JPH09204660A - 磁気記録層の形成方法 - Google Patents
磁気記録層の形成方法Info
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- JPH09204660A JPH09204660A JP1113596A JP1113596A JPH09204660A JP H09204660 A JPH09204660 A JP H09204660A JP 1113596 A JP1113596 A JP 1113596A JP 1113596 A JP1113596 A JP 1113596A JP H09204660 A JPH09204660 A JP H09204660A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い保磁力(例えば、2000Oe以上)を有
する磁気記録層を確実に形成する方法を提供する。 【解決手段】 非磁性材料からなる基板上の非磁性金属
下地層に、強磁性金属からなる磁気記録層をスパッタリ
ングにより積層する磁気記録層の形成方法であって、上
記強磁性金属としてCoCrW合金を用いると共に、基
板上におけるバイアス電力密度を0.03W/cm2 以
上となる様に制御する。尚、上記CoCrW合金のCr
含有量は8at%以上とし、W含有量は4at%以上と
することが推奨される。
する磁気記録層を確実に形成する方法を提供する。 【解決手段】 非磁性材料からなる基板上の非磁性金属
下地層に、強磁性金属からなる磁気記録層をスパッタリ
ングにより積層する磁気記録層の形成方法であって、上
記強磁性金属としてCoCrW合金を用いると共に、基
板上におけるバイアス電力密度を0.03W/cm2 以
上となる様に制御する。尚、上記CoCrW合金のCr
含有量は8at%以上とし、W含有量は4at%以上と
することが推奨される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータやデ
ータプロセッサ等における磁気記録装置に用いられる磁
気記録媒体の磁気記録層を形成する方法に関するもので
ある。
ータプロセッサ等における磁気記録装置に用いられる磁
気記録媒体の磁気記録層を形成する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、情報量の急速な増大と情報処理速
度の向上に伴い、コンピュータ等の外部記録装置として
用いられている磁気記録装置に対して記録容量の大容量
化が求められており、それと共に上記磁気記録装置に用
いられる磁気記録媒体に対する高密度記録化の要求がま
すます高まっている。
度の向上に伴い、コンピュータ等の外部記録装置として
用いられている磁気記録装置に対して記録容量の大容量
化が求められており、それと共に上記磁気記録装置に用
いられる磁気記録媒体に対する高密度記録化の要求がま
すます高まっている。
【0003】現在、上記磁気記録媒体としては、非磁性
材料からなる導電性のディスク基板上に、非磁性金属の
下地層,磁気記録層(強磁性金属薄膜)および保護潤滑
膜をマグネトロンDCスパッタリング法等によって順次
積層した強磁性金属薄膜型磁気記録媒体が主流となって
いる。上記磁気記録層に用いる強磁性金属としては、ス
パッタリング等によって形成が可能であることの他、磁
気的性質,記録再生特性,耐候性(耐食性)等の観点か
らCo基合金が採用されている。このCo基合金からな
る薄膜は最密六方格子からなる結晶構造を有しており、
その結晶構造において磁化容易方向であるC軸を記録面
に対して平行とすることによって、保磁力等の磁気特性
や再生信号等の記録再生特性が著しく向上する。従っ
て、磁気記録層を形成するあたっては、まず基板上に純
Cr等の非磁性金属の下地層を成膜し、その上にエピタ
キシャル的にCo基合金を積層する方法が用いられてい
る。更に、磁気記録層の表面に、該磁気記録層を保護
し、耐候性や耐摩耗性の向上を図るという観点から、C
(カーボン)等の保護潤滑膜が形成されるのが一般的で
ある。
材料からなる導電性のディスク基板上に、非磁性金属の
下地層,磁気記録層(強磁性金属薄膜)および保護潤滑
膜をマグネトロンDCスパッタリング法等によって順次
積層した強磁性金属薄膜型磁気記録媒体が主流となって
いる。上記磁気記録層に用いる強磁性金属としては、ス
パッタリング等によって形成が可能であることの他、磁
気的性質,記録再生特性,耐候性(耐食性)等の観点か
らCo基合金が採用されている。このCo基合金からな
る薄膜は最密六方格子からなる結晶構造を有しており、
その結晶構造において磁化容易方向であるC軸を記録面
に対して平行とすることによって、保磁力等の磁気特性
や再生信号等の記録再生特性が著しく向上する。従っ
て、磁気記録層を形成するあたっては、まず基板上に純
Cr等の非磁性金属の下地層を成膜し、その上にエピタ
キシャル的にCo基合金を積層する方法が用いられてい
る。更に、磁気記録層の表面に、該磁気記録層を保護
し、耐候性や耐摩耗性の向上を図るという観点から、C
(カーボン)等の保護潤滑膜が形成されるのが一般的で
ある。
【0004】上記磁気記録層に用いるCo基合金として
は、Co−Cr系,Co−Ni系,Co−Cr−Ni
系,Co−Cr−Pt系等の合金が開発され、1000
Oe程度の保磁力Hcを有する磁気記録媒体が得られてい
る。しかしながら、高密度記録化に対応した線記録密度
の増加に伴って、再生時の出力信号が低下すると共に、
ノイズが増加し、更には記録再生特性の指標であるS/
N比が低下するといった問題を有していた。
は、Co−Cr系,Co−Ni系,Co−Cr−Ni
系,Co−Cr−Pt系等の合金が開発され、1000
Oe程度の保磁力Hcを有する磁気記録媒体が得られてい
る。しかしながら、高密度記録化に対応した線記録密度
の増加に伴って、再生時の出力信号が低下すると共に、
ノイズが増加し、更には記録再生特性の指標であるS/
N比が低下するといった問題を有していた。
【0005】そこで、上記のCo基合金が有する問題点
を改善したCo−Cr−Ta系3元合金(以下、CoC
rTa合金という)も提案されている(例えば、特開平
2−306419号,特開平3−241516号,特開
平2−292715号)。これらのCoCrTa合金を
用いた磁気記録層では、成分中のCrが結晶粒界に偏析
してCrリッチな非磁性粒界層を形成することにより結
晶粒の磁気的相互作用を分断しており、従来のCo基合
金を用いる磁気記録層と比較して高い保磁力と低いノイ
ズ特性を達成している。このCoCrTa合金における
Taの作用としてはCrの結晶粒界への偏析を促進する
ことであり、従ってCrとTaを同時に添加することに
よって目的の磁気記録層が得られるものである。但し、
上記CoCrTa合金を用いる磁気記録媒体であって
も、その保磁力はせいぜい1400Oe程度であり、より
高い保磁力が要求されていた。
を改善したCo−Cr−Ta系3元合金(以下、CoC
rTa合金という)も提案されている(例えば、特開平
2−306419号,特開平3−241516号,特開
平2−292715号)。これらのCoCrTa合金を
用いた磁気記録層では、成分中のCrが結晶粒界に偏析
してCrリッチな非磁性粒界層を形成することにより結
晶粒の磁気的相互作用を分断しており、従来のCo基合
金を用いる磁気記録層と比較して高い保磁力と低いノイ
ズ特性を達成している。このCoCrTa合金における
Taの作用としてはCrの結晶粒界への偏析を促進する
ことであり、従ってCrとTaを同時に添加することに
よって目的の磁気記録層が得られるものである。但し、
上記CoCrTa合金を用いる磁気記録媒体であって
も、その保磁力はせいぜい1400Oe程度であり、より
高い保磁力が要求されていた。
【0006】Crの結晶粒界への偏析を促進して保磁力
の向上を図るには、磁気記録層をスパッタリングにより
形成する際に、基板に負のバイアス電圧を印加すること
が効果的である。これはバイアス電圧の印加により、ス
パッタされた原子に基板上での移動に関する高い自由度
が与えられ、膜中での成分偏析を助長するからであると
考えられる。
の向上を図るには、磁気記録層をスパッタリングにより
形成する際に、基板に負のバイアス電圧を印加すること
が効果的である。これはバイアス電圧の印加により、ス
パッタされた原子に基板上での移動に関する高い自由度
が与えられ、膜中での成分偏析を助長するからであると
考えられる。
【0007】そこで本発明者らは、より高い保磁力を有
するCo基合金を開発すべく、Co−Cr系の3元合金
に着目してCo−Cr−M合金(Mは金属元素)のMに
種々の金属元素を用いると共に、基板にバイアス電圧を
印加しながら磁気記録層を形成した磁気記録媒体の保磁
力を調べた。その結果、基板に−200Vのバイアス電
圧をかけながら、Co−Cr−W系3元合金(以下、C
oCrW合金という)を磁気記録層として形成した磁気
記録媒体は、CoCrTa合金より高い1800Oe以上
の保磁力が得られることを見出し、既に発表した(IEE
E,Trans.Magn. Vol.31, P2839〜P2841,1995)。この様
に従来では基板に印加するバイアス電圧を高く設定する
ことによって高い保磁力を得られると考えられていた。
するCo基合金を開発すべく、Co−Cr系の3元合金
に着目してCo−Cr−M合金(Mは金属元素)のMに
種々の金属元素を用いると共に、基板にバイアス電圧を
印加しながら磁気記録層を形成した磁気記録媒体の保磁
力を調べた。その結果、基板に−200Vのバイアス電
圧をかけながら、Co−Cr−W系3元合金(以下、C
oCrW合金という)を磁気記録層として形成した磁気
記録媒体は、CoCrTa合金より高い1800Oe以上
の保磁力が得られることを見出し、既に発表した(IEE
E,Trans.Magn. Vol.31, P2839〜P2841,1995)。この様
に従来では基板に印加するバイアス電圧を高く設定する
ことによって高い保磁力を得られると考えられていた。
【0008】しかしながら、基板バイアス電圧を高くす
る方法では、他の製造条件によっては必ずしも高い保磁
力が得られないことがあり、また基板バイアス電圧が高
くなる程、成膜が不均一になる傾向にあり、磁気記録媒
体の磁気特性が不均一になることが指摘されていた。
る方法では、他の製造条件によっては必ずしも高い保磁
力が得られないことがあり、また基板バイアス電圧が高
くなる程、成膜が不均一になる傾向にあり、磁気記録媒
体の磁気特性が不均一になることが指摘されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであって、高い保磁力(例えば、2
000Oe以上)を有する磁気記録層を確実に形成する方
法を提供しようとするものである。
目してなされたものであって、高い保磁力(例えば、2
000Oe以上)を有する磁気記録層を確実に形成する方
法を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決した本
発明とは、非磁性材料からなる基板上の非磁性金属下地
層に、強磁性金属からなる磁気記録層をスパッタリング
により積層する磁気記録層の形成方法であって、上記強
磁性金属としてCoCrW合金を用いると共に、基板上
におけるバイアス電力密度を0.03W/cm2 以上と
なる様に制御することを要旨とするものである。尚、上
記CoCrW合金のCr含有量は8at%以上とし、W
含有量は4at%以上とすることが推奨される。
発明とは、非磁性材料からなる基板上の非磁性金属下地
層に、強磁性金属からなる磁気記録層をスパッタリング
により積層する磁気記録層の形成方法であって、上記強
磁性金属としてCoCrW合金を用いると共に、基板上
におけるバイアス電力密度を0.03W/cm2 以上と
なる様に制御することを要旨とするものである。尚、上
記CoCrW合金のCr含有量は8at%以上とし、W
含有量は4at%以上とすることが推奨される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者らは、これまで提案され
てきた技術を基礎とし、高性能な磁気記録媒体を実現す
べく、磁気記録層の成分組成と基板バイアスが磁気記録
媒体の保磁力に与える影響を検討した結果、CoCrW
合金を磁気記録層として用いると共に、成膜時に基板に
投入される基板バイアスの基板上単位面積当りの電力、
即ちバイアス電力密度を制御することにより、目的とす
る高保磁力の磁気記録媒体を確実に得ることができるこ
とを見出した。
てきた技術を基礎とし、高性能な磁気記録媒体を実現す
べく、磁気記録層の成分組成と基板バイアスが磁気記録
媒体の保磁力に与える影響を検討した結果、CoCrW
合金を磁気記録層として用いると共に、成膜時に基板に
投入される基板バイアスの基板上単位面積当りの電力、
即ちバイアス電力密度を制御することにより、目的とす
る高保磁力の磁気記録媒体を確実に得ることができるこ
とを見出した。
【0012】本発明方法では、下地層上にCoCrW合
金膜を形成する際の基板上での電力密度を0.03W/
cm2 以上に設定することによって、高密度記録に必要
な保磁力が得られる。これは、特定の値以上の基板バイ
アス電力密度を与えることによって、CoCrW合金の
結晶粒界におけるCrの偏析が特に強く促進され、更に
W添加の作用と相まって、結晶粒間の磁気的相互作用を
分断し、高い保磁力を得ることができることを示してい
る。
金膜を形成する際の基板上での電力密度を0.03W/
cm2 以上に設定することによって、高密度記録に必要
な保磁力が得られる。これは、特定の値以上の基板バイ
アス電力密度を与えることによって、CoCrW合金の
結晶粒界におけるCrの偏析が特に強く促進され、更に
W添加の作用と相まって、結晶粒間の磁気的相互作用を
分断し、高い保磁力を得ることができることを示してい
る。
【0013】基板バイアス電力密度の上限は、磁気記録
層の性能の点から限定するものではないが、基板バイア
ス電力密度が高過ぎる場合、基板の温度上昇が著しくな
り、例えば基板としてNiPめっきしたアルミディスク
を用いる場合には、NiPめっき層が結晶化する等して
基板が損傷することがあるので基板電力密度は0.15
W/cm2 以下に抑えることが好ましい。
層の性能の点から限定するものではないが、基板バイア
ス電力密度が高過ぎる場合、基板の温度上昇が著しくな
り、例えば基板としてNiPめっきしたアルミディスク
を用いる場合には、NiPめっき層が結晶化する等して
基板が損傷することがあるので基板電力密度は0.15
W/cm2 以下に抑えることが好ましい。
【0014】上記CoCrW合金の組成としては、Cr
含有量は8at%以上とし、W含有量は4at%以上と
することにより、高い保磁力を有し、ノイズも少ない磁
気記録層を形成することができる。一方、Co基合金の
磁化の強さ(例えば、Bs )が実質的に磁気記録媒体と
して必要な値を有するという観点から、Cr含有量は2
0at%以下とすることが好ましく、W含有量の上限は
10at%とすることが望ましく、残部はCo及び不可
避不純物からなるCo基合金を用いれば良い。
含有量は8at%以上とし、W含有量は4at%以上と
することにより、高い保磁力を有し、ノイズも少ない磁
気記録層を形成することができる。一方、Co基合金の
磁化の強さ(例えば、Bs )が実質的に磁気記録媒体と
して必要な値を有するという観点から、Cr含有量は2
0at%以下とすることが好ましく、W含有量の上限は
10at%とすることが望ましく、残部はCo及び不可
避不純物からなるCo基合金を用いれば良い。
【0015】尚、スパッタリングによりCoCrTa合
金を磁気記録層として成膜する場合、基板に印加するバ
イアス電力密度が高過ぎると、Ar原子が膜中へ侵入し
たり、スパッタ原子が膜中に打ち込まれることにより、
膜を形成する結晶の格子定数を増大させ、下地層として
用いるCr層との格子整合が悪化する。これはCoCr
Ta合金におけるTaの原子半径が大きいことに起因し
ており、下地層のCr膜との間の格子整合の悪化が顕著
となるものであり、特に膜厚の薄い低Brt領域において
初期成長層の膜質が悪化して保磁力及び角型比等の特性
を悪化させる。これに対して、CoCrW合金を磁気記
録層として用いる本発明の方法によれば、格子整合の悪
化を招くことなく結晶粒間の分離性のみをもたらし、膜
厚の薄い領域においても高い保磁力を維持した磁気記録
媒体を提供できるものである。
金を磁気記録層として成膜する場合、基板に印加するバ
イアス電力密度が高過ぎると、Ar原子が膜中へ侵入し
たり、スパッタ原子が膜中に打ち込まれることにより、
膜を形成する結晶の格子定数を増大させ、下地層として
用いるCr層との格子整合が悪化する。これはCoCr
Ta合金におけるTaの原子半径が大きいことに起因し
ており、下地層のCr膜との間の格子整合の悪化が顕著
となるものであり、特に膜厚の薄い低Brt領域において
初期成長層の膜質が悪化して保磁力及び角型比等の特性
を悪化させる。これに対して、CoCrW合金を磁気記
録層として用いる本発明の方法によれば、格子整合の悪
化を招くことなく結晶粒間の分離性のみをもたらし、膜
厚の薄い領域においても高い保磁力を維持した磁気記録
媒体を提供できるものである。
【0016】この様にCoCrW合金を磁気記録層とし
て用いる場合には、上記CoCrTa合金とは異なり、
膜厚の低下によっても保磁力の低下が見られない。今
後、ヘッドの磁気特性の改善が図られると、Brtが低い
磁気記録媒体の需要も見込まれるが、基板バイアスの電
力密度の制御をCoCrW合金を磁気記録層として用い
る磁気記録媒体に適用することにより、Brtが150G
μm以下の領域において、従来用いられているCoCr
Ta合金に対して特に優位性を発揮するものである。
て用いる場合には、上記CoCrTa合金とは異なり、
膜厚の低下によっても保磁力の低下が見られない。今
後、ヘッドの磁気特性の改善が図られると、Brtが低い
磁気記録媒体の需要も見込まれるが、基板バイアスの電
力密度の制御をCoCrW合金を磁気記録層として用い
る磁気記録媒体に適用することにより、Brtが150G
μm以下の領域において、従来用いられているCoCr
Ta合金に対して特に優位性を発揮するものである。
【0017】また、基板バイアス電圧を高く設定すれば
高い保磁力が得られ易いが、基板バイアス電圧が高過ぎ
ると、基板ホルダーによる基板の保持の仕方によって
は、必ずしも均一に皮膜が形成されないので、磁気特性
の不均一化を防止する上で基板バイアスは低い方が望ま
れる。本発明方法によれば、基板バイアス電圧は低くて
も基板バイアス電力密度を制御することにより高い保磁
力が得られるので、例えば−50V程度の低電圧に設定
しても2000Oe以上の保磁力を得ることが可能であ
る。
高い保磁力が得られ易いが、基板バイアス電圧が高過ぎ
ると、基板ホルダーによる基板の保持の仕方によって
は、必ずしも均一に皮膜が形成されないので、磁気特性
の不均一化を防止する上で基板バイアスは低い方が望ま
れる。本発明方法によれば、基板バイアス電圧は低くて
も基板バイアス電力密度を制御することにより高い保磁
力が得られるので、例えば−50V程度の低電圧に設定
しても2000Oe以上の保磁力を得ることが可能であ
る。
【0018】尚、基板バイアス電力密度を制御する方法
としては、基板バイアス電圧を一定とするならば、(i)
基板とターゲット間の距離を調整する方法、(ii)成膜中
のガス圧を調整することによってプラズマの広がりを制
御する方法、(iii) マグネトロンスパッタリングカソー
ドの構造を最適化して漏洩磁場強度を高めプラズマがタ
ーゲット近傍のみへ集中する様に調整する方法等が挙げ
られる。
としては、基板バイアス電圧を一定とするならば、(i)
基板とターゲット間の距離を調整する方法、(ii)成膜中
のガス圧を調整することによってプラズマの広がりを制
御する方法、(iii) マグネトロンスパッタリングカソー
ドの構造を最適化して漏洩磁場強度を高めプラズマがタ
ーゲット近傍のみへ集中する様に調整する方法等が挙げ
られる。
【0019】以下本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはい
ずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはい
ずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0020】
【実施例】実施例1 4種類のCoCrW合金(CoCr8W6,CoCr10W6,CoCr12W6,
CoCr12W4)を磁気記録層の材料として用い、図1に示す
様に基板1,基板ホルダー2,アースシールド3,スパ
ッタリングターゲット4を夫々配置して、マグネトロン
DCスパッタリングを行い、磁気記録媒体を作製した。
基板バイアス電圧は0Vから−200Vの間で変化させ
てスパッタリングを行い、磁気記録媒体の保磁力を調べ
た。尚、基板1としては鏡面研磨したNiPめっきアル
ミディスクを用い、成膜前における基板の加熱温度は2
50℃とした。また成膜時のArガス圧は1mTorr
であり、Cr下地層の膜厚は1000Åとすると共に、
Co基合金の膜厚は、磁気記録媒体のBrtが130Gμ
mとなる様に調整した。結果は表1に示す。表1に併記
した基板バイアス電力密度とは、基板の有効成膜領域に
かかっている実効的なバイアス電力をその領域の面積で
割った値である。
CoCr12W4)を磁気記録層の材料として用い、図1に示す
様に基板1,基板ホルダー2,アースシールド3,スパ
ッタリングターゲット4を夫々配置して、マグネトロン
DCスパッタリングを行い、磁気記録媒体を作製した。
基板バイアス電圧は0Vから−200Vの間で変化させ
てスパッタリングを行い、磁気記録媒体の保磁力を調べ
た。尚、基板1としては鏡面研磨したNiPめっきアル
ミディスクを用い、成膜前における基板の加熱温度は2
50℃とした。また成膜時のArガス圧は1mTorr
であり、Cr下地層の膜厚は1000Åとすると共に、
Co基合金の膜厚は、磁気記録媒体のBrtが130Gμ
mとなる様に調整した。結果は表1に示す。表1に併記
した基板バイアス電力密度とは、基板の有効成膜領域に
かかっている実効的なバイアス電力をその領域の面積で
割った値である。
【0021】
【表1】
【0022】図2は表1の結果をもとに基板バイアス電
圧と保磁力Hcの関係を示したグラフである。同一の基
板バイアス電圧を印加しても(例えば100V)、他の
条件によっては必ずしも保磁力の向上効果が得られてい
ない。図3は、表1の結果を基板バイアス電力密度と保
磁力Hcで整理したグラフである。基板バイアス電力密
度を0.03W/cm2 以上に制御すれば保磁力を大幅
に向上できることが分かる。
圧と保磁力Hcの関係を示したグラフである。同一の基
板バイアス電圧を印加しても(例えば100V)、他の
条件によっては必ずしも保磁力の向上効果が得られてい
ない。図3は、表1の結果を基板バイアス電力密度と保
磁力Hcで整理したグラフである。基板バイアス電力密
度を0.03W/cm2 以上に制御すれば保磁力を大幅
に向上できることが分かる。
【0023】実施例2 次に、CoCr12W6 合金を磁気記録層として用い、基
板とターゲット間の距離を35mmに近づけたこと以外
は、実施例1と同様にして、基板バイアス電圧及び基板
バイアス電力密度と保磁力との関係を調べた。結果は、
実施例1で得られた基板距離が50mmの場合の値と共
に、表2に示す。
板とターゲット間の距離を35mmに近づけたこと以外
は、実施例1と同様にして、基板バイアス電圧及び基板
バイアス電力密度と保磁力との関係を調べた。結果は、
実施例1で得られた基板距離が50mmの場合の値と共
に、表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】図4は表2の結果をもとに基板バイアス電
圧と保磁力Hcの関係を示したグラフであり、図5は、
表2の結果を基板バイアス電力密度と保磁力Hcにより
整理したグラフである。CoCr12W6 合金を磁気記録
層として用いる場合には、基板バイアス電力密度を0.
03W/cm2 以上に制御すれば、2000Oe以上の高
い保磁力が得られることが分かる。
圧と保磁力Hcの関係を示したグラフであり、図5は、
表2の結果を基板バイアス電力密度と保磁力Hcにより
整理したグラフである。CoCr12W6 合金を磁気記録
層として用いる場合には、基板バイアス電力密度を0.
03W/cm2 以上に制御すれば、2000Oe以上の高
い保磁力が得られることが分かる。
【0026】実施例3 2種類のCoCrW合金(CoCr8W4,CoCr10.5W6)と、2
種類のCoCrTa合金(CoCr12Ta2, CoCr12Ta6)を磁
性層として用い、該磁性層の膜厚を記録媒体のBrtが1
00Gμmまたは150Gμmとなる様に調整したこと
以外は、実施例1と同様にして、基板バイアス電力密度
と保磁力との関係を調べた。結果は表3に示す。
種類のCoCrTa合金(CoCr12Ta2, CoCr12Ta6)を磁
性層として用い、該磁性層の膜厚を記録媒体のBrtが1
00Gμmまたは150Gμmとなる様に調整したこと
以外は、実施例1と同様にして、基板バイアス電力密度
と保磁力との関係を調べた。結果は表3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】上記表3のNo.21〜23の結果(Br
t:100Gμm)を図6に、No.24〜26の結果
(Brt:150Gμm)を図7に示す。図6及び図7の
結果より、CoCrW合金の場合では、基板バイアス電
力密度を0.03W/cm2 以上に制御することが保磁
力の向上に対して非常に効果的であるが、CoCrTa
合金では必ずしも同様の効果が得られていないことが確
認できる。特に、磁気記録層厚の薄い低Brtの領域(1
00Gμm)では、CoCrW合金は、0.03W/c
m2 以上に基板バイアス電力密度を増加させることが有
効であるが、一方CoCrTa合金では、基板バイアス
電力密度が0.03W/cm2 で保磁力改善効果は失わ
れてしまい、それ以上のバイアス電力密度の増加は、か
えって保磁力の低下を引き起こしてしまう場合がある。
t:100Gμm)を図6に、No.24〜26の結果
(Brt:150Gμm)を図7に示す。図6及び図7の
結果より、CoCrW合金の場合では、基板バイアス電
力密度を0.03W/cm2 以上に制御することが保磁
力の向上に対して非常に効果的であるが、CoCrTa
合金では必ずしも同様の効果が得られていないことが確
認できる。特に、磁気記録層厚の薄い低Brtの領域(1
00Gμm)では、CoCrW合金は、0.03W/c
m2 以上に基板バイアス電力密度を増加させることが有
効であるが、一方CoCrTa合金では、基板バイアス
電力密度が0.03W/cm2 で保磁力改善効果は失わ
れてしまい、それ以上のバイアス電力密度の増加は、か
えって保磁力の低下を引き起こしてしまう場合がある。
【0029】従って、磁気記録層厚の薄い低Brtの領域
で高い保磁力を有する媒体を作製することが要求される
場合には、CoCrW合金を用いて基板バイアス電力密
度を制御する本発明方法を採用することが非常に有効で
あることが分かる。
で高い保磁力を有する媒体を作製することが要求される
場合には、CoCrW合金を用いて基板バイアス電力密
度を制御する本発明方法を採用することが非常に有効で
あることが分かる。
【0030】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されているの
で、高い保磁力(例えば、2000Oe以上)を有する磁
気記録層を確実に形成する方法が提供できることとな
り、また基板バイアス電圧を低く設定することも可能で
あるので、磁気記録媒体の磁気特性が不均一になること
もない。
で、高い保磁力(例えば、2000Oe以上)を有する磁
気記録層を確実に形成する方法が提供できることとな
り、また基板バイアス電圧を低く設定することも可能で
あるので、磁気記録媒体の磁気特性が不均一になること
もない。
【図1】磁気記録層の形成方法を示す概略説明図であ
る。
る。
【図2】各種CoCrW合金の保磁力と基板バイアス電
圧の関係を示すグラフである。
圧の関係を示すグラフである。
【図3】各種CoCrW合金の保磁力と基板バイアス電
力密度の関係を示すグラフである。
力密度の関係を示すグラフである。
【図4】CoCr12W6 合金の保磁力と基板バイアス電
圧の関係を示すグラフである。
圧の関係を示すグラフである。
【図5】CoCr12W6 合金の保磁力と基板バイアス電
力密度の関係を示すグラフである。
力密度の関係を示すグラフである。
【図6】CoCrTa合金及びCoCrW合金の保磁力
と基板バイアス電力密度の関係を示すグラフである。
と基板バイアス電力密度の関係を示すグラフである。
【図7】CoCrTa合金及びCoCrW合金の保磁力
と基板バイアス電力密度の関係を示すグラフである。
と基板バイアス電力密度の関係を示すグラフである。
1 基板 2 基板ホルダー 3 アースシールド 4 スパッタリングターゲット
Claims (2)
- 【請求項1】 非磁性材料からなる基板上の非磁性金属
下地層に、強磁性金属からなる磁気記録層をスパッタリ
ングにより積層する磁気記録層の形成方法であって、 上記強磁性金属としてCoCrW合金を用いると共に、 基板上におけるバイアス電力密度を0.03W/cm2
以上となる様に制御することを特徴とする磁気記録層の
形成方法。 - 【請求項2】 上記CoCrW合金のCr含有量が8a
t%以上、W含有量が4at%以上である請求項1に記
載の形成方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1113596A JPH09204660A (ja) | 1996-01-25 | 1996-01-25 | 磁気記録層の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1113596A JPH09204660A (ja) | 1996-01-25 | 1996-01-25 | 磁気記録層の形成方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09204660A true JPH09204660A (ja) | 1997-08-05 |
Family
ID=11769588
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1113596A Withdrawn JPH09204660A (ja) | 1996-01-25 | 1996-01-25 | 磁気記録層の形成方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09204660A (ja) |
-
1996
- 1996-01-25 JP JP1113596A patent/JPH09204660A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030401 |