JPH09329136A - 転がり軸受 - Google Patents
転がり軸受Info
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- JPH09329136A JPH09329136A JP8529897A JP8529897A JPH09329136A JP H09329136 A JPH09329136 A JP H09329136A JP 8529897 A JP8529897 A JP 8529897A JP 8529897 A JP8529897 A JP 8529897A JP H09329136 A JPH09329136 A JP H09329136A
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Abstract
繰り返し行なわれる微小な揺動変位に拘らず、外輪軌道
11及び内輪軌道13にフレッチング摩耗が発生する事
を防止する。 【構成】 内周面に外輪軌道11を有する外輪12と外
周面に内輪軌道13を有する内輪14とを、それぞれ鋼
製とする。上記外輪軌道11と内輪軌道13との間に転
動自在に設ける複数の転動体15を、セラミック製とす
る。又、各転動体15の転動面の表面気孔率を0.20
〜14.0%とする。各転動体15の転動面と外輪軌道
11及び内輪軌道13との摩擦状態が改善され、フレッ
チング摩耗が発生しにくくなる。
Description
動機を構成するハウジングの内側にロータ軸を回転自在
に支承する為の電動機用転がり軸受として、或はHDD
やFDD等の磁気記録装置を構成する磁気ヘッドを支持
したスイングアームの基端部を揺動自在に支持する為の
揺動支持用転がり軸受として利用する。
れる電動機は、例えば図1に示す様に構成している。ケ
ーシング1の内側中心部にはロータ軸2を、互いに間隔
をあけて同心に配置した1対の転がり軸受3a、3aに
より、回転自在に支持している。このロータ軸2の中間
部でこれら両転がり軸受3a、3aの間に位置する部分
にはロータ4を固定し、上記ケーシング1の内周面でこ
のロータ4の外周面と対向する部分にはステータ5を固
定している。電動機の使用時にはこのステータ5に通電
し、上記ロータ4を介して上記ロータ軸2を回転させ
る。
公報に記載された、磁気記録装置を構成する磁気ヘッド
を支持したスイングアームの基端部を揺動自在に支持す
る為の、揺動支持部の構造を示している。この揺動支持
部は、密封ケース6内に固定した支持ブロック7に揺動
軸8の基端部を、互いに間隔をあけて同心に配置した1
対の転がり軸受3b、3bにより、揺動変位自在に支持
している。それぞれの先端部に磁気ヘッド9、9を支持
したスイングアーム10、10の基端部は、上記揺動軸
8に結合固定している。この様な揺動支持部を設けた磁
気記録装置の使用時には、上記揺動軸8が、上記磁気ヘ
ッド9がHD、FD等の磁気記録板18、18をトレー
スするのに伴って揺動変位する。
動支持用、更には図示しないが、ステッピングモータ或
は各種機械装置のクランク軸の、揺動支持或は回転支持
用に組み込まれた上記各転がり軸受3a(3b)は、図
3に詳示する様に構成している。即ち、この転がり軸受
3a(3b)は、内周面に外輪軌道11を有する外輪1
2と、外周面に内輪軌道13を有する内輪14と、上記
外輪軌道11と内輪軌道13との間に転動自在に設けら
れた複数の転動体15とを備える。これら外輪12と内
輪14と複数の転動体15とは何れも、高炭素クロム軸
受鋼等の鋼材により造られている。又、この複数の転動
体15は保持器16によって、円周方向に亙り互いに間
隔をあけた状態で、転動自在に保持している。更に、上
記外輪12の両端部内周面には、シール又はシールドで
ある密封板17、17の外周縁を係止して、上記複数の
転動体15を設置した空間部分の両端開口を塞いでい
る。そして、これら両密封板17、17により、上記空
間部分に封入したグリースが外部に漏洩する事を防止し
ている。
図1に示した様な電動機用モータに組み込む転がり軸受
3aの場合には、上記複数の転動体15の転動面と上記
外輪軌道11及び内輪軌道13との間にグリースが進入
できる微小隙間が形成される様に、各部の寸法を規制し
ている。即ち、上記転がり軸受3aの内部に、所謂正の
隙間を設けている。従って上記外輪12と内輪14と複
数の転動体15とは、上記外輪12及び内輪14の軸方
向(図3の左右方向)及び直径方向(図3の上下方向)
に亙り、僅かとは言え相対変位自在である。これに対し
て、図2に示した様なスイングアーム10、10の基端
部を揺動自在に支持する為の転がり軸受3bの場合に
は、複数の転動体15の転動面と上記外輪軌道11及び
内輪軌道13とを弾性的に当接させる、所謂予圧を付与
している。即ち、上記転がり軸受3bの内部に、所謂負
の隙間を設けている。但し、この様な負の隙間を設けた
場合でも、複数の転動体15の転動面と上記外輪軌道1
1及び内輪軌道13との間にはグリースが進入して、こ
れら転動面と上記外輪軌道11及び内輪軌道13とが直
接接触(金属接触)する事を防止する。
り軸受3a、3aの場合には、外輪12と内輪14と複
数の転動体15とが僅かとは言え相対変位自在である
為、電動機若しくは電動機を組み込んだ機械装置の運搬
時に上下振動や横ゆれが加わると、外輪軌道11、内輪
軌道13、転動体15の転動面には、衝撃的な荷重が繰
り返し加えられる。又、この衝撃的な荷重が加わる瞬間
には、上記外輪軌道11及び内輪軌道13と転動体15
の転動面との当接部に、微小な滑りが発生する。しか
も、この微小な滑りが発生する瞬間には、上記当接部に
存在するグリースが衝撃荷重により押し退けられ、鋼同
士が当接する、所謂金属接触の状態となる。この為、上
記微小な滑りにより上記外輪軌道11、内輪軌道13、
転動体15の転動面に局所的な損傷が起こり、この損傷
に基づいて、所謂フレッチング摩耗が発生する。この様
なフレッチング摩耗は、電動機の作動時に異音や振動を
発生させたり、或は転がり軸受3a、3aの寿命を短縮
させたりする原因となる為、好ましくない。
外輪12がケーシング1に内嵌固定され、内輪14がロ
ータ軸2に外嵌固定されており、運搬時にこれら外輪1
2及び内輪14に加わる慣性質量が大きい。この為、繰
り返し加わる衝撃荷重が大きくなり、上記フレッチング
摩耗が発生し易い。特に、ビルディング用の空気調和装
置用ファンモータの様に大型の電動機で、上記フレッチ
ング摩耗の発生が顕著になる。
がり軸受3aに封入するグリースとして、より堅調なも
のを使用する事が効果がある。堅調なグリースを使用す
れば、上記外輪軌道11及び内輪軌道13と転動体15
の転動面との間に形成される油膜の機械的強度が増大
し、フレッチング摩耗に結び付く、金属面同士の微小な
滑り(金属接触)の発生を抑える事ができる。ところ
が、堅調なグリースを使用すると、グリースの流動性が
低下して、電動機の運転時に於ける潤滑性が悪化した
り、或は転がり軸受3aの回転トルクが上昇し、しかも
この回転トルクの変動が大きくなる為、好ましくない。
電動機を組み込んだ機械装置の梱包を強化して耐振性を
持たせ、上記転がり軸受3aに加わる衝撃荷重の緩和を
図っているが、フレッチング摩耗を完全に抑える事は難
しく、しかもコスト増大を招く為、必ずしも有効な対策
とは言えない。
を揺動自在に支持する為の転がり軸受3bの場合には、
磁気ヘッド9、9により磁気記録板18、18をトレー
スする際に、内輪14と外輪12とのうちの一方の軌道
輪が他方の軌道輪に対して(図2に示した構造の場合に
は内輪14が外輪12に対して)、微小角度の揺動を頻
繁に繰り返す。この様な微小角度の揺動変位が繰り返し
行なわれる結果、転動体15の転動面と外輪軌道11及
び内輪軌道13との接触位置が局部的になる。しかも、
揺動方向が逆転する際に、上記転動面と外輪軌道11及
び内輪軌道13との相対速度が零になる。この様に、転
動面と外輪軌道11及び内輪軌道13との接触位置が局
部的になったり、或は相対速度が零になると、これら転
動面と外輪軌道11及び内輪軌道13との接触部に潤滑
の為の油膜が形成されにくくなる。そして油膜が形成さ
れないと、上記接触部で金属接触が発生し、摩耗(フレ
ッチング摩耗)が発生し、軸受性能が低下し、軸受寿命
が低下する。本発明はこの様な事情に鑑みて発明したも
のであって、優れた軸受特性を有し、しかも運搬時に繰
り返し加わる衝撃荷重に拘らず、優れた耐フレッチング
性を発揮する電動機用の転がり軸受、或は耐フレッチン
グ性を発揮する揺動支持用の転がり軸受等を提供するも
のである。
前述した従来の転がり軸受と同様に、内周面に外輪軌道
を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪と、上
記外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複
数の転動体とを備える。特に、本発明の転がり軸受に於
いては、上記外輪及び内輪が鋼製であり、上記複数の転
動体がセラミック製である。そして、これら複数の転動
体の表面気孔率が0.20〜14.0%である。尚、上
記外輪及び内輪を構成する鋼の材質は、特に限定しない
が、軸受鋼、高炭素鋼、ステンレス鋼、浸炭鋼等が使用
可能である。外輪を構成する鋼材と内輪を構成する鋼材
とは、同じ種類のものでも、異なる種類のものでも良
い。又、転動体を構成するセラミックの材質も特に限定
しないが、窒化珪素、アルミナ、ジルコニア等が使用可
能である。
との間で、両端部を密封板により塞がれ、内部に上記複
数の転動体を設置した空間内には潤滑剤を充填するが、
この潤滑剤として好ましくは、ウレア樹脂から成る増ち
ょう剤を5重量%以上20重量%未満含有するグリース
を使用する。又、このグリースを構成する為の基油とし
ては、合成炭化水素油、エステル油、鉱油、エーテル油
等を使用する。又、上記グリース中には、酸化防止剤、
錆止め剤、摩耗防止剤、極圧剤等の添加剤を、転がり軸
受の機能を低下させない範囲で含有させても良い。
合には、前述した従来の転がり軸受の場合とは異なり、
外輪軌道及び内輪軌道と複数の転動体の転動面との当接
部の接触状態が、鋼同士の接触ではなく、鋼とセラミッ
クとの接触となる。鋼とセラミックとが接触した場合、
鋼同士が接触した場合に比べて摩擦摩耗特性が良好にな
る。
輪軌道と、セラミック製の転動体の転動面との当接部に
於ける摩擦摩耗特性は、これら鋼及びセラミックの組み
合わせが何れの場合でも、鋼同士が当接する場合の摩擦
特性に比べて向上する(摩擦力が小さくなる)。その中
でも特に、軸受鋼と窒化珪素、ステンレス鋼と窒化珪
素、軸受鋼とジルコニアとの各組み合わせが、優れた摩
擦摩耗特性(低摩擦特性)を得られ、前述したフレッチ
ング摩耗に結び付く様な損傷を発生しにくくなる事か
ら、好ましく利用できる。
の表面気孔率を、0.20〜14.0%の範囲内に規制
する事により、上記当接部に作用する摩擦力をより一層
低減して、上記フレッチング摩耗等に結び付く様な損傷
の発生をより一層低減できる。即ち、上記表面気孔率を
上記範囲内に規制すれば、上記損傷の原因となる衝撃荷
重の作用時に、上記転動体の表面の気孔に保持されてい
るグリースが上記当接部に染み出し、この当接部の摩擦
を低くする。この為、上記フレッチング摩耗等に結び付
く様な損傷の発生をより一層低減できる。上記表面気孔
率が0.20%未満の場合には、気孔部分の油溜の効果
を期待できず、摩耗を生じ易くなる。又、上記表面気孔
率が14.0%を越える場合、転動面の表面粗さが悪く
なり、やはり摩耗を生じ易くなる。
%以上20重量%未満含有するグリースは、流動性、剪
断安定性、潤滑性が、リチウム石鹸、ナトリウム石鹸等
を増ちょう剤として使用したグリースに比べ優れてい
る。従って、この様なグリースを、上記複数の転動体を
設置した空間内に充填する潤滑剤として使用すれば、優
れた摩擦摩耗特性を得られる。ウレア樹脂の増ちょう剤
の割合が5重量%未満の場合、得られるグリースが軟ら
か過ぎ(粘度が低過ぎ)て、このグリースが上記空間か
ら外部に漏れ出し、この空間内に存在するグリースが不
足し易くなる為、上記フレッチング摩耗が生じ易くな
る。又、ウレア樹脂の増ちょう剤が20重量%以上にな
ると、得られるグリースが硬く(粘度が高く)なり、流
動性が悪くなる為、やはり上記フレッチング摩耗を十分
に低減できなくなる。
が行なった実験に就いて説明する。第一の実験では、前
述の図1に示した様な電動機に組み込む転がり軸受3
a、3aに、この電動機の搬送時に繰り返し加わる衝撃
荷重によりフレッチング摩耗が発生する程度を測定する
為のフレッチング試験と、使用状態での転がり軸受の耐
久性を測定する為の耐久試験と、使用状態で転がり軸受
に作用する回転トルクを測定する為のトルク試験と、転
がり軸受に封入したグリースのノイズを測定するグリー
スノイズ試験との、4種類の試験を行なった。以下、各
試験の実施方法及びその結果に就いて説明する。尚、各
試験に共通の条件、並びに後述する表1、2に記載した
用語の具体的内容は、次の通りである。 軸受鋼 : SUJ2(JIS G 4805) ステンレス鋼 : SUS440C(JIS G 4303) グリースの種類 : 協同油脂株式会社製の「マルテンプSRL」 グリースの封入量 : 35%(軸受空間に対する容積比)
て行なった。被試験物品である転がり軸受3a、3a
は、スピンドル19の外周面とハウジング20の内周面
との間に設置した状態でばね21により予圧を付与し、
更に重り22により、上記スピンドル19に下方に向い
た荷重を付与した。このスピンドル19を加振器23上
に載置して所定の条件で振動を付与した後、上記転がり
軸受3a、3aを分解して、外輪軌道11及び内輪軌道
13(図3参照)に発生したフレッチング摩耗を顕微鏡
で観察した。試験条件は次の通りである。 転がり軸受3aの諸元 : 深溝型玉軸受(呼び番号=608ZZ) 内径=8mm 外径=22mm 幅=7mm ばね21による荷重 : 6kgf 重り22による荷重 : 0.5kgf 加振器23による加振周波数 : 30Hz 加振器23による加振加速度 : 5G 温度 : 25℃ 加振継続時間 : 5時間 このフレッチング試験の結果を、耐久試験、トルク試
験、グリースノイズ試験の結果と共に、表1、2に記載
した。尚、このフレッチング試験の結果に就いては、フ
レッチング摩耗及び転動体の走行跡が何れもなかったも
のを◎印で、転動体の走行跡があってもフレッチング摩
耗が殆どなかったものを○印で、フレッチング摩耗が少
しあったものを△印で、フレッチング摩耗が大きかった
ものを×印で、それぞれ表す。◎印及び○印が合格であ
る。
行ない、2000時間を経過するか、或は焼き付きが発
生した時点で試験を終了した。試験条件は次の通りであ
る。 転がり軸受3aの諸元 : 深溝型玉軸受(呼び番号=6200VV) 内径=10mm 外径=30mm 幅=9mm アキシャル荷重 : 3kgf ラジアル荷重 : 1kgf 回転速度 : 6000r.p.m. 温度 : 140℃ この耐久試験の結果を、フレッチング試験、トルク試験
及びグリースノイズ試験の結果と共に、表1、2に記載
した。尚、この耐久試験の結果に就いては、軸受寿命時
間(焼き付きが発生するまでの時間)が2000時間以
上のものを○印で、1500〜2000時間のものを△
印で、1500時間未満のものを×印で、それぞれ表
す。○印が合格である。
いて行ない、転がり軸受3aの動トルクを測定した。試
験条件は次の通りである。 転がり軸受3aの諸元 : 深溝型玉軸受(呼び番号=6202VV) 内径=15mm 外径=35mm 幅=11mm アキシャル荷重 : 3kgf ラジアル荷重 : 1kgf 回転速度 : 1800r.p.m. 温度 : 25℃ このトルク試験の結果を、フレッチング試験、耐久試験
及びグリースノイズ試験の結果と共に、表1、2に記載
した。尚、このトルク試験の結果に就いては、動トルク
が50gf・cm 以下のものを◎印で、50〜70gf・cm の
ものを○印で、70〜100gf・cm のものを△印で、1
00gf・cm 以上のものを×印で、それぞれ表す。◎印及
び○印が合格である。
グリースの音響評価を、グリースノイズテスターでグリ
ースノイズを測定する事により行なった。使用した転が
り軸受3aは、耐久試験の場合と同様に6200VVで
ある。このグリースノイズ試験の結果を、フレッチング
試験、耐久試験及びトルク試験の結果と共に、表1、2
に記載した。尚、グリースノイズ試験の結果に就いて
は、不規則音が殆どなく、音響特性が優秀であるものを
○印で、不規則音が少し存在し、音響特性がやや悪いも
のを△印で、不規則音が非常に多く、音響特性が悪いも
のを×印で、それぞれ表す。○印が合格である。
る位置に記載した材料を使用した事を表している。これ
ら表1、2の記載から明らかな通り、本発明の転がり軸
受は、耐久性、低トルク性、グリースノイズ性の面で優
れた軸受特性を有し、しかも運搬時に繰り返し加わる衝
撃荷重に拘らず、優れた耐フレッチング性を発揮する。
孔率が耐フレッチング性に及ぼす影響を知る為に行なっ
た実験に就いて説明する。実験は、上記表面気孔率が異
なる複数の試料に就いて、前述したフレッチング試験と
同じ条件で行なった。但し、加振継続時間を、5、1
0、15時間の3種類に就いて行ない、それぞれに就い
て、上記フレッチング試験の場合と同様の評価を行なっ
た。その結果を、次の表3、4に記載した。尚、表面気
孔率は、転動体15表面を光学顕微鏡で撮影し、その撮
影データを画像処理した後、次式により求めた。 (視野中の気孔の総面積)/(視野の総面積)×100
試験の結果から、セラミック製である複数の転動体15
の表面気孔率を0.20〜14.0%の範囲に規制すれ
ば、これら複数の転動体15の転動面と外輪軌道11及
び内輪軌道13との当接部に作用する摩擦力をより一層
低減して、フレッチング摩耗に結び付く様な損傷の発生
をより長時間に亙って低減できる事が分る。これに対し
て、例えば比較例4、6、8は、上記表面気孔率が小さ
い(0.1%)為、初期(実験開始後5時間又は10時
間の間)は良好な耐フレッチング性を示したが、加振継
続時間が長時間に及ぶと、フレッチング摩耗の発生が見
られた。この理由は、これら比較例4、6、8は、上記
表面気孔率が小さく、転動体15表面に存在する気孔の
グリース保持量が少ない為と考えられる。反対に、比較
例5、7、9は、上記表面気孔率が大きく(>14.0
%)、加振継続時間が5時間又は10時間までであれば
良好な耐フレッチング性を示したが、加振継続時間が長
時間に及ぶと、フレッチング摩耗の発生が観察された。
この理由は、表面気孔率が過大である為、表面粗さが悪
化して気孔のエッヂ部分が局部的に高面圧となり、当該
部分でグリース切れを起こす為と考えられる。
装置の揺動支持部を構成する転がり軸受3b、3bに、
本発明を適用した場合に得られる効果を確認する為に行
なった、第二の実験に就いて説明する。この第二の実験
では、図2に示す様な磁気記録装置に組み込む転がり軸
受3b、3bに、この磁気記録装置の使用時に伴ってフ
レッチング摩耗が発生する程度を測定する為のフレッチ
ング耐久試験を、図5に示す様な試験装置を使用して行
なった。
bの外輪12、12を内嵌支持する回転筒24と、これ
ら各転がり軸受3b、3bの内輪14、14を外嵌支持
する固定軸25とを備える。そして、これら回転筒24
の内周面と上記固定軸25の外周面との間に、複数個の
転がり軸受3b、3bを装着している。これら各転がり
軸受3b、3bには、軸方向に隣り合う外輪12、12
同士の間又は内輪14、14同士の間に設けたスリーブ
26a、26bとばね21とにより、予圧を付与してい
る。そして、上記回転筒24はACサーボモータ等の駆
動モータ27により、所定の微小角度(揺動角度)で繰
り返し揺動変位自在としている。従って、試験時に上記
各転がり軸受3b、3bの外輪12、12は、微小な揺
動角度で繰り返し揺動変位する。尚、上記ばね21によ
り上記各転がり軸受3b、3bに付与するアキシャル荷
重は10kgf とし、上記各外輪12、12の揺動角度は
8度とし、揺動の繰り返し回数は200万回とした。
尚、使用した転がり軸受3b、3bは、呼び番号が69
5のもの(内径=5mm、外径=13mm、幅=4mm)であ
る。
各転がり軸受3b、3bを分解し、これら各転がり軸受
3b、3bの内輪14、14の外周面に設けた内輪軌道
13、13の摩耗状態及び摩耗深さを観察した。そし
て、走行跡の摩耗深さが0.2μm未満の場合を合格と
し、同じく摩耗深さが0.2μm以上の場合を不合格と
した。試験は、転動体15、15の材質、同じく転動面
の表面気孔率、並びに上記複数の転動体を設置した空間
内に充填する潤滑剤の材質、同じくこの潤滑剤を構成す
る増ちょう剤の割合を種々変える事により行なった。そ
の結果を、図6〜7に示す。
面の表面気孔率が、内輪軌道13のフレッチング摩耗に
及ぼす影響を知る為に行なった実験の結果を示してい
る。図6の横軸は上記表面気孔率を、縦軸は上記内輪軌
道13に生じたフレッチング摩耗の深さを、それぞれ示
している。尚、フレッチング摩耗の深さは、形状測定機
により測定した。又、○印は転動体15、15が窒化珪
素である場合の結果を、△印は同じくアルミナである場
合の結果を、□印は同じくジルコニアである場合の結果
を、それぞれ表している。何れの場合も内輪14の材質
は、軸受鋼{SUJ−2に所定の熱処理(焼き入れ・焼
き戻し)を施したもの}とした。更に、潤滑剤として
は、増ちょう剤であるウレア樹脂の含有率を10重量%
としたウレア樹脂−エステル油系のグリースで、エステ
ル油の粘度が100mm2/s であるものを使用した。
図6から明らかな通り、転動体15、15の転動面の表
面気孔率を0.2〜14.0%の範囲に規制すれば、内
輪軌道13のフレッチング摩耗の深さを0.2μm以下
とする合格判定基準を満たす事ができる。又、やはりこ
の図6から明らかな通り、上記表面気孔率を0.25〜
13%の範囲に規制すれば、フレッチング摩耗の深さを
0.1μm以下に抑える事ができて、より優れた耐久性
を有する転がり軸受3b、3bを得られる。
孔率が0.20%の部分と14.0%の部分とに、(内
輪走行跡の)フレッチング摩耗に対する臨界点が存在す
る。そして、上記表面気孔率が0.20%未満の場合に
は、前述した様に、軌道面(本第二の実験の場合には内
輪軌道13)と転動体15の転動面との接触部に存在し
て油溜として機能する気孔の、接触部分(所謂接触楕
円)に対する割合が不足し、フレッチング摩耗が増大す
る。反対に、上記表面気孔率が14.0%を越えると、
やはり前述した様に、転動体15の表面粗さが悪化し
て、同様にフレッチング摩耗が増大し、摩耗が著しくな
っている事が分る。そして、上記表面気孔率を0.25
〜13%にすると、フレッチング摩耗をより少なくでき
る。
(0.20〜14.0%)とした場合には、転動体15
の材質を窒化珪素或はジルコニアにすると、この転動体
15の材質をアルミナとした場合に比べて優れた耐フレ
ッチング性を得られる。但し、フレッチング摩耗の程度
に関しては、この様な転動体15の材質の相違よりも、
表面気孔率の相違の方が影響は大きい。従って、本発明
は、転動体15を構成するセラミックの材料を限定する
ものではない。
た空間内に充填する潤滑剤の材質、同じくこの潤滑剤を
構成する増ちょう剤の割合を種々変える事により、潤滑
剤の材質及び増ちょう剤の割合がフレッチング摩耗に及
ぼす影響を知る為に行なった実験の結果を示している。
試験条件並びに判定条件は、上述の図6にその結果を示
した試験の場合と同じである。但し、転動体15を構成
するセラミックを、表面気孔率が2%である窒化珪素
(Si3N4 )とした。この図7の横軸は、増ちょう剤であ
るウレア樹脂又はリチウム石鹸の含有量を、縦軸は、内
輪軌道13に生じたフレッチング摩耗の深さを、それぞ
れ表している。又、△印は、リチウム石鹸により構成す
る増ちょう剤と粘度が100mm2/s である鉱油とを混合
したグリースを使用した場合の、○印はウレア樹脂によ
り成る増ちょう剤とエステル油を混合したグリースを使
用した場合の、それぞれ試験結果を表している。
ば、何れのグリースを使用した場合でも優れた耐摩耗性
を得られるが、特に増ちょう剤としてウレア樹脂を5重
量%以上20重量%未満含有するグリースを使用した場
合に、優れた耐摩耗性を得られる事が分かる。
り構成され作用するので、耐久性、低トルク性、グリー
スノイズ性の面で優れた軸受特性を有し、しかも運搬時
に繰り返し加わる衝撃荷重に拘らず、優れた耐フレッチ
ング性を発揮する。この為、電動機及びこの電動機を組
み込んだ各種機械装置の音響特性、振動特性並びに耐久
性を向上させる事ができる。又、磁気記録装置等、微小
変位する揺動支持部に組み込んだ場合に、優れた耐フレ
ッチング性を発揮できる。
動機の半部切断側面図。
分断面図。
ング試験に使用した試験装置を示す略縦断正面図。
レッチング試験に使用した試験装置を示す略縦断正面
図。
軌道のフレッチング摩耗に及ぼす影響を知る為に行なっ
た実験の結果を示す線図。
剤の材質及び増ちょう剤の割合がフレッチング摩耗に及
ぼす影響を知る為に行なった実験の結果を示す線図。
Claims (1)
- 【請求項1】 内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周
面に内輪軌道を有する内輪と、上記外輪軌道と内輪軌道
との間に転動自在に設けられた複数の転動体とを備え、
ケーシングの内側に軸を回転自在に支承する転がり軸受
に於いて、上記外輪及び内輪が鋼製であり、上記複数の
転動体がセラミック製であり、これら複数の転動体の表
面気孔率が0.20〜14.0%である事を特徴とする
転がり軸受。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08529897A JP3814925B2 (ja) | 1996-04-12 | 1997-04-03 | 転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9083996 | 1996-04-12 | ||
| JP8-90839 | 1996-04-12 | ||
| JP08529897A JP3814925B2 (ja) | 1996-04-12 | 1997-04-03 | 転がり軸受 |
Publications (3)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09329136A true JPH09329136A (ja) | 1997-12-22 |
| JPH09329136A5 JPH09329136A5 (ja) | 2004-07-22 |
| JP3814925B2 JP3814925B2 (ja) | 2006-08-30 |
Family
ID=26426318
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP08529897A Expired - Fee Related JP3814925B2 (ja) | 1996-04-12 | 1997-04-03 | 転がり軸受 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3814925B2 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1009086A1 (en) * | 1998-12-10 | 2000-06-14 | Minebea Co., Ltd. | Spindle motor |
| JP2002247798A (ja) * | 2001-02-20 | 2002-08-30 | Sanyo Denki Co Ltd | ファンモータ |
| JP2021159847A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 三菱パワー環境ソリューション株式会社 | 電気集塵装置用槌打装置とその改修方法 |
-
1997
- 1997-04-03 JP JP08529897A patent/JP3814925B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1009086A1 (en) * | 1998-12-10 | 2000-06-14 | Minebea Co., Ltd. | Spindle motor |
| JP2002247798A (ja) * | 2001-02-20 | 2002-08-30 | Sanyo Denki Co Ltd | ファンモータ |
| JP2021159847A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 三菱パワー環境ソリューション株式会社 | 電気集塵装置用槌打装置とその改修方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3814925B2 (ja) | 2006-08-30 |
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051110 |
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| A521 | Written amendment |
Effective date: 20060125 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
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