
100秒間熱固定して得られる。
【0027】ここで、第一段延伸後のフイルム面内にお
ける延伸方向と直角の方向の屈折率が1.597以上と
なる第一段延伸温度は、ポリマー種、延伸倍率に依存
し、若干変動するが、およそ90℃以上105℃未満で
ある。
【0028】この延伸フイルムを熱処理する熱固定温度
としては、200〜270℃の温度が採用される。必要
に応じて、縦熱弛緩、横熱弛緩処理等を施してもよいこ
とは言うまでもない。
【0029】上述の製膜法を採用すれば、SPS系フイ
ルム中の残留スチレン系単量体を0.05重量%以下に
することができる。SPS系フイルムの表面に下引層を
設けて、その上に乳剤層を設けることが行われるが、S
PS系支持体と下引層との接着性が非常に重要である。
先にも述べた通り、SPS系フイルムの結晶性が高く、
接着性が悪い。加えて、SPS系フイルム中の残留スチ
レン系単量体が多いと、接着性がわるくなる。そのメカ
ニズムは良くわからないが、残留スチレン系単量体が、
SPS系支持体と下引層の界面に、浸出してきて接着性
を悪化させるものと推定される。従って、SPS系フイ
ルム中の残留スチレン系単量体の量を0.05重量%以
下、好ましくは0.03重量%以下にすることが好まし
い。
【0030】しかしながら、SPS系フイルム中の残留
スチレン系単量体の量を完全に無くすことは難しい。S
PS系フイルム製膜条件の観点から鋭意検討した結果、
厚み方向の屈折率と接着性の間に良い相関を見い出した
ものである。すなわち、厚み方向の屈折率が大きいと接
着性が悪く、厚み方向の屈折率が小さいと接着性が良く
なる傾向にあることである。接着性と厚み方向の屈折率
との関係について鋭意検討した結果、SPS系フイルム
中の残留スチレン系単量体の量を0.05重量%以下、
好ましくは0.03重量%以下で、厚み方向の屈折率
が、1.625以下、好ましくは、1.622以下であ
れば格別接着性が良くなることがわかった。接着性が良
好になる理由は良く判らないが、縦・横両方向の延伸倍
率が大きくなるに従って、厚み方向の屈折率が大きくな
り(縦、横両方向の屈折率は未延伸原反に較べ、小さく
なる)、SPS系フイルムの骨格を構成するベンゼン環
がフイルム厚み方向に配向し、立ってくることがわかっ
てきた。この状態では、下引層塗布・乾燥時の熱の影響
を受けて、残留スチレン系単量体は比較的容易にフイル
ム表面に拡散でき、SPS系フイルムと下引層の界面に
浸出して、接着性を悪化させるのではないかと推定され
る。一方、残留スチレン系単量体の含有量が同じであっ
ても、厚み方向の屈折率が小さいと、ベンゼン環がフイ
ルム面方向に寝てきて、残留スチレン系単量体は、ベン
ゼン環の立体障害でフイルム表面への拡散が抑制され、
結果として良好な接着性が保たれるれるものと推定され
る。
【0031】SPS系フイルムの接着性を良好にするに
は、SPS系フイルム中の残留スチレン系単量体の量
を極力少なくするか、残留スチレン系単量体の量を完
全に無くすことは難しいとすれば、フイルム構造上、フ
イルム表面への浸出を抑える構造にしてやれば良いこと
が理解される。前者については、すでに述べた。
【0032】後者の構造のフイルムは、縦・横延伸温
度、縦・横延伸倍率、熱固定温度によって変わり、一義
的に決まらない。
【0033】上述の製膜法に加えて、易滑性、接着性、
帯電防止性能等の諸特性を付与するため、SPS系フイ
ルムの少なくとも片面に、上記諸特性等を付与したSP
S系フイルムを積層した、SPS積層フイルムを作製す
ることも出来る。積層の方法は、樹脂が溶融された状態
で層流で積層した後、ダイより押し出すとか、冷却、固
化したSPS未延伸フイルム又はSPS一軸延伸フイル
ムに、溶融SPSを押出ラミネートし、しかる後縦・横
両方向に又は、一軸延伸方向と直角方向に延伸、熱固定
して得られる。SPS系積層フイルムの製造方法も同様
に、本発明の製造方法を採用すれば良い。
【0034】上記に加えて、易滑性、接着性、帯電防止
性能等の諸特性を付与するため、SPS系フイルムの少
なくとも片面に、表面塗布(塩化ビニリデン塗布による
ガスバリヤー性付与、インライン塗布による易滑性、易
接着性付与等)を行っても良い。
【0035】本発明の方法で得られたSPS系二軸配向
フイルムは、SPS系二軸配向フイルムが本来有する優
れた熱的、機械的、物理的、化学的、光学的特性、寸法
安定性を保持し、かつ接着性に優れたフイルムである。
【0036】このようにして得られるSPS系延伸フイ
ルムは、写真感光材料用途、磁気記録用途、電気用途、
蒸着用途、包装用途等あらゆる用途に有用に使用する事
が出来るが、とりわけ写真感光材料用途に有用に使用す
ることができる。
【0037】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0038】残留スチレン系単量体の含有量、SPS系
フイルムの屈折率測定法、接着性評価法について説明す
る。
【0039】(1)残留スチレン系単量体の含有量測定
法 実施例および比較例に使用のペレット、および実施例1
〜4、比較例1〜2のSPS系フイルムを、1,2,4
−トリクロルベンゼンを溶媒として、135℃でGPC
(ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ)の測定結
果から求めた。
【0040】(2)SPS系フイルムの屈折率測定法 アッベの屈折計を用いて、α−ブロモナフタレンを中間
液として、SPS系フイルムの厚み方向の屈折率
(nz)を測定した。
【0041】(3)塗布膜の接着性評価法 SPSフイルム上面に、後述の実施例に記載の方法で、
塗布膜(プライマー層)、乳剤層を塗布したハロゲン化
銀写真感光材料を、格子状に切り傷をカミソリにて入れ
て、セロテープを圧着し、急激に引き剥し、プライマー
層の剥離面積を10段階で評価した。
【0042】(接着性評価基準) 1.接着力は非常に弱く、完全に100%の面積が剥離
する 2.50%以上100%未満の面積が剥離する 3.10%以上50%未満の面積が剥離する 4.接着力は強く、5%以上10%未満の面積が剥離す
る 5.接着力は非常に強く、剥離面積は5%未満で殆ど剥
離しない。
【0043】なお、 1〜3は、実用に耐えないレベル 4は、優れたレベル 5は、非常に優れたレベル である。
【0044】実施例1〜6、比較例1〜6 (1)SPSポリマーの重合 特開平3−131843号に準じてSPSペレットを作
製した。触媒の調整から重合反応までは、全て乾燥アル
ゴン気流下で行った。内容積500mlのガラス性容器
に硫酸銅・5水塩(CuSO4・5H2O)17.8g
(71mmol)精製ベンゼン200mlおよびトリメ
チルアルミニウム24mlを入れ、40℃で8時間撹拌
して触媒の調整を行った。これをアルゴン気流下No.
3ガラスフィルターで濾過して、濾液を凍結乾燥させ
た。これを取り出し、2リットルのステンレス製容器に
いれ、この中にさらにトリブチルアルミニウム、ペンタ
シクロペンタジエチルチタンメトキシドを混合し90℃
に加熱した。この中に、精製したスチレンおよび4−メ
チルスチレンをそれぞれ1リットルおよび75ml入
れ、重合反応を続け、SPS系ポリマーを重合した。こ
の後室温まで冷却し、1リットルの塩化メチレンを入
れ、さらに撹拌しながらナトリウムメチラートのメタノ
ール溶液を加えて触媒を失活させた。内容物を20リッ
トルのメタノール中に徐々に滴下して、更にガラスフィ
ルターで濾過して3回メタノールで洗浄した後、乾燥さ
せた。またこの重合体は、13C−NMRの測定からも、
シンジオタクチック構造を有することを確認した。
【0045】SPS系ポリマーペレットを必要量確保し
た。この時の残留スチレン系単量体の量が1.0重量%
であった。得られたSPS系ポリマーペレットを、実施
例1〜3用に、170℃で8時間真空乾燥し、実施例4
〜6用には、150℃で3時間真空乾燥し、しかる後、
残留スチレン系単量体の量を減らすため、二軸のベント
付き押出機の先端にキャピラリーを設けた押出機で脱気
しながらペレット化し、残留スチレン系単量体の量が実
施例1〜3用チップは、0.05重量%、実施例4〜6
用チップは、0.07重量%であった。
【0046】なお、比較例1〜6用チップの残留スチレ
ン系単量体の量は、1.0重量%である。
【0047】(2)SPS系フイルムの製膜 得られた上述のSPS系ポリマーペレットを、実施例1
〜6、比較例4〜6は、150℃で3時間、比較例1〜
3は、170℃で8時間、窒素雰囲気下で乾燥し、33
0℃でTダイからフイルム状に溶融押出しを行い、シー
トを静電印加法により25℃の冷却ドラム上で急冷固化
して、未延伸フイルムを作製した。
【0048】この未延伸フイルムを、縦方向に130℃
で、引き続き横方向に135℃で、表1に記載の延伸倍
率で逐次二軸延伸し、更に、表1に記載の熱固定温度で
15秒間熱固定し、巻きとって、厚さ100μmのSP
S系フイルムロールを得た。得られたSPS系フイルム
の製膜条件(延伸倍率、熱固定温度)、物性値(厚み方
向の屈折率、残留スチレン系単量体の量)を併せて表1
に示す。
【0049】得られた二軸配向SPSロールフイルムの
両表面を、コロナ処理放電圧7(Watt・分/m2
で連続的にコロナ放電処理し、引き続き以下に記載の内
容の下引層塗布、ハロゲン化銀乳剤塗布を実施して、写
真感光材料を得た。このロール状写真感光材料を使用し
て、乳剤層の接着テストを実施した結果を、併せて表1
に示す。
【0050】(3)SPSフイルムの下引き スチレン−グリシジルアクリレートおよび酸化スズ微粒
子を含む帯電防止加工を施した下塗層を形成した。
【0051】(4)印刷製版用ハロゲン化銀乳剤の調製
及びハロゲン化銀写真感光材料の調製 上記の支持体の一方の下塗層上に、下記の処方1のゼラ
チン下引層をゼラチン量が0.5g/m2になるよう
に、その上に処方2のハロゲン化銀乳剤層1を銀量1.
5g/m2、ゼラチン量が0.5g/m2なるように、更
にその上層に中間保護層として下記処方3の塗布液をゼ
ラチン量が0.3g/m2になるように、更にその上層
に処方4のハロゲン化銀乳剤層2を銀量1.4g/
2、ゼラチン量が0.4g/m2になるように、更に下
記処方5の塗布液をゼラチン量が0.6g/m2になる
よう同時重層塗布した。また反対側の下塗層上には下記
処方6のバッキング層をゼラチン量が0.6g/m2
なるように、その上に下記処方7の疎水性ポリマー層
を、更にその上に下記処方8のバッキング保護層をゼラ
チン量が0.4g/m2になるように乳剤層側と同時重
層塗布することで試料を得た。
【0052】 処方1(ゼラチン下引層組成) ゼラチン 0.5g/m 染料AD−1の固体分散微粒子(平均粒径0.1μm) 25mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 10mg/m2 S−1(ソジウム−イソ−アミル−n−デシルスルホサクシネート) 0.4mg/m2 処方2(ハロゲン化銀乳剤層1組成) 後述するハロゲン化銀乳剤A 銀量1.5g/m2になるように 染料AD−8の固体分散微粒子(平均粒径0.1μm) 20mg/m2 シクロデキストリン(親水性ポリマー) 0.5g/m2 増感色素d−1 5mg/m2 増感色素d−2 5mg/m2 ヒドラジン誘導体H−7 20mg/m2 レドックス化合物:RE−1 20mg/m2 化合物e 100mg/m2 ラテックスポリマーf 0.5g/m2 硬膜剤g 5mg/m2 S−1 0.7mg/m2 2−メルカプト−6−ヒドロキシプリン 5mg/m2 EDTA 30mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.05μm) 10mg/m2 処方3(中間層組成) ゼラチン 0.3g/m2 S−1 2mg/m2 処方4(ハロゲン化銀乳剤層2組成) 後述するハロゲン化銀乳剤B 銀量1.4g/m2になるように 増感色素d−1 3mg/m2 増感色素d−2 3mg/m2 ヒドラジン誘導体H−20 20mg/m2 造核促進剤:例示化合物Na−3 40mg/m2 レドックス化合物:RE−2 20mg/m2 2−メルカプト−6−ヒドロキシプリン 5mg/m2 EDTA 20mg/m2 ラテックスポリマーf 0.5g/m2 S−1 1.7mg/m2 処方5(乳剤保護層組成) ゼラチン 0.6g/m2 染料AD−5の固体分散体(平均粒径0.1μm) 40mg/m2 S−1 12mg/m2 マット剤:平均粒径3.5μmの単分散シリカ 25mg/m2 造核促進剤:例示化合物Na−3 40mg/m2 1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノール 40mg/m2 界面活性剤h 1mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.05μm) 10mg/m2 硬膜剤:K−1 30mg/m2 処方6(バッキング層組成) ゼラチン 0.6g/m2 S−1 5mg/m2 ラテックスポリマーf 0.3g/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.05μm) 70mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 化合物i 100mg/m2 処方7(疎水性ポリマー層組成) ラテックス(メチルメタクリレート:アクリル酸=97:3) 1.0g/m2 硬膜剤g 6mg/m2 処方8(バッキング保護層) ゼラチン 0.4g/m2 マット剤:平均粒径5μmの単分散ポリメチルメタクリレート 50mg/m2 ソジウム−ジ−(2−エチルヘキシル)−スルホサクシネート 10mg/m2 界面活性剤h 1mg/m2 染料k 20mg/m2 H−(OCH2CH268−OH 50mg/m2 硬膜剤:K−1 20mg/m
【0053】
【化1】
【0054】
【化2】
【0055】
【化3】
【0056】(ハロゲン化銀乳剤Aの調製)同時混合法
を用いて塩化銀70モル%、残りは臭化銀からなる平均
厚み0.05μm、平均直径0.15μmの塩臭化銀コ
ア粒子を調製した。コア粒子混合時にKRuCl6
銀1モルあたり8×10-8モル添加した。このコア粒子
に、同時混合法を用いてシェルを付けた。その際K2
rCl6を銀1モルあたり3×10-7モル添加した。得
られた乳剤は平均厚み0.10μm、平均直径0.25
μmのコア/シェル型単分散(変動係数10%)の(1
00)面を主平面として有する塩沃臭化銀(塩化銀90
モル%、沃臭化銀0.2モル%、残りは臭化銀からな
る)平板粒子の乳剤であった。次いで特開平2−280
139号に記載の変性ゼラチン(ゼラチン中のアミノ基
をフェニルカルバミルで置換したもので例えば特開平2
−280139号287(3)頁の例示化合物G−8)
を使い脱塩した。脱塩後のEAgは50℃で190mv
であった。
【0057】得られた乳剤に4−ヒドロキシ−6−メチ
ル−1,3,3a,7−テトラザインデンを銀1モルあ
たり1×10-3モル添加し更に臭化カリウム及びクエン
酸を添加してpH5.6、EAg123mvに調整し
て、塩化金酸を2×10-5モル添加した後に無機硫黄を
3×10-6モル添加して温度60℃で最高感度がでるま
で化学熟成を行った。熟成終了後4−ヒドロキシ−6−
メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを銀1モ
ルあたり2×10-3モル、1−フェニル−5−メルカプ
トテトラゾールを3×10-4モル及びゼラチンを添加し
た。
【0058】(ハロゲン化銀乳剤Bの調製)同時混合法
を用いて塩化銀60モル%、沃化銀2.5モル%、残り
は臭化銀からなる平均厚み0.05μm、平均直径0.
15μmの塩沃臭化銀コア粒子を調製した。コア粒子混
合時にK3Rh(H2O)Br5を銀1モルあたり2×1
-8モル添加した。このコア粒子に、同時混合法を用い
てシェルを付けた。その際K2IrCl6を銀1モルあた
り3×10-7モル添加した。得られた乳剤は平均厚み
0.10μm、平均直径0.42μmのコア/シェル型
単分散(変動係数10%)の塩沃臭化銀(塩化銀90モ
ル%、沃臭化銀0.5モル%、残りは臭化銀からなる)
平板粒子の乳剤であった。次いで特開平2−28013
9号に記載の変性ゼラチン(ゼラチン中のアミノ基をフ
ェニルカルバミルで置換したもので、例えば特開平2−
280139号287(3)頁の例示化合物G−8)を
使い脱塩した。脱塩後のEAgは50℃で180mvで
あった。
【0059】得られた乳剤に4−ヒドロキシ−6−メチ
ル−1,3,3a,7−テトラザインデンを銀1モルあ
たり1×10-3モル添加し更に臭化カリウム及びクエン
酸を添加してpH5.6、EAg123mvに調整し
て、塩化金酸を2×10-5モル添加した後にN,N,
N′−トリメチル−N′−ヘプタフルオロセレノ尿素を
3×10-5モル添加して温度60℃で最高感度がでるま
で化学熟成を行った。熟成終了後4−ヒドロキシ−6−
メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを銀1モ
ルあたり2×10-3モル、1−フェニル−5−メルカプ
トテトラゾールを3×10-4モル及びゼラチンを添加し
た。
【0060】
【表1】
【0061】以上の結果から、SPS系フイルムの残留
スチレン系単量体の量が、0.05重量%以下、好まし
くは、0.03重量%以下であることが好ましい事が理
解される。また、残留スチレン系単量体の量が、0.0
5重量%以下のSPS系フイルムでは、フイルム厚み方
向の屈折率が小さい方が接着性は良好であることが理解
される。
【0062】このようにして得られたSPS系延伸フイ
ルムは、あらゆる用途に有用に使用する事が出来るが、
とりわけ写真感光材料用途、磁気記録用途、電気用途、
蒸着用途、包装用途等に有用に使用することができる。
【0063】
【発明の効果】SPS系フイルムの残留スチレン系単量
体の量が、0.05重量%以下、好ましくは、0.03
重量%以下とすることにより、又フイルム厚み方向の屈
折率が小さい方が接着性は良好である。又、このように
して得られたSPS系延伸フイルムは、とりわけ写真感
光材料用途、磁気記録用途、電気用途、蒸着用途、包装
用途等に有用に使用することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シンジオタクチックポリスチレン系フイ
    ルムよりなる写真感光材料用支持体において、該支持体
    中の残留スチレン系単量体の含有量が0.05重量%以
    下であることを特徴とする二軸配向シンジオタクチック
    ポリスチレン系フイルムよりなる写真感光材料用支持
    体。
  2. 【請求項2】 前記支持体の残留スチレン系単量体の含
    有量が0.03重量%以下であることを特徴とする請求
    項1に記載の写真感光材料用支持体。
  3. 【請求項3】 写真感光材料が印刷用感光材料であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の写真感光材料用
    支持体。
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