JPH0929832A - フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

フィルムおよびその製造方法

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JPH0929832A
JPH0929832A JP18177295A JP18177295A JPH0929832A JP H0929832 A JPH0929832 A JP H0929832A JP 18177295 A JP18177295 A JP 18177295A JP 18177295 A JP18177295 A JP 18177295A JP H0929832 A JPH0929832 A JP H0929832A
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film
aqueous solvent
film according
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Kenichi Okubo
賢一 大久保
Nobuaki Ito
伸明 伊藤
Wasuke Yoneyama
和祐 米山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高弾性率を有し、かつドロップアウトの少な
い、優れたデ−タストレ−ジ用フィルムおよびその製造
方法を提供する。 【解決手段】有機高分子体からなるフィルムの少なくと
も片面に存在する付着斑の最大径をR(μm)、付着斑
の個数をA(個/m2 )としたとき、下記式を満足する
ことを特徴とするフィルム。 R>300を満足する付着斑の個数が、A≦1

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無欠点性の優れたフ
ィルム、特に磁気記録媒体用、さらにはコンピュ−タの
メモリ−用途であるデジタルデ−タストレ−ジ用に好適
に用いられるフィルムおよびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオテ−プ、デ−タメモリ−用
テ−プなどの磁気記録媒体では高密度記録化が要求さ
れ、特公平3−26453号公報などの方法が提案され
ている。またそのベ−スフィルムについては平坦性、無
欠点性などが特に要求され、例えば特開昭58−155
940号公報などが提案されている。また特に近年、テ
−プは長時間化の傾向にあり、そのベ−スフィルムの薄
膜化および高弾性化が望まれている。例えば特公平5−
59813号公報などにポリエチレン−2,6−ナフタ
レ−トを使用した、また特公昭55−34494号公
報、特公平2−27426号公報、特公平2−5146
3号公報などに芳香族ポリアミドを用いた磁気記録媒体
が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
手段を用いる場合に以下の問題がある。第1に、デジタ
ルデ−タストレ−ジ用途などの高密度磁気記録媒体は、
ヘッドタッチ性向上が求められるため、その基材フィル
ムは高弾性化が求められるが、従来のオ−ディオ用ある
いは一般ビデオ用テ−プ用途の基材フィルムではその要
求に答えられない。
【0004】第2に、芳香族ポリアミドや芳香族ポリイ
ミドなどの一般的な製造方法としていわゆる湿式工程を
通過せしめた際に、フィルムの表面に水滴が残り、これ
に溶存している例えばカルシウムイオンやナトリウムイ
オンを含む無機化合物あるいは有機化合物が水分の蒸発
により析出し、付着斑、いわゆる「水垢」となる。この
ような付着斑は、磁気テ−プなどの磁気記録媒体とした
際に、重要な電磁変換特性であるドロップアウトの原因
となる懸念があり、その改善が必要であった。以上の理
由から、従来の手法では実際の使用の上での要求を満た
すことは困難であった。
【0005】すなわち本発明はフィルム上に発生する付
着斑を規制、効果的に除去することで磁気記録媒体とし
たときのドロップアウトの低減をはかることを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる問題点を解決する
ために、本発明は以下の構成からなる。すなわち有機高
分子体からなるフィルムの少なくとも片面に存在する付
着斑の最大径をR(μm)、該付着斑の個数A(個/m
2 )としたとき、下記式(1) を満足することを特徴とす
るフィルムに関することである。
【0007】 R>300を満足する付着斑の個数Aが、A≦1 (1) また、本発明は水系溶剤を充填した水槽にフィルムを通
過せしめる工程を有するフィルムの製造方法において、
該水槽の出口部にフィルム表面に付着した水系溶剤を除
去する手段を具することを特徴とするフィルムの製造方
法に関することである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のフィルムを構成する有機
高分子体には、従来公知の有機高分子体が使用される
が、主としてポリエチレンテレフタレ−トやポリエチレ
ン−2,6−ナフタレ−トなどのポリエステル、あるい
は芳香族ポリアミド、または芳香族ポリイミドが好まし
く、さらに好ましくは、芳香族ポリアミドまたは芳香族
ポリイミドである。
【0009】本発明で言う芳香族ポリアミドとは、次の
一般式(I)および/または一般式(II)で表される繰
り返し単位を50モル%以上、好ましくは70モル%以
上含むものからなる。
【0010】一般式(I)
【化1】 一般式(II)
【化2】 ここでAr1 、Ar2 、Ar3 は、例えば、
【化3】 などが挙げられ、X、Yは−O−、−CH2 −、−CO
−、−SO2 −、−S−、−C(CH3 2 −等から選
ばれるが、これに限定されるものではない。更にこれら
の芳香環上の水素原子の一部が、塩素、フッ素、臭素な
どのハロゲン基(特に塩素)、ニトロ基、アルキル基、
アルコキシル基などの置換基で置換されているものも含
み、また、重合体を構成するアミド結合中の水素が他の
置換基によって置換されているものも含む。なお、Ar
1 、Ar2 、Ar3 は同じかまたは異なってもよい。ま
たこれらは2種以上の共重合体であっても良いし、混合
体であっても良い。さらに上記以外の芳香族または脂肪
族の共重合成分を50モル%未満の割合で共重合されて
いても良い。ここで共重合可能な成分としてはシクロヘ
キシレンなどの脂環式化合物、ヘキシレンなどの脂肪族
化合物を挙げることができる。また上記の芳香環がパラ
位で結合されたものが、全芳香環の50モル%以上、好
ましくは75モル%以上をを占める重合体が、フィルム
のヤング率が高く耐熱性も良好となるため好ましい。ま
た芳香環上の水素原子の一部がハロゲン基(特に塩素)
で置換された芳香環が全体の30モル%以上であると耐
湿性が向上し、吸湿による寸法変化、剛性低下などの特
性が改善されるために好ましい。
【0011】また、本発明で言う芳香族ポリイミドと
は、重合体の繰り返し単位の中に芳香環とイミド環を1
つ以上含むものであり、一般式(III )および/または
一般式(IV)で表される繰り返し単位を50モル%以
上、好ましくは70モル%以上含むものである。
【0012】一般式(III )
【化4】 一般式(IV)
【化5】 ここでAr4 、Ar6 は少なくとも1個の芳香環を含
み、イミド環を形成する2つのカルボニル基は芳香環上
の隣接する炭素原子に結合している。このAr4 は、芳
香族テトラカルボン酸あるいはこの無水物に由来する。
代表例としては次のようなものが挙げられる。
【0013】
【化6】 ここでZは−O−、−CH2 −、−CO−、−SO
2 −、−S−、−C(CH3 2 −等から選ばれるが、
これに限定されるものではない。またAr6 は無水カル
ボン酸あるいはこのハライドに由来する。Ar5 、Ar
7 は例えば、
【化7】 などが挙げられ、X、Yは、−O−、−CH2 −、−C
O−、−SO2 −、−S−、−C(CH3 2 −等から
選ばれるが、これに限定されるものではない。更にこれ
らの芳香環上の水素原子の一部が、塩素、フッ素、臭素
などのハロゲン基(特に塩素)、ニトロ基、アルキル
基、アルコキシル基などの置換基で置換されているもの
も含み、また、重合体を構成するアミド結合中の水素が
他の置換基によって置換されているものも含む。また本
発明の芳香族ポリイミドには他の繰り返し単位が共重
合、あるいは単に混合されていても良い。
【0014】なお、本発明のフィルムを得るためには、
湿式法、乾湿式法、半乾半湿式法のいずれかの溶液製膜
方法を採ることが好ましい。すなわち、これらの製膜方
法では製膜途中のフィルムを水系溶剤を充填した水槽に
通過せしめる工程、いわゆる湿式工程を経るために、フ
ィルム中の溶媒や無機塩などの抽出が可能となるからで
ある。本発明で言う水系溶剤とは、水を50重量%以上
含有する液体を指す。
【0015】また、本発明の有機高分子体には、フィル
ムの物性を損なわない程度に滑剤、酸化防止剤、帯電防
止剤その他の添加剤等が添加されていても良い。
【0016】本発明の有機高分子体からなるフィルムの
少なくとも一方向のヤング率が900kg/mm2 以上
であることが好ましい。すなわち磁気テ−プの出力は、
テ−プと磁気ヘッドのヘッドタッチ性の向上に伴って上
がるが、そのために基材フィルムは高ヤング率であるこ
とが求められる。記録方法が固定ヘッド方式の場合は長
手方向に、ヘリカルスキャン方式の場合は幅方向に高ヤ
ング率であることが特に必要であり、基材フィルムのい
ずれの方向のヤング率も900kg/mm2 未満であれ
ば、いずれの記録方式を採用しても高出力は得られない
ので好ましくない。なお基材フィルムの少なくとも一方
向のヤング率は、好ましくは1000kg/mm2
上、特に好ましくは1100kg/mm2 以上である。
なお、すべての方向のヤング率が900kg/mm2
上であることが好ましいのは言うまでもない。また、本
発明に好ましいヤング率を達成するため、有機高分子体
からなるフィルムに非磁性あるいは磁性金属の層を設け
ても良い。
【0017】本発明の有機高分子体からなるフィルムの
一方の面は、電磁変換特性の向上のため平滑な面である
ことが好ましく、中心線平均粗さRaが0.010μm
未満、より好ましくは0.008μm未満、さらに好ま
しくは0.006μm未満であることが好ましい。な
お、他方の面は電磁変換特性の向上と走行性向上の両方
を満たすため、中心線平均粗さRaで0.005〜0.
030μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.00
5〜0.020μmの範囲である。この表面粗さを達成
するために、本発明のフィルムに粒子を含有せしめても
良い。すなわち粒子径が10〜500nm、さらに好ま
しくは50〜400nmの範囲であり、材料としては、
有機高分子からなる粒子、あるいは無機粒子、あるいは
表面に有機高分子の被膜を施した無機粒子あるいは有機
粒子が挙げられる。該粒子の形状については球状粒子で
あることが好ましい。またフィルム表面に形成する突起
の高さを均一にするために、該粒子の粒度分布は相対標
準偏差で0.5以下であることが特に好ましい。該粒子
の含有量は0.001〜3重量%、好ましくは0.01
〜1重量%である。該粒子を有機高分子体に含有せしめ
る方法としては、重合前、重合中、重合後のいずれに添
加しても良い。なお、本発明の有機高分子体からなるフ
ィルムは、少なくとも2層以上からなる積層フィルムで
あることが好ましい。
【0018】また、本発明の有機高分子体からなるフィ
ルムの少なくとも一つの面にセルロ−ス等の水溶性高分
子や、コロイダルシリカ、酸化アルミニウム、架橋ポリ
ビニルベンゼン等の微細粒子、あるいはその両方の水性
塗液を塗布せしめてなる塗膜を形成しても良い。
【0019】本発明の有機高分子体からなるフィルム
は、少なくとも片面に存在する付着斑の最大径をR(μ
m)、付着斑の個数をA(個/m2 )としたとき下記式
(1) を満足する必要がある。
【0020】 R>300を満足する付着斑の個数Aが、A≦1 (1) ここで付着斑とは、フィルム表面に固着している円形、
楕円形あるいは不定形の斑点状物であり、フィルム自体
の凹凸の変形やフィルム内部に存在する異物とは異な
る。このような斑点状物が発生する原因としては、フィ
ルムから水系溶剤中に溶解したり、もともと酸化物や
塩、あるいは錯塩の形で水系溶剤中に溶存していたリチ
ウムやナトリウム等の周期律表第I族元素および/又は
カルシウムやマグネシウム等の周期律表第II族元素から
なる化合物が、鉄、銅あるいは鉛などの重金属、ケイ
素、アルミニウムあるいはホウ素など軽元素の単体ある
いは化合物、あるいは有機物などを含有して水分の蒸発
に伴って析出して発生するものと考えられる。該付着斑
が上記の式を満さない場合は、磁性層を設けてテ−プと
した際に、磁性層の脱落によるドロップアウトが多発す
る。なお、好ましくは、本発明の有機高分子体からなる
フィルムの、少なくとも片面の、最大径がR(μm)で
ある付着斑の個数A(個/m2 )が下記式(2) 〜(4) を
満足することである。
【0021】 R>300を満足する付着斑の個数Aが、A=0 (2) R>200を満足する付着斑の個数Aが、A≦3 (3) R>100を満足する付着斑の個数Aが、A≦6 (4) 特に好ましくは、本発明の有機高分子体からなるフィル
ムの、少なくとも片面の、最大径100μm以上の付着
斑の個数が皆無であることである。
【0022】また本発明は、水系溶剤を充填した水槽に
フィルムを通過せしめる工程を有するフィルムの製造方
法において、該水槽の出口部にフィルム表面に付着した
水系溶剤を除去する手段を具することを特徴とするフィ
ルムの製造方法である。
【0023】本発明のフィルムの製造方法は、水槽の出
口部にフィルム表面に付着した水系溶剤を除去可能でき
る水系溶剤の除去手段を用いる必要がある。すなわち、
水系溶剤の除去手段がなければ、水系溶剤がフィルム表
面に付着した状態でステンタ−等で乾燥をうけるため、
フィルムに付着した水系溶剤中に含まれる、例えば前述
した周期律表第I族元素および/又は周期律表第II族元
素からなる化合物やその他無機物や有機物が析出して、
付着斑を生じるので好ましくない。
【0024】また、水系溶剤を除去する手段には、除去
された水系溶剤を該手段系外に排除する手段を具するこ
とが好ましい。例えば、スポンジ、羊毛ロール等の様な
吸収、拭き取り手段等では除去した該水系溶剤を該手段
系外に排除できないために、除去した水系溶剤が内部に
蓄積されて飽和し、すぐに除去能力がなくなるため単独
で用いることは好ましくない。
【0025】フィルム表面等から水系溶剤を装置系外に
除去する手段としては、例えば減圧手段を用いてフィル
ム、装置系表面あるいは内部に蓄積される水系溶剤を吸
引する手段、あるいは、ニップロ−ル、エアナイフ、メ
タリングバ−等の表面あるいは内部に水系溶剤が蓄積し
ない手段によるフィルム表面に付着した水系溶剤を掻き
落とす手段などが挙げられるが、上記理由により除去手
段としては掻き落とし手段、吸引手段等から選ばれる少
なくとも一種以上を選択し、必要に応じ吸収、拭き取り
手段等から選ばれる少なくとも一種の手段を組み合わせ
て用いることが望ましく、とりわけ拭き取りと吸引を同
時に実施する機能を有する手段、例えば増田製作所
(株)製の”マスロ−ル(増田製作所の登録商標)”な
どを用いることが特に有効であり好ましい。これら好ま
しい手段は、水分の蒸発を伴わないタイプの水系溶剤の
除去手段であるため、水中に溶存している、前述の周期
律表第I族元素および/又は周期律表第II族元素からな
る化合物や、その他の無機物あるいは有機物も水系溶剤
と一緒に除去できるため好ましい。
【0026】なお水系溶剤の除去後のフィルム表面の水
系溶剤の付着量は、フィルム1枚について両面あわせて
面積当たり1.0g/m2 未満が好ましく、より好まし
くは0.5g/m2 未満、さらに好ましくは0.1g/
2 未満、さらに好ましくは0.05g/m2 未満であ
る。ここで、水系溶剤の除去後のフィルム表面の水系溶
剤の付着量は、水系溶剤の除去直後のフィルムの重量を
測定し、その後フィルムの両面を布拭きして、その重量
変化を調べ、フィルムの面積で割って得る。
【0027】本発明のフィルムの製造方法において、水
系溶剤に含有される蒸発残留物量は200mg/l未満
であることが好ましい。すなわち、蒸発残留物量が20
0mg/l以上であれば、前述の水系溶剤除去の手段を
用いても付着斑の個数が前述の式を満たすことができな
い可能性があり好ましくない。より好ましくは、水系溶
剤の蒸発残留物量が100mg/l未満であり、さらに
好ましくは水系溶剤の蒸発残留物量が50mg/l未満
である。なお、水系溶剤の蒸発残留物量の測定方法につ
いては、日本工業規格「工業用水試験法」JIS K0
101に記載の方法にて測定する。なお、上記の水系溶
剤の蒸発残留物量を200mg/l未満とする方法とし
て、従来公知の精製方法を用いて精製することができ、
蒸留による水系溶剤の精製、濾過の強化による水系溶剤
の精製、吸着材を用いた水系溶剤の精製、電気的な水系
溶剤の精製、製氷による水系溶剤の精製、生物的な水系
溶剤の精製、あるいは化学反応によって残留物を分解す
る方法や、あるいはこれらの方法の組み合わせが好まし
いが、例えば下記に挙げる方法が実際的であり好まし
い。
【0028】第1の方法として、水系溶剤が、少なくと
も一度以上、20μm未満の濾過精度のフィルタ−を通
過していることが好ましい。ここで言うフィルタ−の濾
過精度とは、粒子をポリマ−あるいは溶媒などに分散
し、フィルタ−を通過させた時に、丁度95%の確率で
フィルタ−上に補足される粒子の粒径として定義する。
当然この濾過精度の値が小さくなるほど、より小さな異
物の除去が可能となる。フィルタ−の濾過精度は好まし
くは15μm未満、より好ましくは10μm未満、さら
に好ましくは5μm未満である。
【0029】次に、第2の方法として、水系溶剤が、少
なくとも一度以上イオン交換手段、蒸留手段および逆浸
透手段から選ばれる手段のうち少なくとも1種類以上を
通過していることが好ましい。なおイオン交換手段、蒸
留手段、および逆浸透手段から選ばれる1種類以上の手
段は、前述のフィルタ−と組み合わせて用いても良い。
【0030】また、有機高分子体が溶液あるいは溶融状
態であるときには、濾過精度4μm未満のフィルタ−を
通過せしめて、ポリマ−中の粗大異物を除去せしめても
良い。
【0031】また、キャスティングおよび延伸装置の雰
囲気を、周囲をエアフィルタ−にて覆う方法、あるいは
いわゆるクリ−ンル−ム化を採用することができる。こ
の際の雰囲気のクリ−ン度は、好ましくはアメリカ連邦
規格Fed.Std.209Bに定めるクリ−ンル−ム
規格で、クラス1000よりクリ−ンであることであ
る。
【0032】次に具体的に例をあげて本発明のフィルム
及びその製造方法について説明するが本発明はこれに限
定されるものではない。
【0033】まず、有機高分子体として芳香族ポリアミ
ドを使用する場合は、N−メチルピロリドン、ジメチル
アセトアミドなどの非プロトン性有機溶媒中で酸クロラ
イドとジアミンの溶液重合にて得る。この際に発生する
塩化水素は水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化
リチウム、炭酸リチウムなどの無機の中和剤あるいはエ
チレンオキサイド、トリエチルアミン、ジエタノ−ルア
ミンなどの有機の中和剤によって中和する。これらのポ
リマ溶液はそのまま製膜原液として使用しても良く、ま
た、一旦単離したのち有機溶剤あるいは硫酸などの無機
溶剤に再溶解して用いても良い。また表面粗さの調整な
どのため、粒子を添加する場合は、この際に添加するこ
とが好ましい。なお添加方法および希釈方法は公知の方
法が適用できる。このようにして得られた製膜原液を、
いわゆる溶液製膜法によってフィルム化する。なお、溶
液製膜法には乾湿式法、乾式法、湿式法、半乾半湿式法
などがあり、特に乾湿式法、湿式法、半乾半湿式法な
ど、途中に湿式工程を経る方法が好ましい。なおここで
は乾湿式法を例にとって説明する。まず製膜原液を口金
からドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し出し
て薄膜とし、次いでかかる薄膜層から溶媒を飛散させ薄
膜自体が自己支持性を持つまで乾燥する。続いて該薄膜
を支持体から剥離し、水中を通過させ脱塩、脱溶媒す
る。この際に該薄膜の延伸を行っても良い。水中を通過
させた後、ニップロ−ル、エアナイフ、メタリングバ
−、布等による拭取り手段、掻き取り手段、あるいはマ
スロ−ルなど吸引手段にて該薄膜表面の付着水分の除去
を行う。続いてステンタ−にて該薄膜の両端を把持した
状態で、該薄膜の内部の水分の乾燥、および幅方向の延
伸を実施し、さらに100〜400℃の温度範囲で5秒
間以上熱処理し、最終的には所定の幅に裁断し製品とす
る。
【0034】本発明の有機高分子体からなるフィルム
は、磁気記録媒体用途に好適に用いることができる。磁
気記録媒体とするには、該フィルムの表面に磁性体粉末
を含んだ高分子バインダ−を塗布する方法、あるいはコ
バルト等の磁性金属を減圧下で蒸着する方法によって磁
性体を施し、表面処理などを施した後に所定の幅に裁断
し、カセット等に組み込み製品とする。このようにして
得られたテ−プは、コンピュ−タメモリ−用のデジタル
デ−タストレ−ジ用途に特に好適である。
【0035】
【実施例】本発明の特性値は次の測定法、評価基準によ
るものである。
【0036】ヤング率の測定 フィルムを試料幅10mm、長さ150mmに切断し、
チャック間100mmにして引張速度300mm/分、
チャ−ト速度500mm/分にて、インストロンタイプ
の万能引張試験装置で引張る。得られた荷重−伸び曲線
の立上がり部の接線よりヤング率を求める。
【0037】表面粗さ(Ra) 小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用い
て測定した。条件は下記のとおりであり、20回の測定
の平均値をもとめた。
【0038】・触針先端半径:0.5μm ・触針荷重 :5mg ・測定長 :0.5mm ・カットオフ値:0.08mm なお、Raの定義は、たとえば奈良治郎著「表面粗さの
測定・評価法」(総合技術センタ−、1983)に示さ
れているものである。
【0039】基材フィルムの付着斑の個数 まず得られたフィルムに、偏光を通過させ、その上から
偏光板にて最も暗くなる状態としてフィルムを観察す
る。該フィルム中の偏光の状態が著しく変化している部
分をサンプリングし、顕微鏡にて観察し、そのうち円
形、楕円形あるいは不定形の斑点を付着斑として選別す
る。ここで、フィルム自体の変形やフィルム内部の異物
はこの数には含まない。求めた付着斑個数をフィルム1
2 での個数に換算した。また、付着斑の最大径Rは該
付着斑の端から端までの距離のうち最大のものと定義
し、顕微鏡写真から求めた。
【0040】また、付着斑中の周期律表第I族元素、周
期律表第II族元素の存在は、サンプリングした付着斑を
蛍光エックス線分析法にて分析し、そのうち周期律表第
I族元素、周期律表第II族元素のスペクトルの検出の有
無で調べた。
【0041】ドロップアウトの測定 得られたフィルムの磁性面側に、以下の組成からなる磁
性塗料を乾燥後の膜厚で2μmとなるように塗設した。
【0042】・γ−Fe2 3 微粉末:200重量部 ・ポリウレタン樹脂 : 30重量部 ・ニトロセルロ−ス : 10重量部 ・塩化ビニル : 10重量部 ・ポリイソシアネ−ト : 5重量部 (溶媒:メチルエチルケトン)このようにして得られた
磁性層塗設後のフィルムを、1/2インチにスリットし
カセットに組み込み、松下電器(株)製NV−3700
型ビデオデッキを用いて、常速にて4.4メガヘルツの
信号を記録し、該テ−プを再生し、大倉インダストリ−
(株)製ドロップアウトカウンタ−にて15μsec−
20dBにおけるドロップアウト数を20分間測定し、
1分間当たりのドロップアウト数(個/分)に換算し
た。
【0043】次に実施例に基づき本発明を更に詳細に説
明する。
【0044】実施例1 N−メチルピロリドン(NMP)3200部に2−クロ
ルパラフェニレンジアミン114部、4,4’−ジアミ
ノジフェニルエ−テル40部を溶解させ、これに2−ク
ロルテレフタル酸クロリド237.5部を添加し、2時
間撹拌し重合した。これを水酸化リチウムで中和して、
ポリマ−濃度10重量%、粘度3000ポイズの芳香族
ポリアミド溶液を得た。この溶液に、一次粒径16nm
の乾式シリカをポリマ当たり2重量%添加した。
【0045】このようにして得られたポリマ−溶液を用
いて、クリ−ン度がクラス1000の製膜室内で製膜し
た。まずこのポリマ−溶液を濾過精度4μmのフィルタ
−で濾過した後にベルト上に流延し、180℃の熱風で
2分間加熱して溶媒を蒸発させ、自己支持性を得たフィ
ルムをベルトから連続的に剥離した。次に蒸発残留物量
が150mg/lである水を満たした水槽内へフィルム
を導入して残存溶媒と中和で生じた無機塩の水抽出を行
った。この際にフィルムの長手方向に1.2倍に延伸を
実施した。水抽出終了後、ニップロ−ルにてニップ圧4
20Kgf/m、フィルム速度15m/分の条件にてフ
ィルム表面の付着水分を除去し、さらに増田製作所
(株)製の”マスロール”にてフィルム両面の残りの水
分を除去した。続いて、280℃のステンタ−にて乾
燥、幅方向に1.3倍に延伸、および熱処理を、合計
1.5分間行い、20℃/秒の速度で徐冷した。最終的
に、厚さ5μm、長さ1000mの芳香族ポリアミドフ
ィルムを得た。得られたフィルムはテ−プにした際、ド
ロップアウトが、0.4個/分と少なく良好であった。
【0046】実施例2 実施例1において、水抽出終了後、ニップロ−ルに代え
て、エアナイフを用いる他は、実施例1と同じ方法で本
発明を実施した。実施例1と同様に、テ−プにした際の
ドロップアウトは、0.4個/分と少なく良好であっ
た。
【0047】実施例3 実施例1において、フィルム長手方向の1.2倍の延伸
に対して1.15倍の延伸に、幅方向の1.3倍の延伸
に対して1.4倍延伸する他は、実施例1と同じ方法で
本発明を実施した。実施例1に比べ、幅方向の高ヤング
率が得られ、また実施例1と同様に、テ−プにした際の
ドロップアウトは、0.4個/分と少なく良好であっ
た。
【0048】実施例4 実施例1において、水抽出終了後、ニップロ−ルに代え
て、羊毛フェルトロ−ルを用いる他は、実施例1と同じ
方法で本発明を実施した。テ−プにした際のドロップア
ウトは、0.5個/分と少なく良好であった。
【0049】実施例5 実施例1において、水抽出に使用する水槽の水を、初め
にイオン交換装置を通過させ、その後に濾過精度15μ
mのフィルタ−を通過させ、蒸発残留物を10mg/l
とした他は、実施例1と同じ方法で本発明を実施した。
実施例1に比べ、テ−プにした際のドロップアウトは、
0.2個/分とさらに少なく良好であった。
【0050】実施例6 実施例1において、水抽出終了後、ニップロ−ルに代え
てスポンジを用い、また、”マスロール”を用いずにス
テンタ−にて乾燥、幅方向に1.3倍に延伸および熱処
理する他は、実施例1と同じ方法で本発明を実施した。
初期の30分間はフィルム上の付着斑は少なく良好であ
ったが、30分経過後からは付着斑が次第に多くなって
いった。この時のフィルムは実施例1に比べ、テ−プに
した際のドロップアウトは、2.0個/分とやや多かっ
た。
【0051】比較例1 実施例1において、水抽出終了後、ニップロ−ルで表面
の付着水分を除去せず、また”マスロール”も用いずに
ステンタ−にて乾燥、幅方向に1.3倍に延伸、および
熱処理する他は、実施例1と同じ方法で本発明を実施し
た。実施例1に比べ、テ−プにした際のドロップアウト
は、3.4個/分と多かった。
【0052】比較例2 実施例1において、蒸発残留物量が150mg/lであ
る水の代わりに、蒸発残留物量が300mg/lである
水を用い、水抽出終了後にニップロ−ルで表面の付着水
分を除去せず、また”マスロ−ル”も用いずにステンタ
−にて乾燥、幅方向に1.3倍に延伸、および熱処理す
る他は、実施例1と同じ方法で本発明を実施した。実施
例1に比べ、テ−プにした際のドロップアウトは、4.
0個/分と更に増加した。
【0053】比較例3 実施例1において、水抽出終了後、ニップロ−ルで表面
の付着水分を除去する代わりにラジエ−ションヒ−タ−
で表面を乾燥させ、また”マスロール”は用いずにステ
ンタ−にて乾燥、幅方向に1.3倍に延伸、および熱処
理する他は、実施例1と同じ方法で本発明を実施した。
実施例1に比べ、テ−プにした際のドロップアウトは、
3.5個/分と多かった。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明のフィルムは、有機高分子体から
なる無欠点性の優れた基材フィルムとして得ることがで
き、ドロップアウトの少ない、特に詳しくはデ−タスト
レ−ジ用途に適したフィルムとして得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 C08L 67:00 77:10 79:08

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機高分子体からなるフィルムの少なくと
    も片面に存在する付着斑の最大径をR(μm)、該付着
    斑の個数をA(個/m2 )としたとき、下記式(1) を満
    足することを特徴とするフィルム。 R>300を満足する付着斑の個数Aが、A≦1 (1)
  2. 【請求項2】該フィルムの少なくとも一方向のヤング率
    が900kg/mm2 以上であることを特徴とする請求
    項1に記載のフィルム。
  3. 【請求項3】該付着斑に、周期律表第I族元素および/
    又は周期律表第II族元素が含まれることを特徴とする請
    求項1あるいは2に記載のフィルム。
  4. 【請求項4】該フィルムを構成する有機高分子体が芳香
    族ポリアミドまたは芳香族ポリイミドからなることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム。
  5. 【請求項5】該フィルムの少なくとも片面に存在する付
    着斑の最大径をR(μm)、付着斑の個数をA(個/m
    2 )としたとき、下記式(2) 〜(4) を満足することを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム。 R>300を満足する付着斑の個数Aが、A=0 (2) R>200を満足する付着斑の個数Aが、A≦3 (3) R>100を満足する付着斑の個数Aが、A≦6 (4)
  6. 【請求項6】該フィルムが磁気記録媒体用途に用いられ
    るものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    に記載のフィルム。
  7. 【請求項7】水系溶剤を充填した水槽にフィルムを通過
    せしめる工程を有するフィルムの製造方法において、該
    水槽の出口部にフィルム表面に付着した水系溶剤を除去
    する手段を具することを特徴とするフィルムの製造方
    法。
  8. 【請求項8】水系溶剤を除去する手段により除去された
    水系溶剤を手段系外に排除する手段を具することを特徴
    とする請求項7に記載のフィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】水系溶剤の除去手段が掻き落とし手段、拭
    取り手段および吸引手段から選ばれた少なくとも1種類
    以上であることを特徴とする請求項7あるいは8に記載
    のフィルムの製造方法。
  10. 【請求項10】湿式法、乾湿式法、半乾半湿式法のいず
    れかの溶液製膜方法に用いることを特徴とする請求項7
    〜9のいずれかに記載のフィルムの製造方法。
  11. 【請求項11】水系溶剤中に含まれる蒸発残留物量が2
    00mg/l未満であることを特徴とする請求項7〜1
    0のいずれかに記載のフィルムの製造方法。
  12. 【請求項12】水槽に充填された水系溶剤が少なくとも
    一度20μm未満の濾過精度を有するフィルタ−を通過
    していることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに
    記載のフィルムの製造方法。
  13. 【請求項13】水槽に充填された水系溶剤が少なくとも
    一度以上イオン交換手段、蒸留手段および逆浸透手段か
    ら選ばれた少なくとも1種類以上の手段を通過している
    ことを特徴とする請求項7〜12のいずれかに記載のフ
    ィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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