JPH093122A - 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法

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JPH093122A
JPH093122A JP17145195A JP17145195A JPH093122A JP H093122 A JPH093122 A JP H093122A JP 17145195 A JP17145195 A JP 17145195A JP 17145195 A JP17145195 A JP 17145195A JP H093122 A JPH093122 A JP H093122A
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JP
Japan
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vinyl chloride
polymerization
cpvc
weight
temperature
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JP17145195A
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English (en)
Inventor
Takeshi Nakachi
健 仲地
Yasuhiro Kawaguchi
泰広 川口
Hiroshi Honda
博志 本田
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Tokuyama Sekisui Co Ltd
Original Assignee
Tokuyama Sekisui Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塩化ビニル系樹脂の持っている特性をそのま
ま保持していて、塩化ビニル系樹脂よりも耐熱性が向上
しており、しかも比較的低い温度でゲル化させることの
できる塩素化塩化ビニル系樹脂を提供しようとする。 【構成】 側鎖に陰イオン性親水基又は陽イオン性親水
基を0.1〜8重量%含んでおり、平均重合度が800
未満の塩化ビニル系共重合体の存在下で、水溶性高分子
物を懸濁剤として塩化ビニルを懸濁重合させ、得られた
塩化ビニル系樹脂を塩素化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、塩素化塩化ビニル系
樹脂の製造方法に関するものである。とくに、この発明
は、得られた塩素化塩化ビニル系樹脂がゲル化し易くて
加工が容易であるという特色を持った、塩素化塩化ビニ
ル系樹脂の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩素化塩化ビニル系樹脂(以下、これを
CPVCという)は、塩化ビニル系樹脂(以下、これを
PVCという)を塩素化して作られる。CPVCはPV
Cの長所と云われる特性を残し、PVCの欠点と云われ
る性質を改良したものとなっている。すなわち、CPV
CはPVCの持つ優れた耐候性、耐火炎性、耐薬品性を
そのまま残し、耐熱性が劣るというPVCの欠点を改良
したものとなっている。さらに具体的に云えば、PVC
は熱変形温度が低くて使用可能な上限温度が60〜70
℃付近であるために、熱水に対しては使用できないの
に、CPVCは熱変形温度がPVCよりも20〜40℃
も高くて、熱水に対しても使用できるものとなってい
る。従って、CPVCは耐熱パイプ、耐熱継手、耐熱バ
ルブなどを作るのに適している。
【0003】上述のように、CPVCはPVCよりも熱
変形温度が高い。従って、CPVCを加工して成形体と
するには、当然PVCよりも高い温度に加熱してゲル化
させなければならない。ところが、CPVCは高温に加
熱されると分解し易く、従ってこれを加熱してゲル化さ
せようとすると、分解して着色する傾向を示す。だか
ら、CPVCはPVCよりも加熱によってゲル化させる
ことが困難である。従って、CPVCから成形体を作る
ときには、CPVCを充分にゲル化させないで成形体と
することとなった。このため、CPVCの成形体はPV
Cよりも衝撃強度が劣る、という結果を招くこととなっ
た。その結果、CPVCはその利用を狭められることと
なった。そこで比較的低い温度に加熱してゲル化させる
ことができるように、CPVCのゲル化特性を改善する
ことが要望された。
【0004】CPVCのゲル化特性を改良しようとした
のではないが、PVCのゲル化特性を改良するのにPV
Cの懸濁重合工程において、懸濁剤として部分鹸化ポリ
酢酸ビニル又はその変性物を使用することが知られてい
る。例えば、特開昭56−81317号公報は、側鎖に
硫酸エステル、燐酸エステル又はこれらの塩を0.02
〜5モル%含み、鹸化度が60〜80モル%で、平均重
合度が600〜1500の変性ポリビニルアルコール
と、水溶性セルロース誘導体とを懸濁剤に使用して塩化
ビニル単量体を懸濁重合させると、得られたPVCが低
温でゲル化させ易いものになると記載している。また、
特公昭57−37162号公報は、側鎖に0.01〜5
モル%の疎水基と、0.02〜10モル%の陰イオン性
親水基とを含んだ鹸化度60〜90モル%の変性ポリビ
ニルアルコールを分散安定剤として用いて、塩化ビニル
単量体などのビニル系単量体を懸濁重合させると、ゲル
化させ易いPVCが得られると記載している。
【0005】しかし、これらの公報が記載している部分
鹸化ポリビニルアルコールは、鹸化度が60モル%以上
の大きいものである。そのために、性質がポリビニルア
ルコールに近く、従って水溶性のものである。従って、
このものを表すのに「変性ポリビニルアルコール」とい
う用語が用いられている。また、これらの公報は、懸濁
重合によるPVCの製造を述べるにとどまり、このPV
Cをさらに塩素化すると、得られたCPVCがどのよう
な性質を示すに至るかについては、全く記載していな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、ゲル化特
性の良好なCPVCを提供しようとするものである。す
なわち、この発明は、PVCの持っている優れた特性を
そのまま保持していて、ゲル化特性が大幅に改良されて
おり、従って比較的低い温度に加熱して、充分にゲル化
させることのできるCPVCを提供しようとするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明者は、上記の課
題を解決するために、PVCの製造段階に立ち入って検
討を加えた。その結果、PVCを作るにあたって、特殊
な分散安定剤を使用して懸濁重合を行い、こうして得ら
れたPVCを従来方法で塩素化すると、得られたCPV
Cが低温でゲル化し易いものとなることを見出した。す
なわち、PVCの懸濁重合では、懸濁剤としてこれまで
色々なものが用いられたが、その中から水溶性の高分子
物を選んで用いることとし、同時に分散安定剤として親
水基を含んだ塩化ビニル共重合体を用いることとし、こ
れら懸濁剤と分散安定剤の存在下に塩化ビニル単量体の
懸濁重合を行ってPVCを作り、このPVCを塩素化し
てCPVCを作ると、このCPVCはゲル化特性の改良
されたものになることを見出した。上述の親水基を含ん
だ塩化ビニル共重合体は、分子の側鎖中にスルホン酸基
のような陰イオン性親水基を含んだ平均重合度が800
未満のPVCであって、水に溶解しないで塩化ビニル単
量体に溶解するものであった。これまで用いられて来た
懸濁剤又は分散安定剤は、多くは水に溶解し塩化ビニル
単量体には溶解しないものであったところ、上述の分散
安定剤は塩化ビニル単量体に溶解するものであるという
点で、特異なものである。この発明は、このような知見
を基礎としてその上に展開されたものである。
【0008】この発明は、側鎖に陰イオン性親水基又は
陽イオン性親水基を0.1〜8重量%含んでおり、平均
重合度が800未満の塩化ビニル系共重合体の存在下
で、水溶性高分子物を懸濁剤として使用し、塩化ビニル
単量体を水性媒体中に懸濁させ、塩化ビニル単量体に溶
解する重合開始剤を添加し、塩化ビニル単量体を重合さ
せて塩化ビニル系樹脂を作り、その後この塩化ビニル系
樹脂を塩素化することを特徴とする、塩素化塩化ビニル
系樹脂の製造方法を要旨とするものである。
【0009】この発明は、大きく分けると2工程から成
るものである。そのうちの先の工程はPVCを作る工程
であり、後の工程はPVCを塩素化してCPVCにする
工程である。この発明は、PVCを作る工程において従
来法と異なっており、特異な方法によって作ったPVC
を後の塩素化工程の原料に供するところに特徴を持って
おり、塩素化の工程は従来法と変わりがない。
【0010】そこで、まずこの発明におけるPVCの製
造工程を説明する。PVCの製造工程は、大体従来の懸
濁重合法を踏襲するものである。但し、この発明は、塩
化ビニル単量体(以下、これをVCと略称する)を水性
媒体中に懸濁させる際に、懸濁剤としてこれまで用いら
れて来た懸濁剤の中から水溶性高分子物を選んで用いる
ことを必要とし、また分散安定剤としてこれまでVCの
懸濁重合では用いられて来たことのないものを使用す
る。その分散安定剤は、0.1〜8重量%の親水性基を
含み平均重合度の低い塩化ビニル系重合体であるが、そ
の平均重合度が低くて800未満であるために、水に溶
解しないでVCに溶解する性質を持っている。この点で
上記の分散安定剤は特異である。
【0011】この発明では、懸濁剤として上述のよう
に、水溶性高分子物を用いる。これまで、VCの懸濁重
合では、懸濁剤として大きく分けて高分子物と低分子物
とが使用されて来た。高分子物は、例えばポリビニルピ
ロリドンのようなものであり、低分子物はグリセリンモ
ノステアレートのようなものである。このうち、低分子
物は使用しても格別の効果がないので、この発明では高
分子物を選んで用いる。
【0012】使用することのできる高分子物は、セルロ
ース誘導体と合成高分子物とに分類できるが、そのうち
少なくとも1つを使用すれば足りる。セルロース誘導体
としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース等を使用することができる。合成
高分子物としては、前述のポリビニルピロリドンのほ
か、ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコ
ール、酢酸ビニル・マレイン酸共重合体、ポリアクリル
酸塩、高分子量のポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール等を使用することができる。これらは何
れも水溶性の懸濁剤である。
【0013】この発明におけるPVCの製造工程では、
側鎖に0.1〜8重量%の陰イオン性親水基又は陽イオ
ン性親水基を含み、平均重合度が800未満の塩化ビニ
ル系共重合体(以下、これをDPVCという)を分散安
定剤として用いることが最大の特徴とされる。ここで、
陰イオン性親水基としては、スルホン酸基、カルボキシ
ル基、燐酸基、又は硫酸基などを用いることができ、陽
イオン性親水基としては、四級アンモニウム塩基を用い
ることができる。
【0014】この発明において、懸濁安定剤として使用
するDPVCは、次のような方法によって作ることがで
きる。すなわち、陰イオン性親水基又は陽イオン性親水
基を含んだビニル系化合物とVCとを共重合させる方法
である。陰イオン性親水基としてスルホン酸基を例に取
って具体的に述べると、例えばビニルスルホン酸ナトリ
ウムとVCとを共重合させて、ビニルスルホン酸ナトリ
ウムを2モル%含んだ平均重合度600の共重合体を作
る、という方法である。
【0015】上記の方法では、ビニル系化合物として次
のようなものを使用することができる。まず、スルホン
酸基を導入しようとする場合には、ビニル系化合物とし
て、上述のビニルスルホン酸のほかに、アリルスルホン
酸、メタクリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニ
ルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸等を使用することができる。次に、カルボ
キシル基を導入するには、ビニル系化合物としてアクリ
ル酸、メタクリル酸、コハク酸モノアクリロイルオキシ
エチルエステル、フタル酸モノアクロイルオキシエチル
エステル、コハク酸モノメタクロイルオキシエチルエス
テル、フタル酸モノメタクロイルオキシエチルエステ
ル、等の分子中に1個のカルボキシル基を有するもの、
マレイン酸、フマール酸のように分子中に複数個のカル
ボキシル基を有するものを用いることができる。燐酸基
を導入するには、ビニル系化合物としてアシッドホスホ
キシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホキシ
プロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−アシ
ッドホスホキシプロピル(メタ)アクリレート等を用い
ることができる。カチオン性親水基を導入するには、ビ
ニル系化合物としてメタクリルアミドプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、アクリルアミド−3−メチ
ルブチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジアリル
ジメチルアンモニウムクロライド等を用いることができ
る。
【0016】上述の水溶性高分子物は、VCに対し0.
005〜0.2重量%用いるのが適しており、その中で
も0.01〜0.1重量%用いるのがさらに好適であ
る。また、DPVCはVCに対し100〜10000pp
m 用いるのが適しており、その中でも1000〜800
0ppm の範囲内で用いるのがさらに好適である。その理
由は、DPVCの存在量が100〜10000ppm の範
囲内にあるときは、これから得られたCPVCの加工性
が良好になるが、DPVCの添加量が100ppm未満の
場合にはDPVCを添加したことによる効果が現れない
からであり、逆にDPVCの添加量が10000ppm を
越えると、得られるPVCの粒子が大きくなり過ぎた
り、重合反応が円滑に進行しなくなったりして、良好な
結果が得られなくなるからである。
【0017】また、DPVCに含まれる親水基の割合は
0.1〜8重量%の範囲内とするが、その中でも0.5
〜5重量%とすることが好ましい。上記の割合を0.1
〜8重量%とする理由は、親水基の割合が8重量%を越
えると、DPVCがVCに溶解し難くなってVCを懸濁
重合させ難くなるからであり、逆に0.1重量%未満で
は、親水基の効果が顕著に現れなくなるからである。ま
た、DPVCは平均重合度を800未満とするが、その
中でも好ましいのは100〜600の範囲である。平均
重合度を800未満にする理由は、平均重合度が800
を越えると重合度の影響が強く現れ、親水基の効果が現
れにくくなるからである。
【0018】DPVCを得る方法としては乳化重合、塊
状重合、懸濁重合、溶液重合のいずれを用いても良い。
溶液重合において用いられる溶剤は、n−ヘキサン、メ
タノール、エタノール、その他の低級アルコール類の
他、一般的に溶液重合に用いられるケトン類、エステル
類、塩素化炭化水素等である。
【0019】この発明におけるPVCの製造工程では、
懸濁重合を行うための媒体として水性媒体を使用する。
水性媒体としては脱イオン水が好適である。VCと水性
媒体との量比は、従来使用されて来た範囲と変わりない
が、大よその範囲は重量で1対1ないし1対3の範囲と
するのが適している。
【0020】この発明におけるPVCの製造工程では、
懸濁重合を行うために重合開始剤が用いられるが、その
重合開始剤はVCに溶解するものであることを必要とす
る。その重合開始剤は、これまでVCの懸濁重合に使用
されて来たものをそのまま用いることができる。例を挙
げると、ラウロイルパーオキサイド、α−クミルパーオ
キシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカ
ノエートのような有機過酸化物であり、また2、2′−
アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ化合物であ
る。その使用量も、従来方法と変わりがない。
【0021】この発明におけるPVCの製造工程は、単
量体としてVCだけを用いた場合に限らず、VCと他の
単量体とを混合して用いて共重合体を作る場合にも適用
することができる。他の単量体としては、エチレン、プ
ロピレン、酢酸ビニル、アルキルビニルエーテル、アク
リル酸並びにそのエステルを用いることができる。
【0022】この発明におけるPVCの製造工程は、分
散安定剤として上記のDPVCという特殊なものを使用
する以外は、従来のVCの懸濁重合と同じように実施す
ることができる。すなわち、容器としてはオートクレー
ブを用い、初めこれに水性媒体例えば脱イオン水を入
れ、次いでこれに懸濁剤として水溶性高分子物と分散安
定剤としてDPVCとを加えて攪拌したのち、オートク
レーブ内を減圧脱気して酸素を除き、その後VCを入れ
てVCを水性媒体中に分散させて懸濁状態としたのち、
これに重合開始剤を加える。その後、オートクレーブを
加熱して内容物を数時間高い温度に維持してVCの重合
を行わせる。重合が進行してオートクレーブ内にあるV
Cの圧力が低下した時点で、オートクレーブを冷却して
内容物の温度を下げ、未反応のVCを回収し、内容物を
取り出す。その後、脱水し、乾燥してPVCを得る。
【0023】この発明では、上述のようにして得られた
PVCをその後塩素化する。塩素化の工程は従来法をそ
のまま踏襲して行うことができる。すなわち、塩素化は
PVCを懸濁した状態、溶剤に溶解した状態、固体状態
の何れの状態でも行うことができる。塩素化はPVCに
塩素を接触させることにより行う。
【0024】PVCを懸濁状態で塩素化する場合には、
懸濁重合によって得られたPVCを水性媒体から分離し
ないで、懸濁重合によって得られた懸濁物そのものの中
へ直接に塩素を吹き込んで塩素化を行うことができる。
また、上記の懸濁物からPVCを分離したのち、PVC
を再び別の水性媒体中に分散させて、この分散物中に塩
素を吹き込んで塩素化を行うこともできる。このとき、
紫外線を照射して塩素化を促進させることが好ましい。
また、水性媒体中にはアセトン、メチルエチルケトンの
ようなケトン類を少量加えてもよく、また必要に応じて
塩酸、トリクロロエチレン、四塩化炭素のような塩素系
溶剤を少量加えてもよい。
【0025】この発明における塩素化工程では、得られ
るCPVCの塩素含有率が60〜70重量%となるよう
にすることが好ましい。
【0026】
【発明の効果】この発明方法によれば、側鎖に陰イオン
性親水基又は陽イオン性親水基を0.1〜8重量%含ん
でおり、平均重合度が800未満の塩化ビニル系共重合
体、すなわちDPVCの存在下で、水溶性高分子物を懸
濁剤として使用し、VCを水性媒体中に懸濁させ、VC
に溶解する重合開始剤を添加してVCを重合させてPV
Cとし、次いでPVCを塩素化するので、従来法と大き
な差異がなくて容易にCPVCを得ることができ、また
得られたCPVCは、従来のCPVCに比べて劣るとこ
ろがないだけでなく、熱安定性にすぐれていてゲル化温
度が低いものとなっており、従って加工が容易であっ
て、この点で従来のCPVCの欠点を改良したものとな
っている。
【0027】
【実施例】以下に実施例と比較例とを挙げて、この発明
方法のすぐれている所以を具体的に明らかにする。実施
例と比較例とにおいて、単に部というのは重量部を意味
している。また、そこでは得られたCPVCのゲル化温
度、熱安定性及び熱変形温度等の物性を測定している
が、その測定方法は次のとおりである。
【0028】まず、物性測定のために下記割合の配合物
を作った。 CPVC 100部 三塩基性硫酸鉛 3 二塩基性ステアリン酸鉛 1 MBS樹脂 10 ゲル化温度 Haak社製のプラストミルR−90を使用して、上記
配合物55gを回転数40rpmとし、温度を150℃
から毎分5℃の昇温速度で上昇させながら混練し、混練
トルクがピークになる時の温度をゲル化温度とした。 熱安定性 上記配合物を8インチロール2本からなる混練機に供給
し、ロールの表面温度を205℃として混練し、混練物
をロールに巻き付けた。巻き付け開始から30秒毎に巻
き付いたCPVCシートを切り返しながら、3分毎に少
量のシートを切り出して、シートの着色度を比較し、黒
褐色に変わるまでの時間で熱安定性を示した。 熱変形温度 上記の配合物を8インチロール2本からなる混練機に供
給し、190℃で3分間混練して厚さ0.5mmのシー
トを得た。このシートを重ね合わせ、195℃の温度と
150kg/cm2 の圧力の下に8分間プレス成形し
て、厚さ6.4mmのプレス板を作った。このプレス板
を試験片として、ASTM D 648に準拠し、負荷
荷重18.6kg/cm2 で熱変形温度を測定した。
【0029】
【実施例1】この実施例では、水溶性高分子物として部
分鹸化ポリビニルアルコールと、ヒドロキシメチルセル
ロースとを併用し、DPVC中の陰イオン性親水基とし
て燐酸基を含んだ分散安定剤を用いた。 (DPVC、すなわち側鎖に燐酸基を含んだPVCの製
造)DPVCは初期仕込を終えたオートクレーブに燐酸
基を含んだビニル系化合物を添加して共重合させること
によって作った。詳細は次のとおりである。 初期仕込 攪拌機を備えた内容積20Lのステンレスオートクレー
ブにメタノール(試薬一級)8100gと、重合開始剤
としてα−クミルパーオキシネオデカノエート25gを
仕込んだ後、アスピレータで5分間排気して、残存する
空気を排除した。次に塩化ビニル2600gを仕込ん
だ。 後添加仕込 3Lのステンレス製容器の空気を排除したのち、メタノ
ール500gに溶解した2−ヒドロキシプロピルアクリ
レート259gと、アシッドホスホキシエチルメタクリ
レート15gとの混合溶液を吸引させ、その後塩化ビニ
ル1045gを圧入した。この容器を振盪して内容物を
混合溶解した後に、底部の弁よりフレキシブルチューブ
を使用して、オートクレーブの添加ノズルに接続した。 重合反応操作 オートクレーブの攪拌機の回転数を380rpmとし、
ジャケットに温水を通して内温を43℃に昇温した。4
3℃になった時、添加容器から単量体の混合溶液を50
g添加し、その後重合反応の進行に応じて、5分毎に4
6g×4回、10分毎に31g×8回、5分毎に27g
×49回に分割して添加した。最後の添加を終わって1
0分後25℃まで冷却して重合反応を停止した。冷却後
未反応の塩化ビニルを排ガスした後、さらに窒素ガスを
通して十分に塩化ビニルを除去し、次いでオートクレー
ブより共重合体のメタノールスラリーを抜き出し、濾過
した後、50℃で24時間真空乾燥を行って白色の粉粒
状の共重合体を1300g得た。該樹脂の重合度は33
0、組成は塩化ビニル86.5%、2−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート12.9%、アシッドホスホキシエチ
ルメタクリレート0.6%であった。 (PVCの製造)この実施例では、水溶性高分子物から
なる懸濁剤として、部分ケン化ポリビニルアルコール
(PVA)とヒドロキシプロピルメチルセルロースを用
い、また側鎖に陰イオン性親水基を含んだポリ塩化ビニ
ル系重合体として、上で得たDPVCを用いた。実施の
詳細は次のとおりである。内容積216リットルの重合
器に、脱イオン水143部、懸濁剤として、鹸化度72
モル%の部分鹸化PVA0.05重量部およびヒドロキ
シプロピルメチルセルロース0.02重量部ならびDP
VC0.01重量部を投入し、重合器内の酸素を減圧除
去した後、さらに、塩化ビニル単量体100重量部、重
合触媒として、α−クミルパーオキシネオデカノエート
0.017重量部、t−ブチルパーオキシネオデカノエ
ート0.06重量部を投入した。次いで、重合器を58
℃の温度に保持して重合を行い、重合器の内圧が7.0
kg/cm2 に達したとき、未反応の塩化ビニル単量体
を回収し、内容物を取り出し、脱水乾燥した。この塩化
ビニル樹脂の重合収率は85%で、平均重合度は100
0であった。 (CPVCの製造)内容積300リットルのグラスライ
ニング製反応槽に、脱イオン水500重量部と上記塩化
ビニル重合体100重量部を投入し、攪拌して塩化ビニ
ル重合体を水中に分散させた後、反応槽を加熱して、槽
内温度を70℃に保った。次いで、反応槽に窒素ガスを
吹き込み槽内を窒素ガスで置換した後、塩素ガスを吹き
込み、水銀ランプで槽内に紫外線を照射しながら、塩化
ビニル重合体の塩素化を行った。槽内の塩酸濃度を測定
して塩素化反応の進行状況を検討し、得られた塩素化塩
化ビニル樹脂の塩素含有量が約68.5重量%に達した
時点で塩素ガスの供給を停止し、塩素化反応を終了し
た。その後、槽内に窒素ガスを吹き込みながら未反応塩
素を除去し、得られた分散物を水酸化ナトリウムで中和
し、水で洗浄して脱水した後、乾燥して粉状塩素化塩化
ビニル樹脂(CPVC)を得た。得られたCPVCの塩
素含有率は68.5重量%であり、ゲル化温度は190
℃、熱安定性は25分、熱変形温度は140℃であっ
た。このCPVCは、後に述べる比較例1のCPVCと
比較すると、ゲル化温度が低くて加工の容易なものであ
った。
【0030】
【比較例1】実施例1において、分散安定剤としてのポ
リ塩化ビニル系重合体を用いないこととした以外は、実
施例1と全く同様に実施した。
【0031】得られたCPVCの塩素含有率は68.5
重量%であり、ゲル化温度は200℃であり、熱安定性
は24分であり、熱変形温度は138℃であった。
【0032】実施例1で得られたCPVCを比較例1で
得られたCPVCと比較すると、両者はPVCの製造工
程において、側鎖に陰イオン性親水基を含んだポリ塩化
ビニル系重合体を用いたかどうかの点で異なるだけであ
り、塩素含有率が同じ68.5重量%であって、熱変形
温度がそれぞれ140℃、138℃というほぼ同じ値で
あり、熱安定性もそれぞれ25分と24分であって大き
く変わらないのに、両者はゲル化温度において190℃
と200℃という10℃もの差を示している。これによ
り、側鎖に陰イオン性親水基を含んだポリ塩化ビニル系
重合体のもたらす効果の顕著なことが明らかとなる。
【0033】
【実施例2】実施例1のCPVCの製造において、CP
VCの塩素含有率が66.5重量%に達した時点で塩素
ガスの供給を停止することとした以外は、実施例1と全
く同様に実施した。
【0034】従って、この実施例ではCPVCの塩素含
有率が66.5重量%であった。このCPVCのゲル化
温度は172℃であり、熱安定性は20分であり、熱変
形温度は104℃であった。このCPVCは、次の比較
例2で得られたCPVCと比較すると、ゲル化温度が低
くて加工の容易なものであった。
【0035】
【比較例2】実施例2において、側鎖に陰イオン性親水
基を含有するポリ塩化ビニル系重合体を用いないことと
した以外は、実施例2と全く同様に実施した。
【0036】従って、得られたCPVCの塩素含有率は
66.5重量%である。このCPVCのゲル化温度は1
88℃であり、熱安定性は21分であり、熱変形温度は
104℃であった。
【0037】実施例2で得られたCPVCを比較例2で
得られたCPVCと比較すると、両者は製造過程におい
て、側鎖に陰イオン性親水基を含有するポリ塩化ビニル
系重合体を用いたかどうかの点で異なるだけであり、塩
素含有率が同じ66.5重量%であって、熱変形温度が
それぞれ104℃という同じ値であり、熱安定性も20
分と21分というほぼ同じ値を示しているのに、ゲル化
温度において172℃と188℃であって、16℃にも
達する大きな差異を示している。これにより、側鎖に陰
イオン性親水基を含有するポリ塩化ビニル系重合体のも
たらす効果の顕著なことが明らかに認められる。
【0038】
【実施例3】この実施例においては、側鎖に陰イオン性
親水基を含有するポリ塩化ビニル系重合体として、重合
度400、塩化ビニル83重量%、2ーヒドロキシプロ
ピルアクリレート15重量%、親水基として2−アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム2
重量%含有するものを用いた。具体的には実施例1にお
いて、部分ケン化PVAの量を0.04部とし、ヒドロ
キシメチルセルロースの量を0.02部とし、上記の側
鎖に陰イオン性親水基を含有するポリ塩化ビニル系重合
体を0.02部使用した以外は、実施例1と全く同様に
実施した。
【0039】得られたCPVCは、68.5重量%の塩
素含有率のものであり、ゲル化温度は188℃であり、
熱安定性は28分であり、熱変形温度は140℃であっ
た。このCPVCは前述の比較例1で得られたCPVC
に比べると、ゲル化温度が低くて、加工の容易なもので
あった。
【0040】
【実施例4】この実施例においては、側鎖に陰イオン性
親水基を含有するポリ塩化ビニル系重合体として、重合
度600、塩化ビニル73重量%、2ーヒドロキシプロ
ピルアクリレート5重量%、nーブチルアクリレート1
5重量%、親水基として2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸ナトリウムを7重量%含有するも
のを用いた。具体的には実施例1において、部分ケン化
PVAの量を0.04部とし、ヒドロキシメチルセルロ
ースの量を0.03部とし、上記の側鎖に陰イオン性親
水基を含有するポリ塩化ビニル系重合体を0.01部使
用した以外は、実施例1と全く同様に実施した。
【0041】得られたCPVCは、68.5重量%の塩
素含有率のものであり、ゲル化温度は180℃であり、
熱安定性は24分であり、熱変形温度は138℃であっ
た。このCPVCは上述のような塩素含有率と熱変形温
度を示すCPVCの中では、ゲル化温度が低くて加工の
容易なものであった。
【0042】
【実施例5】この実施例においては、側鎖に陽イオン性
親水基を含有するポリ塩化ビニル系重合体として、重合
度300、塩化ビニル77重量%、2ーヒドロキシプロ
ピルアクリレート15重量%、親水基としてアクリルア
ミド−3−メチルブチルトリメチルアンモニウムクロラ
イドを8重量%含有するものを用いた。具体的には実施
例1において、部分ケン化PVAの量を0.06部と
し、ヒドロキシメチルセルロースを使用せず、上記の側
鎖に陽イオン性親水基を含有するポリ塩化ビニル系重合
体を0.05部使用した以外は、実施例1と全く同様に
実施した。
【0043】得られたCPVCは、68.5重量%の塩
素含有率のものであり、ゲル化温度は184℃であり、
熱安定性は26分であり、熱変形温度は138℃であっ
た。このCPVCは上述のような塩素含有率と熱変形温
度を示すCPVCの中では、ゲル化温度が低くて加工の
容易なものであった。
【0044】
【実施例6】DPVCの重合方法として、懸濁重合方法
を用いた。すなわち撹拌器の備えられたジャケット付き
20Lのステンレスオートクレーブに、イオン交換水9
200g、tーブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノ
エート12.5g、分散剤としてポリプロピレンオキシ
ド−ポリエチレンイミン共重合体100gを供給し、重
合器を密閉して空気を排除した後、塩化ビニル4500
gを圧入した。次いで塩化ビニル2400g、2−ヒド
ロキシプロピルアクリレート800g、2−アクリロイ
ルオキシエチルフタル酸100gからなる後添加組成物
の10重量%を圧入した。撹拌しながら80℃まで昇温
し、重合器内の温度が80℃に到達した直後から後添加
組成物の残部を120箇の部分に分割し、2分毎に添加
して懸濁重合を行った。最後の添加を終わって10分
後、25℃まで冷却して重合反応を停止した。冷却後、
未反応の塩化ビニルなどを除去し、重合スラリーを取り
出し、これをイオン交換水で洗浄し、50℃で24時間
真空乾燥を行って、白色の粉粒状の共重合体を得た。該
樹脂の重合度は390、組成は塩化ビニル84%、2−
ヒドロキシプロピルアクリレート15.0%、2ーアク
リロイルオキシエチルフタル酸1.0%であった。
【0045】このDPVCを0.03部および部分ケン
化PVAの量を0.08部とし、ヒドロキシメチルセル
ロースを使用しないこととした以外は、実施例1と全く
同様に実施した。得られたCPVCは、68.5重量%
の塩素含有率のものであり、ゲル化温度は186℃であ
り、熱安定性は26分、熱変形温度は140℃であっ
た。このCPVCは前述の比較例1で得られたCPVC
に比べると、ゲル化温度が低くて加工の容易なものであ
った。
【0046】
【実施例7】この実施例においては、実施例1のような
初期仕込、後添加仕込を行わずに、一括仕込で重合し
た。すなわち撹拌器の備えられたジャケット付き20L
のステンレスオートクレーブに、イオン交換水9200
g、tーブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
12.5g、分散剤としてポリプロピレンオキシド−ポ
リエチレンイミン共重合体100gを供給し、重合器を
密閉して空気を排除した後、塩化ビニル6900g、酢
酸ビニル780g、マレイン酸200gを圧入した。撹
拌しながら80℃まで昇温し、所定の時間まで重合した
後、25℃まで冷却して重合反応を停止した。冷却後、
未反応の塩化ビニルなどを除去し、重合スラリーを取り
出し、これをイオン交換水で洗浄し、50℃で24時間
真空乾燥を行って、白色の粉粒状の共重合体を得た。該
樹脂の重合度は400、組成は塩化ビニル88%、酢酸
ビニル10%、マレイン酸2.0%であった。
【0047】このDPVCを0.05部および部分ケン
化PVAの量を0.06部とし、ヒドロキシメチルセル
ロースを使用しないこととした以外は、実施例1と全く
同様に実施した。得られたCPVCは、68.5重量%
の塩素含有率のものであり、ゲル化温度は185℃であ
り、熱安定性は25分、熱変形温度は140℃であっ
た。このCPVCは前述のような塩素含有率と熱変形温
度を示すCPVCに比べると、ゲル化温度が低くて、加
工の容易なものであった。
【0048】
【比較例3】実施例1において、側鎖に陰イオン性親水
基を含有したポリ塩化ビニル系重合体として、重合度1
000、塩化ビニル90重量%、親水基として2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム
を10重量%含有したものを0.05部使用した以外
は、実施例1と同様に実施した。
【0049】得られたCPVCは、68.5重量%の塩
素含有率のものであって、ゲル化温度197℃、熱安定
性は25分、熱変形温度は138℃であった。このCP
VCは、実施例で得られたCPVCのどれに比べてもゲ
ル化温度の高いものであった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側鎖に陰イオン性親水基又は陽イオン性
    親水基を0.1〜8重量%含んでおり、平均重合度が8
    00未満の塩化ビニル系共重合体の存在下で、水溶性高
    分子物を懸濁剤として使用し、塩化ビニル単量体を水性
    媒体中に懸濁させ、塩化ビニル単量体に溶解する重合開
    始剤を添加し、塩化ビニル単量体を重合させて塩化ビニ
    ル系樹脂を作り、その後この塩化ビニル系樹脂を塩素化
    することを特徴とする、塩素化塩化ビニル系樹脂の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 陰イオン性親水基がスルホン酸基、カル
    ボキシル基、燐酸基及び硫酸基から成る群から選ばれた
    ものであり、陽イオン性親水基が四級アンモニウム塩基
    であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
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