JPH0920737A - クロルアセトアルデヒドまたはそのアセタールを原料とする生分解性キレート剤、l,l−エチレンジアミンジコハク酸の製造方法 - Google Patents

クロルアセトアルデヒドまたはそのアセタールを原料とする生分解性キレート剤、l,l−エチレンジアミンジコハク酸の製造方法

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JPH0920737A
JPH0920737A JP7186599A JP18659995A JPH0920737A JP H0920737 A JPH0920737 A JP H0920737A JP 7186599 A JP7186599 A JP 7186599A JP 18659995 A JP18659995 A JP 18659995A JP H0920737 A JPH0920737 A JP H0920737A
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acid
aspartic acid
acetal
schiff base
edds
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JP7186599A
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Hiroshi Yamamoto
浩 山本
Yasuyuki Takayanagi
恭之 高柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Nitto Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 工業的に入手が容易なクロルアセトアルデヒ
ドおよびそのアセタールとL−アスパラギン酸を原料と
し、生分解性に極めて優れたL,L−エチレンジアミン
ジコハク酸(EDDS)を、従来法に比べて、再現性の
良い易工程にて、高収率、高純度で提供する。 【構成】 L−アスパラギン酸にクロルアセトアルデヒ
ドをアルカリ性条件下で付加して2−オキソメチル−L
−アスパラギン酸を生成させた後、更に1分子のL−ア
スパラギン酸を縮合させて生成したシッフ塩基を還元
し、次いで鉱酸で酸析結晶化することを特徴とする、
L,L−EDDSの製造方法。および、L−アスパラギ
ン酸にクロルアセトアルデヒドのアセタールをアルカリ
性条件下で付加させてから脱アセタール化して2−オキ
ソメチル−L−アスパラギン酸を生成させた後、更に1
分子のL−アスパラギン酸を縮合させて生成したシッフ
塩基を還元し、次いで鉱酸で酸析結晶化することを特徴
とする、L,L−EDDSの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クロルアセトアルデヒ
ドまたはそのアセタールから、L,L−エチレンジアミ
ンジコハク酸(以下、L,L−EDDSという)および
そのアルカリ金属塩を製造する方法に関する。
【0002】L,L−EDDSおよびそのアルカリ金属
塩は、生分解性キレート剤として、洗浄剤組成物、洗剤
ビルダー、重金属封鎖剤、過酸化物安定剤などに広く用
いられる。
【0003】
【従来の技術】L,L−EDDSを製造する方法は、従
来から幾つか知られている。例えば、1分子のジブロモ
エタンに2分子のL−アスパラギン酸を付加する方法
(Inorganic Chemistry 1968年, 7 巻, 2405ページ) 、
あるいは、1分子のジクロロエタンに2分子のL−アス
パラギン酸を付加する方法(Chm. Zvesti, 1966年, 20
巻, 414 ページ) などがある。また、EDDSの立体異
性体混合物を製造する従来技術としては、1分子のエチ
レンジアミンに2分子のマレイン酸を付加する方法(Zh
urnal Obschei Khimii, 1978年, 49巻, 659 ページ) が
知られている。これら従来技術の問題点について以下に
述べる。
【0004】ジブロモエタンを用いる従来技術は、L,
L−EDDS以外にも副生成物を伴うため、目的物を実
用的な反応収率で得るには至っていない。また、反応収
率が反応液のpH、反応温度、ジブロモエタンの滴下速
度等の微細な変動によって大きく左右されるため、再現
性のある易工程とは成り難い。しかも、反応後に多量の
ブロム化合物が排出されるため、その廃液処理の点で重
大な課題を残す。更には、ジブロモエタンは、その不安
定性および毒性のため、入手の容易な原料とは言い難
く、近年は発癌性の疑いのため工業原料としての生産は
更に縮小されている。一方、ジクロロエタンを用いる従
来技術では、反応性の低下により、L,L−EDDSの
収率は、ジブロモエタンを用いた場合よりも更に低下す
る。
【0005】また、EDDSの立体異性体混合物を製造
する従来技術は、EDDSのD,D−体とD,L−体と
を、目的とするL,L−EDDS以上の生成比で与える
ため、EDDSの生分解性キレート剤としての実用性に
致命的な課題を残している。すなわち、D,D−EDD
Sは、生分解性に乏しく、環境中に大量に放出された
際、深刻な事態が懸念される。また、D,L−EDDS
は、本質的な生分解性は有するものの、分解速度は、
L,L−EDDSに大きく劣り、易分解性とは言い難
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら従来
技術の問題点を解決すべくなされたもので、L,L−E
DDSおよびそのアルカリ金属塩の工業的に有利な製造
方法を提供することを目的としており、具体的には、工
業的に入手が容易なクロルアセトアルデヒドまたはその
アセタールとL−アスパラギン酸を原料とし、生分解性
に極めて優れたL,L−EDDSを、再現性の良い易工
程にて、高収率、高純度で提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究の結果、クロルアセトアルデヒド
またはそのアセタールのL−アスパラギン酸に対する求
核付加反応により、2−オキソメチル−L−アスパラギ
ン酸が容易に生成することを見いだした。また、このよ
うにして得られた2−オキソメチル−L−アスパラギン
酸が、更に1分子のL−アスパラギン酸と脱水縮合反応
によりシッフ塩基を容易に生成することを見いだした。
そして、このシッフ塩基を接触水素添加あるいは金属水
素化物等による還元反応に供すると、目的とするL,L
−EDDSが高収率、高純度で,ラセミ化を伴わずに得
られることを見いだした。
【0008】すなわち、本発明は、L−アスパラギン酸
にクロルアセトアルデヒドをアルカリ性条件下で付加し
て2−オキソメチル−L−アスパラギン酸を生成させた
後、更に1分子のL−アスパラギン酸を縮合させて生成
したシッフ塩基を還元し、次いで鉱酸で酸析結晶化する
ことを特徴とする、L,L−EDDSの製造方法に関す
る。
【0009】また、本発明は、L−アスパラギン酸にク
ロルアセトアルデヒドのアセタールをアルカリ性条件下
で付加させてから脱アセタール化して2−オキソメチル
−L−アスパラギン酸を生成させた後、更に1分子のL
−アスパラギン酸を縮合させて生成したシッフ塩基を還
元し、次いで鉱酸で酸析結晶化することを特徴とする、
L,L−EDDSの製造方法に関する。
【0010】以下に本発明を詳細に報告する。本発明の
方法は、1分子のクロルアセトアルデヒドを1分子のL
−アスパラギン酸のアミノ基にアルカリ性条件下で求核
付加させ、2−オキソメチル−L−アスパラギン酸を生
成する共役付加工程、また、その反応生成物である2−
オキソメチル−L−アスパラギン酸のアルデヒド基に、
更に1分子のL−アスパラギン酸のアミノ基を脱水縮合
させるシッフ塩基生成工程、更に、その反応生成物であ
るシッフ塩基を還元して、L,L−EDDSのアルカリ
金属塩を生成するシッフ塩基還元工程、そして、その反
応生成物に鉱酸を添加して目的とするL,L−EDDS
を単離する酸析結晶化工程からなる。
【0011】あるいは、1分子のクロルアセトアルデヒ
ドのアセタールを1分子のL−アスパラギン酸のアミノ
基にアルカリ性条件下で求核付加させる求核付加工程、
求核付加工程の後、連続的に脱アセタールして2−オキ
ソメチル−L−アスパラギン酸を生成する脱アセタール
化工程、また、その反応生成物である2−オキソメチル
−L−アスパラギン酸のアルデヒド基に、更に1分子の
L−アスパラギン酸のアミノ基を脱水縮合させるシッフ
塩基生成工程、更に、その反応生成物であるシッフ塩基
を還元して、L,L−EDDSのアルカリ金属塩を生成
するシッフ塩基還元工程、そして、その反応生成物に鉱
酸を添加して目的とするL,L−EDDSを単離する酸
析結晶化工程からなる。
【0012】本発明において用いられるクロルアセトア
ルデヒドあるいはそのアセタールは、最近の総説 (Far
m. Zh. ( Kiev) 1991年, 6 号, 17ページ) で詳細の述
べられているように、医薬品、紙加工剤等の有機合成原
料として極めて有用性に富んだ化合物であり、工業原料
として容易に入手できる。
【0013】本発明の求核付加工程において用いられる
クロルアセトアルデヒドは、水溶液の使用形態として、
濃度20〜100重量%、好ましくは、40〜60重量
%のものが選択される。また、クロルアセトアルデヒド
のアセタール類を用いる場合は、純度80重量%以上、
好ましくは、純度95重量%以上のものが選択される。
アセタールの種類としては、調整が容易であり、しか
も、ある程度の水溶性を保持するジメチルアセタール、
ジエチルアセタール、エチレンアセタールが好ましく選
択される。
【0014】本発明において用いられるアスパラギン酸
は、D−体、L−体、およびラセミ体のいずれを選択し
ても化学反応的には同様であるが、生分解性に極めて優
れたL,L−EDDSを得ようとする目的から、L−体
が好ましく選択される。その際、L−アスパラギン酸
は、工業的に入手できる純度70%以上、好ましくは8
5%以上の固体が使用できるが、その製造途中で得られ
るアルカリ金属塩またはそのアルカリ金属塩の水溶液を
直接用いることもできる。
【0015】本発明の求核付加工程において用いられる
L−アスパラギン酸の使用量は、クロルアセトアルデヒ
ドあるいはそのアセタール類に対し、1.8〜2.6倍
モル、好ましくは1.9〜2.2倍モルの範囲で適宜選
択される。この使用量は、次工程のシッフ塩基生成工程
を連続的に実施するため、アクロレインに対し約2倍モ
ルのL−アスパラギン酸を、あらかじめ存在させること
による。しかし、次工程のシッフ塩基生成工程を段階的
に実施する場合は、クロルアセトアルデヒドあるいはそ
のアセタール類に対し、0.8〜1.6倍モル、好まし
くは0.9〜1.2倍モルのL−アスパラギン酸を使用
することが望ましい。
【0016】求核付加工程における初期pH条件は、ア
ルカリ金属水酸化物、またはその水溶液の添加によって
中性〜弱アルカリ性に設定される。アルカリ金属として
は、Li、Na,K,好ましくは、K、Naが用いられ
る。アルカリ金属水酸化物の代わりに、L−アスパラギ
ン酸アルカリ金属塩、またはその水溶液を直接用いても
よい。
【0017】求核付加工程における混合方法としては、
L−アスパラギン酸のアルカリ性水溶液にクロルアセト
アルデヒドあるいはそのアセタール類を、反応液中に蓄
積しない程度の速度で滴下する方法が、最も一般的に採
用される。クロルアセトアルデヒドの水溶液、あるい
は、クロルアセトアルデヒドアセタールの懸濁水溶液に
にL−アスパラギン酸のアルカリ性水溶液を滴下する方
法も可能である。
【0018】滴下時の反応液の温度は、0〜60℃、好
ましくは0〜50℃の範囲で実施することが望ましい。
滴下時の急激な温度上昇は、反応液の著しい着色を引き
起こし、目的とする2−オキソメチル−L−アスパラギ
ン酸の反応収率は、大きく低下する。
【0019】求核付加工程における反応pH条件は、7
〜13、好ましくは8〜12の範囲で適宜選択される。
pH13以上では、クロルアセトアルデヒドあるいはそ
のアセタール類の分解が著しく、また一方、pH7以下
でも、反応性が著しく低下する。また、設定pHは、通
常、クロルアセトアルデヒドあるいはそのアセタール類
の滴下と同時に、それと等モルのアルカリ金属水酸化物
の20〜50重量%水溶液を同時滴下することによって
達成される。この際、求核付加工程における初期pH条
件設定に使用したアルカリ金属の水酸化物と同一のもの
が選択される。
【0020】求核付加工程における滴下、熟成温度は、
10〜100℃、好ましくは40〜70℃の範囲で適宜
選択される。滴下時間は、1〜24時間、好ましくは1
〜4時間の範囲で適宜選択され、また、熟成時間は、1
〜5時間、好ましくは1〜3時間の範囲で適宜選択され
る。
【0021】以上の様に求核付加工程においてクロルア
セトアルデヒドを用いた場合、2−オキソメチル−L−
アスパラギン酸が直接生成する。一方、クロルアセトア
ルデヒドのアセタールを用いた場合は、付加生成物を脱
アセタール化することによって初めて、2−オキソメチ
ル−L−アスパラギン酸が生成する。
【0022】クロルアセトアルデヒドのアセタールを用
いた場合に必要となる脱アセタール化工程は、通常、求
核付加工程後の反応液pHを変化させるだけで、連続的
に実施される。
【0023】脱アセタール化工程における反応pH条件
は、2〜6、好ましくは2.5〜5.5の範囲で適宜選
択される。pHの設定には、10〜100重量%、好ま
しくは20〜60重量%の硫酸水溶液が用いられる。
【0024】脱アセタール化工程における熟成温度は、
10〜100℃、好ましくは40〜70℃の範囲で適宜
選択される。また、熟成時間は、1〜5時間、好ましく
は1〜3時間の範囲で適宜選択される。
【0025】脱アセタール化工程は、熟成後の反応液の
pH値を、求核付加工程終了直後のpH値に再調整する
ことによって、次工程であるシッフ塩基生成工程への移
行が可能になる。この際、求核付加工程における初期p
H条件設定に使用したのと同じアルカリ金属の水酸化物
の20〜50重量%水溶液が再pH調整に用いられる。
【0026】本発明におけるシッフ塩基生成工程は、前
工程のある求核付加工程あるいは脱アセタール化工程と
連続的に実施されるのが有利である。すなわち、求核付
加工程および脱アセタール化工程において、クロルアセ
トアルデヒドあるいはそのアセタール類を約2倍モルの
L−アスパラギン酸存在下に反応させると、2−オキソ
エチル−L−アスパラギン酸の生成に引き続き、更にも
う1分子のL−アスパラギン酸が脱水縮合してシッフ塩
基の生成が進行する。この連続的工程において、求核付
加が非可逆的に進行するのに対しシッフ塩基生成が可逆
的であるため、仮にシッフ塩基生成が求核付加に先んず
ることがあっても、2−オキソメチル−L−アスパラギ
ン酸のシッフ塩基の生成が、結果的に大きく優先的に進
行する。
【0027】シッフ塩基生成工程を求核付加工程あるい
は脱アセタール化工程と連続的に実施する場合、設定p
Hは、7〜13、好ましくは8〜12の範囲がよい。熟
成温度は、0〜60℃、好ましくは0〜50℃の範囲が
よい。また、熟成時間は、0〜24時間、好ましくは0
〜4時間の範囲で適宜選択される。
【0028】シッフ塩基生成工程を求核付加工程あるい
は脱アセタール化工程に対し、段階的に分割して実施す
ることも可能である。その際、段階的に追加するアスパ
ラギン酸の量は、求核付加工程で使用したクロルアセト
アルデヒドあるいはそのアセタール類に対して0.8〜
1.6倍モル、好ましくは0.9〜1.2倍モル用いる
のがよい。その場合、反応液の急激なpH変動を抑制す
るため、7〜13、好ましくは8〜12の範囲のアルカ
リ金属塩として用いるのが好ましい。
【0029】シッフ塩基生成工程をに対し、段階的に実
施する場合、熟成時間は、2〜24時間、好ましくは1
〜4時間の範囲で適宜選択される。このように、二工程
の段階的実施は、工程の煩雑さおよび熟成時間の延長の
点において不利であるが、目的に応じて2−オキソメチ
ル−L−アスパラギン酸またはそのアルカリ金属塩を単
離する場合に採用される。
【0030】本発明におけるシッフ塩基還元工程にて実
施される水素化反応は、触媒を用いた接触水素添加反
応、または金属水素化物等による還元反応によって達成
される。
【0031】シッフ塩基還元工程の接触水素添加反応に
おいて用いられる触媒は、ニッケル、パラジウム、ロジ
ウム、ルテニウム、プラチナなどの重金属が不均一触媒
として用いられる。この内、反応性および原料の入手性
に最も優れるのがニッケルであり、ラネーNiとして用
いられる。また、その他の重金属も使用可能であるが原
料の入手性の見地から、Pd−C、Rh−C、Rh−A
2 3 、PtO2 などとして、回収再利用することが
望ましい。
【0032】シッフ塩基還元工程の接触水素添加反応に
おいて用いられる触媒の使用量は、求核付加工程におい
て使用したクロルアセトアルデヒドあるいはそのアセタ
ール類に対し、1〜30モル%、好ましくは5〜10モ
ル%用いられる。
【0033】シッフ塩基還元工程の接触水素添加反応
は、シッフ塩基生成工程後の反応生成物に直接触媒を添
加し、水素雰囲気下にて激しく攪拌することによって開
始される。水素圧は、0〜100気圧、好ましくは20
〜50気圧の範囲で適宜選択される。
【0034】シッフ塩基還元工程の接触水素添加反応に
おける反応温度は、20〜100℃、好ましくは40〜
70℃の範囲で適宜選択される。また、熟成時間は、1
〜24時間、好ましくは2〜5時間の範囲で適宜選択さ
れる。反応後、使用した触媒は、静置沈降後の傾斜濾
過、あるいは、セライト等の濾過序剤を用いた濾過によ
って速やかに濾別される。濾別された触媒は、洗浄およ
び活性化の後、再生利用されることが望ましい。
【0035】得られる濾液は、無色または微褐色の、や
や粘性を帯びた、透明な液体であり、次工程の酸析結晶
化工程に直接用いられる。
【0036】次に、本発明のシッフ塩基還元工程におい
て、金属水素化物による還元反応にを実施する場合につ
いて述べる。
【0037】シッフ塩基還元工程において用いられる金
属水素化物としては、NaBH3 CN、NaBH4 、N
aH2 PO2 等が用いられるが、反応の際の設定pHは
それぞれ異なる。NaBH3 CNを用いる場合は、設定
pH5〜12、好ましくは、5〜7がよい。NaBH4
を用いる場合は、設定pH9〜13、好ましくは、10
〜12がよい。また、NaH2 PO2 を用いる場合は、
設定pH8〜13、好ましくは、10〜12がよい。い
ずれの金属水素化物のを用いた場合でも、高アルカリ性
側程、還元電位が増大するため反応性は上昇するが、ア
ルカリ性条件が強すぎると副生生物の増大と着色が増大
するので、反応を設定pH範囲外で実施することは、後
の目的物取得の際、深刻な収率低下につながるので避け
るべきである。
【0038】金属水素化物を用いたシッフ塩基還元工程
における反応温度は、0〜100℃、好ましくは20〜
50℃の範囲で適宜選択される。また、熟成時間は、1
〜36時間、好ましくは4〜8時間の範囲で適宜選択さ
れる。得られる反応液は、黄褐色または茶褐色の液体で
あり、次工程の酸析結晶化工程に直接用いられる。
【0039】本発明における酸析結晶化工程は、シッフ
塩基還元工程後得られた反応液に、鉱酸を加えることに
よって達成される。用いられる鉱酸としては、硫酸、塩
酸、硝酸等があげられるが、特に硫酸が好ましく用いら
れる。硫酸は、工業的に入手可能な純度60〜98%の
ものから選択され、加水分解工程によって得られた反応
液をpH1.0〜3.0、好ましくは、1.5〜2.5
に調節するための必要量が用いられる。硫酸滴下時の温
度は、10〜100℃、好ましくは40〜80℃の範囲
で実施するのが良く、滴下時間は、0.5〜3時間、好
ましくは1〜2時間の範囲が良い。
【0040】目的物であるL,L−EDDSは、硫酸添
加後の反応物を0〜50℃、好ましくは10〜40℃に
て、0〜72時間、好ましくは1〜5時間熟成した後、
析出する結晶を、吸引濾過または遠心濾過することによ
って得られる。
【0041】得られる目的物の結晶は、通常、結晶表面
に付着した微量の硫酸根を含む母液を少量の水を用いて
洗浄する以外、再結晶化を行わなくとも充分高純度であ
る。
【0042】
【実施例】次に、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0043】実施例1 攪拌機、温度計、滴下漏斗および蒸留装置を付したオー
トクレーブ型反応器に、水 (1,079kg)を仕込み、48重量
%NaOH水溶液(1,254kg, 15.1kmol)、次いでL−ア
スパラギン酸 (1,000kg, 7.52kmol)を攪拌下に連続して
溶解した。このようにして調製した酸換算30重量%のL
−アスパラギン酸二ナトリウム水溶液に、50重量%のク
ロロアセトアルデヒド水溶液(573g, 3.67kmol)および48
重量%の水酸化ナトリウム水溶液(306kg, 3.67kmol)
を、反応液温度40℃、および攪拌下に、1.5 時間かけて
滴下した。滴下終了後、反応液温度40〜50℃で、更に4.
5 時間、攪拌を継続した。この反応液にラネーニッケル
(W6, 50重量%懸濁液,42kg, 0.37kmol) を加え、反応
装置内の空気を水素ガスで充分置換した後、装置を密閉
し水素圧を50気圧まで上昇させ、次いで、激しい攪拌下
にて、反応液温度を25℃から75℃まで1 時間かけて徐々
に昇温させた後、50℃にて5.5 時間、激しい攪拌を続け
た。この間、水素圧が75気圧まで低下する毎に、水素の
補給を行い100 気圧とした。反応液を室温まで放冷静置
後、上清を吸引濾過装置上にあけ、次いで残査も吸引濾
過装置上にあけに水 (150kg)で洗浄し、濾液 (4,350 k
g) を得た。この濾液に、98重量%硫酸 (880kg, 8.80km
ol)を1.5 時間かけて滴下した。この間、反応液の温度
は80℃に昇温した。反応液を再び33℃まで放冷し、析出
したL,L−PDDSの結晶を遠心分離にて濾過した。
更に、20℃の水 (40kg) で二回洗浄して湿結晶 (1,244
g) を得た。送風乾燥後のL,L−EDDS(1,049kg,
3.59kmol,収率98%)は、均一な白色結晶であり、HP
LC分析の結果、生成したL,L−EDDSの化学純度
および光学純度は、いずれも99% 以上であった。
【0044】実施例2 攪拌機、温度計、滴下漏斗および蒸留装置を付したオー
トクレーブ型反応器に、水 (1,079kg)を仕込み、48重量
%NaOH水溶液(1,254kg, 15.1kmol)、次いでL−ア
スパラギン酸 (1,000kg, 7.52kmol)を攪拌下に連続して
溶解した。このようにして調製した酸換算30重量%のL
−アスパラギン酸二ナトリウム水溶液に、98重量%のク
ロロアセトアルデヒドジメチルアセタ−ル水溶液 (467k
g, 3.67kmol)および48重量%の水酸化ナトリウム水溶液
(306kg, 3.67kmol) を、反応液温度40℃、および攪拌下
に、1.5 時間かけて滴下した。滴下終了後、反応液温度
40〜50℃で、更に4.5 時間、攪拌を継続した。次に、こ
の反応液に98重量%硫酸(280kg, 2.8kmol) を、0.5 時
間かけて滴下した後、反応液温度40〜50℃で、更に2.0
時間、攪拌を継続した。続いて、48重量%の水酸化ナト
リウム水溶液(466kg, 5.6kmol)を0.5 時間かけて滴下し
た。この反応液にラネーニッケル (W6, 50重量%懸濁
液,42kg,0.37kmol) を加え、反応装置内の空気を水素
ガスで充分置換した後、装置を密閉し水素圧を50気圧ま
で上昇させ、次いで、激しい攪拌下にて、反応液温度を
25℃から75℃まで1 時間かけて徐々に昇温させた後、50
℃にて5.5 時間、激しい攪拌を続けた。この間、水素圧
が75気圧まで低下する毎に、水素の補給を行い100 気圧
とした。反応液を室温まで放冷静置後、上清を吸引濾過
装置上にあけ、次いで残査も吸引濾過装置上にあけに水
(150kg)で洗浄し、濾液 (5,055kg)を得た。この濾液
に、98重量%硫酸 (880kg, 8.80kmol)を1.5 時間かけて
滴下した。この間、反応液の温度は80℃に昇温した。反
応液を再び33℃まで放冷し、析出したL,L−PDDS
の結晶を遠心分離にて濾過した。更に、20℃の水 (40k
g) で二回洗浄して湿結晶 (1,211g) を得た。送風乾燥
後のL,L−EDDS(1,007kg, 3.45kmol, 収率94%)
は、均一な白色結晶であり、HPLC分析の結果、生成
したL,L−EDDSの化学純度および光学純度は、い
ずれも99% 以上であった。
【0045】実施例3 実施例1と同様に、求核付加反応、シッフ塩基生成反応
を連続的に行った。この反応液に、NaBH4 (43kg,
1.13kmol)を水 (400 kg) にあらかじめ溶解して作成し
ておいた懸濁液を、反応温度10℃、攪拌下、0.5 時間に
て加えた。その後、反応液温度を45℃まで上昇させ、更
に5.5 時間、攪拌を続けた。この濾液に、98重量%硫酸
(1,540kg, 15.4kmol) を1.5 時間かけて滴下した。こ
の間、反応液の温度は80℃に昇温した。反応液を再び33
℃まで放冷し、析出したL,L−PDDSの結晶を遠心
分離にて濾過した。更に、20℃の水 (40kg)で二回洗浄
して湿結晶 (1,160g)を得た。送風乾燥後のL,L−E
DDS(1,020kg, 3.49kmol ,収率95%)は、均一な白色
結晶であり、HPLC分析の結果、生成したL,L−E
DDSの化学純度および光学純度は、いずれも99% 以上
であった。
【0046】実施例4 実施例2と同様に、求核付加反応、シッフ塩基生成反応
を連続的に行った。この反応液に、NaBH4 (43kg,
1.13kmol)を水 (400 kg) にあらかじめ溶解して作成し
ておいた懸濁液を、反応温度10℃、攪拌下、0.5 時間に
て加えた。その後、反応液温度を45℃まで上昇させ、更
に5.5 時間、攪拌を続けた。この濾液に、98重量%硫酸
(1540kg, 15.4kmol)を1.5 時間かけて滴下した。この
間、反応液の温度は80℃に昇温した。反応液を再び33℃
まで放冷し、析出したL,L−PDDSの結晶を遠心分
離にて濾過した。更に、20℃の水 (40kg) で二回洗浄し
て湿結晶 (1,013g) を得た。送風乾燥後のL,L−ED
DS(986kg, 3.38kmol,収率92%)は、均一な白色結晶
であり、HPLC分析の結果、生成したL,L−EDD
Sの化学純度および光学純度は、いずれも99% 以上であ
った。
【0047】実施例5〜8 98重量%のクロルアセトアルデヒドジメチルアセタ−ル
(467kg)の代わりに、98重量%のクロルアセトアルデヒ
ドジエチルアセタ−ル (571kg)、または、98重量%のク
ロルアセトアルデヒドエチレンアセタ−ル (459kg)を用
いた以外、実施例2および実施例4と同様の操作を実施
し、L,L−EDDSの結晶を得た。結果を表1に示
す。
【0048】
【表1】
【0049】本発明の方法によれば、工業的に入手が極
めて容易なクロルアセトアルデヒドおよびそのアセター
ル類とL−アスパラギン酸を原料とし、生分解性に極め
て優れたL,L−EDDSを、高収率、高純度で得るこ
とができる。また、本発明は次のような利点もある。 (1)クロルアセトアルデヒドまたはそのアセタール
は、入手の容易な工業原料であり、L,L−EDDSの
大量工業生産の原料として適切である。 (2)共役付加、シッフ塩基生成、シッフ塩基還元の各
工程を、すべて一槽反応にて実施可能なため、L,L−
EDDSの大量工業生産考えた場合、極めて有利なプロ
セスとなる。 (3)共役付加、シッフ塩基生成、シッフ塩基還元の各
工程が、温和な条件にて進行するため、反応の制御が容
易である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 L−アスパラギン酸にクロルアセトアル
    デヒドをアルカリ性条件下で付加した後、更に1分子の
    L−アスパラギン酸を縮合させて生成したシッフ塩基を
    還元し、次いで鉱酸で酸析結晶化することを特徴とす
    る、L,L−エチレンジアミンジコハク酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 L−アスパラギン酸にクロルアセトアル
    デヒドのアセタールをアルカリ性条件下で付加させてか
    ら脱アセタール化した後、更に1分子のL−アスパラギ
    ン酸を縮合させて生成したシッフ塩基を還元し、次いで
    鉱酸で酸析結晶化することを特徴とする、L,L−エチ
    レンジアミンジコハク酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 シッフ塩基の還元を、接触水素添加反応
    または金属水素化合物により行うことを特徴とする、請
    求項1または2記載のL,L−エチレンジアミンジコハ
    ク酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 クロルアセトアルデヒドのアセタール
    が、ジメチルアセタール、ジエチルアセタール、エチレ
    ンアセタールである請求項2記載のL,L−エチレンジ
    アミンジコハク酸の製造方法。
JP7186599A 1995-05-09 1995-06-30 クロルアセトアルデヒドまたはそのアセタールを原料とする生分解性キレート剤、l,l−エチレンジアミンジコハク酸の製造方法 Pending JPH0920737A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105985252A (zh) * 2015-02-11 2016-10-05 上海美悦生物科技发展有限公司 一种门冬氨酸鸟氨酸晶型iv及其制备方法

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