JP2006322013A - 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 Download PDF

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Mamoru Hino
守 日野
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Abstract

【課題】PVCの重合時に多量のスケールが発生せず、ゲル化性能及び耐熱性に優れると共に、工業的に有利なCPVCの製造方法を提供する。
【解決手段】塩化ビニル単量体単独又は塩化ビニル単量体とこれと共重合可能な他の単量体との混合物を油溶性重合開始剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合する際に、反応系に、部分ケン化ポリ酢酸ビニル(a)、ソルビタン脂肪酸エステル(c)及び高級脂肪酸(d)を添加し重合して得られた塩化ビニル系重合体を塩素化する。
【選択図】なし

Description

本発明は、塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法に関する。
従来より、塩素化塩化ビニル系樹脂(以下CPVCという)は、塩化ビニル系樹脂(以下PVCという)を塩素化して製造される。従来より、PVCは機械的強度、耐候性、耐薬品性の優れた材料として多くの用途に用いられている。
しかしながら、PVCには、耐熱性に劣るという欠点をもっているため、PVCを塩素化して耐熱性を向上させたCPVCが開発された。
PVCは熱変形温度が低く使用可能な上限温度が60〜70℃付近であるため、熱水に対して使用できないのに対し、CPVCは熱変形温度がPVCよりも20〜40℃も高いため熱水に対して使用可能であり、例えば、耐熱パイプ、耐熱継手、耐熱バルブ等に好適に使用されている。
しかしながら、CPVCは熱変形温度が高いため、成形加工時にゲル化させるには高温と高剪断力を必要とし、分解し着色しやすい傾向があった。
従って、CPVCは成形加工幅が狭く、不十分なゲル化状態で製品化されることが多く、素材のもつ性能を十分に活用しているとはいえなかった。
このような問題点を解決するため、例えば、特開昭49−6080号公報には、イオン性乳化剤と水溶性金属塩及び水溶性高分子分散剤からなる懸濁安定剤を使用することによって、約1μmの基本粒子からなる凝集体で構成されたPVCを塩素化する方法が開示されている。
しかしながら、この方法では、成形加工時のゲル化性能が向上するもののまだ十分ではなく、重合の際に多量のスケールが発生し、これが重合槽の壁面に付着して除熱効果を阻害するため、そのスケール除去作業を必要とするという問題点があった。
また、例えば、特開昭61−174201号公報には、セルローズ系分散剤の存在下でPVCを重合した後、セルローズ分解酵素を作用させてセルローズ系分散剤皮膜を除去したPVCを後塩素化する方法が開示されている。
しかしながら、この方法では、セルローズがPVC表面で外殻として塩化ビニル系重合体と密に融着しており、セルローズ分解酵素を作用させても効果が十分に発揮しないため、得られるCPVCのゲル化性能、可塑剤吸収性が向上しないという問題点があった。
特開昭49−6080号公報 特開昭61−174201号公報
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、PVCの重合時に多量のスケールが発生せず、ゲル化性能及び耐熱性に優れると共に、工業的に有利なCPVCの製造方法を提供することにある。
請求項1記載の発明(以下本発明という)の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法は、塩化ビニル単量体単独又は塩化ビニル単量体とこれと共重合可能な他の単量体との混合物を油溶性重合開始剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合する際に、反応系に、(a)塩化ビニル単量体に対する添加量が150〜500ppmである、平均ケン化度60〜90モル%の部分ケン化ポリ酢酸ビニル、(c)HLBが3〜10でかつ塩化ビニル単量体に対する添加量が1500〜8000ppmであるソルビタン脂肪酸エステル、(d)炭素数8〜25の高級脂肪酸及び(e)0.1重量%水溶液での粘度が10〜200cpsの増粘性添加剤を添加し重合して得られた塩化ビニル系重合体を、塩素化することを特徴とするものである。
本発明で用いられる塩化ビニル単量体と共重合可能な他の単量体としては、酢酸ビニル等のアルキルビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のα−モノオレフィン類の他、塩化ビニリデン、スチレン等が挙げられるが、塩化ビニル単量体と共重合可能なものであれば特に制限はない。
上記部分ケン化ポリ酢酸ビニル(a)は、懸濁分散剤として用いられ、その平均ケン化度は、低くなると油溶性が強くなり分散能力が不足するため得られるPVCは粗大粒子が多くなり、高くなると保護コロイド性が強くなるため得られるPVC粒子表面に厚いスキン層が形成され、後の塩素化適性が悪くなるので、60〜90モル%が好ましく、より好ましくは70〜85モル%である。
上記部分ケン化ポリ酢酸ビニル(a)の平均重合度は、低くなると分散能力に欠けるためPVCが粗大粒子やブロック状になり易く、高くなるとPVC粒子のスキン層が厚くなると共に、多孔性(微細孔面積)が不足して後の塩素化適性が悪くなるので、500〜3,000が好ましく、より好ましくは700〜1,500である。
上記部分ケン化ポリ酢酸ビニル(a)の添加量は、少なくなると油滴が不安定なためにPVCはブロック状になり易く、多くなるとPVC表面のスキン層が厚くなって後の塩素化適性が悪くなるので、塩化ビニル単量体に対して150〜2,000ppmが好ましい。
本発明で用いられるセルローズ誘導体(b)は、懸濁分散剤として使用され、例えば、メチルセルローズ、エチルセルローズ、ヒドロキシプロピルメチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ等が挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
上記セルローズ誘導体(b)の添加量は、少なくなると油滴が不安定となるためPVC粒子が得られずブロック状となることがあり、多くなるとPVC粒子表面のスキン層が厚くなり、ときにはガラス玉状の粒子が多くなり塩素化適性が低下するので、塩化ビニル単量体に対して150〜2,000ppmが好ましい。
本発明で用いられるソルビタン脂肪酸エステル(c)のHLB値は、3〜10に制限され、好ましくは4〜9である。
HLB値が3未満では、強い親油性を示すため水性媒体中での分散能力が低くなり、得られるPVCの粒度分布は粗大粒子を含む広い範囲のものとなる。
また、HLB値が10を超えると、親水性が強く重合中の油滴が不安定となり、最終的に粒子の凝集や合一が起こるためブロック状樹脂又は粗大粒子の集合体になり易くなる。
上記ソルビタン脂肪酸エステル(c)としては、例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノミリステート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート等のソルンビタン飽和高級脂肪酸エステル又は不飽和高級脂肪酸エステルが挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
上記ソルビタン脂肪酸エステル(c)の添加量は、少なくなるとスキン層が厚く形成されると共に多孔性が不足して塩素化適性が低下し、多くなると粒度分布が広くなると共に重合器内壁に付着するスケール量が増加するので、塩化ビニル単量体に対して好ましくは800〜8,000ppmである。
本発明で用いられる高級脂肪酸(d)の炭素数は8〜25に制限され、好ましくは11〜22である。炭素数が8未満では、水溶性の性質を帯びるため、重合中に油層に分配されず微細孔の割合が少なくなる。また、炭素数が25を超えると、塩素化の際に、脂肪酸主鎖が分断、塩素化され、得られるCPVCの熱安定性に悪影響を及ぼす場合がある。
上記高級脂肪酸(d)の添加量は、少なくなると効果がなく、多くなると塩素化後のCPVCの熱安定性が悪くなるので、塩化ビニル単量体に対して300〜20,000ppmが好ましい。
上記高級脂肪酸(d)としては、例えば、イソステアリン酸、ステアリン酸、n−ヘプタデカン酸、パルミチン酸、n−ペンタデカン酸、ミリスチン酸、アラギン酸、ノナデカン酸、n−トリデカン酸、ラウリン酸、ウンデシル酸等が挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
上記高級脂肪酸(d)は、主鎖の不飽和度、分岐により塩素化後のCPVCの熱安定性が若干悪くなる場合があるため、直鎖型の飽和脂肪酸が好ましい。
本発明で用いられる増粘性添加剤(e)としては、増粘効果を有するものであって、常温、常圧下において、その0.1重量%水溶液のブルックフィールズ粘度10〜200cps(mPa・s)のものが用いられ、好ましくは11〜140cps(mPa・s)である。
上記ブルックフィールズ粘度は、0.1重量%水溶液に調整した増粘性添加剤水溶液100ccをとり、25℃の恒温槽で2時間放置したのち、粘度計のローター(NO.2)を水溶液の一定レベルまで漬けて60rpmで回転させた。
粘度計の目盛りが安定したところで数値を読み取り、5倍換算した数値をその溶液の粘度〔cps(mPa・s)〕とした。
上記増粘性添加剤(e)の0.1重量%水溶液のブルックフィールズ粘度は、10cps(mPa・s)未満では、増粘効果が発現しないため粒度分布が悪くなり、塩素化の際に各粒子内の塩素化度合が均一とならない。また、200cps(mPa・s)を超えると、添加剤の平均分子量が高くなると共に水への分散が悪くなるため粒度分布を改善する効果が小さくなり、塩素化適性も低下する。
上記増粘性添加剤(e)としては、例えば、ポリエチレンオキサイド(重量平均分子量170万〜550万、好ましくは430万〜480万、0.1重量%水溶液の粘度12cps)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド(重量平均分子量800万〜1400万、好ましくは1200万〜1400万、0.1重量%水溶液の粘度51cps)、ポリアクリルアミド共重合体、架橋型(メタ)アクリル酸系ポリマー、メチルセルローズカルシウム、澱粉グリコール酸ナトリウム、澱粉リン酸エステルナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カルボキシメチルセルローズナトリウム、カルボキシメチルセルローズカルシウム等が挙げられる。これらは単独で使用されてもよく、二種以上が併用されてもよい。
上記増粘性添加剤(e)の添加量は、少なくなると反応系内で十分に増粘効果が発現しないため粒度分布を改善する効果が低くなり、多くなるとPVC粒子表面が強いスキン層に覆われるため塩素化適性が低下するので、塩化ビニル単量体に対して5〜2,000ppmが好ましく、より好ましくは25〜1,700ppmである。
本発明で用いられる油溶性重合開始剤としては、一般に塩化ビニル系樹脂の重合に用いられている公知のものが使用可能であり、例えば、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、α−クミルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルネオヘキサノエート、2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシ−2−ネオデカノエート等のパーエステル化合物;ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート化合物;デカノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、p−メタンハイドロパーオキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、イソブチリルパーオキシド等のパーオキシド化合物;α,α'-アゾビスイソブチロニトリル、α,α'-アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、α,α'-アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物などが挙げられ、これらは単独で使用されてもよく、二種以上が併用されてもよい。
本発明で使用される重合器(耐圧オートクレーブ)の形状、構造は、特に制限がなく、従来よりPVCの重合に使用されているものが用いられる。
また、攪拌翼は、ファウドラー翼、パドル翼、タービン翼、ファンタービン翼、ブルマージン翼等の汎用的に用いられているものでよいが、特にファウドラー翼が好ましく、邪魔板(バッフル)との組み合わせも特に制限はない。
本発明では、従来方法で得られたPVCを後塩素化する。
塩素化の工程では、従来の塩素化方法がそのまま使用可能であり、例えば、PVCを懸濁した状態、溶剤に溶解した状態又は固体状態のいずれでも行うことができ、塩素化はPVCに塩素を接触させることにより行われる。
上記方法のうち、特に懸濁した状態で塩素化する場合は、懸濁状態によって得られたPVCを水性媒体から分離せずに、懸濁重合によって得られた懸濁物そのものの中へ直接塩素を吹き込むことにより塩素化することもできる。
上記懸濁した状態で塩素化する場合は、光源を反応生成物に照射して光反応的に塩素化を促進することができる。光源としては、紫外光線;水銀灯、アーク灯、白熱電球、蛍光灯、カーボンアーク灯等の可視光線が好適に使用され、特に、紫外光線が効果的である。
また、上記水性媒体中には、アセトン、メチルエチルケトン等の少量のケトン類を加えてもよく、さらに必要に応じて、塩酸、トリクロロエチレン、四塩化炭素等の少量の塩素系溶剤が添加されてもよい。
上記塩素化の工程で、得られるCPVCの塩素含有率が、60〜70重量%となるように調整するのが好ましい。
本発明の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法は、上述の構成であり、懸濁重合により粒子表面のスキンが少なく、かつ該粒子内部の微細孔の割合が非常に高いPVCが得られるので、このPVCを塩素化する際に、PVC粒子の内部まで迅速に均一塩素化が進むと考えられる。従って、得られるCPVCは、耐熱性が高く、成形加工時のゲル化性能が優れる。
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
〔PVCの調製〕
内容積100リットルの重合器(耐圧オートクレーブ)に脱イオン水50kg、塩化ビニル単量体に対して、表1に示す平均ケン化度及び平均重合度の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを500ppm、ソルビタンモノラウレート(HLB8.6)1,500ppm、ラウリン酸1,400ppm及びt−ブチルパーオキシネオデカノエート500ppmを投入した。次いで、重合器内を45mmHgまで脱気した後、塩化ビニル単量体33kgを仕込み攪拌を開始した。
重合器内を57℃に昇温して重合を開始し、重合反応終了までこの温度を保った。重合転化率が90%になった時点で反応を終了し、重合器内の未反応単量体を回収した後、重合体をスラリー状で系外へ取り出し、脱水乾燥してPVCを得た。
〔CPVCの調製〕
内容積300リットルのグラスライニング製反応槽に脱イオン水150kgと上記で得たPVC45kgを入れ、攪拌してPVCを水中に分散させ、その後反応槽を昇温して槽内を70℃に保った。次いで、反応槽内に窒素ガスを吹き込み槽内を窒素ガスで置換した後、反応槽内に塩素ガスを吹き込み、水銀ランプで槽内を紫外線照射しながらPVCの塩素化を行った。
槽内の塩酸濃度を測定して塩素化反応の進行状況を検討しながら塩素化反応を続け、生成したCPVCの塩素含有率が66.5重量%に達した時点で塩素ガスの供給を停止し、塩素化反応を終了した。
さらに、槽内に窒素ガスを吹き込んで未反応塩素を除去し、得られた分散物を水酸化ナトリウムで中和した後、水で洗浄し脱水乾燥して粉末状のCPVCを得た。得られたCPVCの塩素含有率は66.5重量%であった。
(実施例2)
ソルビタンモノラウレートに代えて、ソルビタンモノステアレート(HLB4.7)1,500ppmを使用したこと以外は、実施例1と同様にしてPVCを得た後、このPVCを実施例1と同様にして塩素化し、CPVCを得た。得られたCPVCの塩素含有率は66.5重量%であった。
(実施例3)
平均ケン化度80モル%、平均重合度1,000の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを使用したこと以外は、実施例1と同様にしてPVCを得た後、このPVCを実施例1と同様にして塩素化し、CPVCを得た。得られたCPVCの塩素含有率は66.5重量%であった。
(比較例1〜3)
表2に示した、平均ケン化度及び平均重合度の部分ケン化ポリ酢酸ビニル、ソルビタン脂肪酸エステルならびに高級脂肪酸を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてPVCを得た後、このPVCを実施例1と同様にして塩素化し、CPVCを得た。
(比較例4)
表2に示した、平均ケン化度及び平均重合度の部分ケン化ポリ酢酸ビニル、ソルビタン脂肪酸エステルならびに高級脂肪酸を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてPVCを得たが、得られたPVC粒子は、粒径1,000μm程度の粗粒子のため塩素化は行わなかった。
(比較例5)
表2に示した、平均ケン化度及び平均重合度の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを使用し、ソルビタン脂肪酸エステルならびに高級脂肪酸を全く使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてPVCを得た後、このPVCを実施例1と同様にして塩素化し、CPVCを得た。
上記実施例及び比較例(比較例5を除く)で得られたCPVCにつき、下記の性能評価を行い、その結果を表1及び2に示した。
(1)ゲル化温度の測定
Haak社製「レオコード90」を使用して、下記樹脂組成物55gを、回転数40rpmで、温度を150℃から毎分5℃の昇温速度で上昇させながら混練し、混練トルクが最大になる時の温度及びトルクを測定した。
尚、樹脂組成物としては、CPVC100重量部に対して、三塩基性硫酸鉛3重量部、二塩基性ステアリン酸鉛1重量部及びMBS樹脂10重量部からなるものを使用した。
(2)熱安定性試験
上記樹脂組成物を、8インチロール2本からなる混練機に供給してロール表面温度205℃で混練し、混練物をロールに巻き付けてから30秒毎に巻き付いたCPVCシートを切り返しながら、3分毎に少量のシートを切り出して、シートの着色度を比較し、黒褐色に変わる時間で熱安定性を判定した。
(3)ビカット軟化温度
上記熱安定性試験で作製した5mm厚のCPVCシートを、15mm角に切り出して測定用サンプルとし、測定装置として安田製作所製「Heat Distortion Tester No.148 HDA Type」を使用して、JIS K7206(重り1.0kgf)に準拠して測定した。
Figure 2006322013
Figure 2006322013
(実施例4)
部分ケン化ポリ酢酸ビニルに代えてヒドロキシプロピルメチルセルローズを800ppm、ソルビタンモノステアレートに代えてソルビタンモノラウレート2,500ppmをそれぞれ使用したこと以外は、実施例1と同様にしてPVCを得た後、このPVCを実施例1と同様にして塩素化し、CPVCを得た。
得られたCPVCの塩素含有率は66.5重量%であった。
(実施例5)
ソルビタンモノラウレートに代えて、ソルビタンモノステアレート2,500ppm使用したこと以外は、実施例4と同様にしてPVCを得た後、このPVCを実施例1と同様にして塩素化し、CPVCを得た。得られたCPVCの塩素含有率は66.5重量%であった。
(実施例6)
ヒドロキシプロピルメチルセルローズに代えてメチルセルローズ800ppm、ラウリン酸に代えてステアリン酸1,800ppmをそれぞれ使用したこと以外は、実施例4と同様にしてPVCを得た後、このPVCを実施例1と同様にして塩素化し、CPVCを得た。得られたCPVCの塩素含有率は66.5重量%であった。
(比較例6〜8)
表4に示した、セルローズ誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル及び高級脂肪酸を使用したこと以外は、実施例4と同様にしてPVCを得た後、このPVCを実施例1と同様にして塩素化し、CPVCを得た。
(比較例9)
セルローズ誘導体を全く使用しなかったこと以外は、実施例4と同様にしてPVCを得ようとしたが、PVCが重合器内でブロック状に凝集したため塩素化を行わなかった。
(比較例10)
ソルビタン脂肪酸エステル及び高級脂肪酸を使用しなかったこと以外は、実施例4と同様にしてPVCを得た後、このPVCを実施例1と同様にして塩素化し、CPVCを得た。
上記実施例4〜6及び比較例6〜10で得られたCPVCにつき、実施例1と同様な測定を行い、その結果を表3及び4に示した。
Figure 2006322013
Figure 2006322013
(実施例7)
〔PVC及びCPVCの調製〕
内容積100リットルの重合器(耐圧オートクレーブ)に脱イオン水50kg、塩化ビニル単量体に対して、表5に示す平均ケン化度及び平均重合度の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを500ppm、ソルビタンモノラウレート(HLB8.6)1,500ppm、ラウリン酸1,400ppm、ポリエチレンオキサイド(重量平均分子量:430〜480万、0.1重量%水溶液:12cps)150ppm及びt−ブチルパーオキシネオデカノエート500ppmを投入した。
次いで、重合器内を45mmHgまで脱気した後、塩化ビニル単量体33kgを仕込み攪拌を開始した。
重合器内を57℃に昇温して重合を開始し、重合反応終了までこの温度を保った。重合転化率が90%になった時点で反応を終了し、重合器内の未反応単量体を回収した後、重合体をスラリー状で系外へ取り出し、脱水乾燥してPVCを得た。このPVCを実施例1と同様にして塩素化し、CPVCを得た。得られたCPVCの塩素含有率は66.5重量%であった。
(実施例8)
ソルビタンモノラウレートに代えて、ソルビタンモノステアレート1,500ppmを使用したこと以外は、実施例7と同様にしてPVCを得た後、このPVCを実施例1と同様にして塩素化し、CPVCを得た。得られたCPVCの塩素含有率は66.5重量%であった。
(実施例9)
平均ケン化度80モル%、平均重合度1,000の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを500ppm、増粘性添加剤としてポリアクリルアミド(重量平均分子量:1200万〜1400万、0.1重量%水溶液:51cps)150ppmをそれぞれ使用したこと以外は、実施例7と同様にしてPVCを得た後、このPVCを実施例1と同様にして塩素化し、CPVCを得た。得られたCPVCの塩素含有率は66.5重量%であった。
(比較例11〜13)
表6に示した、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、ソルビタン脂肪酸エステル、高級脂肪酸及び増粘性添加剤を使用したこと以外は、実施例7と同様にしてPVCを得た後、このPVCを実施例1と同様にして塩素化し、CPVCを得た。
(比較例14)
表6に示した、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、ソルビタン脂肪酸エステル、高級脂肪酸及び増粘性添加剤を使用したこと以外は、実施例7と同様にしてPVCを得たが、得られたPVC粒子は、粒径1,000μm程度の粗粒子のため塩素化は行わなかった。
上記実施例7〜9及び比較例11〜13で得られたCPVCにつき、実施例1と同様な測定を行い、その結果を表5及び6に示した。
Figure 2006322013
Figure 2006322013
(実施例10)
〔PVC及びCPVCの調製〕
内容積100リットルの重合器(耐圧オートクレーブ)に脱イオン水50kg、塩化ビニル単量体に対して、セルローズ誘導体としてヒドロキシプロピルメチルセルローズ800ppm、ソルビタンモノラウレート(HLB8.6)2,500ppm、ラウリン酸1,800ppm、ポリアクリルアミド(重量平均分子量:1200万〜1400万、0.1重量%水溶液:51cps)100ppm及びt−ブチルパーオキシネオデカノエート500ppmを投入した。
次いで、重合器内を45mmHgまで脱気した後、塩化ビニル単量体33kgを仕込み攪拌を開始した。
重合器内を57℃に昇温して重合を開始し、重合反応終了までこの温度を保った。重合転化率が90%になった時点で反応を終了し、重合器内の未反応単量体を回収した後、重合体をスラリー状で系外へ取り出し、脱水乾燥してPVCを得た。このPVCを実施例1と同様にして塩素化し、CPVCを得た。得られたCPVCの塩素含有率は66.5重量%であった。
(実施例11)
ソルビタンモノラウレートに代えて、ソルビタンモノステアレート2,500ppmを使用したこと以外は、実施例10と同様にしてPVCを得た後、このPVCを実施例1と同様にして塩素化し、CPVCを得た。得られたCPVCの塩素含有率は66.5重量%であった。
(実施例12)
セルローズ誘導体としてメチルセルローズ800ppm、増粘性添加剤としてポリエチレンオキサイド(重量平均分子量:430万〜480万、0.1重量%水溶液:12cps)100ppmをそれぞれ使用したこと以外は、実施例7と同様にしてPVCを得た後、このPVCを実施例1と同様にして塩素化し、CPVCを得た。得られたCPVCの塩素含有率は66.5重量%であった。
(比較例15〜17)
表8に示した、セルローズ誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、高級脂肪酸及び増粘性添加剤を使用したこと以外は、実施例10と同様にしてPVCを得た後、このPVCを実施例1と同様にして塩素化し、CPVCを得た。
(比較例18)
表8に示したセルローズ誘導体及び高級脂肪酸を使用したこと以外は、実施例10と同様にしてPVCを得ようとしたが、得られたPVC粒子は、粒径1,000μm程度の粗粒子のため塩素化は行わなかった。
上記実施例10〜12及び比較例15〜18で得られたCPVCにつき、実施例1と同様な測定を行い、その結果を表7及び8に示した。
Figure 2006322013
Figure 2006322013

Claims (1)

  1. 塩化ビニル単量体単独又は塩化ビニル単量体とこれと共重合可能な他の単量体との混合物を油溶性重合開始剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合する際に、反応系に、(a)塩化ビニル単量体に対する添加量が150〜500ppmである、平均ケン化度60〜90モル%の部分ケン化ポリ酢酸ビニル、(c)HLBが3〜10でかつ塩化ビニル単量体に対する添加量が1500〜8000ppmであるソルビタン脂肪酸エステル、(d)炭素数8〜25の高級脂肪酸及び(e)0.1重量%水溶液での粘度が10〜200cpsの増粘性添加剤を添加し重合して得られた塩化ビニル系重合体を、塩素化することを特徴とする塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法。


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