JPH09283333A - 軟磁性薄膜及びそれを用いた磁気ヘッド - Google Patents

軟磁性薄膜及びそれを用いた磁気ヘッド

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JPH09283333A
JPH09283333A JP9110596A JP9110596A JPH09283333A JP H09283333 A JPH09283333 A JP H09283333A JP 9110596 A JP9110596 A JP 9110596A JP 9110596 A JP9110596 A JP 9110596A JP H09283333 A JPH09283333 A JP H09283333A
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soft magnetic
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JP9110596A
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Fumiyoshi Kirino
文良 桐野
Yoshitsugu Koiso
良嗣 小礒
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟磁気特性、熱安定性、及び耐食性を向上し
た軟磁性薄膜を得る。 【解決手段】 Feを主体とし、Ta及び/又はHf
と、C及び/又はNを含み、Feの(110)面が優先
配向しており、Feの結晶粒子のサイズd1 が15nm
以下であり、Ta−C,Ta−N,Hf−C、或いはH
f−N粒子のサイズd2 が3nm以下である軟磁性薄
膜。結晶粒子サイズの制御は、成膜初期にFeの結晶粒
子を析出させ、その後にTa−C,Ta−N,Hf−
C,Hf−Nの結晶粒子を析出させることにより行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高飽和磁束密度を
有する微結晶析出型のFe系の軟磁性薄膜に係り、特
に、高性能でしかも高信頼性を有する軟磁性薄膜、並び
に、その軟磁性膜を用いて作製した磁気ヘッド及び磁気
記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の高度情報化社会の進展に伴い、小
型でしかも高密度な情報記憶装置に対するニーズが高ま
っている。この中で、磁気記録装置は、高密度記録、ダ
ウンサイジングへの研究が急速に進められている。高密
度記録を実現するために、記録した微小磁区が安定に存
在するように高保磁力を有する媒体と、この媒体に記録
できる高性能な磁気ヘッドが必要となる。高保磁力媒体
を十分に磁化して信号を記録するためには、強い磁界が
発生できる高飽和磁束密度を有する磁気ヘッド材料が必
要となる。
【0003】現在、提案されている高飽和磁束密度を有
する材料として、Fe−C系やFe−N系等の材料があ
る。これらの材料は、軟磁気特性を発現させるために、
一定の温度で熱処理を行っている。この熱処理温度は、
結晶化温度により決定されるもので、用いる材料系及び
その組成に依存している。この他に、この材料を用いて
磁気ヘッドを作製する場合、特に、そのヘッドがメタル
・イン・ギャップ(MIG)型ヘッドである場合には、
ヘッド製造工程にガラスボンディング工程を含むため
に、一定温度以上でのアニールが必要である。その場合
のボンディング温度は、用いる溶着ガラスの融解温度で
決定され、一般に、ボンディング温度は結晶化温度より
高くするのが普通である。それは、ボンディング温度が
高いとガラスの強度は優れ、逆に低い温度ではガラスは
十分な強度を有していないからである。そのために、通
常用いられているガラスでは、軟磁気特性が発現する温
度より高い場合が多い。その結果、少なくともガラスの
融解温度で耐えるだけの熱安定性を磁性膜は有していな
ければならない。特に、軟磁気特性は析出してくる微結
晶粒子サイズに依存していることから、良好な軟磁気特
性を有する磁性膜を得るためには、この結晶粒子サイズ
を制御しなければならない。
【0004】さらに、これらの材料は、Feを主体とし
ているために、大気中の酸素や水と反応して水酸化物や
酸化物を生成し、磁気特性、特に、保磁力や飽和磁束密
度の変動を生じるために、磁気ヘッドの性能が低下する
場合があった。そこで、この材料を用いた磁気ヘッドを
実用化するのに当り、磁性膜を使用環境中へ放置したと
きの腐食による磁気特性の変動を抑制するとともに、ガ
ラスボンディング工程を経ても磁気特性の変動が生じな
いようにすることが課題であった。
【0005】これらの課題を解決するために、磁性元素
以外に、耐食性を向上させるための元素を添加すること
が提案されているが、軟磁気特性と耐食性を両立させる
ことは困難であった。これらの点について検討したもの
に、特開平3−20444号公報がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記公報には、軟磁気
特性、熱安定性、或いは耐食性のいずれか1つの特性を
向上させるのに有効な方法が開示されている。しかしな
がら、これらの特性を同時に向上させる方法についての
十分な開示はない。特に、飽和磁束密度が1.5T以上
の軟磁性膜に対して前記特性を同時に向上させる方法に
ついては全く開示されていない。
【0007】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたもので、良好な軟磁気特性を有すると同
時に、高熱安定性を有し、かつ、高信頼性を有する軟磁
性薄膜を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成できる本
発明による軟磁性薄膜は、Feを主体とする軟磁性薄膜
において、Ta或いはHfの内から選択された少なくと
も1種類の元素と、C或いはNの内から選択された少な
くとも1種類の元素を含み、Feの結晶粒子のサイズd
1 とTa−C,Ta−N,Hf−C、或いはHf−N粒
子のサイズd2の比d1/d2が5以下であることを特徴
とする。
【0009】また、前記目的を達成できる本発明による
軟磁性薄膜は、Feを主体とする軟磁性薄膜において、
Ta或いはHfの内から選択された少なくとも1種類の
元素と、C或いはNの内から選択された少なくとも1種
類の元素を含み、Feの(110)面が優先配向してお
り、Feの結晶粒子のサイズd1 とTa−C,Ta−
N,Hf−C、或いはHf−N粒子のサイズd2 の比d
1/d2が5以下であることを特徴とする。
【0010】また、前記目的を達成できる本発明による
軟磁性薄膜は、Feを主体とする軟磁性薄膜において、
Ta或いはHfの内から選択された少なくとも1種類の
元素と、C或いはNの内から選択された少なくとも1種
類の元素を含み、Feの(110)面が優先配向してお
り、Feの結晶粒子のサイズd1 が15nm以下であ
り、Ta−C,Ta−N,Hf−C、或いはHf−N粒
子のサイズd2 が3nm以下であることを特徴とする。
【0011】また、前記目的を達成できる本発明による
軟磁性薄膜は、Feを主体とする軟磁性薄膜において、
Ta或いはHfの内から選択された少なくとも1種類の
元素と、C或いはNの内から選択された少なくとも1種
類の元素を含み、Feの(110)面が優先配向してお
り、Feの結晶粒子のサイズd1 が15nm以下であ
り、Ta−C,Ta−N,Hf−C、或いはHf−N粒
子のサイズd2 が3nm以下であり、比d1/d2が5以
下であることを特徴とする。
【0012】本発明による軟磁性薄膜の結晶粒子サイズ
の制御は、成膜初期にFeの結晶粒子を析出させ、その
後にTa−C,Ta−N,Hf−C,Hf−Nの結晶粒
子を析出させて、結晶粒子の成長を制御することで実現
できる。このように、磁性膜の磁気特性、耐熱性、さら
には、信頼性を確保するには、Fe結晶粒子のサイズと
Ta−C,Ta−N,Hf−C,Hf−Nの結晶粒子の
サイズの比を一定値以下に保つとともに、各結晶粒子の
サイズを一定の値以下にすることが必要である。ここ
で、結晶粒子の長辺の寸法をもって結晶粒子のサイズと
する。
【0013】本発明は、磁性膜の飽和磁束密度が1.5
T以上の磁性膜に対して特に好適である。磁性膜の構造
は、Feの結晶相の結晶粒界にTa−C,Ta−N,H
f−CやHf−Nの結晶粒子を分散させた構造であるこ
とが最も好ましい。さらに、C或いはNの内から選択さ
れた少なくとも1種類の元素の一部がFeの結晶相中に
固溶しているのがより好ましい。このことにより、Fe
の結晶粒子を微細化できるとともに、結晶粒子の成長を
抑制できるため、軟磁気特性を向上できると同時に、耐
食性や耐熱性の向上を図ることができる。この場合、F
eの格子面間隔が増大するのは、C或いはNの内から選
択された少なくとも1種類の元素の一部がFeの結晶相
中に固溶したことを示している。
【0014】さらに、上記の軟磁性薄膜において、Ta
或いはHfの内より選択された少なくとも1種類の元素
とN或いはCの内より選択された少なくとも1種類の元
素との化学量論比が〔Hf〕(或いは〔Ta〕)/
〔N〕(或いは〔C〕)=0.50〜1.5の間である
ことが最も好ましい。これは、磁気特性及び耐食性の観
点から必須の組成範囲である。軟磁性薄膜において、T
a或いはHfの内より選択された少なくとも1種類の元
素とN或いはCの内より選択された少なくとも1種類の
元素との化学量論比を制御することにより、イオンの価
数を制御することができる。
【0015】前記軟磁性薄膜を用いた磁気ヘッドとして
は、メタル・イン・ギャップ型の磁気ヘッドが最も好適
である。この磁気ヘッドを用いた磁気記録装置は、テー
プ状或いは円板状の移動磁気記録媒体に画像情報や音声
情報を記録再生することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。ここでは、Fe79Hf129 合金膜を磁
性膜として用いた場合を例にとって本発明の詳細を説明
する。磁性膜は、スパッタ法により作製した。ターゲッ
トには、Fe87Hf13合金を用い、放電ガスにはAr/
2(体積比92/8)混合ガスを用いた。投入RF電
力密度は400W/150mm2φで、放電ガス圧力は
6mTorrである。ただし、これらの条件は絶対的な
ものではなく、作製装置や作製方法に依存する。形成し
た磁性膜の膜厚は5μmであった。
【0017】磁性膜の構造は、作製直後ではX線的に非
晶質であった。この磁性膜を600℃で30分間アニー
ルした。アニールは真空中或いはArやN2 等の不活性
ガス中で行い、熱処理中は外部から10kOeの磁界を
印加した。この膜の磁気特性を調べたところ、飽和磁束
密度:Bsが1.6T、透磁率:μが5000(5MH
z)、保磁力:Hcが0.1Oe、磁歪定数:λsが2
×10-7、そして、比抵抗:ρが95×10-8Ω・mで
あり、良好であった。特に、比抵抗が大きいので、渦電
流損失が小さく、高周波領域での記録や再生に好適であ
る。この磁性膜の構造は、Feの(110)面がメイン
ピークであり、Scherrerの式によりFeの結晶粒子サイ
ズを求めると、8nmであった。この他に、Hf−Nに
起因するX線の回折ピークが観測された。ピークが非常
にブロードであるのでFeより正確な測定はできない
が、このピークから結晶粒子サイズを求めると、約2n
mであった。先のFeの結晶粒子とのサイズ比を求める
と、Fe/Hf−N比は8/2=4であった。
【0018】また、この膜を0.5N NaClaq中
へ1000時間浸漬させたが、錆びの発生は見られず、
且つ、磁気特性の劣化は見られなかった。さらに、この
磁性膜を700℃で熱処理しても磁気特性や耐食性の劣
化は見られなかった。次に、スパッタ条件及び熱処理条
件等を種々選択してFe及びTaCの各結晶粒子サイズ
を制御することで、Fe結晶粒子サイズとHf−Nの結
晶粒子サイズの異なる多数の磁性膜を作製し、Fe結晶
粒子サイズとHf−Nの結晶粒子サイズと耐食性の関係
を調べた。その結果を図1に示す。図中、白丸(○)は
0.5N NaClaq中へ1000時間浸漬させても
錆びの発生が見られなかった膜であり、黒丸(●)は逆
に腐食が発生した膜である。錆の発生の有無は目視によ
って判定した。
【0019】図1から、Feの結晶粒子サイズが15n
mを超えるか、或いは、Hf−N粒子サイズが3nmを
超えると、耐食性が急激に劣化することがわかる。ま
た、Feの結晶粒子サイズが3nm以下では、逆に、軟
磁気特性、特に、保磁力が1Oe以上になるので、軟磁
性膜として用いることはできない。さらに、Hf−N結
晶粒子サイズが1nm程度、かつFeの結晶粒子サイズ
が3nmを超える膜はプロセスの関係から作製できなか
った。Hf−N結晶粒子サイズは、2nm程度が実質的
な下限値となる。しかし、透過型電子顕微鏡レベルで観
察して、Fe粒子サイズが2nmでHf−N粒子サイズ
が1nmの膜は、耐食性は良好であるが、保磁力が大き
く、磁気ヘッド材料としては不適当である。
【0020】また、HfとNの化学量論比は1:1では
なく、透過型電子顕微鏡を用いた格子像観察結果から、
その格子面間隔を推定すると、Hf43 である。ここ
で、Hf/N=1.3であるが、化学量論比を変化させ
ても0.5から1.5の範囲であれば所望の磁気特性及
び耐食性を得ることができる。この条件は、成膜時の放
電ガス中の窒素濃度を変化させることにより実現でき
る。
【0021】このようなFe相中にHf−Nを分散させ
た磁性膜は、通常は成膜直後は非晶質であり、500℃
〜600℃で熱処理してFe相とHf−N相とに分離、
析出させる。そして、Fe/Hf−N結晶粒子サイズ比
が5以下になるように制御する。さらに制御精度を向上
させるには、作業性は低下するが、成膜直後にFeの結
晶粒子を予め析出させ、500℃〜600℃で熱処理す
ることによりHf−N相を析出させると、Feの結晶粒
子の成長を抑制できると同時にHf−N粒子の成長を押
さえることができる。その結果、Fe相を最大で15n
mに、また、Hf−N相を最大で3nmに抑制でき、し
かも、その精度は、組成変動、スパッタ条件の変動、熱
処理条件の変動のいずれに対しても強い。添加した窒素
は、Hfと化合物を形成する以外に、Fe相中に侵入型
固溶体を形成している。これによっても磁性膜の耐食性
を向上させることができる。
【0022】以上述べてきた効果は、Hf−N粒子に固
有なものではなく、この粒子以外に、Hf−C、Ta−
C、或いは、Ta−Nのいずれを分散させても同様の効
果が得られる。炭素を用いた場合には、炭化物以外に炭
素はFe相中へ金属間化合物を形成して存在する。化合
物の材質による違いは、耐食性の観点から電気化学的な
溶解電位を測定すると、Hf−N粒子を分散させた場合
が最も高く、0.75V(Ag/AgCl電極基準、p
H=8.3)であり、最も高い耐食性を有している。そ
して、Hf−Cがこれに続き(0.7V)、Ta−C及
びTa−Nが中でも低い(0.6V)が、いずれの膜も
実用上は十分な耐食性を有している。
【0023】上記の磁性膜を用いて、MIG(メタル・
イン・ギャップ)型ヘッドを作製した。図2は、作製し
たMIG型ヘッドの概略図である。軟磁性薄膜1を単結
晶のフェライト基板2上に形成した。ここで用いた磁性
膜の組成は、Fe80Hf812である。ギャップ部3
は、フェライト基板2上に形成した軟磁性薄膜1の上
に、SiO2 を200nmの膜厚に形成した後にCrを
10nmの膜厚に形成して作った。これを窒素気流中に
て600℃で30分間熱処理し、同一形状のヘッド基板
を低融点ガラス4によりボンディングした。
【0024】基板と磁性膜の間に両者の接着性の向上の
ための接合層を設けても良い。この接合層は、例えば、
SiO2,Si34,Cr23,Cr,Fe−Cr等と
することができる。この下地膜を磁性を有するものとす
ると、磁気ヘッドの性能をより向上させることができ
る。このようにして作製した磁気ヘッドにおいては、膜
剥離などは生じなかった。
【0025】この磁気ヘッドをVTR装置に組み込み、
テープを走行させ画像情報を記録した。図3は、VTR
装置の機能ブロック図である。図3に示した磁気ヘッド
20は、図2のMIG型磁気ヘッドである。磁気ヘッド
20は、記録/再生時には磁気ヘッド操作機構(図示せ
ず)により変位し、所定速度で走行する磁気テープTに
接触せしめられる。磁気テープTの駆動は、図示しない
磁気テープ駆動系により行われる。
【0026】記録時には、入力ビデオ信号は、まずプリ
・エンファシス31に送られ、さらにFM変調器32、
記録イコライザ33、記録増幅器34を介して回転トラ
ンス35に送られる。さらに、回転トランス35から磁
気ヘッド20に伝達され、磁気ヘッド20によりそれに
接触して走行する磁気テープTに記録される。再生時に
は、磁気テープTに記録されたビデオ信号は、まず磁気
ヘッド20により読み取られてから回転トランス35に
伝達される。さらに、回転トランス35から、再生前置
増幅器36、再生イコライザ37、リミッタ38、FM
復調器39、低域フィルタ40及びタイムベース・コレ
クタ41を介して出力ビデオ信号となる。
【0027】このVTR装置によりハイビジョンのディ
ジタル情報を記録したところ、S/Nは40dB以上が
得られた。ここで、磁気ヘッド20と磁気テープTの相
対速度は36m/s、データ転送レートは46.1Mb
ps、トラック幅は40μmとした。次に、この磁気ヘ
ッドの耐食性を0.5規定塩化ナトリウム水溶液中への
浸漬試験法、及び、高温高湿度環境(60℃、相対湿
度:95%)中での結露試験法により評価した。まず、
MIG型ヘッドチップを0.5規定塩化ナトリウム水溶
液中へ500時間浸漬させた。その後、このヘッドを再
び装置にセットして記録再生特性を測定した。その結
果、浸漬前となんら記録再生特性に違いは見られなかっ
た。また、高温高湿度環境(60℃、相対湿度95%)
中での結露試験法による評価は、先のMIGヘッドをペ
ルチェ素子上に固定して10℃に保ち、全体を60℃、
相対湿度95%環境中へ放置した。その結果、ヘッド全
体に、結露が生じた。この状態で2000時間以上この
環境中へ放置したが、腐食の発生や記録特性や再生信号
の劣化は見られなかった。
【0028】ここではVTR用の磁気ヘッドを例に説明
したが、本発明の軟磁性膜を用いた磁気ヘッドは磁気デ
ィスクやヘリカルスキャンを用いた磁気テープ装置等に
対しても適用できる。また、ここではFe−Hf系を例
にとって説明した。しかし、ここに述べた効果は、Fe
−Hf系に固有のものではなく、Hfの他にLa,C
e,Cu,Au,Pb,Ag,Tl等の元素を添加して
も同様の効果が得られる。ただし、磁気特性、熱安定性
及び耐食性のすべての観点から最も効果が大きいのは、
Hfを添加した場合である。しかもこの元素は状態図的
にはFeに固溶しないのでその効果が最も大きい。これ
にLa及びCeがこれに続き、Cu,Au,Pb,A
g,Tlがその次である。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、Bs≧1.5T以上の
高飽和磁束密度を有し、且つ、良好な軟磁気特性を示
し、しかも、高熱安定性及び高耐食性を有する軟磁性膜
を得ることができる。これにより、高性能でしかも高信
頼性を有する磁気ヘッド及びそれを用いた磁気記録装置
が得られる。特に、VTR装置、磁気テープ装置や磁気
ディスク装置等の各種磁気記録装置において、高保磁力
を有する磁気記録媒体を十分に磁化できるので、高密度
記録が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Fe系軟磁性膜のFe結晶粒子サイズ及びHf
−N結晶粒子サイズと耐食性との関係を示す図。
【図2】磁気ヘッドの構造を示す図。
【図3】VTR装置の機能ブロック図。
【符号の説明】
1…軟磁性薄膜、2…フェライト基板、3…ギャップ
部、4…低融点ガラス

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Feを主体とする軟磁性薄膜において、
    Ta或いはHfの内から選択された少なくとも1種類の
    元素と、C或いはNの内から選択された少なくとも1種
    類の元素を含み、Feの結晶粒子のサイズd1 とTa−
    C,Ta−N,Hf−C、或いはHf−N粒子のサイズ
    2 の比d1/d2が5以下であることを特徴とする軟磁
    性薄膜。
  2. 【請求項2】 Feを主体とする軟磁性薄膜において、
    Ta或いはHfの内から選択された少なくとも1種類の
    元素と、C或いはNの内から選択された少なくとも1種
    類の元素を含み、Feの(110)面が優先配向してお
    り、Feの結晶粒子のサイズd1 とTa−C,Ta−
    N,Hf−C、或いはHf−N粒子のサイズd2 の比d
    1/d2が5以下であることを特徴とする軟磁性薄膜。
  3. 【請求項3】 Feを主体とする軟磁性薄膜において、
    Ta或いはHfの内から選択された少なくとも1種類の
    元素と、C或いはNの内から選択された少なくとも1種
    類の元素を含み、Feの(110)面が優先配向してお
    り、Feの結晶粒子のサイズd1 が15nm以下であ
    り、Ta−C,Ta−N,Hf−C、或いはHf−N粒
    子のサイズd2 が3nm以下であることを特徴とする軟
    磁性薄膜。
  4. 【請求項4】 Feを主体とする軟磁性薄膜において、
    Ta或いはHfの内から選択された少なくとも1種類の
    元素と、C或いはNの内から選択された少なくとも1種
    類の元素を含み、Feの(110)面が優先配向してお
    り、Feの結晶粒子のサイズd1 が15nm以下であ
    り、Ta−C,Ta−N,Hf−C、或いはHf−N粒
    子のサイズd2 が3nm以下であり、比d1/d2が5以
    下であることを特徴とする軟磁性薄膜。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の軟
    磁性薄膜において、磁性膜の飽和磁束密度が1.5T以
    上であることを特徴とする軟磁性薄膜。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の軟
    磁性薄膜において、Feの結晶相の結晶粒界にTa−
    C,Ta−N,Hf−C、或いはHf−Nの内より選択
    された少なくとも1種類の結晶粒子が分散していること
    を特徴とする軟磁性薄膜。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の軟
    磁性薄膜において、C或いはNの内より選択された少な
    くとも1種類の元素の一部がFeの結晶相中に固溶して
    いることを特徴とする軟磁性薄膜。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の軟磁性薄膜において、
    C或いはNの内より選択された少なくとも1種類の元素
    の一部をFeの結晶相中に固溶させることによりFeの
    格子面間隔を増大させたことを特徴とする軟磁性薄膜。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8に記載の軟磁性薄膜にお
    いて、C或いはNの内より選択された少なくとも1種類
    の元素の一部をFeの結晶相中に固溶させることによ
    り、Feの結晶粒子サイズを15nm以下に制御したこ
    とを特徴とする軟磁性薄膜。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    軟磁性薄膜において、Ta或いはHfの内より選択され
    た少なくとも1種類の元素とN或いはCの内より選択さ
    れた少なくとも1種類の元素との化学量論比が〔Hf〕
    (或いは〔Ta〕)/〔N〕(或いは〔C〕)=0.5
    0〜1.5の間であることを特徴とする軟磁性薄膜。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の軟磁性薄膜において、Ta或いはHfの内より選択さ
    れた少なくとも1種類の元素とN或いはCの内より選択
    された少なくとも1種類の元素との化学量論比を制御す
    ることにより、イオンの価数を制御したことを特徴とす
    る軟磁性薄膜。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    の軟磁性薄膜を用いたことを特徴とするメタル・イン・
    ギャップ型の磁気ヘッド。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の磁気ヘッドを備
    え、移動する磁気記録媒体に情報の記録、再生を行うこ
    とを特徴とする磁気記録装置。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の磁気記録装置にお
    いて、画像情報及び/又は音声情報を記録することを特
    徴とする磁気記録装置。
  15. 【請求項15】 請求項13に記載の磁気記録装置にお
    いて、前記磁気記録媒体はテープ状又は円板状であるこ
    とを特徴とする磁気記録装置。
  16. 【請求項16】 Feを主体とし、Ta或いはHfの内
    より選択された少なくとも1種類の元素と、C或いはN
    の内より選択された少なくとも1種類の元素を含み、F
    eの(110)面が優先配向した軟磁性薄膜の製造方法
    において、 成膜初期にFeの結晶粒子を析出させ、その後にTa−
    C,Ta−N,Hf−C,Hf−Nの結晶粒子を析出さ
    せることにより、結晶粒子の成長を制御して、Feの結
    晶粒子のサイズd1 を15nm以下とし、Ta−C,T
    a−N,Hf−C、或いはHf−N粒子のサイズd2
    3nm以下とすることを特徴とする軟磁性薄膜の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN1312686C (zh) * 2001-11-23 2007-04-25 皇家飞利浦电子股份有限公司 多堆叠光学数据存储介质和这种介质的使用
CN110660554A (zh) * 2019-09-29 2020-01-07 苏州科技大学 一种高磁导率高频率平面电感及其制备方法

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