JPH09291371A - 樹脂クロメート組成物および表面処理金属板 - Google Patents

樹脂クロメート組成物および表面処理金属板

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JPH09291371A
JPH09291371A JP10778796A JP10778796A JPH09291371A JP H09291371 A JPH09291371 A JP H09291371A JP 10778796 A JP10778796 A JP 10778796A JP 10778796 A JP10778796 A JP 10778796A JP H09291371 A JPH09291371 A JP H09291371A
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acid
chromium
resin
chromate
polyester resin
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JP10778796A
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Kuniyuki Doi
邦之 土井
Hiroshi Tachika
弘 田近
Tsuyoshi Hachitsuka
剛志 八塚
Toshio Odajima
小田島壽男
Tomozo Takahashi
智三 高橋
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工部裸耐食性、耐クロム溶出性および耐指
紋性に優れた樹脂クロメート組成物および樹脂クロメー
ト処理金属板を提供する。 【解決手段】 (a)全酸成分のうち芳香族ジカルボン
酸が30モル%以上であるポリエステル樹脂の水溶液お
よび/または水分散体と、(b)水溶性クロム化合物、
(c)1種以上の鉱酸、(d)コロイダルシリカを含有
する樹脂クロメート組成物およびこの樹脂クロメート組
成物の皮膜を金属板上に金属クロム換算で5〜300m
g/m2 有する表面処理金属板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属、例えば冷延鋼板、
Znめっき鋼板、Zn系合金めっき鋼板、Ni、Cu、
Pb、Sn、Cd、Al、Ti等の金属めっき鋼板ある
いはこれらの金属の合金めっき鋼板等の表面に塗布、乾
燥して樹脂クロメート皮膜を形成する樹脂クロメート組
成物並びに樹脂クロメート皮膜を有する表面処理金属板
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】冷延鋼板、Znメッキ鋼板、Zn−Ni
系、Zn−Ni−Co系、Zn−Ni−Cr系、Zn−
Fe系、Zn−Co系、Zn−Cr系、Zn−Mn系等
のZn系合金めっき鋼板あるいは、Ni、Cu、Pb、
Sn、Cd、Al、Ti等の金属メッキ鋼板あるいはこ
れら金属の合金めっき鋼板等の耐食性を改善するため
に、クロメート処理してクロメート皮膜を形成すること
が一般的に行われている。このクロメート処理は大別す
ると電解型クロメートと塗布型クロメートにわけること
ができる。電解型クロメートとしては例えばクロム酸を
主成分とし、他に硫酸を添加したもの(特公昭39−7
461号公報)、リン酸を添加したもの(特公昭30−
3514号公報、特公昭35−8917号公報、特公昭
36−9559号公報、特公昭36−9560号公
報)、ほう酸を添加したもの(米国特許第273319
9号、米国特許第2780592号)、ハロゲンイオン
を添加したもの(特公昭39−14363号公報)等、
各種陰イオンを添加した浴を用いて鋼板を陰極電解処理
することが知られている。
【0003】塗布型クロメートとしては3価クロムを主
成分とする水溶性クロム化合物、無機コロイド化合物及
び無機アニオンを含有する酸性水溶液を塗布するもの
(特開昭63−218279号公報)、6価クロムの一
部を3価に還元したクロム酸にコロイド状シリカを混合
して処理するもの(特開昭63−243279号公
報)、3価クロムを主成分とする水溶性クロム化合物、
無機コロイド化合物及び無機アニオンを含有する液を処
理するもの(特開昭63−218279号公報)、特定
元素のクロム酸と特定割合のコロイド化合物及び無機ア
ニオンを混合した液を処理するもの(特開昭63−17
8873号公報)、6価クロムと3価クロムの比を特定
化したクロム酸及び無機コロイド及び無機アニオンを含
む液で処理するもの、SiO2 及びPO4 3- を含み全ク
ロム中の3価クロムの比を規定したクロム酸水溶液を処
理するもの(特開平1−65272号公報)、特定量の
3価クロムイオンを含有する6価と3価のクロムイオン
に対し特定量のケイフッ化物とフッ化物の各ナトリウム
塩を含有する液を処理するもの(特開平1−56879
号公報)特定量の3価クロムイオンを含有する6価と3
価のクロムイオンにたいして特定量のSiO2 を含有さ
せた水溶液を処理するもの(特開平1−56877号公
報)特定量の3価クロムイオンを含有する6価と3価の
クロムイオンに対して特定量のケイフッ化アンモニウム
とシランカップリング剤を含有した液を処理したもの
(特開平1−56878号公報)、クロムとシリカゾル
を特定割合含有し、6価クロム量とシリカゾル粒径を特
定した液を処理するもの(特開平2−104672号公
報)、特定割合のクロムイオン、リン酸、珪酸ゾルを含
有し、かつ、全クロムイオン中の6価クロムイオンを特
定した液を処理するもの(特開平2−85372号公
報)、クロム酸、無水コロイド化合物、シランカップリ
ング剤を特定比で配合した液を処理するもの(特開平3
−146676号公報)、特定量の3価クロムイオンを
含有する6価と3価のクロムイオンにたいして、シリカ
ゲル、リン酸、Znを含有させた液を処理するもの(特
開平3−68783号公報)等を挙げることができる。
【0004】また、塗布型クロメートの一種であるが、
有機樹脂を添加した塗布型クロメート、いわゆる樹脂ク
ロメートが最近開発されている。例えば特定したクロ
ム、アモルファスシリカ、リン酸化合物、ポリアクリル
酸で構成し、かつ、皮膜最表層のC/Si比を特定する
処理法(特開平2−163385号公報)、クロメート
液中にメチルメタクリレート等の共重合体のアクリル系
エマルジョンを特定条件で添加して処理する方法(特開
平2−179883号公報)、クロム酸、クロム酸還元
生成物、アクリルエマルジョン、シリカゾルを特定条件
で含有する液を塗布する方法(特開平3−215683
号公報)、クロム酸、クロム酸還元生成物、アクリルエ
マルジョン、湿式タイプシリカゾルを特定条件で含有す
る液を塗布する方法(特開平3−215681号公
報)、エチレン系不飽和カルボン酸成分、水酸基含有モ
ノマー成分、その他のエチレン系不飽和化合物からなる
水性エマルジョンと水溶性クロム化合物と無機化合物の
水系コロイド及び両性金属と反応して難水溶性塩を形成
する無機物とを混合してなる金属表面処理用組成物(特
開平5−230666号公報)等を挙げることができ
る。
【0005】しかしながら、クロメート皮膜のうち電解
によって形成されたものはクロムの溶出は少なくないも
のの耐食性は充分とは言えず、また、加工時の皮膜の耐
傷付性は悪く、従って加工後の耐食性は極端に低下す
る。
【0006】また、塗布型によって形成されたクロメー
ト皮膜は皮膜中にかなりの6価クロムが存在するため、
6価クロムがクロメート皮膜の傷部や加工によって生じ
た皮膜又は金属めっきの亀裂部を補修する、いわゆる補
修効果によって比較的良好な耐食性が得られる。しかし
ながら、耐食性としては必要充分ではなく、また使用中
に6価クロムが溶出し環境衛生面から好ましくなく、ク
ロム溶出量の低減が強く要望されている。また、耐指紋
性も不良であり、改良が要望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これに対し、クロム溶
出量を押さえることを目的とした樹脂クロメートが種々
検討されているが、いずれもクロム溶出量は押さえられ
るものの、加工部の耐食性が不良であり、特に加工時に
めっき層に亀裂が発生する溶融亜鉛めっき鋼板等の加工
性の悪い母材において顕著に不良となる。この理由は充
分解明されていないが、樹脂クロメートにおいては添加
される有機成分によりクロム溶出を抑制するため、塗布
型クロメートの場合のような6価クロムの補修効果が得
られないことがその要因のひとつと考えられる。このた
め、これまで加工部耐食性を確保できる樹脂クロメート
皮膜は皆無であった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等はこうした問
題に鑑み、加工部の耐食性と耐クロム溶出性を両立し、
さらには耐指紋性を付与した樹脂クロメート組成物を鋭
意検討した結果、親水成分を共重合した酸成分が芳香族
ジカルボン酸30モル%以上のポリエステル樹脂の水溶
液および/または水分散体と水溶性クロム化合物および
1種以上の鉱酸を主成分とする樹脂クロメート組成物は
耐クロム溶出性、耐指紋性に優れ、かつ驚くべきことに
高度の加工部の耐食性を有することを見いだし本発明に
到達した。
【0009】すなわち、本発明は(a)全酸成分のうち
芳香族ジカルボン酸が30モル%以上であるポリエステ
ル樹脂の水溶液および/または水分散体と、(b)水溶
性クロム化合物、(c)1種以上の鉱酸および必要によ
り(d)コロイダルシリカを含有することを特徴とする
樹脂クロメート組成物である。さらには、鋼板、亜鉛ま
たは亜鉛合金めっき鋼板、アルミニウムまたはアルミニ
ウム合金めっき鋼板、鉛または鉛合金めっき鋼板、錫ま
たは錫合金めっき鋼板などの金属板の上に上記の樹脂ク
ロメート組成物から得られる皮膜を、金属クロム換算で
5〜300mg/m2 有することを特徴とする表面処理
鋼板である。
【0010】本発明で使用される(a)ポリエステル樹
脂は、酸成分としては芳香族ジカルボン酸(スルホン酸
金属塩基などの親水基含有芳香族ジカルボン酸を含む)
を全酸成分の30モル%以上、好ましくは40モル%以
上共重合することが必要である。芳香族ジカルボン酸が
30モル%未満では耐クロム溶出性、耐指紋性が悪化す
る。親水基を含有しない芳香族ジカルボン酸としては、
例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、
1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、
2,2’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸等が挙げられる。このうち、
特に、テレフタル酸、イソフタル酸が好ましく、これら
の酸成分と例えばエチレングリコールから得られる繰り
返し単位は鉱酸やクロム酸が存在しても安定である。ま
た、その他のジカルボン酸としては脂肪族ジカルボン
酸、脂環族ジカルボン酸を共重合してもかまわない。脂
環族ジカルボン酸としては、1,2−シクロヘキサンジ
カルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチルヘキ
サヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フ
タル酸、2−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ジカル
ボキシ水素添加ビスフェノールA、ジカルボキシ水素添
加ビスフェノールS、水素添加ダイマー酸、水素添加ナ
フタレンジカルボン酸などが挙げられ、また脂肪族ジカ
ルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、ドデカンジオン酸、アゼライン酸、ダイマー酸な
どが挙げられる。このうち特に脂環族ジカルボン酸では
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、脂肪族ジカルボ
ン酸ではセバシン酸、アゼライン酸が特に好ましい。ま
た、発明の内容を損なわない範囲で、無水トリメリット
酸、無水ピロメリット酸などの多価カルボン酸を併用し
てもよい。
【0011】本発明で使用される(a)ポリエステル樹
脂はスルホン酸塩基、硫酸エステル塩、カルボン酸塩等
のアニオン性親水基、四級窒素、四級リン等のカチオン
性親水基、スルホベタイン等の両性イオン性親水基、ポ
リアルキレンオキサイド等のノニオン系親水基から選ば
れる親水基を分子中に含有すること、および/または各
種界面活性剤をポリエステル樹脂の0.01〜30重量
%の併用によって水溶化、水分散化させて用いられる。
具体的には特開昭56−88454号公報、特開昭57
−40525号公報、特開昭57−70177号公報、
特開昭57−212250号公報等に記載された方法が
適用できる。
【0012】良好な加工部耐食性と安定な水溶液あるい
は水分散体を得るためには、親水基としてはスルホン酸
金属塩基および/またはポリアルキレンオキサイドを単
独または併用して用いることが最も好ましい。ポリエス
テル樹脂中のスルホン酸金属塩基の好ましい量はイオウ
として0.1〜8重量%の範囲である。0.1重量%未
満では親水性が不充分であり良好な水溶解性または水分
散性が得られず、ポリアルキレングリコールを併用する
ことが好ましい。8重量%を超えるとクロメート皮膜の
親水性が強くなりすぎ好ましくない。ポリエステル樹脂
中のポリアルキレンオキサイドの好ましい量は10〜8
0重量%である。10重量%未満では親水性が不充分で
あり、スルホン酸金属塩基などを併用する必要がある。
80重量%を超えるとクロム溶出性、耐指紋性の面から
好ましくない。また、ポリアルキレングリコールとした
はポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられるが、
加工部の耐食性、水分散性の面よりポリエチレングリコ
ールが最も望ましい。ポリアルキレングリコールの好ま
しい分子量は500〜20,000、さらに好ましくは
1000〜10,000である。分子量が500未満で
は親水性の付与が不十分で、分子量が20,000を超
えるとポリエステル樹脂の他の成分との相溶性が悪化し
樹脂が脆くなるため好ましくない。ポリアルキレンオキ
サイドと他のグリコールの繰り返し単位とはランダム共
重合でもブロック共重合でも良い。
【0013】スルホン酸金属塩基をポリエステル中に導
入する方法としてはポリエステル樹脂にスルホン酸金属
塩基を有する化合物を反応させる方法、ポリエステル樹
脂をスルホン化し、塩とする方法等があるが、ポリエス
テルの原料としてスルホン酸金属塩基を有する化合物を
使用することが望ましい。スルホン酸金属塩基を有する
エステル形成性二塩基酸成分またはグリコール成分とし
ては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリウ
ムスルホイソフタル酸、ナトリウムスルホテレフタル
酸、2−ナトリウムスルホ−1,4−ブタンジオール、
2,5−ジメチル−3−ナトリウムスルホ−2,5−ヘ
キサンジオール等のスルホン酸塩を含有するものが挙げ
られる。スルホン酸塩基はアルカリ金属塩が望ましい
が、四級窒素や四級リンの塩であってもよい。
【0014】本発明で使用されるポリエステル樹脂のグ
リコール成分としては、水溶解性または水分散性を付与
するための親水基としてのポリアルキレンオキサイド以
外にエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,3−プロパンジオ−ル、2−メ
チル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオ
−ル、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオ
ール、1,5−ペンタンジオ−ル、3−メチル−1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオ
ペンチルグリコ−ル、トリエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−
ペンタンジオ−ル、ポリテトラメチレングリコール、シ
クロヘキサンジメタノ−ル、ジメチロールトリシクロデ
カン、ビスフェノ−ルAまたはビスフェノールFのエチ
レンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加
物、水素化ビスフェノ−ルAまたはFのエチレンオキサ
イド付加物およびプロピレンオキサイド付加物などが挙
げられる。このうち、エチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、1,3−プロピレングリコール、2−メ
チル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロ
ヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオ
キサイドまたはプロピレンオキサイド付加物が加工部耐
食性の面から特に好ましい。
【0015】また、発明の内容を損なわない範囲で、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセ
リン、ペンタエリスリトールなどの多価ポリオールを併
用してもよい。また、本発明で使用されるポリエステル
樹脂において、ポリエステル樹脂を重合した後に無水ト
リメリット酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無
水コハク酸、無水1,8−ナフタル酸、無水1,2−シ
クロヘキサンジカルボン酸などを後付加して酸価を付与
してもよい。
【0016】本発明で用いるポリエステル樹脂は数平均
分子量は500〜50,000の範囲が好ましく、さら
には好ましくは1000〜20,000である。数平均
分子量が500未満では樹脂の凝集力が弱く、樹脂の物
性が劣り加工部の耐食性が劣り、また、耐クロム溶出性
も劣る。数平均分子量が50,000を超えると親水性
の付与が困難となり良好な水溶解性または水分散性が得
られない。
【0017】本発明で使用する(b)水溶性クロム化合
物としては、無水クロム酸及びこれを部分還元した還元
クロム酸、(重)クロム酸カリウム、(重)クロム酸ナ
トリウム、(重)クロム酸アンモニウム等の重クロム酸
塩やクロム酸塩が挙げられ、これらのうち、無水クロム
酸または部分還元クロム酸が好ましい。樹脂クロメート
組成物中の(b)水溶性クロム化合物と(a)ポリエス
テル樹脂の水溶液および/または水分散体との配合量比
は適宜選択できるが、通常は水溶性クロム化合物のCr
3 換算での重量とポリエステル樹脂の固形分との重量
比で1:1〜1:10が好ましい。
【0018】また、本発明の樹脂クロメート組成物で使
用される(c)鉱酸としては、燐酸、硫酸、塩酸、硝
酸、ほう酸などが挙げられ、耐食性、浴安定性の観点か
ら燐酸が好ましく、用いる燐酸としては燐酸、ポリ燐
酸、次亜燐酸、亜燐酸などのいずれを用いてもよい。添
加量は適宜選択できるが、浴安定性や塗布性等からH3
PO4 換算で浴中クロム酸濃度(CrO3 換算)の1.
0倍以上添加することが望ましい。これら以外に、Si
2 、Cr23 、Fe23 、Fe34 、MgO、
ZrO2 、SnO2 、Al23 、Sb25 等のゾ
ル、フッ化物等を必要に応じて樹脂クロメート組成物及
び皮膜中に存在させることができる。樹脂クロメート皮
膜の付着量は金属クロム換算で5〜300mg/m2
範囲が好ましい。5mg/m2 以下では耐食性が不十分
であり、300mg/m2 を超えると溶接性が低下する
傾向がある。また、必要により(d)コロイダルシリカ
を配合することが耐食性の面から好ましい。コロイダル
シリカとしては粒子状あるいは鎖状の水分散体が好まし
い。
【0019】金属板への処理方法としてはロールコータ
ーによる塗布、リンガーロールによる塗布、浸漬及びエ
アーナイフ絞りによる塗布、バーコーターによる塗布、
スプレーによる塗布あるいはカーテンフローによる塗布
等が挙げられる。次に本発明が適用可能な金属板は冷延
鋼板、Zn、Zn−Ni系、Zn−Ni−Co系、Zn
−Ni−Cr系、Zn−Fe系、Zn−Co系、Zn−
Cr系、Zn−Mn、Zn−Al系、Zn−Mg系等の
亜鉛系の電器めっき、溶融めっき、蒸着めっき鋼板、ア
ルミニウムまたはアルミニウム合金めっき鋼板、鉛また
は鉛合金めっき鋼板、錫または錫合金めっき鋼板、さら
にはこれらのめっき槽に少量の異種金属元素あるいは不
純物としてコバルト、タングステン、ニッケル、チタ
ン、クロム、カドミウム、マンガン、鉄、マグネシウ
ム、鉛、アンチモン、錫、銅、ヒ素等の金属を含有させ
たもの、及び/またはシリカ、アルミナ、チタニア等の
無機物を分散させたものが含まれる。さらには、以上の
めっきのうち2種類以上を順次施した多層めっき、ある
いは以上のめっきと他の種類のめっき等を組み合わせた
複合めっきにも適用可能である。また、Ni、Cu、P
b、Sn、Cd、Al、Ti等の金属あるいはこれらの
金属の合金によるめっき鋼板などにも使用することがで
きる。本発明の樹脂クロメート組成物はこのうちとくに
溶融亜鉛めっき鋼板などの加工時にめっきに亀裂が発生
するような母材に対する加工部耐食性に優れている。
【0020】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に例示す
る。実施例中に単に部とあるのは重量部を示す。実施
例、比較例における評価は次の方法により行った。
【0021】1.数平均分子量 ゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)を用いてポリス
チレン換算の数平均分子量を測定した。
【0022】2.ガラス転移点温度 示差走査熱量計(DSC)を用いて、20℃/分の昇温
速度で測定した。サンプルは試料5mgをアルミニウム
押え蓋型容器に入れ、クリンプして用いた。
【0023】3.テストピースの作成 あらかじめアルカリ脱脂した所定の金属めっき金属板上
に、所定の樹脂クロメート水溶液または塗布型クロメー
ト処理水溶液を付着量が乾燥後のクロム換算で40〜6
0mg/m2 になるようにロールで塗布し、所定条件で
乾燥したものをテストピースとした。
【0024】4.加工部耐食性 4.で作成したテストピースを裏面より7mmエリクセ
ン押し出し加工を行い、その後耐食試験を実施した。エ
リクセン押し出し部の白錆の発生状況で評価した。腐食
試験はJIS−Z−2371規格に準拠した塩水噴霧試
験(塩水濃度5%、槽内温度35℃、噴霧圧力20PS
I)によった。120時間と360時間後の発錆状況を
◎、○、△、×、××の5段階で表した。 ◎:白錆発生率 0% 〜1% ○:白錆発生率 1%超〜10% △:白錆発生率 10%超〜30% ×:白錆発生率 30%超〜50% ××:白錆発生率 50%超
【0025】5.耐指紋性 4.で作成したテストピースのクロメート層にワセリン
を塗布し、塗布前後での色差(ΔE)で評価した。色差
が小さいほど耐指紋性に優れる。 ◎: ΔE<0.5 ○: 0.5≦ΔE<1.0 △: 1.0≦ΔE<2.0 ×: 2.0≦ΔE<3.0 ××: 3.0≦ΔE
【0026】6.耐クロム溶出性 4.で作成したテストピースを沸騰水に60分浸漬し、
その前後でのクロム付着量の変化率を測定した。なお、
クロムの付着量は液中に溶出した金属クロムを原子吸光
分析し、浸漬前の表面処理皮膜中の金属クロムに対する
重量%により評価した。 ◎: クロム減少率< 2.0% ○: 2.0%≦クロム減少率< 5.0% △: 5.0%≦クロム減少率<10.0% ×:10.0%≦クロム減少率<20.0% ××:20.0%≦クロム減少率
【0027】ポリエステル樹脂の合成例(A) 攪拌機、コンデンサー、温度計を具備した反応容器にテ
レフタル酸99.6部、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸101部、エチレングリコール111部、テトラブ
チルチタネート0.102部、酢酸ナトリウム1.4部
を仕込み、160℃〜240℃まで4時間かけてエステ
ル化反応を行った。そしてポリエチレングリコール(分
子量1000)42.8部仕込み、210℃にて15分
程攪拌をおこなった。ついで、系内を徐々に減圧してい
き、50分かけて5mmHgまで減圧し、さらに、0.
3mmHg以下の真空下、260℃で15分重縮合反応
を行った。得られたポリエステル樹脂はNMR等の組成
分析の結果、酸成分がモル比でテレフタル酸/5−ナト
リウムスルホイソフタル酸=60/40、グリコール成
分がエチレングリコール/ポリエチレングリコール=9
5/5であった。また、ポリエステル樹脂中の5−ナト
リウムスルホイソフタル酸のイオウ含有量は4.6重量
%で、ポリエチレングリコールの含有量は18重量%で
あった。このポリエステル樹脂の還元粘度は0.13d
l/g、数平均分子量2,200、ガラス転移点温度は
約9℃であった。得られたポリエステル樹脂(A)50
部、イオン交換水450部を攪拌機、コンデンサー、温
度計を具備したフラスコに仕込み、80℃で3時間攪拌
溶解した。ついで、室温まで冷却し、ポリエステル
(A)の水分散体を得た。この水分散体は安定性良好
で、溶液粘度が50cpsの乳白色液体であった。結果
を表1に示す。
【0028】ポリエステル樹脂の合成例(B)〜(I) 合成例(A)と同様にポリエステル樹脂(B)〜(I)
を合成した。結果を表1〜2に示す。
【0029】ポリエステル樹脂の比較合成例(J)〜
(K) 合成例(A)と同様に比較ポリエステル樹脂(J)〜
(K)を合成した。結果を表3に示す。
【0030】アクリルエマルジョンの比較合成例(L) 脱イオン水400部を反応槽に入れて液温度を60℃に
上昇させ、メチルメタアクリレート80部、スチレン8
0部、ブチルアクリレート188部、メタアクリル酸2
0部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル32部と過硫酸
アンモニウム4部を脱イオン水96部に溶解した液と酸
性亜硫酸ソーダ11部を脱イオン水89部に溶解した液
とを同時並行に2時間で終了するように攪拌しながら滴
下した後、引き続き60℃にて3時間攪拌しながら重合
反応を行った。以下同様な方法で(O)〜(P)を合成
した。結果を表4を示す。
【0031】実施例1 電気亜鉛めっき鋼板(目付量:30mg/m2 )にポリ
エステル樹脂(A)の水分散体100固形部、50%還
元クロム酸を全クロム酸換算で15部、リン酸60部を
配合した樹脂クロメート処理液を塗布し、150℃で乾
燥した。この表面処理鋼板の加工部耐食性は塩水噴霧試
験360時間後においても非常に良好であり、驚くべき
ことに、比較材の無機系の塗布型クロメートより遥かに
良好な耐食性を得た。また、耐クロム溶出性、耐指紋性
も良好であった。結果を表5に示す。
【0032】実施例2〜9 実施例1と同様にポリエステル樹脂(B)〜(I)につ
いて配合し、加工後の裸耐食性、耐クロム溶出性、耐指
紋性を評価した。結果を表5〜6に示す。
【0033】比較例10〜11 実施例1と同様にポリエステル樹脂(J)〜(M)につ
いて配合し、加工後の裸耐食性、耐クロム溶出性、耐指
紋性を評価した。結果を表7に示す。
【0034】比較例12〜16 実施例1と同様にアクリル樹脂を用いて配合し、加工後
の裸耐食性、耐クロム溶出性、耐指紋性を評価した。結
果を表8に示す。
【0035】比較例17〜18 比較例として塗布型クロメートを準備し、加工後の裸耐
食性、耐クロム溶出性、耐指紋性を評価した。結果を表
9に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】
【表7】
【0043】
【表8】
【0044】
【表9】
【0045】
【発明の効果】本発明のポリエステル水系樹脂を主体と
する樹脂クロメート組成物を各種金属めっき金属板また
は金属板に塗布することにより、従来、技術的に両立が
困難であった加工部の裸耐食性と耐クロム溶出性のいず
れにも極めて優れ、高いレベルで満足されるとともに、
耐指紋性にも優れた外観品位の良好な樹脂クロメート表
面処理金属板が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小田島壽男 岡山県岡山市金岡東町3丁目1番11号 (72)発明者 高橋 智三 岡山県岡山市金岡東町3丁目1番10号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)全酸成分のうちの芳香族ジカルボ
    ン酸が30モル%以上であるポリエステル樹脂の水溶液
    および/または水分散体と、(b)水溶性クロム化合
    物、(c)1種以上の鉱酸とを含有することを特徴とす
    る樹脂クロメート組成物。
  2. 【請求項2】 (a)全酸成分のうちの芳香族ジカルボ
    ン酸が30モル%以上であるポリエステル樹脂の水溶液
    および/または水分散体と、(b)水溶性クロム化合
    物、(c)1種以上の鉱酸、および(d)コロイダルシ
    リカとを含有することを特徴とする樹脂クロメート組成
    物。
  3. 【請求項3】 ポリエステル樹脂が、共重合成分として
    分子量500〜20,000のポリアルキレンオキサイ
    ドを10〜80重量%含有し、かつスルホン酸金属塩基
    をイオウとして0.1〜8重量%含有し、数平均分子量
    が1000〜50,000である請求項1または2の樹
    脂クロメート組成物。
  4. 【請求項4】 金属板の上に請求項1または2の樹脂ク
    ロメート組成物から得られる皮膜を金属クロム換算で5
    〜300mg/m2 有することを特徴とする表面処理金
    属板。
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