JPH09240160A - 感熱記録用転写体 - Google Patents

感熱記録用転写体

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JPH09240160A
JPH09240160A JP8080780A JP8078096A JPH09240160A JP H09240160 A JPH09240160 A JP H09240160A JP 8080780 A JP8080780 A JP 8080780A JP 8078096 A JP8078096 A JP 8078096A JP H09240160 A JPH09240160 A JP H09240160A
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JP
Japan
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film
heat
thermal
printing
transfer
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JP8080780A
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English (en)
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Akimitsu Tsukuda
佃  明光
Toshihiro Chikugi
稔博 筑木
Nobuaki Ito
伸明 伊藤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精細な印刷特性を有し、多数回印刷時にも
良好な印刷特性を示す感熱記録用転写体を提供する。 【解決手段】 有機高分子体からなる基材の片面に感熱
転写層を有する感熱記録用転写体において、該基材は、
少なくとも片面のカットオフ0.008mmでの中心線
平均粗さRa1と、カットオフ0.08mmでの中心線
平均粗さRa2の比が下式を満足し、 0.1≦Ra1/Ra2≦0.8 かつ、熱減量開始温度が300℃以上であることを特徴
とする感熱記録用転写体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マルチユースに好
適で、印刷品位に優れた感熱記録用転写体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、感熱記録用転写体に用いられる基
材としては、ポリエステル、ポリプロピレン、セロファ
ン、アセテート、ポリカーボネート、紙類等が使用され
ており、中でもポリエステルフィルム、特にポリエチレ
ンテレフタレート(以下PETと略すこともある。)が
広く使用されてきた。
【0003】近年、当該材料においてもヘッドからのエ
ネルギー伝達効率を高める等の手段に代表される高精細
な印刷品位へのニーズやマルチユースに対応した感熱転
写層の厚み増大に基づいた基材の薄膜化の要請がなされ
ている。しかし、上記したPETのような基材では耐熱
性や剛性が不十分で張力下に変動を伴うため、基材とし
ても高剛性なものが求められている。この観点から基材
として、高剛性な芳香族ポリアミドフィルムを用いよう
という提案が特開昭60−174694号、特開昭61
−237687号、特開昭63−107588号公報等
になされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年環境保護の立場か
らも感熱記録用転写体の分野においてマルチユースに対
応した動きが主流となってきた。このマルチユース化技
術としては感熱転写層内部に転写材の蓄積層を有した
り、転写材層を多層化したりして一回当たりの放出を制
限しつつ印刷するものであり、いずれにしても転写材の
基材単位面積あたりの搭載量を多くすることが必要とな
るため総厚みとして一定値以下とするためには基材を薄
くしなければならない。
【0005】しかしながら、PETでは剛性上の制約か
ら薄膜化に限界があり、上記したニーズに応えるには必
ずしも充分でないこと、更にサーマルヘッド等から熱エ
ネルギーを付与された時、熱軟化してヘッドに焼き付く
というスティッキング現象を伴うため、更にスティッキ
ング防止層をヘッドサイドに設ける必要があり、工程増
となって必ずしも経済的に有利なものではないことが判
っている。また、耐熱性が不十分で後述するような高精
細化に向かない。
【0006】また、印刷速度の高速化ニーズに応えるた
めにヘッドとしてもエネルギー密度を高める必要があ
り、その結果転写体は高温化する傾向にある。記録方式
には大きく溶融転写型、昇華型に分けられるが、印刷品
位の高精細化には後者の方が有利であると言われる。し
かし、昇華型記録方式は一般に高エネルギーを必要とす
る。更に、中間調表現は高精細化に対する要求の最たる
ものであるが、集中加熱転写法や転写材のリリースの多
値化等の技術は、更に高いエネルギーを必要とする。ま
た、マルチユースにより繰り返し使用される場合、転写
体は繰り返し高温に曝され熱が蓄積されることもある。
従って、転写体には繰り返し与えられる高エネルギーに
耐えうる高い耐熱性が要求される。
【0007】また、高エネルギー(高温)で高速印刷を
行う場合、前述の耐熱性が不足するために発生するステ
ィッキング現象のみならず、転写体とヘッドとの滑り性
が充分でないことによるスティッキングが発生し、その
結果、印刷のゆがみ、ボケなどの印刷精度、印刷品位の
不良が発生することがある。この原因は転写体の基材の
表面性が深く関与していることは容易に想到できるが、
本発明者らの検討の結果、基材表面の平滑性あるいは易
滑性(粗面性)を制御するだけでは不十分であり、表面
のうねりを制御することが極めて重要であることが判っ
た。
【0008】本発明はかかる観点から鋭意検討を行った
結果到ったものであり、その目的は、耐熱性に極めて優
れ、かつ基材表面のうねりを適切に規制することによ
り、マルチユースに好適であって、更に印刷特性、加工
特性に優れた感熱記録用転写体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の感熱記録用転写体は、有機高分子体からな
る基材の片面に感熱転写層を有する感熱記録用転写体に
おいて、該基材は、少なくとも片面のカットオフ0.0
08mmでの中心線平均粗さRa1と、カットオフ0.
08mmでの中心線平均粗さRa2の比が下式を満足
し、 0.1≦Ra1/Ra2≦0.8 かつ、熱減量開始温度が300℃以上であることを特徴
とするものからなる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の基材を構成する有機高分
子体としては、本発明で規定する要件を満たすものであ
れば特に制限はない。これら基材になりうるものとして
は、たとえば芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリベン
ゾチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、フッ素樹脂等
が挙げられる。中でも高剛性であり、加工性に優れるこ
とから特に芳香族ポリアミドが好ましい。
【0011】ここで、芳香族ポリアミドとは、次の一般
式化1および/または一般式化2で表される繰り返し単
位を50モル%以上含むものが好ましく、70モル%以
上からなるものがより好ましい。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】ここで、Ar1 、Ar2 、Ar3 としては
例えば、化3に示すようなものが挙げられ、X、Yは −O−,−CH2 −,−CO−,−SO2 −,−S−,
−C(CH3 2 − 等から選ばれるが、耐熱性を向上させる観点から、−O
−が特に好ましい。
【0015】
【化3】
【0016】また、これらの芳香環上の水素原子の一部
が他の基で置換が、塩素、フッ素、臭素などのハロゲン
基(特に塩素)、ニトロ基、メチル、エチル、プロピル
などのアルキル基(特にメチル基)、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシなどのアルコキシ基な
どの置換基で置換されているものも含み、また、重合体
を構成するアミド結合中の水素が他の置換基によって置
換されているものも含む。
【0017】特性面からは上記の芳香環がパラ位で結合
されたものが、全芳香環の70%以上、好ましくは80
%以上を占める重合体が、熱減量開始温度が高く耐熱性
に優れ、また剛性に優れるため好ましい。また芳香環上
の水素原子の一部がハロゲン基(特に塩素)、ニトロ
基、で置換された芳香環が全体の30%〜90%である
と耐熱性、剛性に優れるだけでなく、耐湿性が向上し、
吸湿による感熱記録用転写体の寸法変化を抑制でき、苛
酷な環境下でも印刷品位を損なうことがないので好まし
い。
【0018】また、ここでいう芳香族ポリアミドは、一
般式化1および/または一般式化2で表される繰り替え
し単位を50モル%以上含むものであって、50モル%
未満は他の繰り返し単位が共重合、またはブレンドされ
ていても差し支えない。
【0019】本発明の感熱記録用転写体の基材は、少な
くとも片面のカットオフ0.008mmでの中心線平均
粗さRa1と、カットオフ0.08mmでの中心線平均
粗さRa2の比が下式を満足する必要がある。 0.1≦Ra1/Ra2≦0.8
【0020】Ra1/Ra2を上記範囲とすることによ
り、印刷時の転写体の移動時にヘッドとのスティッキン
グを起こすことがなく、繰り返し使用においても精度、
品位が良好な印刷が行われる。Ra1/Ra2が0.1
未満であると、スティッキングは起こさないもののヘッ
ドからの熱が転写体に均一に伝わらず印刷が不鮮明にな
るなど品位を損なうことがある。また、Ra1/Ra2
が0.8を超えるとスティッキングにより、転写体にし
わが発生し印刷がゆがむなど精度、品位を損なうことが
ある。Ra1/Ra2は、好ましくは、 0.2≦Ra1/Ra2≦0.5 である。
【0021】かかる面のRa1は、1〜700nm、好
ましくは2〜500nm、更に好ましくは3〜5400
nmであると、更に耐スティッキング性が良好となり、
また、ヘッドからのエネルギー効率が向上するので好ま
しい。
【0022】感熱転写層は上記面、あるいは上記面の反
対面いずれに設けられても良いが、本発明の効果を充分
に奏するために上記面の反対面に設けられることが好ま
しい。
【0023】上記面の反対面の表面性は、上記面と同様
でも異なっていても差し支えないが、感熱転写層を設け
る場合以下の範囲にあると、感熱転写層の均一性が保た
れ印刷品位が向上するため好ましい。
【0024】すなわち、上記面の反対面のカットオフ
0.008mmでの中心線平均粗さRa1Bと、カット
オフ0.08mmでの中心線平均粗さRa2Bの比が、
0.2≦Ra1B/Ra2B≦1、より好ましくは、
0.25≦Ra1B/Ra2B≦0.95の範囲であ
る。
【0025】また、本発明の感熱記録用転写体の基材
は、熱減量開始温度が300℃以上である必要がある。
熱減量開始温度が300℃未満であるとサーマルヘッド
による加熱等で基材の劣化、寸法変化が発生し印刷が不
鮮明になったり、ゆがんだりすることがある。特にマル
チユースの感熱記録用転写体として使用される場合にこ
の影響は大きい。基材の熱減量開始温度は、好ましくは
400℃以上、更に好ましくは450℃以上である。
【0026】本発明の感熱記録用転写体の基材は、10
0℃、10分間加熱後の片伸び量が3%以下であること
が好ましい。ここでいう片伸び量とは、基材フィルムか
ら長さ150mm,幅3mmの短冊状サンプルを10本
採り、熱風オーブン中で実質的に張力をかけずに200
℃で10分間加熱し、取り出したサンプルを平面上に密
着させ、サンプルの湾曲内側の弦と弧の距離の最大値を
試長で除したものに100を乗じた値を出し、この測定
をそれぞれのサンプルについて行って平均をとったもの
である。片伸び量が3%を超えると、サーマルヘッドか
らの熱により、転写体が部分的に伸縮、湾曲し印刷精
度、品位が損なわれることがある。片伸び量は、好まし
くは1.5%以下、更に好ましくは0.5%以下であ
る。
【0027】また、本発明の感熱記録用転写体の基材は
長手方向のヤング率が7.8GPa以上であると薄物と
しても充分な剛性を有することが出来るので加工時、あ
るいは使用時の寸法変化を抑制でき印刷品位が悪化しな
い。より好ましくは9.8GPa以上、更に好ましくは
10.8GPa以上である。
【0028】更に、本発明の感熱記録用転写体の基材は
幅方向のヤング率が7.8GPa以上であると加工時、
印刷時の折れ、しわを未然に抑えることが出来るので望
ましい。より好ましくは9.8GPa以上、更に好まし
くは10.8GPa以上である。
【0029】本発明の感熱記録用転写体の基材は、長手
方向にテンシライズまたは幅方向にテンシライズされて
も差し支えない。テンシライズの度合いは特に限定され
ないが、伸度、引き裂き抵抗力等の特性を考慮に入れる
と、長手方向のヤング率EMDと幅方向のヤング率ETD
が、 0.5≦EMD/ETD≦2.0 の範囲であるのが実用的である。
【0030】また、本発明の感熱記録用転写体の基材の
厚みは種々の様態にあわせ、0.5〜20μm、より好
ましくは1〜10μm、更に好ましくは2〜7μm、特
に好ましくは3〜6μmの範囲で用いると良い。あまり
に厚ければエネルギーの伝達が精密に行われないので印
刷品位が低下し、あまりに薄ければ応力下に変形を受け
やすくなり印刷品位が低下する。本発明の感熱記録用転
写体の基材は長手方向、あるいは、幅方向の伸度が10
%以上であるとフィルムに適度な柔軟性を与えることが
出来るので好ましい。より好ましくは20%以上、更に
好ましくは30%以上である。
【0031】本発明の感熱記録用転写体の基材はの20
0℃における幅方向の熱収縮率は、2%以下、好ましく
は1%以下、更に好ましくは0.5%以下である。感熱
記録用転写体は幅方向に張力を受けることなく使用され
るので熱収縮の影響を受けやすい。この200℃におけ
る熱収縮率が2%を超えると、感熱記録用転写体として
用いたときにサーマルヘッドによる加熱等で収縮し、し
わを生じるため製品として実用に適さなくなる。特にフ
ルカラー印刷用途においては、例えばイエロー、シア
ン、マゼンタ、黒の4色の転写層を並列して設ける構造
を採ることが多いので必然的に広幅のものになる。この
ような場合、僅かな収縮でも大きなしわや変形を生じる
ことになる。
【0032】本発明の感熱記録用転写体の基材の吸湿率
は、4%以下であると湿度変化による基材の寸法変化が
小さくなるので印刷精度、品位が向上するため好まし
い。より好ましくは3%以下、更に好ましくは2%以下
である。
【0033】本発明の感熱記録用転写体の基材は単層で
あっても、積層されてなるものであってもよい。積層の
場合、同一のポリマあるいは異種のポリマから構成され
ていても差し支えない。また、上述の特性は積層フィル
ムとしたときにも満足することが好ましい。
【0034】本発明の感熱記録用転写体の基材中には、
走行性の安定化、エネルギー伝達速度を高める等様々な
目的で好ましく粒子を含有させることができる。
【0035】このような粒子の種類としては、特に限定
されないが、例えば、SiO2 、TiO2 、Al
2 3 、CaSO4 、BaSO4 、CaCO3 、タル
ク、ゼオライトその他の金属微粉末などの無機粒子や、
カーボンブラック、シリコン粒子、ポリイミド粒子、架
橋共重合体粒子、架橋ポリエステル粒子、架橋ポリスチ
レン粒子、テフロン粒子などの有機粒子を挙げることが
できる。しかし、カーボンブラックのような白以外に着
色した粒子は、走行時にヘッドあるいは印刷面を汚染す
るおそれがあるので好ましくない。またあまりに固い粒
子は走行時にヘッドを摩耗させるおそれがあるため好ま
しくない。
【0036】また、該基材に含有される粒子の含有量は
0.01〜40重量%,好ましくは0.05〜10重量
%であると良い。
【0037】本発明は感熱記録用転写体である。適用し
うる印刷方式としては溶融熱転写型、昇華型のいずれの
方式でもよく、従って設けられる感熱転写層としても公
知の顔料系、あるいは染料系のものを必要に応じてパラ
フィン、カルナバ、エステル類等の公知のワックス類や
各種高分子体をバインダ樹脂として使用できる。また、
更に基材層と感熱転写層との間にはアクリル樹脂、ウレ
タン樹脂、ポリエステル樹脂などの層を介在させること
ができ、これらは帯電防止剤等の添加剤を含有していて
も良い。また感熱転写層の形成される面の反対面には走
行性を高める目的等でバックコート層を設けることがで
きる。このようなバックコート層としては、カルナバ、
エステル等のワックス類、熱硬化性樹脂、シリコーン樹
脂、フッ素樹脂およびこれら樹脂に界面活性剤を添加し
たもの等が挙げられる。
【0038】次に本発明の一様態として、有機高分子体
からなる基材として最も本発明の目的を好適に達成でき
るポリマ群の中から芳香族ポリアミドを例に採り説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0039】まず芳香族ポリアミドであるが、酸クロリ
ドとジアミンから得る場合には、N−メチルピロリドン
(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメ
チルホルムアミド(DMF)などの非プロトン性有機極
性溶媒中で、溶液重合したり、水系媒体を使用する界面
重合などで合成される。ポリマ溶液は、単量体として酸
クロリドとジアミンを使用すると塩化水素が副生する
が、これを中和する場合には水酸化カルシウム、炭酸カ
ルシウム、炭酸リチウムなどの無機の中和剤、またエチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド、アンモニア、
トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノー
ルアミンなどの有機の中和剤が使用される。また、イソ
シアネートとカルボン酸との反応は、非プロトン性有機
極性溶媒中、触媒の存在下で行なわれる。
【0040】これらのポリマ溶液はそのまま製膜原液と
して使用してもよく、あるいはポリマを一度単離してか
ら上記の有機溶媒や、硫酸等の無機溶剤に再溶解して製
膜原液を調製してもよい。
【0041】製膜原液には溶解助剤として無機塩例えば
塩化カルシウム、塩化マグネシム、塩化リチウム、硝酸
リチウムなどを添加する場合もある。
【0042】粒子の添加方法は、粒子を予め溶媒中に十
分スラリー化した後、重合用溶媒または希釈用溶媒とし
て使用する方法や、製膜原液を調製した後に直接添加す
る方法などがある。
【0043】ポリマの固有粘度は、0.5〜6であるこ
とが好ましく、より好ましくは1〜5、更に好ましくは
1.5〜4.5である。固有粘度が0.5より小さいと
分子量低下のため機械特性、吸湿性などのフィルム物性
が損なわれるために好ましくない。また6.0より大き
いと適切な溶液粘度を得るためにポリマ濃度を相当程度
低くしたり、キャスト温度を上げねばならず、生産性が
低下したり、フィルム物性を損なうことになる。
【0044】ポリマ濃度は、上記溶液粘度を達成できる
範囲内であれば高い方が生産性向上につながり望ましい
が、現実的なプロセスの観点から5〜35%の範囲内で
ある。
【0045】なお本発明のフィルムは、積層フィルムで
あってもよい。例えば2層の場合には、重合した芳香族
ポリアミド溶液を二分し、それぞれ異なる粒子を添加し
た後、積層する。さらに3層以上の場合も同様である。
これら積層の方法としては、周知の方法たとえば、口金
内での積層、複合管での積層や、一旦1層を形成してお
いてその上に他の層を形成する方法などがある。積層フ
ィルムの場合、それぞれの製膜原液の溶液粘度は、上記
溶液粘度の範囲内であれば異なっていてもよいがその差
が500ポイズ以下、より好ましくは300ポイズ以下
であると、口金内、複合管内での流動特性、または他の
層上への積層時の流動特性が均質になるために好まし
い。
【0046】上記のように調製された製膜原液は、いわ
ゆる溶液製膜法によりフィルム化が行なわれる。溶液製
膜法には製膜原液をエンドレスベルト、ドラム等の支持
体にキャスト後乾燥、フィルムの剥離、熱処理を行う乾
式法、製膜原液乾燥工程を経ずに直接水中に押し出し、
溶媒抽出後熱処理を行う湿式法、支持体上で乾燥、フィ
ルム剥離後湿式工程に導入する乾湿式法などがあるが、
本発明の範囲のフィルムを得るには乾湿式法、湿式法が
望ましい。以下に乾湿式法を例にとって説明する。
【0047】乾湿式法で製膜する場合はまず該原液を口
金からドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し出
して薄膜とし、乾燥によりかかる薄膜層から溶媒を一部
除去し、次いでフィルムを湿式浴に導入し、残存の溶媒
あるいは含有無機塩類を抽出し、次にテンターに導入し
乾燥、熱処理を施すことによって最終フィルムを得る。
【0048】本発明の基材フィルムを得るための方法と
しては、まず乾燥工程において50〜溶媒の沸点+20
℃の範囲で乾燥を行い、フィルム中の溶媒濃度が30〜
90重量%、好ましくは40〜70重量%まで乾燥を行
い、次いで、フィルムと同種溶媒を20〜80重量%、
好ましくは30〜70重量%含有する水系湿式浴を1〜
5分通過または浸漬させることが有効に用いられる。更
には湿式浴の溶媒濃度を湿式浴に導入される時のフィル
ムの溶媒濃度をS(重量%)とすると、湿式浴の溶媒濃
度T(重量%)が、S−20≦T≦S+10の範囲に制
御することが好適である。フィルムの乾燥後における溶
媒含有量と湿式浴組成を上記のように制御することによ
り、フィルム表面に適度なうねりを持たせることが可能
となり、Ra1/Ra2が本発明の範囲内にあるフィル
ムを効率よく得ることができる。またポリマ種によって
は湿式浴として水浴を用いて浴温度を50〜90℃にす
ることRa1/Ra2を本発明の範囲内とすることも可
能である。上記湿式浴を出たフィルムは水浴を通過、浸
漬させることにより残存の溶媒、無機塩類等が完全に抽
出される。
【0049】湿式工程を終えたフィルムを次に50〜1
00℃の温度で予熱し、その後にフィルムの両端を把持
した状態でテンターにて乾燥を行う。更に係るフィルム
の両端を把持した状態でテンターにて250℃〜450
℃の範囲で熱処理を行う。かかる熱処理時において昇温
速度と降温速度を50℃/秒以下とすることにより、フ
ィルムの熱減量開始温度を、該特性はポリマの一次構造
が主に影響するもののある程度高めることができ、また
同時に片伸び量の小さいフィルムを得ることができる。
【0050】また、機械特性、熱的特性の向上を目的と
して延伸が好適に行われる。延伸は延伸倍率として面倍
率で0.8〜4(面倍率とは延伸後のフィルム面積を延
伸前のフィルム面積で除した値であり、1未満はリラッ
クスを意味する)の範囲にあることが好ましく、より好
ましくは1〜3.5倍である。
【0051】こうして得られたフィルムを巻き取って本
発明の芳香族ポリアミドフィルムが得られる。
【0052】次いで得られた基材に感熱転写層等を形成
する。熱溶融性転写剤としては、着色剤とEVA、パラ
フィンワックス、カルナバワックス等を配合して調製す
る。着色剤としては、シアン、マゼンタ、イエロー、ブ
ラックを形成する着色剤の他に、他の着色剤を用いるこ
ともできる。
【0053】また、該転写剤の付与量は目的に応じ任意
であるが高品質の印刷を安定して行うためには、厚さ3
〜20μmが適当である。
【0054】熱昇華性転写剤としては、例えばアントラ
キノン系、アゾ系、ナフトキノン系、ポリメチレン系、
トリフェニルメタン系、フェノキサジン系、ロイコオー
ラミン系、スピロピラン系の染料(分散染料を用いるこ
とが好ましい)とポリビニルブチラール、ポリサルフォ
ン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、セル
ロース系のバインダー、その他の添加剤を溶剤に分散あ
るいは溶解して用いる。また、該転写剤の付与量として
は目的に応じ任意であるが厚さ0.5〜20μmが適当
である。
【0055】多数回印刷を可能とする手段については従
来公知の方法が使用可能であり、例えば転写剤の融点あ
るいは昇華を始める温度よりも熱軟化点が高く、かつ転
写剤との親和性が低いバインダを用いて転写層を形成し
たり、非常に凝集性が高い粒子を添加して転写層を形成
する方法を挙げることができる。
【0056】また、アンカー層は任意に形成可能であ
る。このアンカー層としては従来公知のじゅしから上記
感熱転写層と接着性がよい樹脂を選択して使用すればよ
い。
【0057】また、マット層は任意に形成可能である。
このマット層としては、耐熱性、熱離型性を有する有す
る公知の材料から選択でき、厚みとしても0.1〜3μ
m程度の薄膜であると熱感度が良好となり好ましい。
【0058】このマット層を形成する樹脂としては例え
ば、ガラス転移点が60℃以上のアクリル系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイ
ミド樹脂、シリコーン系樹脂等の合成樹脂、あるいはO
H基、あるいはCOOH基を有する熱可塑性樹脂にアミ
ノ基を2個以上有する化合物またはジ(あるいはトリ)
イソシアネートを加えた樹脂等が好適である。
【0059】またこれらの樹脂に熱離型剤や滑材として
ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等のワック
ス剤、高級脂肪酸のアミド、エステルおよび塩、高級ア
ルコールやレシチン等のリン酸エステル、テフロン、ポ
リフッ化ビニル等のフッ素系樹脂、グアナミン樹脂、シ
リカ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カ
ーボンブラック等を添加してもよい。
【0060】上記アンカー層、マット層の形成には、こ
れら構成材料を適宜溶剤に溶解または分散させ、コーテ
ィングに適した粘度に調製の上、公知のコーティング手
段を用いることによって行うことができる。
【0061】
【実施例】本発明の物性の測定方法、効果の評価方法は
次の方法による。尚、本実施例において示している下記
(1)〜(5)の特性は(6)に記す感熱転写層形成前
に測定した値であるが、本発明の基材は極めて熱、機械
特性に優れるため加工の影響を受けにくいので、一旦転
写層を形成後、転写層を剥離後の特性も同等である。
【0062】(1)表面粗さ (株)小坂研究所製の薄膜段差測定器ET−10を用い
て測定した。条件は下記の通りであり、10回の測定の
平均値をもって値とした。 上記測定により得られた中心線平均粗さを用いて、Ra
1/Ra2を計算した。
【0063】(2)熱減量開始温度 島津製作所(株)製TG−30M型を用いて、熱減量曲
線(TG曲線)およびその温度に関する微分曲線(DT
G曲線)を以下の条件にて測定し、DTG曲線が最初に
増加し始める温度を熱減量開始温度とした。 ・測定温度 :25℃〜1000℃ ・試料量 :約20mg(測定毎に正確に秤量した) ・雰囲気 :空気流(50ml/min) ・昇温速度 :20℃/min
【0064】(3)片伸び量 フィルムの長手方向に150mm,幅方向に3mmの短
冊状のサンプルを同一幅位置にて10本採取する。この
サンプルを規定温度(200℃)の熱風オーブン中で外
力がかからない状態で10分間加熱しオーブンから取り
出す。ついで透明塩ビシートにサンプルを空気がかみこ
まないように密着させ、湾曲内側の弧と弦の最大距離を
試長(150mm)で除したものに100を乗ずる。こ
の測定を採取サンプル10本について繰り返してその平
均値を片伸び量とした。
【0065】(4)ヤング率・伸度 インストロンタイプの引っ張り試験機を用いて測定し
た。試験片は10mm幅で50mm長さ、引っ張り速度
は300mm/分である。
【0066】(5)熱収縮率 フィルムに100mm間隔で標線を入れこれを3mm幅
にスリットし、測定サンプルとする。200℃の熱風オ
ーブンにサンプルを入れ、10分間加熱後オーブンから
取り出し、(加熱前の試長−加熱後の試長)を加熱前の
試長で除した値に100を乗じて熱収縮率(%)とし
た。
【0067】(6)印刷品位 基材フィルムの感熱転写層を形成しようとする面の表面
にコロナ処理を行い、次いでアクリル系樹脂からなるア
ンカー層を形成した。一方、イエロー、シアン、マゼン
タ、ブラックの4種の転写剤をバインダおよび溶剤から
なる溶液中に添加し以下の組成からなる塗料を調製し
た。 ・転写剤 :100重量部 ・塩ビ/酢ビ共重合体 :500重量部 (共重合比率88:12、固形分20%、 溶剤:メチルエチルケトン) ・アイソパーH(エッソスタンダード社製) : 13重量部 ・メチルエチルケトン :125重量部 ・トルエン : 63重量部 次にこれら組成からなる塗料を金属ドクターブレードを
用いて乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布し、1
20℃で乾燥を行い熱転写層を形成した。
【0068】次にこの方法で得た感熱記録用転写体の塗
布面(感熱転写層側)に普通紙を密着させ高密度熱ヘッ
ドを装着したプリンタでA4サイズのフルカラー印刷を
行った。印刷パターンは、10mm角の正方形格子を縦
16個×横16個作り、各格子に1色ずつ割り当て、す
なわち256色を印刷した。各格子間は幅1mmの黒色
の格子線にて区切りを入れた。
【0069】得られた印刷の印刷品位、精度を次の評価
段階で評価した。 A:色のにじみ、かすれ、格子線の乱れが全くなく、中
間色表現も極めて優れている B:色のにじみ、かすれ、格子線の乱れが極僅かに観察
されるが、優れた印刷品位、精度であり、中間色表現も
優れている C:色のにじみ、かすれ、格子線の乱れが若干みられる
が良好な印刷品位、精度であり、中間色表現も満足でき
るレベルである。 D:色のにじみ、かすれ、格子線の乱れがやや多く、中
間色表現に不鮮明な部分がある。 E:色のにじみ、かすれ、格子線の乱れが顕著で、中間
色表現が不鮮明である。 また、多数回印刷は同一の感熱記録用転写体の同一箇所
にて5回印刷を行い上記基準で評価した。
【0070】実施例1 N−メチルピロリドン(NMP)に芳香族ジアミン成分
として80モル%に相当する2−クロルパラフェニレン
ジアミンと、20モル%に相当する4,4−ジアミノジ
フェニルエ−テルとを溶解させ、これに100モル%に
相当する2−クロルテレフタル酸クロリドを添加し、2
時間撹拌して重合を完了した。これを水酸化リチウムで
中和して、ポリマ濃度10重量%、粘度3000ポイズ
の芳香族ポリアミド溶液を得た。この溶液に、一次粒径
16nm、平均凝集度10の乾式シリカをNMP中で分
散後ポリマ当たり2重量%添加した。
【0071】このポリマ溶液を5μmカットのフィルタ
−を通した後、口金から表面粗さ8nmのエンドレスベ
ルト上に流延し、150℃の熱風で2分間加熱して溶媒
を蒸発させ、ベルトから剥離して溶媒含有量52%の含
溶媒フィルムを得た。次にこの含溶媒フィルムをNMP
/水=50/50(重量比)の30℃の湿式浴に導入し
3分間浸漬後、50℃の水浴に5分間浸漬させ残存の溶
媒無機塩類を完全に抽出した。水槽から出たフィルムを
両端をクリップで把持し、テンターにて80℃で15秒
予熱を行い、20℃/秒の昇温速度で320℃まで加熱
し、320℃で20秒熱処理した。この間に縦方向に
1.2倍、横方向に1.36倍の延伸を行い、次いで幅
方向に1.5%のリラックスをかけつつ室温まで20℃
/秒で降温し、ワインダーで巻き取って5μmの芳香族
ポリアミドフィルムを得た。
【0072】このフィルムの非ベルト面側のRa1は
5.1nm、Ra2は6.5nmで、Ra1/Ra2は
0.78であった。また、ベルト面側のRa1Bは4.
7nm、Ra2Bは6nmであり、Ra1B/Ra2B
は0.78、熱減量開始温度は420℃、片伸び量は
0.2%、ヤング率は13.0GPa、熱収縮率は0.
3%であった。このフィルムのベルト面側に感熱転写層
を形成して得られた感熱記録用転写体の印刷品位、精度
はAであり、多数回印刷時の印刷品位、精度はBであっ
た。
【0073】実施例2 実施例1と同一のポリマを用い、エンドレスベルト上で
150℃、20秒の乾燥を行って得られた溶媒含有量7
0%の含溶媒フィルムをNMP/水=65/35(重量
比)の50℃の湿式浴に浸漬させる以外は、実施例1と
同様に製膜し、5μmの芳香族ポリアミドフィルムを得
た。
【0074】このフィルムの非ベルト面側のRa1は1
0.6nm、Ra2は27nmで、Ra1/Ra2は
0.39であった。また、ベルト面側のRa1Bは9.
1nm、Ra2Bは15nmであり、Ra1B/Ra2
Bは0.61、熱減量開始温度は420℃、片伸び量は
0.3%、ヤング率は14.5GPa、熱収縮率は0.
3%であった。このフィルムのベルト面側に感熱転写層
を形成して得られた感熱記録用転写体の印刷品位、精度
はAであり、多数回印刷時の印刷品位、精度はAであっ
た。
【0075】実施例3 NMPに芳香族ジアミン成分として80モル%に相当す
る2−クロルパラフェニレンジアミンと、20モル%に
相当する4,4−ジアミノジフェニルエ−テルとを溶解
させ、これに100モル%に相当する2−クロルテレフ
タル酸クロリドを添加し、2時間撹拌して重合を完了し
た。これを水酸化リチウムで中和して、ポリマ濃度10
重量%、粘度3000ポイズの芳香族ポリアミド溶液を
得た。この溶液を二分し、一方に粒径80nmの球状シ
リカをポリマに対して0.2重量%添加し(原液Iとす
る)、もう一方に粒径1.5μmの球状シリカをポリマ
に対して1.0重量%添加(原液IIとする)。
【0076】原液Iを3μmカット、原液IIを15μ
mカットのフィルターにそれぞれ通した後、複合管を用
いて最終フィルムとしてそれぞれの層が4μm、1μm
となるように積層して原液Iがベルトと接するように流
延しする以外は実施例1と同様に製膜した。
【0077】このフィルムの非ベルト面側のRa1は2
5nm、Ra2は45nmで、Ra1/Ra2は0.7
0であった。また、ベルト面側のRa1Bは3.1n
m、Ra2Bは3.4nmであり、Ra1B/Ra2B
は0.91、熱減量開始温度は420℃、片伸び量は
0.25%、ヤング率は12.5GPa、熱収縮率は
0.3%であった。このフィルムのベルト面側に感熱転
写層を形成して得られた感熱記録用転写体の印刷品位、
精度はAであり、多数回印刷時の印刷品位、精度はBで
あった。
【0078】実施例4 実施例1のポリマを用いテンターでの昇温速度、降温速
度を150℃/秒とした以外は、実施例1と同様にして
5μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た。このフィル
ムの非ベルト面側のRa1は5.6nm、Ra2は7.
5nmで、Ra1/Ra2は0.75であった。また、
ベルト面側のRa1Bは5.0nm、Ra2Bは6.1
nmであり、Ra1B/Ra2Bは0.82、熱減量開
始温度は420℃、片伸び量は3.5%、ヤング率は1
3.5GPa、熱収縮率は1.1%であった。このフィ
ルムのベルト面側に感熱転写層を形成して得られた感熱
記録用転写体の印刷品位、精度はBであり、多数回印刷
時の印刷品位、精度はCであった。
【0079】実施例5 実施例1のポリマに粒径1.5μmの球状シリカをポリ
マに対し1.0重量%添加し、実施例2と同様にして5
μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た。このフィルム
の非ベルト面側のRa1は57nm、Ra2は104n
mで、Ra1/Ra2は0.50であった。また、ベル
ト面側のRa1Bは33nm、Ra2Bは50nmであ
り、Ra1B/Ra2Bは0.66、熱減量開始温度は
420℃、片伸び量は0.3%、ヤング率は14.7G
Pa、熱収縮率は0.3%であった。このフィルムのベ
ルト面側に感熱転写層を形成して得られた感熱記録用転
写体の印刷品位、精度はAであり、多数回印刷時の印刷
品位、精度はAであった。
【0080】実施例6 実施例1と同一のポリマを用い、エンドレスベルト上で
150℃、20秒の乾燥を行って得られた溶媒含有量7
0%の含溶媒フィルムをNMP/水=90/10(重量
比)の90℃の湿式浴に浸漬させる以外は、実施例1と
同様に製膜し、5μmの芳香族ポリアミドフィルムを得
た。このフィルムの非ベルト面側のRa1は17nm、
Ra2は100nmで、Ra1/Ra2は0.17であ
った。また、ベルト面側のRa1Bは13nm、Ra2
Bは141nmであり、Ra1B/Ra2Bは0.0
9、熱減量開始温度は420℃、片伸び量は0.5%、
ヤング率は12.8GPa、熱収縮率は0.4%であっ
た。このフィルムのベルト面側に感熱転写層を形成して
得られた感熱記録用転写体の印刷品位、精度はCであ
り、多数回印刷時の印刷品位、精度はCであった。
【0081】実施例7 NMPに芳香族ジアミン成分として100モル%に相当
するパラフェニレンジアミンを溶解させ、これに100
モル%に相当する2−クロルテレフタル酸クロリドを添
加し、2時間撹拌して重合を完了した。これを水酸化リ
チウムで中和して、ポリマ濃度5重量%、粘度4000
ポイズの芳香族ポリアミド溶液を得た。この溶液に、一
次粒径16nm、平均凝集度10の乾式シリカをNMP
中で分散後ポリマ当たり2重量%添加した。このポリマ
溶液を5μmカットのフィルターを通した後、口金から
表面粗さ8nmのエンドレスベルト上に流延し、150
℃の熱風で1.5分間加熱して溶媒を蒸発させ、ベルト
から剥離して溶媒含有量75%の含溶媒フィルムを得
た。次にこの含溶媒フィルムを80℃の水浴に導入し6
分間浸漬後、テンターに導入し実施例1と同様に製膜
し、5μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た。
【0082】このフィルムの非ベルト面側のRa1は
7.4nm、Ra2は12.3nmで、Ra1/Ra2
は0.60であった。また、ベルト面側のRa1Bは
6.1nm、Ra2Bは8.6nmであり、Ra1B/
Ra2Bは0.70、熱減量開始温度は450℃、片伸
び量は0.2%、ヤング率は15.5GPa、熱収縮率
は0.1%であった。このフィルムのベルト面側に感熱
転写層を形成して得られた感熱記録用転写体の印刷品
位、精度はAであり、多数回印刷時の印刷品位、精度は
Bであった。
【0083】実施例8 NMPにNMPに対して5重量%となる塩化カルシウム
を溶解させ、次いで芳香族ジアミンとして100モル%
に相当するパラフェニレンジアミンを溶解させー10℃
の冷却する。これに100モル%に相当するテレフタル
酸クロライドを一括添加し、重合中に析出する固体は小
さく粉砕しながら2時間撹拌して重合を完了した。この
固形状の重合体を水中にて撹拌、粉砕、水洗を繰り返し
と後乾燥させてポリマ粒子を得た。濃硫酸(純度98.
5%)に、実施例1で使用したシリカ粒子をポリマに対
して2重量%添加し、先に得られたポリマ粒子をポリマ
濃度が12重量%となるように溶解した。このポリマ溶
液を5μmカットのフィルターを通した後、金メッキを
施した表面粗さ12nmのエンドレスベルト上に流延
し、90℃、80RH%の加湿空気により液晶から等方
性溶液への転化を行い、0℃の硫酸/水=50/50
(重量比)の湿式浴に導入し、3分間浸漬した。次い
で、10℃の水浴に2分、10℃の1%苛性ソーダ浴に
1分、50℃の水浴に3分通し、水槽から出たフィルム
を両端をクリップで把持し、テンターにて80℃で15
秒予熱を行い、25℃/秒の昇温速度で400℃まで加
熱し、400℃で20秒熱処理した。この間に縦方向に
1.15倍、横方向に1.30倍の延伸を行い、次いで
幅方向に1.5%のリラックスをかけつつ室温まで20
℃/秒で降温し、ワインダーで巻き取って5μmの芳香
族ポリアミドフィルムを得た。
【0084】このフィルムの非ベルト面側のRa1は
8.4nm、Ra2は34nmで、Ra1/Ra2は
0.25であった。また、ベルト面側のRa1Bは7.
5nm、Ra2Bは23nmであり、Ra1B/Ra2
Bは0.33、熱減量開始温度は470℃、片伸び量は
0.3%、ヤング率は15.5GPa、熱収縮率は0.
05%であった。このフィルムのベルト面側に感熱転写
層を形成して得られた感熱記録用転写体の印刷品位、精
度はAであり、多数回印刷時の印刷品位、精度はBであ
った。
【0085】比較例1 実施例3で得られたフィルムの非ベルト面側に感熱転写
層を形成して感熱記録用転写体とした。この感熱記録用
転写体の印刷品位、精度はBであり、多数回印刷時の印
刷品位、精度はEであった。
【0086】比較例2 実施例6で得られたフィルムの非ベルト面側に感熱転写
層を形成して感熱記録用転写体とした。この感熱記録用
転写体の印刷品位、精度はEであり、多数回印刷時の印
刷品位、精度はEであった。
【0087】比較例3 NMPに芳香族ジアミン成分として100モル%に相当
する4,4’−ジアミノジフェニルプロパンを溶解さ
せ、これに100モル%に相当する2,5−ジメチルテ
レフタル酸クロリドを添加し、2時間撹拌して重合を完
了した。これを水酸化リチウムで中和して、ポリマ濃度
16重量%、粘度3000ポイズの芳香族ポリアミド溶
液を得た。この溶液に、一次粒径16nm、平均凝集度
10の乾式シリカをNMP中で分散後ポリマ当たり2重
量%添加した。このポリマ溶液を5μmカットのフィル
タ−を通した後、口金から表面粗さ8nmのエンドレス
ベルト上に流延し、150℃の熱風で2分間加熱して溶
媒を蒸発させ、ベルトから剥離して溶媒含有量45%の
含溶媒フィルムを得た。次にこの含溶媒フィルムをNM
P/水=50/50(重量比)の30℃の湿式浴に導入
し3分間浸漬後、50℃の水浴に5分間浸漬させ残存の
溶媒無機塩類を完全に抽出した。水槽から出たフィルム
を両端をクリップで把持し、テンターにて80℃で15
秒予熱を行い、20℃/秒の昇温速度で240℃まで加
熱し、240℃で20秒熱処理した。この間に縦方向に
1.2倍、横方向に1.36倍の延伸を行い、次いで幅
方向に1.5%のリラックスをかけつつ室温まで20℃
/秒で降温し、ワインダーで巻き取って5μmの芳香族
ポリアミドフィルムを得た。
【0088】このフィルムの非ベルト面側のRa1は
6.7nm、Ra2は10.1nmで、Ra1/Ra2
は0.66であった。また、ベルト面側のRa1Bは
5.6nm、Ra2Bは7.8nmであり、Ra1B/
Ra2Bは0.72、熱減量開始温度は285℃、片伸
び量は1.0%、ヤング率は6.1GPa、熱収縮率は
2.5%であった。このフィルムのベルト面側に感熱転
写層を形成して得られた感熱記録用転写体の印刷品位、
精度はDであり、多数回印刷時の印刷品位、精度はEで
あった。
【0089】
【表1】
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の感熱記録
用転写体によれば、基材の少なくとも片面の、異なるカ
ットオフでの中心線平均粗さの比Ra1/Ra2を特定
の範囲とし、かつ、熱減量開始温度を300℃以上とし
たので、高精細な印刷特性を有し、多数回印刷時にも良
好な印刷特性を維持できる、マルチユースに好適な感熱
記録用転写体を得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機高分子体からなる基材の片面に感熱
    転写層を有する感熱記録用転写体において、該基材は、
    少なくとも片面のカットオフ0.008mmでの中心線
    平均粗さRa1と、カットオフ0.08mmでの中心線
    平均粗さRa2の比が下式を満足し、 0.1≦Ra1/Ra2≦0.8 かつ、熱減量開始温度が300℃以上であることを特徴
    とする感熱記録用転写体。
  2. 【請求項2】 基材を構成する有機高分子体が芳香族ポ
    リアミドであることを特徴とする請求項1に記載の感熱
    記録用転写体。
  3. 【請求項3】 基材を構成する有機高分子体の100
    ℃、10分間加熱後の片伸び量が3%以下であることを
    特徴とする請求項1または2に記載の感熱記録用転写
    体。
  4. 【請求項4】 前記比Ra1/Ra2が下式、 0.2≦Ra1/Ra2≦0.5 を満たすことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    に記載の感熱記録用転写体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002210820A (ja) * 2001-01-24 2002-07-31 Toray Ind Inc 芳香族ポリアミドフィルムおよびそれからなる磁気記録媒体

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