JPH09322735A - 動物性脂肪入り調味料及びその製造方法 - Google Patents

動物性脂肪入り調味料及びその製造方法

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JPH09322735A
JPH09322735A JP8168575A JP16857596A JPH09322735A JP H09322735 A JPH09322735 A JP H09322735A JP 8168575 A JP8168575 A JP 8168575A JP 16857596 A JP16857596 A JP 16857596A JP H09322735 A JPH09322735 A JP H09322735A
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JP
Japan
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seasoning
weight
emulsifier
fat
animal fat
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Application number
JP8168575A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Nakamura
哲郎 中村
Mitsuo Kimoto
三夫 木本
Shigeo Tomita
茂夫 富田
Takeshi Niimi
武 新美
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ichibiki Co Ltd
Original Assignee
Ichibiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温で固体の動物性脂肪を高塩濃度の水性調
味液に安定に乳化分散させた調味料及びその製造方法を
提供する。 【解決手段】 ポリグリセリン脂肪酸エステル及び必要
に応じて配合されるリゾレシチンからなる乳化剤とアラ
ビアガム及びカラギーナンからなる安定剤を用い、常用
乳化機械によって動物性脂肪の融点以上の乳化温度で当
該動物性脂肪を高塩濃度の水性調味液中に安定して乳化
分散させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動物性脂肪を安定
に乳化分散させた高塩濃度の調味料、及びその製造方法
に関する。特に、牛肉のうま味とフレーバーを有する牛
脂を、高塩濃度の調味液中に乳化分散させてなる液状調
味料と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来は、牛肉のうま味とフレーバーを付
与するために、調理に際して牛脂を添加したり、牛肉タ
ンパク質を加水分解して得たエキスを、調味料の中に添
加する方法などが行われていた。食品のかもし出す風味
は、香り、味、舌ざわり等の要因で決定される。その中
で脂肪は、いずれの要因とも深い関係がある。油ののっ
た魚、脂肪含量の多いソーセージ、アイスクリーム、ク
ッキー等、油脂を適当に含有する食品が良い食感を与え
ることは一般によく知られている。
【0003】特に、牛肉に含まれる固形の脂肪は、牛肉
のうま味とフレーバーの主要原因と考えられており、牛
の脂身を溶かして鍋中に伸ばしてからすき焼きをした
り、ステーキを焼くときにフライパンに牛脂を溶かすの
は、牛肉のうま味とフレーバーを楽しむものである。高
級肉といわれる和牛肉は、「霜降り」と呼ばれるように
脂肪が肉の組織の中に細かく入り込んでおり、この脂肪
によって、うま味や良好なフレーバーが得られる。しか
し、牛肉のフレーバーは油溶性であり、旨味も又牛脂に
起因するところが大きい。そこで、水溶性のエキスだけ
では牛肉様のおいしさを得ることは困難であった。
【0004】牛脂の旨味を調味液に与える方法として、
従来から醤油などの高塩濃度の溶液に食用油脂を安定に
分散しようとする試みが多数なされたが、未だに満足す
べき製品が得られていない。公知の例としては、ゼラチ
ン、天然ガム質を含む水相を醤油に添加して液状油を乳
化する方法(特公昭52ー2999号)、乳化剤として
ジアセチル酒石酸モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン脂肪酸エステルの一種又は二種以上
を使用する方法(特開昭59ー45854)、リゾフォ
スファチドを添加する方法(特公昭63ー18535
0)等がある。また、乳化剤としてポリグリセリン脂肪
酸エステル、安定剤としてキサンタンガム及びタマリン
ドガムの3成分を所定の比率で併用する方法(特開昭6
3ー294758)がある。
【0005】しかしながら、これらの方法によって製造
された食塩を含む乳化液は、植物油など油脂が液状であ
れば比較的安定である。しかし、油脂が常温で固形であ
る場合、一定温度で静置すれば比較的安定であるが、殺
菌、輸送や保管など日常の取扱い中の、振動、攪拌、温
度変化など、実際の商品流通や使用の条件下では不安定
であり、固形脂の凝集や分離を起こす。その理由は、高
塩濃度の水相はイオン強度が大きく、油脂粒子間の静電
的反発力などが失われ、乳化の破壊が起こりやすいため
であり、特に常温で固形脂の乳化では、その結晶性によ
って粒子間に凝集と合一が起こるためである。このため
に、特開昭63ー294758号公報に記載の発明のよ
うに、粘度を充分高めて油脂の分散をはかる必要があ
り、流動性が乏しくなるために、調味液として使用する
ためには極めて不便である。
【0006】
【発明を解決するための課題】牛脂を主要油脂とする高
塩濃度の乳化調味液の例は市販品に見あたらない。従来
は、牛脂のうま味とフレーバーを味わうには、必要量の
牛脂を塗布するなど共存させておく必要があった。ま
た、肉に対して牛脂と調味液を別途に塗布することは事
実上不可能に近い。また、調理後に調味液と牛脂を付け
ることは、調味液を付けた牛肉に牛脂を塗る場合も、ま
た順序がその逆の場合も極めて難しい。牛脂の融点が4
0〜46℃と高いことや、牛脂と調味液は不和合である
ため、均一塗布が困難なためである。
【0007】そこで牛脂を水系の調味料に混合するため
に、加工澱粉やキサンタンガムなどの増粘用の多糖類を
配合して調味液自体の粘度を高くし(例えば、4、00
0CP以上)、その粘性によって牛脂を安定化し、肉に
塗布する方法が行われた。しかし、このような調味液は
取扱いが不便な上、それらを塗布して肉を焼くと、多糖
類が炭化しやすいため調理中に焦げて、焼き上がりの肉
の状態が好ましくない。本発明の目的は、上記の従来技
術の欠点を改善し、充分な流動性を有し、展着、塗布し
やすく、調理によっても焦げつきにくい調味料を提供す
ることにある。本発明は、常温で固体の動物性油脂を、
高塩濃度の調味液に安定に乳化分散させた調味液を提供
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、高塩濃
度の調味液、動物性脂肪、乳化剤、安定剤からなる調味
料組成物とその製造法である。即ち、(1)乳化剤及び
安定剤により、高塩濃度の水性調味液中に常温で固体の
動物性脂肪を安定に乳化分散させた乳濁液であって、水
性調味液に対する動物性脂肪の添加量が重量で98:2
〜60:40であり、その粘度が1,000〜3,00
0CPであることを特徴とする調味料組成物であり、
(2)前記(1)の乳化剤がポリグリセリン脂肪酸エス
テルであり、前記安定剤がアラビアガム及びカラギーナ
ンを併用したものである調味料組成物であり、(3)ま
た、前記(1)乳化剤がポリグリセリン脂肪酸エステル
及びリゾレシチンの混合物であり、ポリグリセリン脂肪
酸エステル/リゾレシチンの配合比が重量で9:1〜
5:5であり、更に前記安定剤がアラビアガム及びカラ
ギーナンを併用したものである調味料組成物である。
(4)更に、前記乳化剤及び乳化剤混合物の配合量が動
物性脂肪に対して0.5〜20重量%である調味料組成
物であり、(5)前記安定剤のアラビアガムとカラギー
ナンの和が、前記水性調味液に対して0.4〜2.5重
量%であり、アラビアガム/カラギーナンの配合比が重
量で1:1〜1:10である調味料組成物である。
(6)さらに好ましくは、前記の乳化剤及び乳化剤混合
物の配合量が動物性脂肪に対して0.5〜10重量%、
より好ましくは、5.0〜10重量%である(2、3)
に記載の調味料組成物であり、(7)また、前記安定剤
のアラビアガムとカラギーナンの和が、水性調味液に対
して0.7〜2.0重量%であり、アラビアガム/カラ
ギーナンの配合比が重量で1:3〜1:6である(2、
3、4、6)に記載の調味料組成物であり、(8)本発
明の安定な調味料組成物を製造する方法は、ホモジナイ
ザー、ホモミキサーなどの常用乳化機械によって、乳化
温度50℃以上で、即ち、動物性脂肪が液状又は流動状
となるその融点以上の乳化温度において、(2)〜
(7)に記載した乳化剤、安定剤を用い、高塩濃度の水
性調味液中に動物性脂肪を乳化分散し、好ましくは急冷
することを特徴とする。(9)本発明の他の側面は、食
用油脂を水性調味液へ分散するために上記の乳化剤及び
安定剤を用いることにあり、そのとき食用油脂は常温で
固体の動物性脂肪に限定されるものではない。
【0009】
【本発明を構成する各成分の説明】以下発明を構成する
各成分について説明する。本発明における動物性脂肪に
は、牛脂、豚脂、羊脂等の獣脂の他、鳥類、鯨鯔等が有
り、またこれらの2種以上の混合物も用いることができ
る。しかし用途としては牛脂が多い。また、黒毛和牛の
脂身を煮出した牛脂などはこの目的に特に適する。これ
らの脂肪は融点が高く、常温では通常固形である。尚、
本発明の効果を損なわない範囲で、他の油脂類を加える
ことができる。
【0010】本発明に用いる調味液は、味や香りをつけ
ると共に、調理中の食品に目的とする食味を与えるもの
であればいずれでも良い。たとえば、焼き肉、ステーキ
等に使用する「たれ類」や、基本液体調味料である、醤
油、ソース、魚醤、酢、酒類の他にこれらを混ぜ合わし
た「つゆ類」もこれに含まれる。食塩、糖類、アミノ酸
ペプチドなどを配合した人工的なもの、又これらと天然
調味料との混合物、更には、ドレッシング、ラーメンス
ープ、肉汁、野菜スープ等も本願発明の調味液に含まれ
る。調味液の食塩分としては20重量%以下であれば本
発明の実施が可能であるが、腐敗防止の観点から食塩分
が5〜20%であるものが適する。
【0011】本発明に用いる乳化剤としてはポリグリセ
リン脂肪酸エステル、またはポリグリセリン脂肪酸エス
テルとリゾリン脂質の混合物が適する。本発明において
使用するポリグリセリン脂肪酸エステルは他の成分と相
乗的に働き、食塩を含む調味液において好適な乳化分散
作用を有するものであれば特に限定されない。しかし、
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリン重合度4
〜10で、HLBが6〜14であるものが利用でき、更
に好ましくは、重合度4〜8で、HLBが10〜12の
ものが適する。又構成脂肪酸は炭素原子数14〜22の
不飽和脂肪酸及び/又は飽和脂肪酸が好ましく、更に好
ましいのは炭素原子数16〜22の飽和脂肪酸が適す
る。
【0012】本発明に用いるリゾレシチン(リゾリン脂
質)は、特に限定されないが、大豆や卵黄のリン脂質を
ホスフォリパーゼA−2で分解して得られたものが適す
る。大豆起源のものでは、分別処理を行ってコリン脂質
含量を高めたものが更に好ましく、特に、コリン含量が
50%以上含まれているものが好適である。ポリグリセ
リン脂肪酸エステルに対するリゾレシチンの配合比率
は、9:1〜5:5で有ることが好ましい。リゾレシチ
ンが少ない場合は併用の効果がなく、多すぎると特に蛋
白質の多い調味液では、乳化安定性を損ねる場合が多
い。
【0013】本発明に用いる安定剤としては、アラビア
ガムとカラギーナンの併用が適する。カラギーナンはラ
ムダ・フラクション、イオタ・フラクションの多いもの
が好ましく、更に好ましくはイオタ・フラクションのも
のがよい。カッパ・フラクションの多いものはゲル化し
てしまうため好ましくない。アラビアガムは天然物であ
るので、性能にバラツキがあるが、概ね、アラビアガム
に対するカラギーナンの配合比率は、1:1〜1:10
が適し、更に好ましくは1:3〜1:6が適する。アラ
ビアガムの量を多めにすると分離が起こり好ましくな
く、カラギーナン単独使用でも分離をおこす。
【0014】本発明において高塩濃度の調味液と動物性
脂肪との配合比は重量比で98:2〜60:40であ
る。更に好ましくは95:5〜60:40である。動物
性脂肪が2重量%未満では脂肪の風味が不足する。40
%以上50重量%程度でも実施可能であるが、調味料組
成物の粘度制御が困難になりやすい。
【0015】本発明を構成する高塩濃度の調味液は、無
機塩濃度が5〜20重量%で有るものが適する。5%未
満でも製造に差し支えはないが、使用中に組成物の腐敗
が起こりやすい。尚、本発明でいう高塩濃度の調味料
は、醤油のような食塩濃度15〜16重量%程度のもの
や魚醤のような食塩濃度20重量%のものまでを含む。
【0016】本発明において乳化剤として使用するポリ
グリセリン脂肪酸エステル、またはポリグリセリン脂肪
酸エステルとリゾレシチンの混合物の油脂に対する配合
量は、乳化処理後の油脂球の大きさ(油脂粒子の表面
積)によって変化するが、動物性脂肪に対して0.5〜
20重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10重
量%、更に好ましくは5.0〜10重量%である。乳化
剤量が0.5未満であると、食塩を含む調味料中におい
て脂肪の分散が安定しない。乳化剤の配合量が多目の方
が脂肪の分散は安定するが、適量があり、20重量%を
超えてこれを配合すると調味液の味、風味などに影響が
でるので好ましくない。
【0017】本発明において安定剤として使用するアラ
ビアガム、カラギーナンの配合量は、水系調味液に対し
て0.4〜2.5重量%が好ましく、より好ましくは
0.7〜2.0重量%である。安定剤の配合量が0.4
重量%未満であると高塩濃度の調味液中において脂肪の
分散が安定しない。安定剤の配合量が多くなればなるほ
ど脂肪の分散は安定する。しかし、上記の2.5重量%
を超えて安定剤を配合すると調味液中の粘度が所望以上
に高くなり、又焦げ付きやすくなる欠点がある。一般に
同程度の脂肪球分布を有する調味料組成物で、脂肪含有
量が多ければ安定剤の必要量が少量になる傾向がある。
【0018】本発明において高塩性調味液と、動物性脂
肪との配合比は重量比で98:2乃至50:50であ
る。好ましくは98:2乃至60:40、更に好ましく
は95:5乃至60:40である。動物性脂肪が2重量
%未満では脂肪の風味が不足する。50重量%を超える
と乳化の安定が困難になりやすい。高塩濃度の調味液に
使用する乳化剤としてはポリグリセリン脂肪酸エステル
またはポリグリセリン脂肪酸エステルとリゾリン脂質、
安定剤してアラビアガムとカラギーナンを併用すること
が必要で、上記乳化剤、アラビアガム、カラギーナンの
うち一つが欠けると脂肪を水系の食塩を含む調味料中に
安定して乳化分散させておくことができない。一旦は安
定乳化が得られたように見えても、流通保管中の温度変
化、振動によって安定性を失い、分離が起きる。勿論、
本発明の効果を失わない範囲で、上記3成分に加えて他
の乳化剤、安定剤を併用することができる。
【0019】本発明の高塩濃度の調味液は、食塩を主と
する塩分濃度が5〜20重量%であるがこのような高塩
分濃度では本発明の乳化剤、安定剤の組み合わせが適す
る。即ち、乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル
又は、ポリグリセリン脂肪酸エステルとリゾリン脂質の
混合乳化物を用い、安定剤としては、アラビアガム及び
カラギーナンを併用する。
【0020】本発明の組成物の粘度は、流動性の面から
使用に適する範囲が必要で、1,000〜3,000C
Pに調整する。一般に粘度の測定値は、測定機械とそれ
らの測定条件に支配されて異なった値を示す。そこで、
本発明の粘度とは、測定機として(株)東京計器製、B
型粘度計BL用い、NO.3のローター、回転数12r
pm、温度30℃の条件で測定したときの粘度を意味す
る。
【0021】本発明の食塩を含む調味液への脂肪の乳化
分散では、乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル
またはポリグリセリン脂肪酸エステルとリゾリン脂質混
合物を用い、安定剤としてアラビアガムとカラギーナン
を併用することが必要で、上記乳化剤、アラビアガム、
カラギーナンのうち、どれか一つが欠けても、実質的な
安定分散を保つことができない。上記以外の方法では、
一旦は安定な乳化分散が得られたように見えても、流通
保管や使用中の温度変化、振動などによって安定性を失
い、分離が起きる。しかし、本発明の効果を失わない範
囲で、上記4成分に加えて他の乳化剤、安定剤を併用す
ることができることはいうまでもない。
【0022】前記の組成物によって、常温で固体の動物
性脂肪を高塩濃度の調味液中に安定して分散することが
できる。乳化剤は脂肪中に溶解または分散させてもよ
く、又水系の調味液に溶解または分散させてもよく、又
油相と水相の両方に添加してもよい。常温で固体の脂肪
は乳化に際して、50℃以上に加熱して一旦液体状にす
る。同じく50℃以上の加温下で、水系の食塩を含む調
味液、乳化剤、安定剤の混合液を調整し、これを適当な
攪拌機によって予備乳化した後、ホモミキサーや加圧式
ホモジナイザーなどで処理する。乳化温度は油脂の融点
以上の温度に保たれる必要があり、乳化効果の点からは
60〜80℃であることが好ましい。
【0023】本発明の組成物の工業的な製造に関して
は、装置は特に限定されないが、ホモジナイザーなどの
微細な油脂乳化液が得られ、乳化分散の前または後で組
成物の殺菌や滅菌が行いやすい、密閉系を構築可能な機
器による設備が適する。又、製造に当たっては乳化液を
急冷する事が可能な、プレート式、チューブラー式など
の熱交換機の使用が適する。動物性脂肪の平均粒径は
0.5〜20μmの範囲内にあることが適当である。こ
のようにして乳化分散された脂肪は、実質的に調味液中
に安定に保たれ、時に動物性脂肪球が浮上して、クリー
ム状になっても油脂が凝集や合一を起こさず、振とうす
れば分散状態に戻りやすい。
【0024】一般に固体表面への液体の流れは、固液間
と気液間の界面張力に支配され、濡れやすさは液体の接
触角で表される。牛肉の表面は複雑な成分からなる系で
あり、肉の表面には油より水の方が広がりやすい。そこ
で、界面活性剤が配合されている本発明の組成物は、更
に牛肉の表面を濡らしやすい。特にポリグリセリン脂肪
酸エステルとリゾレシチン混合物を含む調味液は、牛肉
との接触角が低下し、良好な濡れを示した。このような
界面活性作用の向上によって、ポリグリセリン脂肪酸エ
ステル単独使用の場合よりも肉の内部への調味液の浸透
が促進されると推定された。表1は、エルマ光学社製接
触角形(M-2010AーaG-I型)による測定結果である。
【0025】
【表1】
【0026】以下実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明の調味料組成物及びその製造方法は、こ
れらの実施例に限定されないことは勿論である。又、本
発明を構成する水性の調味液の無機塩分濃度が、5重量
%以下であるものから実質的に無塩である場合でも、本
発明の組成物の内容が有効であることはいうまでもな
い。
【0027】
【実施例】実施例1〜18 表2に示す配合で焼き肉のたれを作った。このたれに補
水または補塩を行って食塩濃度を5%、10%、15
%、20%に調節する。その各々に表3に示す配合にて
乳化剤または乳化剤混合物及び安定剤を添加し、65℃
に加熱する。仙台牛より分離した未精製牛脂を65℃で
ゆっくり焦がさないように加熱し、表3に示す添加量で
液状にした牛脂を焼き肉のたれ中に滴下し乳化分散を行
った。乳化分散は表3に示すようにホモミキサーまたは
高圧ホモジナイザーで行った。ホモミキサーによる乳化
は、特殊機化工業(株)社製のTKホモミキサーMK2
を用い、12,000rpm,20分処理を行った。高
圧ホモジナイザーによる乳化は、特殊機化工業社製のT
KホモミキサーMK2で8,000rpm、10分予備
乳化を行った後、マントンガウリン社製の高圧ホモジナ
イザー15Mを用い、150気圧で処理を行った。
【0028】
【表2】
【0029】比較例1〜6 表2に示す配合で焼き肉のたれを作り、食塩濃度を5
%、10%、20%に調整し、実施例1〜18と同様の
方法にてホモミキサー又は高圧ホモジナイザーを使用し
てに乳化分散を行った。
【0030】実施例1〜18、比較例1〜6を室温にて
30日保存を行い分離程度を確認した。その結果を表3
に示す。表3に示したとおり実施例は均一な乳化分散を
保っているが、比較例はいずれも固化、分離してしまい
使用に耐えない品質であった。
【0031】
【表3】
【0032】実施例19 表2に示す配合で焼き肉のたれを作り、食塩濃度を10
%に調整する。この焼き肉のたれ900重量部にポリグ
リセリン脂肪酸エステル(三菱化学フーズ(株)社製、
商品名リョートーポリグリエステルHS−11)6重量
部、アラビアガム(五協産業(株)社製、商品名アラビ
アガムHP)2重量部、カラギーナン(大日本製薬
(株)社製、商品名シーピーガムFA)8重量部をよく
混合させ65℃まで加熱した。上記水相部に、仙台産和
牛から分離した未精製牛脂を65℃で焦がさないように
ゆっくり溶かしたもの100重量部を滴下し、特殊機化
工業(株)社製TKホモミキサーMK2にて分散を行っ
た。ホモミキサー稼働中は、混合溶液の温度を65℃に
保ち、牛脂を液体状態で溶液中に乳化分散した。その後
流水で冷却し牛脂入りたれを得た。
【0033】比較例7 表2に示す配合で焼き肉のたれを作り、食塩濃度を10
%に調整する。この焼き肉のたれ900重量部にポリグ
リセリン脂肪酸エステル(三菱化学フーズ(株)社製、
商品名リョートーポリグリエステルHS−11)20重
量部、タマリンドガム(大日本製薬(株)社製、商品名
グリロイド6C)2重量部、キサンタンガム(太陽化学
(株)社製、商品名ネオソフトXO)4重量部をよく混
合させ65℃まで加熱した。以下実施例19と同様に処
理を行い牛脂入りたれを得た。
【0034】実施例19で作った焼き肉のたれと比較例
7で作った焼き肉のたれの粘度を測定した。粘度は、
(株)東京計器製、B型粘度計BL用い、NO.3のロ
ーター、回転数12rpm、温度30℃の条件で測定し
た。測定結果を表4に示す。表4からわかるように、食
塩濃度10%の調味液に10重量%の牛脂を分散するた
めには、比較例ではかなりの粘度が必要となり(4,0
00CP)実用的ではない。対して実施例では焼き肉の
たれとして使用が可能である。
【0035】
【表4】
【0036】実施例20 表5に示す配合で牛丼のたれを作った。この牛丼のたれ
950重量部にポリグリセリン脂肪酸エステル(三菱化
学フーズ(株)社製、商品名リョートーポリグリエステ
ルTSー8)2.0重量部、アラビアガム(五協産業
(株)社製、商品名アラビアガムHP)3.0重量部、
カラギーナン(大日本製薬(株)社製、商品名シーピー
ガムFA)8.0重量部をよく混合させ65℃まで加熱
した。上記水相部に、鹿児島産和牛から分離した未精製
牛脂を65℃で焦がさないようにゆっくり溶かしたもの
を50重量部ゆっくり滴下し、特殊機化工業(株)社製
のTKホモミキサーにて8,000rpm、20分予備
分散を行い、マントンゴウリン社製高圧ホモジナイザー
15Mにて150気圧で乳化分散を行った。乳化機械の
稼働中は、混合溶液の温度を65℃に保ち、牛脂を液体
状態で溶液中に乳化分散した。その後流水で急冷し、牛
脂を微粒子状態で固化させた。
【0037】
【表5】
【0038】試験例1 実施例1の牛脂入り牛丼のたれ50重量部、水50重量
部、牛バラ肉50重量部、玉葱スライス20重量部、し
らたき50重量部を鍋で煮立て、200重量部のご飯に
のせ、牛丼を作った。牛丼のたれのみで作ったものと両
者を10名のパネルにて官能検査を行った。官能検査結
果を表6に示す。
【0039】
【表6】
【0040】表6より明らかなように牛脂を分散させた
ものが牛脂フレーバーを強く感じる。
【0041】実施例21 表7に示す配合で濃縮ラーメンスープを作った。このラ
ーメンスープ850重量部にポリグリセリン脂肪酸エス
テル(太陽化学(株)社製、商品名サンソフトA181
E)15.0重量部、アラビアガム(五協産業(株)社
製、商品名アラビアガムHP)3.0重量部、カラギー
ナン(大日本製薬(株)社製、商品名シーピーガムF
A)15.0重量部をよく混合させ65℃まで加熱し
た。上記水相部に国産黒豚から分離した未精製豚脂を6
5℃で焦がさないようにゆっくり溶かしたもの150重
量部を滴下し、特殊機化工業(株)社製TKホモミキサ
ーMK2にて8,000rpm、10分予備分散を行っ
た後、マントンゴウリン社製高圧ホモジナイザー15M
にて150気圧で乳化分散を行った。乳化機械の稼働中
は、混合溶液の温度を65℃に保ち、牛脂を液体状態で
溶液中に乳化分散した。その後流水で急冷し、牛脂を微
粒子状態で固化させた。
【0042】
【表7】
【0043】試験例3 実施例21の豚脂入り濃縮ラーメンスープ40重量部と
お湯350重量部を混合し、豚脂入りラーメンスープを
作った。ラーメンスープのみで作ったものと両者を10
名のパネルにて官能検査を行った。官能検査結果を表8
に示す。
【0044】
【表8】
【0045】表8より明らかなように豚脂を分散させた
ものが豚脂の風味、うま味を強く感じる。
【0046】実施例22 表9に示す配合でドレッシングを作った。このドレッシ
ング900重量部にポリグリセリン脂肪酸エステル(太
陽化学(株)社製、商品名サンソフトA181E)1
0.0重量部、アラビアガム(五協産業(株)社製、商
品名アラビアガムHP)2.0重量部、カラギーナン
(大日本製薬(株)社製、商品名シーピーガムFA)
8.0重量部をよく混合させ65℃まで加熱した。上記
水相部に仙台産和牛から分離した未精製牛脂を65℃で
焦がさないようにゆっくり溶かしたもの100重量部を
滴下し、特殊機化工業(株)社製TKホモミキサーMK
2にて8,000rpm、10分予備分散を行った後、
マントンゴウリン社製高圧ホモジナイザー15Mにて1
50気圧で乳化分散を行った。乳化機械の稼働中は、混
合溶液の温度を65℃に保ち、牛脂を液体状態で溶液中
に分散した。その後流水で急冷し、牛脂を微粒子状態で
固化させた。
【0047】
【表9】
【0048】試験例4 実施例22の牛脂入りドレッシング20重量部をレタス
200重量部にかけ、サラダを作った。サラダオイルで
作ったものと10名のパネルに官能検査を行った。官能
検査結果を表10に示す。
【0049】
【表10】
【0050】表10より明らかなように牛脂を乳化分散
させたものが牛脂の風味、うま味、を強く感じ、美味し
さを引き立てることが分かった。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明の調味料で
は、ポリグリセリン脂肪酸エステル及び必要に応じて配
合されるリゾレシチンからなる乳化剤とアラビアガム及
びカラギーナンからなる安定剤とを併用することによ
り、水性成分が高塩濃度であっても、その中に牛脂等の
常温で固体である動物性脂肪が安定して乳化分散され
る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乳化剤及び安定剤により、高塩濃度の水性
    調味液中に常温で固体の動物性脂肪を安定に乳化分散さ
    せた乳濁液であって、前記高塩濃度の水性調味液に対す
    る前記動物性脂肪の添加量が重量で98:2〜60:4
    0であり、その粘度が1,000〜3,000CPであ
    る調味料。
  2. 【請求項2】前記乳化剤がポリグリセリン脂肪酸エステ
    ルであり、前記安定剤がアラビアガム及びカラギーナン
    を併用したものである請求項1記載の調味料。
  3. 【請求項3】前記乳化剤がポリグリセリン脂肪酸エステ
    ル及びリゾレシチンの混合物であり、ポリグリセリン脂
    肪酸エステル/リゾレシチンの配合比が重量で9:1〜
    5:5であり、更に前記安定剤がアラビアガム及びカラ
    ギーナンを併用したものである請求項1記載の調味料。
  4. 【請求項4】前記乳化剤及び乳化剤混合物の配合量が動
    物性脂肪に対して0.5〜20重量%である請求項2、
    3記載の調味料。
  5. 【請求項5】前記安定剤のアラビアガムとカラギーナン
    の和が、前記水性調味液に対して0.4〜2.5重量%
    であり、アラビアガム/カラギーナンの配合比が重量で
    1:1〜1:10である請求項2、3、4記載の調味
    料。
  6. 【請求項6】前記乳化剤及び乳化剤混合物の配合量が動
    物性脂肪に対して0.5〜10重量%である請求項2、
    3記載の調味料。
  7. 【請求項7】前記安定剤のアラビアガムとカラギーナン
    の和が、水性調味液に対して0.7〜2.0重量%であ
    り、アラビアガム/カラギーナンの配合比が重量で1:
    3〜1:6である請求項2、3、4、6記載の調味料。
  8. 【請求項8】高塩濃度の水性調味液中に常温で固体の動
    物性脂肪が安定に乳化分散されている調味料を製造する
    方法であって、請求項2ないし7のいずれかに記載の前
    記乳化剤及び安定剤を用い、ホモジナイザー、ホモミキ
    サーなどの常用乳化機械によって前記動物性脂肪の融点
    以上の乳化温度で前記動物性脂肪を前記水性調味液中に
    安定して乳化分散させることを特徴とする調味料の製造
    方法。
  9. 【請求項9】ポリグリセリン脂肪酸エステル、アラビア
    ガム及びカラギーナンにより、水性調味液中に食用油脂
    を安定に乳化分散させた乳濁液であって、前記水性調味
    液に対する前記食用油脂の添加量が重量で98:2〜6
    0:40であり、その粘度が1,000〜3,000C
    Pである調味料。
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