JPH0922662A - イオン銃 - Google Patents
イオン銃Info
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- JPH0922662A JPH0922662A JP7172135A JP17213595A JPH0922662A JP H0922662 A JPH0922662 A JP H0922662A JP 7172135 A JP7172135 A JP 7172135A JP 17213595 A JP17213595 A JP 17213595A JP H0922662 A JPH0922662 A JP H0922662A
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- Japan
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- cathode
- ion gun
- discharge chamber
- thermoelectrons
- ion
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ガス導入ノズルNを有するディスチャージチ
ャンバ21と、ディスチャージチャンバ内に熱電子を放出
するカソード22と、放出された熱電子を加速するアノー
ド23と、加速された熱電子との衝突によって生成された
ガス中の元素のイオンを引き出すためのスクリーングリ
ッド24及びアクセルグリッド25とを有してなるイオン銃
において、カソードとアクセルグリッドを窒化鉄により
構成する。或いは壁28によりディスチャージチャンバを
区画して窒化鉄体29をカソードに近接して支持する。 【効果】 従来のイオン銃においてステンレスのアクセ
ルグリッドやタングステンのカソードフィラメントが蒸
発して、イオンアシスト蒸着に用いた場合に磁性層に対
する金属汚染が生ずるという問題点を除去し、得られる
磁気記録媒体の特性向上を図ることができる。
ャンバ21と、ディスチャージチャンバ内に熱電子を放出
するカソード22と、放出された熱電子を加速するアノー
ド23と、加速された熱電子との衝突によって生成された
ガス中の元素のイオンを引き出すためのスクリーングリ
ッド24及びアクセルグリッド25とを有してなるイオン銃
において、カソードとアクセルグリッドを窒化鉄により
構成する。或いは壁28によりディスチャージチャンバを
区画して窒化鉄体29をカソードに近接して支持する。 【効果】 従来のイオン銃においてステンレスのアクセ
ルグリッドやタングステンのカソードフィラメントが蒸
発して、イオンアシスト蒸着に用いた場合に磁性層に対
する金属汚染が生ずるという問題点を除去し、得られる
磁気記録媒体の特性向上を図ることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイオン銃に関し、詳
しくは磁気記録媒体の製造に際してイオン打ち込みの目
的で用いられるイオン銃に関する。
しくは磁気記録媒体の製造に際してイオン打ち込みの目
的で用いられるイオン銃に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸着やスパッタリングにより形成される
連続磁性体型磁気記録媒体は、磁性体充填率が高いた
め、塗布型の磁気記録媒体等と比べて薄膜で飽和磁化が
大きく、高密度記録に適したものであり、種々の応用分
野において利用されている。こうした連続磁性体型磁気
記録媒体用の強磁性材料としては、鉄、コバルト、ニッ
ケル、或いはこれらの合金が用いられるのが一般的であ
る。
連続磁性体型磁気記録媒体は、磁性体充填率が高いた
め、塗布型の磁気記録媒体等と比べて薄膜で飽和磁化が
大きく、高密度記録に適したものであり、種々の応用分
野において利用されている。こうした連続磁性体型磁気
記録媒体用の強磁性材料としては、鉄、コバルト、ニッ
ケル、或いはこれらの合金が用いられるのが一般的であ
る。
【0003】しかしながら、コバルトは稀少資源であっ
て供給面での不安があると共に、コスト面や環境面でも
問題のある材料である。そこでコバルトの代替として、
飽和磁化に優れた材料であり、しかも地球上に豊富に存
在する安価な資源である鉄を用いることが考えられてお
り、酸化され易さや耐食性に劣るといった欠点を補いつ
つ、鉄の高い飽和磁束密度を磁気記録媒体において有効
に活用するために、窒化鉄系、即ちFe−NやFe−N−O
系などの磁性膜を形成することが試みられている。
て供給面での不安があると共に、コスト面や環境面でも
問題のある材料である。そこでコバルトの代替として、
飽和磁化に優れた材料であり、しかも地球上に豊富に存
在する安価な資源である鉄を用いることが考えられてお
り、酸化され易さや耐食性に劣るといった欠点を補いつ
つ、鉄の高い飽和磁束密度を磁気記録媒体において有効
に活用するために、窒化鉄系、即ちFe−NやFe−N−O
系などの磁性膜を形成することが試みられている。
【0004】こうした磁性膜は、単に蒸着を行うことに
よっては成膜することができず、例えば鉄を蒸着しなが
らいわゆるイオンアシスト法により窒素イオンの導入を
行うことによって形成される。これは窒素ガスをイオン
ガンにより励起し、鉄蒸気がベースフィルムへと入射堆
積する個所において窒素イオンの注入を行うものであ
る。図3にその一例を示す。PET等のベースフィルム
10は冷却プレート11を経由して巻き出しロール12から巻
き取りロール13へと走行され、遮蔽板14を介して蒸着雰
囲気に暴露される。蒸着雰囲気はルツボ15内の金属鉄16
を電子銃17からの電子ビームにより蒸発させることによ
り得られ、この構成では斜め蒸着により成長した磁性層
が成膜される。18で示すものは真空チャンバーである。
成膜に際し、イオン銃19から例えば窒素ガスやアンモニ
アガスのような窒素含有ガス、酸素ガス等がイオン化さ
れて導入され、Fe−NやFe−N−O系などの磁性膜が得
られる。なお20は真空ポンプである。
よっては成膜することができず、例えば鉄を蒸着しなが
らいわゆるイオンアシスト法により窒素イオンの導入を
行うことによって形成される。これは窒素ガスをイオン
ガンにより励起し、鉄蒸気がベースフィルムへと入射堆
積する個所において窒素イオンの注入を行うものであ
る。図3にその一例を示す。PET等のベースフィルム
10は冷却プレート11を経由して巻き出しロール12から巻
き取りロール13へと走行され、遮蔽板14を介して蒸着雰
囲気に暴露される。蒸着雰囲気はルツボ15内の金属鉄16
を電子銃17からの電子ビームにより蒸発させることによ
り得られ、この構成では斜め蒸着により成長した磁性層
が成膜される。18で示すものは真空チャンバーである。
成膜に際し、イオン銃19から例えば窒素ガスやアンモニ
アガスのような窒素含有ガス、酸素ガス等がイオン化さ
れて導入され、Fe−NやFe−N−O系などの磁性膜が得
られる。なお20は真空ポンプである。
【0005】こうしたイオンアシスト法に用いられるイ
オン銃の一つとして、カウフマン型イオン銃等が従来か
ら知られている。こうしたイオン銃の構成の一例を図4
に示す。図4に示すイオン銃は、窒素ガス等が導入され
るガスノズルNを有する円筒形のディスチャージチャン
バ21と、このディスチャージチャンバ21内に熱電子を放
出するカソードフィラメント22とを有する。カソードフ
ィラメント22から放出された熱電子はアノード23によっ
て加速され、ガスノズルNから導入されたガスと衝突し
てガス分子をイオン化する。窒素ガスが用いられている
場合、こうしてイオン化された正電荷を有する窒素イオ
ンは、正電位が与えられたスクリーングリッド24により
フォーカシングされ、負電位が与えられたアクセルグリ
ッド25により引き出されて加速され、磁性層成膜個所へ
と向けられる。26はマグネットであってディスチャージ
チャンバ21内にプラズマを効率良く維持するためのもの
であり、また27はニュートラライザであって、フィラメ
ントから放出される熱電子によりイオンビームの空間電
荷効果を抑制して収束を図るためのものである。
オン銃の一つとして、カウフマン型イオン銃等が従来か
ら知られている。こうしたイオン銃の構成の一例を図4
に示す。図4に示すイオン銃は、窒素ガス等が導入され
るガスノズルNを有する円筒形のディスチャージチャン
バ21と、このディスチャージチャンバ21内に熱電子を放
出するカソードフィラメント22とを有する。カソードフ
ィラメント22から放出された熱電子はアノード23によっ
て加速され、ガスノズルNから導入されたガスと衝突し
てガス分子をイオン化する。窒素ガスが用いられている
場合、こうしてイオン化された正電荷を有する窒素イオ
ンは、正電位が与えられたスクリーングリッド24により
フォーカシングされ、負電位が与えられたアクセルグリ
ッド25により引き出されて加速され、磁性層成膜個所へ
と向けられる。26はマグネットであってディスチャージ
チャンバ21内にプラズマを効率良く維持するためのもの
であり、また27はニュートラライザであって、フィラメ
ントから放出される熱電子によりイオンビームの空間電
荷効果を抑制して収束を図るためのものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなイオン銃
に用いられるアクセルグリッドはステンレスからなり、
またカソードフィラメントはタングステンからなる。し
かしながらこうしたイオン銃においては、使用中にアク
セルグリッドやカソードフィラメントの劣化やエッチン
グが生じ、磁性層に対する金属汚染が生ずるという問題
点がある。これにより得られる磁気記録媒体の特性が劣
化することが予想され、従ってこのような問題を解決す
ることが望ましい。
に用いられるアクセルグリッドはステンレスからなり、
またカソードフィラメントはタングステンからなる。し
かしながらこうしたイオン銃においては、使用中にアク
セルグリッドやカソードフィラメントの劣化やエッチン
グが生じ、磁性層に対する金属汚染が生ずるという問題
点がある。これにより得られる磁気記録媒体の特性が劣
化することが予想され、従ってこのような問題を解決す
ることが望ましい。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ガス導
入系を有するディスチャージチャンバと、このディスチ
ャージチャンバ内に熱電子を放出するカソードと、放出
された熱電子を加速するアノードと、加速された熱電子
との衝突によって生成されたガス中の元素のイオンを引
き出すためのスクリーングリッド及びアクセルグリッド
とを有してなるイオン銃において、カソードとアクセル
グリッドの構成材料を窒化鉄とすることが提案される。
こうしたイオン銃を鉄系の、即ちFe−NやFe−N−O系
の磁性膜の成膜に際して窒素イオンを打ち込む目的で用
いた場合、ステンレスやタングステンの蒸発による金属
汚染を回避することができ、得られる磁気記録媒体の特
性の向上を図ることができる。またカソードやアクセル
グリッドの構成材料である窒化鉄が蒸発して磁性層中に
打ち込まれたとしても、これが核となって磁性層を形成
する粒子の好適な成長を得ることができる。
入系を有するディスチャージチャンバと、このディスチ
ャージチャンバ内に熱電子を放出するカソードと、放出
された熱電子を加速するアノードと、加速された熱電子
との衝突によって生成されたガス中の元素のイオンを引
き出すためのスクリーングリッド及びアクセルグリッド
とを有してなるイオン銃において、カソードとアクセル
グリッドの構成材料を窒化鉄とすることが提案される。
こうしたイオン銃を鉄系の、即ちFe−NやFe−N−O系
の磁性膜の成膜に際して窒素イオンを打ち込む目的で用
いた場合、ステンレスやタングステンの蒸発による金属
汚染を回避することができ、得られる磁気記録媒体の特
性の向上を図ることができる。またカソードやアクセル
グリッドの構成材料である窒化鉄が蒸発して磁性層中に
打ち込まれたとしても、これが核となって磁性層を形成
する粒子の好適な成長を得ることができる。
【0008】ステンレスやタングステンに代えて用いら
れる窒化鉄材料としては、Fe4Nが好ましいが、これに
限定されるものではなく他のFe−N材料も好適に用いる
ことができる。またカソード自体を窒化鉄により構成す
るのではなく、カソードとアノードの間に例えば円形プ
レート状の窒化鉄体を配置し、タングステンカソードか
ら放出される熱電子により窒化鉄体を加熱し、その際生
じる熱電子とアノードとの間で放電を起こすように構成
することもできる。この場合、ディスチャージチャンバ
をカソードとアノードの間に壁を設けて区画し、この壁
に窒化鉄体を支持することができる。またディスチャー
ジチャンバ内にプラズマを効率良く維持するためにディ
スチャージチャンバの周囲にマグネットを配置すること
ができ、さらにイオンビームの通路に沿ってニュートラ
ライザを配置し、ニュートラライザのフィラメントから
放出される熱電子により空間電荷効果を抑制してイオン
ビームの収束を図ることができる。
れる窒化鉄材料としては、Fe4Nが好ましいが、これに
限定されるものではなく他のFe−N材料も好適に用いる
ことができる。またカソード自体を窒化鉄により構成す
るのではなく、カソードとアノードの間に例えば円形プ
レート状の窒化鉄体を配置し、タングステンカソードか
ら放出される熱電子により窒化鉄体を加熱し、その際生
じる熱電子とアノードとの間で放電を起こすように構成
することもできる。この場合、ディスチャージチャンバ
をカソードとアノードの間に壁を設けて区画し、この壁
に窒化鉄体を支持することができる。またディスチャー
ジチャンバ内にプラズマを効率良く維持するためにディ
スチャージチャンバの周囲にマグネットを配置すること
ができ、さらにイオンビームの通路に沿ってニュートラ
ライザを配置し、ニュートラライザのフィラメントから
放出される熱電子により空間電荷効果を抑制してイオン
ビームの収束を図ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図2に本発明の一実施例により構
成したイオン銃30の概略を示す。図中、図4で用いたの
と同じ符号は同じ構成部材を示している。この実施例に
おいて、ディスチャージチャンバ21はタングステンから
なるカソードフィラメント22とアノード23の間に設けら
れた壁28によって区画されている。ガスノズルNはこの
壁28からイオン銃外部のガス供給源(図示せず)へと延
びている。壁28には、カソードフィラメント22に近接し
てFe4Nからなるディスク状の窒化鉄体29が支持されて
いる。またアクセルグリッド25は、ステンレスに代えて
Fe4Nで構成されている。このイオン銃30を、図3に示
す如き磁気記録媒体の製造装置において、窒素及び酸素
打ち込みのためのイオン銃19に代えて用いた。これによ
り図1に示す如き磁気記録媒体を製造するプロセスにつ
いて以下に説明する。
成したイオン銃30の概略を示す。図中、図4で用いたの
と同じ符号は同じ構成部材を示している。この実施例に
おいて、ディスチャージチャンバ21はタングステンから
なるカソードフィラメント22とアノード23の間に設けら
れた壁28によって区画されている。ガスノズルNはこの
壁28からイオン銃外部のガス供給源(図示せず)へと延
びている。壁28には、カソードフィラメント22に近接し
てFe4Nからなるディスク状の窒化鉄体29が支持されて
いる。またアクセルグリッド25は、ステンレスに代えて
Fe4Nで構成されている。このイオン銃30を、図3に示
す如き磁気記録媒体の製造装置において、窒素及び酸素
打ち込みのためのイオン銃19に代えて用いた。これによ
り図1に示す如き磁気記録媒体を製造するプロセスにつ
いて以下に説明する。
【0010】図1で示す磁気記録媒体において、1は非
磁性の基板であり、この基板1としてはポリエチレンテ
レフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリプロピレン
等のオレフィン系の樹脂、セルロース系の樹脂、塩化ビ
ニル系の樹脂といった高分子材料、ガラスやセラミック
等の無機系材料、アルミニウム合金等の金属材料が用い
られる。なお基板1の面上には、磁性層の密着性を向上
させるためのアンダーコート層2が必要に応じて設けら
れる。即ち表面を適度に荒らすことにより乾式メッキに
より構成される磁性層の密着性を向上させ、さらに磁気
記録媒体表面の表面粗さを適度なものとして走行性を改
善する。
磁性の基板であり、この基板1としてはポリエチレンテ
レフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリプロピレン
等のオレフィン系の樹脂、セルロース系の樹脂、塩化ビ
ニル系の樹脂といった高分子材料、ガラスやセラミック
等の無機系材料、アルミニウム合金等の金属材料が用い
られる。なお基板1の面上には、磁性層の密着性を向上
させるためのアンダーコート層2が必要に応じて設けら
れる。即ち表面を適度に荒らすことにより乾式メッキに
より構成される磁性層の密着性を向上させ、さらに磁気
記録媒体表面の表面粗さを適度なものとして走行性を改
善する。
【0011】アンダーコート層2の上には、図3に示す
如きイオンアシスト斜め蒸着装置によって、金属薄膜型
の鉄系磁性層3が形成される。例えば10-4〜10-6Torr程
度の真空雰囲気下で純度が99.95%程度のFeを電子ビー
ム加熱により蒸発させ、基板1のアンダーコート層2の
面上に堆積(蒸着)させることにより、磁性層3が0.04
〜1μm程度の膜厚で形成される。なお電子ビーム加熱
に代えて抵抗加熱や高周波加熱を用いることもでき、ま
た斜め蒸着の際の入射角αは30゜〜80゜、望ましくは約
45゜〜70゜であることが好ましい。磁性層3の成膜に際
しては、本発明のイオン銃30から窒素イオン(又は活性
窒素)及び酸素イオン(又は活性酸素)が蒸着されたFe
膜に照射され、かくして磁性層3はFe−N−O系のもの
となる。即ちイオン銃30のガスノズルNには窒素ガスや
アンモニア等の窒素含有ガスや酸素ガスが供給され、こ
れによって窒素イオン及び酸素イオンが磁性層3へと注
入されて、磁性層3はFeからFe−N−O系のものへと変
換される。なお図1において4は磁性層3の上に設けら
れた潤滑剤層である。即ち潤滑剤を含有させた希釈剤を
所定の手段で塗布したり噴霧する等の手段により、約5
〜50Å、好ましくは約10〜30Å程度の厚みで潤滑剤層4
が設けられる。5で示すものは基板1の他面に設けられ
た、例えばカーボンブラック等を含有させてなるバック
コート層である。
如きイオンアシスト斜め蒸着装置によって、金属薄膜型
の鉄系磁性層3が形成される。例えば10-4〜10-6Torr程
度の真空雰囲気下で純度が99.95%程度のFeを電子ビー
ム加熱により蒸発させ、基板1のアンダーコート層2の
面上に堆積(蒸着)させることにより、磁性層3が0.04
〜1μm程度の膜厚で形成される。なお電子ビーム加熱
に代えて抵抗加熱や高周波加熱を用いることもでき、ま
た斜め蒸着の際の入射角αは30゜〜80゜、望ましくは約
45゜〜70゜であることが好ましい。磁性層3の成膜に際
しては、本発明のイオン銃30から窒素イオン(又は活性
窒素)及び酸素イオン(又は活性酸素)が蒸着されたFe
膜に照射され、かくして磁性層3はFe−N−O系のもの
となる。即ちイオン銃30のガスノズルNには窒素ガスや
アンモニア等の窒素含有ガスや酸素ガスが供給され、こ
れによって窒素イオン及び酸素イオンが磁性層3へと注
入されて、磁性層3はFeからFe−N−O系のものへと変
換される。なお図1において4は磁性層3の上に設けら
れた潤滑剤層である。即ち潤滑剤を含有させた希釈剤を
所定の手段で塗布したり噴霧する等の手段により、約5
〜50Å、好ましくは約10〜30Å程度の厚みで潤滑剤層4
が設けられる。5で示すものは基板1の他面に設けられ
た、例えばカーボンブラック等を含有させてなるバック
コート層である。
【0012】
実施例1 イオン銃19として本発明のイオン銃30を使用した図3の
イオンアシスト斜め蒸着装置において、厚さ9.3μmの
PETフィルム10を速度1m/分で走行させた。酸化マ
グネシウム製のルツボ15に純度99.95%程度のFe16を入
れ、電子銃17を出力10kWで作動させてFeを蒸発させ、P
ETフィルム10にFe粒子を蒸着(入射角α=70゜)させ
ると共に、窒素ガス及び酸素ガスの混合ガス(体積混合
比2:1)をイオン銃30に50SCCMの流量で供給し、PE
Tフィルム10のFe蒸着面に向けて窒素イオン及び酸素イ
オンを照射した。なおカソード−アノード間の電位差は
60V、スクリーングリッド24の電位は−50V(対アノー
ド電極)、アクセルグリッドの電位は500Vであり、こ
れによりプラズマ中から50eVの窒素及び酸素イオンビー
ムが2mA/cm2のイオンビーム電流密度で得られた。こ
のようなイオンアシスト斜め蒸着によりFe−N−O系の
磁性層3を1800Åの膜厚で形成し、その後PETフィル
ムの磁性層面とは反対の面に、平均粒径40nmのカーボン
ブラックをウレタンプレポリマーと塩化ビニル系樹脂と
のバインダー樹脂中に分散させてなるバックコート用の
塗料をダイコーティング方式により、乾燥膜厚0.5μm
となるように塗布し、乾燥してバックコート層5を形成
した。その後パーフルオロポリエーテル(FOMBLIN Z DO
L、モンテカチーニ社製)をフッ素系不活性液体(フロ
リナート FC-77、住友スリーエム株式会社製)に0.05重
量%となるように希釈、分散させた塗料をダイコーティ
ング方式により、乾燥膜厚が20Åとなるように磁性層上
に塗布し、105℃で乾燥させて潤滑層4を形成した。次
いで8mm幅に裁断し、カセットに装填して8ミリビデオ
カセットを作製した。
イオンアシスト斜め蒸着装置において、厚さ9.3μmの
PETフィルム10を速度1m/分で走行させた。酸化マ
グネシウム製のルツボ15に純度99.95%程度のFe16を入
れ、電子銃17を出力10kWで作動させてFeを蒸発させ、P
ETフィルム10にFe粒子を蒸着(入射角α=70゜)させ
ると共に、窒素ガス及び酸素ガスの混合ガス(体積混合
比2:1)をイオン銃30に50SCCMの流量で供給し、PE
Tフィルム10のFe蒸着面に向けて窒素イオン及び酸素イ
オンを照射した。なおカソード−アノード間の電位差は
60V、スクリーングリッド24の電位は−50V(対アノー
ド電極)、アクセルグリッドの電位は500Vであり、こ
れによりプラズマ中から50eVの窒素及び酸素イオンビー
ムが2mA/cm2のイオンビーム電流密度で得られた。こ
のようなイオンアシスト斜め蒸着によりFe−N−O系の
磁性層3を1800Åの膜厚で形成し、その後PETフィル
ムの磁性層面とは反対の面に、平均粒径40nmのカーボン
ブラックをウレタンプレポリマーと塩化ビニル系樹脂と
のバインダー樹脂中に分散させてなるバックコート用の
塗料をダイコーティング方式により、乾燥膜厚0.5μm
となるように塗布し、乾燥してバックコート層5を形成
した。その後パーフルオロポリエーテル(FOMBLIN Z DO
L、モンテカチーニ社製)をフッ素系不活性液体(フロ
リナート FC-77、住友スリーエム株式会社製)に0.05重
量%となるように希釈、分散させた塗料をダイコーティ
ング方式により、乾燥膜厚が20Åとなるように磁性層上
に塗布し、105℃で乾燥させて潤滑層4を形成した。次
いで8mm幅に裁断し、カセットに装填して8ミリビデオ
カセットを作製した。
【0013】比較例1 イオン銃19として在来のカウフマン型イオン銃を使用
し、他は実施例1と同様に操作してFe−N−O系の磁性
層3を1800Åの膜厚で形成し、その後も同様に処理して
8ミリビデオカセットを作製した。
し、他は実施例1と同様に操作してFe−N−O系の磁性
層3を1800Åの膜厚で形成し、その後も同様に処理して
8ミリビデオカセットを作製した。
【0014】実施例1及び比較例1で得られたビデオカ
セットについて、ヘッドテスターを用いて、5MHz、10M
Hz及び20MHzにおける出力とC/N比を測定した。結果
を表1に示す。この場合、出力及びC/N比は比較例1
を0(dB)として示した。また比較例1の成膜速度を1
として、成膜速度についての測定結果も併せて表1に示
す。
セットについて、ヘッドテスターを用いて、5MHz、10M
Hz及び20MHzにおける出力とC/N比を測定した。結果
を表1に示す。この場合、出力及びC/N比は比較例1
を0(dB)として示した。また比較例1の成膜速度を1
として、成膜速度についての測定結果も併せて表1に示
す。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】以上の実施例からも理解されるように、
本発明によるイオン銃を用いて鉄系磁性層を成膜した場
合、ステンレスやタングステンによる金属汚染が少ない
こと、及びアクセルグリッド及びカソードとして窒化鉄
が用いられていることに基づく粒子の良好な成長によ
り、得られる磁気記録媒体の出力特性は良好となり、ま
た成膜速度も向上するという効果が得られる。
本発明によるイオン銃を用いて鉄系磁性層を成膜した場
合、ステンレスやタングステンによる金属汚染が少ない
こと、及びアクセルグリッド及びカソードとして窒化鉄
が用いられていることに基づく粒子の良好な成長によ
り、得られる磁気記録媒体の出力特性は良好となり、ま
た成膜速度も向上するという効果が得られる。
【図1】本発明のイオン銃を用いて成膜される磁気記録
媒体の一例の構成を示す概略図である。
媒体の一例の構成を示す概略図である。
【図2】本発明に従って構成されるイオン銃の一例を示
す概略断面図である。
す概略断面図である。
【図3】本発明のイオン銃及び在来のカウフマン型イオ
ン銃の何れを用いることもできる、イオンアシスト蒸着
装置の略示図である。
ン銃の何れを用いることもできる、イオンアシスト蒸着
装置の略示図である。
【図4】在来のカウフマン型イオン銃の構造を示す概略
断面図である。
断面図である。
21 ディスチャージチャンバ 22 カソードフィラメント 23 アノード 24 スクリーングリッド 25 アクセルグリッド 26 マグネット 27 ニュートラライザ 28 壁 29 窒化鉄体 30 イオン銃 N ガスノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 克己 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 松尾 祐三 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 志賀 章 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 石川 准子 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 ガス導入系を有するディスチャージチャ
ンバと、前記ディスチャージチャンバ内に熱電子を放出
するカソードと、前記熱電子を加速するアノードと、前
記加速された熱電子との衝突によって生成されたイオン
を引き出すためのスクリーングリッド及びアクセルグリ
ッドとを有してなるイオン銃において、前記カソードと
前記アノードの間に窒化鉄体を配置し、前記アクセルグ
リッドを窒化鉄により構成してなることを特徴とするイ
オン銃。 - 【請求項2】 前記ディスチャージチャンバが前記カソ
ードと前記アノードの間に設けられた壁によって区画さ
れ、前記窒化鉄体が前記壁に支持されて配置されてい
る、請求項1のイオン銃。 - 【請求項3】 ガス導入系を有するディスチャージチャ
ンバと、前記ディスチャージチャンバ内に熱電子を放出
するカソードと、前記熱電子を加速するアノードと、前
記加速された熱電子との衝突によって生成されたイオン
を引き出すためのスクリーングリッド及びアクセルグリ
ッドとを有してなるイオン銃において、前記カソード及
び前記アクセルグリッドを窒化鉄により構成してなるこ
とを特徴とするイオン銃。 - 【請求項4】 前記ディスチャージチャンバの周囲に配
置されたマグネットと、イオンビームの通路に沿って配
置されたニュートラライザとをさらに有する、請求項1
から3の何れかのイオン銃。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7172135A JPH0922662A (ja) | 1995-07-07 | 1995-07-07 | イオン銃 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7172135A JPH0922662A (ja) | 1995-07-07 | 1995-07-07 | イオン銃 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0922662A true JPH0922662A (ja) | 1997-01-21 |
Family
ID=15936223
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7172135A Pending JPH0922662A (ja) | 1995-07-07 | 1995-07-07 | イオン銃 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0922662A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1002712A2 (de) | 1998-11-19 | 2000-05-24 | Volkswagen Aktiengesellschaft | Anordnung mit einer Frontsäule für einen Karosserierahmen eines Kraftfahrzeugs |
-
1995
- 1995-07-07 JP JP7172135A patent/JPH0922662A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1002712A2 (de) | 1998-11-19 | 2000-05-24 | Volkswagen Aktiengesellschaft | Anordnung mit einer Frontsäule für einen Karosserierahmen eines Kraftfahrzeugs |
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