JPH09320826A - 高耐食性希土類磁石 - Google Patents

高耐食性希土類磁石

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JPH09320826A
JPH09320826A JP8156190A JP15619096A JPH09320826A JP H09320826 A JPH09320826 A JP H09320826A JP 8156190 A JP8156190 A JP 8156190A JP 15619096 A JP15619096 A JP 15619096A JP H09320826 A JPH09320826 A JP H09320826A
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plating
rare earth
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electroless
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JP8156190A
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English (en)
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Tetsuharu Hayakawa
徹治 早川
Yukimitsu Miyao
幸光 宮尾
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Sumitomo Special Metals Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/02Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
    • H01F41/0253Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets for manufacturing permanent magnets
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一なめっき被膜厚を得るとともに、めっき
被膜と希土類・遷移金属・硼素系燒結永久磁石体との密
着性を改善し、優れた耐食性を示すとともにめっき時及
びめっき後においても磁気特性の経時変化(特性劣化)
のない高耐食性希土類磁石の提供。 【解決手段】 希土類・遷移金属・硼素系燒結永久磁石
体の表面にアルカリ性無電解ニッケルめっきの下地層と
アルカリ性無電解銅めっきの中間層及び無電解ニッケル
・リンめっき表層とからなる無電解めっき層の3層被膜
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、希土類・遷移金
属・硼素系燒結永久磁石体の表面に無電解めっき層のみ
の多層被膜を形成し、耐食性を向上させるとともに密着
性に優れた均一なめっき層を被膜した高耐食性希土類磁
石に関する。
【0002】
【従来の技術】希土類・遷移金属・硼素系燒結永久磁石
は、R(但しRはYを含む希土類元素のうち少なくとも
1種)、B、Feを主成分とし、従来から知られる希土
類・コバルト系燒結永久磁石に比べ磁気特性が格段に優
れていることから、高性能・小型化を要求される電気・
電子機器分野だけでなく、広範囲の分野において多用さ
れている。
【0003】この希土類・遷移金属・硼素系燒結永久磁
石は上記のような長所を有する反面、多相組織からなり
粒界に存在する、例えば、Ndリッチ相などのRリッチ
相が電位的に極めて卑であるために、局部電池作用によ
り粒界腐食が起こり易く耐食性に劣るという短所を有す
る。
【0004】そこで、希土類・遷移金属・硼素系燒結永
久磁石の耐食性を向上させるために、該磁石体の表面に
各種の耐食性被膜を形成する表面処理技術が提案され、
工業的規模の生産においても実用化されているものが多
数ある。例えば、上記の表面処理技術としては、電着塗
装・スプレー塗装等による樹脂被膜を形成する方法、イ
オンプレーティング・スパッタリング・真空蒸着等の気
相めっき被膜を形成する方法、電気めっき・無電解めっ
き等の湿式めっき被膜を形成する方法が知られている。
しかし、それぞれ一長一短があり、必ずしも各種分野か
らの要望を満足させるまでに至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】今日、上記の表面処理
技術の中でも、コストや耐食性の面で優れている湿式め
っき被膜を形成する方法が主流となっている(特公平3
−74012号)。特に工業的規模の生産においては、
電気めっきが無電解めっきに比較してコスト及びめっき
液の管理面等で優れていることから多用されている。例
えば、希土類・遷移金属・硼素系燒結永久磁石体の表面
に下地層として電気ニッケルめっき層、中間層として電
気銅めっき層、表層として電気ニッケル・リンめっき層
からなる3層の電気めっき被膜を形成した耐食性被膜の
構成が提案されている(特開平7−331486号)。
【0006】この3層の電気めっき構成は、めっき被膜
中におけるピンホールの生成を抑制することが可能であ
り、耐食性向上を達成できるが、電気めっきが有する本
質的な欠点を解決するものではない。すなわち、電気め
っきによる被膜は、被めっき材への電流分布により偏り
があるため、例えば円筒形状の磁石体においては、該磁
石体の内周部への付き迴りが悪く外周部と比較して内周
部のめっき被膜厚が薄くなり、また、薄型偏平形状の磁
石体においては、該磁石体のエッジ部に電流が集中し中
央部と比較してエッジ部のめっき被膜が厚く成り過ぎ、
いずれの形状の場合も均一なめっき被膜厚を得ることが
困難となる。したがって、高い寸法精度が要求される用
途には使用できないという問題点を有している。
【0007】上記のような磁石体形状でも均一なめっき
被膜厚を得るためには、無電解めっきのみでめっき被膜
を形成することが望ましい。例えば、希土類・遷移金属
・硼素系燒結永久磁石体の表面に、下地層として電気的
に貴な無電解銅めっき層(めっき液はpH8〜14)を
析出させ、その上に電気的に卑な無電解ニッケル・リン
めっき層(めっき液はpH3〜13)を析出させ、無電
解めっきのみの2層被膜を形成した構成が提案されてい
る(特公平7−12005号、特公平7−56849
号)。
【0008】この2層の無電解めっき構成は、均一なめ
っき被膜厚を得ることが可能であるが、本質的に無電解
銅めっき層が下地層となっているため、磁石体との密着
性が劣り、いわゆるクロスカット基盤目テストでは、ナ
イフにより切り込んだ被膜部が浮き上がる現象が生じ
る。
【0009】この被膜剥離現象は、無電解銅めっきの場
合、初期析出部がまず粒子状に析出し、その後被膜が粒
子間を埋めるように成長するため、素材(磁石体)の粒
界部分までの析出が起こり難く、アンカー効果が低いた
めと推測される((株)ティー・アイ・シー発行、ニュ
ーセラミックス(1991)No.11 P88〜P9
6「無電解めっきによるセラミック基板の導電化コーテ
ィング」)。
【0010】さらに、無電解めっき被膜と電気めっき被
膜を併用した3層のめっき被膜を形成した構成も提案さ
れている。すなわち、希土類・遷移金属・硼素系燒結永
久磁石体の表面に、下地層として該磁石体表面を中和さ
せて経時変化に伴う腐食劣化を防止するためにアルカリ
性無電解銅めっき層又はニッケル・リンめっき層を形成
した後に、中間層として電気銅めっき層又はニッケルめ
っき層、表層として電気ニッケル・リンめっき層からな
る3層のめっき被膜を形成した構成が提案されている
(特開平8−3763号)。
【0011】この3層の無電解めっきと電気めっきの構
成においても、めっき被膜の主体が電気めっき被膜であ
ることから均一なめっき被膜厚を得ることは困難であ
り、また、電気めっきと無電解めっきの複合めっきであ
ることから、めっき作業面でも煩雑である。
【0012】この発明は、上述の問題点を解決し、特に
無電解めっきの長所を積極的に活用することにより均一
なめっき被膜厚を得るとともに、めっき被膜と希土類・
遷移金属・硼素系燒結永久磁石体との密着性を改善し、
さらに、優れた耐食性を示すとともにめっき時及びめっ
き後においても磁気特性の経時変化(特性劣化)のない
高耐食性希土類磁石の提供を目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記の目的
を達成するために無電解めっき層のみで多層被膜を形成
する構成に着目し、種々の実験の結果、特に希土類・遷
移金属・硼素系燒結永久磁石体との密着性を改善するた
めに、下地層として無電解ニッケルめっき層を析出させ
ることとした。すなわち、無電解ニッケルめっきの場合
は、極めて薄い被膜の状態から平滑で緻密な析出をし、
その後も均一な成長をすることが認められており、素材
(磁石体)の粒界部分までの析出が容易に起こり、それ
が形成された被膜のアンカー効果を高めると推測される
からである(前掲のニューセラミックス(1991)N
o.11)。
【0014】しかし、無電解ニッケルめっきのうち、無
電解ニッケル・リンめっき液は、還元剤として次亜リン
酸を使用するために、副反応として亜リン酸と水素ガス
が生成し、リン(P)と水素(H2)がニッケルめっき
被膜中に含まれる。特に希土類・遷移金属・硼素系燒結
永久磁石は水素を非常に吸蔵しやすく、多量に吸蔵する
と粒界が脱落しめっき被膜との密着性が著しく低下する
こととなる。また、無電解ニッケル・硼素めっき液の場
合も、副反応により硼素(B)と水素(H2)がニッケ
ルめっき被膜中に含まれ同様な現象を生じることとな
る。
【0015】このため、無電解ニッケルめっき液のpH
を種々検討した結果、該めっき液がアルカリ性液の場合
においては、上記の磁石体への水素吸蔵が著しく少なく
なると同時に磁石体の粒界を腐食させないことが分か
り、該下地層としてアルカリ性無電解ニッケルめっき層
を形成した構成は、従来の無電解銅めっき層(めっき液
はpH8〜14)を形成した構成と比較して優れた密着
性が得られることを知見した。また、該下地層の膜厚
は、ニッケル・リンめっきの場合、リンを含むことから
膜が厚くなるにつれて硬く脆くなるため、0.1〜5μ
mの範囲から選定することが必要であることを確認し
た。ニッケル・硼素めっきの場合も、硼素を含むことか
ら同様な理由により0.1〜5μmの範囲から選定する
ことが必要であることを確認した。
【0016】また、表層には、耐食性とともに表面性状
の観点からピンホールのない緻密な被膜となる酸性ある
いはアルカリ性の無電解ニッケル・リンめっき層を採用
することとし、該表層の膜厚は、貫通ピンホールを無く
すためには5〜15μmの範囲から選定することが必要
であることを確認した。さらに、この無電解ニッケル・
リンめっき層は、磁石体への水素アタックが非常に大き
いため、前記の下地層であるアルカリ性無電解ニッケル
めっき層を貫通して水素吸蔵を起こさせ磁石体の粒界脱
落を招く懸念があることから、水素バリアとして有効な
中間層を形成する必要がある。
【0017】また、発明者らは、水素バリアとしての機
能だけでなく防食機構及びめっき被膜に柔軟性を与え耐
熱ショックをやわらげる効果、さらに下地層であるアル
カリ性無電解層ニッケルめっきのピンホールを通しての
磁石体の腐食防止等の観点から、中間層としてアルカリ
性無電解銅めっき層を形成することとした。該中間層の
膜厚は、水素バリアとしての機能を果すためには5〜1
5μmの範囲から選定することが必要であることを確認
した。
【0018】この発明は、以上のような検討結果に基づ
き完成されたものであり、希土類・遷移金属・硼素系燒
結永久磁石体の表面に無電解めっき層からなる下地層と
中間層及び表層とからなる多層被膜を形成し、該下地層
が膜厚0.1〜5μmのアルカリ性無電解ニッケルめっ
き層、中間層が膜厚5〜15μmのアルカリ性無電解銅
めっき層、表層が膜厚5〜15μmの無電解ニッケル・
リンめっき層であることを特徴とする高耐食性希土類磁
石である。
【0019】
【発明の実施の形態】この発明の耐食性希土類磁石にお
いて、希土類・遷移金属・硼素系燒結永久磁石体とは、
R(但しRはYを含む希土類元素のうち少なくとも1
種)とFe及びBを主成分とする公知の燒結永久磁石体
であればよく、特に、R8〜30原子%、B2〜28原
子%、Fe42〜90原子%を主成分とする組成の燒結
永久磁石体が好ましい。また、Rとしては軽希土類をも
って足り、特にNd、Prが好ましい。通常Rの1種を
もって足りるが、必要に応じて2種以上の混合物(ミッ
シュメタル、ジジム等)を用いることができる。
【0020】Feの50%以下(好ましくは20%以
下)をCoで置換することにより、温度特性及び耐食性
を向上することができる。また、高保磁力化等を目的と
して、Al(9.5原子%以下)、Ti(4.5原子%
以下)、V(9.5原子%以下)、Cr(8.5原子%
以下)、Mn(8.0原子%以下)、Bi(5原子%以
下)、Nb(12.5原子%以下)、Ta(10.5原
子%以下)、Mo(9.5原子%以下)、W(9.5原
子%以下)、Sb(2.5原子%以下)、Ge(7原子
%以下)、Sn(3.5原子%以下)、Zr(5.5原
子%以下)、Hf(5.5原子%以下)の少なくとも1
種を添加含有することも可能である。
【0021】上記のR、Fe、B、Co、Al等の添加
元素は、要求される磁気特性等に応じて各々の含有量を
適宜選定することが望ましい。さらに、C、O、P、S
等の工業的生産上不可避的不純物の存在を許容できる。
【0022】この発明の耐食性希土類磁石において、希
土類・遷移金属・硼素系燒結永久磁石体は上記の組成か
らなり、公知の粉末冶金方法によって得られる燒結体永
久磁石であればよく、永久磁石粉末の製造方法や、成型
方法、燒結方法、時効処理方法等によって目的とする効
果が損なわれるものではない。
【0023】この発明の耐食性希土類磁石において、主
たる特徴である無電解めっき層のみからなる多層被膜
は、先に説明した知見に基づき下地層がアルカリ性無電
解ニッケルめっき層、中間層がアルカリ性無電解銅めっ
き層、表層が無電解ニッケル・リンめっき層から形成さ
れている。
【0024】各々のめっき層は前記の説明のように所要
膜厚とする必要があるが、それぞれのめっき層の機能を
一層向上させるためには、下地層を形成するアルカリ性
無電解ニッケルめっき層の膜厚は0.3〜3μmの範
囲、中間層を形成するアルカリ性無電解銅めっき層の膜
厚は8〜12μmの範囲、表層を形成する無電解ニッケ
ル・リンめっき層の膜厚は8〜12μmの範囲から選定
することが特に好ましい。
【0025】なお、これらの下地層、中間層、表層を合
わせた3層全体の厚さは、被膜全体の強度や製品の寸法
精度、コスト等の観点からして35μm以下が好ましい
が、要求される諸特性に応じて30μm以下、あるいは
さらに25μm以下とすることが好ましい。
【0026】下地層は、アルカリ性無電解ニッケルめっ
き浴で形成されるが、公知のニッケル・リンめっき浴ま
たはニッケル・硼素めっき浴の採用が可能である。これ
らのアルカリ性無電解ニッケルめっき浴の組成として
は、ニッケル源として硫酸ニッケル等、還元剤として次
亜リン酸ナトリウム・水素化硼素ナトリウム等、錯化剤
としてクエン酸ソーダ等、その他の所要成分(安定剤
等)を含む公知のアルカリ性無電解ニッケルめっき浴を
使用することができ、その常法に従っためっき条件でめ
っきすることにより、この発明の下地層に適したアルカ
リ性無電解ニッケルめっき層を形成することができる。
【0027】なお、ニッケル・リンめっき浴を使用した
場合、下地層中のリン含有量は特に限定されないが、2
重量%以上が好ましく、特に3〜10重量%とすること
が好ましい。また、ニッケル・硼素めっき浴を使用した
場合は、下地層中の硼素含有量は特に限定されないが、
0.5重量%以上が好ましく、特に3〜6重量%とする
ことが好ましい。これらのアルカリ性無電解ニッケルめ
っき浴は、希土類・遷移金属・硼素系燒結永久磁石体の
粒界腐食を防止するための理由から、pH≧9とするこ
とが好ましい。
【0028】中間層は、アルカリ性無電解銅めっき浴で
形成されるが、浴の組成としては、銅源として硫酸銅
等、還元剤としてホルマリン・パラホルムアルデヒド
等、錯化剤としてロッシェル塩・EDTA等、その他の
所要成分(水酸化ナトリウム・安定剤・湿潤剤等)を含
む公知の化学銅めっきを使用することができ、その常法
に従っためっき条件でめっきすることにより、この発明
の中間層に適したアルカリ性無電解銅めっき層を形成す
ることができる。
【0029】この無電解銅めっき浴は、下地層の無電解
ニッケルめっき層のピンホールを通して希土類・遷移金
属・硼素系燒結永久磁石体の粒界を腐食する恐れがある
ため、これを防止するためにアルカリ性でありpH≧9
とすることが好ましい。
【0030】表層は、無電解ニッケル・リンめっき浴で
形成されるが、浴の組成としては、ニッケル源として硫
酸ニッケル等、還元剤として次亜リン酸ナトリウム等、
錯化剤としてクエン酸ソーダ等、その他の所要成分(安
定剤等)を含む公知の酸性浴・アルカリ浴を使用するこ
とができ、その常法に従っためっき条件でめっきするこ
とにより、この発明の表層に適した無電解ニッケル・リ
ンめっき層を形成することができる。なお、表層中のリ
ン含有量は特に限定されないが、2重量%以上が好まし
く、特に7〜12重量%とすることが好ましい。
【0031】この無電解ニッケル・リンめっきは、酸性
浴・アルカリ浴のいずれを用いることも可能であるが、
めっき被膜形成速度が早く、かつめっき浴が安定で使い
やすいことから、pH≦5の酸性浴で形成された構成が
好ましい。
【0032】上記の各々めっき浴中に磁石体を浸漬する
方法は、バレル法、引っ掛け治具法等公知の方法を採用
できる。さらに、酸洗処理、表面活性化処理、スマット
除去処理等の前処理も必要に応じて実施することが好ま
しい。
【0033】
【実施例】12.6Nd−1.2Dy−7.2B−0.
5Al−1.1Co−残部Feからなる組成の合金を高
周波溶解にて作成し、得られたインゴットをスタンプミ
ル及びディスクミルにて粗粉砕した後、さらにN2ガス
を粉砕媒体としてジェットミルで微粉砕し粒度3.5μ
mの原料粉末を得た。得られた原料粉末を10kOeの
磁界中で配向しながら1.5ton/cm2の圧力で成
形した。この成形体をアルゴン雰囲気中で1100℃×
1時間の燒結を行ない、さらに放冷後、アルゴン雰囲気
中で600℃×2時間の時効処理を施して、希土類・遷
移金属・硼素系燒結永久磁石体を得た。
【0034】上記の燒結永久磁石体から30mm×12
mm×3mm寸法に素材を切り出し以下のめっき試験片
とした。無電解めっきを施す前に、該試験片を、硝酸ナ
トリウム0.2モル%、硫酸1.5vol%の水溶液か
らなる液温度30℃の酸洗液に4分間浸漬することによ
り、表面研削を行なった。その後、水洗を行ない、さら
に水中での超音波洗浄を30秒間施し、試験片に付着し
たスマットを除去した。
【0035】引き続き各試験片に表1に示す条件にて無
電解めっき処理を施した。なお、アルカリ性無電解ニッ
ケル・リンめっき浴の組成は、硫酸ニッケル25g/
l、次亜リン酸ナトリウム20g/l、クエン酸ナトリ
ウム60g/l、微量の安定剤からなり、pH9(アン
モニア水調整)、液温度60℃とし、成膜速度を6μm
/時間に調整して目的とする膜厚のめっき層を得た。ま
た、形成されたアルカリ性無電解ニッケル・リンめっき
層中のリン含有率は5重量%であった。
【0036】同様に、アルカリ性無電解銅めっき浴の組
成は、硫酸銅(CuSO4・5H2O) 10g/l、ホ
ルマリン(37%HCHO) 20ml/l、水酸化ナ
トリウム(NaOH) 10g/l、EDTA4Na
25g/l、微量の安定剤と湿潤剤からなり、pH1
2、液温度65℃とし、成膜速度を2.5μm/時間に
調整して目的とする膜厚のめっき層を得た。
【0037】さらに、酸性無電解ニッケル・リンめっき
浴の組成は、硫酸ニッケル20g/l、次亜リン酸ソー
ダ24g/l、乳酸27g/l、プロピオン酸2g/
l、微量の安定剤からなり、pH4.5、液温度90℃
とし、成膜速度を15μm/時間に調整して目的とする
膜厚のめっき層を得た。なお、形成された酸性無電解ニ
ッケル・リンめっき層中のリン含有率は8重量%であっ
た。
【0038】表1に示す条件にて無電解めっき処理を施
した各々試験片に、プレッシャークッカーテスト、塩水
噴霧試験、恒温恒湿試験、クロスカット基盤目テスト、
大気中加熱後の放冷試験、水素ガス放出試験等の試験を
施し、各々試験片の耐食性、密着性等を比較し、その結
果を表2に示す。さらに、めっき処理前、めっき処理
後、恒温恒湿試験後における各々試験片の磁気特性の変
化を測定し、その結果を表3に示す。
【0039】めっき厚分布と水素ガス放出試験における
この発明の高耐食性希土類磁石と従来の電気めっきによ
る高耐食性希土類磁石との比較を表4に示す。この発明
の高耐食性希土類磁石においては、各々試験片の被膜寸
法のばらつき(最終製品における被膜寸法のばらつき)
が、5μm以下(20±3μm)であることが確認でき
た。なお、この試験に使用した希土類・遷移金属・硼素
系燒結永久磁石体も先の試験に使用した磁石体と同様な
組成・製造方法で得たものである。また、この発明の高
耐食性希土類磁石の3層の無電解めっき層を形成するた
めのめっき浴の組成・作業条件も先の試験と同様とし
た。水素ガス放出試験の条件も同様である。
【0040】以上の実施例においては、下地層がアルカ
リ性無電解ニッケル・リンめっき層、中間層がアルカリ
性無電解銅めっき層、表層が酸性無電解ニッケル・リン
めっき層の構成からなる高耐食性希土類磁石について説
明したが、下地層がアルカリ性無電解ニッケル・硼素め
っき層、中間層がアルカリ性無電解銅めっき層、表層が
アルカリ性無電解ニッケル・リンめっき層の構成からな
る高耐食性希土類磁石の場合も、めっき浴を構成する薬
液(組成)・作業条件が異なるだけで、評価特性に大差
がなく、同様な作用効果が得られることを確認した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【発明の効果】この発明の高耐食性希土類磁石は、前記
の実施例からも明らかなように、従来技術に相当する比
較例1、2、3のように下地層として無電解銅めっき
層、表層として無電解ニッケル・リンめっき層を形成し
た構成の磁石と比較して、プレッシャークッカーテス
ト、塩水噴霧試験、恒温恒湿試験ともに良好であり、優
れた耐食性を有することが確認できた。また、同様にク
ロスカット基盤目テストでも被膜が浮き上がることな
く、優れた密着性を有することが確認できた。
【0046】さらに、この発明の高耐食性希土類磁石
は、大気中加熱後の放冷試験にも耐えることから、めっ
き被膜の柔軟性に富かつ素材との密着性に優れているこ
とが分かる。また、水素ガス放出試験の結果からも電気
めっきの場合と同等レベルであり、水素吸蔵量が極めて
少なく、粒界の脱落のない高密着性被膜であることが確
認された。また、めっき処理後及び恒温恒湿試験後にお
ける磁気特性に経時変化がなく、無電解めっき層からな
る下地層と中間層及び表層とからなる多層被膜を形成し
たこの発明の高耐食性希土類磁石が、広範囲の用途にお
いて有効であることが確認できた。
【0047】すなわち、この発明の高耐食性希土類磁石
は、無電解めっきの長所を積極的に活用することにより
均一なめっき被膜厚を得るとともに、めっき被膜と希土
類・遷移金属・硼素系燒結永久磁石体との密着性を改善
し、さらに、優れた耐食性を示すとともにめっき時及び
めっき後においても磁気特性の経時変化(特性劣化)の
ない磁石の提供を可能とするものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類・遷移金属・硼素系燒結永久磁石
    体の表面に無電解めっき層からなる下地層と中間層及び
    表層とからなる多層被膜を形成し、該下地層が膜厚0.
    1〜5μmのアルカリ性無電解ニッケルめっき層、中間
    層が膜厚5〜15μmのアルカリ性無電解銅めっき層、
    表層が膜厚5〜15μmの無電解ニッケル・リンめっき
    層であることを特徴とする高耐食性希土類磁石。
  2. 【請求項2】 下地層の膜厚が0.3〜3μm、中間層
    の膜厚が8〜12μm、表層の膜厚が8〜12μmであ
    る請求項1に記載の高耐食性希土類磁石。
  3. 【請求項3】 下地層がアルカリ性無電解ニッケルめっ
    き浴で形成され、中間層がアルカリ性無電解銅めっき浴
    で形成され、表層が無電解ニッケル・リンめっき浴で形
    成された請求項1に記載の高耐食性希土類磁石。
  4. 【請求項4】 希土類・遷移金属・硼素系燒結永久磁石
    体が、R(但しRはYを含む希土類元素のうち少なくと
    も1種)8〜30原子%、B2〜28原子%、Fe42
    〜90原子%を主成分とする請求項1に記載の高耐食性
    希土類磁石。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2004068673A1 (ja) * 2003-01-28 2006-05-25 本田技研工業株式会社 永久磁石式モータ用ロータ
JP2008010726A (ja) * 2006-06-30 2008-01-17 Daido Electronics Co Ltd 希土類ボンド磁石
CN113795376A (zh) * 2019-04-02 2021-12-14 住友电气工业株式会社 复合部件和散热部件

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