JPH09316434A - 金属材料の親水性化用水性処理剤および処理方法 - Google Patents

金属材料の親水性化用水性処理剤および処理方法

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JPH09316434A
JPH09316434A JP14035296A JP14035296A JPH09316434A JP H09316434 A JPH09316434 A JP H09316434A JP 14035296 A JP14035296 A JP 14035296A JP 14035296 A JP14035296 A JP 14035296A JP H09316434 A JPH09316434 A JP H09316434A
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water
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polyethylene glycol
metal material
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JP14035296A
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English (en)
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Tomohiro Osako
友弘 大迫
Ryosuke Sako
良輔 迫
Hiroki Kojima
弘樹 小嶋
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Nihon Parkerizing Co Ltd
Original Assignee
Nihon Parkerizing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属材料、特に、Al含有金属材料表面に、
親水性、異臭防止性、成形加工性に優れた皮膜を形成す
る。 【解決手段】 ポリオキシエチレン鎖を有する水溶性有
機化合物成分(A)、スルホン酸(塩)基、ホスホン酸
(塩)基、1〜3級アミノ基、および4級アンモニウム
基の1員以上を有する親水性ポリマー成分(B)、およ
びPVA、その誘導体、式(I)のアクリルアミドの
(共)重合体の少なくとも1種からなる水溶性ポリマー
成分(C)を含む処理液を、金属材料表面に付着し、加
熱乾燥する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属材料用表面処理
剤および表面処理方法に関するものである。更に詳しく
述べるならば、本発明は、金属材料、例えばアルミニウ
ム含有金属材料の表面に親水性皮膜を形成する水性表面
処理剤、およびこの水性表面処理剤により、金属材料上
に親水性皮膜を形成する表面処理方法に関するものであ
る。本発明に係る金属材料用水性表面処理剤および表面
処理方法は、金属材料、例えばアルミニウム含有金属材
料を用いて形成された熱交換器のフィンコイルの表面上
に親水性皮膜を形成して水滴形成を防止し、その熱交換
効率を向上させるためにきわめて有効なものである。
【0002】
【従来の技術】例えばアルミニウム含有金属材料などの
金属材料により構成される熱交換器において、冷房運転
時に大気中の水分が冷却部であるフィン表面に結露する
と、フィン表面は高湿度下に曝される。この凝縮水の滞
留と乾燥が繰り返されると、その結果金属材料表面は腐
食し、フィン間などに堆積した腐食生成物(白粉)が熱
交換器の運転時に冷房されている室内中に飛散するとい
う不都合を生ずる。この問題に対して、従来は、白錆発
生防止を目的とする防食酸化皮膜、ベーマイト皮膜、ク
ロメート皮膜、又は樹脂皮膜によりフィン表面を被覆す
る表面処理が用いられていた。
【0003】一方、アルミニウム含有金属材料により構
成される熱交換器の多くにおいては、放熱あるいは冷却
効果を向上させるために、放熱部および冷却部の表面積
をできるだけ大きくとるように設計されており、しかも
小型化を図るために、フィンの間隔が極めて狭いもので
ある。このため、蒸発器を稼動させたとき、大気中の水
分がフィン間隙に凝縮し、フィン表面の疎水性が高い
程、凝縮水は水滴になり易く、フィン間隙で目詰まりを
発生し易くなる。このため、フィン間隙の通風抵抗が増
大し、熱交換効率を低下させ、また、水滴が空気下流側
に飛散するという問題を生じていた。
【0004】これらの問題に対し、フィン表面に付着し
た凝縮水が水滴になることなく速やかにドレーンさせる
方法として、フィン表面を親水性にすることが望まれて
いる。しかしながら、前記耐食性付与を目的とする従来
の皮膜は、親水性であるどころかむしろ疎水性を示すも
のであり、或は初期に若干の親水性を有していても短期
間放置しただけで疎水性になってしまうものであって、
従来の耐食性皮膜によっては上記の問題の解決は不可能
であった。
【0005】そこで、フィン表面を積極的により親水性
にする方法として、特公昭53−48177号公報の
「特定組成のアルカリ珪酸塩水溶液で処理した後、15
0℃以上の温度で加熱乾燥することを特徴とするアルミ
ニウム等の化成処理法」、特公昭57−46000号公
報の「多孔性微粒子を含有する有機高分子樹脂溶液で処
理することを特徴とするアルミニウム性熱交換器の表面
処理法」、特開昭60−101156号公報の「アルカ
リ珪酸塩とカルボニル基を有する低分子有機化合物と水
溶性有機高分子化合物を含むことを特徴とするアルミニ
ウムの皮膜形成剤」、および特開平3−269072号
公報の「特定のビニル性二重結合含有水性シリカ分散体
と重合性不飽和モノマーとの有機無機複合体反応物と、
硬化剤と、水分散性シリカを特定配合量含む親水化処理
組成物、及び処理方法」等のように、シリカゾル、アル
カリ珪酸塩系化合物などの無機系親水性化合物を含む皮
膜を形成する方法が提案された。
【0006】しかしながら、上記表面処理を施した後に
成形加工を施すプレコート方式において、これらの無機
化合物を含む処理剤で処理した金属材料、特にアルミニ
ウム含有金属材料に、しごき加工、孔あけ加工などを施
すと、上記無機化合物含有皮膜の硬度が高いことによ
り、治具や金型の摩耗が大きく、また皮膜の柔軟性また
は皮膜表面の潤滑性が不足しているため、皮膜の剥離や
割れなどの問題を発生していた。また、これらの無機化
合物含有処理剤で処理された熱交換器をカーエアコン、
或はルームエアコンに適用した場合、ほこり具(無機
臭、チョーク臭、セメント臭等とも表現される)が発生
するという問題点があった。
【0007】これらの問題の解決において、シリカやア
ルカリ珪酸塩等の無機化合物を含まない処理液、例えば
有機化合物含有処理液により表面処理を施す方法が数多
く提案されている。例えば、特開平2−258874号
公報の「特定量のカルボキシメチルセルロースのナトリ
ウム塩及び/又はカリウム塩とカルボキシメチルセルロ
ースのアンモニウム塩とN−メチロールアクリルアミド
を有する親水性表面処理剤」、特開平3−72562号
公報の「部分ケン化したポリ酢酸ビニルと水可溶性ナイ
ロンと水溶性アミノ樹脂を含有する親水性表面処理
剤」、特開平5−302042号公報の「特定ケン化
度、特定重合度のPVAと、特定重合度のPVP2種
と、水溶性ナイロンと、水溶性フェノールを含有する処
理剤、及び処理方法」、特開平7−18206号公報の
「特定以下の水膨潤率である親水性樹脂微粒子と、水溶
性若しくは水分散性樹脂と、炭酸ジルコニウムアルカリ
金属若しくはアンモニウム塩からなる親水性塗料」等が
開示されている。これらは、ほこり臭の低減、成形加工
時の工具摩耗の低減には効果があるが、得られる皮膜の
親水性は、アルカリケイ酸塩などの無機親水化物を用い
たものに比べ劣り、その作用効果は不十分であった。
【0008】従来のプレコートフィン材の成型加工にお
いて、プレス成型する前に、フィン材表面に潤滑性付与
のためにプレス油が塗布され、成型加工後、フロン等の
ハロゲン系溶剤脱脂によって除去する方法が一般的であ
った。しかしながら近年において、環境問題からこれら
溶剤の使用が規制されたことに伴い、洗浄を必要としな
いタイプのプレス油として揮発性の高いプレス油を用
い、成型加工後熱によって揮発させて除去する方法が採
用されている。しかしこの揮発性プレス油には、従来の
プレス油に比較して潤滑性の付与効果は低いという欠点
があり、これを補うためには、潤滑皮膜自体に、より高
い潤滑性を付与することが望まれている。
【0009】潤滑性の付与手段に関しては、特開平5−
322469号公報「下塗樹脂塗装層と親水性樹脂塗装
層とを順次積層してなる皮膜を有するフィン材において
下塗樹脂塗装層に特定量のワックスを含有させることを
特徴としたフィン材」、特開平4−251193号公報
「潤滑油を内包するマイクロカプセルを混合した分散性
シリカと、親水性有機樹脂よりなる親水性皮膜を形成し
たことを特徴とする自己潤滑性熱交換用Alフィン
材」、特開平5−70711号公報「特定の親水性官能
基を有するシロキサン化合物を含有させた親水性処理
剤」、および特開平6−346248号公報「特定重量
のリン酸エステル塩を含有させた無機系の親水性皮膜を
有するフィン材」等、が開示されている。これらの技術
により潤滑性は向上し良好な成型加工を行うことが可能
になったが、これらに用いられている潤滑剤は親水性が
乏しく、このため金属表面の親水性を阻害するという問
題が生じた。
【0010】金属材料表面に、親水性処理を施した後
に、潤滑剤を塗布する方法として、特開平4−2781
90号公報「アルミニウム表面に処理されたシリカ系親
水性皮膜の上に特定膜厚の親水性高分子層を設けること
を特徴とするフィン材」、および特開平7−43092
号公報「アルミニウム上に特定のケイ素化合物を含有す
る親水性皮膜を形成し、その上に水洗浄によって容易に
脱離する潤滑性樹脂組成物の皮膜を被覆することを特徴
としたアルミニウムフィン材」等が知られている。しか
し、これらには、処理工程数が多く、従って、生産性の
低下、設備投資やエネルギーに関するコストの上昇など
問題があった。また、特開平7−43092号公報に開
示されている潤滑性樹脂組成物は、ポリオレフィンワッ
クスやフッ素系樹脂等を含み、これらは金属材料表面に
形成される皮膜の親水性を阻害するものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、金属材料に
より形成された熱交換器において従来技術の有する凝縮
水による熱交換効率の低下、水滴飛散の問題、異臭発生
の問題、成型加工時の金型摩耗と皮膜の割れや剥がれな
どの問題を解決し、且つ、金属材料用に従来技術より優
れた親水性、異臭発生防止性、および成形加工性を付与
できる水系表面処理剤、および表面処理方法を提供しよ
うとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意検討した結果、ポリエチレンオ
キサイド鎖を有する水溶性有機化合物に、特定構造の親
水性ポリマーおよび水溶性ポリマーを組み合わせて用い
ることにより、上記課題を解決し得ることを見出した。
【0013】すなわち本発明の金属材料の親水性化用水
性処理剤は、下記成分: (A)ポリオキシエチレン鎖を有する少なくとも1種の
水溶性有機化合物からなる成分、(B)スルホン酸基、
スルホン酸塩基、ホスホン酸基、ホスホン酸塩基、1〜
3級アミノ基、および4級アンモニウム基から選ばれた
少なくとも1員を有する少なくとも1種の親水性ポリマ
ーからなる成分、並びに(C)ポリビニルアルコール、
ポリビニルアルコールの水溶性誘導体、および下記一般
式(I):
【化3】 〔但し、式中R1 は水素原子又は−CH3 基を表し、R
2 およびR3 はそれぞれ互に独立に、水素原子、C1-4
アルキル基、ベンジル基、又はC1-3 ヒドロキシアルキ
ル基を表す〕により表されるアクリルアミド化合物モノ
マーのホモポリマーおよびコポリマーから選ばれた少な
くとも1種の水溶性ポリマーからなる成分、を含有する
ことを特徴とするものである。
【0014】本発明の水性処理剤において、前記成分
(A)用ポリオキシエチレン化合物がポリエチレングリ
コール、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコー
ルエステル、プロピレングリコールとエチレングリコー
ルとのブロック共重合体、ポリエチレングリコールジア
ミン、ポリエチレングリコールジイソシアネート、ポリ
エチレングリコールジグリシジルエーテル、2塩基酸と
ポリエチレングリコールジアミンとの水溶性ポリアミ
ド、ポリエチレングリコールアクリレート、およびポリ
エチレングリコールアクリレートアルキルフェニルエー
テルから選ばれることが好ましい。また、本発明の水性
処理剤において、前記成分(C)用ポリビニルアルコー
ルおよびビニルアルコールの水溶性誘導体は、下記式
(II):
【化4】 〔但し、上式(II)中、Xは酢酸ビニル、およびビニル
アルコールとは異なる共重合単位を表し、l,m,nは
それぞれ酢酸ビニル重合単位、ビニルアルコール重合単
位、および共重合単位Xの共重合モル比(パーセント)
を示し、l+m+n=100であり、lおよびnは0で
あってもよい〕のポリマーから選ばれることが好まし
い。さらに、本発明の水性処理剤において、前記水溶性
有機化合物成分(A)、親水性ポリマー成分(B)およ
び水溶性ポリマー成分(C)のそれぞれが、互に独立
に、これら成分(A),(B)および(C)の合計重量
に対し5〜90重量%の含有量で配合されていることが
好ましい。
【0015】本発明の金属材料の親水性化処理方法は、
上記記載の金属材料の親水性化用水性処理剤を含む水性
表面処理液を、金属材料の表面に付着させ、これを乾燥
して親水性皮膜を形成することを特徴とするものであ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に係る金属材料の該水性化
用水性処理剤は、ポリオキシエチレン鎖を有する少なく
とも1種の水溶性有機化合物からなる成分(A)と、ス
ルホン酸基、スルホン酸塩基、ホスホン酸基、ホスホン
酸塩基、1〜3級アミノ基、および4級アンモニウム基
から選ばれた少なくとも1員を有する少なくとも1種の
親水性ポリマーからなる成分(B)、およびポリビニル
アルコール、ポリビニルアルコールの水溶性誘導体、並
びに前記一般式(I)により表されるアクリルアミド化
合物のホモポリマーおよびコポリマーから選ばれた少な
くとも1種からなる成分(C)を含むものである。
【0017】成分(A)は、ポリマー分子構造中に、1
個以上のポリオキシエチレン鎖構造を有する1種以上の
水溶性有機化合物からなるものである。以下、この成分
(A)を構成する水溶性有機化合物を、ポリオキシエチ
レン化合物と記す。本発明の水性処理剤の成分(A)に
有用なポリオキシエチレン化合物は、例えば、ポリエチ
レングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリエチレン
グリコールエステル、プロピレングリコールとエチレン
グリコールとのブロック共重合物、ポリエチレングリコ
ールジアミン、ポリエチレングリコールジイソシアネー
ト、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、2
塩基酸とポリエチレングリコールジアミンとの水溶性ポ
リアミド、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリ
エチレングリコールアクリレートアルキルフェニルエー
テルなどから選ぶことができる。このようなポリオキシ
エチレン化合物は、100〜4百万の分子量を有するこ
とが好ましく、それに含まれるポリオキシエチレン鎖
は、2〜90000の重合度を有することが好ましい。
【0018】本発明の水性処理剤を用いられる成分
(B)を構成する該水性ポリマー(以下これを成分
(B)用親水性ポリマーと記す)は、スルホン酸基、ス
ルホン酸塩基、ホスホン酸基、ホスホン酸塩基、1級〜
3級アミノ基、および4級アンモニウム基を有する親水
性ポリマーから選ばれる。
【0019】成分(B)用親水性ポリマーは、(B−
1)スルホン酸基、スルホン酸塩基、ホスホン酸基、お
よびホスホン酸塩基、からなるアニオン性基から選ばれ
た少なくとも1員を有し、カチオン性基を有していない
重合体、および(B−2)1級〜3級アミノ基および4
級アンモニウム基から選ばれた少なくとも1員を有し、
アニオン性基を有していない重合体に分類することがで
きる。本発明に用いられる成分(B)において、上記ア
ニオン性親水性ポリマー(B−1)と、上記カチオン性
親水性ポリマー(B−2)とは、併用されないことが好
ましい。
【0020】成分(B)用アニオン性親水性ポリマー
(B−1)を形成するアニオン性モノマー(b−1)
は、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホエ
チルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、N−
メチレンスルホン酸アクリルアミド、2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルフェノール
スルホン酸アシッドホスホオキシエチルメタクリレー
ト、およびこれらの塩から選ぶことができる。さらに成
分(B)用カチオン性親水性ポリマー(B−2)を形成
するカチオン性モノマー(b−2)は、アミノエチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル
アクリレート、N−ヒドロキシプロピルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチルアミノエチル
メタクリレート、ビニルイミダゾール、ビニルピリジ
ン、N,N−ジアリルアミン、N,N−ジアリル−N,
N−ジメチルアンモニウムクロリドなどから選ぶことが
できる。これら、モノマー(b−1)、および(b−
2)の各々は、成分(B)用親水性ホモポリマーを形成
してもよく、又は、ポリオキシエチレン鎖を含まない重
合性コモノマーと共重合して、それぞれ、成分(B)用
親水性ポリマーを形成してもよい。
【0021】上記コモノマーは、前記モノマー(b−
1)および(b−2)並びに他のモノマー(b−3)、
例えば、アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アク
リルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
ビニルピロリドン、アクロイルモルホリン、ポリエチレ
ングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールア
クリレートアルキルフェニルエーテル、アクリル酸、メ
タアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、これらの塩
類、スチレン、アクリロニトリル、ビニルエーテル、ア
クリルエステル類(例えばメチルメタクリレート)、酢
酸ビニル等を包含する。コモノマーは、スチレン、アク
リロニトリル、ビニルエーテル、(メタ)アクリル酸エ
ステル(例えばメチルアクリレート)などの低親水性モ
ノマーであってもよいが、このような低親水性モノマー
を用いる場合、その共重合比は、得られる共重合体の所
望水溶性を阻害しないように設定される。
【0022】成分(C)用水溶性ポリマーは、(C−
1)ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの水
溶性誘導体、並びに、(C−2)一般式(I)のアクリ
ルアミド化合物モノマーのホモポリマーおよびコポリマ
ーから選ばれる。
【0023】成分(C)用ポリビニルアルコールおよび
その水溶性誘導体(C−1)は、式(II)のポリビニル
アルコール化合物から選ぶことができる。すなわち、式
(II)のポリビニルアルコール化合物は、ポリ酢酸ビニ
ルの部分鹸化物および完全鹸化物、並びに、酢酸ビニル
と他のモノマーとの共重合物の部分鹸化物および完全鹸
化物を包含する。酢酸ビニルと共重合されるコモノマー
には、格別の限定はないが、例えば、アニオン性コモノ
マーとしてアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マ
イレン酸またはこれらの塩等で、ノニオン性モノモノマ
ーとしては、スチレン、アクリロニトリル、ビニルエー
テル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリド
ン、アクロイルモルホリン、酢酸ビニル等、およびカチ
オン性コモノマーとしては、アミノエチル(メタ)アク
リレート、N−ヒドロキシプロピルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ビニルイミダゾール、N,N−ジメ
チルジアリルアミン等を用いることができる。
【0024】一般式(II)のポリビニルアルコール化合
物において、共重合単位(X)の共重合モル比(n/
(l+m+n))は、0〜0.4であることが好まし
く、0〜0.3であることがより好ましい。また、一般
式(II)のポリビニルアルコール化合物において、酢酸
ビニル共重合単位の共重合モル比(l/(l+m+
n))は0〜0.2であることが好ましく、0〜0.1
であることがより好ましい。これらの共重合比が過大に
なると、得られるポリビニルアルコール化合物の水溶性
が低下し、不十分になることがある。
【0025】成分(C)に用いられる一般式(I)のア
クリルアミド化合物のホモポリマーおよびコポリマー
(C−2)は、一般式(I)のアクリルアミド化合物
(モノマー(c−a))の1種の重合物(ホモポリマ
ー)、および2種以上の共重合物、並びに、一般式
(I)のアクリルアミドモノマー(c−a)の1種以上
と、他のコモノマー(c−b)の1種以上との共重合体
を包含する。ここで用いられるコモノマー(c−b)
は、アクリルアミドモノマー(c−a)と、重合可能な
アニオン性、ノニオン性、カチオン性の付加重合性モノ
マーから選ばれる。このようなコモノマー(b−b)
は、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホ
エチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、N
−メチレンスルホン酸アクリルアミド、2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アシッドホスホ
オキシエチルメタクリレートまたはこれらの塩等のアニ
オン性不飽和モノマー、(メタ)アクリルアミド、N−
メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、アクロイル
モルホリン、ポリエチレングリコールアクリレート、ポ
リエチレングリコールアクリレートアルキルフェニルエ
ーテル等のノニオン性の不飽和モノマー、並びにアミノ
エチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ
エチルアクリレート、N−ヒドロキシプロピルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチルアミノエ
チルメタクリレート、ビニルイミダゾール、ビニルピリ
ジン、N,N−ジアリルアミン、N,N−ジアリル−
N,N−ジメチルアンモニウムクロリド等のカチオン性
不飽和モノマーなどから選ぶことができる。また、コモ
ノマー(c−b)は、スチレン、アクリロニトリル、ビ
ニルエーテル、アクリルエステル類(例えばメチルメタ
クリレート)、酢酸ビニル等の、親水性が高くない付加
重合性モノマーから選ばれてもよいが、この場合、得ら
れる共重合体の水溶性が所望水準に保持される程度の共
重比で用いられる。
【0026】上記アクリルアミドモノマー(c−a)の
1種の重合体(ホモポリマー)、およびその2種以上の
共重合体、並びにアクリルアミドモノマー(c−a)の
1種以上と1種以上のコモノマー(c−b)の共重合体
に、後処理、または後反応を施して、その構造を変化さ
せたものも成分(B)用親水性ポリマーとして使用する
ことができる。例えば、アミド基を加水分解反応により
カルボキシル基に転化したもの、アミド基にアミン類と
ホルマリンを作用させてこれをアミノアルキル基に転化
(マンニッヒ反応)したもの、アミド基にアルカリと臭
素を作用させて脱炭酸反応(ホフマン反応)によりアミ
ド基をアミノ基に転化したもの、側鎖エステル基にアル
キルジアミンを作用させたエステル−アミド交換反応に
より側鎖エステル基をアミノ基に転化したもの、或いは
アミノ基を4級化したもの等も成分(B)に使用するこ
とができる。
【0027】本発明の水性処理剤において、水溶性有機
化合物成分(A)、親水性ポリマー成分(B)および水
溶性ポリマー成分(C)のそれぞれの含有量は、それぞ
れ他から独立に、これら成分(A),(B)および
(C)の合計重量に対し、5〜90重量%であることが
好ましく、10〜80重量%であることがより好まし
く、15〜70重量%であることがさらに好ましい。成
分(A)の含有量が5重量%未満であると、得られる皮
膜の成形加工性が不十分になることがあり、成分(B)
の含有量が5重量%未満であると、得られる皮膜の親水
性が不十分になることがあり、また、成分(C)の含有
量が5重量%未満になると、得られる皮膜の耐水性を、
所望値に調節することが困難になる。
【0028】本発明の水性処理剤に、その効果を損わな
い限り、防菌剤、および/又は防かび剤を添加して、カ
ビ、バクテリア、酵母の繁殖による腐敗臭の発生を防止
することができる。本発明に用い得る防菌防かび剤は、
本発明の処理剤を塗布した後の乾燥工程において、処理
剤の溶媒である水を除去する際の加熱に耐え得るもの、
すなわち、100℃までの温度に分解点を有していない
防菌防かび剤であることが望ましい。本発明の水性表面
処理剤に含有させる防菌防かび剤は例えば、5−クロロ
−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メ
チル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−(4−チオ
シアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、2,2−ジブロ
モ−3−ニトリロプロピオンアミド、ソディウムエチレ
ンビス(ジチオカーバメート)、ソディウム−2−ピリ
ジンチオール−1−オキサイド、ジンク−2−ピリジン
チオール−1−オキサイド、2,2′−ジチオビス(ピ
リジン−1−オキサイド)、2,4,5,6−テトラク
ロロイソフタロニトリル、2−メチルカルボニルアミノ
ベンツイミダゾール、2,3,5,6−テトラクロロ−
4−(メチルスルホニル)−ピリジン、2−(4−チア
ゾリル)−ベンツイミダゾール、N−(フルオロジクロ
ロメチルチオ)スルファミド、p−クロロ−m−キシレ
ノール、デヒドロ酢酸、o−フェニルフェノール、1,
2−ベンツイソチアゾリン−3−オン、2−ブロモ−2
−ニトロプロパン−1,3−ジオール、メタほう酸バリ
ウム、ジヨードメチル−p−トルエンスルフォン、2−
n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、および
10,10′−オキシビスフェノキシアルシン等から選
ぶことができる。防菌防かび剤の添加量は、成分
(A),(B)および(C)の合計量に対し0.1〜7
0重量%であることが好ましく、より好ましくは0.3
〜50重量%であり、さらに好ましくは0.5〜30重
量%である。
【0029】本発明において、皮膜の耐水性を向上させ
る目的で水溶性の架橋剤を用いることができる。本発明
に用いられる架橋剤は、水溶性の有機架橋剤と水溶性無
機架橋剤とを包含する。水溶性の有機架橋剤としては、
水溶性のブロック化ポリイソシアネート、ポリメチロー
ル、ポリグリシジル、ポリアジリジル化合物やアルデヒ
ド類を用いることができる。すなわち、有機架橋剤は重
亜硫酸塩ブロック化ポリイソシアネート、メチロールメ
ラミン、メチロール尿素、メチロール化ポリアクリルア
ミド、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、
ジアジリジル化ポリエチレンオキサイド、グリオキザー
ル、フルフラール等から選ぶことができる。また水溶性
の無機架橋剤としては、錯化合物を形成しうる金属化合
物で、4配位数以上の金属の化合物、特にCr,Zr,
Ti化合物が好ましく用いられる。例えば、無水クロム
酸、重クロム酸等のクロム酸化合物若しくはこれらの
塩、若しくはこれらの部分還元物、硫酸クロム、硝酸ク
ロム、重リン酸クロム、フッ化クロム、酢酸クロム、蟻
酸クロム等のクロム化合物、炭酸ジルコニウムアンモニ
ウム、硝酸ジルコニル、硫酸ジルコニル、酢酸ジルコニ
ル、ジルコンフッ酸若しくはその塩等のジルコニウム化
合物、ジイソプロエポキシチタニウムビスアセチルアセ
トン、チタンフッ酸若しくはその塩等のチタン化合物な
どを無機架橋剤として用いることができる。
【0030】本発明の水性処理剤に用いられる架橋剤
は、成分(A),(B)および(C)の合計重量に対
し、有機架橋剤は、好ましくは5〜200重量%、より
好ましくは10〜150、特に好ましくは20〜80重
量%、無機架橋剤は、好ましくは0.1〜70重量%、
より好ましくは0.3〜50重量%、特に好ましくは
0.5〜30重量%の添加量で用いられる。上記数値未
満での使用は、架橋効果は乏しく、上記数値より多量の
使用は、皮膜が硬くなり過ぎて脆くなり、加工性や密着
性の点で好ましくない。
【0031】また、本発明の水性処理剤において、形成
される皮膜の表面潤滑性をさらに向上させる目的で、或
いは処理剤の塗布性を向上させる目的などのために、必
要に応じて、界面活性剤を含有させることができる。こ
の目的に使用される界面活性剤は、アニオン性、カチオ
ン性、ノニオン性、両性のいずれであってもよいが、使
用される成分(A),(B)又は(C)のイオン性に対
して対をなすイオン性のものを使用すると、処理液の安
定性を阻害することがあるので好ましくない。本発明に
使用できる界面活性剤は、例えば、ノニオン性のものと
しては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオ
キシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル、オキシエチレンとオキシプロピレンのブロック
コポリマー(プルロニック)、ソルビタンモノラウレー
ト、ソルビタンモノステアレート等のソルビタン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシ
エチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレエート
等のポリオキシエチレンの脂肪酸エステル、グリセリン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリプロピレング
リコールアルキルフェノールエーテル等があり、アニオ
ン性界面活性剤としては、ラウリン酸ナトリウム、ステ
アリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等の脂肪酸
塩、ドデシル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼ
ンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ジアルキ
ルスルホコハク酸塩、アルケニルスルホコハク酸塩、ポ
リオキシエチレンアルキル硫酸塩等がある。またカチオ
ン性界面活性剤としては、ステアリルアミンアセテート
等のアルキルアミン塩、ステアリルトリメチルアンモニ
ウム等の4級アンモニウム塩、ラウリルベタイン等のア
ルキルベタイン、アミンオキシド等で、両性としては、
アルキルアミノプロピオン酸塩、アルキルジメチルベタ
イン等が挙げられ、また、フッ素系界面活性剤、シリコ
ン系界面活性剤等も用いることができる。用いられる界
面活性剤の量は、成分(A),(B)および(C)の合
計重量に対し、好ましくは、0.1〜70重量%、より
好ましくは0.3〜50重量%、特に好ましくは0.5
〜30重量%である。
【0032】本発明の水性処理剤に用いられる溶媒は、
水を主体とするが、乾燥速度の調整や塗膜状態の改善の
ため、また成分の可溶性を向上させるためにアルコー
ル、ケトン、セロソルブ等の水溶性溶媒の併用を妨げる
ものではない。また、本発明の水性処理剤は、この他
に、防錆剤、レベリング剤、充填剤、着色剤、消泡剤等
を本発明により得られる皮膜の性能を損なわない範囲で
添加し得る。
【0033】本発明の水性表面処理剤は、そのまま、又
は、水により希釈された表面処理液として用いられる
が、この処理液の濃度や粘度については、使用する塗装
方法、所望膜厚等により適宜に調整される。
【0034】本発明方法において、上記本発明の水性表
面処理剤を含む水性処理液を、金属材料表面に付着せし
め、これを乾燥して皮膜を形成する。この乾燥皮膜の厚
さは、0.05〜5μmであることが好ましく、より好
ましくは0.1〜2μmである。皮膜の厚さが、0.0
5μm未満では、皮膜に十分な親水性、潤滑性、成形加
工性、異臭発生防止性を付与することが困難であり、ま
たそれが5μmを超えるとプレコート加工後の組立工程
における銅製チューブ溶接の際の加熱により皮膜が着色
する傾向が強くなり、あまり好ましくない。
【0035】次に、本発明の表面処理方法についてさら
に説明する。本発明方法が適用される金属材料の材種、
寸法・形状などに制限はないが、一般に熱交換器、およ
びアルミニウム含有金属材料(板材、棒材、管材な
ど)、特にアルミニウム含有金属材料に適用することが
好ましい。アルミニウム含有金属材料は、アルミニウム
材料、アルミニウム合金(Al−Mn,Al−Mg,A
l−Si合金など)材料から選ぶことができる。
【0036】本発明方法を適用する際に、金属材料の表
面に、それに付着している防錆油、加工油、汚れ等を除
去する目的、及び表面の酸化膜などを除去する目的で、
脱脂処理を施し、その後に金属材料表面に水性処理液を
塗布又は浸漬などにより付着させ、これを乾燥する。上
記前処理に用いられる脱脂剤は、リン酸、硫酸、硝酸、
フッ酸等の無機酸、或いはこれら無機酸と界面活性剤を
含有する酸系脱脂剤、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム等の水酸化アル
カリまたはアルカリ塩等、或いはこれらのアルカリビル
ダーと界面活性剤を含有するアルカリ脱脂剤、トリクロ
ロエタン、トリクロロエチレン等の溶剤脱脂の何れであ
ってもよい。また、脱脂後、酸洗によるデスマット、表
面調整などを必要に応じて施してもよい。
【0037】本発明の表面処理を施される金属材料の表
面には、耐食性等を向上させる目的で予じめ化成処理な
どの前処理が施されていることが好ましい。耐食性を向
上させる前処理剤としては、クロム酸クロメート、リン
酸クロメート、リン酸ジルコニウム系、リン酸チタン
系、有機酸ジルコニウム系、有機酸チタン系等の化成処
理剤、クロム化合物を塗布して焼き付ける塗布型クロメ
ート剤、これに有機バインダーを含んだ有機塗布型クロ
メート剤、及び樹脂プライマー等を挙げることができ
る。
【0038】本発明方法において、水性処理液を、脱脂
洗浄後、或いは必要に応じた前処理後、金属材料表面上
に付着させ、これを、加熱乾燥して皮膜を形成する。処
理液付着方法には、特に限定はなく、浸漬、噴霧、刷
毛、ロールコート、フローコート、スピンコート法等が
使用される。フィンコイル等のシート状金属材料につい
ては、ロールコート法、フローコート法などがより好適
である。また、金属材料が熱交換器であって、複雑な形
状を有するものについては浸漬法、噴霧法が適してお
り、液溜まりなどの不均一処理を防ぐためには、塗布操
作後に、エアブロー、遠心分離、或いは物理的衝撃等に
より液切りを十分に行うことが好ましい。
【0039】本発明方法において、処理液塗布後の乾燥
方法には特に限定はないが、通常は熱風乾燥炉等を用い
て乾燥され、その温度は80〜350℃であることが好
ましく、より好ましくは100〜300℃である。処理
液の調製に際し、水とともに、セロソルブ等の水溶性溶
媒の併用を妨げるものではない。また処理液中に、この
他に、防錆剤、レベリング剤、充填剤、着色剤、界面活
性剤、消泡剤等を、本願の主旨や皮膜性能を損なわない
範囲で添加してもよい。
【0040】本発明の水性処理剤を用いる処理方法によ
り金属材料表面上に形成される皮膜は、優れた親水性、
異臭発生抑制性、防菌性、および成形加工性を有するも
ので、特にアルミニウム含有金属材料製熱交換器の表面
皮膜の形成に好適なものである。本発明方法において、
金属剤利用表面に付着した水性処理液層を加熱乾燥する
とき、ポリオキシエチレン鎖を有する有機化合物成分
(A)は、成分(C)と反応(ラジカル水素移動反応)
して、三次元ネットワーク構造を形成すると考える。こ
のように形成される皮膜は、すぐれた親水性と柔軟性と
を有し、かつ耐水性の優れたものである。また、水溶性
架橋剤の併用は、皮膜の耐水性向上に効果がある。親水
性ポリマー成分(B)は、高親水基を有するポリマーで
あって、そのポリマー分子は、前記成分(A)と成分
(C)とによって形成された三次元ネットワーク構造に
からみ合い、又は閉じ込められて、IPN(Inter
Penetrating Network)構造を形
成する。このような三次元構造において、強親水性ポリ
マー(B)は常に皮膜表面に移行し、或いは極一部が溶
解することによって皮膜表面に付着した異物とともに流
去し、長期に渡る親水性の維持に寄与していると考えら
れる。また、本発明に用いられる防菌剤は、成分
(A),(B)および(C)によって形成された皮膜中
に均一に分散保持されており、長期に渡って防菌性を持
続し、バクテリアの代謝物、およびカビによる腐敗臭の
発生をも抑制する効果を示すことができる。
【0041】
【実施例】本発明を、下記実施例によりさらに説明す
る。但し、これら実施例は、本発明の範囲を限定するも
のではない。
【0042】実施例1〜8および比較例1〜3 実施例1〜8および比較例1〜3の各々において、下記
水性処理剤を用い、かつ下記処理方法により、金属材料
に表面処理を施し、得られた表面処理金属材料に対し、
下記に記載のテストが行われた。
【0043】(1)下地処理 各種金属材料に対し、下記下地処理法による下地処理が
施された。使用された下地処理法を表1、表2に示す。下地処理法(A) アルミニウム板(JIS−A1100,70mm×150
mm、板厚:0.12mm)を、60℃に保たれた弱アルカ
リ脱脂剤、ファインクリーナー315(商標、日本パー
カライジング株式会社製)の30g/リットル水溶液中
に90秒間浸漬して、油分等の表面の汚染物を除去し、
これを水道水で水洗した。表面清浄化されたアルミニウ
ム板を50℃に保たれたクロム酸クロメート処理液(日
本パーカライジング株式会社製、アルクロム713(商
標)の72g/リットル水溶液)に30秒間浸漬後、水
道水で水洗し、60℃で40秒間乾燥して、アルミニウ
ム板表面上にクロメート皮膜を形成した。下地処理法(B) Al−Mn系合金板(JIS−A3004,70mm×1
50mm、板厚:0.12mm)を70℃に保たれた中アル
カリ脱脂剤、ファインクリーナー4306(商標、日本
パーカライジング株式会社製)の20g/リットル水溶
液中に10秒間浸漬して、油分等の表面の汚染物を除去
し、水道水で水洗し、80℃で30秒間乾燥した。この
表面清浄化合金板を50℃で保たれたリン酸クロメート
処理液(日本パーカライジング株式会社製、アルクロム
702(商標)、47g/リットル、フッ化水素酸50
0ppm )に30秒間浸漬後、水道水で水洗し、80℃で
30秒間乾燥して、Al−Mn合金板表面上にリン酸ク
ロメート皮膜を形成した。 下地処理法(C) アルミニウム板(JIS−A1100,70mm×150
mm、板厚:0.12mm)を、70℃に保たれた中アルカ
リ脱脂剤、ファインクリーナー4306(商標、日本パ
ーカライジング株式会社製)の20g/リットル水溶液
中に10秒間浸漬して、油分等の表面の汚染物を除去
し、水道水で水洗し、80℃で30秒間乾燥した。この
表面清浄化アルミニウム板表面上に有機系塗布型クロメ
ート、パルトップ3978A(商標)250gと、パル
トップ3978B(商標)250gとを混合して調製さ
れた水性処理剤を、バーコーターNo3を用いてバーコ
ートし、220℃で10秒間加熱乾燥して、クロメート
皮膜を形成した。
【0044】(2)親水性処理 上記前処理された金属材料に対し、下記方法による親水
性化処理を施した。使用された処理法を表1、表2に示
す。親水性処理法(A) 全不揮発性分含有量3%に調整された水性処理液中に室
温で5秒間浸漬し、約20秒間のセッティングを施した
後、180℃で5分間加熱乾燥した。親水性処理法(B) 全不揮発性分含有量7%に調整された水性処理液を、バ
ーコーターNo3を用いてバーコートし、200℃で1
0秒間加熱乾燥した。
【0045】(3)水性表面処理剤の成分 下記成分および添加剤を用いて処理液を調製した。処理
液の組成を表1および表2に示す。水溶性ポリオキシエチレン有機化合物成分(A) ポリエチレンオキシド(分子量:20万) アジピン酸とポリエチレングリコールジアミンとε−
カプロラクタムのブロック重合物(分子量:1万)親水性ポリマー成分(B) アクリル酸/スルホエチルメタクリレート(80/2
0)共重合体(分子量:7万) アクリル酸/ビニルスルホン酸ナトリウム(60/4
0)共重合体(分子量:3万) ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(分子量:5万)水溶性ポリマー成分(C−1) PVA(ケン化度:90mol %、分子量:10万) 5mol %−ジケテン処理PVA(ケン化度:90mol
%、分子量5万) 添加剤(D) (防菌剤) ジンク−2−ピリジンチオール−1−オキサイド 2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン 2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド (架橋剤) グリオキザール 亜硫酸ナトリウムブロック化ポリエチレングリコール
系ポリイソシアネートプレポリマー(イソシアネート含
有率:5.0〜5.5) (界面活性剤) ディスコールR−612(商標)、第一工業製薬
(株)製
【0046】(4)テスト 実施例1〜8、比較例1〜3の各々において作製された
処理板について下記のテスト、および評価を行った。テ
スト結果を表1、表2に示す。 (親水性)供試処理材を室温で流水に8時間浸漬後、8
0℃で16時間乾燥させる処理を1サイクルとして、5
サイクルの処理を施し、得られた試料表面の水に対する
接触角を、FACE接触角計CA−P型(共和界面化学
(株)製)を用いて測定した。 (異臭発生防止性)供試処理材を室温で流水に8時間浸
漬後、80℃で16時間乾燥させ、この処理を1サイク
ルとして、5サイクルの処理を施し、得られた処理材を
脱イオン水の水蒸気に約1秒間曝し、すばやくその臭気
を嗅ぎとり評価した。 評価基準:◎:臭気を感じない、○:臭気をほとんど感
じない △:やや臭気を感じる ×:明らかに臭気を感じる (防菌性)供試処理材を室温で流水に8時間浸漬後、8
0℃で16時間乾燥させ、この処理を1サイクルとし
て、5サイクルの処理を施し、得られた処理板を3cm角
に切断し、その試料板表面に、栄養源として、細菌につ
いてはNutrient Brothを、カビについて
はペプトンとグルコースの1:1混合液を、付着させ、
その上に下記の菌の混合懸濁液を噴霧し、30±2℃で
14日間培養した。培養後の処理板から菌を滅菌水に抽
出し、これについて稀釈培養法を用いて菌数測定を行っ
た。 使用した菌: 細菌 Escherishia coli, Bacillus subtilis,Pseudoma
nos aeruginosa カビ Aspergillus niger, Penicillium citrinum,Clad
osporium cladosporioides (成型加工性)供試処理材の表面に揮発性プレス油(出
光石油化学株式会社製AF−2A)を塗布し、これにパ
ンチングプレスを施し、皮膜のダメージの状況を走査型
電子顕微鏡で観察した。 評価基準:○:殆ど変化なし、△:皮膜剥がれ、割れ
小、×:皮膜剥がれ、割れ大
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】表1,2の結果から明らかなように本発明
の水性処理剤、および処理方法を用いた実施例1〜8に
より得られた処理材は、耐久試験条件下でも優れた親推
移、異臭発生防止性、および防菌性を有し、成型加工性
も良好であった。これらに対して、親水性ポリマー成分
(B)を使用しなかった比較例1では得られた皮膜の親
水性が不十分でありポリビニルアルコール系ポリマー成
分(C−1)を使用しなかった比較例2では、皮膜の耐
久性が乏しく親水性、異臭発生防止性、防菌性が不良で
あった。またポリオキシエチレン鎖を有する水溶性化合
物成分(A)を用いなかった比較例3では、得られた皮
膜の成形加工性が劣っていた。
【0050】実施例9〜16および比較例4〜6 実施例9〜16および比較例4〜6の各々において、実
施例1〜8と同じ下地処理法(A),(B)および
(C)、並びに親水性処理法(A)および(B)が用い
られた。使用された下地処理法および親水性処理法を表
3、表4に示す。
【0051】水性処理剤の成分は、下記の通りであっ
た。各実施例および比較例において用いられた水性表面
処理液の組成を表3、表4に示す。 (1)水性表面処理剤の成分 水溶性ポリオキシエチレン有機化合物成分(A) ポリエチレンオキシド(分子量:20万) アジピン酸とポリエチレングリコールジアミンとε−
カプロラクタムのブロック重合物(分子量:1万)親水性ポリマー成分(B) アクリル酸/スルホエチルメタクリレート=80/2
0(分子量:7万) ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(分子量:5万) ポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド(分子
量:2万) アジピン酸とアミノエチルピペラジンとε−カプロラ
クタムのブロック重合物水溶性ポリマー成分(C−2) アクリルアミドホモポリマー(分子量:7万) アクリルアミド/アクリル酸=50/50(分子量:
5万) (防菌剤) ジンク−2−ピリジンチオール−1−オキサイド 2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン 2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアシド (架橋剤) グリオキザール 硫酸クロム (界面活性剤) ディスコールR−612(商標)、第一工業製薬
(株)製
【0052】得られた表面処理剤に対して、実施例1〜
8と同じテストを行った。テスト結果を表3、表4に示
す。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】表3の結果から明らかなように本発明の水
性表面処理剤、および処理方法を用いた実施例9〜16
の表面処理製品は、耐久試験各條下においても、優れた
親水性、異臭発生防止性および防菌性を示した。また、
これらは優れた成型加工性を有していた。これらに対し
て、表4から明らかなように、比較例4〜6は、親水
性、成型加工性、異臭発生防止性のいずれかにおいて不
十分なものであった。
【0056】
【発明の効果】本発明の水性表面処理剤、および処理方
法は、金属材料、特にアルミニウム含有金属材料の表面
に適用することにより、長期にわたって優れた耐食性、
親水性、異臭発生防止性、および成型加工性を有する皮
膜を、前記金属材料表面に形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 133/26 PFW C09D 133/26 PFW C23C 22/00 C23C 22/00 Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分: (A)ポリオキシエチレン鎖を有する少なくとも1種の
    水溶性有機化合物からなる成分、 (B)スルホン酸基、スルホン酸塩基、ホスホン酸基、
    ホスホン酸塩基、1〜3級アミノ基、および4級アンモ
    ニウム基から選ばれた少なくとも1員を有する少なくと
    も1種の親水性ポリマーからなる成分、並びに (C)ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの
    水溶性誘導体、および下記一般式(I): 【化1】 〔但し、式中R1 は水素原子又は−CH3 基を表し、R
    2 およびR3 はそれぞれ互に独立に、水素原子、C1-4
    アルキル基、ベンジル基、又はC1-3 ヒドロキシアルキ
    ル基を表す〕により表されるアクリルアミド化合物モノ
    マーのホモポリマーおよびコポリマーから選ばれた少な
    くとも1種の水溶性ポリマーからなる成分、を含有する
    金属材料の親水性化用水性処理剤。
  2. 【請求項2】 前記成分(A)用ポリオキシエチレン化
    合物がポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシ
    ド、ポリエチレングリコールエステル、プロピレングリ
    コールとエチレングリコールとのブロック共重合体、ポ
    リエチレングリコールジアミン、ポリエチレングリコー
    ルジイソシアネート、ポリエチレングリコールジグリシ
    ジルエーテル、2塩基酸とポリエチレングリコールジア
    ミンとの水溶性ポリアミド、ポリエチレングリコールア
    クリレート、およびポリエチレングリコールアクリレー
    トアルキルフェニルエーテルから選ばれる、請求項1に
    記載の水性処理剤。
  3. 【請求項3】 前記成分(C)用ポリビニルアルコール
    およびビニルアルコールの水溶性誘導体が、下記式(I
    I): 【化2】 〔但し、上式(II)中、Xは酢酸ビニル、およびビニル
    アルコールとは異なる共重合単位を表し、l,m,nは
    それぞれ酢酸ビニル重合単位、ビニルアルコール重合単
    位、および共重合単位Xの共重合モル比(パーセント)
    を示し、l+m+n=100であり、lおよびnは0で
    あってもよい〕のポリマーから選ばれる、請求項1に記
    載の水性処理剤。
  4. 【請求項4】 前記水溶性有機化合物成分(A)、親水
    性ポリマー成分(B)および水溶性ポリマー成分(C)
    のそれぞれが、互に独立に、これら成分(A),(B)
    および(C)の合計重量に対し5〜90重量%の含有量
    で配合されている、請求項1に記載の水性処理剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の金
    属材料の親水性化用水性処理剤を含む水性表面処理液
    を、金属材料の表面に付着させ、これを乾燥して親水性
    皮膜を形成することを特徴とする金属材料の親水性化処
    理方法。
JP14035296A 1996-06-03 1996-06-03 金属材料の親水性化用水性処理剤および処理方法 Pending JPH09316434A (ja)

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