JPH09272172A - 積層体 - Google Patents

積層体

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JPH09272172A
JPH09272172A JP8082495A JP8249596A JPH09272172A JP H09272172 A JPH09272172 A JP H09272172A JP 8082495 A JP8082495 A JP 8082495A JP 8249596 A JP8249596 A JP 8249596A JP H09272172 A JPH09272172 A JP H09272172A
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JP
Japan
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refractive index
index layer
thin film
high refractive
transparent
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Application number
JP8082495A
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English (en)
Inventor
Fumiharu Yamazaki
文晴 山▲崎▼
Tomoyuki Okamura
友之 岡村
Shin Fukuda
福田  伸
Nobuhiro Fukuda
信弘 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 透明基体の一方の主面上に、透明高屈折
率層/金属薄膜層/透明高屈折率層金なる構成で形成し
た積層体において、透明高屈折率層に、高酸素濃度雰囲
気下でスパッタリング法により、1×10-2Ω・cm以
上の比抵抗をもち、かつ非晶質の主としてインジウムと
スズからなる酸化物薄膜を用いることを特徴とする積層
体。 【効果】 環境耐久性に優れた透明積層体が提供でき
る。本発明の積層体は透明電極や熱線反射体として使用
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、片面或いは両面を
透明高屈折率層によっておおわれた金属薄膜層からなる
積層体に関する。さらに詳しくは選択光透明性を有し、
かつ、導電性を有する透明導電性積層体に関する。透明
導電性積層体は、その導電性を利用すれば、例えば、液
晶ディスプレイやエレクトロクロミック表示体等の透明
電極として用いることができるほか、可視光に対しては
透明であるが赤外光は反射するといった選択光透明性を
利用する場合には、透明な熱線反射体として利用でき
る。
【0002】
【従来の技術】透明基体上に透明導電性薄膜層を形成し
た透明導電性積層体は、液晶ディスプレー用電極、電場
発光素子用電極、帯電防止フィルム、透明発熱体として
広く産業上利用されている。ここで透明基体上に形成す
る透明導電層として従来から知られているものは、 1)金、銀、銅等の単金属もしくは合金属薄膜 2)酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、ヨウ化銅等の
半導体薄膜 3)1)を透明高屈折率薄膜で挟んだ積層体 が知られている。特に、3)の具体例を挙げれば、酸化
インジウム/銀/酸化インジウウム、酸化チタン/銀/
酸化チタン、窒化アルミニウム/銀/窒化アルミニウ
ム、窒化珪素/銀/窒化珪素等がある。金属薄膜層の材
料としては導電性が優れ選択光透過性にも優れる銀が好
適に使用されることが多い。
【0003】1)或いは3)の如く金属薄膜層を導電層
あるいは熱線反射層として利用する場合には、可視光に
対する透明性を維持するために該層の厚さを薄くせざる
を得ない。具体的には20nm以下の厚さにすることが
必要であり、これ以上の厚さの金属薄膜層を形成すると
可視光透明性が得られなくなる。
【0004】しかしながら、金属薄膜層が極めて薄く形
成された積層体は、熱、光、ガス等により性能に劣化が
おこり環境安定性において問題がある。環境安定性の問
題は、金属薄膜層として最も好適に使用し得る材料、銀
において顕著に現れる。銀薄膜は凝集しやすく、熱、光
といったエネルギーの照射や、ガスの付着等が引き金と
なって薄膜の状態から塊の状態に変化してしまう。この
ように凝集現象が起こると、所々に金属の塊が形成され
るため、積層体に金属色の粒が見えてしまい透明な積層
体としては不良となる。
【0005】この問題を解決するために、銀の替わり
に、銀−金合金を使用する技術が特開昭55−1180
4号に開示されている。該公報においては、銀、金が共
存する金属薄膜層を使用することで耐環境性に優れた積
層体が得られるとする。
【0006】しかしながら、銀−金合金を金属薄膜層と
して用いることは、以下の点から好ましくなく、できれ
ば銀単体でも環境耐久性を付加されることが望ましい。
すなわち、銀−金薄膜層の好ましくない点とは、 1)比抵抗が高くなる。
【0007】2)特殊な合金を使用することによるコス
トアップ である。銀−金合金はその組成比にもよるが、環境安定
性が得られる程度の合金にすることによって銀単体より
も比抵抗が1.5〜3倍程度になり、同じシート抵抗値
の積層体を得ようとすれば膜厚を厚くするほかない。前
述したように金属薄膜層の膜厚を厚くすることは透明性
が損なわれるので好ましくない。また、合金を使用する
とすれば、その合金を製造するためのプロセスが増える
ことになりコストアップも免れない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、かかる
問題を解決するために、鋭意調査を重ねた結果、透明高
屈折率層に、高酸素濃度雰囲気下でスパッタリング法に
より形成した、1×10 -2Ω・cm以上の比抵抗をも
ち、かつ非晶質の主としてインジウムとスズからなる酸
化物薄膜を用いることにより、金属薄膜層の環境耐久性
を向上し得ることを見いだし本発明に到達した。本発明
は、金属薄膜層を変更することなく、驚くべきことに、
特定の透明高屈折率層を使用することで隣接する金属薄
膜層の環境耐久性を高めたものである。
【0009】
【課題を解決するため手段】すなわち、本発明は、上記
の問題を解決するためになされたものであって、(1)
透明基体(A)の一方の主面上に、少なくとも、透明
高屈折率層(B)、金属薄膜層(C)、透明高屈折率層
(D)とを順次形成した、ABCDなる構成の積層体に
おいて、透明高屈折率層(B)及び透明高屈折率層
(D)に、高酸素濃度雰囲気下でスパッタリング法によ
り形成した、主としてインジウムとスズとからなる、比
抵抗が1×10-2Ω・cm以上で非晶質の酸化物薄膜を
用いることを特徴とする積層体、(2) 透明基体
(A)の一方の主面上に、少なくとも、透明高屈折率層
(B)、金属薄膜層(C)、透明高屈折率層(D)、金
属薄膜層(E)、透明高屈折率層(F)とを順次形成し
た、ABCDEFなる構成の積層体において、透明高屈
折率層(B)、透明高屈折率層(D)、及び透明高屈折
率層(F)に、高酸素濃度雰囲気下でスパッタリング法
により形成した、主としてインジウムとスズとからな
る、比抵抗が1×10-2Ω・cm以上で非晶質の酸化物
薄膜を用いることを特徴とする積層体、(3) 透明基
体(A)の一方の主面上に、少なくとも、透明高屈折率
層(B)、金属薄膜層(C)、透明高屈折率層(D)、
金属薄膜層(E)、透明高屈折率層(F)、金属薄膜層
(G)、透明高屈折率層(H)とを順次形成した、AB
CDEFGHなる構成の積層体において、透明高屈折率
層(B)、透明高屈折率層(D)、透明高屈折率層
(F)、透明高屈折率層(H)に、高酸素濃度雰囲気下
でスパッタリング法により形成した、主としてインジウ
ムとスズとからなる、比抵抗が1×10-2Ω・cm以上
で非晶質の酸化物薄膜を用いることを特徴とする積層
体、
【0010】(4) 透明基体(A)の一方の主面上
に、少なくとも、透明高屈折率層(B)、金属薄膜層
(C)、透明高屈折率層(D)、金属薄膜層(E)、透
明高屈折率層(F)、金属薄膜層(G)、透明高屈折率
層(H)、・・・、金属薄膜層(G n-1 )、透明高屈折
率層(Hn-1 )、金属薄膜層(Gn )、透明高屈折率層
(H n )(n=1、2、・・・)とを順次形成した、A
BCDEFGH・・・Gn-1n-1 n n なる構成の
積層体において、透明高屈折率層(B)、透明高屈折率
層(D)、透明高屈折率層(F)、透明高屈折率層
(H)、・・・、透明高屈折率層(Hn-1 )、透明高屈
折率層(Hn )に、高酸素濃度雰囲気下でスパッタリン
グ法により形成した、主としてインジウムとスズとから
なる、比抵抗が1×10-2Ω・cm以上で非晶質の酸化
物薄膜を用いることを特徴とする積層体、(5)
(1)乃至(4)の何れかに記載の金属薄膜層の少なく
とも1つが、銀からなることを特徴とする積層体、
(6) 透明基体(A)が透明な高分子成形体であるこ
とを特徴とする(1)及至(5)の何れかに記載の積層
体に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、図1をもって説明する
に、透明基体(A)(10)の一方の主面上に、少なく
とも、透明高屈折率層(B)(20)、金属薄膜層
(C)(30)、透明高屈折率層(D)(40)とを順
次形成した、ABCDなる構成の積層体において、透明
高屈折率層(B)及び透明高屈折率層(D)に、高酸素
濃度雰囲気下でスパッタリング法により形成した、主と
してインジウムとスズとからなる、比抵抗が1×10-2
Ω・cm以上で非晶質の酸化物薄膜を用いることを特徴
とする積層体である 本発明において使用する透明基体とは、可視光領域にお
ける透明性を有するもので、ある程度表面が平滑であれ
ば使用できる。具体的にはガラス、石英等の無機化合物
成形体と高分子成形体とが挙げられる。ガラスは可視光
領域において優れた透明性を有し、表面も平滑に加工す
ることができるため好適に使用できる。高分子成形体は
さらに軽くて割れないという、ガラスにはない特徴を有
するためより好適に使用できる。
【0012】透明な高分子成形体の種類を具体的にいえ
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリエーテルスルフォン、ポリカーボネート、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート等が好ま
しく用いられる。これら、透明な高分子成形体は板状で
あってもフィルム状であってもよい。板状の高分子成形
体を基体として用いた場合には、寸法安定性と機械的強
度に優れているため、特にそれが要求される場合には好
ましく用いられる。また、フィルム状の高分子成形体を
基体として用いた場合には、それが可撓性を有している
ため積層体を屈曲させて使用する場合に好ましく用いら
れるだけでなく、打ち抜き加工が可能であり、またロー
ルで巻きとりながら連続的に積層体を製造できるため製
造コストを安くできる利点も有する。フィルムの厚さは
通常10〜250μmのものが用いられる。フィルムの
厚さが10μmよりあまり薄いと、基材としての機械的
強度が不足し、250μmよりあまり厚いと可撓性が不
足する。
【0013】透明高屈折率層(B)と透明高屈折層
(D)とに挟まれた金属薄膜層(A)は、電気比抵抗の
小さな金属が好ましく用いられ、具体的には、金、銀等
が好適に用いられる。金属薄膜層の厚さは、比抵抗が小
さく透明性が得られる範囲で決定され、具体的には、5
〜20nm程度の範囲が好ましい。
【0014】金属薄膜層の作製は、例えば、スパッタリ
ング法や真空蒸着法、イオンプレーティング法が好まし
く用いられる。ここでスパッタリング法は、DCマグネ
トロンスパッタ法、rfマグネトロンスパッタリング
法、イオンビームスパッタリング法等の総称である。ス
パッタリング法では、例えば、銀の薄膜を作製するとき
には、銀のターゲットを用いてアルゴンガスをスパッタ
ガスとして用いる。金薄膜を作製するときには金ターゲ
ットを用いる。真空蒸着法で金属薄膜層を作製する場合
にも、所望の材料を蒸着源として、抵抗加熱蒸着法や電
子ビーム蒸着法により形成すればよい。後に述べるが、
本発明による透明高屈折率層はスパッタリング法により
形成するため、積層構成をロール・ツ・ロール法により
生産する場合にはスパッタリング法が好ましく用いられ
る。
【0015】本発明で用いる透明高屈折率層は、文字ど
おり、透明であり、屈折率が高い層である。本発明にお
いては、さらに金属薄膜層の環境安定性を付加させるた
めに、高酸素濃度で雰囲気下でスパッタリング法により
形成された、1×10-2Ω・cm以上の比抵抗をもち、
かつ非晶質の主としてインジウムとスズからなる酸化物
薄膜を用いる。透明であるということは、可視光領域に
おける吸収が極めて少なく、透明基体に所望の厚みで積
層した場合でも、透明基体の可視光の透過率が5%以
上、より好ましくは、2%以上低下することがないこと
を意味する。また高屈折率とは、屈折率が1.6以上で
あることが好ましい。上記手法で形成した主としてイン
ジウムとスズからなる酸化物薄膜層の屈折率は通常2.
0程度であり、また透明性も十分得られるため好ましく
用いることができる。
【0016】主としてインジウムとスズからなる酸化物
で構成される薄膜は透明導電膜(ITO膜)として知ら
れている。本発明では該酸化物薄膜層の成膜条件とし
て、高酸素濃度雰囲気下におけるスパッタリング法によ
らなければならず、形成された薄膜は比抵抗1×10-2
Ω・cm以上、かつ非晶質でなければならない。ここで
いう高酸素濃度雰囲気というのは、スパッタガスである
アルゴン・酸素分圧比が、比抵抗が最小となるアルゴン
・酸素分圧比よりも酸素の分圧比が多い雰囲気である。
比抵抗が最小となる酸素分圧比は全圧力、インジウムと
スズとの組成比やターゲットの密度により異なるが、本
発明で肝要なのは比抵抗が1×10-2Ω・cm以上とな
るように酸素の分圧比をあげなければならないことであ
る。
【0017】例えばターゲットに酸化インジウムと酸化
スズとの重量比が80:20のターゲットを使用した場
合の成膜条件と比抵抗との関係の一例を図4に掲げた。
比抵抗が最小となる酸素分圧は0.03mTorr程度
であり、比抵抗は1×10-3Ω・cm以下となるが、比
抵抗を1×10-2Ω・cm以上とするためには、酸素分
圧をおよそ0.08mTorr以上にしなければならな
い。このような高酸素濃度雰囲気下で形成した該高屈折
率のITO膜は、本発明者らが見いだしたところによれ
ば、酸素欠陥等の構造欠陥の少ない安定な非晶質構造の
ITO膜なのである。そして驚くべきことに、金属薄膜
層をこのような安定な非晶質構造の高屈折率層に挟むこ
とによって、金属薄膜層の環境耐久性を向上させること
ができるのである。なお、本発明を実施するに好ましい
範囲は、図4のごとき関係を求めて実験的に定めること
ができる。
【0018】また、主としてインジウムとスズからなる
酸化物薄膜層は、非晶質であることが必要とされる。該
層が結晶質であると、多くの場合結晶粒子間に隙間が存
在し、そこから金属薄膜層の劣化要因となるガスが浸入
することが考えられるからである。すなわち、インジウ
ムとスズからなる酸化物薄膜は、高酸素濃度雰囲気下で
スパッタリング法により形成することでそれ自体安定で
あり、さらに非晶質とすることで金属薄膜層の両面の全
体を覆い金属薄膜層の劣化を抑制すると解されるのであ
る。
【0019】該層を非晶質とするには、成膜温度を低く
すればよい。ITO膜の結晶化温度は通常200℃程度
とされおり、成膜時の基板温度をそれ以下にすればよ
く、好ましくは室温で成膜すればよい。室温で成膜した
ITO膜が使用できることは、基体に耐熱温度の低い高
分子成形体を用いる場合に特に有利となる。
【0020】本発明でいう非晶質のITO膜とは、通常
のθ−2θ法によるX線回折において、結晶質であるこ
とを示す2θ=30゜〜31゜のIn23(222)ピ
ーク、及び2θ=35゜〜36゜のIn23(400)
ピークを実質的に示さないものをいう。
【0021】透明高屈折率層の厚さは、可視光透過率が
最大になるように、もしくは、波長550nmの光の透
過率が最大になるように調整され、20〜70nmの範
囲が好ましく、より好ましくは、30〜50nmであ
る。この透明高屈折率層の厚さが、厚すぎると、光線透
過率が最大になる波長が550nmよりも長くなり、逆
に、薄すぎると光線透過率が最大になる波長が550n
mよりも短くなる。
【0022】透明高屈折率層(B)と透明高屈折率層
(D)とは上記の条件を満たしていれば、それらによっ
て挟まれた金属薄膜層(C)の環境安定性を付与するこ
とができるため、両者を同一の組成、厚さ、比抵抗とす
る必要はなく、上記の条件の範囲内で適宜調整してよ
い。また、シート抵抗値をさらに低下させたい場合に
は、積層体上にさらに、金属薄膜層/透明高屈折層の積
層構成単位を1及至2構成単位さらに積層すればよく、
この場合、1構成積層させた場合には透明基体/透明高
屈折率層/金属薄膜層/透明高屈折率層/金属薄膜層/
透明高屈折率層となる。この構成の断面図を図2に記し
た。
【0023】さらに2構成単位積層させた場合には、透
明基体/透明高屈折率層/金属薄膜層/透明高屈折率層
/金属薄膜層/透明高屈折率層/金属薄膜層/透明高屈
折率層という構成になるこの構成の断面図を図3に記し
た。この場合においても、それぞれの透明高屈折率層の
組成、厚さ、比抵抗は必ずしも同一にする必要はない。
また、それぞれの金属薄膜層の厚さ等も同一にする必要
はない。なお、さらに3構成単位、4構成単位・・・n
構成単位を積層することは任意である。この際、n=1
0〜20程度が実際的であるが、透過性の点からは、3
構成単位程度が好ましい。
【0024】金属薄膜層や透明高屈折率層の膜厚の測定
には、触針粗さ計、繰り返し反射干渉計、マイクロバラ
ンス、水晶振動子法等があるが、水晶振動子法では成膜
中に膜厚測定が可能なので、所望の膜厚を得るのに適し
ている。また、前もって成膜の条件を定めておき、試験
基材上に成膜を行い、成膜時間と膜厚との関係を調べた
上で成膜時間により膜厚を制御する方法もある。例え
ば、M(秒)間成膜した時の薄膜の膜厚を触針粗さ計で
測定したところD(nm)であったとすると。d(n
m)の膜厚を得るには、次の式により、成膜時間T
(秒)を決定する。すなわち、T=d×(M/D)
(秒)である。例えば、スパッタ法において、銀を10
00秒間成膜したところ、100nmのチタン膜を得た
とすると、同一の成膜条件で1nmの銀膜を得るには、
10秒間成膜すれば良いことになる。水晶振動子法で膜
厚を決めるときには、膜厚がD(nm)の膜を製作した
時の水晶振動子の周波数の減少がF(Hz)であったと
すると、d(nm)成膜するには、次の式により求めら
れた周波数f(Hz)が減少した時をもって膜厚を決定
する。すなわち、f=d×(F/D)である。ここで、
Dの決定は、触針粗さ計や繰り返し反射干渉計等を用い
ればよい。本発明ではかくのごとき方法により膜厚を決
定しており、本発明で言うところの薄膜層が、常識的な
連続膜もしくは連続層の状態になっている必要はないこ
とは当業者の理解しているところである。
【0025】高分子フィルム基材上に透明高屈折率層を
形成するときには、基材の前処理として、コロナ放電処
理、プラズマ放電処理、グロー放電処理、逆スパッタ処
理、表面粗面化処理、化学処理等を行うことや、公知の
アンダーコートを施したりすることは適宜行うことがで
きる。
【0026】透明基体に形成された積層体の構成は、深
さ方向の分析能力をもつ分析方法により解析できる。具
体的に挙げるとすると、オージェ電子分光法、エックス
線光電子分光法、2次イオン質量分析法、ラザフォード
後方散乱法等を用いることができる。また、ITO膜の
結晶性はX線回折法や電子線回折法により測定でき、比
抵抗はホール測定法や、四端子法により測定したシート
抵抗値、R(Ω/□)と膜厚t(cm)とから次式で算
出できる。比抵抗(Ω・cm)=R×t
【0027】
【実施例】以下本発明を実施例により説明する。 〔実施例1〕可視光透過率88%、125μm厚のポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、DC
マグネトロンスパッタリング法により、ITO(40nm)
/銀(10nm)/ITO(40nm)からなる積層体を作製し
た。なお、ITO膜の形成は表1に示す反応性スパッタ
法により行った。一層目のITO膜を形成した時点でホ
ール測定法により抵抗率を測定し、X線回折法により該
層の結晶性を確認した後、銀薄膜及び二層目のITO膜
を形成した。なお、銀薄膜の形成は表2に示す条件で行
った。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】〔実施例2〜実施例3〕ITO成膜時のア
ルゴン分圧を1.85mTorr、酸素分圧を0.15
mTorr(実施例2)、アルゴン分圧を1.8mTo
rr、酸素分圧を0.2mとrr(実施例3)とした以
外は実施例1と同じ手法により積層体を作製した。
【0031】〔実施例4〕可視光透過率88%、125
μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィル
ム上に、DCマグネトロンスパッタリング法により、I
TO(40nm)/銀(10nm)/ITO(40nm)/銀(10n
m)/ITO(40nm)からなる積層体を作製した。な
お、ITO膜の形成は表1に示す反応性スパッタ法によ
り行った。一層目のITO膜を形成した時点でホール測
定法により抵抗率を測定し、X線回折法により該層の結
晶性を確認した後、二層目以降の銀薄膜及びITO膜を
形成した。なお、二層目以降のITO膜の形成も表1に
より行い、銀薄膜の形成は全て表2に示す条件で行っ
た。
【0032】〔実施例5〕可視光透過率88%、125
μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィル
ム上に、DCマグネトロンスパッタリング法により、I
TO(40nm)/銀(10nm)/ITO(40nm)/銀(10n
m)/ITO(40nm)/銀(10nm)/ITO(40nm)か
らなる積層体を作製した。なお、ITO膜の形成は表1
に示す反応性スパッタ法により行った。一層目のITO
膜を形成した時点でホール測定法により抵抗率を測定
し、X線回折法により該層の結晶性を確認した後、二層
目以降の銀薄膜及びITO膜を形成した。なお、二層目
以降のITO膜の形成も表1により行い、銀薄膜の形成
は全て表2に示す条件で行った。
【0033】〔比較例1〕ITO成膜時のアルゴン分圧
を1.97mTorr、酸素分圧を0.03mTorr
とした以外は実施例1と同じ手法により積層体を作製し
た。 〔比較例2〕金属薄膜層に銀−金合金(重量比90:1
0)を用いた以外は実施例1と同じ手法により積層体を
作製した。
【0034】以上により作製した実施例1〜実施例3、
及び比較例1、比較例2により作製した積層体の可視光
透過率(波長:550nm)を分光光度計:U−340
0(日立製作所(株)製)により、シート抵抗は四端子
法により測定した。さらに、積層体を150℃に設定し
た台に置き、100Wのハロゲンランプを積層体から1
0cm離して設置し光照射と加熱を同時に行い環境劣化
の促進試験を実施した。評価は試験開始後500時間に
おける積層体の外観観察により、金属薄膜層の異常の有
無を判定した。その結果を表3、及び表4に掲げる。金
属薄膜層に銀−金合金を使用したものは、シート抵抗値
が高くなってしまっていることが分かる。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【発明の効果】本発明により、環境安定性に優れた積層
体を提供できる。本発明の積層体は液晶ディスプレイや
エレクトロクロミック表示体等の透明電極や熱線反射体
として好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層体の一例を示す構造断面図
【図2】本発明の積層体の一例を示す構造断面図
【図3】本発明の積層体の一例を示す構造断面図
【図4】ITO膜の酸素分圧と比抵抗の関係を示すグラ
【符号の説明】
10 透明基体 20 透明高屈折率層 30 金属薄膜層 40 透明高屈折率層 50 金属薄膜層 60 透明高屈折率層 70 金属薄膜層 80 透明高屈折率層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 信弘 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基体(A)の一方の主面上に、少な
    くとも、透明高屈折率層(B)、金属薄膜層(C)、透
    明高屈折率層(D)とを順次形成した、ABCDなる構
    成の積層体において、透明高屈折率層(B)及び透明高
    屈折率層(D)に、高酸素濃度雰囲気下でスパッタリン
    グ法により形成した、主としてインジウムとスズとから
    なる、比抵抗が1×10-2Ω・cm以上で非晶質の酸化
    物薄膜を用いることを特徴とする積層体。
  2. 【請求項2】 透明基体(A)の一方の主面上に、少な
    くとも、透明高屈折率層(B)、金属薄膜層(C)、透
    明高屈折率層(D)、金属薄膜層(E)、透明高屈折率
    層(F)とを順次形成した、ABCDEFなる構成の積
    層体において、透明高屈折率層(B)、透明高屈折率層
    (D)、及び透明高屈折率層(F)に、高酸素濃度雰囲
    気下でスパッタリング法により形成した、主としてイン
    ジウムとスズとからなる、比抵抗が1×10-2Ω・cm
    以上で非晶質の酸化物薄膜を用いることを特徴とする積
    層体。
  3. 【請求項3】 透明基体(A)の一方の主面上に、少な
    くとも、透明高屈折率層(B)、金属薄膜層(C)、透
    明高屈折率層(D)、金属薄膜層(E)、透明高屈折率
    層(F)、金属薄膜層(G)、透明高屈折率層(H)と
    を順次形成した、ABCDEFGHなる構成の積層体に
    おいて、透明高屈折率層(B)、透明高屈折率層
    (D)、透明高屈折率層(F)、透明高屈折率層(H)
    に、高酸素濃度雰囲気下でスパッタリング法により形成
    した、主としてインジウムとスズとからなる、比抵抗が
    1×10-2Ω・cm以上で非晶質の酸化物薄膜を用いる
    ことを特徴とする積層体。
  4. 【請求項4】 透明基体(A)の一方の主面上に、少な
    くとも、透明高屈折率層(B)、金属薄膜層(C)、透
    明高屈折率層(D)、金属薄膜層(E)、透明高屈折率
    層(F)、金属薄膜層(G)、透明高屈折率層(H)、
    ・・・、金属薄膜層(Gn-1 )、透明高屈折率層(H
    n-1 )、金属薄膜層(Gn )、透明高屈折率層(Hn
    (n=1、2、・・・)とを順次形成した、ABCDE
    FGH・・・Gn-1 n-1 n n なる構成の積層体に
    おいて、透明高屈折率層(B)、透明高屈折率層
    (D)、透明高屈折率層(F)、透明高屈折率層
    (H)、・・・、透明高屈折率層(Hn-1 )、透明高屈
    折率層(Hn )に、高酸素濃度雰囲気下でスパッタリン
    グ法により形成した、主としてインジウムとスズとから
    なる、比抵抗が1×10-2Ω・cm以上で非晶質の酸化
    物薄膜を用いることを特徴とする積層体。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れかに記載の金属薄
    膜層の少なくとも1つが、銀からなることを特徴とする
    積層体。
  6. 【請求項6】 透明基体(A)が透明な高分子成形体で
    あることを特徴とする請求項1及至5の何れかに記載の
    積層体。
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