JPH09306036A - 回転式情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

回転式情報記録媒体及びその製造方法

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JPH09306036A
JPH09306036A JP8143512A JP14351296A JPH09306036A JP H09306036 A JPH09306036 A JP H09306036A JP 8143512 A JP8143512 A JP 8143512A JP 14351296 A JP14351296 A JP 14351296A JP H09306036 A JPH09306036 A JP H09306036A
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Application number
JP8143512A
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English (en)
Inventor
Etsuo Shibazaki
悦男 芝崎
Nobuo Takatsu
伸夫 高津
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Sony Music Solutions Inc
Original Assignee
Sony Disc Technology Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示部の印刷層による回転アンバランスを解
消し、高速回転の際の回転アンバランスによるトラック
ずれを小さくしてトラッキングを可能にし、高速回転に
対応できるCD−ROM用の光ディスクの如き回転式情
報記録媒体を提供すること。 【解決手段】 CD−ROM用の光ディスク9の表面の
半円形領域に設けられた表示部31の印刷層34に対し、残
りの半円形領域の非表示部32に透明印刷層35を設け、印
刷層34による回転アンバランスを透明印刷層35によって
相殺し、回転バランスを保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転式情報記録媒
体及びその製造方法に関し、特に高速再生用のCD−R
OM(コンパクトディスク−リードオンリーメモリ:読
出し専用メモリ用コンパクトディスク)及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近時、コンピュータに用いられる読出し
専用メモリ媒体として、CD−ROMが汎用されるよう
になってきている。
【0003】CD−ROMは、音楽用として開発された
コンパクトディスク(CD)システムをディジタルデー
タのパッケージメディアとして利用したものである。即
ち、音響用のCDは直径12cmの1枚の光ディスクからな
り、ハイ−ファイステレオ音楽を最長約75分間ディジタ
ルコードで記録したものであるが、これをベースにして
フォーマット化されたディジタルデータをコンピュータ
内で利用することができる。
【0004】CD−ROMは、ディスク1枚でフロッピ
ーディスクの 500〜1000枚分にあたる 600MB(メガビ
ット)の大容量のメモリであり、A4サイズの英文印字
(2000文字/枚)で30万枚分、漢字文字で約15万枚分に
相当する。従って、記録情報の再生に際しては、高速再
生ドライブによって高速読み取りを行えることが必要と
なる。
【0005】図19は、CD−ROMドライブに適用可能
な再生システムの一例を示す概略図である(この図で
は、理解を容易にするために、上下を逆にして示してい
る)。
【0006】CD−ROM(以下、ディスク又は光ディ
スクと呼ぶことがある。)10は、モータ30の駆動により
回転し、その裏面側には、スパイラル状にトラック11
(トラックピッチは 1.6μm)が内周と外周との間に設
けられている。1周分のトラックは1トラック分の信号
がピットとして記録され、また複数に分けられたセクタ
にはアドレスがそれぞれ付けられている。
【0007】情報はトラックに沿って設けられたピット
2として記録されているが、その情報の再生に際して
は、ピックアップ(光学ヘッド)12からレーザ光L0
トラック11に照射し、その反射光をフォトディテクタ18
で受光し、ピット2の有無による反射光強度の差を検出
し、これをプリアンプ23で増幅し、復調回路24で復調
し、再生信号25として出力する。
【0008】ピックアップ12内には、フォトディテクタ
18の他に、レーザ光を発する半導体レーザ13、集光レン
ズ14、反射光をフォトディテクタ18に導くビームスプリ
ッタ15、対物レンズ16及び後述の2軸アクチュエータ17
が設けられている。ディスク10の回転は、ディスク回転
サーボ回路90により各トラック再生時の線速度を一定に
するCLV(Constant Linear Velocity)方式が採用さ
れる。
【0009】情報の再生に際しては、レーザ光L0 を所
定のトラックに導くことと、トラックに焦点を結ぶこと
とが必要である。これらのサーボ技術は、前者がトラッ
キングサーボ、後者がフォーカシングサーボと呼ばれ
る。
【0010】トラックアクセスのためには、ピックアッ
プ12全体をディスク10の半径方向に移動させるリニアモ
ータ26による粗動と、ピックアップ12内のアクチュエー
タ17aによるレーザ光L0 の上記半径方向の微動(トラ
ッキングサーボコントロール)とが必要である。他方、
フォーカシングサーボは、アクチュエータ17bを用いて
対物レンズ16を上下に粗微動させて行う。即ち、アクチ
ュエータ17は2軸アクチュエータとしてのボイスコイル
から構成されているので、トラッキング及びフォーカシ
ングの両サーボをそれぞれ行え、ディスクに配列されて
いるピットを正確になぞることが可能な構造になってい
る。
【0011】図20は、3ビーム方式によるオートトラッ
キングサーボ信号検出の機構を示す概略図である。
【0012】即ち、図19に示した半導体レーザ13と対物
レンズ16との間のレーザビーム光路中に回折格子21を入
れることによって、0次、±1次の回折光L0 、L+
-を作り、これらの回折光を対物レンズ16によって、
トラック11上でG0 、G+ 、G- のスポットに集光させ
る。それぞれの反射光は、フォトディテクタ18の3分割
光検知器18a、18b、18cで受光する。
【0013】ディスク回転などが原因でトラック11が図
面左右に動くと、それに応じてG+、G- がトラック11
のピット2にかかる量が変わるので、出力It =I+
-の低周波成分を差動増幅器20から出力させ、トラッ
クずれを検出することができる。この検出結果から、図
19に示したオートトラッキング回路(オートフォーカシ
ングも可)22を駆動させ、It がゼロになるようにアク
チュエータ17aにより対物レンズ16の位置を微調整す
る。オートフォーカシングは、フォトディテクタ18の中
央部の光検知器18aの4つの出力の組み合わせで得た制
御信号IF に基づいて、対物レンズ16をアクチュエータ
17bによって行う。
【0014】図21は、CD−ROMを構成する光ディス
ク10を示し、同図(a)はその平面図、同図(b)は同
図(a)のb−b線断面図である。
【0015】図21(b)に示すように、透明基板1には
信号ピット2(図20参照)が記録され、その上に、アル
ミニウム又はアルミニウム合金の光反射膜7が形成さ
れ、更に、その上に透明な保護膜8が被着されて、光デ
ィスク10が構成されている。
【0016】ディスク10の表面(レーザ光が入射しない
側の面)においては、その 1/2に相当するほぼ半円形パ
ターンの領域が、記録された情報の内容を視認できるた
めの表示部31がスクリーン印刷34によって設けられてい
るが、残りのほぼ半円形パターンの領域には印刷が施さ
れておらず、非表示部33となっている。
【0017】表示部31の内径r1 は16.5mm、外径r2
60.0mm、表示部31の印刷厚さは10μm、印刷材料の密度
は 1.5であってよい。また、非表示部33では、ディスク
の光反射膜7による金属光沢が透明な保護膜8を通して
観察され、美観を呈したものとなっている。
【0018】
【発明に至る経過】CD−ROMでは、高速再生(読出
し)を図るため、ディスク回転速度を標準線速度に対し
て2倍速〜10倍速、更にはそれ以上の速度とすることが
試みられている。ところが、本発明者が種々検討を加え
た結果、図21に示した構造のディスクでは、回転速度が
大きくなると、偏心を起こして回転がアンバランスとな
り、トラッキングが不可能になり易いことを見出した。
以下に、その現象について詳細に説明する。
【0019】図22は、CD−ROMのディスク10が回転
するときの回転アンバランスを説明するための原理図で
あり、同図(a)はディスクを再生装置にセットした回
転前の静止状態の拡大部分断面図、同図(b)は高速回
転時の拡大部分断面図である。
【0020】ディスク10の中央部にはセンターホール36
が設けられ、例えば、その内径D1は15mm、内径D1
寸法交差は+0.1mm とされている。図22(a)に示すよ
うに、センターホール36にスピンドル37を嵌入させてデ
ィスク10をセットしたとき、ディスク10の中心軸線とス
ピンドル37の中心軸線とが正確に一致しているとし、か
つ、スピンドル37の径D2 が正確に15mmであるとする
と、ディスク10とスピンドル37との間には、上記寸法交
差分に対応した最大d0 (50μm)の間隙が生じる。
【0021】ところが、表示部31の印刷層34がディスク
の半円部に存在するため、ディスクの重心位置がセンタ
ーホール36の中心から表示部31側に偏位してしまう。こ
の結果、ディスク10が回転すると、回転速度が大きい場
合は、図22(b)に示すように印刷層34の重量による遠
心力fによってディスク10はセンターホール36内で印刷
層34側へずれ、表示部31側がスピンドル37から離れ、そ
の反対側の非表示部33側がスピンドル37に接当し、表示
部31側でスピンドル37との間に最大 0.1mmの間隙dが生
じ、この偏心状態のまま回転してしまう。
【0022】ここで、上記の偏心の発生原因をより詳細
に説明する。なお、印刷層34を形成しない場合、ディス
クの重心位置はセンターホール36の中心位置に正確に一
致しているものとする。
【0023】図21において、読出し動作開始時のトラッ
ク位置の半径をrs、その線速度をVs、印刷層34の重
心位置Gの半径(センターホール中心からの距離)をr
g、印刷層34の重量をm(gr)とすると、読出し動作
(プログラム)開始時のG点の線速度Vgは、Vg=V
s・(rg/rs)、G点の加速度aは、a=Vg2
rg、印刷層34に働く向心力(遠心力)fは、f(dyn)
=a・m(=m・rg・ω2 (角速度))で表される。
【0024】例えば、規格の最大線速度1400cm/sec(ω
最大)で再生したときの印刷面(層厚み10μm)重量
(m)=0.1568164 grが発生する外力(f)は、次の
ようになる。即ち、図21を例にとると、印刷面重心位置
Gがディスク中心から54mmにあると、その位置の線速度
(Vg)はVg=3024cm/sec、加速度(a)=1698440c
m/sec2 となり、外力(f)は265559.16dyn(≒0.27kgr
w)となる。
【0025】前述したように、CD−ROMにおいて
は、読出し速度の増大を図るために、ディスク回転の線
速度を標準線速度(1倍速)に対して2倍(2倍速)、
4倍(4倍速)、……と大きくする試みがなされてい
る。こうした場合に、上記のVg、a、fは下記の表1
に示すように回転線速度と共に著しく増大する。表1に
は、fを重力単位 grw(f/980)及びkgrwによって表し
た値を併記してある。
【0026】
【0027】この表1から明らかなように、ディスク回
転線速度が増大する程、印刷層34による遠心力fが増大
し、ディスクのセンターホール36は、表示部側でスピン
ドル37との間に最大d(0.1mm)の間隙が生じるようにな
る。これでは、トラックが常に左右に 0.1mmの幅で振
れ、図19のアクチュエータ17aの能力にもよるが、トラ
ッキングし難くなる。即ち、図20において、光スポット
0 がトラック11に追随し難くなってしまう。
【0028】一般に、回転線速度が比較的小さい1倍速
〜2倍速程度では、±50μm程度トラックがずれてもト
ラッキングは可能であるが、2倍速を超える線速度では
トラッキング可能な範囲が狭くなる。これは、プログラ
ムエリア最内周再生時(角速度ωが最大時)に特に問題
となる。
【0029】ディスクの回転線速度とトラッキング応答
性との関係において、標準線速度(1倍速=1×)のと
きの応答性を“1”として表すと、図23に示す関係が得
られる。線速度が2倍速(2×)を超えると、応答性は
倍速の2乗に反比例して低下する。即ち、応答性は4倍
速(4×)で2倍速の 1/4、8倍速(8×)で4倍速の
1/4(2倍速の1/16)となる。即ち、応答性は、倍速の
増大による遠心力の増大の2乗に反比例して低下する。
【0030】図24(a)は、1倍速におけるトラッキン
グ可能なトラックずれの範囲を示し、破線+A、−Aで
示すように、±50μmのトラックずれに対してトラッキ
ングが可能である。図24(b)は例えば4倍速における
トラッキング可能なトラックずれの範囲を示し、破線−
A’、−A’で示すように、±50μmのトラックずれに
対し、この振れの中心付近の±12.5μmの範囲でしかト
ラッキングできず、事実上、読出しが不可能(トラッキ
ング不能)である。
【0031】図25は、ディスクのチャッキング状態を具
体的に示す拡大断面図(図26の XXV−XXV 線拡大部分断
面図)、図26は同平面図である。
【0032】スピンドル57には、ディスクセンタリング
用の支持具56が固定され、この支持具56にバネ58を介し
て対向して、センターテーブル55が固定されている。デ
ィスク10は、センターホール36側の内周端においてディ
スク支持具56に接当し、センターテーブル55上に内周縁
部の底面側が支持され、センターテーブル55上にマグネ
ット方式でチャッキングされる。即ち、支持具56のマグ
ネット50によって押さえ部材53の磁性体59を吸着するこ
とによって、押さえ部材53とセンターテーブル55との間
にディスク9を挟着してチャッキングする。
【0033】スピンドル57の回転によってディスク10が
回転し始めると、2倍速を超える回転では、前述した印
刷層34による遠心力が強くなり、ディスク10の非表示部
33側の内周縁部が仮想線のようにディスク支持具56の面
上に乗り上げるようになり、表示部31側のディスク内周
縁部はディスク支持具56の面から離れるようになる。こ
れによって、ディスク10は、その表示部31側へ最大 0.1
mm、中心軸線がずれるようになる。
【0034】図27及び図28は、図25及び図26に示したも
のとは異なるチャッキング機構によってチャッキングさ
れたディスクを示し、図27は拡大部分断面図、図28は同
平面図である。
【0035】この場合は、センターホール36において、
例えば3個の押さえ用小片62が、それぞれ圧縮コイルば
ね61によってディスク10をスピンドル60の半径方向に押
圧する。ディスク10は、センターテーブル63上に支持さ
れ、押さえ用小片62及び圧縮コイルばね61を介してスピ
ンドル60にチャッキングされる。
【0036】このチャッキング機構においても、ディス
ク回転線速度が大きくなると、上記した理由により仮想
線で示すように前記同様の偏心が生じる。
【0037】上記したように、従来のCD−ROMで
は、印刷層34がディスク面の一方側に形成されているた
めに回転アンバランスが生じ、これに起因したトラッキ
ング不良を回避することができないでいた。これは、そ
うしたアンバランスの問題については規格になく、これ
までは何ら対策を講じておらず、或いは認識すらなかっ
たからである。これでは、CD−ROMを高速再生ドラ
イブを行う上で極めて不利であり、実行不可能となるこ
とがある。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の事情に鑑み、高速回転の要求に対しても充分に対応で
き、その設計も容易な回転式情報記録媒体、及びその製
造方法を提供することにある。
【0039】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討を
重ねた結果、上述した如き印刷層による重心の偏りが回
転アンバランスを生じる主因である点に着目し、媒体自
体に工夫を加えることによって、回転アンバランスを十
分かつ容易に解消できることを見出し、本発明に到達し
たものである。
【0040】即ち、本発明は、上述した如き印刷層によ
る回転アンバランスを相殺するための回転バランス保持
手段を有するCD−ROM等の回転式情報記録媒体に係
るものである。
【0041】また、本発明は、所定の事項が表示された
印刷層の如き表示部を形成する工程と、この表示部によ
って生ずる回転アンバランスを相殺する(若しくは打ち
消す:以下、同様)ための付加的な印刷層の如き回転バ
ランス保持構造を有する非表示部を形成する工程とを有
する、回転式情報記録媒体の製造方法も提供するもので
ある。
【0042】
【発明の実施の形態】本発明の回転式情報記録媒体及び
その製造方法においては、所定の事項が印刷によって表
示された前記表示部と、この表示部によって生ずる回転
アンバランスを相殺するための前記回転バランス保持構
造を有する非表示部とがディスクの一方の主面の如き所
定の面に設けられていてよい。
【0043】この場合、前記非表示部の前記回転バラン
ス保持構造も印刷によって形成され、この非表示部と前
記表示部とを含みかつ回転中心に関して回転対称な位置
関係にある一対の円弧部の各印刷重量が互いに実質的に
同じであることが望ましい。これらの表示部と非表示部
とはそれぞれ、ほぼ半円形パターンに設けられてよい。
【0044】このように構成したときには、前記表示部
の面積と前記非表示部の面積とがほぼ等しいことが望ま
しく、更に、前記表示部の印刷層の密度と厚さとの積
と、前記非表示部の印刷層の密度と厚さとの積とが実質
的に同じであることが望ましい。
【0045】また、前記非表示部の前記回転バランス保
持構造が、透明な印刷、又は光反射膜(アルミニウム又
はアルミニウム合金膜等)と同色を呈する印刷によって
形成されていることが、印刷面の図案の版権を守るため
にも望ましい。
【0046】また、前記回転バランス保持構造としての
前記非表示部の前記印刷層が、前記表示部の前記印刷層
と実質的に同じ厚さに印刷されてよい。
【0047】或いは、前記回転バランス保持構造として
の前記非表示部の前記印刷層が、前記表示部の前記印刷
層と実質的に同じ密度の印刷層によって形成されてもよ
い。
【0048】また、本発明の回転式情報記録媒体は、光
ディスク、例えばCD−ROM、特に標準倍速(1倍
速)に対して2倍速以上の高速再生用として構成するこ
とができる。CD−ROM以外にも、CD−R(ライト
ワンスディスク)、MO(光磁気ディスク)、DVD
(ディジタルビデオディスク)等の回転式情報記録媒体
にも適用できる。
【0049】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0050】図1〜図12は、本発明をCD−ROMに適
用した第1の実施例を示すものである。
【0051】図1は、CD−ROMを示し、同図(a)
はその平面図、同図(b)は同図(a)のb−b線断面
図である。このCD−ROMのディスク9は、非表示部
32に対する透明色の印刷を行う前には、図21に示したデ
ィスク10と同じ構造を有しており、図21と共通する部分
には同じ符号を付している(以下、同様)。
【0052】即ち、ディスク9は、ポリカーボネートか
らなる透明基板1上に、アルミニウム又はアルミニウム
合金の光反射膜(厚さ 0.2〜1.0 μm、例えば 0.5μ
m)7、アクリル酸ベースの紫外線硬化樹脂からなる透
明保護膜(厚さ5〜12μm、例えば10μm)8がこの順
に積層された構造を有している。なお、記録ピットにつ
いては、図6及び図7において後述する。
【0053】保護膜8上には、センターホール36に臨む
内周縁部及び外周縁部の幅狭のリング状領域を残してほ
ぼ半円形の領域に、円弧状(扇形)の印刷層34からなる
表示部31が形成されている。表示部31では、例えば緑色
の地34aに黒色の文字34bによって記録内容を印刷で表
示してよい。
【0054】そして、センターホール36に臨む内周縁部
及び外周縁部の幅狭のリング状領域を残して、表示部31
に対向したほぼ半円形の領域には、円弧状(扇形)の透
明印刷層35が形成され、非表示部32となっている。
【0055】この非表示部32では、光反射膜7の金属光
沢が、透明保護膜8及び透明印刷層35を通して観察さ
れ、美観を呈したものとなっている。透明印刷層35は透
明にせず、光反射膜7と同色の金属光沢を呈する(実際
には、保護膜8と同色の)印刷層35’としても、上記と
同様の美観が得られる(但し、この場合は、保護膜8は
必ずしも透明である必要はない)。
【0056】ここで注目すべきことは、非表示部32の透
明印刷層35によって、表示部31の印刷層34による既述し
た回転アンバランスが相殺され、回転バランスが実質的
に保持されることである。これについて以下に詳細に説
明する。
【0057】図2は、ディスク回転時の回転バランス保
持の原理を説明するための拡大部分概略断面図である。
【0058】例えば、センターホール36の内径D1 は15
mm、内径D1 の寸法交差は+0.1mmとされている。セン
ターホール36にスピンドル37を嵌入させてディスク9を
セットしたとき、ディスク9の中心軸線とスピンドル37
の中心軸線とが正確に一致しているとし、かつ、スピン
ドル37の径D2 が正確に15mmであるとすると、ディスク
9とスピンドル37との間に上記寸法交差に対応した最大
0 (50μm)の間隙が生じる。
【0059】ディスク9は、後述するように、例えば、
印刷層34と実質的に同サイズの領域においてほぼ同等の
印刷重量(面積×厚み×比重)で印刷された透明印刷層
35によって、回転バランスが実質的に保持されている。
従って、ディスク9は、かなりの高速で回転しても、ス
ピンドル37との間隙d0 を保持することができ、偏心が
防止される。透明印刷層35はいわば、アンバランスカウ
ンターとして機能するものである。
【0060】図3は、ディスク9のチャッキング状態を
具体的に示す(図25と同様の)拡大断面図(図4の III
−III 線拡大部分断面図)、図4は同平面図である。チ
ャッキング機構は、図25、図26のそれと同じであるの
で、説明を省略する。
【0061】ディスク9は、後述するように透明印刷層
35によって回転バランスが実質的に保持されているの
で、かなりの高速で回転してもチャッキング時の状態が
保持され、偏心が防止される。
【0062】図5は、他のチャッキング機構を示し、図
28と同様のディスク平面図である。
【0063】このチャッキング機構にあっても、ディス
ク9は、後述するように透明印刷層35によって回転バラ
ンスが実質的に保持されているので、上記と同様にかな
りの高速で回転してもチャッキング時の状態が保持さ
れ、偏心が防止される。
【0064】次に、ディスク9の回転バランス保持につ
いて具体的に説明する。なお、表示部31及び非表示部32
の各印刷前では、ディスクの重心位置はセンターホール
36の中心位置に正確に一致している。
【0065】図1において、読出し動作開始時のトラッ
ク位置の半径をrs、印刷層34の重心位置Gの半径(セ
ンターホール36の中心からの距離)をrg、印刷層34の
重量をm(gr)、透明印刷層35の重心位置G’の半径
をrg’、透明印刷層35の重量をm’(gr)、読出し
動作(プログラム)開始時のトラックの標準線速度をV
sとすると、rsは25mm、rg、rg’はいずれも54mm
(rg=rg’)、mは 0.156816400gr(比重 1.
5)、m’は 0.146361973gr(比重 1.4)、Vsは140
0cm/secである。なお、印刷層34及び透明印刷層35の厚
さはいずれも、10μmである。印刷層34は緑色を呈して
いてよい。
【0066】そして、標準線速度における読出し動作開
始時のG点及びG’点の線速度Vg(=Vg’)はVg
=Vs・(rg/rs)、G点及びG’点の加速度aは
a=Vg2 /rg、印刷層34及び35にそれぞれ作用する
各遠心力fとf’の差ΔfはΔf=a・(m−m’)で
表される。
【0067】この結果、標準線速度による読出し動作開
始時において、 Vg=3024cm/sec a=1693440cm/sec2 Δf=17703.94dyn となる。
【0068】そして、ディスク回転線速度を標準線速度
(1倍速)に対して2倍(2倍速)、4倍(4倍速)、
……と大きくしていくと、Vg、a、Δfは下記の表2
に示すように回転線速度と共に増大はする。表2には、
Δfを重力単位grw(f/980)及びkgrwによって表した値
と、透明印刷層35を設けなかった場合(図21参照)の遠
心力kg/grwとを併記してある。
【0069】
【0070】以上の結果から、本発明に基いて透明印刷
層35を設けて印刷面のアンバランスを改善すると、8倍
速で再生しても2倍速相当程度の外力しか受けず、高速
にて安定な再生が可能であることが明らかである。従っ
て、アンバランスが改善され、不要な外力を受けなくな
るので、チャッキングの初期状態が保持され、安定な再
生が可能となる。
【0071】また、このようにトラッキングを正確に行
えることから、図19に示した2軸アクチュエータ17に対
するスペック(仕様)が厳しくなくなり、ディスクドラ
イブ装置の設計が容易になる。従って、安価でかつ高速
再生可能な再生装置を実現できる。
【0072】更に、回転アンバランスを相殺する印刷層
35を透明、又は光反射膜と同色を呈するものにすること
により、表示部31(印刷面)でのデザインが制約を受け
ることがなく、従来のディスクと同じ感覚でデザインを
施せると共に、非表示部32では下地又は印刷色の金属光
沢が見られ、美観を呈している。
【0073】次に、ディスク9の製造プロセスについて
説明する。この製造プロセスは、主として原盤工程、複
製工程及び印刷工程からなり、図6が原盤工程、図7が
複製工程、図8〜図10が印刷工程を示す。
【0074】原盤の作製に際しては、記録されるべき情
報が予め編集され、ソフトウエアとして作成されている
ことが必要である。このソフトウエアの作成工程は、プ
リマスタリングと呼ばれる。
【0075】次いで、原盤工程であるマスタリングの工
程が開始される。この工程においては、図6(a)及び
図6(b)に示すように、まず、磨かれたガラス原板
(ガラスマスター)40を用意し、この表面に感光材料で
あるフォトレジスト41をスピンコート法等で一様に塗布
する。なお、これらの図は図1(a)のA−A線断面
(回転方向に沿う断面)に対応する光ディスク9の一部
分を示す(以下、同様の各図は全て同じである)。
【0076】次いで、プリマスタリングの段階で作成さ
れたソフトウエアに基づき、レーザビームによる露光に
よって情報のレーザ記録(カッティング)を行い、これ
により得られたマスターディスクを現像液に浸して現像
する。このカッティングには、カッティングシステムが
使用され、図6(c)の状態が形成される。
【0077】即ち、図6(b)のように、フォトレジス
ト41が塗布されたガラス原板40をカッティングシステム
(図示省略)において、フォーマッタで制御されるスピ
ンドルモータで回転させながら、He−Cdレーザから
のカッティングビームをEOM(電気光学変調器)、ビ
ームスプリッタ、AOM(音響光学変調器)、ミラー
(又はビームスプリッタ)、更には対物レンズからなる
集光レンズを経てガラス原板40上に導く。
【0078】この場合、He−Cdレーザからのカッテ
ィングビームをEOM及びAOMで変調し、変調された
ビーム4を図6(c)のようにフォトレジスト41に選択
的に照射、露光する。そして、上記したように現像処理
にて、ビーム4の照射部分41aのみをエッチング除去す
る。これにより、マスターディスクが完成する。このよ
うに、露光部分のみを除去すること(フォトレジスト41
はポジ型)としたのは、エッチング量をコントロールし
てピットの深さを決め易いからである。
【0079】ここで、除去された部分41aがピットに対
応している。このピットのカッティングに用いる変調レ
ーザ光4は、マイクロコンピュータからなるフォーマッ
タによって予めプログラムされた周期で変調されたもの
である。
【0080】そして、このカッティング時に、レーザビ
ーム4と同一光路上に、He−Neレーザからのサーボ
用ビームをガラス原板40上に導き、このガラス原板40か
らの反射ビームを逆方向へ戻し、ビームスプリッタを経
てフォトディテクタ上に入射させる。そして、このフォ
トディティクタによる検出結果に基づいて、フォーカス
サーボ等を行っている。
【0081】次いで、図6(d)のように全面に無電解
めっき又はスパッタ法によって金属膜42を被着する。こ
の金属膜42は、レジスト41及びその除去部分41aによる
表面凹凸形状に追随した凹凸形状を呈している。
【0082】次いで、図6(e)のように、全面に電気
めっきをかけ、例えばニッケルめっき層43を被着する。
そして、このめっき層43を剥離して図6(f)のような
スタンパー44を作製する。このスタンパー44は、その凹
凸面には、ランドとなる凹部52とピットとなる凸部50と
がそれぞれ形成されたものである。このようにして、ニ
ッケルスタンパー工程で、図6(f)のようなスタンパ
ー44が作製され、マスタリング(原盤工程)が終了す
る。このようなスタンパー(原盤)44によって基板1は
複製される。
【0083】このようにして作製したスタンパー44に、
基板材料として溶融したポリカーボネートを射出成形し
て、図6(g)に示すように基板1が形成される。こう
して、図示の如く、基板1の記録面には、スタンパー44
の凸部50によって転写されたピット2を多数形成する。
【0084】図7は、上記した図6の原盤工程で作製し
たスタンパー44により複製された基板1に対して所要の
加工を施す複製工程を示したものである。まず、図6
(g)の工程において、上記したように射出成形により
大量の基板1が複製される。
【0085】このようにして作製された基板1を図7
(a)に示すが、この基板1に対してその上面に、図7
(b)に示すように、スパッタリング法又は蒸着法によ
り、アルミニウム又はアルミニウム合金を 0.5μmの厚
さに蒸着して光反射膜7を形成する。
【0086】次いで、図7(c)のように、光反射膜7
の上にアクリル酸ベースの紫外線硬化樹脂をスピンコー
トで塗布し、これに紫外線を照射して5〜10μmの均一
な厚みで保護膜8を形成する。この場合、アクリル酸ベ
ースとしては、例えば、2−EAH(2−エチルヘキシ
ルアクリレート)、BDDA(1,4−ブタンジオール
ジアクリレート)、Vicure 10(ベンゾイルイソブチル
エーテル)の3成分の共重合体であってよい。
【0087】図8〜図10は、基板表面上への印刷工程を
示している。
【0088】まず、透明基板の成形(図6(g)、図7
(a))、光反射膜の形成(図7(b))、透明保護膜
の形成(図7(c))に続いて、図8及び図9(a)に
示すように、表示部31の地(この例では緑色)34aの印
刷を行い、印刷層34aを形成する。この印刷には、
表示用の文字部分34c以外の表示領域がインク透過性に
形成された版下64を用いる。なお、この印刷をはじ
め、次の印刷及び更にその次の印刷はいずれも、ス
クリーン印刷によって行い、使用するインクは比重 1.4
〜1.7 の紫外線硬化タイプ(大日本化学インク社製)で
あってよい。
【0089】次に、図8及び図9(b)に示すように、
表示部31の中に文字を入れる印刷を行う。この印刷
には、表示部の文字部分のみがインク透過性のある版下
65を用い、印刷において表示部中に残された文字部分
34cに、地34aと同一面をなすように例えば黒色の印刷
層34bを埋め込む。
【0090】次に、図8及び図9(c)に示すように、
非表示部32に印刷を行い、透明印刷層35を形成する。
この印刷には、非表示部のみがインク透過性の版下66
を用い、透明インクの印刷を行う。
【0091】こうして必要な印刷工程を終了するが、図
9(a)、(b)、(c)はそれぞれ、図8の印刷、
、が施されたディスク9”、9’、9の平面図であ
る。図9中、34aは表示部の地の緑色インク層、34bは
同文字部の黒色インク層、35は非表示部の透明インク層
である。
【0092】図10(a)、(b)、(c)にはそれぞ
れ、図9(a)、(b)、(c)のディスク9”、
9’、9のX−X線の各断面図が示されている。
【0093】このように、各印刷工程、、を経て
ディスク面に必要な印刷層を形成できるが、本実施例に
よれば、非表示部32の印刷工程を既存の印刷工程及
びに付加するのみでよい。
【0094】従って、上記した原盤及び複製工程も含め
て、ディスクの作製プロセスは、既存のプロセスを変更
することなしに容易に実施できる。
【0095】図11及び図12は、本発明をCD−ROMに
適用した第2の実施例によるディスクの拡大部分断面図
である。
【0096】図11のディスク19では、非表示部32の透明
印刷層35の厚さt1 を表示部31の印刷層34の厚さt0
りも小さくする一方、透明印刷層35の密度D1 を印刷層
34の密度D0 よりも大きくしている。そして、両印刷層
34、35の面積を同じにし、かつ、t1 ×D1 の値とt0
×D0 の値とを等しくしている。
【0097】これによっても、図1で説明したと同様の
理由から、印刷層34と35の各重心が対称位置において回
転中心から等距離の位置となるため、回転バランスを保
つことができる。
【0098】図12のディスク29では、非表示部32の透明
印刷層35の厚さt2 を表示部31の印刷層34の厚さt0
りも大きくする一方、透明印刷層35の密度D2 を印刷層
34の密度D0 よりも小さくしている。そして、両印刷層
34、35の面積を同じにし、かつ、t2 ×D2 の値とt0
×D0 の値とを等しくしている。
【0099】これによっても、図11と同様に、回転バラ
ンスを保つことができる。
【0100】ディスク19、29は共に、回転バランスの保
持により、前記した第1の実施例におけると同様、高線
速度での回転時でも正確なトラッキングが可能になり、
高速読出しが可能である。
【0101】図13〜図15は、複数の記録面を有する光デ
ィスク(例えばDVD用)に本発明を適用した各種の実
施例を示すものである。
【0102】図13に示す本発明の第3の実施例による2
層式光ディスク39では、透明基板1上に、半透明の誘電
体材料からなる半透明光反射膜7’、ポリカーボネート
からなる透明基板1、アルミニウム又はアルミニウム合
金からなる光反射膜7、透明保護膜8がこの順に積層さ
れ、更にその上に、回転バランス保持構造として表示部
31の印刷層34に対して非表示部32の透明印刷層35が被着
されている。記録ピットは、半透明光反射膜7’の面と
光反射膜7の面とにそれぞれ形成されている。
【0103】この例では、透明基板1側からレーザ光L
0 を照射し、半透明光反射膜7’のピットと光反射膜7
のピットとのいずれか一方にレーザ光の焦点を合わせ、
2層のトラックに記録されている情報のいずれかを反射
光として読出す。このようにトラックを2層に設けるこ
とにより、単層トラックのディスクに対して記録情報量
が2倍になる。
【0104】図14に示す本発明の第4の実施例による2
層式光ディスク49は、透明基板1上に、光反射膜7又は
半透明膜7’、透明保護膜8がこの順に積層された積層
体の2枚を、透明保護膜8の側で互いに貼り合わせ、こ
の貼り合わせ部に、回転バランス保持構造として表示部
31の印刷層34に対して非表示部32の透明印刷層35を設け
ている。
【0105】この例では、半透明膜7’の側から、図13
の例と同様にして記録情報を選択的に読出すことができ
ると共に、半透明膜7’の基板1の側から印刷層34のパ
ターンを観察することができる。
【0106】そして、回転バランスのために非表示部に
は透明印刷層35を設けておく。勿論、他方の反射膜も半
透明としておけば、両面から印刷パターンを見ることが
できる。
【0107】図15に示す本発明の第5の実施例による2
層式光ディスク59は、透明基板1上に、半透明光反射膜
7’、透明保護膜8がこの順に積層された積層体の2枚
を、透明基板1の側で互いに貼り合わせ、この貼り合わ
せ部に、回転バランス保持構造として表示部31の印刷層
34に対して非表示部31の透明印刷層35を設けている。
【0108】この例では、一対の透明保護膜8、8の一
方側からレーザ光L0 を照射し、半透明光反射膜7’の
ピットに焦点を合わせ、この半透明光反射膜7’のトラ
ックに記録されている情報を読出す。
【0109】図13〜図15の2層式光ディスクでは、単層
式のものに較べて合計厚さが大きくなり、このため、チ
ャッキング部材の成形に際して寸法精度が低下し易い。
しかし、本発明に基づいて回転バランスが保持されてい
るため、チャッキングの初期状態は保持される。
【0110】図16は、本発明をCD−ROMに適用した
第6の実施例による単層式光ディスクを示し、同図
(a)はその平面図、同図(b)は同図(a)のb−b
線断面図、同図(c)は同図(a)のc−c線断面図で
ある。
【0111】この例によるディスク69では、表示部が例
えば黒色の文字の印刷層34からなり、その他の領域は透
明印刷層35によって非表示部が構成されている。印刷層
34、35は、回転中心に対して回転対称の位置関係にある
一対の円弧部(例えば仮想線で囲まれた各半円形の領域
34’、34”)について密度×厚さ×面積(即ち、各印刷
重量)が互いに実質的に同じにしてある。
【0112】このため、印刷層34の配置の如何に拘ら
ず、回転バランスが保持されていて、高線速度でもトラ
ッキングが可能である。
【0113】図17は、本発明をCD−ROMに適用した
第7の実施例による単層式光ディスクの拡大部分断面図
である。
【0114】この例によるディスク79は、図16に示した
第6の実施例におけると同様に、記録されている情報を
表示する文字を、透明印刷層35中に配している。そし
て、前記文字は、情報の種類に対応して複数種の色の印
刷層によって表示されている。
【0115】即ち、印刷層を青色の印刷層34Bと赤色の
印刷層34Rとの2種類としている。このように、表示を
記録内容に応じた色とすることにより、記録内容の識別
が容易になる。
【0116】この例においても、図16に示した如き対向
領域34’と34”において印刷層34B及び34R、透明印刷
層35の密度及び厚さによる印刷重量を実質的に等しくし
て、回転バランスを保持する。
【0117】なお、仮想線で示すように、例えば、透明
印刷層35に対して青色印刷層34Bを僅かに厚くすると共
に、赤色印刷層34Rを青色印刷層34Bよりも僅かに厚く
してもよい。この場合は、各印刷層間の段差を目の不自
由な使用者が指先の感触によって認識し、印刷の内容を
理解することができる。
【0118】即ち、文字による視覚表示と、点字のよう
な表示とを併せ備えるようにできる。この場合、各印刷
層35、34B、34Rの密度をこの順に僅かずつ小さくして
密度と厚さとの積を図16に示した如き対向領域34’と3
4”とで互いに等しくし、回転バランスの保持を確実に
行うことができる。
【0119】図18は、本発明をCD−ROMに適用した
第8の実施例による単層式光ディスクの拡大部分断面図
である。
【0120】この例によるディスク89は、透明保護膜8
上の全面に淡色の印刷層75が設けられ、その上に濃色の
印刷層74によって文字が表示されている。淡色印刷層75
上の濃色印刷層74が存在しない領域には透明印刷層35が
設けられている。
【0121】そして、濃色印刷層74と透明印刷層35と
は、密度及び厚さを図16に示した如き対向領域34’と3
4”とで互いに実質的に等しくして、回転バランスを保
持している。なお、濃色印刷層74と透明印刷層35とは、
上記した第6の実施例で述べたように、密度と厚さとの
積を実質的に等しくして、回転バランスを保持するよう
にしてもよい(このことは、上記の第7の実施例でも同
様であってよい)。
【0122】この例においては、透明印刷層35の部分
は、下地の淡色印刷層75が透けて見えているので、淡色
の地に印刷層74による濃色の文字が配されるので、濃淡
の色彩の選択によって美観を向上させることができる。
なお、この例では、保護膜8は必ずしも透明である必要
はない。
【0123】以上、本発明の実施例を説明したが、上述
の実施例は本発明の技術的思想に基づいて種々の変形を
加えることができる。
【0124】例えば、上述した印刷層の材料は大日本イ
ンク社製の紫外線硬化タイプのインクであってよく、ま
た、インクの比重は色によって異なり、 1.4〜1.7 の範
囲から選択できる。インクの比重は、例えば、緑色のイ
ンクが1.45、金色のインクが1.55、白色のインクが1.7
1、透明インクが 1.4であってよい。
【0125】使用するインクの比重に対応して、その印
刷層の厚さを変えたり、透明印刷層の印刷面積を変える
などして、回転バランスを正確に保持することができ
る。
【0126】また、回転バランス保持のための透明印刷
層の形成位置は種々変更でき、媒体の形状によって適切
な位置に決めることができる。透明印刷層に代えて、同
等の機能をなす手段を媒体に設けることもできる。
【0127】印刷による場合、表示部の印刷層の上に、
透明印刷層を重ねてよいし、或いはその逆であってもよ
い。
【0128】また、表示部や非表示部の印刷は、スクリ
ーン印刷以外にも、タンポ印刷、オフセット印刷等、他
の印刷によってもよい。印刷に代えて、非表示部には透
明フィルムを貼り付けてもよい。
【0129】また、ディスクを構成する各部分の材料
は、上述したもの以外の他の適宜の材料とすることがで
きる。
【0130】上述した実施例はCD−ROMについての
実施例であるが、本発明は、CD−R(ライトワンスデ
ィスク)、MO(光磁気)ディスク、DVD、ビデオデ
ィスクその他の種々のディスク状情報記録媒体にも同様
に適用でき、またディスク状以外の例えばドラム状情報
記録媒体にも適用可能である。また、ROMの如き読出
し専用のみならず、追記型や書換え型の媒体にも適用で
きる。
【0131】
【発明の作用効果】上述した如く、本発明の回転式情報
記録媒体は回転バランス保持手段を有し、またこの回転
式情報記録媒体の製造に際して表示部によって生じる回
転アンバランスを打ち消すための回転バランス保持構造
を有する非表示部を形成しているので、得られた回転式
情報記録媒体を高速回転で使用しても、回転バランス保
持がなされることにより、情報記録位置が振れる等の回
転アンバランスを効果的に抑制して安定な回転を行うこ
とができる。この結果、記録位置に対するトラッキング
が可能になる等、高速回転による情報処理の高速化の要
求に十分に対応することかできる。また、回転に必要な
ドライブ機構を設計し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるCD−ROM用の
光ディスクを示し、同図(a)はその平面図、同図
(b)は同図(a)のb−b線断面図である。
【図2】同光ディスクの回転時の回転バランス保持の原
理を説明するための概略断面図である。
【図3】同光ディスクのチャッキング状態での回転時の
拡大部分断面図である。
【図4】図3における光ディスクの平面図である。
【図5】同光ディスクのチャッキング機構によるチャッ
キング状態での回転時の平面図である。
【図6】同光ディスクの原盤製造工程を示す概略断面図
である。
【図7】同光ディスクの複製工程を示す概略断面図であ
る。
【図8】同光ディスクの印刷工程を示すプロセスフロー
図である。
【図9】図8の各印刷段階における光ディスクの平面図
である。
【図10】図9のX−X線断面図である。
【図11】本発明の第2の実施例によるCD−ROM用の
光ディスクの拡大部分断面図である。
【図12】同光ディスクの他の形態での拡大部分断面図で
ある。
【図13】本発明の第3の実施例による光ディスクの拡大
部分断面図である。
【図14】本発明の第4の実施例による光ディスクの拡大
部分断面図である。
【図15】本発明の第5の実施例による光ディスクの拡大
部分断面図である。
【図16】本発明の第6の実施例によるCD−ROM用の
光ディスクを示し、同図(a)はその平面図、同図
(b)は同図(a)のb−b線断面図、同図(c)は同
図(a)のc−c線断面図である。
【図17】本発明の第7の実施例によるCD−ROM用の
光ディスクの拡大部分断面図である。
【図18】本発明の第8の実施例によるCD−ROM用の
光ディスクの拡大部分断面図である。
【図19】CD−ROM用の光ディスクの再生時のドライ
ブ機構を示す概略図である。
【図20】同光ディスクのトラッキングサーボのメカニズ
ムを説明するための概略図である。
【図21】従来例によるCD−ROM用の光ディスクを示
し、同図(a)はその平面図、同図(b)は同図(a)
のb−b線断面図である。
【図22】同光ディスクの回転時の回転アンバランスを説
明するための概略断面図である。
【図23】同光ディスクの回転倍速とトラッキング応答性
との関係を示すグラフである。
【図24】同光ディスクの回転時のトラッキング可能な範
囲を示すグラフであり、同図(a)は1倍速回転の場合
を示し、同図(b)は4倍速回転の場合を示す。
【図25】同光ディスクのチャッキング状態での回転時の
拡大部分断面図である。
【図26】図25における光ディスクの平面図である。
【図27】同光ディスクのチャッキング機構によるチャッ
キング状態での回転時の拡大部分断面図である。
【図28】図27における光ディスクの平面図である。
【符号の説明】
1…透明基板、2…ピット、7、7’…光反射膜、8…
透明保護膜、9、9’、19、29、39、49、59、69、79、
89…光ディスク、11…トラック、12…ピックアップ(光
学ヘッド)、13…半導体レーザ、14…レンズ、15…ビー
ムスプリッタ、16…対物レンズ、17…2軸アクチュエー
タ、18…フォトディテクタ、20…差動増幅器、21…回折
格子、22…オートトラッキング・オートフォーカスサー
ボ回路、31…表示部、32、33…非表示部、34…印刷層、
34a…地、34b…着色印刷層、35…透明印刷層、35’…
金属光沢の印刷層、36…センターホール、37、57…スピ
ンドル、50、マグネット、53…押さえ部材、55…センタ
ーテーブル、56…支持具、59…磁性体、64、65、66…版
下、74…濃色印刷層、75…淡色印刷層、G…印刷層の重
心、G’…透明印刷層の重心、rg、rg’…重心まで
の半径、Vg、Vg’…重心の線速度、D1 …ホール内
径、D2 …スピンドル径、d0 …間隙、f、f’…向心
力(遠心力)、Δf…遠心力の差、L0 、L+ 、L-
レーザ光、G0 、G+ 、G- …光スポット

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転バランス保持手段を有する回転式情
    報記録媒体。
  2. 【請求項2】 所定の事項が印刷によって表示された表
    示部と、この表示部によって生ずる回転アンバランスを
    相殺するための回転バランス保持構造を有する非表示部
    とが所定の面に設けられている、請求項1に記載した回
    転式情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 非表示部の回転バランス保持構造も印刷
    によって形成され、この非表示部と表示部とを含みかつ
    回転中心に関して回転対称な位置関係にある一対の円弧
    部の各印刷重量が互いに実質的に同じである、請求項2
    に記載した回転式情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 表示部の面積と非表示部の面積とがほぼ
    等しい、請求項3に記載した回転式情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 表示部の印刷層の密度と厚さとの積と、
    非表示部の印刷層の密度と厚さとの積とが実質的に同じ
    である、請求項4に記載した回転式情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 非表示部の回転バランス保持構造が、透
    明な印刷、又は光反射膜と同色を呈する印刷によって形
    成されている、請求項2に記載した回転式情報記録媒
    体。
  7. 【請求項7】 回転バランス保持構造としての非表示部
    の印刷層が、表示部の印刷層と実質的に同じ厚さに印刷
    されている、請求項3に記載した回転式情報記録媒体。
  8. 【請求項8】 回転バランス保持構造としての非表示部
    の印刷層が、表示部の印刷層と実質的に同じ密度の印刷
    層によって形成されている、請求項3に記載した回転式
    情報記録媒体。
  9. 【請求項9】 光ディスクとして構成されている、請求
    項1に記載した回転式情報記録媒体。
  10. 【請求項10】 読出し専用メモリ用のコンパクトディ
    スクとして構成されている、請求項9に記載した回転式
    情報記録媒体。
  11. 【請求項11】 高速再生用として構成されている、請
    求項10に記載した回転式情報記録媒体。
  12. 【請求項12】 所定の事項が表示された表示部を形成
    する工程と、この表示部によって生ずる回転アンバラン
    スを相殺するための回転バランス保持構造を有する非表
    示部を形成する工程とを有する、回転式情報記録媒体の
    製造方法。
  13. 【請求項13】 表示部を印刷によって形成する工程
    と、非表示部の回転バランス保持構造も印刷によって形
    成する工程とを有し、この際、前記非表示部と表示部と
    を含みかつ回転中心に関して回転対称な位置関係にある
    一対の円弧部の各印刷重量が互いに実質的に同じとなる
    ように印刷を行う、請求項12に記載した製造方法。
  14. 【請求項14】 表示部の面積と非表示部の面積とをほ
    ぼ等しくする、請求項13に記載した製造方法。
  15. 【請求項15】 表示部の印刷層の密度と厚さとの積
    と、非表示部の印刷層の密度と厚さとの積とを実質的に
    同じにする、請求項14に記載した製造方法。
  16. 【請求項16】 非表示部の回転バランス保持構造を、
    透明な印刷、又は光反射膜と同色を呈する印刷によって
    形成する、請求項12に記載した製造方法。
  17. 【請求項17】 回転バランス保持構造としての非表示
    部の印刷層を、表示部の印刷層と実質的に同じ厚さに印
    刷する、請求項13に記載した製造方法。
  18. 【請求項18】 回転バランス保持構造としての非表示
    部の印刷層を、表示部の印刷層と実質的に同じ密度の印
    刷層によって形成する、請求項13に記載した製造方
    法。
  19. 【請求項19】 光ディスクを作製する、請求項12に
    記載した製造方法。
  20. 【請求項20】 読出し専用メモリ用のコンパクトディ
    スクを作製する、請求項19に記載した製造方法。
  21. 【請求項21】 高速再生用として作製する、請求項2
    0に記載した製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001312842A (ja) * 2000-04-27 2001-11-09 Mitsubishi Chemicals Corp 光記録媒体
WO2003063154A1 (en) * 2002-01-23 2003-07-31 Sony Corporation Disc-shaped optical recording medium and reproduction limit method thereof

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