JPH0923893A - フェノール誘導体の製造方法 - Google Patents
フェノール誘導体の製造方法Info
- Publication number
- JPH0923893A JPH0923893A JP17633895A JP17633895A JPH0923893A JP H0923893 A JPH0923893 A JP H0923893A JP 17633895 A JP17633895 A JP 17633895A JP 17633895 A JP17633895 A JP 17633895A JP H0923893 A JPH0923893 A JP H0923893A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- phenol derivative
- medium
- microorganism
- producing
- culture
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 副生物を実質的に含まず、基質の部位が特異
的に水酸化されたフェノール誘導体を高い収率で得るフ
ェノール誘導体を製造する方法を提供する。 【解決手段】 微生物による水酸化反応を利用した芳香
族化合物からフェノール誘導体の製造方法において、下
記式(I)で表される芳香族化合物を原料として微生物
を利用した水酸化反応を行うことによって下記式(I
I)で表されるフェノール誘導体を製造することを特徴
とする、フェノール誘導体の製造方法。 【化1】
的に水酸化されたフェノール誘導体を高い収率で得るフ
ェノール誘導体を製造する方法を提供する。 【解決手段】 微生物による水酸化反応を利用した芳香
族化合物からフェノール誘導体の製造方法において、下
記式(I)で表される芳香族化合物を原料として微生物
を利用した水酸化反応を行うことによって下記式(I
I)で表されるフェノール誘導体を製造することを特徴
とする、フェノール誘導体の製造方法。 【化1】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェノール誘導体
の製造方法に関するものである。さらに詳しく述べる
と、本発明は、微生物を利用した水酸化反応によって位
置特異的に水酸基を導入し、フェノール誘導体を製造す
る方法に関するものである。
の製造方法に関するものである。さらに詳しく述べる
と、本発明は、微生物を利用した水酸化反応によって位
置特異的に水酸基を導入し、フェノール誘導体を製造す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フェノール誘導体は、フェノールをはじ
めとしてo−、m−及びp−クレゾール、3,5−キシ
レノール、カルバクロール、チモール、α−及びβ−ナ
フトール等の一価フェノール、カテコール、レゾルシン
及びハイドロキノン等の二価フェノール、ピロガロール
及びフロログルシン等の三価フェノール、およびシアノ
フェノール、ヒドロキシフェニルアセトニトリル及びア
セトアミノフェノールなど、多くの化合物の総称であ
り、合成樹脂、合成洗剤、医農薬等の広範囲な用途に使
用されている重要な有機化学工業用原料である。
めとしてo−、m−及びp−クレゾール、3,5−キシ
レノール、カルバクロール、チモール、α−及びβ−ナ
フトール等の一価フェノール、カテコール、レゾルシン
及びハイドロキノン等の二価フェノール、ピロガロール
及びフロログルシン等の三価フェノール、およびシアノ
フェノール、ヒドロキシフェニルアセトニトリル及びア
セトアミノフェノールなど、多くの化合物の総称であ
り、合成樹脂、合成洗剤、医農薬等の広範囲な用途に使
用されている重要な有機化学工業用原料である。
【0003】従来フェノール誘導体の製造方法として
は、化学合成法や石油精製や石炭ガス化等の多くの工業
的工程からの水性廃液流から回収する方法などが挙げら
れる。しかしながら、前者の方法では、多置換体や異性
体が生成するため転換率を低く押さえる必要があるこ
と、および酸化反応での転換率が低く、未反応物が多い
という問題が存在する。また、後者の方法では、フェノ
ール誘導体の回収効率が十分でなく限られた成果を与え
るにすぎない。
は、化学合成法や石油精製や石炭ガス化等の多くの工業
的工程からの水性廃液流から回収する方法などが挙げら
れる。しかしながら、前者の方法では、多置換体や異性
体が生成するため転換率を低く押さえる必要があるこ
と、および酸化反応での転換率が低く、未反応物が多い
という問題が存在する。また、後者の方法では、フェノ
ール誘導体の回収効率が十分でなく限られた成果を与え
るにすぎない。
【0004】このような問題および生化学的な酸化は選
択性が大きく副生物が少ないという長所を考慮して、微
生物を用いた酸化方法が提案された(特開昭54−15
7,895号公報、特開昭57−65,187号公報、
特開昭58−47,496号公報、特開昭58−19
3,691号公報、特開昭60−210,991号公
報、特開昭60−210,992号公報及び特公昭62
−47,517号公報)。しかしながら、例えば、特開
昭58−193,691号公報に示される方法では使用
される菌がC1 化合物を利用する菌に限られている、特
開昭58−47,496号公報ではベンゼンを基質とし
てハイドロキノンを製造する方法が、さらに、特公昭6
2−47,517号公報、特開昭60−210,991
号公報及び特開昭60−210,992号公報では、ベ
ンゼンおよび/またはフェノールを基質としてハイドロ
キノンを製造する方法がそれぞれ開示されているにすぎ
ない、また、酸化反応によって複数部位が酸化されてし
まうことがあるなど、依然として様々な問題が存在して
いる。
択性が大きく副生物が少ないという長所を考慮して、微
生物を用いた酸化方法が提案された(特開昭54−15
7,895号公報、特開昭57−65,187号公報、
特開昭58−47,496号公報、特開昭58−19
3,691号公報、特開昭60−210,991号公
報、特開昭60−210,992号公報及び特公昭62
−47,517号公報)。しかしながら、例えば、特開
昭58−193,691号公報に示される方法では使用
される菌がC1 化合物を利用する菌に限られている、特
開昭58−47,496号公報ではベンゼンを基質とし
てハイドロキノンを製造する方法が、さらに、特公昭6
2−47,517号公報、特開昭60−210,991
号公報及び特開昭60−210,992号公報では、ベ
ンゼンおよび/またはフェノールを基質としてハイドロ
キノンを製造する方法がそれぞれ開示されているにすぎ
ない、また、酸化反応によって複数部位が酸化されてし
まうことがあるなど、依然として様々な問題が存在して
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、微生物を用いて下記式(I)で表される芳香族化合
物を基質として水酸化し、下記式(II)で表されるフ
ェノール誘導体を特異的に生成するフェノール誘導体の
製造方法を提供することを目的とするものである。
は、微生物を用いて下記式(I)で表される芳香族化合
物を基質として水酸化し、下記式(II)で表されるフ
ェノール誘導体を特異的に生成するフェノール誘導体の
製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【化2】
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、微生物によ
る水酸化反応を利用した芳香族化合物からフェノール誘
導体の製造方法において、下記式(I)で表される芳香
族化合物を原料として用いて微生物を利用した水酸化反
応を行うことによって下記式(II)で表されるフェノ
ール誘導体を製造することを特徴とする、フェノール誘
導体の製造方法によって達成される。
る水酸化反応を利用した芳香族化合物からフェノール誘
導体の製造方法において、下記式(I)で表される芳香
族化合物を原料として用いて微生物を利用した水酸化反
応を行うことによって下記式(II)で表されるフェノ
ール誘導体を製造することを特徴とする、フェノール誘
導体の製造方法によって達成される。
【0008】
【化3】
【0009】本発明は、上記水酸化反応に用いる微生物
がマイコバクテリウム(Mycobacterium) 属に属する微生
物であるフェノール誘導体の製造方法を示すものであ
る。
がマイコバクテリウム(Mycobacterium) 属に属する微生
物であるフェノール誘導体の製造方法を示すものであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のフェノール誘導体の製造
方法は、微生物のモノオキシゲナーゼにより下記式
(I)で表される芳香族化合物を基質として水酸化し、
下記式(II)で表されるフェノール誘導体を生成する
ことを特徴とするものである。
方法は、微生物のモノオキシゲナーゼにより下記式
(I)で表される芳香族化合物を基質として水酸化し、
下記式(II)で表されるフェノール誘導体を生成する
ことを特徴とするものである。
【0011】
【化4】
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明のフェノール誘導体の製造方法の一
実施態様を以下の通りに説明する。
実施態様を以下の通りに説明する。
【0014】肉汁寒天培地に生育させたマイコバクテリ
ウム エスピー NS12523株(Mycobacterium sp.
NS12523) を一白金耳、表1に示される培地組成を有す
る培地(以下、A培地と称する)に適当な炭素源を添加
した培地(以下、増殖培地と称する)5mlに接種、培
養することによって、種培養液を調製する。次いで、こ
の種培養液を100mlの上記増殖培地を入れた500
ml容の坂口フラスコに接種し、増殖が定常期に入るま
で培養し、一定量の菌体を含む培養液を調製する。この
ようにして調製された培養液から遠心分離(1,000
〜10,000×g、5〜20分)によって菌体を回収
し、菌体を新鮮なA培地100ml及び誘導基質として
の炭素源を入れた500ml容の坂口フラスコに接種、
培養することによって、フェノール誘導体の生成活性の
高い活性菌体を調製する。培養液を遠心分離(1,00
0〜10,000×g、5〜20分)することによって
培養液から活性菌体のみを回収し、必要であれば、水、
緩衝液または生理食塩水等で菌体を洗浄する。このよう
にして回収された活性菌体を50mM リン酸緩衝液
(0.02% MgSO4 ・7H2 Oを含む50mM
KH2 PO4 水溶液;pH:7.0)中に菌体濃度が
0.1〜50g湿重量/100ml、好ましくは0.5
〜20g湿重量/100mlになるように懸濁し、目的
とするフェノール誘導体の生成反応における触媒として
の菌体懸濁液を調製する。この菌体懸濁液100mlを
500ml容のフラスコに入れ、基質およびエネルギー
源を添加し、20〜40℃で所望時間好気条件下で往復
振盪(50〜300rpm)することによって基質の水
酸化反応を行い、目的とするフェノール誘導体を得る。
ウム エスピー NS12523株(Mycobacterium sp.
NS12523) を一白金耳、表1に示される培地組成を有す
る培地(以下、A培地と称する)に適当な炭素源を添加
した培地(以下、増殖培地と称する)5mlに接種、培
養することによって、種培養液を調製する。次いで、こ
の種培養液を100mlの上記増殖培地を入れた500
ml容の坂口フラスコに接種し、増殖が定常期に入るま
で培養し、一定量の菌体を含む培養液を調製する。この
ようにして調製された培養液から遠心分離(1,000
〜10,000×g、5〜20分)によって菌体を回収
し、菌体を新鮮なA培地100ml及び誘導基質として
の炭素源を入れた500ml容の坂口フラスコに接種、
培養することによって、フェノール誘導体の生成活性の
高い活性菌体を調製する。培養液を遠心分離(1,00
0〜10,000×g、5〜20分)することによって
培養液から活性菌体のみを回収し、必要であれば、水、
緩衝液または生理食塩水等で菌体を洗浄する。このよう
にして回収された活性菌体を50mM リン酸緩衝液
(0.02% MgSO4 ・7H2 Oを含む50mM
KH2 PO4 水溶液;pH:7.0)中に菌体濃度が
0.1〜50g湿重量/100ml、好ましくは0.5
〜20g湿重量/100mlになるように懸濁し、目的
とするフェノール誘導体の生成反応における触媒として
の菌体懸濁液を調製する。この菌体懸濁液100mlを
500ml容のフラスコに入れ、基質およびエネルギー
源を添加し、20〜40℃で所望時間好気条件下で往復
振盪(50〜300rpm)することによって基質の水
酸化反応を行い、目的とするフェノール誘導体を得る。
【0015】
【表1】
【0016】本発明において、微生物によるフェノール
誘導体の生成反応に使用される基質は、下記式で表され
る芳香族化合物であれば特に制限されないが、具体的に
は、アセトアニリド、ホルムアニリド、プロピオンアニ
リド、ベンゾニトリル、フェニルアセトニトリル、フェ
ニルプロピオニトリル、フェニルブチロニトリル、フェ
ニルアラニン、フェニルグリシン、サリチル酸、および
o−クレゾールなどが挙げられる。これらのうち、アセ
トアニリド、ベンゾニトリル、フェニルアセトニトリ
ル、フェニルアラニン、サリチル酸及びo−クレゾール
を基質として用いることが好ましい。上記基質の添加濃
度は、100〜50,000ppm、好ましくは500
〜30,000ppmである。
誘導体の生成反応に使用される基質は、下記式で表され
る芳香族化合物であれば特に制限されないが、具体的に
は、アセトアニリド、ホルムアニリド、プロピオンアニ
リド、ベンゾニトリル、フェニルアセトニトリル、フェ
ニルプロピオニトリル、フェニルブチロニトリル、フェ
ニルアラニン、フェニルグリシン、サリチル酸、および
o−クレゾールなどが挙げられる。これらのうち、アセ
トアニリド、ベンゾニトリル、フェニルアセトニトリ
ル、フェニルアラニン、サリチル酸及びo−クレゾール
を基質として用いることが好ましい。上記基質の添加濃
度は、100〜50,000ppm、好ましくは500
〜30,000ppmである。
【0017】
【化5】
【0018】本発明によるフェノール誘導体は、使用す
る基質によってその化学式が決まる下記式で表される化
合物である。具体的には、アセトアニリド、ホルムアニ
リド、プロピオンアニリド、ベンゾニトリル、フェニル
アセトニトリル、フェニルプロピオニトリル、フェニル
ブチロニトリル、フェニルアラニン、フェニルグリシ
ン、サリチル酸及びo−クレゾールを基質として用いた
場合、それぞれp−アセトアミノフェノール、p−ヒド
ロキシホルムアニリド、p−ヒドロキシプロピオンアニ
リド、p−シアノフェノール、p−ヒドロキシフェニル
アセトニトリル、p−ヒドロキシフェニルプロピオニト
リル、p−ヒドロキシフェニルブチロニトリル、チロシ
ン、p−ヒドロキシフェニルグリシン、ゲンチジン酸及
びメチルハイドロキノンがフェノール誘導体として得ら
れる。
る基質によってその化学式が決まる下記式で表される化
合物である。具体的には、アセトアニリド、ホルムアニ
リド、プロピオンアニリド、ベンゾニトリル、フェニル
アセトニトリル、フェニルプロピオニトリル、フェニル
ブチロニトリル、フェニルアラニン、フェニルグリシ
ン、サリチル酸及びo−クレゾールを基質として用いた
場合、それぞれp−アセトアミノフェノール、p−ヒド
ロキシホルムアニリド、p−ヒドロキシプロピオンアニ
リド、p−シアノフェノール、p−ヒドロキシフェニル
アセトニトリル、p−ヒドロキシフェニルプロピオニト
リル、p−ヒドロキシフェニルブチロニトリル、チロシ
ン、p−ヒドロキシフェニルグリシン、ゲンチジン酸及
びメチルハイドロキノンがフェノール誘導体として得ら
れる。
【0019】
【化6】
【0020】本発明におけるフェノール誘導体の生成反
応をより効率的に行うために、反応液にエネルギー源と
なる物質を添加することが好ましい。該エネルギー源と
は、水酸化反応において必要な補酵素であるNADHや
NADPHを供給するのに利用される物質を示す。
応をより効率的に行うために、反応液にエネルギー源と
なる物質を添加することが好ましい。該エネルギー源と
は、水酸化反応において必要な補酵素であるNADHや
NADPHを供給するのに利用される物質を示す。
【0021】本発明において、微生物によるフェノール
誘導体の生成反応に使用されるエネルギー源としては、
菌株がその物質を分解して得られるエネルギーで補酵素
であるNADやNADPを還元してそれぞれNADHや
NADPHを生成できるものであれば特に制限されない
が、具体的には、グルコース及びシュークロースなどの
糖類、メタノール、エタノール、プロパノール及びブタ
ノールなどのアルコール類、酢酸などの有機酸、および
アセトン及びメチルエチルケトンなどのケトン類等の炭
素源が挙げられる。これらのうち、グルコース、エタノ
ール及び酢酸が微生物によって効率よく分解され、エネ
ルギー源として使用できるという点で好ましく使用され
る。なお、変換反応に用いる基質がフェノール誘導体へ
変換されると同時にその一部分が微生物によって分解、
資化されるものである場合には、菌体はそれによってエ
ネルギーを獲得できうると考えられるので、該エネルギ
ー源としての炭素源の供給は特に必要とされない。ま
た、上記エネルギー源の添加濃度は、反応基質のモル濃
度に対し、0.1〜10倍、好ましくは0.2〜5倍で
ある。
誘導体の生成反応に使用されるエネルギー源としては、
菌株がその物質を分解して得られるエネルギーで補酵素
であるNADやNADPを還元してそれぞれNADHや
NADPHを生成できるものであれば特に制限されない
が、具体的には、グルコース及びシュークロースなどの
糖類、メタノール、エタノール、プロパノール及びブタ
ノールなどのアルコール類、酢酸などの有機酸、および
アセトン及びメチルエチルケトンなどのケトン類等の炭
素源が挙げられる。これらのうち、グルコース、エタノ
ール及び酢酸が微生物によって効率よく分解され、エネ
ルギー源として使用できるという点で好ましく使用され
る。なお、変換反応に用いる基質がフェノール誘導体へ
変換されると同時にその一部分が微生物によって分解、
資化されるものである場合には、菌体はそれによってエ
ネルギーを獲得できうると考えられるので、該エネルギ
ー源としての炭素源の供給は特に必要とされない。ま
た、上記エネルギー源の添加濃度は、反応基質のモル濃
度に対し、0.1〜10倍、好ましくは0.2〜5倍で
ある。
【0022】本発明における水酸化反応は、分子酸素が
酸素供給源として必要である。従って、菌体懸濁液、基
質及びエネルギー源からなる反応液中に過不足なく酸素
を供給する必要がある。反応液への酸素の供給方法とし
ては、例えば、攪拌、振盪及び通気攪拌槽における空気
または酸素の通気及び攪拌操作などが挙げられる。通気
攪拌または振盪によって酸素を供給する場合の条件は特
に制限されず、用いる装置の大きさ、形状及び菌体懸濁
液の量によって適宜決定される。
酸素供給源として必要である。従って、菌体懸濁液、基
質及びエネルギー源からなる反応液中に過不足なく酸素
を供給する必要がある。反応液への酸素の供給方法とし
ては、例えば、攪拌、振盪及び通気攪拌槽における空気
または酸素の通気及び攪拌操作などが挙げられる。通気
攪拌または振盪によって酸素を供給する場合の条件は特
に制限されず、用いる装置の大きさ、形状及び菌体懸濁
液の量によって適宜決定される。
【0023】また、本発明における微生物によるフェノ
ール誘導体の生成反応は、基質及び生成するフェノール
誘導体の性質に適したpHの範囲内で行われる。本発明
において、上記pHの範囲は、5〜9、好ましくは6〜
8である。これから、本発明において使用できる活性菌
体を懸濁するための緩衝液は上記pHの範囲内に入るも
のであれば使用できるが、代表例としては、リン酸緩衝
液、ジメチルグルタル酸緩衝液及びトリス塩酸緩衝液等
が挙げられる。また、水酸化反応系において、反応の間
のpH変化が少ない場合には、あるいはpH変化を制御
できる装置等を用いる場合には、あえて緩衝液を用いる
必要はなく、生理食塩水などの無機塩水あるいは水を用
いることができる。
ール誘導体の生成反応は、基質及び生成するフェノール
誘導体の性質に適したpHの範囲内で行われる。本発明
において、上記pHの範囲は、5〜9、好ましくは6〜
8である。これから、本発明において使用できる活性菌
体を懸濁するための緩衝液は上記pHの範囲内に入るも
のであれば使用できるが、代表例としては、リン酸緩衝
液、ジメチルグルタル酸緩衝液及びトリス塩酸緩衝液等
が挙げられる。また、水酸化反応系において、反応の間
のpH変化が少ない場合には、あるいはpH変化を制御
できる装置等を用いる場合には、あえて緩衝液を用いる
必要はなく、生理食塩水などの無機塩水あるいは水を用
いることができる。
【0024】上記実施態様においては、菌体の分離を遠
心分離によって行ったが、菌体の分離は、この方法に制
限されず、瀘過及び沈降分離等、一般的な菌体の分離方
法によって行われる。
心分離によって行ったが、菌体の分離は、この方法に制
限されず、瀘過及び沈降分離等、一般的な菌体の分離方
法によって行われる。
【0025】また、上記実施態様においては、マイコバ
クテリウム エスピー NS12523株(Mycobacteri
um sp. NS12523) を微生物として利用したフェノール誘
導体の生成反応に使用したが、本発明において使用でき
る微生物は上記微生物に限られるものではなく、フェノ
ール誘導体を生成できる、即ちモノオキシゲナーゼ活性
を有する微生物であれば特に制限されないが、具体的に
は、メチロシヌス属(Methylosinus)、メチロコッカス属
(Methylococcus) 、ロドコッカス属(Rhodococcus) 、マ
イコバクテリウム属(Mycobacterium) 、ノカルディア属
(Nocardia)及びシュードモナス属(Pseudomonas) 等に属
する微生物が挙げられる。これらのうち、マイコバクテ
リウム属(Mycobacterium) 、ノカルディア属(Nocardia)
及びロドコッカス属(Rhodococcus) に属する微生物が好
ましく使用でき、より好ましくはマイコバクテリウム
エスピー NS12523株(Mycobacterium sp. NS125
23) が使用される。なお、マイコバクテリウム エスピ
ー NS12523株(Mycobacterium sp. NS12523)
は、本発明者らによって発見された芳香族化合物を酸化
しフェノール誘導体等へ変換する能力を有するマイコバ
クテリウム属(Mycobacterium) に属する新規な微生物で
ある。
クテリウム エスピー NS12523株(Mycobacteri
um sp. NS12523) を微生物として利用したフェノール誘
導体の生成反応に使用したが、本発明において使用でき
る微生物は上記微生物に限られるものではなく、フェノ
ール誘導体を生成できる、即ちモノオキシゲナーゼ活性
を有する微生物であれば特に制限されないが、具体的に
は、メチロシヌス属(Methylosinus)、メチロコッカス属
(Methylococcus) 、ロドコッカス属(Rhodococcus) 、マ
イコバクテリウム属(Mycobacterium) 、ノカルディア属
(Nocardia)及びシュードモナス属(Pseudomonas) 等に属
する微生物が挙げられる。これらのうち、マイコバクテ
リウム属(Mycobacterium) 、ノカルディア属(Nocardia)
及びロドコッカス属(Rhodococcus) に属する微生物が好
ましく使用でき、より好ましくはマイコバクテリウム
エスピー NS12523株(Mycobacterium sp. NS125
23) が使用される。なお、マイコバクテリウム エスピ
ー NS12523株(Mycobacterium sp. NS12523)
は、本発明者らによって発見された芳香族化合物を酸化
しフェノール誘導体等へ変換する能力を有するマイコバ
クテリウム属(Mycobacterium) に属する新規な微生物で
ある。
【0026】上記実施態様において使用されたマイコバ
クテリウム エスピー NS12523株(Mycobacteri
um sp. NS12523) の菌学的性質を以下に示す。
クテリウム エスピー NS12523株(Mycobacteri
um sp. NS12523) の菌学的性質を以下に示す。
【0027】(a)形態的性質 細胞の形および大きさ: 不規則な形態を有する桿
菌で、大きさが約1μm×3〜6μmである 細胞の多形性の有無: 培養時期によって、細胞の
長さが変化する 運動性の有無: なし 胞子の有無: なし 抗酸性: 陰性〜陽性(培養時期によって変化す
る) (b)培養的性質 肉汁寒天平板培養(30℃): 周縁部が波状で乾
燥した白色のコロニーを形成する。コロニーの大きさ
は、30℃で3日間培養した際、直径約3〜10mmで
ある。 肉汁液体培養: 表面にも生育する。直径0.3〜
1mm程度の細胞集塊を形成する。 肉汁ゼラチン穿刺培養: ゼラチンの液化なし リトマス・ミルク: アルカリ性 (c)生理的性質 グラム染色性: 陽性 硝酸塩の還元: + 脱窒反応: − MRテスト: − VPテスト: − インドールの生成: − 硫化水素の生成(TSI培地): − デンプンの加水分解: + クエン酸の利用:シモンズ(Simmons) の培地: − クリステンセン(Christensen) の培地: + 無機窒素源の利用: + 色素の生成:キングA(King A)培地: − キングB(King B)培地: − SCD寒天培地: − 肉汁寒天培地: − ウレアーゼ:クリステンセン(Christensen) の培地: + オキシダーゼ: − カタラーゼ: + 生育の範囲(SCD培地): 生育可能pHが4.5〜8.9 生育可能温度が14.0〜47.5℃ 酸素に対する態度: 好気性 O−Fテスト(Hugh Leifson法): F型(反応は弱い) (d)下記の糖類からの酸及びガスの生成の有無
菌で、大きさが約1μm×3〜6μmである 細胞の多形性の有無: 培養時期によって、細胞の
長さが変化する 運動性の有無: なし 胞子の有無: なし 抗酸性: 陰性〜陽性(培養時期によって変化す
る) (b)培養的性質 肉汁寒天平板培養(30℃): 周縁部が波状で乾
燥した白色のコロニーを形成する。コロニーの大きさ
は、30℃で3日間培養した際、直径約3〜10mmで
ある。 肉汁液体培養: 表面にも生育する。直径0.3〜
1mm程度の細胞集塊を形成する。 肉汁ゼラチン穿刺培養: ゼラチンの液化なし リトマス・ミルク: アルカリ性 (c)生理的性質 グラム染色性: 陽性 硝酸塩の還元: + 脱窒反応: − MRテスト: − VPテスト: − インドールの生成: − 硫化水素の生成(TSI培地): − デンプンの加水分解: + クエン酸の利用:シモンズ(Simmons) の培地: − クリステンセン(Christensen) の培地: + 無機窒素源の利用: + 色素の生成:キングA(King A)培地: − キングB(King B)培地: − SCD寒天培地: − 肉汁寒天培地: − ウレアーゼ:クリステンセン(Christensen) の培地: + オキシダーゼ: − カタラーゼ: + 生育の範囲(SCD培地): 生育可能pHが4.5〜8.9 生育可能温度が14.0〜47.5℃ 酸素に対する態度: 好気性 O−Fテスト(Hugh Leifson法): F型(反応は弱い) (d)下記の糖類からの酸及びガスの生成の有無
【0028】
【表2】
【0029】(e)その他の特徴的な生理的性質 サリチル酸の分解性: + 安息香酸の分解性: + ペニシリンGの耐性: + ミコール酸に関して、薄層クロマトグラフィーにより既
知の微生物であるマイコバクテリウム ヴァッカエ I
FO14118株(Mycobacterium vaccae IFO14118) と
比較したところ、マイコバクテリウム ヴァッカエ I
FO14118株とミコール酸スポットのRf値と近似
する位置にミコール酸スポットが複数個認められた。
知の微生物であるマイコバクテリウム ヴァッカエ I
FO14118株(Mycobacterium vaccae IFO14118) と
比較したところ、マイコバクテリウム ヴァッカエ I
FO14118株とミコール酸スポットのRf値と近似
する位置にミコール酸スポットが複数個認められた。
【0030】本菌株について、バージーズ マニュアル
オブ システマティック バクテリオロジー、第二巻
(Bergey´s Manual of Systematic Bacteriology 2nd)
(1986年)を参考にして検索を行った結果、本菌株
はマイコバクテリウム属(Mycobacterium) 微生物のマイ
コバクテリウム スメグマティス(Mycobacterium smegm
atis) に類似する特徴を有していることがわかった。し
かし、タイプカルチャーである、マイコバクテリウム
スメグマティス IFO3082、3153、3154
及び13167株と本菌株を比較したところ、いずれの
タイプカルチャーもメチルエチルケトンを炭素源とする
完全合成培地でほとんど生育しなかった点で、本菌株と
は異なっていた。さらに、いずれのタイプカルチャーも
モノオキシゲナーゼ活性を有しないあるいは活性が非常
に低かった。これらの結果より、本菌株は従来知られる
菌種とは異なる性質を有することから、本菌株をマイコ
バクテリウム エスピー NS12523株(Mycobacte
rium sp. NS12523) (以下、単に「NS12523株」
と称する)と命名した。
オブ システマティック バクテリオロジー、第二巻
(Bergey´s Manual of Systematic Bacteriology 2nd)
(1986年)を参考にして検索を行った結果、本菌株
はマイコバクテリウム属(Mycobacterium) 微生物のマイ
コバクテリウム スメグマティス(Mycobacterium smegm
atis) に類似する特徴を有していることがわかった。し
かし、タイプカルチャーである、マイコバクテリウム
スメグマティス IFO3082、3153、3154
及び13167株と本菌株を比較したところ、いずれの
タイプカルチャーもメチルエチルケトンを炭素源とする
完全合成培地でほとんど生育しなかった点で、本菌株と
は異なっていた。さらに、いずれのタイプカルチャーも
モノオキシゲナーゼ活性を有しないあるいは活性が非常
に低かった。これらの結果より、本菌株は従来知られる
菌種とは異なる性質を有することから、本菌株をマイコ
バクテリウム エスピー NS12523株(Mycobacte
rium sp. NS12523) (以下、単に「NS12523株」
と称する)と命名した。
【0031】このNS12523株は、平成7年5月3
0日付で工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託さ
れ、その受託番号はFERM P−14958号であ
る。
0日付で工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託さ
れ、その受託番号はFERM P−14958号であ
る。
【0032】本発明において、微生物の培養に使用する
培地は、固体または液体培地のいずれでもよく、また、
使用する菌株が資化しうる炭素源、適量の窒素源、無機
塩及びその他の栄養素を含有する培地であれば、合成培
地または天然培地のいずれでもよい。
培地は、固体または液体培地のいずれでもよく、また、
使用する菌株が資化しうる炭素源、適量の窒素源、無機
塩及びその他の栄養素を含有する培地であれば、合成培
地または天然培地のいずれでもよい。
【0033】本発明の菌株の培養において使用できる炭
素源としては、本菌株が良好に生育し、フェノール誘導
体を生成する活性を発現しうるものであれば特に制限さ
れず、グルコース、プロパン、ブタン、ペンタン、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メ
チルブチルケトン、イソプロパノール、2−ブタノー
ル、2−ペンタノールプロパン、エタノール、プロパノ
ール、1−ブタノール、酢酸及びシュークロース等が挙
げられる。これらのうち、菌株の生育を考慮すると、グ
ルコース、シュークロース、酢酸、アセトン、メチルエ
チルケトン、エタノール、プロパノール、1−ブタノー
ル及び2−ブタノール等が炭素源として好ましく使用さ
れ、また、フェノール誘導体の生成活性を高める、即ち
モノオキシゲナーゼ活性を高めることを考慮すると、プ
ロパン、ブタン、アセトン、メチルエチルケトン及び2
−ブタノールなどが好ましく使用される。この際、上記
炭素源の添加量は、0.01〜5重量%、好ましくは
0.1〜3重量%である。これらの炭素源は、単独ある
いは2種以上の混合物の形態で使用できる。
素源としては、本菌株が良好に生育し、フェノール誘導
体を生成する活性を発現しうるものであれば特に制限さ
れず、グルコース、プロパン、ブタン、ペンタン、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メ
チルブチルケトン、イソプロパノール、2−ブタノー
ル、2−ペンタノールプロパン、エタノール、プロパノ
ール、1−ブタノール、酢酸及びシュークロース等が挙
げられる。これらのうち、菌株の生育を考慮すると、グ
ルコース、シュークロース、酢酸、アセトン、メチルエ
チルケトン、エタノール、プロパノール、1−ブタノー
ル及び2−ブタノール等が炭素源として好ましく使用さ
れ、また、フェノール誘導体の生成活性を高める、即ち
モノオキシゲナーゼ活性を高めることを考慮すると、プ
ロパン、ブタン、アセトン、メチルエチルケトン及び2
−ブタノールなどが好ましく使用される。この際、上記
炭素源の添加量は、0.01〜5重量%、好ましくは
0.1〜3重量%である。これらの炭素源は、単独ある
いは2種以上の混合物の形態で使用できる。
【0034】本発明の菌株の培養において使用できる窒
素源としては、肉エキス、ペプトン、バクトペプトン、
ポリペプトン、酵母エキス、大豆加水分解物、大豆粉
末、ミルクカゼイン、カザミノ酸、各種アミノ酸及びコ
ーンスティープリカー等の有機窒素化合物、およびアン
モニア、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム及び塩化
アンモニウムなどのアンモニウム塩、硝酸カリウム及び
硝酸ナトリウムなどの硝酸塩、尿素等の無機窒素化合物
等が挙げられる。これらの窒素源も、単独あるいは2種
以上の混合物の形態で使用できる。
素源としては、肉エキス、ペプトン、バクトペプトン、
ポリペプトン、酵母エキス、大豆加水分解物、大豆粉
末、ミルクカゼイン、カザミノ酸、各種アミノ酸及びコ
ーンスティープリカー等の有機窒素化合物、およびアン
モニア、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム及び塩化
アンモニウムなどのアンモニウム塩、硝酸カリウム及び
硝酸ナトリウムなどの硝酸塩、尿素等の無機窒素化合物
等が挙げられる。これらの窒素源も、単独あるいは2種
以上の混合物の形態で使用できる。
【0035】本発明において使用できる無機塩として
は、一般的な細菌の培養に用いられるものが使用できる
が、例えば、マグネシウム、マンガン、カルシウム、ナ
トリウム、カリウム、銅、鉄及び亜鉛などのリン酸塩、
塩酸塩、硫酸塩及び酢酸塩等から選ばれた1種または2
種以上を使用することができる。これらのうち、フェノ
ール誘導体を効率よく生成するためには鉄塩を無機塩と
して比較的高濃度で添加することが好ましく、鉄塩の添
加濃度としては、鉄に換算して、1リットルの培養液
中、0.3〜60mg、好ましくは1〜30mgであ
る。
は、一般的な細菌の培養に用いられるものが使用できる
が、例えば、マグネシウム、マンガン、カルシウム、ナ
トリウム、カリウム、銅、鉄及び亜鉛などのリン酸塩、
塩酸塩、硫酸塩及び酢酸塩等から選ばれた1種または2
種以上を使用することができる。これらのうち、フェノ
ール誘導体を効率よく生成するためには鉄塩を無機塩と
して比較的高濃度で添加することが好ましく、鉄塩の添
加濃度としては、鉄に換算して、1リットルの培養液
中、0.3〜60mg、好ましくは1〜30mgであ
る。
【0036】ここで、本発明においてNS12523株
を使用する際に好ましく使用できるA培地以外の培地の
一組成例を以下の表3に示し、以下、この培地をB培地
と称する。これらのA培地およびB培地は、これらの培
地に上記したような所定の炭素源を添加して調製した培
地でNS12523株を培養すると、NS12523株
は直径1mm以下の小さい集塊を形成しながら増殖し、
培養液を静置すると速やかに沈降し、容易に菌体のみを
回収できるため、本発明における微生物の培養に好まし
く使用できる。
を使用する際に好ましく使用できるA培地以外の培地の
一組成例を以下の表3に示し、以下、この培地をB培地
と称する。これらのA培地およびB培地は、これらの培
地に上記したような所定の炭素源を添加して調製した培
地でNS12523株を培養すると、NS12523株
は直径1mm以下の小さい集塊を形成しながら増殖し、
培養液を静置すると速やかに沈降し、容易に菌体のみを
回収できるため、本発明における微生物の培養に好まし
く使用できる。
【0037】
【表3】
【0038】本発明においてフェノール誘導体を生成す
る完全合成培地としてはA培地に誘導基質としての上記
したような炭素源を加えた培地が好ましく使用され、増
殖をさらに促進するための有機態窒素源培地としてはB
培地の組成に上記したような炭素源を加えた培地が好ま
しく使用される。
る完全合成培地としてはA培地に誘導基質としての上記
したような炭素源を加えた培地が好ましく使用され、増
殖をさらに促進するための有機態窒素源培地としてはB
培地の組成に上記したような炭素源を加えた培地が好ま
しく使用される。
【0039】本発明において、微生物の培養は、上記実
施態様において詳細に記載した培養に限られるものでは
なく、使用する微生物が適切に培養できる公知の培養方
法によって行われる。一般的には、本発明による微生物
の培養は、好気的条件下で行われ、その際の培養条件
は、使用する微生物の種類、培地の組成や培養法によっ
て適宜選択され、使用する菌株が増殖しモノオキシゲナ
ーゼ活性が発現できる条件であれば特に制限されない。
通常は、培養温度が、20〜45℃、好ましくは30〜
40℃であり、また、培養に適当な培地のpHは、4.
5〜9、好ましくは6〜8である。
施態様において詳細に記載した培養に限られるものでは
なく、使用する微生物が適切に培養できる公知の培養方
法によって行われる。一般的には、本発明による微生物
の培養は、好気的条件下で行われ、その際の培養条件
は、使用する微生物の種類、培地の組成や培養法によっ
て適宜選択され、使用する菌株が増殖しモノオキシゲナ
ーゼ活性が発現できる条件であれば特に制限されない。
通常は、培養温度が、20〜45℃、好ましくは30〜
40℃であり、また、培養に適当な培地のpHは、4.
5〜9、好ましくは6〜8である。
【0040】また、本発明によると、誘導基質としての
炭素源が培地中で消失するとモノオキシゲナーゼ活性が
低下するため、高いモノオキシゲナーゼ活性を有する菌
体を得るためには、誘導基質としての炭素源が培地中に
残存している段階で微生物の培養を終了させることが重
要である。ただし、単に目的量の菌体を得る場合には、
モノオキシゲナーゼ活性の低下に関係なく、定常期に達
するまで菌体の増殖を継続してもよい。このため、上記
実施態様において示したように、一定量の菌体を得るた
めの培養段階及びこのような培養段階で得られた菌体に
誘導基質を添加して短時間培養を行うことによってモノ
オキシゲナーゼ活性の高い菌体を得ることを目的とした
培養段階に分けて、微生物の培養を行うことが好ましい
が、前述したような2段階からなる培養を行わずに、誘
導基質濃度を一定に制御することができる培養装置を用
いて菌体の増殖とモノオキシゲナーゼ活性の発現の両方
を一段階で行い、活性菌体を得てもよい。
炭素源が培地中で消失するとモノオキシゲナーゼ活性が
低下するため、高いモノオキシゲナーゼ活性を有する菌
体を得るためには、誘導基質としての炭素源が培地中に
残存している段階で微生物の培養を終了させることが重
要である。ただし、単に目的量の菌体を得る場合には、
モノオキシゲナーゼ活性の低下に関係なく、定常期に達
するまで菌体の増殖を継続してもよい。このため、上記
実施態様において示したように、一定量の菌体を得るた
めの培養段階及びこのような培養段階で得られた菌体に
誘導基質を添加して短時間培養を行うことによってモノ
オキシゲナーゼ活性の高い菌体を得ることを目的とした
培養段階に分けて、微生物の培養を行うことが好ましい
が、前述したような2段階からなる培養を行わずに、誘
導基質濃度を一定に制御することができる培養装置を用
いて菌体の増殖とモノオキシゲナーゼ活性の発現の両方
を一段階で行い、活性菌体を得てもよい。
【0041】培養時間は、使用する微生物の種類、培養
温度及びpHや菌体の初期濃度等の培養条件および培養
方法によって異なるが、例えば、一定量の菌体を得るた
めの培養段階では、NS12523株を一白金耳、1重
量%のメチルエチルケトンを炭素源として加えたA培地
5mlに接種し30℃で3日間培養して種培養液を調製
し、この種培養液を上記と同様の培地100mlを入れ
た500ml容の坂口フラスコに接種し、30℃で振盪
培養(140rpm)を行った場合、2〜5日である。
また、活性菌体を得るための培養段階では、上述の培養
段階で得たモノオキシゲナーゼ活性が十分高くない菌体
を誘導基質としてメチルエチルケトンを1重量%添加し
た新鮮なA培地100mlを入れた500ml容の坂口
フラスコに接種して30℃で振盪培養(140rpm)
を行った場合、6〜72時間である。このような方法に
よって、目的とする水酸化反応に供試できるモノオキシ
ゲナーゼ活性を有する菌体を調製することができる。
温度及びpHや菌体の初期濃度等の培養条件および培養
方法によって異なるが、例えば、一定量の菌体を得るた
めの培養段階では、NS12523株を一白金耳、1重
量%のメチルエチルケトンを炭素源として加えたA培地
5mlに接種し30℃で3日間培養して種培養液を調製
し、この種培養液を上記と同様の培地100mlを入れ
た500ml容の坂口フラスコに接種し、30℃で振盪
培養(140rpm)を行った場合、2〜5日である。
また、活性菌体を得るための培養段階では、上述の培養
段階で得たモノオキシゲナーゼ活性が十分高くない菌体
を誘導基質としてメチルエチルケトンを1重量%添加し
た新鮮なA培地100mlを入れた500ml容の坂口
フラスコに接種して30℃で振盪培養(140rpm)
を行った場合、6〜72時間である。このような方法に
よって、目的とする水酸化反応に供試できるモノオキシ
ゲナーゼ活性を有する菌体を調製することができる。
【0042】このようにして得られた活性菌体を用い
て、所望の物質変換反応を行うことができる。
て、所望の物質変換反応を行うことができる。
【0043】
【実施例】以下、実施例を参照しながら本発明をさらに
具体的に説明する。
具体的に説明する。
【0044】実施例1 肉汁寒天培地(ディフコ(Difco) 社製)に生育させたマ
イコバクテリウム エスピー NS12523株(Mycob
acterium sp. NS12523) を一白金耳、炭素源として1重
量%のメチルエチルケトンを添加したA培地5mlを入
れた試験管に接種し、30℃で3日間培養することによ
って、種培養液を調製した。次いで、この種培養液を上
記と同様の培地100mlを入れた500ml容の坂口
フラスコに接種し、さらに30℃で3日間培養し、培養
液を調製した。このようにして得た培養液から遠心分離
(6,000×g、5分)によって菌体を回収し、菌体
を新鮮な同培地100mlを入れた500ml容の坂口
フラスコに接種して30℃でさらに24時間培養して、
フェノール誘導体の生成効率の高い活性菌体を調製し
た。このようにして得られた培養液を遠心分離(6,0
00×g、5分)することによって培養液から活性菌体
のみを回収し、菌体を0.02% MgSO4・7H2
Oを含む50mM リン酸緩衝液(pH:7)中に菌体
濃度が5g湿重量/100mlになるように懸濁した。
この菌体懸濁液10mlを100ml容の三角フラスコ
に入れ、基質としてアセトニトリド、エネルギー源とし
てグルコースをそれぞれ1,000ppmになるように
添加し、反応を開始した。反応開始後、30℃で24時
間往復振盪(140rpm)することによって反応を行
った。所定時間経過した後、反応液を回収し、高速液体
クロマトグラフィー(HPLC)分析によって反応液中
に含まれる生成物の同定及び定量を行った。なお、生成
物の同定及び定量は、それぞれ標準化合物との保持時間
及びピークの大きさの比較によって行った。
イコバクテリウム エスピー NS12523株(Mycob
acterium sp. NS12523) を一白金耳、炭素源として1重
量%のメチルエチルケトンを添加したA培地5mlを入
れた試験管に接種し、30℃で3日間培養することによ
って、種培養液を調製した。次いで、この種培養液を上
記と同様の培地100mlを入れた500ml容の坂口
フラスコに接種し、さらに30℃で3日間培養し、培養
液を調製した。このようにして得た培養液から遠心分離
(6,000×g、5分)によって菌体を回収し、菌体
を新鮮な同培地100mlを入れた500ml容の坂口
フラスコに接種して30℃でさらに24時間培養して、
フェノール誘導体の生成効率の高い活性菌体を調製し
た。このようにして得られた培養液を遠心分離(6,0
00×g、5分)することによって培養液から活性菌体
のみを回収し、菌体を0.02% MgSO4・7H2
Oを含む50mM リン酸緩衝液(pH:7)中に菌体
濃度が5g湿重量/100mlになるように懸濁した。
この菌体懸濁液10mlを100ml容の三角フラスコ
に入れ、基質としてアセトニトリド、エネルギー源とし
てグルコースをそれぞれ1,000ppmになるように
添加し、反応を開始した。反応開始後、30℃で24時
間往復振盪(140rpm)することによって反応を行
った。所定時間経過した後、反応液を回収し、高速液体
クロマトグラフィー(HPLC)分析によって反応液中
に含まれる生成物の同定及び定量を行った。なお、生成
物の同定及び定量は、それぞれ標準化合物との保持時間
及びピークの大きさの比較によって行った。
【0045】HPLC分析の結果を表4に示す。表4か
ら示されるように、p−アセトアミノフェノールと保持
時間が一致するピークが得られ、目的とするp−アセト
アミノフェノールが生成したことが確認された。
ら示されるように、p−アセトアミノフェノールと保持
時間が一致するピークが得られ、目的とするp−アセト
アミノフェノールが生成したことが確認された。
【0046】実施例2 実施例1と同様の操作で調製した活性菌体を用い、基質
としてアセトニトリドの代わりにベンゾニトリルを添加
する以外は実施例1と同様にして水酸化反応を行った。
結果を表4に示す。この結果、目的とするp−シアノフ
ェノールが生成したことが確認された。
としてアセトニトリドの代わりにベンゾニトリルを添加
する以外は実施例1と同様にして水酸化反応を行った。
結果を表4に示す。この結果、目的とするp−シアノフ
ェノールが生成したことが確認された。
【0047】実施例3 実施例1と同様の操作で調製した活性菌体を用い、基質
としてアセトニトリドの代わりにフェニルアセトニトリ
ルを添加する以外は実施例1と同様にして水酸化反応を
行った。結果を表4に示す。この結果、目的とするp−
ヒドロキシフェニルアセトニトリルが生成したことが確
認された。
としてアセトニトリドの代わりにフェニルアセトニトリ
ルを添加する以外は実施例1と同様にして水酸化反応を
行った。結果を表4に示す。この結果、目的とするp−
ヒドロキシフェニルアセトニトリルが生成したことが確
認された。
【0048】実施例4 実施例1と同様の操作で調製した活性菌体を用い、基質
としてアセトニトリドの代わりにフェニルアラニンを添
加する以外は実施例1と同様にして水酸化反応を行っ
た。結果を表4に示す。この結果、目的とするチロシン
が生成したことが確認された。
としてアセトニトリドの代わりにフェニルアラニンを添
加する以外は実施例1と同様にして水酸化反応を行っ
た。結果を表4に示す。この結果、目的とするチロシン
が生成したことが確認された。
【0049】実施例5 実施例1と同様の操作で調製した活性菌体を用い、基質
としてアセトニトリドの代わりにサリチル酸を添加する
以外は実施例1と同様にして水酸化反応を行った。結果
を表4に示す。この結果、目的とするゲンチジン酸が生
成したことが確認された。
としてアセトニトリドの代わりにサリチル酸を添加する
以外は実施例1と同様にして水酸化反応を行った。結果
を表4に示す。この結果、目的とするゲンチジン酸が生
成したことが確認された。
【0050】実施例6 実施例1と同様の操作で調製した活性菌体を用い、基質
としてアセトニトリドの代わりにo−クレゾールを添加
する以外は実施例1と同様にして水酸化反応を行った。
結果を表4に示す。この結果、目的とするメチルハイド
ロキノンが生成したことが確認された。
としてアセトニトリドの代わりにo−クレゾールを添加
する以外は実施例1と同様にして水酸化反応を行った。
結果を表4に示す。この結果、目的とするメチルハイド
ロキノンが生成したことが確認された。
【0051】
【表4】
【0052】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のフェノール
誘導体の製造方法は、微生物による水酸化反応を利用し
た芳香族化合物からフェノール誘導体の製造方法におい
て、下記式(I)で表される芳香族化合物を原料として
微生物を利用した水酸化反応を行うことによって下記式
(II)で表されるフェノール誘導体を製造することを
特徴とするものである。したがって、本発明の方法を用
いることによって、副生物を実質的に含まず、基質の特
定部位が水酸化されたフェノール誘導体が高い収率で得
られる。
誘導体の製造方法は、微生物による水酸化反応を利用し
た芳香族化合物からフェノール誘導体の製造方法におい
て、下記式(I)で表される芳香族化合物を原料として
微生物を利用した水酸化反応を行うことによって下記式
(II)で表されるフェノール誘導体を製造することを
特徴とするものである。したがって、本発明の方法を用
いることによって、副生物を実質的に含まず、基質の特
定部位が水酸化されたフェノール誘導体が高い収率で得
られる。
【0053】
【化7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07C 37/58 9155−4H C07C 37/58 39/08 9155−4H 39/08 65/05 9450−4H 65/05 229/36 9450−4H 229/36 231/12 231/12 233/25 233/25 (C12P 13/00 C12R 1:32) (C12P 7/22 C12R 1:32) (C12P 7/42 C12R 1:32) (C12P 13/02 C12R 1:32) (C12P 13/22 C12R 1:32)
Claims (2)
- 【請求項1】 微生物による水酸化反応を利用した芳香
族化合物からフェノール誘導体の製造方法において、下
記式(I)で表される芳香族化合物を原料として用いて
微生物を利用した水酸化反応を行うことによって下記式
(II)で表されるフェノール誘導体を製造することを
特徴とする、フェノール誘導体の製造方法。 【化1】 - 【請求項2】 該水酸化反応に用いる微生物がマイコバ
クテリウム(Mycobacterium) 属に属する微生物である、
請求項1に記載のフェノール誘導体の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17633895A JPH0923893A (ja) | 1995-07-12 | 1995-07-12 | フェノール誘導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17633895A JPH0923893A (ja) | 1995-07-12 | 1995-07-12 | フェノール誘導体の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0923893A true JPH0923893A (ja) | 1997-01-28 |
Family
ID=16011844
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17633895A Pending JPH0923893A (ja) | 1995-07-12 | 1995-07-12 | フェノール誘導体の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0923893A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015227204A (ja) * | 2014-06-02 | 2015-12-17 | 株式会社高井製作所 | 豆腐用パック設置装置及びパック詰め装置 |
| CN114605284A (zh) * | 2020-12-09 | 2022-06-10 | 上海与盈材料科技有限公司 | 一种制备羰基碳环或杂环腈类化合物的方法 |
-
1995
- 1995-07-12 JP JP17633895A patent/JPH0923893A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015227204A (ja) * | 2014-06-02 | 2015-12-17 | 株式会社高井製作所 | 豆腐用パック設置装置及びパック詰め装置 |
| CN114605284A (zh) * | 2020-12-09 | 2022-06-10 | 上海与盈材料科技有限公司 | 一种制备羰基碳环或杂环腈类化合物的方法 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| Anastassiadis et al. | Continuous gluconic acid production by isolated yeast-like mould strains of Aureobasidium pullulans | |
| Shimizu et al. | One-step microbial conversion of a racemic mixture of pantoyl lactone to optically active D-(—)-pantoyl lactone | |
| US5283193A (en) | Process for producing optically active α-substituted organic acid and microorganism and enzyme used therefor | |
| FR2487375A1 (fr) | Procede de production de l'enzyme cholesterase et d'hydrolyse des esters de cholesterol d'acides gras en utilisant l'enzyme elle-meme | |
| IE920299A1 (en) | Microbiological process for the preparation of 6-hydroxypicolinic acid | |
| EP0098137A2 (en) | A microbiological process for the oxidation of alkanes, vinyl compounds and secondary alcohols | |
| JPH0923893A (ja) | フェノール誘導体の製造方法 | |
| US6379935B1 (en) | Method of producing α-halo-α,β-saturated carbonyl compounds from the corresponding α,β-unsaturated compounds | |
| JPH05336979A (ja) | パラヒドロキシ安息香酸の製造方法 | |
| JPH0923891A (ja) | 芳香族カルボン酸の製造方法 | |
| JPH09279A (ja) | フェノール誘導体の製造方法 | |
| JP4269416B2 (ja) | α−ハロ−α,β−飽和カルボニル化合物の製造方法 | |
| EP0979877B1 (en) | Method of producing alpha-halo-alpha, beta-saturated carbonyl compounds | |
| US4824780A (en) | Method for producing hydroquinone | |
| JP4266296B2 (ja) | サリチル酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、またはγ−レゾルシン酸の製造方法 | |
| JP3015170B2 (ja) | 微生物及びビフェニルカルボン酸化合物等の製造方法 | |
| JP3015169B2 (ja) | 微生物及びナフタレンカルボン酸化合物の製造方法 | |
| US4916067A (en) | Method for the preparation of sorbic acid by oxidizing 2,4-hexadienal with a microorganism | |
| JP3011294B2 (ja) | 微生物及びナフタレンカルボン酸化合物の製造法 | |
| JPH09282A (ja) | モノオキシゲナーゼ活性の安定化方法 | |
| JP5333966B2 (ja) | (s)−3−キヌクリジノールの製造方法 | |
| JP2993766B2 (ja) | sec−セドレノールの製造法 | |
| JP3011295B2 (ja) | 微生物及びビフェニルカルボン酸化合物の製造法 | |
| JPH0380091A (ja) | 新規微生物及び該微生物を用いた2,6―ナフタレンジカルボン酸の製造法 | |
| JPH09281A (ja) | モノオキシゲナーゼ活性の安定化方法 |