JPH09263575A - メルカプト化合物、メルカプト化合物の製造方法、テトラオール化合物およびテトラオール化合物の製造方法 - Google Patents

メルカプト化合物、メルカプト化合物の製造方法、テトラオール化合物およびテトラオール化合物の製造方法

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JPH09263575A
JPH09263575A JP8103173A JP10317396A JPH09263575A JP H09263575 A JPH09263575 A JP H09263575A JP 8103173 A JP8103173 A JP 8103173A JP 10317396 A JP10317396 A JP 10317396A JP H09263575 A JPH09263575 A JP H09263575A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硫黄原子の含有率が高く、しかも多官能性で
臭気が少ないメルカプト化合物を提供する。 【解決手段】 メルカプト化合物は、下記の式(1)で
示されるメルカプト化合物である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、メルカプト化合
物、メルカプト化合物の製造方法、テトラオール化合物
およびテトラオール化合物の製造方法、特に、新規なメ
ルカプト化合物およびその製造方法、当該メルカプト化
合物を製造するための中間体としての新規なテトラオー
ル化合物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】有機光学材料の分野では、樹
脂の高屈折率化を図ることを目的として、樹脂原料のモ
ノマー分子内に原子屈折が高い硫黄原子の含有率を高め
ることが試みられている(例えば、特開平2−2708
59号、特開平5−208950号参照)。ここで、硫
黄原子の含有率を高めるためには、一般にメルカプト化
合物が用いられている。メルカプト化合物としては、例
えばメタンチオール、エタンチオールおよびエタンジチ
オールなどの低分子量メルカプト化合物が広く知られて
いる。ところが、このような低分子量メルカプト化合物
は、メルカプト基に基づく特有の臭気があり、また、樹
脂を硬化させるために用いる他の樹脂原料との組成比の
関係で使用量が制限されることが多い。このため、低分
子量メルカプト化合物は、作業者に不快感を与える等の
点で取扱いが容易ではなく、また、樹脂中の硫黄原子の
含有率を理想的に高めるのが困難である。
【0003】このため、低分子量メルカプト化合物に代
えて、トリメチロールプロパントリス−(チオグリコレ
ート)やペンタエリスリトールテトラキス−(チオグリ
コレート)などの、エポキシ樹脂硬化剤として用いられ
ている分子量が大きな多官能性のメルカプト化合物の利
用が考えられる。しかし、この種のメルカプト化合物
は、分子量が大きいために臭気が少なく取扱い性が良好
であるものの、分子内の硫黄原子含有率が小さいため
に、樹脂中の硫黄原子の含有率を理想的に高めるのは困
難である。
【0004】従って、メルカプト化合物としては、硫黄
原子の含有率が高く、しかも多官能性で分子量が大きい
(臭気が少ない)ものが望まれることになるが、このよ
うなメルカプト化合物は現在提供されるに至っていな
い。
【0005】本発明の目的は、硫黄原子の含有率が高
く、しかも多官能性で臭気が少ないメルカプト化合物を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な状況に鑑み鋭意検討した結果、硫黄原子の含有率が高
く、しかも多官能性で臭気が少ないメルカプト化合物を
見い出し、本発明に至った。
【0007】すなわち、本発明に係るメルカプト化合物
は、下記の式(1)で示されるメルカプト化合物であ
る。
【0008】
【化11】
【0009】この式(1)で示されるメルカプト化合物
の製造方法は、ビス−(2−メルカプトエチル)サルフ
ァイトとペンタエリスリチルテトラハライドとを塩基の
存在下で反応させる工程を含んでいる。ここで、ペンタ
エリスリチルテトラハライドは、例えば、ペンタエリス
リチルテトラブロミドである。
【0010】式(1)で示されるメルカプト化合物の他
の製造方法は、ビス−(2−メルカプトエチル)サルフ
ァイトと下記の一般式(2)で示されるペンタエリスリ
トールスルホン酸エステルとを塩基の存在下で反応させ
る工程を含んでいる。
【0011】
【化12】
【0012】なお、一般式(2)中、Rは、炭素数が1
〜4のアルキル基、フェニル基、クロロフェニル基、ニ
トロフェニル基またはトリル基である。
【0013】式(1)で示されるメルカプト化合物のさ
らに他の製造方法は、下記の式(3)で示されるメルカ
プト化合物とペンタエリスリチルテトラハライドとを塩
基および触媒の存在下で反応させて下記の式(4)で示
されるテトラオール化合物を得る工程と、得られたテト
ラオール化合物を鉱酸の存在下でチオ尿素と反応させ、
当該テトラオール化合物とチオ尿素との反応生成物を得
る工程と、この反応生成物を塩基を用いてアルカリ性に
することにより加水分解する工程とを含んでいる。
【0014】
【化13】
【0015】
【化14】
【0016】なお、この製造方法において、ペンタエリ
スリチルテトラハライドは、例えば、ペンタエリスリチ
ルテトラブロミドである。また、触媒は、例えば、4級
アンモニウム塩または4級ホスホニウム塩である。
【0017】本発明に係るテトラオール化合物は、通
常、上述の式(1)で示されるメルカプト化合物を製造
するための中間体として用いられるものであり、下記の
式(4)で示される。
【0018】
【化15】
【0019】このテトラオール化合物の製造方法は、下
記の式(3)で示されるメルカプト化合物とペンタエリ
スリチルテトラハライドとを塩基および触媒の存在下で
反応させる工程を含んでいる。
【0020】
【化16】
【0021】
【発明の実施の形態】本発明に係るメルカプト化合物
は、下記の式(1)で示されるものである。
【0022】
【化17】
【0023】このメルカプト化合物は、硫黄原子の含有
率が高いので、例えば、有機光学材料として用いられる
樹脂中の硫黄原子含有率を高めるために有用である。具
体的には、このメルカプト化合物は、有機光学材料用の
樹脂を製造するためのモノマーとして使用されると、目
的とする樹脂中の硫黄原子含有率を高めることができ、
この結果、当該樹脂の高屈折率化を容易に図ることがで
きる。このような目的で用いられる本発明のメルカプト
化合物は、分子量が比較的大きく、メルカプト基に基づ
く特有の臭気が少ないので、取扱い性が良好である。
【0024】なお、本発明のメルカプト化合物は、上述
の有機光学材料に対して用いられる他に、従来から知ら
れたメルカプト化合物に代えて、加硫剤、架橋剤、エポ
キシ樹脂硬化剤、重合調整剤および酸化防止剤などの広
範囲な分野に対して用いることも可能である。
【0025】次に、上述のメルカプト化合物の製造方法
について説明する。ここでは、上述のメルカプト化合物
の製造方法として、3種類の製造方法を説明する。
【0026】(第1の製造方法)第1の製造方法では、
ビス−(2−メルカプトエチル)サルファイト(以下、
DMDSと略す)とペンタエリスリチルテトラハライド
とを原料として用い、両者を塩基の存在下で反応させ
る。
【0027】ここで用いられるペンタエリスリチルテト
ラハライドとしては、ペンタエリスリチルテトラブロミ
ド、ペンタエリスリチルテトラクロライド、ペンタエリ
スリチルテトラヨーダイドなどの各種ハライドを用いる
ことができるが、反応性および経済性の点でペンタエリ
スリチルテトラブロミドを用いるのが好ましい。
【0028】また、この反応で用いられる塩基は、無機
系および有機系のいずれの塩基であってもよい。無機系
の塩基としては、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カ
リウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウムや
炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩が挙げられる。
一方、有機系の塩基としては、例えば、ナトリウムメチ
ラートやナトリウムエチラートなどのアルカリ金属アル
コラート、トリエチルアミンやトリブチルアミンなどの
脂肪族アミンが挙げられる。なお、このような各種塩基
のうち、反応性および経済性の点で水酸化ナトリウムを
用いるのが最も好ましい。
【0029】上述のDMDSと上述のペンタエリスリチ
ルテトラハライドとを反応させる場合には、両者を混合
し、加熱下で上述の塩基を添加しながら撹拌して反応さ
せる。このときの反応温度は、通常、30〜120℃に
設定するのが好ましく、70〜120℃に設定するのが
より好ましい。反応温度が30℃未満の場合は、反応速
度が遅くなり過ぎ、本製造方法の実用性が乏しくなる。
逆に、反応温度が120℃を超えると、副反応が発生し
やすくなり、目的とするメルカプト化合物の収率が低下
するおそれがある。
【0030】なお、この反応は、常圧、すなわち大気圧
で実施してもよいし、加圧下で実施してもよい。加圧下
で反応させる場合、圧力範囲は大気圧〜15気圧(ゲー
ジ圧)に設定するのが好ましく、大気圧〜10気圧(ゲ
ージ圧)に設定するのがより好ましい。圧力が15気圧
を超えると、使用できる反応器が限定されるため好まし
くない。
【0031】このようにDMDSとペンタエリスリチル
テトラハライドとを反応させる際には、反応溶媒を用い
てもよい。反応溶媒としては、例えば、ベンゼン、トル
エン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、メタノー
ル、エタノール、プロピルアルコールなどの低級アルコ
ール溶媒を用いることができる。また、反応原料である
DMDSを反応溶媒として用いることもできる。なお、
反応溶媒としては、トルエンまたはDMDSを用いるの
が好ましいが、特に、経済性の点で原料であるDMDS
を用いるのが好ましい。
【0032】DMDSとペンタエリスリチルテトラハラ
イドとの使用割合は、ペンタエリスリチルテトラハライ
ドに対してDMDSを4倍モル以上に設定するのが好ま
しく、4〜50倍モルに設定するのがより好ましい。D
MDSの使用割合が4倍モル未満の場合は、反応の選択
性が低下し、目的とするメルカプト化合物の収率が低下
するおそれがある。逆に、DMDSの使用割合が50倍
モルを超える場合は、使用量に比例してメルカプト化合
物の収率が増加しにくくなり、経済的でない。
【0033】塩基の使用量は、通常、ペンタエリスリチ
ルテトラハライドの4〜6倍モルに設定するのが好まし
い。この使用量が4倍モル未満の場合は、目的とするメ
ルカプト化合物の収率が低下するおそれがある。逆に、
6倍モルを超えると、副反応が発生し易くなる。
【0034】反応の際には、反応を促進するために触媒
を添加することができる。使用可能な触媒としては、例
えば、テトラエチルアンモニウムブロミド,テトラ−n
−プロピルアンモニウムブロミド,テトラ−n−ブチル
アンモニウムブロミド,テトラ−n−ペンチルアンモニ
ウムブロミド,テトラ−n−ヘキシルアンモニウムブロ
ミド,テトラ−n−ヘプチルアンモニウムブロミド,テ
トラ−n−オクチルアンモニウムブロミド,テトラ−n
−デシルアンモニウムブロミド,テトラ−n−アミルア
ンモニウムブロミド.トリオクチルメチルアンモニウム
クロリドなどの4級アンモニウム塩、テトラエチルホス
ホニウムブロミド,テトラ−n−プロピルホスホニウム
ブロミド,テトラ−n−ブチルホスホニウムブロミド,
テトラ−n−ペンチルホスホニウムブロミド,テトラ−
n−ヘキシルホスホニウムブロミド,テトラ−n−ヘプ
チルホスホニウムブロミド,テトラ−n−オクチルホス
ホニウムブロミド,テトラフェニルホスホニウムブロミ
ドなどの4級ホスホニウム塩を挙げることができる。こ
のうち、経済性の点で、テトラ−n−ブチルアンモニウ
ムブロミドを用いるのが好ましい。なお、このような触
媒の使用量は、通常、ペンタエリスリチルテトラハライ
ドの0.01〜1.0倍モルに設定するのが好ましい。
【0035】反応の完結に要する時間は、反応条件、す
なわち反応温度や圧力などにより異なるが、概ね0.5
〜24時間である。なお、反応の進行状況は、高速液体
クロマトグラフィーを用いて容易に確認することができ
る。
【0036】目的とするメルカプト化合物は、反応液を
分液した後に水洗し、これを濃縮すると得られる。
【0037】(第2の製造方法)第2の製造方法では、
第1の製造方法で用いたペンタエリスリチルテトラハラ
イドに代えてペンタエリスリトールスルホン酸エステル
を用い、第1の製造方法と同様の反応を行うと目的とす
るメルカプト化合物を得ることができる。
【0038】この製造方法で用いられるペンタエリスリ
トールスルホン酸エステルは、下記の一般式(2)で示
されるものである。
【0039】
【化18】
【0040】なお、一般式(2)中、Rは、メチル基,
エチル基,n−プロピル基,n−ブチル基などの炭素数
が1〜4のアルキル基、フェニル基、クロロフェニル
基、ニトロフェニル基またはトリル基である。
【0041】このような一般式(2)で示されるペンタ
エリスリトールスルホン酸エステルとしては、例えば、
ペンタエリスリトールテトラキス(メタンスルホネー
ト)、ペンタエリスリトールテトラキス(エタンスルホ
ネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(プロパン
スルホネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(ベ
ンゼンスルホネート)、ペンタエリスリトールテトラキ
ス(クロロベンゼンスルホネート)、ペンタエリスリト
ールテトラキス(ニトロベンゼンスルホネート)、ペン
タエリスリトールテトラキス(トルエンスルホネート)
などを挙げることができる。このうち、取扱いが容易な
点および経済性の点で、ペンタエリスリトールテトラキ
ス(ベンゼンスルホネート)およびペンタエリスリトー
ルテトラキス(トルエンスルホネート)が好ましく用い
られる。
【0042】(第3の製造方法)第3の製造方法では、
下記の式(4)で示されるテトラオール化合物を中間体
として製造し、このテトラオール化合物から目的とする
メルカプト化合物を製造する。以下、この製造方法を工
程順に説明する。
【0043】
【化19】
【0044】先ず、下記の式(3)で示されるメルカプ
ト化合物とペンタエリスリチルテトラハライドとを反応
原料として用い、上記式(4)で示されるテトラオール
化合物を製造する。
【0045】
【化20】
【0046】式(3)で示されるメルカプト化合物は、
2−メルカプトエタノールとエチレンスルフィドとか
ら、またはエチレンオキシドとエタンジチオールとから
合成することができる。一方、ペンタエリスリチルテト
ラハライドとしては、第1の製造方法で用いたものと同
様のものを用いることができるが、反応性および経済性
の点でペンタエリスリチルテトラブロミドを用いるのが
好ましい。
【0047】式(4)で示されるテトラオール化合物を
製造する際には、式(3)で示されるメルカプト化合物
とペンタエリスリチルテトラハライドとを塩基および触
媒の存在下で反応させる。ここで利用可能な塩基は、第
1の製造方法で用いたものと同様の無機系または有機系
の塩基(特に、脂肪族アミン類)であるが、特に、反応
性および経済性の点で水酸化ナトリウムが好ましい。一
方、ここで利用可能な触媒は、第1の製造方法で用いた
ものと同様の4級アンモニウム塩または4級スルホニウ
ム塩であるが、経済性の点でテトラ−n−ブチルアンモ
ニウムブロミドまたはテトラ−n−ブチルホスホニウム
ブロミドを用いるのが好ましい。
【0048】式(3)で示されるメルカプト化合物とペ
ンタエリスリチルテトラハライドとを反応させる際に
は、両者を混合し、これにベンゼン,トルエン,キシレ
ンなどの芳香族炭化水素溶媒、またはメタノール,エタ
ノール,プロピルアルコールなどの低級アルコール溶媒
を加え、さらに触媒および塩基を添加して撹拌する。反
応温度は、20〜120℃に設定するのが好ましく、5
0〜100℃に設定するのがより好ましい。反応温度が
20℃未満の場合は、反応速度が遅くなり過ぎ、本製造
方法の実用性が乏しくなる。逆に、反応温度が120℃
を超えると、副反応が発生しやすくなり、この工程で製
造しようとするテトラオール化合物の収率が低下するお
それがある。
【0049】式(3)で示されるメルカプト化合物とペ
ンタエリスリチルテトラハライドとの使用割合は、式
(3)で示されるメルカプト化合物をペンタエリスリチ
ルテトラハライドの4倍モル以上に設定するのが好まし
く、4〜6倍モルに設定するのがより好ましい。式
(3)で示されるメルカプト化合物の使用量が4倍モル
未満の場合は、テトラオール化合物の収率が低下するお
それがある。逆に、6倍モルを超えると、使用量に比例
してテトラオール化合物の収率が増加しにくくなり、経
済的でない。
【0050】また、塩基の使用量は、式(3)で示され
るメルカプト化合物に対し0.8〜1.2倍モルに設定
するのが好ましい。さらに好ましくは等モルである。塩
基の使用量がこの範囲以外の場合は、テトラオール化合
物の収率が低下するおそれがある。さらに、触媒の使用
量は、ペンタエリスリチルテトラハライドの0.01〜
1.0倍モルに設定するのが好ましい。触媒の使用量が
0.01倍モル未満の場合、反応速度が遅くなる。逆
に、1.0倍モルを超える場合は、使用量に比例してテ
トラオール化合物の収率が増加しにくくなり、経済的で
ない。
【0051】反応の完結に要する時間は、反応条件、す
なわち反応温度などにより異なるが、概ね0.5〜24
時間である。なお、反応の進行状況は、高速液体クロマ
トグラフィーを用いて容易に確認することができる。
【0052】この工程で目的とするテトラオール化合物
は、反応液を室温まで冷却して結晶物を濾過した後に分
液して水洗し、さらにこれを濃縮すると得られる。
【0053】次に、得られたテトラオール化合物を鉱酸
の存在下でチオ尿素と反応させ、テトラオール化合物と
チオ尿素との反応生成物を得る。ここで用いられる鉱酸
としては、例えば、塩酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水
素酸、リン酸などが挙げられるが、目的とするメルカプ
ト化合物の着色を抑制することができる点で塩酸が好ま
しい。
【0054】テトラオール化合物と反応させるチオ尿素
の使用量は、テトラオール化合物の4倍モル以上に設定
するのが好ましく、4〜12倍モルに設定するのがより
好ましい。チオ尿素の使用量が4倍モル未満の場合は、
目的とするメルカプト化合物の収率が低下するおそれが
ある。逆に、12倍モルを超えると、使用量に比例して
メルカプト化合物の収率が増加しにくくなり、経済的で
ない。また、鉱酸の使用量は、テトラオール化合物の4
〜16倍モルに設定するのが好ましい。鉱酸の使用量が
4倍モル未満の場合は、目的とするメルカプト化合物の
収率が低下するおそれがある。逆に、16倍モルを超え
ると、使用量に比例してメルカプト化合物の収率が増加
しにくくなり、経済的でない。
【0055】なお、ここでの反応温度は、通常、室温〜
還流温度の範囲に設定するのが好ましい。
【0056】次に、得られた反応生成物を塩基によりア
ルカリ性にして加水分解することによりメルカプト化す
る。これにより、目的とするメルカプト化合物が得られ
る。
【0057】この工程で用いられる塩基は、例えば、水
酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ金属水
酸化物、アンモニア、トリエチルアミンやヒドラジンな
どの脂肪族アミン類である。なお、このような塩基の使
用量は、通常、式(4)で示されるテトラオール化合物
の4倍モル以上に設定するのが好ましく、4〜16倍モ
ルに設定するのがより好ましい。塩基の使用量が4倍モ
ル未満の場合は、目的とするメルカプト化合物の収率が
低下するおそれがある。逆に、16倍モルを超えると、
使用量に比例してメルカプト化合物の収率が増加しにく
くなり、経済的でない。
【0058】なお、このような加水分解反応は、通常、
室温〜還流温度の範囲で実施するのが好ましい。
【0059】このようにして得られたメルカプト化合物
は、トルエンなどの有機溶媒を用いて反応液から抽出し
た後に、酸水洗、水洗、濃縮という一般的な手法により
精製することができる。
【0060】なお、本製造方法に係る一連のメルカプト
化工程は、特開平2−270859号に記載された公知
の方法である。
【0061】
【実施例】実施例1 撹拌機、温度計および冷却器を備えた1,000mlの
4つ口フラスコを用意し、これにビス−(2−メルカプ
トエチル)サルファイトを600g(3.9モル)、ペ
ンタエリスリチルテトラブロミドを50g(0.129
モル)および触媒としてのテトラ−n−ブチルアンモニ
ウムブロミドを4.1g(0.0127モル)加えた。
次に、これを80〜100℃に加熱し、窒素雰囲気下で
10%水酸化ナトリウム水溶液を219g(0.53モ
ル)滴下した。その後、80〜100℃に維持しながら
3時間撹拌した。
【0062】次に、反応液を50℃まで冷却し、分液し
て2回水洗した後に有機層を減圧下で濃縮した。この濃
縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分
離したところ、上記式(1)で示されるテトラキス−
(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタンが
72.6g(0.107モル)得られた。これのペンタ
エリスリチルテトラブロミドに対する収率は、82.9
%であった。
【0063】得られたテトラキス−(7−メルカプト−
2,5−ジチアヘプチル)メタンの元素分析値およびN
MR分析結果をそれぞれ表1および表2に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】実施例2 ペンタエリスリチルテトラブロミド50g(0.129
モル)に代えてペンタエリスリトールテトラキス(ベン
ゼンスルホネート)89.8g(0.129モル)を用
い、他は実施例1と同様に操作したところ、上記式
(1)で示されるテトラキス−(7−メルカプト−2,
5−ジチアヘプチル)メタンが70.1g(0.09モ
ル)得られた。これのペンタエリスリトールテトラキス
(ベンゼンスルホネート)に対する収率は、79.8%
であった。なお、得られたテトラキス−(7−メルカプ
ト−2,5−ジチアヘプチル)メタンの元素分析値およ
びNMR分析結果は、実施例1の場合と同様であった。
【0067】実施例3 撹拌機、温度計および冷却器を備えた1,000mlの
4つ口フラスコを用意し、これに2−[(2−メルカプ
トエチル)チオ]エタノールを71.8g(0.52モ
ル)、ペンタエリスリチルテトラブロミドを50g
(0.129モル)および触媒としてのテトラ−n−ブ
チルホスホニウムブロミドを1.7g(0.005モ
ル)加えた。さらに、トルエンを325g添加し、10
%の水酸化ナトリウム水溶液を104g(0.52モ
ル)徐々に加えた。その後、70〜80℃に加熱して8
時間撹拌した。
【0068】次に、反応液を40℃まで冷却し、分液し
て2回水洗した後に有機層を減圧下で濃縮したところ、
上記式(4)で示されるテトラキス−(7−ヒドロキシ
−2,5−ジチアヘプチル)メタンが70.8g得られ
た。これのペンタエリスリチルテトラブロミドに対する
収率は、89.1%であった。
【0069】得られたテトラキス−(7−ヒドロキシ−
2,5−ジチアヘプチル)メタンの元素分析値およびN
MR分析結果をそれぞれ表3および表4に示す。
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】実施例4 撹拌機、温度計および冷却器を備えた1,000mlの
4つ口フラスコを用意し、これに2−[(2−メルカプ
トエチル)チオ]エタノールを71.8g(0.52モ
ル)、ペンタエリスリチルテトラブロミドを50g
(0.129モル)および触媒としてのテトラ−n−ブ
チルホスホニウムブロミドを1.7g(0.005モ
ル)加えた。さらに、トルエンを325g添加し、10
%の水酸化ナトリウム水溶液を104g(0.52モ
ル)徐々に加えた。その後、70〜80℃に加熱して8
時間撹拌した。
【0073】次に、反応液を40℃まで冷却し、分液し
て2回水洗した後に有機層を減圧下で濃縮した。この濃
縮液を35%塩酸214.8g(1.61モル)に溶解
し、チオ尿素107.6g(1.38モル)を加えて1
00〜110℃で5時間撹拌した。その後、反応液を室
温まで冷却し、28%アンモニア水104.7g(1.
73モル)を20〜40℃で加えてアルカリ性とし、1
00℃で2時間撹拌した。
【0074】次に、反応液を室温まで冷却し、トルエン
350mlを加えて抽出操作を行い有機層を分取した。
この有機層を5%の塩酸100mlで洗浄後、水100
mlを用いて2回洗浄し、硫酸マグネシウムを20g加
えて乾燥した。さらに、有機層を減圧濃縮し、濃縮物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離したと
ころ、上記式(1)で示されるテトラキス−(7−メル
カプト−2,5−ジチアヘプチル)メタンが71.6g
(0.105モル)得られた。これのペンタエリスリチ
ルテトラブロミドに対する収率は、81.4%であっ
た。
【0075】得られたテトラキス−(7−メルカプト−
2,5−ジチアヘプチル)メタンの元素分析値およびN
MR分析結果は、実施例1の場合と同様であった。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、硫黄原子の含有率が高
く、しかも多官能性で臭気が少ない、上記式(1)で示
される新規なメルカプト化合物が提供される。
【0077】また、本発明に係るメルカプト化合物の製
造方法によれば、硫黄原子の含有率が高く、しかも多官
能性で臭気が少ない、上記式(1)で示される新規なメ
ルカプト化合物を製造することができる。
【0078】さらに、本発明によれば、本発明に係るメ
ルカプト化合物を製造するための中間体として有用な、
新規なテトラオール化合物が提供される。
【0079】さらに、本発明に係るテトラオール化合物
の製造方法によれば、本発明に係るメルカプト化合物を
製造するための中間体として有用な、新規なテトラオー
ル化合物を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 道夫 兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1 住 友精化株式会社第1研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の式(1)で示されるメルカプト化合
    物。 【化1】
  2. 【請求項2】ビス−(2−メルカプトエチル)サルファ
    イトとペンタエリスリチルテトラハライドとを塩基の存
    在下で反応させる工程を含む、下記の式(1)で示され
    るメルカプト化合物の製造方法。 【化2】
  3. 【請求項3】前記ペンタエリスリチルテトラハライドが
    ペンタエリスリチルテトラブロミドである、請求項2に
    記載のメルカプト化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】ビス−(2−メルカプトエチル)サルファ
    イトと下記の一般式(2)で示されるペンタエリスリト
    ールスルホン酸エステルとを塩基の存在下で反応させる
    工程を含む、下記の式(1)で示されるメルカプト化合
    物の製造方法。 【化3】 【化4】 〔一般式(2)中、Rは、炭素数が1〜4のアルキル
    基、フェニル基、クロロフェニル基、ニトロフェニル基
    またはトリル基である。〕
  5. 【請求項5】下記の式(3)で示されるメルカプト化合
    物とペンタエリスリチルテトラハライドとを塩基および
    触媒の存在下で反応させて下記の式(4)で示されるテ
    トラオール化合物を得る工程と、 前記テトラオール化合物を鉱酸の存在下でチオ尿素と反
    応させ、前記テトラオール化合物と前記チオ尿素との反
    応生成物を得る工程と、 前記反応生成物を塩基を用いてアルカリ性にすることに
    より加水分解する工程と、を含む下記の式(1)で示さ
    れるメルカプト化合物の製造方法。 【化5】 【化6】 【化7】
  6. 【請求項6】前記ペンタエリスリチルテトラハライドが
    ペンタエリスリチルテトラブロミドである、請求項5に
    記載のメルカプト化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】前記触媒が4級アンモニウム塩である、請
    求項5または6に記載のメルカプト化合物の製造方法。
  8. 【請求項8】前記触媒が4級ホスホニウム塩である、請
    求項5または6に記載のメルカプト化合物の製造方法。
  9. 【請求項9】下記の式(4)で示されるテトラオール化
    合物。 【化8】
  10. 【請求項10】下記の式(3)で示されるメルカプト化
    合物とペンタエリスリチルテトラハライドとを塩基およ
    び触媒の存在下で反応させる工程を含む、下記の式
    (4)で示されるテトラオール化合物の製造方法。 【化9】 【化10】
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