JPH08102006A - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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JPH08102006A
JPH08102006A JP6234784A JP23478494A JPH08102006A JP H08102006 A JPH08102006 A JP H08102006A JP 6234784 A JP6234784 A JP 6234784A JP 23478494 A JP23478494 A JP 23478494A JP H08102006 A JPH08102006 A JP H08102006A
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JP
Japan
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magnetic
flux density
mol
film
high saturation
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JP6234784A
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Moichi Otomo
茂一 大友
Fumiyoshi Kirino
文良 桐野
Yoshitsugu Koiso
良嗣 小礒
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】Fe系高飽和磁束密度磁性膜とフェライトとの
複合ヘッドにおいて、フェライトのFe23濃度を55
mol%以上,65mol%以下とし、ZnO濃度を10mol
%以上,25mol%以下とする。 【効果】Fe23濃度を増加することにより酸化電位を
低下させ、Fe系高飽和磁束密度磁性膜の酸化電位との
差を減少する。これにより、フェライトと複合した時の
腐食電池の形成を防ぎ、耐食性を向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高密度記録用の耐食性お
よび記録再生特性に優れた磁気ヘッド、およびこの磁気
ヘッドを用いた信頼性の高い磁気ディスク装置やVTR
装置等の磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年高密度磁気記録の進歩は著しく、記
録密度の増加により装置の小型化,高性能化が進んでい
る。さらに記録の高密度化を進めるためには高保磁力の
媒体を用い、これに充分記録可能な磁界を発生させるた
めに磁気ヘッドのコア材料に高い飽和磁束密度を有する
磁性材料が必要になっている。このような高飽和磁束密
度を有する磁性材料を用いた磁気ヘッドとして、非磁性
基板の上に高飽和磁束密度磁性膜を形成して磁気コアと
するヘッドも用いられているが、生産性,高周波特性,
耐摩耗性等の観点から、高透磁率フェライトの磁気コア
のギャップ近傍部に高飽和磁束密度の磁性膜を形成した
いわゆるMIGヘッドが広く用いられている。また、フ
ェライトコアと磁性膜の界面がギャップに対して非平行
になるように構成したヘッドも用いられている。
【0003】このような高飽和磁束密度を有する磁性膜
として、従来、約1Tの飽和磁束密度を有するFeAl
Si系合金膜が用いられてきたが、特開平3−20444号あ
るいは、特開平2−275605 号公報に記載のように、近
年、Feを主成分とし、Ti,Zr,Hf,Nb,T
a,Mo,W等の遷移金属とC,N,B等の非金属元素
を含有する微結晶組織を有する磁性膜が検討されてい
る。これらは、約1.5 Tの高飽和磁束密度を有し、低
保磁力,高透磁率の優れた軟磁気特性を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のFeを
主成分とする高飽和磁束密度磁性膜は耐食性に問題があ
り、高湿度環境においてヘッドの磁性膜部分に結露を生
じたり、また塩素イオンを含む環境下におかれた場合に
磁性膜が腐食するという問題が生じた。この問題は特
に、フェライトと高飽和磁束密度磁性膜を複合したヘッ
ドに顕著に見られた。
【0005】本発明の目的は、高飽和磁束密度磁性膜を
用いた磁気ヘッドの耐食性を向上し、記録再生特性およ
び信頼性に優れた磁気ヘッドを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記高飽
和磁束密度磁性膜を用いた磁気ヘッドの耐食性を向上す
るために鋭意検討した結果、磁気ヘッドの耐食性は高飽
和磁束密度磁性膜のみの耐食性だけでなく、フェライト
の性質も大きく影響していることを見出した。すなわ
ち、フェライトは高い酸化電位を有し、電気化学的に貴
であるのに対して、Feを主成分とする高飽和磁束密度
磁性膜は低い酸化電位を有し、電気化学的に卑であるた
めに、両者が接触しさらに水分が結露した場合には、フ
ェライトと高飽和磁束密度磁性膜の間に腐食電池が形成
されて高飽和磁束密度磁性膜が著しく腐食されると考え
られる。また、環境に塩素イオンが存在する場合にはこ
の腐食は著しく加速される。
【0007】本発明ではこのような腐食電池の形成を防
止し、耐食性の向上を図るため、フェライトの酸化電位
を低下させ、高飽和磁束密度磁性膜の酸化電位との電位
差を出来るだけ減少させる方策をとる。具体的には、F
23の濃度が55mol% 以上のフェライトを上記高飽
和磁束密度磁性膜と組み合わせて使用する。本発明の具
体的構成を次に示す。
【0008】(1)高透磁率フェライトからなる磁気コア
の、ギャップ近傍の少なくとも一部に、Feを主成分と
する高飽和磁束密度磁性膜を形成した磁気ヘッドにおい
て、上記フェライトのFe23の濃度が55mol%以上
65mol%以下であることを特徴とする磁気ヘッド。
【0009】(2)(1)において、高透磁率フェライトは
MnZnフェライトである磁気ヘッド。
【0010】(3)(1)ないし(2)において、ZnOの濃
度が10mol%以上25mol%以下である磁気ヘッド。
【0011】(4)(1)ないし(3)においてZnOの濃度
が15mol%以上22mol%以下である磁気ヘッド。
【0012】(5)(1)ないし(4)においてFe23の濃
度が60mol% 以下である磁気ヘッド。
【0013】(6)(1)ないし(5)において、上記高飽和
磁束密度磁性膜がFeを50at%以上含む磁性膜であ
る磁気ヘッド。
【0014】(7)上記(6)において、上記高飽和磁束密
度磁性膜がFeを50at%以上とC,N,B,Si,
Al,Tiのいずれか一種または一種以上の元素を0.
1 以上20at%以下含む磁気ヘッド。
【0015】(8)(7)において、上記高飽和磁束密度磁
性膜がFeを50at%以上とC,N,B,Oのいずれ
か一種以上の元素を1at%以上20at%以下、およ
びTi,Zr,Hf,Nb,Mo,Wのいずれか一種以
上を2at%以上20at%以下を含む磁気ヘッド。
【0016】(9)(8)において、上記高飽和磁束密度磁
性膜が、組成式:FeaMbTcXdYeRfZg で示され、ここで、
元素群MはCo,Niのうち一種以上の元素、元素群T
はTi,Zr,Hf,Nb,Ta,Mo,Wのうち一種
以上、元素群XはRu,Rh,Os,Ir,Pd,P
t,Au,Ag,Cuのうち一種以上、元素群YはC
r,V,Al,Siのうち一種以上、元素群RはYおよ
び希土類元素のうち一種以上、元素群ZはC,N,B,
Oのうち一種以上からなり、b≦40,2≦c≦20,
0≦d≦15,0≦e≦20,0≦f≦10,1≦g≦
20,a+b+c+d+e+f+g=100、(ただし
a,b,c,d,e,f,gはat%)の組成を有する
ことを特徴とする磁気ヘッド。
【0017】(10)(6)ないし(9)において、高飽和磁束
密度磁性膜の平均結晶粒径が50nm以下である磁気ヘ
ッド。
【0018】(11)(6)ないし(10)において高飽和磁束密
度磁性膜の平均結晶粒径が20nm以下である磁気ヘッ
ド。
【0019】(12)(6)ないし(11)において上記組成を有
する高飽和磁束密度磁性膜が他の組成を有する薄膜を中
間層として積層されている磁気ヘッド。
【0020】(13)磁気ヘッドを記録媒体に信号を記録ま
たは再生または消去を行うことを目的に使用した磁気記
録装置において、(1)ないし(12)に記載の磁気ヘッドを
1個以上使用した磁気記録装置。
【0021】
【作用】本発明の磁気ヘッドにおいて、フェライトのF
23の濃度を55mol% 以上にすることにより、Fe
2価の濃度が増加し、これによりフェライトの酸化電位
が低下して、高飽和磁束密度磁性膜との酸化電位の差を
減少することが出来る。Fe23の濃度が65mol% を
越えると、フェライトの磁歪定数が大きくなって透磁率
が減少するため65mol %以下とする必要がある。透磁
率の減少を押さえるためには、上記濃度を60mol% 以
下とすることが更に好ましい。
【0022】またZnOを10mol% 未満にするとやは
り磁歪定数が大きくなるために、ZnOは10mol% 以
上とする必要がある。透磁率を向上するには、上記Zn
Oは、さらに15mol%以上とするのが好ましい。また
ZnOが25molを越えると飽和磁束密度の低下,キュ
リー温度の低下が著しくなるため、25mol%以下 とす
る必要があり、さらに22mol% 以下とするのが好まし
い。
【0023】本発明にはNiZnフェライトを用いるこ
とが出来るが、MnZnフェライトの方が、飽和磁束密
度,透磁率が高く、かつFe2価の濃度が高いため酸化
電位が低い。また、これらのフェライトに5mol% 以下
のTi,Zr,Si,Ge,Sn,Li,Mg,Cu等
の酸化物からなる添加物を加えたフェライトも同様に用
いることが出来る。また、本発明には多結晶または単結
晶のいずれのフェライトも用いることが出来る。
【0024】本発明の磁気ヘッドに用いる高飽和磁束密
度磁性膜は、FeAlSi系(センダスト),FeGa
Si系,FeSi系,FeTi系,FeAl系,FeC
系の各種高飽和磁束密度結晶質磁性合金膜を用いること
が出来る。また、Fe−C/Ni−Fe多層膜のよう
に、約50nmの高飽和磁束密度磁性膜を5nm程度の
中間層を介して積層した多層膜を用いることができる。
さらに、Feを主成分とする非晶質合金膜を用いること
が出来る。これらはFeを主成分とするため、フェライ
トと複合した磁気ヘッドに用いる場合には耐食性が劣化
するために、本発明のフェライトと組み合わせて用いる
ことで耐食性を向上する効果がある。
【0025】また、Feを主成分とし、C,N,B,O
のいずれか一種以上およびTi,Zr,Hf,Nb,M
o,Wのいずれか一種以上を含む磁性膜は、膜形成後の
熱処理により、Feの結晶粒から過飽和に固溶した上記
元素が結晶粒の周囲に排出され、ここで(C,N,B,
O)の群と(Ti,Zr,Hf,Nb,Mo,W)の群
からなる強固な化合物が形成され、微細な結晶粒が粗大
化せず熱安定性,軟磁気特性に優れた高飽和磁束密度磁
性膜が得られる。この系の磁性膜を微結晶析出膜と称す
る。しかし、これらの微結晶析出膜は耐食性が低いとい
う問題があり、特にフェライトと複合して用いた場合に
この問題が顕著である。
【0026】微結晶析出膜の耐食性を改善するために、
組成式:FeaMbTcXdYeRfZg で示されるように各種添加元
素を添加することが有効である。
【0027】ここで、元素群Mで示したCo,Niは飽
和磁束密度を低下せず耐食性を向上する効果があるが、
多量添加の場合は磁歪定数が増加するため、40%以下
の範囲で使用する。
【0028】元素群Tで示されるTi,Zr,Hf,N
b,Ta,Mo,Wは、元素群Zで示されるC,N,
B,Oと結合して結晶を微細化し軟磁気特性を発現する
元素である。両者とも少量では効果がなく、多量添加の
場合は飽和磁束密度の低下が著しいため、元素群Tは2
%以上20%以下の範囲で、元素群Zは1%以上20%
以下の範囲で使用する。
【0029】添加元素群Xで示されるRu,Rh,O
s,Ir,Pd,Pt,Au,Ag,Cuは飽和磁束密
度を低下せず耐食性を向上する元素である。しかし添加
量とともに磁歪定数が増加するため15at%以下の範
囲で使用する。
【0030】元素群Yで示されるCr,V,Al,Si
は耐食性を向上する。しかし飽和磁束密度を低下する元
素である。またSi,Vは磁歪定数を低下する働きがあ
り、20at%以下の範囲で使用する。
【0031】元素群Rで示されるY(イットリウム)お
よび希土類元素は結晶粒を微細化し、さらに磁歪定数を
低減する働きがある。しかし添加量を増加すると飽和磁
束密度が低下するため、10at%以下の範囲で使用す
る。
【0032】以上のように、ここに示した組成を有する
微結晶析出膜は耐食性および磁気特性が向上するが、フ
ェライトと複合して用いる場合には腐食電池が形成さ
れ、耐食性が十分でないという問題がある。このため本
発明のフェライトと組み合わせて用いることにより、格
段に優れた耐食性と記録再生特性が実現できる。
【0033】本発明の磁気ヘッドに用いる磁性膜は、ス
パッタリング法,真空蒸着法等の薄膜形成技術により作
製される。特に、2極スパッタリング法,マグネトロン
スパッタリング法,イオンビームスパッタリング法等の
スパッタリング法により作製することが好ましい。本発
明に用いる微結晶析出膜は、磁性膜の作製後、400℃
以上の熱処理が加えられる。この熱処理により、それぞ
れの元素がほぼ均一に分散された膜構造から、Feを主
成分とする少なくとも約50nm以下、通常は約20n
m以下の微細な結晶粒と、その周囲に元素群Tと元素群
Zとの微細な化合物が存在する構造に変化する。
【0034】本発明の磁気ヘッドでは、上記高飽和磁束
密度磁性膜を磁気コアのキャップ近傍の少なくとも一部
に用いる。本発明の磁気ヘッドは、磁気ディスク用の薄
膜磁気ヘッドとして用いることが出来る。また、磁気デ
ィスク用,VTR用に用いられる、フェライトヘッドの
ギャップ面に高飽和磁束密度磁性膜を形成したMIGヘ
ッドに用いることができる。また、フェライトヘッドの
ギャップ近傍に高飽和磁束密度磁性膜を形成し、フェラ
イトと磁性膜の界面がギャップ面と非平行になるように
構成したVTR用複合ヘッド用として用いることが出来
る。
【0035】
【実施例】次に、実施例により本発明を説明する。
【0036】(実施例1)図1はブリッジマン法により
作製したMnZnフェライト単結晶および高飽和磁束密
度微結晶膜であるFeTaC系磁性膜の電気化学的分極
曲線を測定した結果を示す。図において、フェライト1
は本発明の磁気ヘッドに用いるFe2355.5mol%,
MnO26.5mol%,ZnO18mol% の組成を有する
単結晶、フェライト2およびフェライト3は、従来の磁
気ヘッドに用いられるFe2354mol%,MnO33m
ol%,ZnO13mol% の組成を有する単結晶、および
Fe2353.5mol%,MnO28.5mol%,ZnO1
8mol% の組成を有する単結晶である。
【0037】またFeTaC膜は高周波2極スパッタ法
により作製したのち、600℃,30分熱処理を行った
試料であり、Fe76Ta1113(at%)の組成を有
し、飽和磁束密度1.53T,保磁力0.3Oe,磁歪定
数0.7×10-6 の特性を示した。この磁性膜を透過電
子顕微鏡により観察した結果、平均結晶粒径は15nm
であった。分極曲線の測定にはPHが8.3 の硼酸緩衝
液を使用し、塩素イオンの影響を見るために、1/20
規定のNaClを加えた。試験温度は30℃である。
【0038】図のように、微結晶析出膜のFeTaC膜
は約−0.2V の低い電位から電流が流れ、この電位付
近から酸化による溶解が開始することが分かる。一方、
従来の磁気ヘッドに使用されるFe23濃度が55mol
% 未満のフェライト2および3は、酸化電位が約0.8
Vおよび1.0Vと高い電位となっている。また、本発
明に使用するFe23濃度が55mol% 以上のフェライ
ト1は約0V付近から溶解電流が流れ、この電位付近か
ら酸化が開始する。このようにFe23濃度の高いフェ
ライト1がFe23濃度の低いフェライト2および3に
比較して酸化電位が大幅に低い理由は、Fe23濃度の
高いフェライトではFe2価のイオンが多く存在し、こ
れが比較的低い電位において酸化されるためと考えられ
る。
【0039】このように、酸化電位の低い磁性膜と、酸
化電位の高いフェライトが隣接して存在する磁気ヘッド
では、環境中の水分が結露した場合に、フェライトと磁
性膜の間に腐食電池が形成され、磁性膜が著しく腐食さ
れやすくなる。これを防ぐには、フェライト1のよう
に、酸化電位が磁性膜に近いフェライト材料を選ぶ必要
がある。
【0040】(実施例2)上記の酸化電位の効果を確認
するために、図2に示したように、フェライト磁気コア
のギャップ面に高飽和磁束密度磁性膜を形成したMIG
ヘッドを作製し、ヘッドとしての耐食性および記録再生
特性を評価した。フェライトはMnZnフェライト単結
晶を用い、(110)面が磁気ヘッドの側面に、(33
2)面がギャップ面に、(113)面がテープ摺動面に
ほぼ相当するように構成した。ただし、これらの結晶面
の選択による耐食性への影響は小さく、フェライト組成
の効果は結晶面によらず認められた。磁性膜の作製方法
は実施例1と同様である。磁性膜の膜厚は5μmとし
た。耐食性の評価は、1/2規定のNaCl溶液中に磁
気ヘッドを浸漬し、200時間の浸漬後にヘッドのテー
プ摺動面上に腐食が発生したヘッドの割合を腐食率とし
て示した。また、記録再生特性として、保磁力1500
Oeのメタルテープを用い、相対速度3.8m/s ,周
波数5MHzでの記録再生出力を測定した。結果を表1
に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1のように、フェライトのFe23濃度
を55mol% 以上とすることにより、磁性膜の腐食の発
生率は格段に減少した。Fe23濃度が高いほど、また
ZnO濃度が高いほど耐食性が高い傾向が認められた。一
方、本発明3,4,5,6のように、Fe23濃度60
mol%以上,ZnO濃度15mol%未満の領域では、出力
が若干減少した。これは、フェライトの結晶磁気異方
性,磁歪定数が増加し、透磁率が減少したためと考えら
れる。また本発明7のようにZnO濃度が22mol% 以
上でも出力が若干減少した。これはフェライトの飽和磁
束密度が低下し、主に記録特性が低下したためと考えら
れる。
【0043】(実施例3)次に、本発明の効果を各種の
高飽和磁束密度磁性膜について検討した。実施例2と同
様に磁気ヘッドの耐食性を評価した結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】表2のように、いずれの高飽和磁束密度磁
性膜を使用した場合も本発明に使用するフェライトを用
いることにより、耐食性を格段に向上することが出来
る。この効果は特に微結晶析出膜のように耐食性が低い
膜を用いた磁気ヘッドに好適であり、またCr,Ru,
Al,Rh等を添加して耐食性を向上した微結晶析出膜
でも、従来のフェライトと組み合わせた磁気ヘッドの場
合には耐食性が劣化するため、これを解決するために本
発明に用いるフェライトと組み合わせるのが効果的であ
る。また、表2のように、本発明に用いる磁性膜は微結
晶析出膜のみならず、FeSi系,FeC系合金膜等の
Fe系高飽和磁束密度膜およびこれらの多層膜でも効果
的である。
【0046】なお、本実施例ではMIGヘッドの場合の
みを示したが、本発明の効果は、Fe系高飽和磁束密度
磁性膜とフェライトを複合した磁気ヘッドには同様に生
じる。
【0047】本発明の磁気記録装置では、媒体への信号
の記録,再生および消去動作のいずれか、あるいはこれ
らの動作を複数種行う磁気ヘッドの少なくとも1つに本
発明の磁気ヘッドを使用することにより、耐腐食性が向
上する。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明の磁気ヘッドは高
飽和磁束密度磁性膜と限定された組成を有するフェライ
トを組み合わせることにより、特に高い耐食性を有し、
優れた記録再生特性を実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明と従来例の高飽和磁束密度磁性膜および
フェライトの電気化学的分極曲線の測定図。
【図2】本発明の磁気ヘッドの構造を示す斜視図。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高透磁率フェライトからなる磁気コアの、
    ギャップ近傍の少なくとも一部に、Feを主成分とする
    高飽和磁束密度磁性膜を形成した磁気ヘッドにおいて、
    上記高透磁率フェライトのFe23の濃度が55mol%
    以上65mol%以下であることを特徴とする磁気ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記高透磁率フェライ
    トはMnZnフェライトである磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記ZnOの
    濃度が10mol%以上25mol%以下である磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】請求項1,2または3において、前記Zn
    Oの濃度が15mol%以上22mol%以下である磁気ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】請求項1,2,3または4において、前記
    Fe23の濃度が60mol% 以下である磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3,4または5において、
    前記高飽和磁束密度磁性膜がFeを50at%以上含む
    磁性膜である磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記高飽和磁束密度磁
    性膜がFeを50at%以上とC,N,B,Si,A
    l,Tiのいずれか一種または一種以上の元素を0.1
    以上20at%以下含む磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】請求項6において、前記高飽和磁束密度磁
    性膜がFeを50at%以上とC,N,B,Oのいずれ
    か一種または一種以上の元素を1at%以上20at%
    以下、およびTi,Zr,Hf,Nb,Mo,Wのいず
    れか一種または一種以上を2at%以上20at%以下
    を含む磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】請求項8において、前記高飽和磁束密度磁
    性膜が組成式:FeaMbTcXdYeRfZg で示され、ここで、元
    素群MはCo,Niのうち一種以上の元素、元素群Tは
    Ti,Zr,Hf,Nb,Ta,Mo,Wのうち一種以
    上、元素群XはRu,Rh,Os,Ir,Pd,Pt,
    Au,Ag,Cuのうち一種以上、元素群YはCr,
    V,Al,Siのうち一種以上、元素群RはY(イット
    リウム)および希土類元素のうち一種以上、元素群Zは
    C,N,B,Oのうち一種以上からなり、b≦40,2
    ≦c≦20,0≦d≦15,0≦e≦20,0≦f≦1
    0,1≦g≦20,a+b+c+d+e+f+g=10
    0、(ただしa,b,c,d,e,f,gはat%)の
    組成を有する磁気ヘッド。
  10. 【請求項10】請求項6,7,8または9において、前
    記高飽和磁束密度磁性膜の平均結晶粒径が50nm以下
    である磁気ヘッド。
  11. 【請求項11】請求項6,7,8,9または10におい
    て、前記高飽和磁束密度磁性膜の平均結晶粒径が20n
    m以下である磁気ヘッド。
  12. 【請求項12】請求項6,7,8,9,10または11
    において、前記組成を有する高飽和磁束密度磁性膜が他
    の組成を有する薄膜を中間層として積層されている磁気
    ヘッド。
  13. 【請求項13】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11または12において、前記磁気ヘッ
    ドを少なくとも1個使用した磁気記録装置。
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