JPH09315382A - 小型滑走艇の内燃機関 - Google Patents

小型滑走艇の内燃機関

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JPH09315382A
JPH09315382A JP8139848A JP13984896A JPH09315382A JP H09315382 A JPH09315382 A JP H09315382A JP 8139848 A JP8139848 A JP 8139848A JP 13984896 A JP13984896 A JP 13984896A JP H09315382 A JPH09315382 A JP H09315382A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型滑走艇の内燃機関において、その潤滑油
タンクを、油量等の点検やオイル補充、さらにはその着
脱や清掃、オイル交換が容易に行える安定性の良い位置
に配置したドライサンプ式潤滑システムを得る。 【解決手段】 小型滑走艇1の搭乗者用座席4は、デッ
キフレーム40の上に着脱可能に取り付けている。その
小型滑走艇1の推進手段を駆動する内燃機関20につい
て、クランクケースの最下部位置に該クランクケース内
に連通するように設けた潤滑油受けから、スカベンジン
グポンプによって内燃機関20の外部に設置した潤滑油
タンク30に潤滑油を移送し、該タンク30内の潤滑油
をエンジン潤滑必要部にフィードポンプによって供給す
るようにする。その潤滑油タンク30は、デッキフレー
ム40内部のカップリング46の上方を避けた位置に上
方から挿入し、デッキフレーム40上に着脱可能に固定
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に小型滑走艇
の推進手段を駆動する内燃機関、特にその種の内燃機関
の潤滑油タンクの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】水上を滑走する小型滑走艇には、推進用
のエンジンとして小型、軽量の利点をもつ2サイクルエ
ンジンが搭載されている。小型滑走艇は、スポーツ性に
富む乗り物である関係で、クランクケースから燃焼室側
へ潤滑油が流入することの無い潤滑システムがその2サ
イクルエンジンに採用されている。
【0003】近年、環境保全の観点から、騒音レベルが
比較的低くまた排気ガス状態が良好な4サイクルエンジ
ンが小型滑走艇に搭載され始めている。そしてこの形式
のエンジンにも、上述のようなメリットによってドライ
サンプ方式の潤滑システムを採用しようとする試みが行
われつつある。
【0004】その試みの一つは、特開平7−23758
7号の公開特許公報に開示されており、小型滑走艇推進
用エンジンの潤滑用オイルタンクを、船体長手方向に延
在するエンジン出力軸とインペラ軸とを連結するカップ
リングの上方に配置し、エンジン下部に設けられたオイ
ルパンにオイルポンプを介してそのオイルタンクを連通
させ、オイルパンに集まった潤滑油をポンプによってオ
イルタンクに移送するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】小型滑走艇の内燃機関
についてドライサンプ方式の潤滑方式を採用する場合、
潤滑油タンクをどこに、どのように設けるかが検討課題
となる。とくに、潤滑油タンクをエンジンとは別に設け
るとすれば、しっかりと固定することができ、着脱が容
易で、メンテナンスを行いやすいように、当該タンクの
設置位置や取り付け方法を定める必要がある。
【0006】上記公報に記載のオイルタンクもエンジン
とは別に設けられるものであるが、その公報には、オイ
ルタンクの設置手段について記載がない。オイルタンク
を設ける概ねの位置は示されている(上記のとおりカッ
プリングの上方)が、タンクを何に対して固定するか、
またメンテナンスを可能とすべくタンクをどのように取
り付けるか等について、何ら明らかにされていないので
ある。また、小型滑走艇のカップリングは、ゴム製のエ
レメント等が使用されていることもあって保守点検を比
較的頻繁に受ける必要があり、上記公報のようにカップ
リングの上方にオイルタンクが配置されると当該カップ
リングの保守点検が行いにくくなる、といった課題もあ
る。
【0007】本発明は、上記従来技術の課題に鑑み提案
するもので、小型滑走艇の内燃機関においてドライサン
プ方式のメリットを享受できるほか、エンジンの潤滑油
タンクについて油量等の点検やオイル補充が容易に行え
て、タンクの取り外しや清掃、オイル交換も行いやす
く、且つ取り付けたタンクの安定性も良いドライサンプ
式潤滑システムを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の請求項1に記載の小型滑走艇の内燃機関は、小型滑
走艇の推進手段を駆動する内燃機関であって、機関本体
(つまり、シリンダヘッドやシリンダブロック、クラン
クケースなどを含む内燃機関の主構造部)の最下部位置
にクランクケースの内部空間と連通する潤滑油受けが設
けられるとともに、機関本体の外部に潤滑油タンクが設
置され、上記潤滑油受けは当該受けに集まった潤滑油を
上記潤滑油タンクへ移送するスカベンジングポンプに接
続され、上記潤滑油タンクは当該タンク内の潤滑油を内
燃機関の潤滑必要部に供給するフィードポンプに接続さ
れる一方、小型滑走艇におけるデッキフレームのうち取
り外し可能な搭乗者座席の下に開口が設けられ、上記の
潤滑油タンクは、その開口を通して上方からデッキフレ
ームの内側に挿入され当該デッキフレームに対して着脱
可能に固定されていることを特徴とする。
【0009】この内燃機関はまず、クランクケース内に
潤滑油を溜めるのではなく別に潤滑油タンクを設けたド
ライサンプ方式をとっているため、次のようなメリット
を有する。(a)クランクシャフト等の回転体が潤滑油
面に接することによる出力低下や、潤滑油のかきあげに
よるオイルミストの飛散を抑制できる。(b)オイルパ
ンが不要であるためにエンジン位置を下げることがで
き、船体の低重心化を図ることができる。(c)エンジ
ンの高さ寸法を低くすることができる。(d)急加速、
急減速、急旋回、波間走行時等の際にも油面変化の影響
を受けないため、ポンプのエア噛み込み無しに適正な量
の潤滑油をエンジンの各部に圧送できる。(e)かきあ
げにともなう潤滑油の撹拌がないので、油温の上昇を抑
制できる。(f)転倒時にもオイルタンク内の潤滑油量
はほとんど変化せず、滑走艇を元に戻せば転倒前の状態
に復元できるので、すぐにエンジンの再始動が可能であ
る。
【0010】小型滑走艇は、スポーツ性に富む乗り物で
あるうえスペース上の都合から小さな内燃機関に大きな
出力を発揮させる必要もあることから、上記(a)〜
(f)のメリットはいずれも小型滑走艇にとって好都合
である。とくに(b)、(c)のように船体の低重心化
を図れることは、安定性を高める意味で好ましく、重要
な利点といえる。また、ドライサンプ方式であるため転
倒時にも燃焼室への潤滑油の流入が起こりにくく、エン
ジンの再始動性を高めることができる。
【0011】この内燃機関では、潤滑油タンクが、デッ
ドスペースとなることが多いデッキフレーム内側空間に
挿入されるため、そのスペースを有効活用して十分な潤
滑油保有容量を確保することができる。デッキフレーム
は小型滑走艇の外殻を構成する強度部材であるため、こ
れに固定されることによって当該潤滑油タンクはしっか
りと安定的に取り付けられた状態になる。また、搭乗者
用座席を取り外すことでその潤滑油タンクは露出するの
で、油量等の点検やオイル補充が容易に行え、更にタン
ク自体の着脱や清掃、オイル交換も容易に行える。デッ
キフレームに設けられた開口に上方から潤滑油タンクが
挿入・固定されるので、タンクの着脱も容易なのであ
る。
【0012】請求項2に記載のように、上記潤滑油タン
クが、デッキフレームの内側のうち当該内燃機関と上記
推進手段とを接続するカップリングの上方を避けた位置
に設置されると、比較的頻繁に保守点検を必要とする当
該カップリングに対しても保守点検作業が行いやすい。
【0013】請求項3に記載のように、潤滑油タンク
が、デッキフレームに対し防振具を介してボルトにより
固定されると、潤滑油タンクやそれに接続する配管系に
対する振動の悪影響を回避することができ、またボルト
の着脱で容易に上下方向に沿ってタンクの着脱ができ
る。
【0014】請求項4に記載のように、潤滑油タンク
が、レベルゲージ付きのキャップで塞がれる潤滑油注入
口を上部に有すると、潤滑油の補充をレベルチェックし
ながら簡単に行える。潤滑油タンクは、前記のように搭
乗者用座席を取り外すことによって露出するので、その
状態でキャップを取り外すことにより潤滑油の補充が行
え、またそのキャップに付いたレベルゲージを用いてレ
ベルチェックができるわけである。
【0015】請求項5に記載のように、潤滑油タンク
が、その上部からその最下部近傍を通って吸気マニホー
ルド内に連通するブリーザーパイプを備えると、ブロー
バイガスの分離を行いつつも、転倒時にタンク内の潤滑
油の流失を防止できて潤滑油の消費を抑えられ、また船
体復元後にすぐにエンジンの再始動ができる。つまり、
小型滑走艇が転倒してタンクが逆さになった場合、潤滑
油がブリーザーパイプ内に流入しても、同パイプは、転
倒時に油面上方に位置することになるタンク最下部近傍
を経由しているために、同パイプを通ってオイルが流失
したり、燃焼室に流入したりするのを防止できるのであ
る。
【0016】請求項6に記載のように、潤滑油タンク
が、その上部から吸気マニホールド内に連通し且つ転倒
検知センサーで開閉制御される(転倒時に閉じる)弁を
有したブリーザーパイプを備えると、ブローバイガスの
分離を行いつつも当該弁によって転倒時のタンク内潤滑
油の流失を防止でき、潤滑油の消費を抑えるとともに、
ブリーザーパイプの迂回を最小限に留め得て配管作業を
簡便化できる。また転倒時にブリーザーパイプ経由でオ
イルが燃焼室に流入するのが防止され、船体復元後にす
ぐエンジンの再始動ができる。
【0017】請求項7に記載のように、潤滑油タンク
が、内側にオイルミスト分離用のフィンを有すると、ブ
ローバイガス中の油分を油滴として回収し、潤滑油量の
減少度合いを緩和すると共に、ブリーザー経路内の油汚
れを低減する。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る小型滑走艇の
内燃機関に4サイクルエンジンを採用した場合について
添付図を参照にして以下に詳細に説明する。
【0019】図1は4サイクル四気筒内燃機関を搭載し
た小型滑走艇を示す側面図で、一部透視して示してお
り、図2は同内燃機関の潤滑油タンクの搭載部分の拡大
破断側面図、図3は同小型滑走艇の平面図、図4は小型
滑走艇の横断面図、図5は小型滑走艇の転倒スイッチ等
を示す概要図である。
【0020】図1によって、先ず小型滑走艇1について
概説する。小型滑走艇1は、海岸や湖岸の近くで滑走す
る水上の乗り物で、船底船体2の上にデッキ3や搭乗者
用座席4、ハンドル5などを取り付けて一人〜数人が搭
乗できるようになっている。下部後方にある水ジェット
ポンプのインペラ48にて加圧、噴出される水ジェット
により推進され、水面上を滑走することができる。イン
ペラ48は4サイクル四気筒内燃機関のエンジン20に
より駆動されるが、そのエンジン20は、船体のほぼ中
央に本体が搭載され、潤滑油タンク(以下オイルタンク
と言う)30を座席搭載デッキフレーム40に別置きで
固定したドライサンプ式潤滑システムを採用している。
エンジン20の出力はゴムエレメントを使用した弾性カ
ップリング46を介して駆動軸47へ伝えられ、その駆
動軸47がインペラ48を回転させる。次に、エンジン
20の構成を図1と図4によって概説する。エンジン2
0は、4サイクル四気筒のもので、シリンダヘッド21
を上部に有し、それより下にシリンダブロック25やク
ランクケース29を備えている。シリンダヘッド21の
内部には、吸気通路22と排気通路23が形成されてお
り、各通路22、23を開閉するバルブとともにそれら
のための動弁機構24等が組み込まれている。吸気通路
22の上流側にはキャブレター12Aを備えた吸気マニ
ホールド12と吸気サイレンサ11が接続され、排気通
路23の下流側には排気マニホールド13が接続されて
いる。また、シリンダブロック25の内部のシリンダラ
イナ25A内には上下に摺動可能なようにピストン26
が配置され、それらとシリンダヘッド21にて囲まれた
空間が燃焼室27となっている。ピストン26はクラン
ク軸28に連接されており、そのクランク軸28は軸受
(図示は省略)を介してクランクケース29により支え
られている。
【0021】クランクケース29は、クランク軸28が
内部で回転する空間を形成した軸線方向に長い略倒Ω状
横断面の長円筒壁29Wを有し、その最低部分から排気
側にやや傾斜して突出するように潤滑油受け(以下オイ
ル受けと言う)32を連通状態に形成しており、潤滑に
供されて軸受等から落下して来る潤滑油を受けてオイル
受け32に集める。オイル受け32に集まった潤滑油
は、そこに配置されたストレーナ35を通して比較的大
きな異物が除去されてからスカベンジングポンプP1に
より、クランクケース長円筒壁29W等に形成された油
路29Cや管路31Aを通ってオイルタンク30に送ら
れる。オイルタンク30内の潤滑油は、管路31Bを通
ってフィードポンプP2(図4において横方向でポンプ
P1と同じ位置にある)により、ファインストレーナ3
1C(図2)や上記のように形成された油路や管路を通
して潤滑必要箇所に供給される。これらのポンプP1、
P2は、クランク軸28に取り付けられた駆動歯車G1
によって駆動され従動歯車G2の回転で作動する二連式
トロコイドポンプとして構成されているが、もちろんト
ロコイドポンプに限らず内接ギアポンプや外接ギアポン
プ等の他の種類のポンプからも構成され得る。また、潤
滑油は適宜オイルクーラ36によって所定温度に冷却維
持されている。このクランクケース29は、オイル受け
32を斜め横に形成してオイルパンを省いており、特に
エンジン高さを低くし、小型滑走艇1の重心を低くして
いる点にも特徴がある。
【0022】オイルタンク30は、図1〜図3に示す様
に、ほぼ直方体形状の容器30Aを主要部として、レベ
ルゲージ34Aを備えたキャップ34で塞がれる潤滑油
注入口30Bを頂壁に有し、内壁には補強を兼ねた複数
のリブ状フィンFを取り付けて、オイルミスト分離を行
うようにしている。潤滑油中に浸ることになるフィンF
は小型滑走艇1の旋回や揺れに対して油面の大きな変動
を抑制する作用も発揮する。タンク30は、デッキフレ
ーム40の後部でカップリング46の真上を避けた位置
に設けられた開口40Aに上方から挿入され、上端に取
り付けられたフランジ33を介してデッキフレーム40
上に防振具41を挟んでボルト42にて固定されてお
り、デッキフレーム40内側のデッドスペース内に安定
的に収容固定されている。タンク側壁の上部には、スカ
ベンジングポンプP1によってオイル受け32から潤滑
油が移送されて来る流入管路31Aが接続されており、
同底部にはファインストレーナ31Cからフィードポン
プP2へ至る流出管路31Bが接続されている。
【0023】ブリーザーパイプ39は、流入管路31A
とほぼ同じ高さ位置でタンク側壁の上部に接続されてお
り、オイルタンク30の最下部近傍を通ったうえ、発電
機ケースC1内やシリンダヘッドカバー内を経て吸気マ
ニホールド12内に連通(または直接吸気マニホールド
12内に連通)されており、タンク30内を通気すると
共に通常運転中はタンク30内で分離されたブローバイ
ガスを吸気マニホールド12から燃焼室27に送るよう
にしている。小型滑走艇1が転倒してオイルタンク30
が逆さに成った場合に潤滑油がブリーザーパイプ39の
開口内に流入しても、油面上方に位置することになるオ
イルタンク30の最下部近傍をブリーザーパイプ39が
通っているため、オイルの流失は防止される。以上によ
って、既に述べた多くのメリットを有するドライサンプ
式潤滑システムの主要部が構成される。
【0024】上記のようにオイルタンク30を取り付け
ているデッキフレーム40の開口40Aは、図3に示す
ように、エンジン20の真上にある開口40Bのすぐ後
ろの位置にあたる。上述の(図2の)管路31A・31
Bやブリーザパイプ39をオイルタンク30に接続しま
たは分離するにあたっては、その開口40Bから手を入
れて必要な作業を行うことができる。なお、エンジン2
0の保守点検はその開口40Bを通して行うことができ
る。
【0025】この小型滑走艇1には、特異な点として、
転倒したときにエンジン20を自動停止させる目的で図
5(a)〜(c)のような転倒スイッチ18bを設けて
いる。転倒スイッチ18bは、同(a)および図1に示
すように、小型滑走艇1のボティの内側に配置した電装
品収納ボックス8(耐水性のない電装品等の部品を収納
すべく防水性を十分にした密閉構造の箱)内に取り付
け、図5(b)のとおりエンジン20の点火装置18に
直結させている。同(b)において、符号18a、18
c、18d、18eはそれぞれ、エキサイターコイル、
CDIユニット、点火コイル、点火プラグであり、それ
らによって点火装置18が構成されている。転倒スイッ
チ18bそのものとしては、図5(c)に示す重錘(お
もり)式のものを使用した。すなわち、一端の接地され
た電線18pによる図示の回路に、左右(船体の左右方
向)対称に各一組の開いた接点18qを設けておき、両
接点18q間に架けたU字状の軌道18sに沿って移動
可能に重錘18rを配置したものである。軌道18sが
左右いずれかに一定角度(たとえば60°)以上傾いた
とき、移動した重錘18rが一方の接点18qに接して
それを閉じ、図5(b)に示す点火装置18のエキサイ
ターコイル18aからの出力をアースさせてエンジン2
0を停止させる。以上のようにすれば、小型滑走艇1が
横転ないし反転したとき、フィードポンプP2を含めて
エンジン20はただちに停止し、図4のクランク軸28
などへの潤滑油の供給もストップすることになる。そう
すると、転倒状態でクランクケース29の内側に直接供
給される潤滑油もなくなるので、燃焼室27内への潤滑
油の流入をなくす意味で一層好ましい。なお、転倒スイ
ッチとして他の形式のものを用いることはもちろん可能
であり、接地することによってエンジン20をOFFす
るもののほか、接地によってONにするものも使用でき
る。
【0026】ブリーザーパイプ39(図2)も、上記構
成の他に、図5の転倒検知スイッチ18bによりCDI
ユニット18cを介して開閉制御される電磁弁を設けれ
ば、上記のような迂回配管を省いて発電機ケースC1や
ヘッドカバー等を経由して吸気マニホールド12内に連
通でき、ブリーザーパイプを大幅に短縮できる他、小型
滑走艇の転倒時にはエンジン20とフィードポンプP2
の停止と共に潤滑油の流出及び燃焼室27への流入を防
止して船体復元時のエンジン再始動をすぐに行うことが
できる構成とすることができる。
【0027】その他、オイルタンク30の周壁に、冷却
水の通路すなわちウォータジャケットを形成することが
でき、図1に示す水ジェットの噴出口6に開口する取水
金具7から取り出される水をその内部に通すことができ
る。具体的には、そのウォータジャケット(図示せず)
の一方の連結金具(同)を、管路(同)を介して取水具
7と接続し、他方の連結金具(同)を同様に管路(同)
にてシリンダブロック25(図4)の冷却水用連結金具
(図示せず)と接続する。こうすることによって、水ジ
ェットポンプの水がオイルタンク30を冷却した後でシ
リンダブロック25やシリンダヘッド21を冷却する。
更に、オイルタンク30内にその冷却水が通る冷却コイ
ル(図示は省略)を設けて、ウォータジャケットと共に
潤滑油を冷却する構成とすることができる。図1の通り
エンジン20やオイルタンク30は船底船体2やデッキ
3に囲まれた密閉空間に配置してあり滑走中でも空冷さ
れることがないにもかかわらず、かかる水冷構造にした
ために適切な冷却がなされる。
【0028】なお、船体内における上記エンジン20の
配置については図4のように、クランク軸28を船体の
前後方向に向けシリンダ25をそれに沿って並べたいわ
ゆる縦置き配置とし、そのクランク軸28を船体幅の中
央に位置させるとともに、当該エンジン20の全シリン
ダ25を船体の右側(進行方向右側)へ傾斜させてい
る。これは、すべてのシリンダ25を右側へ傾斜させ
ることにより、吸気系機器を配置できる空間を反傾斜側
(左上の部分)に確保する、その左上の空間内に吸気
系機器を配置することにより、キャブレター12A等を
シリンダ25に対して上方に、かつ近づけて設けること
を容易にする、シリンダ25を船体右側に集めながら
もクランク軸28の位置を船体幅の中央とすることによ
り、船体右側へのエンジン20の重量の偏りを少なく
し、吸気系機器などの配置により修正して全体の重心を
船体の幅の中央に置くことを可能にする−といった考
えに基づくものである。このような配置をとった結果、
2サイクルエンジンに比べ大型で重い4サイクルのエン
ジン20を、スペースの限られた船体内に吸気系機器な
どとともに適切に配置でき、しかも小型滑走艇1におけ
る重量配分も適正化することができた。
【0029】
【発明の効果】以上の説明から明らかのように、本発明
の小型滑走艇の内燃機関によれば次のような効果を享受
できる。
【0030】(1)請求項1記載の小型滑走艇の内燃機
関は、ドライサンプ式潤滑システムを採用しているため
に、コンパクトながら大きな出力を発揮しやすい点や、
船体の低重心化を可能にして安定性を高め得る点、転倒
時に燃焼室への潤滑油の流入を防いで再始動を容易にす
る点など、小型滑走艇の特性に適した多くの利点をもた
らす。
【0031】(2)潤滑油タンクは、デッキフレームに
対してしっかりと固定される。またデッドスペースとな
ることが多いデッキフレーム内側空間に挿入されて配置
されるため、そのスペースを有効活用して十分な潤滑油
保有容量を確保することができる。
【0032】(3)搭乗者用座席をデッキフレームから
外すことで潤滑油タンクが露出するので、油量等の点検
やオイル補充が容易に行え、更にタンク自体の着脱や清
掃、オイル交換も容易に行える。
【0033】(4)請求項2記載の内燃機関によれば、
比較的頻繁に保守点検を必要とするカップリングに対し
ても保守点検の作業を行いやすい。
【0034】(5)請求項3記載の内燃機関によれば、
防振具の作用により潤滑油タンクやそれに接続する配管
系に対する振動の悪影響を回避することができ、またボ
ルトの着脱により容易にタンクの着脱ができる。
【0035】(6)請求項4記載の内燃機関によれば、
レベルゲージ付きキャップで塞がれる潤滑油注入口が上
部にあるので、潤滑油の補充をレベルチェックしながら
簡単に行える。
【0036】(7)請求項5記載の内燃機関によれば、
潤滑油タンクが備えるブリーザパイプの作用で、ブロー
バイガスの分離を行いつつも、転倒時にタンク内の潤滑
油の流失を防止できて潤滑油の消費を抑え、また船体復
元後にすぐにエンジンの再始動ができる。
【0037】(8)請求項6記載の内燃機関によれば、
潤滑油タンクに接続されたブリーザーパイプが転倒検知
センサーで開閉制御される弁を有しているので、ブロー
バイガスの分離を行いつつも、当該弁によって転倒時の
タンク内潤滑油の流失を防止できて潤滑油の消費を抑え
られる上に、ブリーザーパイプの迂回を最小限に留め得
て配管作業を簡便化できる。また転倒時にブリーザーパ
イプ経由でオイルが燃焼室に流入するのが防止され、船
体復元後にすぐエンジンの再始動ができる。
【0038】(9)請求項7記載の内燃機関によれば、
潤滑油タンクの内側にオイルミスト分離用フィンがある
ことから、ブローバイガス中の油分が油滴として回収さ
れ、潤滑油量の減少度合いが緩和されると共に、ブリー
ザー経路内の油汚れが低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】4サイクル四気筒内燃機関を搭載した小型滑走
艇を示す側面図で、一部透視して示している。
【図2】上記小型滑走艇のうち、同内燃機関の潤滑油タ
ンクの搭載部分を拡大破断して示す側面図である。
【図3】上記小型滑走艇の平面図であり、搭乗者座席を
取り外した状態を示す。
【図4】同内燃機関等の断面図であり、図3におけるIV
−IV断面図である。
【図5】小型滑走艇の転倒スイッチ等を示しており、
(a)は小型滑走艇の横断面図において転倒スイッチの
配置を示す図、(b)は点火装置と転倒スイッチとの接
続を示す図、(c)は転倒スイッチそのものの構成を示
す概要図である。
【符号の説明】
1 小型滑走艇 4 搭乗者用座席 12 吸気マニフォールド 18b 転倒スイッチ 20 内燃機関(エンジン) 21 シリンダヘッド 25 シリンダブロック 29 クランクケース 32 潤滑油受け(オイル受け) F フィン P1 スカベンジングポンプ P2 フィードポンプ 30 潤滑油タンク(オイルタンク) 30B 潤滑油注入口 34 キャップ 34A レベルゲージ 39 ブリーザーパイプ 40 デッキフレーム 46 カップリング

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小型滑走艇の推進手段を駆動する内燃機
    関であって、 機関本体の最下部位置にクランクケースの内部空間と連
    通する潤滑油受けが設けられるとともに、機関本体の外
    部に潤滑油タンクが設置され、上記潤滑油受けは当該受
    けに集まった潤滑油を上記潤滑油タンクへ移送するスカ
    ベンジングポンプに接続され、上記潤滑油タンクは当該
    タンク内の潤滑油を内燃機関の潤滑必要部に供給するフ
    ィードポンプに接続され、 小型滑走艇におけるデッキフレームのうち取り外し可能
    な搭乗者座席の下に開口が設けられ、上記の潤滑油タン
    クは、その開口を通して上方からデッキフレームの内側
    に挿入され当該デッキフレームに対して着脱可能に固定
    されていることを特徴とする小型滑走艇の内燃機関。
  2. 【請求項2】 上記潤滑油タンクは、デッキフレームの
    内側のうち、当該内燃機関と上記推進手段とを接続する
    カップリングの上方を避けた位置に挿入され固定されて
    いる請求項1に記載の小型滑走艇の内燃機関。
  3. 【請求項3】 上記潤滑油タンクは、上記のデッキフレ
    ームに対し、防振具を介してボルトにより固定されてい
    る請求項1または2に記載の小型滑走艇の内燃機関。
  4. 【請求項4】 上記潤滑油タンクは、レベルゲージ付き
    のキャップで塞がれる潤滑油注入口を上部に有している
    請求項1〜3のいずれかに記載の小型滑走艇の内燃機
    関。
  5. 【請求項5】 上記潤滑油タンクは、その上部からその
    最下部近傍を通り吸気マニホールド内に連通するブリー
    ザーパイプを備えている請求項1〜4のいずれかに記載
    の小型滑走艇の内燃機関。
  6. 【請求項6】 上記潤滑油タンクは、その上部から吸気
    マニホールド内に連通し且つ転倒時に閉じるよう転倒検
    知センサーで開閉制御される弁を有したブリーザーパイ
    プを備えている請求項1〜4のいずれかに記載の小型滑
    走艇の内燃機関。
  7. 【請求項7】 上記潤滑油タンクは、内側にオイルミス
    ト分離用のフィンを有している請求項1〜6のいずれか
    に記載の内燃機関。
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