JPH09241231A - 光学活性なβ−イミノアルコール類、その製造方法、それを用いる光学活性なβ−アミノアルコール類の製造方法 - Google Patents

光学活性なβ−イミノアルコール類、その製造方法、それを用いる光学活性なβ−アミノアルコール類の製造方法

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JPH09241231A
JPH09241231A JP5177296A JP5177296A JPH09241231A JP H09241231 A JPH09241231 A JP H09241231A JP 5177296 A JP5177296 A JP 5177296A JP 5177296 A JP5177296 A JP 5177296A JP H09241231 A JPH09241231 A JP H09241231A
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lower alkyl
formula
group
imino
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JP5177296A
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Tamotsu Fujisawa
有 藤澤
Makoto Shimizu
真 清水
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な光学活性β−アミノアルコール類の製
造方法を提供する。 【解決手段】 式〔IV〕 (式中、R1,R2,R3 は、それぞれ独立に、水素原子、
低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を
表し、*は不斉炭素を表す。)で示される光学活性なβ
−アミノアルコール類を、任意な立体配置で製造する方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性なβ−イ
ミノアルコール類、その製造方法、及びそれを用いる光
学活性なβ−アミノアルコール類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】光学活
性なβ−アミノアルコール類は、例えば光学分割助剤と
して、あるいは不斉合成用触媒の配位子として重要な化
合物である。従来からβ−アミノアルコール類の製造方
法として、α−イミノケトン類を還元する方法(Ber.,2
9,295(1896))等が知られているが、この方法では得られ
る生成物はラセミ体であり、その光学活性体を得るため
には光学分割という非常に煩雑な操作を必要とするとい
う問題があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】このような状況下に本発
明者らは、より効率的な光学活性なβ−アミノアルコー
ル類の製造方法を見出すべく鋭意検討を重ねた結果、3-
位に置換シリルオキシ基を有する特定の光学活性アミノ
アルコール類とボラン類から得られる光学活性アミノア
ルコールボラン錯体並びにボラン誘導体で、対応するα
−イミノケトン類のシン体、アンチ体、又はこれらの一
方が過剰である混合物を不斉還元して、まず中間体であ
る光学活性なβ−イミノアルコール類を得、次いでその
イミノ基を還元することにより、光学純度の高い光学活
性なβ−アミノアルコール類が、煩雑な操作もなく製造
し得ることを見出すとともに、イミノ基の還元方法を、
接触還元にするか、還元剤を用いる方法にするかによっ
て、光学活性なβ−アミノアルコール類の立体配置を任
意に作り分けることができることを見出し、本発明を完
成した。
【0004】すなわち本発明は、式〔II〕 (式中、R1,R2,R3 は、それぞれ独立に、水素原子、
低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を
表し、R4 は低級アルキル基、アシル基、トリアルキル
シリル基、低級アルキル又は低級アルコキシで置換され
ていてもよいアリール基、あるいは低級アルキル又は低
級アルコキシで置換されていてもよいアラルキル基を表
し、*は不斉炭素を表す。)で示される光学活性なβ−
イミノアルコール類、その製造方法、及びそれを用いる
光学活性なβ−アミノアルコール類の製造方法を提供す
るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の光学活性なβ−イミノアルコール類は、
式〔II〕で示されるものであるが、置換基R1 、R2
3 としては、それぞれ例えば水素原子、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル等の低級アルキル基、メトキシ、
エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等の低級アルコキシ
基、クロル、ブロム、フルオル等のハロゲン原子等が挙
げられる。置換基R4 としては、低級アルキル基、アシ
ル基、トリアルキルシリル基、低級アルキル又は低級ア
ルコキシで置換されていてもよいフェニル基等のアリー
ル基、あるいは低級アルキル又は低級アルコキシで置換
されていてもよいベンジル基等のアラルキル基を表す。
かかる低級アルキル基及び低級アルコキシ基としては、
置換基R1 、R2 、R3 で挙げたものと同様のものが挙
げられ、アシル基としては、アセチル基、プロピオニル
基、ブチリル基、ベンゾイル基等が挙げられ、トリアル
キルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチ
ルシリル基、ジメチルエチルシリル基、t-ブチルジメチ
ルシリル基等が挙げられる。光学活性なβ−イミノアル
コール〔II〕の代表化合物としては、例えば、2-メトキ
シイミノ-1,2- ジフェニルエタノール、2-エトキシイミ
ノ-1,2- ジフェニルエタノール、2-プロポキシイミノ-
1,2- ジフェニルエタノール、2-ブトキシイミノ-1,2-
ジフェニルエタノール、2-フェノキシイミノ-1,2- ジフ
ェニルエタノール、2-トリルオキシイミノ-1,2- ジフェ
ニルエタノール、2-(メトキシフェノキシ)イミノ-1,2
- ジフェニルエタノール、2-ベンジルオキシイミノ-1,2
- ジフェニルエタノール、2-メシチルメチルオキシイミ
ノ-1,2- ジフェニルエタノール、2-フェノキシイミノ-
1,2- ビス(メチルフェニル)エタノール、2-フェノキ
シイミノ-1,2- ビス(ジメチルフェニル)エタノール、
2-メシチルメチルオキオシイミノ-1,2- ビス(メトキシ
フェニル)エタノール、2-メシチルオキシイミノ-1,2-
ジメシチルエタノール、2-クロロフェノキシイミノ-1,2
- ジフェニルエタノール、2-フェノキシイミノ-1,2- ビ
ス(クロロフェニル)エタノール、2-クロロフェノキシ
イミノ-1,2- ビス(クロロフェニル)エタノール、2-フ
ェニルメトキシイミノ-1,2- ジフェニルエタノール、2-
アセチルオキシイミノ-1,2- ジフェニルエタノール、2-
ベンゾイルオキシイミノ-1,2- ジフェニルエタノール、
2-トリメチルシリルオキシイミノ-1,2- ジフェニルエタ
ノール、2-t-ブチルジメチルシリルオキシイミノ-1,2-
ジフェニルエタノール、2-メトキシイミノ-1,2- ビス
(メチルフェニル)エタノール、2-メトキシイミノ-1,2
- ビス(メトキシフェニル)エタノール、2-ベンジルオ
キシイミノ-1,2- ビス(メトキシフェニル)エタノー
ル、2-ベンジルオキシイミノ-1,2- ビス(ジメチルフェ
ニル)エタノール、2-メトキシイミノ-1,2- ビス(ジク
ロロフェニル)エタノール等の光学活性体が挙げられ
る。
【0006】本発明における光学活性なβ−イミノアル
コール〔II〕は、式〔I〕 (式中、R1,R2,R3 及びR4 は前記と同じ意味を表
す。)で示されるα−イミノケトン類のシン体、アンチ
体、又はこれらの一方が過剰である混合物を式〔III〕 (式中、R5,R6,R7 は、それぞれ独立に、水素原子、
低級アルキル基、低級アルキルで置換されていてもよい
フェニル基又は低級アルキルで置換されていてもよいベ
ンジル基を表すが、同時にすべて水素原子であることは
ない。R8,R9 は、それぞれ独立に、水素原子、低級ア
ルキル基又は低級アルコキシ基を表し、*は不斉炭素を
表す。)で示される光学活性アミノアルコール類とボラ
ン類から得られる光学活性アミノアルコールボラン錯体
並びにボラン誘導体で不斉還元することにより製造され
る。被還元物であるα−イミノケトン類〔I〕は、還元
生成物であるβ−イミノアルコール〔II〕に対応するも
のであり、その代表化合物としては、例えば、2-メトキ
シイミノ-1,2- ジフェニルエタノン、2-エトキシイミノ
-1,2- ジフェニルエタノン、2-プロポキシイミノ-1,2-
ジフェニルエタノン、2-ブトキシイミノ-1,2- ジフェニ
ルエタノン、2-フェノキシイミノ-1,2- ジフェニルエタ
ノン、2-トリルオキシイミノ-1,2- ジフェニルエタノ
ン、2-(メトキシフェノキシ)イミノ-1,2- ジフェニル
エタノン、2-ベンジルオキシイミノ-1,2- ジフェニルエ
タノン、2-メシチルメチルオキシイミノ-1,2- ジフェニ
ルエタノン、2-フェノキシイミノ-1,2- ビス(メチルフ
ェニル)エタノン、2-フェノキシイミノ-1,2- ビス(ジ
メチルフェニル)エタノン、2-メシチルメチルオキオシ
イミノ-1,2- ビス(メトキシフェニル)エタノン、2-メ
シチルオキシイミノ-1,2- ジメシチルエタノン、2-クロ
ロフェノキシイミノ-1,2- ジフェニルエタノン、2-フェ
ノキシイミノ-1,2-ビス(クロロフェニル)エタノン、2
-クロロフェノキシイミノ-1,2- ビス(クロロフェニ
ル)エタノン、2-フェニルメトキシイミノ-1,2- ジフェ
ニルエタノン、2-アセチルオキシイミノ-1,2- ジフェニ
ルエタノン、2-ベンゾイルオキシイミノ-1,2- ジフェニ
ルエタノン、2-トリメチルシリルオキシイミノ-1,2- ジ
フェニルエタノン、2-トリエチルシリルオキシイミノ-
1,2- ジフェニルエタノン、2-t-ブチルジメチルシリル
オキシイミノ-1,2- ジフェニルエタノン、2-メトキシイ
ミノ-1,2- ビス(メチルフェニル)エタノン、2-メトキ
シイミノ-1,2- ビス(メトキシフェニル)エタノン、2-
ベンジルオキシイミノ-1,2- ビス(メトキシフェニル)
エタノン、2-ベンジルオキシイミノ-1,2- ビス(ジメチ
ルフェニル)エタノン、2-メトキシイミノ-1,2- ビス
(ジクロロフェニル)エタノン等が挙げられる。かかる
α−イミノケトン類〔I〕は、公知の方法で、例えばピ
リジン等の塩基性溶媒中、対応するベンジル類とヒドロ
キシアミンエーテル類の塩酸塩等を反応させることによ
り製造し得る。ここでベンジル類は、例えばTetrahedro
n Asymm., ,3(1995). の方法に準拠して製造し得る。
又、それらの方法により、α−イミノケトン類〔I〕は
通常シン体及びアンチ体の混合物として得られるが、そ
の両者は必要に応じ、再結晶や各種クロマトグラフィー
等の手段により各々単離することができる。
【0007】本発明においては、α−イミノケトン類
〔I〕のシン体、アンチ体、又はこれらの一方が過剰で
ある混合物を不斉還元するにあたり、光学活性アミノア
ルコール類〔III〕から得られる光学活性アミノアルコ
ールボラン錯体が用いられる。かかる光学活性アミノア
ルコール類〔III〕における置換基R5 、R6 、R7
しては、それぞれ例えば水素原子、メチル、エチル、プ
ロピル、ブチル等の低級アルキル基、メチル、エチル、
プロピル、ブチル等の低級アルキルで置換されていても
よいフェニル基、メチル、エチル、プロピル、ブチル等
の低級アルキルで置換されていてもよいベンジル基等が
挙げられ、同時にすべて水素原子であることはない。置
換基R8 、R9 としては、それぞれ例えば水素原子、メ
チル、エチル、プロピル、ブチル等の低級アルキル基、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等の低級ア
ルコキシ基等が挙げられる。又、光学活性アミノアルコ
ール類〔III〕の代表化合物としては、例えば光学活性
な2-アミノ-3- トリメチルシロキシ-1,1- ジフェニルブ
タノ−ル、2-アミノ-3-(t- ブチルジメチルシロキシ)-
1,1-ジフェニルブタノ−ル、2-アミノ-3-(t- ブチルジ
エチルシロキシ)-1,1-ジフェニルブタノ−ル、2-アミノ
-3-(t- ブチルジ- i- プロピルシロキシ)-1,1-ジフェ
ニルブタノ−ル、2-アミノ-3-(t- ブチルジフェニルシ
ロキシ)-1,1-ジフェニルブタノ−ル、2-アミノ-3- トリ
メチルシロキシ-1,1- ジトリルブタノ−ル、2-アミノ-3
-(t- ブチルジメチルシロキシ)-1,1- ビス(メトキシ
フェニル) ブタノ−ル等が挙げられる。
【0008】これらの光学活性アミノアルコール類〔II
I〕は、光学活性トレオニンを出発原料として容易に製
造することができる。例えば、光学活性トレオニンにベ
ンジルオキシカルボニルハライドを作用させて、アミノ
基を保護した後、ジアゾメタンを作用させてカルボン酸
をエステル化し、次いでt-ブチルシリルハライド類を作
用させてヒドロキシ基にt-ブチルシリル基を導入し、次
いでフェニルマグネシウムハライドを作用させてエステ
ル基をジフェニル化し、しかる後にアミノ基の脱保護す
ることにより、良好な収率で光学活性アミノアルコール
類〔III〕を製造することができる。
【0009】また本発明における光学活性アミノアルコ
ールボラン錯体を得るために用いられるボラン類として
は、例えばジボラン、テトラボラン、ヘキサボラン、テ
トラヒドロフランボラン錯体、ジメチルスルフィドボラ
ン錯体、ジオキサンボラン錯体、チオキサンボラン錯体
等が挙げられる。該ボラン類は、光学活性アミノアルコ
ール類〔III〕に対しては、α−イミノケトン類〔I〕
に対する光学活性アミノアルコール類〔III〕の使用量
にもよるが、ホウ素換算で通常0.8 〜10モル倍程度、好
ましくは1 〜5 モル倍程度である。
【0010】光学活性アミノアルコール類〔III〕とボ
ラン類から光学活性アミノアルコールボラン錯体を得る
にあたっては、通常、溶媒が用いられる。かかる溶媒と
しては,例えばテトラヒドロフラン、1,3-ジオキサン、
1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、チオキサン、エチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル、メチル-t- ブチルエーテル等のエ
ーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベン
ゼン等の芳香族類、1,2-メトキシエタン、ヘキサン、ヘ
プタン、シクロヘキサン等の炭化水素類、メチレンクロ
リド、エチレンクロリド、四塩化炭素等のハロゲン化炭
化水素類、これらの混合物などが挙げられる。溶媒は、
光学活性アミノアルコール類〔III〕に対して、通常0.5
〜20重量倍程度使用される。光学活性アミノアルコー
ルボラン錯体を得る際の具体的な方法としては、例え
ば、溶媒及び光学活性アミノアルコール類〔III〕の混
合物にボラン類を加える方法等を挙げることができる。
この際、反応温度は通常-20 〜100 ℃、好ましくは0 〜
80℃である。かくして得られる光学活性アミノアルコー
ルボラン錯体は、単離して用いることもできるが、通常
はそのまま用いられる。
【0011】かかる光学活性アミノアルコールボラン錯
体を用いてα−イミノケトン類〔I〕を不斉還元するに
あたり、光学活性アミノアルコールボラン錯体は、α−
イミノケトン類〔I〕に対し、光学活性アミノアルコー
ル類〔III〕換算で、通常0.01〜3 モル程度、好ましく
は0.05〜2 モル程度使用される。
【0012】又、本発明において光学活性アミノアルコ
ールボラン錯体と共に用いられるボラン誘導体として
は、トリメチルアミンボラン錯体、トリエチルアミンボ
ラン錯体、トリプロピルアミンボラン錯体、トリブチル
アミンボラン錯体等のトリアルキルアミンボラン錯体、
カテコールボラン錯体等を挙げることができる。該ボラ
ン誘導体は、α−イミノケトン類〔I〕に対して、ホウ
素換算で通常0.5 〜5 モル倍程度、好ましくは0.8 〜3
モル倍程度使用される。該ボラン誘導体は、あらかじめ
調整したものを用いることもできるが、例えば、ボラン
トリエチルアミン錯体を用いる場合では、被還元物のα
−イミノケトン類〔I〕、光学活性アミノアルコールボ
ラン錯体及びトリエチルアミンの混合物に、ボラン類を
加える等の方法により、α−イミノケトン類〔I〕の不
斉還元反応の系内で、該不斉還元反応の進行と同時に調
整することもできる。ここで使用されるボラン類として
は、例えば、前記の光学活性アミノアルコールボラン錯
体を得る際に例示したものと同様のものを挙げることが
できる。
【0013】α−イミノケトン類〔I〕を不斉還元して
β−イミノアルコール〔II〕を得るにあたっては、ルイ
ス酸の存在下に実施することもできる。ここで用いられ
るルイス酸としては特に限定されないが、例えば、塩化
アルミニウム、臭化アルミニウム、トリフェノキシアル
ミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、メチルジ
フェノキシアルミニウム等のアルミニウム化合物、塩化
亜鉛、臭化亜鉛等の亜鉛化合物、塩化チタン、臭化チタ
ン等のチタン化合物、塩化ホウ素、臭化ホウ素、フッ化
ホウ素等のホウ素化合物、トリメチルシリルクロライ
ド、t-ブチルジメチルシリルクロライド等のケイ素化合
物等を挙げることができる。ルイス酸を用いる場合のそ
の使用量は、α−イミノケトン類〔I〕に対して、通常
0.1 〜3 モル程度、好ましくは、0.5 〜2 モル程度であ
る。
【0014】本発明におけるα−イミノケトン類〔I〕
を不斉還元する具体的な方法としては、例えば、光学活
性アミノアルコールボラン錯体、ボラン誘導体及び溶媒
の混合物にα−イミノケトン類〔I〕又はこれと溶媒と
の混合物を加える方法、α−イミノケトン類〔I〕又は
これと溶媒との混合物に光学活性アミノアルコールボラ
ン錯体とボラン誘導体との混合物、又はそれらと溶媒と
の混合物を加える方法、光学活性アミノアルコール類
〔III〕、ボラン誘導体及び溶媒との混合物に、α−イ
ミノケトン類〔I〕又はこれと溶媒との混合物と、ボラ
ン類とを同時に加える方法等を挙げることができる。
又、前記したように、ボラン誘導体の調整を不斉還元反
応と同時に進行させる場合においては、例えば、ボラン
誘導体としてトリアルキルアミンボラン錯体を用いる場
合においては、α−イミノケトン類〔I〕又はこれと溶
媒との混合物に、トリアルキルアミンを加え、次いで光
学活性アミノアルコールボラン錯体とボラン誘導体の各
々の原料となるボラン類とを同時に加える方法等をとる
ことができる。かかる不斉還元反応時に用いる溶媒とし
ては、光学活性アミノアルコールボラン錯体を得る工程
で示したものと同様の溶媒が挙げられる。溶媒を使用す
る場合、その量はα−イミノケトン類〔I〕に対して通
常0.5 〜30重量倍程度である。不斉還元反応の温度は、
通常-20 〜100 ℃、好ましくは0〜80℃である。又、該
不斉還元反応は、通常、アルゴン、窒素等の不活性気体
の存在下に実施される。
【0015】かくして光学活性なβ−イミノアルコール
類〔II〕が生成するが、これを単離するにあたって
は、例えば、反応マスに塩酸等の鉱酸やリン酸緩衝液な
どの水溶液を加えて光学活性アミノアルコールボラン錯
体を分解した後、水に難溶の有機溶媒を加えて粗生成物
を抽出し、次いで分液した有機相から溶媒を留去するこ
とにより、容易に単離することができる。単離した光学
活性なβ−イミノアルコール類〔II〕は、必要に応じ
て再結晶や各種クロマトグラフィー等の精製手段に付す
ことにより更に精製することもできる。又、反応に供し
た光学活性アミノアルコール類〔III〕は、前記の方法
等により光学活性なβ−イミノアルコール類〔II〕を
単離した後の反応マスから分離、回収し、再利用するこ
とができる。本発明において得られる光学活性なβ−イ
ミノアルコール類〔II〕は、出発原料として用いたα
−イミノケトン類〔I〕に対応するものであり、代表化
合物としては、例えば、2-ヒドロキシイミノ-1,2- ジフ
ェニルエタノール、2-ヒドロキシイミノ-1,2- ビス(メ
チルフェニル) エタノール、2-ヒドロキシイミノ-1,2-
ビス(ジメチルフェニル) エタノール、2-ヒドロキシイ
ミノ-1,2- ビス(メトキシフェニル) エタノール、2-ヒ
ドロキシイミノ-1,2- ジメシチルエタノール、2-ヒドロ
キシイミノ-1,2- ビス(クロロフェニル) エタノール等
のメチルオキシムエーテル、エチルオキシムエーテル、
プロピルオキシムエーテル、ブチルオキシムエーテル、
フェニルオキシムエーテル、トリルオキシムエーテル、
メトキシフェニルオキシムエーテル、ベンジルオキシム
エーテル、メシチルオキシムエーテル、メシチルメチル
オキシムエーテル、クロロフェニルオキシムエーテル、
ブロモフェニルオキシムエーテル、アセチルオキシムエ
ーテル、ベンゾイルオキシムエーテル、トリメチルシリ
ルオキシムエーテル、トリエチルシリルオキシムエーテ
ル等の光学活性体が挙げられる。
【0016】次に、かかる光学活性なβ−イミノアルコ
ール類〔II〕を還元して、式[IV] (式中、R1,R2,R3 及び*は前記と同じ意味を表
す。)で示される光学活性なβ−アミノアルコール類
〔IV〕を製造する方法について説明する。かかる還元反
応は、接触還元法及び還元剤を用いる方法のいずれによ
っても実施することができるが、いずれの方法を行うか
により、光学活性なβ−アミノアルコール類〔IV〕の立
体配置を任意に作り分けることができる。例えば、目的
とする光学活性なβ−アミノアルコール類〔IV〕が、エ
リスロ体である場合は接触還元法が、スレオ体である場
合は還元剤を用いる方法が各々実施される。かかる接触
還元法においては、例えば、パラジウム炭素、ラネーニ
ッケル等の触媒が用いられ、その使用量は、光学活性な
β−イミノアルコール類〔II〕に対して、0.01〜1 モ
ル程度、好ましくは0.01〜0.5 モル程度であり、通常-2
0 〜80℃、好ましくは、-5〜60℃の温度下で実施され
る。好ましくはパラジウム炭素が用いられる。また還元
剤を用いる方法においては、例えば、リチウムアルミニ
ウムハイドライド、ナトリウムアルミニウムハイドライ
ド等の還元剤が、光学活性なβ−イミノアルコール類
〔II〕に対して、0.1 〜10モル程度、好ましくは1 〜
8 モル程度用いられ、通常-10 〜100 ℃、好ましくは、
-5〜80℃の温度下で実施される。好ましくはリチウムア
ルミニウムハイドライドが用いられる。これらの還元反
応では溶媒を用いてもよく、かかる溶媒としては、前記
の光学活性アミノアルコールボラン錯体を得る工程で示
したもの及びエタノール等のアルコール類等を挙げるこ
とができる。又、反応は通常、アルゴン、窒素等不活性
気体の雰囲気下や発生する水素の雰囲気下で、常圧〜10
kgf/cm2 の圧力下に実施される。
【0017】かくして光学活性なβ−アミノアルコール
類〔IV〕が生成するが、これを単離するにあたっては、
必要に応じてリン酸緩衝液等で触媒を分解した後、濾過
等の方法により触媒由来成分を除去し、更に必要に応じ
て水に難溶の有機溶媒を加えて粗生成物を抽出し、その
後抽出や反応で用いた溶媒を留去することにより、容易
に単離し得る。単離した光学活性なβ−アミノアルコー
ル類〔IV〕は、再結晶や各種クロマトグラフィー等の精
製手段に付すことにより、更に精製することもできる。
本発明において得られる光学活性なβ−アミノアルコー
ル類〔IV〕は、用いたβ−イミノアルコール類〔II〕
に対応するものであり、代表化合物としては、例えば、
2-アミノ-1,2- ジフェニルエタノール、2-アミノ-1,2-
ビス(メチルフェニル) エタノール、2-アミノ-1,2- ビ
ス(ジメチルフェニル) エタノール、2-アミノ-1,2- ビ
ス(メトキシフェニル) エタノール、2-アミノ-1,2- ジ
メシチルエタノール、2-アミノ-1,2- ビス(クロロフェ
ニル) エタノール等の光学活性体を挙げることができ
る。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、3-位に置換シリルオキ
シ基を有する特定の光学活性アミノアルコール類とボラ
ン類から得られる光学活性アミノアルコールボラン錯体
並びにボラン誘導体で、対応するα−イミノケトン類の
シン体、アンチ体、又はこれらの一方が過剰である混合
物を不斉還元して、まず中間体であるβ−イミノアルコ
ール類を得、次いでそのイミノ基を還元することによ
り、光学純度の高い光学活性なβ−アミノアルコール類
が、煩雑な操作もなく製造し得、更にそのイミノ基の還
元方法を、接触還元にするか、還元剤を用いる方法にす
るかによって、光学活性なβ−アミノアルコール類の立
体配置を任意に作り分けることができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
でないことは言うまでもない。
【0020】実施例1 30mlフラスコに、室温、アルゴン雰囲気下、(2S,3R)-2-
アミノ-3-(t-ブチルジメチルシロキシ)-1,1-ジフェニル
ブタノール476.7mg(1.5mmol)の1,2-ジメトキシエタン溶
液 2mlを加え、次いで、テトラヒドロフランボラン錯体
3mmol のテトラヒドロフラン溶液3ml を加えて2 時間攪
拌し、光学活性アミノアルコールボラン錯体を調製し
た。100ml フラスコに、室温、アルゴン雰囲気下、syn
体1%以下、anti体99% 以上の2-ベンジルオキシイミノ-
1,2- ジフェニルエタノン410mg(1.3mmol)の1,2-ジメト
キシエタン溶液7ml 及びトリエチルアミン131.3mg(1.3m
mol)を加えた後、先に調製した光学活性アミノアルコー
ルボラン錯体を50分かけて滴下した。次いで、テトラヒ
ドロフランボラン錯体1.4mmol のテトラヒドロフラン溶
液1.4ml を2 回に分けて加え、1 時間攪拌した後、リン
酸緩衝液10mlを加えた。次いで酢酸エチル50mlで抽出、
分液した。得られた抽出層を無水硫酸ナトリウムで乾燥
させ、減圧濃縮して油状物を得た。これをフラッシュク
ロマトグラフィー( 溶出溶媒 ヘキサン/酢酸エチル=
10/1)で精製することにより、(S)-2-ベンジルオキシイ
ミノ-1,2- ジフェニルエタノール242.2mg を得た(収率
59%)。 [α]23 D −30°(c 0.64,CHCl3)1 H-NMR(270MHz,CDCl3) δ 3.66(d,J=7.91Hz,1H), 5.17(d,J=12.2Hz,1H), 5.22
(d,J=12.2Hz,1H),6.16(d,J=7.91Hz,1H), 7.22-7.39(m,1
3H), 7.51-7.55(m,2H) 又、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィ
−での分析により、光学純度は86%ee 以上であった。
【0021】実施例2 30mlフラスコに、室温、アルゴン雰囲気下、5%パラジウ
ム炭素14.4mgを加え、次いで光学純度90%ee の(S)-2-ベ
ンジルオキシイミノ-1,2- ジフェニルエタノール41.7mg
のエタノール溶液3ml を加えた後、室温、常圧水素雰囲
気下に21時間攪拌し、その後40℃に昇温して同温下に22
時間攪拌した。これをセライトを用いて濾過し、得られ
た濾液を減圧濃縮した後、シリカゲル薄層クロマトグラ
フィー(溶出溶媒 メタノール/酢酸エチル=1 /20)
で精製することにより、光学活性な2-アミノ-1,2- ジフ
ェニルエタノール22.5mgを得た(収率 81%)。1 H-NMR(270MHz,CDCl3) δ 2.40(brs,1H), 3.98(d,J=6.52Hz,0.47H), 4.15(d,J=
6.27Hz,0.53H),4.64(d,J=6.52Hz,0.47H), 4.74(d,J=6.2
7Hz,0.53H), 7.14-7.29(m,10H)1 H-NMRにより、ジアステレオマー比はthreo 体/erythr
o 体=6/94 であることが分かった。このものをMTPA化し
た後、高速液体クロマトグラフィ−で分析したところ、
光学純度はthreo 体 60%ee、erythro 体 90%eeであっ
た。
【0022】実施例3 30mlフラスコに、リチウムアルミニウムハイドライド 3
8.1mg(1mmol)及び1,2-ジメトキシエタン1ml の混合液を
加え、ここへ0℃アルゴン雰囲気下で光学純度90%ee の
(S)-2-ベンジルオキシイミノ-1,2- ジフェニルエタノー
ル49.8mgの1,2-ジメトキシエタン溶液2ml を30分間かけ
て滴下した。これを室温まで昇温し、同温下に3 時間攪
拌した後、更に70℃に昇温して同温下に1 時間攪拌し
た。次いでリン酸緩衝液2ml を加え、セライトを用いて
濾過した後、得られた濾液を1 規定の水酸化ナトリウム
水溶液でpHを10〜11に調製した。これをクロロホルム25
mlで抽出、分液し、得られた抽出層を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥させた後、減圧濃縮して油状物を得た。実施例
2に準じて精製したところ、光学活性な2-アミノ-1,2-
ジフェニルエタノール20.2mgが得られた(収率59%)。ジ
アステレオマー比はthreo 体/erythro 体=92/8 、光学
純度はthreo 体 96%ee、erythro 体 90%eeであった。
【0023】実施例4 実施例1において、トリエチルアミンを加えず、2回に
分けて加えたテトラヒドロフランボラン錯体1.4mmol の
テトラヒドロフラン溶液1.4ml をカテコールボラン291m
g(6.6mmol)に代える以外は実施例1に準じて実施したと
ころ、(S)-2-ベンジルオキシイミノ-1,2- ジフェニルエ
タノール270.9mg を得た(収率 66%)。光学純度は、90
%ee であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07M 7:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式〔II〕 (式中、R1,R2,R3 は、それぞれ独立に、水素原子、
    低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を
    表し、R4 は、低級アルキル基、アシル基、トリアルキ
    ルシリル基、低級アルキル又は低級アルコキシで置換さ
    れていてもよいアリール基、あるいは低級アルキル又は
    低級アルコキシで置換されていてもよいアラルキル基を
    表し、*は不斉炭素を表す。)で示される光学活性なβ
    −イミノアルコール類。
  2. 【請求項2】式〔I〕 (式中、R1,R2,R3 及びR4 は前記と同じ意味を表
    す。)で示されるα−イミノケトン類のシン体、アンチ
    体、又はこれらの一方が過剰である混合物を、式〔II
    I〕 (式中、R5,R6,R7 は、それぞれ独立に、水素原子、
    低級アルキル基、低級アルキルで置換されていてもよい
    フェニル基又は低級アルキルで置換されていてもよいベ
    ンジル基を表すが、同時にすべて水素原子であることは
    ない。R8,R9 は、それぞれ独立に、水素原子、低級ア
    ルキル基又は低級アルコキシ基を表し、*は不斉炭素を
    表す。)で示される光学活性アミノアルコール類とボラ
    ン類から得られる光学活性アミノアルコールボラン錯体
    並びにボラン誘導体で不斉還元することを特徴とする請
    求項1に記載の光学活性なβ−イミノアルコール類の製
    造方法。
  3. 【請求項3】ボラン誘導体が、トリアルキルアミンボラ
    ン錯体又はカテコールボラン錯体である請求項2に記載
    の光学活性なβ−イミノアルコール類の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の光学活性なβ−イミノア
    ルコール類を還元することを特徴とする式〔IV〕 (式中、R1,R2,R3 及び*は前記と同じ意味を表
    す。)で示される光学活性なβ−アミノアルコール類の
    製造方法。
  5. 【請求項5】接触還元法により還元することを特徴とす
    る請求項4に記載の光学活性なβ−アミノアルコール類
    のエリスロ体の製造方法。
  6. 【請求項6】還元剤を用いて還元することを特徴とする
    請求項4に記載の光学活性なβ−アミノアルコール類の
    スレオ体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001106664A (ja) * 1999-07-30 2001-04-17 Nippon Soda Co Ltd 光学活性イミノアルコール類及びアミノアルコール類の製造法
WO2002070714A1 (en) * 2001-03-02 2002-09-12 Daiichi Fine Chemical Co., Ltd. Aminoketone asymmetric reductase and nucleic acid thereof

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