JPH09205593A - If中間周波数信号のディジタルナイキストフィルタリングを行う回路 - Google Patents

If中間周波数信号のディジタルナイキストフィルタリングを行う回路

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JPH09205593A
JPH09205593A JP8342233A JP34223396A JPH09205593A JP H09205593 A JPH09205593 A JP H09205593A JP 8342233 A JP8342233 A JP 8342233A JP 34223396 A JP34223396 A JP 34223396A JP H09205593 A JPH09205593 A JP H09205593A
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    • H04N5/00Details of television systems
    • H04N5/44Receiver circuitry for the reception of television signals according to analogue transmission standards
    • H04N5/4446IF amplifier circuits specially adapted for B&W TV

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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、位相が周波数に比例すると共に経済
的なIF中間周波数信号のディジタルナイキストフィル
タリング回路を提供することを目的とする。 【解決手段】IF中間周波数ビデオ信号をディジタルフ
ィルタリングする回路はA/D(アナログ/ディジタ
ル)変換器とナイキストフィルタ(N)とを含み、所望
のチャネルを選択するに適したアナログ前フィルタがA
/D変換器の上流に設けられる。ナイキストフィルタ
(N)は、A/D変換器の下流に設けられたディジタル
フィルタであって、非因果関係の形に構成された一方の
IIRフィルタ(16)が他方のIIRフィルタ(1
5)に共役なスペクトラムを有する直列に配置された2
つのIIRフィルタ(15,16)と、IIRフィルタ
を補正する直列接続されたFIRフィルタ(17)とを
含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IF中間周波数信
号のディジタルナイキストフィルタリングを行う回路に
関する。本発明は詳しくは、チューナからの中間周波数
IFテレビジョン信号のディジタルフィルタリングに関
する。
【0002】
【従来の技術】現在のテレビ受信器に於て、IF中間周
波数回路にあるナイキストフィルタは、一連の信号処理
の中でも複雑な部分にあたる。この処理はSAWデバイ
ス(surface wave filter )を用いたアナログ形式で行
われ、狭いバンド選択特性を備えたこのフィルタは、ア
ナログビデオ復調処理の前段に設けられる。SAWフィ
ルタのコストパフォーマンスは卓越していると評価出来
るが、そのようなフィルタをCMOS回路と同一のチッ
プ上に、適切なコストで搭載することは不可能である。
完全にディジタルなシステムでの解決を目標とすると、
ディジタル技術を選んで、アナログ技術を最終的には破
棄することになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、SAWフィル
タと同等な性能を提供できるような、有限インパルス応
答FIRディジタルフィルタの設計が検討された。ビデ
オ信号処理に関して強く要求されることは、フィルタを
通過する信号の位相的な振る舞いが、全ての周波数に関
して同一であることである。
【0004】線形位相FIRフィルタは、この要求を満
たすディジタルフィルタを実現することが出来るであろ
う。しかしながらそのようなフィルタは、100或いは
それ以上のオーダーの膨大な数の係数を必要とすること
になり、コスト的に現実的ではない。従って本発明の主
要な目的は、特定のビデオ信号に対しては、全ての周波
数に対して同一或いは実質的に同一である信号の位相的
振る舞いを保証すると共に、その経済的なコストが許容
可能であるような、IF中間周波数信号のディジタルナ
イキストフィルタリング回路を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、単純化され安
価であるがそれ自身では所望の結果を達成できない少な
くとも一つのFIRフィルタを、直列に配置された2つ
のIIR無限インパルス応答フィルタと組み合わせるこ
とからなり、ここで2つのIIRフィルタは互いに共役
なスペクトラムを有する。
【0006】IIRフィルタはFIRフィルタより製造
コストが低いが、位相が周波数に比例するという用件を
満たさない。共役フィルタと組み合わせることによっ
て、位相が周波数に比例するという要件を略達成でき、
更に単純化されたFIRフィルタと組み合わせることに
よって、満足の行く結果が得られる。本発明によれば、
IF中間周波数信号特にビデオ信号をナイキストフィル
タリングする回路は、A/D(アナログ/ディジタル)
変換器及びナイキストフィルタを含み、A/D変換器の
上流に設けられ所望のチャネルを選択するに適したアナ
ログ前フィルタを含むことを特徴とし、またナイキスト
フィルタはA/D変換器の下流に設けられたディジタル
フィルタであって、一つは非因果関係のフィルタであり
他方のIIRフィルタに共役なスペクトラムを有する直
列に配置された少なくとも2つのIIRフィルタと、周
波数に比例する位相の出力信号を送出しIIRフィルタ
のフィルタリングを補正するに適した直列接続されるF
IRフィルタとを含むことを特徴とする。
【0007】好ましくは、各IIRフィルタは、セミナ
イキストフィルタ或いは実質的にセミナイキストフィル
タである。信号の動的揺れを低減し、またあらゆるとこ
ろで同一の動的揺れを用いるように、IIRフィルタ及
びFIRフィルタは結合される。特長的な点として、非
因果関係IIRフィルタは、ビデオ信号サンプリング手
段と、サンプルされたビデオ信号を所定の時間長LTの
部分に分割する手段と、フィルタリングの前に於て分割
された部分のサンプルを時間反転する手段と、フィルタ
リングの後に於てフィルタされたサンプルを時間反転す
る第2の手段を含む。好ましくは、フィルタリングの前
後に於てサンプルを時間反転する手段の各々は、LIF
O(後入れ先出し)スタックよりなる。
【0008】好ましくは、非因果関係IIRフィルタ
は、上流にあるルータ手段に繋げられ各々が同一のII
Rディジタルフィルタを含む2つの並列な経路を含み、
このルータ手段は、サンプリング周期TのL倍に等しい
クロックレートで動作し、一方の経路とそのフィルタを
上流に位置されるLIFOの出力に交互に繋げ、他方の
経路とそのフィルタをゼロの信号源に繋げるように設け
られており、一方、第2のルータ手段が、分割された部
分の時間反転サンプルを受け取るフィルタの出力を2L
Tの遅延を齎らす遅延セルに交互に繋げるように2つの
並列IIRフィルタの下流に設けられ、この遅延セルの
出力は加算器の一方の入力に繋がれその他方の入力はゼ
ロを受け取るフィルタの出力に第2のルータ手段を介し
て繋がれ、加算器の出力はフィルタされたサンプルの時
間順序を再構築する第2のLIFOスタックに繋がれ
る。
【0009】フィルタされた信号の振幅がゼロの列が続
く終端に於て無視できるほど、期間LTが十分であるよ
うに、数Lは選択される。好ましくは、FIRフィルタ
とIIR結合フィルタとは、FIR及びIIRフィルタ
各々に対する全体の伝達関数の多項式がより低次の幾つ
かの多項式の積に等しいように、小さなフィルタリング
セルに分割され、回路の全体の伝達関数は、分子がFI
Rフィルタに対応する多項式であり、分母がIIRフィ
ルタに対応する多項式である分数によって構成される。
【0010】特長的な点として、FIRフィルタは、各
々が4次の伝達関数を有する5つのセルに分割され、I
IRフィルタは、2次の伝達関数を有する3つのセルに
分割される。特長的な点として、FIRフィルタセルの
係数は、 β(1) k =[377, 638, 1024, 638, 377] β(2) k =[94, 349, 512, 349, 94 ] β(3) k =[71, 177, 256, 177, 71 ] β(4) k =[34, 159, 256, 159, 34 ] β(5) k =[19, -155, 512, -155, 19 ] であり、IIRフィルタセルの係数は、 α(1) k =[76, 128, 63 ] α(2) k =[128, 82, 114] α(3) k =[128, 62, 66 ] である。
【0011】上述の規定以外に、本発明は他の幾つかの
規定よりなっており、それは添付の図面を用いて説明す
る詳細例に関連して、以下により明確に説明されるが、
限定をするものではない。
【0012】
【発明の実施の形態】図1に示されるのは、チューナー
(図示せず)からのIF中間周波数ビデオ信号を処理す
る回路である。図1の回路部分は、ディジタルナイキス
トフィルタNを含み、その構成図は図5に示される。ま
たその詳しい内容については後ほど、ナイキストフィル
タの定義について説明した後に説明する。
【0013】IF回路の動作を解析すると、IFアナロ
グ信号の処理に関して広いダイナミックレンジのあるこ
とが分かる。入力線1が受け取るIF信号の中から、所
望のチャンネルを選択するために、バンド幅適応アナロ
グ前フィルタ2が用いられる。この前フィルタ2の出力
は、サンプリング周波数fs で動作するA/D(アナロ
グ/ディジタル)変換器3に接続される。変換器3から
のディジタル信号はナイキストフィルタNに送られ、フ
ィルタNからの信号の一部は画像搬送波を再生する回路
4に送られる。回路4の出力は、積算回路5の入力に接
続される。回路5の別の入力は、フィルタNからの信号
を直接に受け取る。回路5からの信号は、ローパスフィ
ルタ6に送られ、その出力はコンポジットビデオ側波帯
信号(CVBS)を出力する。
【0014】アナログ前フィルタ2が行う選択チャンネ
ル間での分離及びナイキストフィルタリングは、図1に
示されない自動周波数制御(AFC)という利点があ
り、これは同期復調において重要な役割を有する。ディ
ジタル制御によってナイキストスロープpを設定するこ
とによって、AFCの動作は更に向上する。フィルタN
の下流で実行される同期復調の後、及びローパスフィル
タ6の後で、コンポジットビデオ側波帯信号(CVB
S)が得られる。
【0015】変換器3の段階におけるサンプリング周波
数Fs は重要なパラメータであり、経済的な条件下で達
成可能な性能を決定する。このパラメータは注意して選
ばれるべきであり、以下の説明から分かるように、この
周波数は自由に選べるものではない。より良く理解でき
るように、前フィルタ2からのアナログIF信号のスペ
クトラムを図2に示し、ここで縦軸は振幅であり横軸は
周波数である。IFスペクトラムの一般的な表示と異な
って図2の方向は反転されており、画像搬送波周波数f
pc周辺のビデオバンド7に対応する一般的には高い周波
数を有した成分は、ここでは低い周波数成分として示さ
れ、一般的に低い周波数である音声バンド8の成分は、
ここでは高い周波数成分として示される。図2に示され
るIFスペクトラムの方向反転は、アナログ前処理のた
めであり、ここでの問題に関して重要なものではない。
【0016】得られたIFスペクトラムを検討すること
によって、ある種のサブサンプリング技術を適用するこ
とが示唆される。アナログ前フィルタ2にある程度の不
完全さを許容すると、所望のチャンネルに隣接するチャ
ンネルを抑制することを考えた場合、サンプリング周波
数fs をあまり小さく選ぶべきではない。サンプリング
によって繰り返し現われるIFスペクトラムが隙間なく
並ぶような、完全に埋め尽くされた周波数スペクトラム
は、避けるべきである。周期的に繰り返されるスペクト
ラム間で等間隔に配置される周波数間隙は、サンプリン
グ周波数fs が以下の条件を満たす場合に得られる。
【0017】 fs =fIFmax +(fIFmax −2BCH)/3 fs =(4fIFmax −2BCH)/3 fIFmax:norm B/G=fPC:norm B/G +fVSB:norm B/GPC=搬送波の周波数 fPC:norm B/G =38.9MHz、fVSB:norm B/G
1.25MHz BCH:norm B/G =7MHz fIFmax:norm B/G=40.15MHz 従って、 fs =48.87MHz である。
【0018】図3(A)乃至図3(D)は、提案するサ
ブサンプリング技術を図示したものである。A/D変換
器3の入力信号は、図3(A)に於て選択されたIF信
号7及び8として示され、全体のバンド幅はBCHであ
る。変換器3にあるサンプル・ホールドユニットが必要
とするバンド幅は、図3(A)において点線の台形とし
て示される。図3(A)乃至図3(D)に於て、図2と
同様に、IF信号の振幅は縦軸に示され、周波数は横軸
に示される。サンプリング周波数が最大のIF周波数即
ちfIFmax に一致する場合、この周波数でサンプリング
すると、図3(B)に示されるように繰り返し現われる
IFスペクトラム間の間隔が等しくない結果となる。図
3(B)は、周波数ゼロの辺りの周波数間隔が既に減少
している極端な例を示す。
【0019】「ベースバンド」と最初に繰り返されるス
ペクトラムとの周波数間隔を考えると、この間隔f
IFmax −2BCHは、図3(C)に示されるように周波数
ゼロの辺りで1/3に分割されるべきであることが分か
る。従ってサンプリング周波数は、前述されたように
(fIFmax −2BCH)/3だけ増やす必要がある。結果
として得られる画像搬送波の6dBの点におけるナイキ
スト周波数は、 f6dB =fs −fPC inverted として計算することが出来て、 fPC inverted =fIFmax −BCH+fVSB =34.4M
Hz であり、 f6dB =48.87MHz−34.4MHz=14.7
MHz となる。
【0020】ディジタルナイキストフィルタの特性の一
例が、図3(D)に於ける連続した太線10として示さ
れる。高周波域でナイキストフィルタの通過帯域11の
限界を定めるスロープpは、搬送波或いはその転置12
を中間点で遮断する。これによって、図4(D)を用い
て説明されるように、画像搬送波の復調生成後に信号の
歪みを避けることが出来る。
【0021】後続する同期復調を可能にするために、ナ
イキストフィルタは、少なくとも最初の繰り返しIFス
ペクトラムを抑圧するようなオーバーサンプリング特性
を有する必要がある。図4(A)乃至図4(E)は、選
択されたチャンネルの復調ビデオ信号を図4(E)に於
て得ることが出来る処理を示す。
【0022】図4(A)は図3(D)と同じものであっ
て、ナイキストフィルタ通過後の信号を示し、このフィ
ルタの周波数応答図は、搬送波を中間点で遮断する比較
的急峻なスロープpによって横軸に平行な部分が制限さ
れた太線として表される。図4(B)は、ナイキストフ
ィルタ出力に於ける信号を示し、ビデオバンド7がナイ
キストスロープpによって制限されている。
【0023】図4(C)は、再生成された画像搬送波を
示す。図4(D)は、復調後の信号を示し、太線13に
よって示される周波数応答を有するローパスフィルタに
かけられる。周波数ゼロの辺りで反転されたビデオバン
ドの2つのナイキストスロープpは中間点で交わり、こ
れらを加えることによって、周波数軸に平行な部分を生
成して歪みを防ぐことが出来る。
【0024】図4(E)は、ローパスフィルタの出力点
に於ける再生されたコンポジットビデオ側波帯信号を、
変調された音声信号と共に示す。図5は、本発明による
ナイキストフィルタの構成を示す。フィルタNは、図5
の1番目の線で表される。このフィルタNの構成に関す
る最初の説明が図5の2番目の線で示され、フィルタN
は、無限インパルス応答IIRフィルタ(或いはフィル
タのセット)及び有限インパルス応答FIRフィルタを
含むことが分かる。
【0025】図5の3番目の線は、一つの全体として見
たIIRフィルタは、2つの直列のIIRフィルタ15
及び16に分かれることを示す。FIRフィルタもま
た、2つの直列のFIRフィルタ17及び18に分ける
ことが出来る。しかしながらフィルタ18はオーバーサ
ンプリング用であり、必要不可欠なものではない。一般
的にIIRフィルタの全体の遅延特性は、ビデオへの応
用に於ては不適格である。IIRフィルタ15の非線形
位相特性を補償するために、伝達関数H(Z)(Z=e
xp(jωt))を有した直列の共役スペクトラムII
Rフィルタ16を設け、このフィルタは時間的に反転さ
れた機能を有する。従って、フィルタ16は、非因果関
係フィルタである。
【0026】因果関係性は現実のフィルタにおいては、
出力が入力より時間的に先行しないことを意味する。フ
ィルタ15に共役であるスペクトラムを有するフィルタ
16は、因果関係の逆の性質を示すべきである。非因果
関係フィルタの構成については、後ほど説明する。
【0027】FIRフィルタ17と、オプションとして
のFIRフィルタ18は、直列IIRフィルタ15及び
16を周波数補正するように設計される。IIRフィル
タの構成について、非因果関係フィルタ16を含めて、
以下に検討する。2つのフィルタ15及び16を直列に
繋げることによる伝達関数Hres (Z)は、 Hres (Z)=H(Z)H(Z-1)=H(Z)H(Z)
* =|H(Z)|2 として表される。
【0028】この伝達関数の結果は実数であるので、全
体の線形位相特性が確保されるが、これはビデオへの応
用においては絶対的に必要な条件である。残念なこと
に、伝達関数H(Z-1)即ち非因果関係伝達関数は、理
想的な形で実現することは出来ない。本発明によれば、
局所的な時間反転技術、及び単一経路に於ける区分重畳
積分の手法によって近似を行う。
【0029】ディジタル信号Xk (n)の時間反転を行
うために、図7に示されるように、LIFO(後入れ先
出し)スタック19が設けられ、これによって、時間長
LTに等しい期間のサンプルA1 …AL を時間的に反転
することが出来る。ここでTは、ビデオ信号サンプリン
グ手段を含んだA/D変換器3のサンプリング周期であ
る。この期間のサンプル数Lは、後ほど特定する。
【0030】従って、図6に示されるように、スタック
19に入力される信号部分Xk (n)のサンプルA1
L は、スタックの出力に於て時間的に反転された順序
で供給され、図6の2番目の線に示されるように、最後
のサンプル入力AL が反転された出力部分の先頭に位置
され、入力では先頭であった部分(サンプル)A1 は出
力ではこの部分の最後に配置される。これは後続する部
分B1 …BL 及びC1…CL についても同様であり、B
L …B1 及びCL …C1 に反転される。
【0031】図7は、IIR非因果関係フィルタ16を
示す。このフィルタは、L個のサンプルを格納可能な前
述のLIFOスタック19を含む。スタック19の出力
は模式図で示されるルータ手段20に接続され、これ
は、2つの並列経路22a及び22b上の2つのスイッ
チ要素21a及び21bを含む。ゼロ信号を送出する信
号源23が更に設けられる。スタック19の出力は、並
列に各スイッチ21a及び21bの端子に接続され、ゼ
ロである信号源23はそれらスイッチのもう一方の端子
に接続される。それらのスイッチ21a及び21bは、
A/D変換器3のサンプリング周期TのL倍に等しい周
期のクロックレートで動作する。ルータ手段20は2通
りの構成をとり得る。最初の構成は図7に示されるよう
に、スタック19の出力を経路22a及びIIRフィル
タ24aの入力に接続する。この構成においては、もう
一方のスイッチ21bは、IIRフィルタ24aと同様
のIIRフィルタ24bの入力に繋がるもう一方の経路
22bに、ゼロの信号源23を接続する。ルータ手段2
0は第2の構成をとることが出来て、この構成ではスイ
ッチ21aは信号源23を経路22aに接続し、一方ス
イッチ21bはスタック19の出力を経路22bに接続
する。
【0032】フィルタ24aの出力は、第2のルータ手
段26の第1のスイッチ25aの端子及び第2のスイッ
チ25bの端子に、並列に接続される。フィルタ24b
の出力は、スイッチ25a及び25bのもう一方の端子
に並列に接続される。スイッチ25aは、変換器3のサ
ンプリング周期Tの2L倍(即ち2LT)の遅れをもた
らすに適した遅延セル27の入力に接続され、遅延セル
27の出力は加算回路28の入力に接続される。もう一
方のスイッチ25bは、加算回路28のもう一方の入力
に直接に接続される。ルータ手段26は、ルータ手段2
0と同一のクロックレートで動作し、スイッチ25a及
び25bはこのレートで接続を切り替える。ルータ手段
26の第1の構成では、図7に示されるように、スイッ
チ25aはフィルタ24aの出力を遅延セル27の入力
に接続し、スイッチ25bはフィルタ24bの出力を直
接に加算回路28に接続する。第2の構成では、スイッ
チ25a及び25bの設定を変えることによって、接続
が反転される。
【0033】加算回路28から出力される信号Yk (−
n)は、スタック19と同様の第2のLIFOスタック
29の入力に送られ、信号の時間反転を実行して、出力
として信号Yk (n)を再生する。図8は、図7の回路
の様々な連結点における信号の処理を、一連の模式図で
示したものである。見やすいようにこの図8の一番上の
線に示されるのは、時間と共に線形に振幅が増加するI
F信号30である。信号30は、等しい長さLTの部分
31、33、35、…に分割される。変換器3の出力で
あるこの信号のサンプルA1 …AL 、B1 …BL は、全
体としてXk (n)と表記される。L個のサンプルの第
1のグループ31は、スタック10によって時間反転さ
れ、出力として経路22aに、図8の2番目の線のグル
ープ32を生成し、これはLT(サンプリング周期のL
倍)だけ遅延される。
【0034】このグループ32の終わりに於て、ルータ
20は構成を切り替えて、図8の一番上の線の次のグル
ープ33が、第2の経路22bに送られて(図8の3番
目の線の)グループ34を生成し、一方これと同一の期
間、第1の経路22aはゼロ信号を受け取る。図8の一
番上の線の第3のグループ35は、経路22aに送られ
て時間反転サンプルのグループ36を形成し、一方経路
22bはゼロ信号を受け取る。
【0035】図8の2番目及び3番目の線に太線で示さ
れるのは、フィルタ24a及び24bの出力における信
号の形状である。2番目の線に於て、グループ32に期
間LT続く部分37として示されるゼロの列は、フィル
タ24aからの出力信号38がゼロに近い非常に小さな
値になることを可能にし、これはグループ32の最後の
サンプルの後に連続的に減少する。グループ32のよう
なグループの最後のパルスの後で、フィルタ24a或い
は24bからの出力信号の「裾」38が、LTの終わり
に於て実質的にゼロになるように、部分37の長さLT
が十分な長さであるような数に、Lは選ばれる。
【0036】図8の4番目の線は、セル27が生成する
時間推移を示し、このセルはフィルタされたサンプル3
2、34、35、…のグループを2LTだけ遅らせる。
図8の5番目の線は、回路28が行う加算演算を示す。
サンプルのグループ32に対応する2LTだけ遅延した
フィルタ24aの出力は、サンプルのグループ34に続
くフィルタ24bからの出力信号の裾に加算される。同
様に、フィルタ24bにフィルタされたサンプルのグル
ープの出力は、フィルタ24aの裾に加算される。図8
の5番目の線は、加算器28の出力で得られる信号Yk
(−n)を示す。
【0037】LIFOスタック29は、信号Yk (−
n)を時間的に反転することによって、図8の最後の線
に示されるフィルタされた信号Yk (n)を生成し、こ
こで各グループはスタック29によってLTだけ遅延さ
れる。図9は、図でもって上記説明を示す。サンプルの
部分A1 …AL 、B1 …BL、C1 …CL が、2番目の
線に示されるように、まず時間軸上で反転されることが
分かる。
【0038】次にルータ手段20は、図9の第3の線に
示されるように、反転された部分A L …A1 、CL …C
1 を線22aに送出すると共に、L個のゼロからなる部
分を挿入する。図9の4番目の線は、フィルタ24aの
出力におけるフィルタされた信号FAL…FA1に対応す
る。図9の5番目及び6番目の線は、3番目及び4番目
の線に同様であるが部分BL …B1 の場合であり、部分
L …A1 、CL …C1 に対して時間的にLTだけシフ
トされている。
【0039】図9の7番目の線は、セル27がもたらす
フィルタされた信号の遅延2LTを示す。図9の8番目
の線は、回路28による加算を模式的に示し、この加算
は、フィルタされた信号の部分と、入力に送られたゼロ
部分にあるもう一方のフィルタ出力の裾との間で行われ
る。YAL…YA1が、加算の結果に対応する。
【0040】図9の最後の線は、LIFOスタック29
によるサンプル部分YAL…YA1の更なる時間反転を示
す。これから分かるように、単一経路の区分重畳積分手
法は重ね加算方法を用い、これによって、インパルス応
答が少なくとも有限期間LT(Tは変換器3のサンプリ
ング周期)であることを実現する。これは、IIRフィ
ルタについてのみ近似的に成り立つ。この場合、フィル
タからの(時間的に反転された)出力信号は、 yk (−n)=h(n)*xk (−n)+h(n)*x
k+1 (−n) によって与えられ、ここで、 である。
【0041】上式によれば、yk (−n)を得るための
時間重畳積分は、駆動部分応答(h(n)*xk (−
n))及び裾部分応答(h(n)*xk+1 (−n))の
2つの出力部分からなると解釈できる。これは、図7を
用いて説明し、また図8及び図9を参照してその動作を
説明したアーキテクチャに対応する。
【0042】伝達関数H(Z)を有した因果関係フィル
タ15の前向き時間重畳積分に関しては、 yk (n)=h(n)*xk (n)+h(n)*xk-1 (n) であることが分かるであろう。図10は、本発明による
線形位相IIRフィルタの構成に関して、完全なフィル
タアーキテクチャを示す。
【0043】上に詳しく説明した非因果関係フィルタ1
6は、因果関係フィルタ15と直列接続されており、そ
の因果関係フィルタ15は、ルータ20及び26に同様
であり同じ周波数で動作するルータ40の2つのスイッ
チに、夫々が接続された経路39a及び39bを有した
並列構造となっている。ルータ40によって、LIFO
スタック29の出力とゼロの信号源とに、経路39a及
び39bを交互に接続することが可能になる。各経路3
9a及び39bは、同一のIIRフィルタ41a及び4
1bを含み、その出力は加算回路42の入力に接続され
る。このように構成されたフィルタ15によって、上の
式に対応する前向き時間重畳積分を実行することが出来
る。
【0044】限界サイクル或いはオーバーシュート振動
が問題にならない場合ならば、図10に示された並列構
造の代わりに、例えば41aのような単一のIIRフィ
ルタを用いて、前向き時間重畳積分を単純化することが
出来る。上式を考慮して明らかになるように、ナイキス
トフィルタを2つの直列のIIRフィルタ15及び16
を用いて構成する場合、フィルタ15の伝達関数H
(Z)及びフィルタ16の伝達関数H(Z-1)との間
で、以下の関係を満足させる必要がある。
【0045】H(Z)H(Z-1)=HNyquist (Z) これは、 H(Z)=Hsemi-Nyquist(Z) を意味する。経験的に分かっていることであるが、セミ
ナイキストフィルタをIIRフィルタの設計に完全に近
いようには構築出来ないので、FIR有限インパルス応
答フィルタ部分を追加することが必要であり、図5の3
番目の線に模式的に示されるようにフィルタ17及び必
要ならばフィルタ18が必要である。
【0046】FIRフィルタ部分でさえ、フィルタのオ
ーダーを考えると、IIR部分よりも重要であることが
明らかである。本発明のセミナイキストフィルタの伝達
関数は、 Hsemi-Nyquist(Z)=N(Z)/D(Z) と表され、ここで式N(Z)及びD(Z)は、セミナイ
キストフィルタの伝達関数の分子多項式及び分母多項式
である。分子及び分母の多項式は各々、最小でも10及
び6のオーダーである。
【0047】図11(A)は、FIR及びIIRフィル
タ部分の周波数応答を示す。曲線N(Z)に対応するF
IRフィルタ部分が通過帯域全体に渡ってローパス特性
を示すのに対して、IIRフィルタ部分の応答を示す曲
線D(Z)は、FIRフィルタの通過域に於て強い減衰
を示し、またFIRフィルタの遮断域に於て共鳴周波数
を有する。
【0048】図11(B)に示される対数表示によっ
て、2つのフィルタ部分N(Z)及びD(Z)がどのよ
うにしてセミナイキストフィルタを構成するのかを示
す。平坦な通過帯域特性とセミナイキスト推移変化は、
2つのタイプのフィルタの相反する振る舞いによるとこ
ろが大きい。2つのタイプのフィルタは、全体の振る舞
いに対してほぼ等しい影響を持つ。
【0049】IIR及びFIRフィルタ特性をより詳し
く検討すると、そのようなタイプのフィルタハードウェ
アの構築に関連して、重要な問題のあることが分かる。
図11(B)に示されるように、5MHzの辺りの帯域
の通過域に於て、FIRフィルタ部分に関しては約40
dBの利得変動があり、IIRフィルタ部分に関しては
約34dBの利得変動がある。図5の構成を考慮して、
2つの直列IIRフィルタ15及び16の後及び後続す
るFIRフィルタ17の前に於て、ディジタル信号経路
のダイナミックレンジは、70dB増加されるべきであ
る。これに基づいて以下のことが結論される。第1に、
図5に提案されるフィルタ構成は単純化された図にすぎ
ず、第2に、フィルタリング多項式N(Z)及びD
(Z)は、更に小さなフィルタリングセルに分割される
べきである。
【0050】コンピュータシミュレーションによれば、
FIRフィルタに対しては、 N(Z)=N1 (Z)N2 (Z)N3 (Z)N4 (Z)
5 (Z) を用い、IIRフィルタに対しては、 D(Z)=D1 (Z)D2 (Z)D3 (Z) を用いると満足の行く結果が得られる。
【0051】多項式N(Z)及びD(Z)をより低次の
多項式に分割することによって、満足の行く結果を得る
ことが出来る。更にFIRフィルタに対しては、2倍の
数の係数が生成される必要があるので、因果関係フィル
タ部分及び非因果関係フィルタ部分として表現すること
は無意味であり、結果として、因果関係フィルタ部分及
び非因果関係フィルタ部分のFIRフィルタリング特性
は、N(Z)N(Z-1)=N* 1(Z)N* 2(Z)N
* 3(Z)N* 4(Z)N* 5(Z)であり、 N* 1(Z)=N1 (Z)N1 (Z-1),N* 2(Z)=N2
(Z)N2 (Z-1),N* 3(Z)=N3 (Z)N3 (Z
-1),N* 4(Z)=N4 (Z)N4 (Z-1),N* 5(Z)
=N5 (Z)N5 (Z-1) として表現され、ここで各N* i (Z)は4次であり、 (β(i) 2,β(i) 1,β(i) 0,β(i) 1,β(i) 2) の形の係数を有する。
【0052】これに対し、各Di (Z)は2次であ
り、 (α(i) 0,α(i) 1,α(i) 2) の係数によって表される。FIRフィルタリングセルの
係数は以下のように与えられる。 β(1) k =[377, 638, 1024, 638, 377] β(2) k =[94, 349, 512, 349, 94 ] β(3) k =[71, 177, 256, 177, 71 ] β(4) k =[34, 159, 256, 159, 34 ] β(5) k =[19, -155, 512, -155, 19 ] FIRフィルタに対する対応する増幅係数はVN =12
である。
【0053】これらの値を用いると、第1のFIRフィ
ルタリングセルの伝達関数N1 (Z)は、以下のように
表現することが出来る。 N1 (Z)=377 Z2 + 638Z+ 1024 + 638Z-1+ 3
77Z-2 他の多項式N2 (Z)…N5 (Z)は、上の表に与えら
れる係数値を用いて、同様に表現することが出来る。
【0054】3つのIIRフィルタリングセルの係数
は、以下の表によって与えられる。 α(1) k =[76, 128, 63 ] α(2) k =[128, 82, 114] α(3) k =[128, 62, 66 ] IIRフィルタの対応する増幅係数VD は、VD =2348
/4096 である。
【0055】この表に与えられた係数にしたがって、分
割D1 (Z)の第1の多項式は、 D1 (Z)=76Z+ 128+ 63 Z-1 と書くことが出来る。他の多項式は、後続する行を用い
て同様に得られる。図12(A)は、種々の分母セルD
i (Z)の周波数応答を示し、図12(B)は、分子セ
ルN* i (Z)の周波数応答を示す(横軸が周波数で縦
軸が振幅である)。
【0056】ディジタル信号経路に於て、ダイナミック
レンジが許容できないほど増大するのを防ぐために、各
分母セルDi (Z)の共鳴周波数は、先行する分子セル
* i (Z)によって補償される必要がある。コンピュ
ータシミュレーションによれば、以下の組み合わせを用
いれば、ダイナミックレンジの増加を最小にすることが
出来る。
【0057】 N* 4(Z)D1 (Z),N* 3(Z)D2 (Z),N
* 2(Z)D3 (Z) 図13(A)、図13(B)、及び図13(C)は、I
F信号に関する周波数領域に於て、これらの組み合わせ
の周波数応答を示す。利得を縦軸に沿ってプロットし、
横軸に沿った周波数はサンプリング周波数の半分に対す
る周波数の比率(比率f/(fs /2))として表現さ
れる。これら3つの組み合わせの各々において、利得の
変動はファクター2即ち6dBを越えない。
【0058】提案されるナイキストフィルタのアーキテ
クチャが図16に示され、既に説明されたフィルタ15
及び16のアーキテクチャに類似した直列のIIRフィ
ルタ15A及び16Aが設けられる。部分16Aの各経
路に於けるフィルタリングセルはHb (Z)と表記さ
れ、部分15Aに於けるフィルタリングセルはH
c (Z)と表記される。
【0059】Ha (Z)と表記されるFIRフィルタリ
ングセルはLIFOスタック19の上流に設けられ、H
d (Z)と表記される別のFIRフィルタリングセルが
加算回路42の下流に設けられる。サブフィルタを構成
するフィルタリングセルは、以下の伝達関数を有する。 Ha (Z)=N* 4(Z) Hb (Z)=D1 (Z)N* 3(Z)D2 (Z)N* 2(Z)
3 (Z) Hc (Z)=D1 (Z)D2 (Z)D3 (Z) Hd (Z)=N* 1(Z)N* 5(Z) 前述した数Lは、サンプル信号の部分の長さを定義する
ものであるが、これはハードウェアの複雑さ及びその有
効性に対して大きく影響する。この部分に要求される最
大長の第1の推定値を得るために、周波数特性がD
1 (Z)、D2 (Z)、及びD3 (Z)であるフィルタ
のインパルス応答を調べる。図14(A)、図14
(B)、及び図14(C)は、対応するインパルス応答
を示す。
【0060】図14(A)及び図14(B)の応答d1
(t)及びd2 (t)は、周波数特性の共振周波数から
発生する発振特性を明らかに示す一方で、セルD
3 (Z)に対応する図14(C)のd3 (t)は、急速
に衰退する。これらの結果を見れば、これら3つのフィ
ルタ全体のインパルス応答が、d1(t)によって支配
されることは驚くべきことではない。図15(A)は、
これら3つのフィルタを重畳積分した結果、 d(t)=d1 (t)*d2 (t)*d3 (t) を示す。
【0061】ディジタル出力信号に対して10ビットの
ダイナミック解像度を考えるのであれば、必要な部分長
Lは、インパルス応答の振幅がインパルス応答最大振幅
の1/1000以下に落ちるときの長さとして得られ
る。図15(B)は、縦軸値を1000倍して、サンプ
リング周期の倍数として横軸に時間を表現したインパル
ス応答d(t)を示す。図15(B)から、所望の結果
を得るための部分Lの最短長は、サンプリング周期の約
110倍である。
【0062】この値は実際にはもっと小さくすることが
可能であり、何故なら、ナイキストフィルタの入力信号
はデルタパルスであることはなく、図14(A)及び図
14(B)の波形d1 (t)及びd2 (t)に於ける振
動発生の起因となる周波数成分は、前段のローパスフィ
ルタ特性N* 4(Z)及びN* 3(Z)によって十分に減衰
されるからである。簡単な計算によって、この議論を確
認することが可能である。
【0063】|D1 (Z)|(D1 (Z)の絶対値)
及び|D2 (Z)|の最大値は、図12(A)から求
めることが出来る。D1 (Z)の絶対値の最大値は約
22であり、D2 (Z)の絶対値の最大値は約10で
ある。N* 4(Z)及びN* 3(Z)をD1 (Z)及びD2
(Z)の前に用いることによって、この最大値は殆ど
補償される。部分を程よい長さにする数Lは、約50程
度であり得る。
【0064】IIR因果関係フィルタに対してオーバー
ラップ加算方法を用いる必要がないのであれば、より単
純なフィルタ構成を得ることが出来る。この場合、ナイ
キストフィルタの構成は図17で与えられる。非因果関
係フィルタ16Bの構成は前と同じであるが、IIR因
果関係フィルタ15Bは単純化され、加算回路を用いた
2つの並列な経路を含むことなく、伝達関数H3 (Z)
によって表記されるフィルタリングセルを含むのみであ
る。他のフィルタリングセルに関しては、LIFOスタ
ック19の上流セルは伝達関数H1 (Z)と表記され、
非因果関係フィルタ16BのセルはH2 (Z)と表記さ
れる。フィルタの伝達関数は以下の式で与えられる。
【0065】H1 (Z)=N* 4(Z)D1 (Z)N
* 3(Z)D2 (Z)N* 2(Z)D3 (Z) H2 (Z)=D1 (Z)D2 (Z)D3 (Z) H3 (Z)=N* 1(Z)N* 5(Z) 図18(A)及び図18(B)は、IIRフィルタリン
グセルの構成図である。
【0066】図18(A)の構成は、2次のIIRフィ
ルタリングセルに対応する。入力信号x(n)は、減算
回路43の入力に与えられる。回路43の出力信号は、
遅延Δtをもたらす第1の遅延セル44を介して、この
回路の入力に戻される。このセルの出力は一方で積算回
路45の入力に送られ、もう一方でセル44に同様の別
の遅延セル46の入力に送られる。積算係数a1 が積算
回路45の別の入力に与えられ、この回路からの出力が
加算回路47の入力に送られる。
【0067】遅延セル46からの出力は積算回路48の
入力に送られ、この積算回路48の別の入力は積算係数
2 を受け取る。積算回路48の出力は、加算回路47
のもう一方の入力に送られる。回路47の出力は、減算
回路43の入力に接続される。入力信号x(n)と出力
信号y(n)との間の量子化されていない式は、 y(n)=x(n)−a1 y(n−1)−a2 y(n−
2) で与えられる。
【0068】図18(B)は、2次IIRフィルタリン
グセルの構成図であり、図18(A)のものと同一のタ
イプであるが、入力信号x(n)を係数2m で増幅する
ディジタル信号処理用に変更されたものである。図18
(A)に関して説明した種々の回路が再び用いられ、同
一の参照番号で表記される。更に減算回路43の前に回
路49が設けられており、回路43に入力される信号が
m x(n)になるように信号x(n)を2m 倍に増幅
することが出来る。回路45及び48に与えられる積算
係数は各々α1 及びα2 であり、 α1 =a1 k 1 、α2 =a2 k 2 である。
【0069】回路45の出力と回路47の入力との間に
は、入力に値−k1 を受け取る回路50が設けられ、こ
の回路50は、入力信号の2-k1 倍に等しい信号を出力
する。回路50に同様の回路51が、積算器48の出力
及び加算器47の入力の間に設けられ、この回路51は
値−k2 を受け取り、入力信号を2-k2 倍する。
【0070】最後に、回路52がフィルタリングセル出
力のすぐ下流に設けられる。この回路52は、回路4
9、50、及び51に同様であり、値−mを受け取り、
入力信号の2-m倍を出力する。図18(B)のフィルタ
リングセルを用いれば、良好な質の出力信号を量子化さ
れた形で得ることが出来る。
【0071】図19(A)は、4次のFIRフィルタリ
ングセルの構成図である。入力信号x(n)は遅延セル
53の入力に与えられ、それに後続して、各々が遅延Δ
tをもたらす3つの別のセル54、55、及び56が直
列に設けられる。入力信号x(n)はまた、加算回路5
7の入力にも与えられ、このもう一方の入力はセル56
からの出力を受け取る。回路57からの出力は積算回路
58の入力に送られ、この積算回路58の別の入力は積
算係数β2 を受け取る。積算回路58からの出力は、加
算回路59の入力に送られる。
【0072】遅延セル53の出力は加算回路60の一方
の入力に送られ、そのもう一方の入力はセル55からの
出力を受け取る。回路60からの出力は積算回路61の
一方の入力に送られ、そのもう一方の入力は係数β1
受け取る。回路61からの出力は、加算回路59の別の
入力に与えられる。遅延セル54からの出力は積算回路
62の一方の入力に送られ、そのもう一方の入力は係数
β0 を受け取る。回路62の出力は加算回路63の一方
の入力に送られ、そのもう一方の入力は加算回路59か
らの出力を受け取る。回路63からの出力は回路64に
送られ、この回路64はもう一方の入力に指数−mを受
け取り、回路63の出力信号を2-m倍する。回路64
は、出力信号y(n)を送出する。
【0073】係数β0 、β1 、及びβ2 は、FIRフィ
ルタリングセルに望ましい係数の2 m 倍に等しい。図1
9(B)は、図19(A)のセルに同様のFIRフィル
タリングセル65と、図18(B)のセルに同様のII
Rフィルタリングセル66を組み合わせた構成図であ
る。
【0074】FIRセル65は、図19(A)のセルと
同一の回路からなる。但し、回路58の出力は回路63
の入力に直接に接続され、一方で回路62の出力が回路
59の入力に接続される。IIRセルは、セル65の入
力の前に設けられた減算回路43を含む。遅延セル53
及び54の出力から取られた信号は、図18(B)に模
式的に示すように、線67及び68を介して減算回路4
3の入力へと戻される。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、ディジタルビデオIF
信号のナイキストフィルタリングを、経済的な条件の下
で実現することが出来る。FIR及びIIRフィルタリ
ングセルを組み合わせることによって、実効的に生成さ
れるフィルタリング係数を大幅に削減出来る。約50個
の係数を生成することが必要なFIRフィルタの直接的
な設計と比較しても、フィルタの対称性を利用すること
によって、提案する解決手法を用いた例に於ては、22
個の係数のみが必要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるフィルタリング回路を含んだチュ
ーナからのIF中間周波数ビデオ信号を処理する回路の
構成図である。
【図2】アナログ前フィルタの出力に於けるアナログI
F信号を示す図である。
【図3】(A)は、A/D変換器の入力に於ける信号を
示す模式図であり、(B)及び(C)は、(A)の信号
に対するサンプリングの影響を示す図であり、(D)
は、ナイキストフィルタの出力に於ける信号を示す図で
ある。
【図4】(A)は、図3(D)と同じ図であり、(B)
は、ナイキストフィルタの出力に於て出力される信号を
示す図であり、(C)は、画像搬送波の再生成を示す図
であり、(D)は、画像搬送波再生後の信号をローパス
フィルタの図と共に示す図であり、(E)は、ローパス
フィルタの出力に於ける信号を示す図である。
【図5】本発明によるナイキストフィルタの構成を示す
図である。
【図6】LIFOスタックによるサンプル列の時間反転
を示す図である。
【図7】非因果関係IIRフィルタの構成を示す図であ
る。
【図8】図7の非因果関係フィルタによる信号処理を単
純化して示す図である。
【図9】図7の非因果関係フィルタの動作を、図8とは
異なる形態で示したタイムチャートである。
【図10】図7の非因果関係フィルタと共役スペクトラ
ムIIRフィルタとからなる直列接続IIRフィルタリ
ングの構成を示す図である。
【図11】(A)は、FIRフィルタとIIRフィルタ
との周波数応答を示す図であり、(B)は、フィルタの
周波数応答と2つのフィルタの和とを縦軸に対数尺度を
用いて示した図である。
【図12】(A)は、IIRフィルタの3つの独立なセ
ルの各々の周波数応答を示す図であり、(B)は、FI
Rフィルタの5つのセルの各々の周波数応答を示す図で
ある。
【図13】(A)乃至(C)は、IIRフィルタセル及
びFIRフィルタセルの様々な組み合わせの周波数応答
を示す図である。
【図14】(A)乃至(C)は、IIRフィルタの3つ
のセルの特性周波数に於けるフィルタリング構成のイン
パルス応答を示す図である。
【図15】(A)は、3つのIIRフィルタセルの重畳
積分の結果を示す図であり、(B)は、(A)の重畳積
分の結果として得られる信号の終端を一千倍した縦軸尺
度で示す図である。
【図16】本発明によるディジタルナイキストフィルタ
を示す図である。
【図17】図16によるディジタルナイキストフィルタ
の変形例を示す図である。
【図18】(A)及び(B)は、IIRフィルタセルを
示す図である。
【図19】(A)及び(B)は、FIRフィルタセルを
示す図である。
【符号の説明】
1 入力線 2 アナログ前フィルタ 3 A/D変換器 4 画像搬送波再生回路 5 積算回路 6 ローパスフィルタ 7 ビデオバンド 8 音声バンド 10 ナイキストフィルタ特性 11 通過帯域 12 転置 15 IIRフィルタ 16 IIRフィルタ 17 FIRフィルタ 18 FIRフィルタ 19 スタック 20 ルータ手段 21a、21b スイッチ要素 22a、22b 並列経路 23 ゼロ信号源 24a、24b IIRフィルタ 25a、25b スイッチ 26 第2のルータ手段 27 遅延セル 28 加算回路 29 スタック 39a、39b 経路 40 ルータ 41a、41b IIRフィルタ 42 加算回路 43 減算回路 44 遅延セル 45 積算回路 46 遅延セル 47 加算回路 48 積算回路 49、50、51、52 増幅用回路 53、54、55、56 遅延セル 57、59、60、63 加算回路 58、61、62 積算回路 64 増幅用回路 65 FIRフィルタリングセル 66 IIRフィルタリングセル 67、68 信号線

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A/D(アナログ/ディジタル)変換器
    (3)及びナイキストフィルタを含みIF中間周波数ビ
    デオ信号をディジタルフィルタリングする回路であっ
    て、 所望のチャネルを選択するに適したアナログ前フィルタ
    (2)がA/D変換器(3)の上流に設けられ、 ナイキストフィルタ(N)はA/D変換器(3)の下流
    に設けられたディジタルフィルタであって、一方(1
    6;16A;16B)は非因果関係の形に構成され他方
    (15;15A;15B)は因果関係の形に構成される
    直列に配置された2つのIIRフィルタ(15,16;
    15A,16A;15B,16B)と、IIRフィルタ
    を補正する直列接続されたFIRフィルタ(17)を含
    むことを特徴とする回路。
  2. 【請求項2】各IIRフィルタ(15,16;15A,
    16A;15B,16B)はセミナイキストフィルタで
    あることを特徴とする請求項1記載の回路。
  3. 【請求項3】IIRフィルタ及びFIRフィルタは、信
    号の動的揺れを軽減し、至る所で同一の動的揺れを用い
    るように組み合わせられることを特徴とする請求項1又
    は2記載の回路。
  4. 【請求項4】非因果関係の形で構成されるIIRフィル
    タ(16;16A;16B)は因果関係IIRフィルタ
    (15;15A;15B)の複素共役であり、2つのI
    IRフィルタによる処理の後にビデオ信号の位相は実質
    的に線形のままであることを特徴とする請求項1乃至3
    いずれか一項記載の回路。
  5. 【請求項5】非因果関係の形で構成されるIIRフィル
    タ(16;16A;16B)は、 ビデオ信号サンプリング手段(3)と、 サンプルされたビデオ信号を所定の時間長(LT)の部
    分に分割する手段(20)と、 フィルタリングの前に於て分割された部分のサンプルを
    時間反転する手段(19)と、 フィルタリングの後に於て時間反転する第2の手段(2
    9)とを含むことを特徴とする請求項1乃至4いずれか
    一項記載の回路。
  6. 【請求項6】フィルタリングの前後に於いてサンプルを
    時間反転する手段の各々はLIFOスタック(19,2
    9)からなることを特徴とする請求項5記載の回路。
  7. 【請求項7】非因果関係フィルタ(16;16A;16
    B)は、 各々が同一のIIRディジタルフィルタ(24a,24
    b)を含み第1のLIFOスタック(19)の出力に繋
    がれる2つの経路(22a,22b)と、 サンプリング周期(T)のL倍に等しいクロックレート
    で動作し、2つの経路(22a,22b)の一つに於て
    フィルタ(24a,24b)をLIFOスタック(1
    9)の出力に交互に繋げ、他方の経路に於て他方のフィ
    ルタ(24b,24a)を分割された部分と同一の長さ
    のゼロ送信(23)に繋げるために設けられたルータ手
    段(20)と、 第1のルータ手段(20)と同一のクロックレートで動
    作し、分割された部分の時間反転サンプルを受け取るフ
    ィルタ(24a,24b)の出力を、部分の期間の2倍
    に等しい遅延(2LT)を齎らす遅延セル(27)に交
    互に繋げるために、2つの並列フィルタ(24a,24
    b)の下流に設けられた第2のルータ手段(26)とを
    含み、該遅延セル(27)の出力は加算器(28)の一
    方の入力に繋がれその他方の入力はゼロの列を受け取る
    フィルタ(24b,24a)の出力に第2のルータ手段
    (26)を介して繋がれ、加算器(28)の出力はフィ
    ルタされたサンプルの時間順序を再構築する第2のLI
    FOスタック(29)に繋がれることを特徴とする請求
    項6記載の回路。
  8. 【請求項8】フィルタされた信号の裾がゼロの列が続く
    終端に於て無視できるほど、Lとサンプリング周期との
    積に等しい期間(LT)が十分であるように、数Lが選
    択されることを特徴とする請求項7記載の回路。
  9. 【請求項9】FIRフィルタとIIR結合フィルタと
    は、各フィルタの全体の伝達関数の多項式がより低次の
    幾つかの多項式の積に等しいように、小さなフィルタリ
    ングセルに分割され、FIRは分子の多項式(N
    (Z))に対応し、IIRは分母の多項式(D(Z))
    に対応することを特徴とする請求項1乃至8いずれか一
    項記載の回路。
  10. 【請求項10】FIRフィルタは、分子に於て4次の伝
    達関数N1 (Z)、N2 (Z)、N3 (Z)、N
    4 (Z)、及びN5 (Z)を各々が有する5つのセルに
    分割され、伝達関数D(Z)が分母であるIIRフィル
    タは、2次の伝達関数D1 (Z)、D2 (Z)、及びD
    3 (Z)を有する3つのセルに分割されることを特徴と
    する請求項9記載の回路。
  11. 【請求項11】FIRフィルタが、 N(Z)N(Z-1)=N* 1(Z)N* 2(Z)N* 3(Z)N*
    4(Z)N* 5(Z)であって、 N* 1(Z)=N1 (Z)N1 (Z-1),N* 2(Z)=N2
    (Z)N2 (Z-1),N* 3(Z)=N3 (Z)N3 (Z
    -1),N* 4(Z)=N4 (Z)N4 (Z-1),N* 5(Z)
    =N5 (Z)N5 (Z-1) である関係によって記述される特性を有することを特徴
    とする請求項10記載の回路。
  12. 【請求項12】FIRフィルタセルの係数は、 β(1) k =[377, 638, 1024, 638, 377] β(2) k =[94, 349, 512, 349, 94 ] β(3) k =[71, 177, 256, 177, 71 ] β(4) k =[34, 159, 256, 159, 34 ] β(5) k =[19, -155, 512, -155, 19 ] であり、IIRの係数は、 α(1) k =[76, 128, 63 ] α(2) k =[128, 82, 114] α(3) k =[128, 62, 66 ] であることを特徴とする請求項10又は11記載の回
    路。
  13. 【請求項13】伝達関数が、 Ha (Z)=N* 4(Z) Hb (Z)=D1 (Z)N* 3(Z)D2 (Z)N* 2(Z)
    3 (Z) Hc (Z)=D1 (Z)D2 (Z)D3 (Z) Hd (Z)=N* 1(Z)N* 5(Z) であるサブフィルタ(図16)よりなることを特徴とす
    る請求項11又は12記載の回路。
  14. 【請求項14】伝達関数が、 H1 (Z)=N* 4(Z)D1 (Z)N* 3(Z)D2 (Z)
    * 2(Z)D3 (Z) H2 (Z)=D1 (Z)D2 (Z)D3 (Z) H3 (Z)=N* 1(Z)N* 5(Z) であるサブフィルタ(図17)よりなることを特徴とす
    る請求項11又は12記載の回路。
  15. 【請求項15】サンプリング周波数(fs )が、 (4fIFmax −2BCH)/3 に等しいか或いは略等しく、fIFmax は最大IF周波数
    に等しく、BCHは全体のバンド幅に等しいことを特徴と
    する請求項1乃至14いずれか一項記載の回路。
  16. 【請求項16】サンプリング周波数(fs )は48.8
    7MHzに等しいか或いは略等しいことを特徴とする請
    求項15記載の回路。
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