JPH0925512A - 耐硝酸性に優れた低炭素オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法 - Google Patents
耐硝酸性に優れた低炭素オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法Info
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- JPH0925512A JPH0925512A JP17101295A JP17101295A JPH0925512A JP H0925512 A JPH0925512 A JP H0925512A JP 17101295 A JP17101295 A JP 17101295A JP 17101295 A JP17101295 A JP 17101295A JP H0925512 A JPH0925512 A JP H0925512A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 使用済み核燃料の再処理設備のような高濃度
硝酸溶液中において、優れた耐粒界腐食性を示す低炭素
オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法を得る。 【構成】 重量%で、C:0.02%以下、Si:0.35%以
下、P:0.02%以下、Ni:10〜20%、Cr:16〜25
%、B:10〜50ppm を含有するオーステナイト系ステン
レス鋼、及びC:0.02%以下、Si:0.35%以下、P:
0.02%以下、Ni:13〜20%、Cr:16〜25%、Mo:
1〜3 %、B:10〜50ppm を含有するオーステナイト系
ステンレス鋼を、固溶化熱処理後、 550℃から 750℃の
温度域で10分以上2時間以下の熱処理を施すことを特徴
とする硝酸溶液中における耐粒界腐食性に優れた低炭素
オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法。
硝酸溶液中において、優れた耐粒界腐食性を示す低炭素
オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法を得る。 【構成】 重量%で、C:0.02%以下、Si:0.35%以
下、P:0.02%以下、Ni:10〜20%、Cr:16〜25
%、B:10〜50ppm を含有するオーステナイト系ステン
レス鋼、及びC:0.02%以下、Si:0.35%以下、P:
0.02%以下、Ni:13〜20%、Cr:16〜25%、Mo:
1〜3 %、B:10〜50ppm を含有するオーステナイト系
ステンレス鋼を、固溶化熱処理後、 550℃から 750℃の
温度域で10分以上2時間以下の熱処理を施すことを特徴
とする硝酸溶液中における耐粒界腐食性に優れた低炭素
オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用済核燃料の再
処理設備のような高濃度硝酸溶液中において、優れた耐
粒界腐食性を示す低炭素オーステナイト系ステンレス鋼
の製造方法に関するものである。
処理設備のような高濃度硝酸溶液中において、優れた耐
粒界腐食性を示す低炭素オーステナイト系ステンレス鋼
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】核燃料再処理設備では、高濃度の硝酸を
用いて使用済み核燃料を溶解、分離処理を行うことか
ら、構造材料としては、硝酸溶液中で問題となる粒界腐
食の発生を防止するために、鋼中C量を0.03%以下
に低減したSUS304L鋼(18Cr−8Ni系)や
SUS316L鋼(17Cr−12Ni−2Mo系)の
ような低炭素オーステナイト系ステンレス鋼が使用され
る。
用いて使用済み核燃料を溶解、分離処理を行うことか
ら、構造材料としては、硝酸溶液中で問題となる粒界腐
食の発生を防止するために、鋼中C量を0.03%以下
に低減したSUS304L鋼(18Cr−8Ni系)や
SUS316L鋼(17Cr−12Ni−2Mo系)の
ような低炭素オーステナイト系ステンレス鋼が使用され
る。
【0003】このような低炭素オーステナイト系ステン
レス鋼を使用する場合も、粒界腐食が発生することが報
告されている。これは、鋼中に微量含まれているBによ
るためであり、硝酸環境に用いるステンレス鋼中のB量
は、10ppm 以下にする必要があることが報告されてい
る( Stainless Steel. '87.P234(1988))。
レス鋼を使用する場合も、粒界腐食が発生することが報
告されている。これは、鋼中に微量含まれているBによ
るためであり、硝酸環境に用いるステンレス鋼中のB量
は、10ppm 以下にする必要があることが報告されてい
る( Stainless Steel. '87.P234(1988))。
【0004】しかしながら、近年、溶解原料としてスク
ラップを極力多く使用することによって低コストを図っ
ており、鋼中B量を10ppm 以下にすることは、スクラ
ップの厳選あるいはその使用量を低減する必要があり、
製造コストの上昇を招く等の不利な点がある。
ラップを極力多く使用することによって低コストを図っ
ており、鋼中B量を10ppm 以下にすることは、スクラ
ップの厳選あるいはその使用量を低減する必要があり、
製造コストの上昇を招く等の不利な点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、Bを上
記濃度のごとく極低減せずとも、Bの悪影響を消失させ
る処理方法を検討した。本発明は、硝酸溶液中における
Bに起因する低炭素オーステナイト系ステンレス鋼の粒
界腐食の発生を防止し、核燃料再処理設備の構造用材料
として長期間使用できるステンレス鋼の製造方法を提供
することを目的とするものである。
記濃度のごとく極低減せずとも、Bの悪影響を消失させ
る処理方法を検討した。本発明は、硝酸溶液中における
Bに起因する低炭素オーステナイト系ステンレス鋼の粒
界腐食の発生を防止し、核燃料再処理設備の構造用材料
として長期間使用できるステンレス鋼の製造方法を提供
することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために多くの実験を試みた結果、10ppm
以上のBを含むステンレス鋼においても、固溶化熱処理
後、さらに550℃から750℃の温度域で熱処理を施
すことによって、硝酸溶液中における粒界腐食の発生を
防止し得ることを見いだしたものである。本発明の要旨
は次のとおりである。
的を達成するために多くの実験を試みた結果、10ppm
以上のBを含むステンレス鋼においても、固溶化熱処理
後、さらに550℃から750℃の温度域で熱処理を施
すことによって、硝酸溶液中における粒界腐食の発生を
防止し得ることを見いだしたものである。本発明の要旨
は次のとおりである。
【0007】(1)重量%で、C:0.02%以下、S
i:0.35%以下、Mn:2.0%以下、P:0.0
2%以下、S:0.03%以下、Ni:10〜20%、
Cr:16〜25%、B:10ppm 〜50ppm 、を含有
して残部が実質的に鉄であるオーステナイト系ステンレ
ス鋼を950℃から1200℃の温度で固溶化熱処理を
施した後に、さらに550℃から750℃の温度域で1
0分以上、2時間以下の熱処理を行うことを特徴とする
耐硝酸性に優れた低炭素オーステナイト系ステンレス鋼
の製造方法。
i:0.35%以下、Mn:2.0%以下、P:0.0
2%以下、S:0.03%以下、Ni:10〜20%、
Cr:16〜25%、B:10ppm 〜50ppm 、を含有
して残部が実質的に鉄であるオーステナイト系ステンレ
ス鋼を950℃から1200℃の温度で固溶化熱処理を
施した後に、さらに550℃から750℃の温度域で1
0分以上、2時間以下の熱処理を行うことを特徴とする
耐硝酸性に優れた低炭素オーステナイト系ステンレス鋼
の製造方法。
【0008】(2)重量%で、C:0.02%以下、S
i:0.35%以下、Mn:2.0%以下、P:0.0
2%以下、S:0.03%以下、Ni:13〜20%、
Cr:16〜25%、Mo:1〜3%、B:10ppm 〜
50ppm 、を含有して残部が実質的に鉄であるオーステ
ナイト系ステンレス鋼を950℃から1200℃の温度
で固溶化熱処理を施した後に、さらに550℃から75
0℃の温度域で10分以上、2時間以下の熱処理を行う
ことを特徴とする耐硝酸性に優れた低炭素オーステナイ
ト系ステンレス鋼の製造方法。
i:0.35%以下、Mn:2.0%以下、P:0.0
2%以下、S:0.03%以下、Ni:13〜20%、
Cr:16〜25%、Mo:1〜3%、B:10ppm 〜
50ppm 、を含有して残部が実質的に鉄であるオーステ
ナイト系ステンレス鋼を950℃から1200℃の温度
で固溶化熱処理を施した後に、さらに550℃から75
0℃の温度域で10分以上、2時間以下の熱処理を行う
ことを特徴とする耐硝酸性に優れた低炭素オーステナイ
ト系ステンレス鋼の製造方法。
【0009】以下に請求項に従って、それぞれの成分元
素および熱処理の作用及び限定理由について説明する。 C: Cは溶接熱影響部あるいは、固溶化熱処理後の冷
却速度が遅い場合に、粒界に(Cr,Fe)23C6 とし
て析出し、Cr欠乏層を形成することにより本鋼の耐粒
界腐食性を劣化させるので、含有量は0.02%以下と
する。
素および熱処理の作用及び限定理由について説明する。 C: Cは溶接熱影響部あるいは、固溶化熱処理後の冷
却速度が遅い場合に、粒界に(Cr,Fe)23C6 とし
て析出し、Cr欠乏層を形成することにより本鋼の耐粒
界腐食性を劣化させるので、含有量は0.02%以下と
する。
【0010】Si: 通常オーステナイト系ステンレス
鋼は、Siを脱酸剤として2次精錬を行うため、Siを
0.5〜0.6%程度含有しているが、Siは、硝酸溶
液中における粒界腐食の発生原因となるため、その含有
量は0.35%以下とする。 Mn: Mnは、2.0%を超える場合には熱間加工性
を劣化させるので、その含有量は2.0%以下とする。
鋼は、Siを脱酸剤として2次精錬を行うため、Siを
0.5〜0.6%程度含有しているが、Siは、硝酸溶
液中における粒界腐食の発生原因となるため、その含有
量は0.35%以下とする。 Mn: Mnは、2.0%を超える場合には熱間加工性
を劣化させるので、その含有量は2.0%以下とする。
【0011】P: Pは溶接熱影響部のように500℃
から700℃の温度域で加熱を受けた場合に、粒界にN
i−P化物として析出し、硝酸溶液中におけるステンレ
ス鋼の耐粒界腐食性を劣化させる元素であるので、その
含有量は0.02%以下とする。 S: Sは、硫化物を形成し、孔食等の耐食性を劣化さ
せる元素であるので、その含有量は0.03%以下とす
る。
から700℃の温度域で加熱を受けた場合に、粒界にN
i−P化物として析出し、硝酸溶液中におけるステンレ
ス鋼の耐粒界腐食性を劣化させる元素であるので、その
含有量は0.02%以下とする。 S: Sは、硫化物を形成し、孔食等の耐食性を劣化さ
せる元素であるので、その含有量は0.03%以下とす
る。
【0012】Ni: Niはオーステナイト安定化元素
であり、オーステナイト組織を安定にするために、少な
くとも10%以上の含有量が必要となる。しかしなが
ら、20%を超える場合には、Ni−P化物の粒界析出
を促進し、本鋼の耐粒界腐食性を著しく劣化させるの
で、その含有量は20%以下とする。
であり、オーステナイト組織を安定にするために、少な
くとも10%以上の含有量が必要となる。しかしなが
ら、20%を超える場合には、Ni−P化物の粒界析出
を促進し、本鋼の耐粒界腐食性を著しく劣化させるの
で、その含有量は20%以下とする。
【0013】Cr: Crは、硝酸溶液中におけるステ
ンレス鋼の耐食性確保に必要不可欠な元素であり、その
含有量は少なくとも16%以上が必要となる。しかしな
がら、25%を超えるとδフェライトを形成すると共
に、溶接熱影響部でσ相等の金属間化合物の粒界析出を
生じ、材料の脆化を引き起こすことから、その含有量の
上限は25%とする。
ンレス鋼の耐食性確保に必要不可欠な元素であり、その
含有量は少なくとも16%以上が必要となる。しかしな
がら、25%を超えるとδフェライトを形成すると共
に、溶接熱影響部でσ相等の金属間化合物の粒界析出を
生じ、材料の脆化を引き起こすことから、その含有量の
上限は25%とする。
【0014】B: Bは、粒界にCr2 Bとして析出す
ることによって、硝酸溶液中におけるステンレス鋼の耐
粒界腐食性を劣化させるものと考えられており、その含
有量は10ppm 以下のごとく低減する必要があると考え
られている。しかしながら、本発明においては、このB
の悪影響を改熱処理によって消失させることが可能であ
ることから、B含有量を10ppm 以下に低減する必要は
ない。ただし、B量が50ppm を超えると固溶化熱処理
後に改熱処理を施しても、優れた耐粒界腐食性を得るこ
とができないため、その上限を50ppm とする。
ることによって、硝酸溶液中におけるステンレス鋼の耐
粒界腐食性を劣化させるものと考えられており、その含
有量は10ppm 以下のごとく低減する必要があると考え
られている。しかしながら、本発明においては、このB
の悪影響を改熱処理によって消失させることが可能であ
ることから、B含有量を10ppm 以下に低減する必要は
ない。ただし、B量が50ppm を超えると固溶化熱処理
後に改熱処理を施しても、優れた耐粒界腐食性を得るこ
とができないため、その上限を50ppm とする。
【0015】続いて上記成分濃度に調整されたオーステ
ナイト系ステンレス鋼を950℃から1200℃の間で
熱処理を行うが、これは組織の均一化を目的に行うもの
である。950℃未満の温度域では、再結晶が生じない
ため組織の均一化が図れず、また1200℃を超える温
度域では、結晶粒径の著しい粗大化を生じ、強度・靭性
とも劣化することから、上記温度範囲で熱処理を実施す
るものである。
ナイト系ステンレス鋼を950℃から1200℃の間で
熱処理を行うが、これは組織の均一化を目的に行うもの
である。950℃未満の温度域では、再結晶が生じない
ため組織の均一化が図れず、また1200℃を超える温
度域では、結晶粒径の著しい粗大化を生じ、強度・靭性
とも劣化することから、上記温度範囲で熱処理を実施す
るものである。
【0016】また熱処理後の冷却は、Cr炭化物および
Ni−P化物の粒界析出を防止するために、水冷するこ
とが望ましい。また本発明では、固溶化熱処理時間につ
いて特に規定していないが、これは、固溶化熱処理前の
加工条件によって再結晶に要する時間が変化することに
よるものである。しかしながら、多くの場合5分から3
0分の熱処理時間で十分であることが多い。
Ni−P化物の粒界析出を防止するために、水冷するこ
とが望ましい。また本発明では、固溶化熱処理時間につ
いて特に規定していないが、これは、固溶化熱処理前の
加工条件によって再結晶に要する時間が変化することに
よるものである。しかしながら、多くの場合5分から3
0分の熱処理時間で十分であることが多い。
【0017】さらに本発明では、Bの悪影響を消失させ
る熱処理として、550℃から750℃の温度域で10
分以上、2時間以下の熱処理を行う。かかる温度範囲で
の熱処理によってBの悪影響が消失する機構は不明であ
るが、粒界でのほう化物の組成あるいは形態が変化する
ことによって耐粒界腐食性を改善するものと考えてい
る。
る熱処理として、550℃から750℃の温度域で10
分以上、2時間以下の熱処理を行う。かかる温度範囲で
の熱処理によってBの悪影響が消失する機構は不明であ
るが、粒界でのほう化物の組成あるいは形態が変化する
ことによって耐粒界腐食性を改善するものと考えてい
る。
【0018】従って、熱処理時間が10分未満では十分
な改熱処理の効果を発揮することができず、また2時間
を超える長時間の熱処理時間では、低C・低P化を施し
ても、粒界にNi−P化物あるいはCr炭化物が析出
し、本鋼の耐粒界腐食性を劣化させることから、熱処理
時間の上限は2時間とする。
な改熱処理の効果を発揮することができず、また2時間
を超える長時間の熱処理時間では、低C・低P化を施し
ても、粒界にNi−P化物あるいはCr炭化物が析出
し、本鋼の耐粒界腐食性を劣化させることから、熱処理
時間の上限は2時間とする。
【0019】次に請求項2に従って説明する。請求項2
は上記成分に加えてさらにMoを添加することによっ
て、耐隙間腐食性および耐孔食性を向上させたオーステ
ナイト系ステンレス鋼に関するもので、NiおよびMo
以外の元素の含有量およびその限定理由については、請
求項1の場合と全く同様である。
は上記成分に加えてさらにMoを添加することによっ
て、耐隙間腐食性および耐孔食性を向上させたオーステ
ナイト系ステンレス鋼に関するもので、NiおよびMo
以外の元素の含有量およびその限定理由については、請
求項1の場合と全く同様である。
【0020】Ni: Niについては、その含有量を1
3%以上20%以下と、請求項1よりも高いNiの下限
値を規定するが、これは、Mo含有ステンレス鋼の粒界
腐食の発生原因であるLaves相の粒界析出を、Ni
が遅延させる効果を有していることによる。すなわち、
Ni含有量が13%未満では、溶接熱影響部等でのLa
ves相の粒界析出を抑制することができず、耐粒界腐
食性が劣化することによる。
3%以上20%以下と、請求項1よりも高いNiの下限
値を規定するが、これは、Mo含有ステンレス鋼の粒界
腐食の発生原因であるLaves相の粒界析出を、Ni
が遅延させる効果を有していることによる。すなわち、
Ni含有量が13%未満では、溶接熱影響部等でのLa
ves相の粒界析出を抑制することができず、耐粒界腐
食性が劣化することによる。
【0021】従って、Laves相の抑制効果の観点か
らは、Ni含有量は高い方が望ましいが、20%を超え
るNi含有量では、請求項1の場合と同じく、Ni−P
化物の粒界析出を促進し、耐粒界腐食性を劣化させるの
で、Ni含有量の上限は20%とする。
らは、Ni含有量は高い方が望ましいが、20%を超え
るNi含有量では、請求項1の場合と同じく、Ni−P
化物の粒界析出を促進し、耐粒界腐食性を劣化させるの
で、Ni含有量の上限は20%とする。
【0022】Mo: Moは、ステンレス鋼の耐孔食
性、耐隙間腐食性を改善するのに有効な元素であるが、
十分な効果を発揮させるには少なくとも1%以上の含有
量が必要となる。しかしながら、MoはLaves相の
析出を促進させる元素であり、3%を超える含有量では
本鋼の耐粒界腐食性を極めて劣化させるので、その含有
量の上限は3%とする。
性、耐隙間腐食性を改善するのに有効な元素であるが、
十分な効果を発揮させるには少なくとも1%以上の含有
量が必要となる。しかしながら、MoはLaves相の
析出を促進させる元素であり、3%を超える含有量では
本鋼の耐粒界腐食性を極めて劣化させるので、その含有
量の上限は3%とする。
【0023】次に、上記成分濃度に調整したオーステナ
イト系ステンレス鋼を、950℃から1200℃の温度
で固溶化熱処理を施した後に、さらに550℃から75
0℃の温度で10分以上2時間以下の熱処理を施すが、
かかる熱処理の目的および限定理由は請求項1の場合と
全く同様である。
イト系ステンレス鋼を、950℃から1200℃の温度
で固溶化熱処理を施した後に、さらに550℃から75
0℃の温度で10分以上2時間以下の熱処理を施すが、
かかる熱処理の目的および限定理由は請求項1の場合と
全く同様である。
【0024】
【実施例】表1および表2にそれぞれ、請求項1および
2に従って成分濃度を調整した本発明鋼と比較鋼の化学
成分と、熱処理条件および沸騰65%硝酸試験法(JI
S法:JIS G0573 )によって硝酸溶液中における耐食性
を平均の腐食速度で評価した結果を示すが、本発明に従
って鋼中成分濃度を調整すると共に、固溶化熱処理およ
び改熱処理を施すことによって、B量を低減せずとも、
優れた耐硝酸性を示すことが分かる。
2に従って成分濃度を調整した本発明鋼と比較鋼の化学
成分と、熱処理条件および沸騰65%硝酸試験法(JI
S法:JIS G0573 )によって硝酸溶液中における耐食性
を平均の腐食速度で評価した結果を示すが、本発明に従
って鋼中成分濃度を調整すると共に、固溶化熱処理およ
び改熱処理を施すことによって、B量を低減せずとも、
優れた耐硝酸性を示すことが分かる。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】鋼中B量を10ppm 以下のごとく低減せ
ずとも、本発明に従って鋼中成分濃度を規定し、改熱処
理を施したオーステナイト系ステンレス鋼は、硝酸溶液
中においても優れた耐粒界腐食性を示し、核燃料再処理
設備のような高濃度硝酸溶液中における構造用材料とし
て長期間に亘って使用することができる。
ずとも、本発明に従って鋼中成分濃度を規定し、改熱処
理を施したオーステナイト系ステンレス鋼は、硝酸溶液
中においても優れた耐粒界腐食性を示し、核燃料再処理
設備のような高濃度硝酸溶液中における構造用材料とし
て長期間に亘って使用することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で、 C :0.02%以下、 Si:0.35%以下、 Mn:2.0%以下、 P :0.02%以下、 S :0.03%以下、 Ni:10〜20%、 Cr:16〜25%、 B :10ppm 〜50ppm を含有して残部が実質的に鉄であるオーステナイト系ス
テンレス鋼を950℃から1200℃の温度で固溶化熱
処理を施した後に、さらに550℃から750℃の温度
域で10分以上、2時間以下の熱処理を行うことを特徴
とする耐硝酸性に優れた低炭素オーステナイト系ステン
レス鋼の製造方法。 - 【請求項2】 重量%で、 C :0.02%以下、 Si:0.35%以下、 Mn:2.0%以下、 P :0.02%以下、 S :0.03%以下、 Ni:13〜20%、 Cr:16〜25%、 Mo:1〜3%、 B :10ppm 〜50ppm を含有して残部が実質的に鉄であるオーステナイト系ス
テンレス鋼を950℃から1200℃の温度で固溶化熱
処理を施した後に、さらに550℃から750℃の温度
域で10分以上、2時間以下の熱処理を行うことを特徴
とする耐硝酸性に優れた低炭素オーステナイト系ステン
レス鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17101295A JPH0925512A (ja) | 1995-07-06 | 1995-07-06 | 耐硝酸性に優れた低炭素オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17101295A JPH0925512A (ja) | 1995-07-06 | 1995-07-06 | 耐硝酸性に優れた低炭素オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0925512A true JPH0925512A (ja) | 1997-01-28 |
Family
ID=15915467
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17101295A Withdrawn JPH0925512A (ja) | 1995-07-06 | 1995-07-06 | 耐硝酸性に優れた低炭素オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0925512A (ja) |
-
1995
- 1995-07-06 JP JP17101295A patent/JPH0925512A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20021001 |