JPH09278829A - シンジオタクチックポリスチレン系支持体 - Google Patents

シンジオタクチックポリスチレン系支持体

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JPH09278829A
JPH09278829A JP9406696A JP9406696A JPH09278829A JP H09278829 A JPH09278829 A JP H09278829A JP 9406696 A JP9406696 A JP 9406696A JP 9406696 A JP9406696 A JP 9406696A JP H09278829 A JPH09278829 A JP H09278829A
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sps
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polymer
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JP9406696A
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Shigeru Shiozaki
茂 塩崎
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、ロール状に巻いて保管した
支持体を巻き出し、コロナ処理等の表面処理、下引き
層、バックコート層、乳剤層、磁性層等の塗布、打ち抜
き、穿孔、スリット等の加工処理をする際に、巻き癖に
よるカールの発生を抑え、平面性の良いシンジオタクチ
ックポリスチレン系支持体を提供することにある。 【解決手段】 シンジオタクチックポリスチレン系ポリ
マーよりなる縦・横両方向に配向、熱固定した支持体に
おいて、該支持体の表裏の厚み方向の屈折率の差が4×
10-3以上であり、支持体の厚み方向の屈折率の低い面
を内側にして巻き取ったことを特徴とするシンジオタク
チックポリスチレン系支持体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シンジオタクチッ
クポリスチレン系支持体に関するものである。更に詳し
くは、ロール状に巻いて保管した支持体を巻き出し、コ
ロナ処理等の表面処理、下引き層、バックコート層、乳
剤層、磁性層等の塗布、打ち抜き、穿孔、スリット等の
加工処理をする際に、巻き癖によるカールの発生を抑
え、平面性の良いシンジオタクチックポリスチレン系支
持体を提供しようとするものである。
【0002】この技術が必要な分野として、支持体を2
次加工して製品とする分野、例としては、写真フィル
ム、レントゲンフィルム、磁気テープ、光磁気ディス
ク、製図用等の塗布プロセス(下引層、乳剤層、磁性層
等の塗布)でうまく塗布出来ないとか、スリット、打ち
抜きプロセスで寸法精度が狂ったり、カールによる平面
性悪化を嫌うものに対して適用可能である。
【0003】
【従来の技術】シンジオタクチックポリスチレン(以
下、『SPS』とも略称する)系支持体は、PET支持
体の有する、熱的、機械的、物理的、化学的、光学的特
性を併せ持ち、特に、光学的特性(光線透過率、ヘーズ
等)、寸法安定性に優れている。従って、SPS系支持
体は、写真感光材料用途(カラー、X−レイ、印刷感材
等)、磁気記録用途(オーディオ、ビデオ、フロッピー
等)、電気用途(コンデンサー、電気絶縁材料等)、蒸
着用途、包装用途等に適している。
【0004】ところで、熱可塑性支持体は、一般に塗布
プロセス(下引層、乳剤層、磁性層等の塗布)、スリッ
ト、打ち抜きといった2次加工プロセスで、支持体長手
方向(進行方向)に向かって巻き癖のない平坦な支持体
であることが要求される。
【0005】しかしながら、一般に支持体はロール状態
で供給されるので、2次加工プロセスにおいて、支持体
長手方向にカールが起こり、平面性を損なって、収率を
低下させることが多い。特に、支持体ロール巻き芯部近
辺の巻き癖がきつく、支持体長手方向に強くカールし、
製品にならない場合も生じていた。
【0006】特に、SPS系支持体のガラス転移温度
(Tg)が95〜100℃と高く、支持体をロール状に
保管すると、巻き癖がつきやすく、とれにくいという欠
点を有している。
【0007】そこで、従来は巻き癖カールを防止する観
点から、(1)支持体をロール状に巻き取る巻き芯のコ
ア径を大口径化するとか、(2)支持体をロール状に巻
き取る巻き芯に、損失を予め見込んで、余分の支持体を
巻くとか、(3)特願平7−221999号に記載の方
法、すなわち、ロール状に巻かれたシンジオタクティッ
クポリスチレン系支持体を、40℃以上ガラス転移温度
(Tg℃)以下で、0.1〜1500時間熱処理するこ
とによって、発生した巻ぐせカールを解消するといった
方策がとられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法では、工程の都合で小口径のコアしか使えない場
合や、支持体の巻き芯部の損失が多くなってしまうと
か、或いは又、ロール状で熱処理することによる支持体
歩留まりの低下、熱処理に時間がかかる、設備投資が必
要などのコストアップ要因が大きい等、その適用範囲が
限定されたものになっている。そして、支持体をロール
状に巻くことによって、巻かれた支持体の中層、表層部
においても巻き癖カールの発生は避けられず、本質的に
カールしにくい支持体の出現が望まれていた。
【0009】したがって、本発明の目的は、ロール状に
巻いて保管した支持体を巻き出し、コロナ処理等の表面
処理、下引き層、バックコート層、乳剤層、磁性層等の
塗布、打ち抜き、穿孔、スリット等の加工処理をする際
に、巻き癖によるカールの発生を抑え、平面性の良いシ
ンジオタクチックポリスチレン系支持体を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成された。
【0011】(1) シンジオタクチックポリスチレン
系ポリマーよりなる縦・横両方向に配向、熱固定した支
持体において、該支持体の表裏の厚み方向の屈折率の差
が4×10-3以上であり、支持体の厚み方向の屈折率の
低い面を内側にして巻き取ったことを特徴とするシンジ
オタクチックポリスチレン系支持体。
【0012】(2) 前記支持体の表裏の厚み方向の屈
折率の差が6×10-3以上であることを特徴とする
(1)に記載のシンジオタクチックポリスチレン系支持
体。
【0013】即ち、コアにロール状に巻かれたSPS系
支持体をロールより引き出し、加工するに際し、カール
のない、平坦なSPS系支持体について鋭意検討した結
果、SPS系ポリマーよりなる縦・横両方向に配向、熱
固定した支持体において、該支持体表裏の厚み方向の屈
折率の差が4×10-3以上である支持体を、厚み方向の
屈折率の低い面を内側(コア側に当たるよう)にして巻
き取ることにより、ロールより支持体引き出し時(加工
時)、カールのない平坦な支持体とすることができるこ
とを見出し、本発明に到達したものである。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明において、シンジオタクチックポリ
スチレン(SPS)系支持体に用いられるシンジオタク
チックポリスチレン(SPS)系ポリマーとしては、立
体規則性構造(タクティシティー)が主としてシンジオ
タクチック構造、即ち炭素−炭素結合から形成される主
鎖に対して側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交
互に反対方向に位置する立体構造を有するものであり、
主鎖の主たる連鎖が、ラセモ連鎖であるスチレン系重合
体あるいは、それを含む組成物であり、スチレンの単独
重合体であれば、特開昭62−117708号記載の方
法で重合することが可能であり、またその他の重合体に
ついては、特開平1−46912号、同1−17850
5号等に記載された方法により重合することにより得る
ことができる。
【0016】そのタクティシティーは同位体炭素によ
る、核磁気共鳴法(13C−NMR法)により定量され
る。13C−NMR法により測定されるタクティシティー
は、連続する複数個の構成単位の存在割合、例えば2個
の場合はダイアッド、3個の場合はトリアッド、5個の
場合はペンタッドによって示すことができるが、本発明
に言う主としてシンジオタクチック構造を有するスチレ
ン系重合体とは、通常ラセミダイアッドで75%以上、
好ましくは85%以上、若しくはラセミトリアッド60
%以上、好ましくは75%以上、若しくはラセミペンタ
ッド30%以上、好ましくは50%以上であることが好
ましい。
【0017】シンジオタクチックポリスチレン系組成物
を構成する重合体の具体的なモノマーとしては、スチレ
ン、メチルスチレン等のアルキルスチレン、クロロメチ
ルスチレン、クロロスチレン等のハロゲン化(アルキ
ル)スチレン、アルコキシスチレン、ビニル安息香酸エ
ステル等を主成分とする単独もしくは混合物である。
【0018】本発明のシンジオタクチック構造を有する
ポリスチレン系樹脂は、上記のような原料モノマーを重
合用の触媒として、特開平5−320448号、4頁〜
10頁に記載の(イ).(a)遷移金属化合物及び
(b)アルミノキサンを主成分とするもの、又は
(ロ).(a)遷移金属化合物及び(c)遷移金属化合
物と反応してイオン性錯体を形成しうる化合物を主成分
とするものを用いて重合して製造することができる。
【0019】本発明のフィルムに用いられるスチレン系
重合体を製造するには、まず、前記スチレン系単量体を
十分に精製してから上記触媒のいずれかの存在下に重合
させる。この際、重合方法、重合条件(重合温度,重合
時間)、溶媒などは適宜選定すればよい。通常は−50
〜200℃、好ましくは30〜100℃の温度におい
て、1秒〜10時間、好ましくは1分〜6時間程度重合
が行われる。また、重合方法としては、スラリー重合
法,溶液重合法,塊状重合法,気相重合法など、いずれ
も用いることができるし、連続重合,非連続重合のいず
れであってもよい。ここで、溶液重合にあっては、溶媒
として、例えばベンゼン,トルエン,キシレン,エチル
ベンゼンなどの芳香族炭化水素,シクロペンタン,ヘキ
サン,ヘプタン,オクタンなどの脂肪族炭化水素などを
一種又は二種以上を組合わせて使用することができる。
この場合、単量体/溶媒(体積比)は任意に選択するこ
とができる。また、重合体の分子量制御や組成制御は、
通常用いられている方法によって行えばよい。分子量制
御は、例えば水素、温度、モノマー濃度などで行うこと
ができる。
【0020】使用されるスチレン系単量体、触媒、溶媒
等の精製、重合釜の洗浄等には、異物を混入させないよ
う、細心の注意を払う必要がある。
【0021】重合触媒として(イ).(a)遷移金属化
合物及び(b)アルミノキサンを主成分とするもの、又
は(ロ).(a)遷移金属化合物及び(c)遷移金属化
合物と反応してイオン性錯体を形成しうる化合物を主成
分とするものが使用されるが、上述の(イ)、(ロ)は
いずれも、Ti,Zr,Cr,V,Nb,Ta,および
Al金属を含む。触媒量は微量で、大部分は溶解してい
て、金属として析出してこないが、稀には重合ポリマー
中に、あるいは製膜プロセスで、ポリマー押出フイルタ
ー材質の金属、例えば、ブロンズ等と一緒に異物として
析出してくることがある。
【0022】バッチ式でポリマーを重合する場合、溶融
ポリマーを押出し、ペレットにカットする場合は、外部
より異物(例えば、塵埃)の混入を徹底的に排除しなけ
ればならない。また、ポリマー重合中に発生が避けられ
ない異物は、ペレットにカットするプロセスで、金属粉
焼結タイプのフイルター等で取り除く操作を実施してお
いたほうが良い。製膜プロセスのポリマー押出時、フイ
ルターで取り除くとの考えもあるが、完全に除けない場
合もあるので、製膜以前のプロセスで、極力除いておく
ことが好ましい。連続重合の場合も同様である。
【0023】本発明のSPS系フィルムの分子量は、製
膜される限りにおいては制限がないが、重量平均分子量
で、10,000〜1,500,000であることが好
ましい。重量平均分子量は30、000以上が好まし
い。重量平均分子量が10、000未満のものでは、強
度特性や耐熱性に優れた支持体を得ることが出来ない。
分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.
5〜5.0が好ましい。この分子量分布については、異
なる分子量のものを混合することにより調整することも
可能である。また、本発明の効果を損なわない程度に、
これらと共重合可能な他のモノマーを共重合することは
かまわない。
【0024】本発明のSPS系支持体としては、スチレ
ンから作られるSPS単独であることが好ましいが、さ
らにSPSを含む支持体として、SPSに、主鎖がメソ
連鎖であるアイソタクチック構造を有するスチレン系重
合体(IPS)を混合することにより結晶化速度のコン
トロールが可能であり、より強固な支持体とすることが
可能である。SPSとIPSとを混合する際には、その
比はお互いの立体規則性の高さに依存するが、30:7
0〜99:1、好ましくは50:50〜98:2であ
る。
【0025】支持体中には、本発明の目的を妨げない範
囲において、機能性付与のために無機微粒子、酸化防止
剤、UV吸収剤、帯電防止剤、染料、顔料、色素等を含
有させても良い。
【0026】本発明では、SPS系ポリマーよりなる縦
・横両方向に配向、熱固定した支持体とは、機械的強度
を確保する観点からは、支持体表裏の縦方向と横方向の
屈折率が共に1.585以下、好ましくは1.580以
下で、厚み方向の屈折率が共に1.600以上、好まし
くは1.610以上のものが良い。該支持体表裏の厚み
方向の屈折率の差は、4×10-3以上ついていることが
必要であり、更に好ましくは、6×10-3以上ついてい
ればいい。これより小さいと、ロール状に保管したSP
S系支持体をロールより取り出しても、平坦な支持体が
得られない。
【0027】本発明の支持体は、支持体表裏の厚み方向
の屈折率の低い面を内側にして巻くことにより、ロール
状で支持体を供給しても、塗布プロセス(下引層、乳剤
層、磁性層等の塗布プロセス)、スリット、打ち抜きと
いった2次加工プロセスで、長手方向に巻き癖のない平
坦な支持体として用いることができる。
【0028】本発明のSPS系支持体の製造法について
は、支持体表裏の厚み方向の屈折率の差を4×10-3
上つける方法であれば、特に限定されるものではない。
【0029】言い換えれば、SPS系支持体の製造にお
いて、押し出しキャスト、縦延伸、横延伸、熱固定のい
ずれかの工程で、支持体表裏に強制的に温度差をつけた
り、冷却速度に差をつけたり、共押し出し法で異種ポリ
マーを積層させて、結晶化速度の差を利用して、厚み方
向の屈折率に差をつけても良い。
【0030】例えば、SPS系ポリマーを押出、冷却固
化して未延伸支持体を作製するとき、実質的に無配向
で、結晶性のSPS系ポリマー原料を、ペレット状で、
120〜180℃で、1〜24時間、真空下或いは、常
圧下で、空気又は窒素等の不活性気体雰囲気下で乾燥す
る。目的とする含有水分率は、特に限定されないが、
0.05%以下、好ましくは0.01%以下で、SPS
系ポリマーを280〜350℃で溶融、押出す。片面を
10〜40℃のキャスティングドラム上で冷却固化し、
キャスティングドラムの反対面を空冷して、SPS系ポ
リマー未延伸原反を作製し、縦方向および横方向に延伸
し、熱固定する。
【0031】片面の空冷については、支持体厚みによる
冷却速度依存性があるため、自然空冷でも、強制空冷で
もかまわない。結果として、支持体表裏の厚み方向の屈
折率の差が4×10-3以上、好ましくは、6×10-3
上つけば良い。
【0032】SPS系溶融ポリマーのキャスティングド
ラム上での冷却速度は、12℃/秒以上、好ましくは1
5℃/秒以上であるのが良い。SPS系未延伸支持体の
冷却速度の上限は、40℃/秒程度である。該未延伸支
持体の冷却速度を12℃/秒未満にすると、SPS系二
軸配向熱固定支持体としたとき、白濁してヘイズが大
きくなる冷却ドラムに非接触の空冷面側が結晶化し
て、表面平坦化が損なわれる。ここで冷却速度とは、溶
融ポリマーをキャスティングドラム上で冷却、固化する
際、ドラムに接触する直前のポリマー温度とドラムを離
れる時点での支持体温度の差を、支持体がドラム面に接
触する時間で除算したもので表す。
【0033】SPS系未延伸支持体の延伸方法として
は、縦延伸及び横延伸を順に行う逐次2軸延伸法が好ま
しく、まず、縦方向に105乃至150℃{(Tg+1
0)℃〜(Tg+50)℃}で2.0乃至5.0倍に延
伸した後、横方向に110乃至160℃{(Tg+1
5)℃〜(Tg+60)℃}で2.0乃至5.0倍延伸
し、しかる後、170〜270℃で、3秒から100秒
熱固定する。なお、ここでTgは、SPS系支持体のガ
ラス転移温度(℃)を表し、おおよそ95〜100℃で
ある。
【0034】SPS系支持体は、縦、横方向に配向する
に従って、縦および横方向の屈折率は小さく、厚み方向
の屈折率は大きくなる。機械的強度を確保するという観
点からは、縦および横方向の屈折率は、共に1.585
以下、好ましくは1.580以下であることが良い。縦
および横方向の屈折率の下限は特に限定されないが、
1.550程度である。厚み方向の屈折率は、機械的強
度を確保するという観点からは、1.60以上、好まし
くは、1.61以上であることが良い。上限は特に限定
されないが、1.63程度である。
【0035】延伸の過程で、例えば、延伸直前の赤外線
ヒーターの熱量が、支持体表裏で異なっていて、支持体
表裏に温度差をつけるとか、横延伸、熱固定の過程で
も、ステンタ上下ノズルの風速或いは、ステンタ上下の
設定温度を変えて、支持体表裏の厚み方向の屈折率に差
をつけることが可能である。
【0036】延伸は、逐次2軸延伸法のほか、横・縦延
伸の逐次2軸延伸法、横・縦・縦延伸法、縦・横・縦延
伸法等が適用出来ることは云うまでもない。
【0037】前述のSPS系未延伸支持体の冷却速度を
採用し、その後の縦延伸、横延伸、熱固定のいずれかの
工程で、支持体表裏に温度差をつける、支持体表裏
に冷却速度の差をつければ、支持体表裏の厚み方向の屈
折率に差が発生し、厚み方向の屈折率の低い面を内側
(コア側に当たるよう)にして巻き取ることにより、ロ
ール状に保管したSPS系支持体をロールより取り出し
た時、平坦なSPS系支持体を得ることが出来るもので
ある。
【0038】従って、このような条件下で、厚み方向の
屈折率の差が4×10-3以上、好ましくは6×10-3
上のSPS系支持体を得ることが出来る。厚み方向の屈
折率の差の上限は、使用条件にもよるが、8×10-3
度である。
【0039】このようにして得られたSPS系二軸延伸
熱固定支持体は、写真感光材料用途(カラー、X−レ
イ、印刷感材等)、磁気記録用途(オーディオ、ビデ
オ、フロッピー等)、電気用途(コンデンサー、電気絶
縁材料等)、蒸着用途(スタンピング、メタライジング
等)、包装用等に有用に使用される。その厚さは、特に
限定されないが、3〜350μm厚さのものに有用であ
る。未延伸支持体厚みが厚くなると、キャスティングド
ラム面に接触する未延伸支持体面は急冷されるが、反対
面は空気で徐冷され、冷却速度が遅れるので、結果とし
て支持体表裏の厚み方向の屈折率に差が発生するので、
SPS系二軸延伸熱固定支持体厚みが50μm厚さ以上
のものに有用である。
【0040】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0041】《支持体の作成》 実施例1 (1)SPSポリマーの重合 特開平3−131843号に準じてSPSペレットを作
製した。触媒の調整から重合反応までは、全て乾燥アル
ゴン気流下で行った。内容積500mlのガラス性容器
に硫酸銅5水塩(CuSO4・5H2O)17.8g(7
1mmol)精製ベンゼン200mlおよびトリメチル
アルミニウム24mlをいれ、40℃で8時間撹拌して
触媒の調整を行った。これをアルゴン気流下No.3ガ
ラスフィルターで濾過して、濾液を凍結乾燥させた。こ
れを取り出し、2lのステンレス製容器にいれ、この中
にさらにトリブチルアルミニウム、ペンタシクロペンタ
ジエチルチタンメトキシドを混合し90℃に加熱した。
この中に、精製したスチレンおよび4−メチルスチレン
をそれぞれ1lおよび75ml入れ、この温度中で8時
間重合反応を続けた。この後室温まで冷却し、1lの塩
化メチレンを入れ、さらに撹拌しながらナトリウムメチ
ラートのメタノール溶液を加えて触媒を失活させた。内
容物を20lのメタノール中に徐々に滴下して、更にガ
ラスフィルターで濾過して3回メタノールで洗浄した
後、乾燥させた。1,2,4−トリクロルベンゼンを溶
媒として、135℃で標準ポリスチレンで検量したGP
Cの測定結果から求めたこの重合体の重量平均分子量は
280,000であった。またこの重合体の融点は、2
45℃で13C−NMRの測定からも得られた重合体は、
シンジオタクチック構造を有することを確認した。
【0042】これを押出機でペレット化し必要量を確保
した。
【0043】(2)SPS系支持体の製膜 得られたSPS系ポリマーペレットを、150℃で3時
間、窒素雰囲気下で乾燥し、330℃で、Tダイから支
持体状に溶融押出しを行い、支持体シートを静電印加法
により15℃に保持した冷却ドラム上で、急冷固化せし
めて、厚さ約930μmの未延伸支持体を作製した。こ
の際キャスティングドラム面側を急速固化せしめること
から、キャスティングドラム面に接触しない面の冷却風
吹き付けをやめた。また溶融ポリマーをキャステングド
ラム上で急冷固化せしめる冷却速度は、20℃/秒であ
った。この未延伸支持体を、速度差を持ったロール間
で、105℃で縦方向に3.0倍、横方向に3.1倍延
伸延伸し、245℃で、10秒間熱固定し、85℃で1
0秒冷却後巻き取って、厚さ100μmの二軸配向SP
S系支持体を得た。
【0044】引き続いて、この二軸配向SPS系支持体
を後述の測定法に従い、カール度を測定した。
【0045】実施例2 (1)SPSポリマーの重合 実施例1と同様にして、SPS系ポリマーを必要量確保
した。
【0046】(2)SPS系支持体の製膜 得られたSPS系ポリマーペレットを、150℃で3時
間、窒素雰囲気下で乾燥し、330℃で、Tダイから支
持体状に溶融押出しを行い、支持体シートを静電印加法
により20℃に保持した冷却ドラム上で、キャスティン
グドラムに接する面を急冷固化せしめて、厚さ約930
μmの未延伸支持体を作製した。この溶融ポリマーをキ
ャステングドラム上で急冷固化せしめる冷却速度を、1
5℃/秒にする以外は実施例1と同じ方法で厚さ100
μmの二軸配向SPS系支持体を得た。
【0047】引き続いて、この二軸配向SPS系支持体
を後述の測定法に従い、カール度を測定した。
【0048】実施例3 (1)SPSポリマーの重合 実施例1と同様にして、SPS系ポリマーを必要量確保
した。
【0049】(2)SPS系支持体の製膜 冷却ドラムの温度を25℃、冷却速度を12℃/秒とし
た以外は、実施例2と同じ条件で厚さ100μmの二軸
配向SPS系支持体を得た。引き続いて、この二軸配向
SPS系支持体を後述の測定法に従い、カール度を測定
した。
【0050】比較例1 (1)SPSポリマーの重合 実施例1と同様にして、SPS系ポリマーを必要量確保
した。
【0051】(2)SPS系支持体の製膜 キャスティングドラム面に接触しない面の冷却風吹き付
けを止めずに冷却した以外は、実施例1と同じ条件で厚
さ100μmの二軸配向SPS系支持体を得た。引き続
いて、この二軸配向SPS系支持体を後述の測定法に従
い、カール度を測定した。
【0052】比較例2 (1)SPSポリマーの重合 実施例1と同様にして、SPS系ポリマーを必要量確保
した。
【0053】(2)SPS系支持体の製膜 得られたSPS系ポリマーペレットを、150℃で3時
間、窒素雰囲気下で乾燥し、330℃で、Tダイから支
持体状に溶融押出しを行い、支持体シートを静電印加法
により20℃の冷却ドラム上で、キャスティングドラム
に接する面と、キャスティングドラムに接しない面の冷
却速度の差が極力付かないように、キャスティングドラ
ム非接触面からも冷却エアーをあてながら、冷却固化せ
しめて、厚さ約930μmの未延伸支持体を作製した。
【0054】実施例1と同様にして、厚さ100μmの
二軸配向SPS系支持体を得た。
【0055】引き続いて、この二軸配向SPS系支持体
を後述の測定法に従い、カール度を測定した。
【0056】以上の試料について下記の評価を行った 《評価》 (1)ヘーズ ASTM−D1003−52に従って、市販のヘーズメ
ーターで測定したフィルム1枚当たりの全ヘーズ値で表
した。
【0057】(2)巻きぐせカール 二軸配向SPS系支持体の巻きぐせカールは、外径3イ
ンチコアに61cm幅(製造時の横方向)×60m(製
造時の縦方向)寸法サンプルを、厚み方向の屈折率の低
い面を内側にして巻き付け、23℃、55%RHの条件
下で1日かけて調湿した後、55℃、20%RHの雰囲
気下で、4時間かけて熱処理を行った。
【0058】この時の巻きぐせカールは、巻き表層第一
層の長さ方向の巻ぐせを示す。
【0059】この巻ぐせカールテスト条件は、2年保存
後の状態とほぼ対応する。
【0060】その後、23℃、55%RHの雰囲気下で
30分かけて放冷した後に、コアから解放し、1分経過
後に、この支持体断片の側面を水平な平面上に立て、厚
み方向の屈折率の高い面側を内側にして発生する巻ぐせ
カールを+(プラス)として表す。従って、厚み方向の
屈折率の低い面側を内側にしてカールする場合を−(マ
イナス)として、巻きぐせカール度を、1/R(m-1
で表す。
【0061】このRは、カールした支持体の曲率半径を
表し、単位はm(メートル)である。巻ぐせカール度
は、最大で外径が3インチ(7.62cm)のコアに等
しい時(すなわち、曲率半径が、0.0381m)、2
6.25(m-1)を示し、最も悪く、支持体がフラット
な場合、曲率半径が無限大となり、カール度は0
(m-1)になる。従って、カール度の数値が小さければ
小さい程良好であることを示す。
【0062】(3)厚み方向の屈折率 本発明における二軸配向SPS系支持体の屈折率を、そ
の表裏を各々測定し、各々の厚み方向の屈折率を求め
た。
【0063】なお、支持体の表、裏面を定義する必要か
ら、以下のように取り扱う。すなわち、溶融ポリマーを
キャスティングドラム上で冷却、固化する際、ドラム側
に接する面をD面、その反対面をA面として、D面側で
測定した厚み方向の屈折率をnz(D)、A面側で測定
した厚み方向の屈折率をnz(A)とし、 厚み方向の屈折率の差(Δnz)=nz(D)−nz
(A) として表す。なお屈折率は、アッベの屈折計を用いて、
α−ブロモナフタレンを中間液として、25℃で測定さ
れるNaのD線に対する値を示す。
【0064】(4)平坦性評価結果は、以下の基準に従
って評価した。
【0065】◎:支持体が極めて平坦で、塗布プロセス
(下引層塗布、乳剤層塗布、磁性層塗布等)、スリッ
ト、打ち抜きプロセスで寸法精度が狂うといったことが
全然ないもの ○:同上プロセスで支持体カールが若干気になり、工程
の支持体引き取りテンションを上げ気味にして、問題な
く使用可能なもの ×:支持体カールがきつく、同上プロセスで問題が発生
し、使用出来なかったもの。
【0066】以上の結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】表1から明らかなように、本発明のSPS
系支持体表裏の厚み方向の屈折率の差が4×10-3
上、好ましくは6×10-3以上で、支持体の厚み方向の
屈折率の低い面を内側にして巻き取れば、平坦性に極め
て優れていることが理解される。
【0069】一方、厚み方向の屈折率の高い面側を内側
にして巻きとった場合は、巻き癖カールは更に強調さ
れ、その数値も大きく、使用に耐えなかった。
【0070】また、本発明のものはヘーズも優れている
ことがわかる。
【0071】
【発明の効果】本発明により、ロール状に巻いて保管し
た支持体を巻き出し、コロナ処理等の表面処理、下引き
層、バックコート層、乳剤層、磁性層等の塗布、打ち抜
き、穿孔、スリット等の加工処理をする際に、巻き癖に
よるカールの発生を抑え、平面性の良いシンジオタクチ
ックポリスチレン系支持体を提供することができた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シンジオタクチックポリスチレン系ポリ
    マーよりなる縦・横両方向に配向、熱固定した支持体に
    おいて、該支持体の表裏の厚み方向の屈折率の差が4×
    10-3以上であり、支持体の厚み方向の屈折率の低い面
    を内側にして巻き取ったことを特徴とするシンジオタク
    チックポリスチレン系支持体。
  2. 【請求項2】 前記支持体の表裏の厚み方向の屈折率の
    差が6×10-3以上であることを特徴とする請求項1に
    記載のシンジオタクチックポリスチレン系支持体。
JP9406696A 1996-04-16 1996-04-16 シンジオタクチックポリスチレン系支持体 Pending JPH09278829A (ja)

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