JPH0935718A - アルカリ二次電池 - Google Patents

アルカリ二次電池

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JPH0935718A
JPH0935718A JP7181753A JP18175395A JPH0935718A JP H0935718 A JPH0935718 A JP H0935718A JP 7181753 A JP7181753 A JP 7181753A JP 18175395 A JP18175395 A JP 18175395A JP H0935718 A JPH0935718 A JP H0935718A
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充史 内山
Kazuhiro Takeno
和太 武野
Hiroshi Kaneko
浩 金子
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結着剤及び導電剤を改良することにより大電
流での充放電特性が改善され、過充電時及び過放電時の
内圧上昇が抑制され、かつ簡単な方法で負極を作製でき
るアルカリ二次電池を提供することを目的とする。 【構成】 正極2と、水素吸蔵合金,結着剤及び導電剤
を含むペーストが充填された導電性基板からなる負極4
と、前記正極2と前記負極4との間に介装されるセパレ
ータ3と、アルカリ電解液とを備えたアルカリ二次電池
において、前記負極4の結着剤は、平均分子量が20万
〜100万のポリテトラフルオロエチレン及び平均分子
量が200万〜1000万のポリテトラフルオロエチレ
ンを含み、かつ前記負極の導電剤は比表面積が700m
2 /g以上のカーボンブラックを主体とすることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、結着剤及び導電剤を改
良したペースト式水素吸蔵合金負極を備えたアルカリ二
次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルカリ二次電池の一例であるニッケル
水素二次電池は、活物質である水酸化ニッケルを含む正
極と水素吸蔵合金粉末を含む負極との間にセパレータを
介装して作製された電極群をアルカリ電解液と共に容器
内に収納した構造を有する。前記二次電池では、通常、
負極の容量を正極の容量に比べて大きくしている。前記
二次電池を過充電にすると、正極の充電が先に終了し、
前記正極から酸素ガスが発生する。このため、前記負極
の水素吸蔵合金粉末表面のアルカリ電解液層が形成され
ている箇所とアルカリ電解液層が形成されていない箇所
との境界面、つまり気相,液相,固相の三相界面で前記
酸素ガスを水に還元することにより過充電時の内圧上昇
の防止を図っている。一方、前記二次電池を過放電にす
ると、放電が先に終了した正極から水素ガスが発生す
る。この水素ガスを前記負極の前記三相界面で酸化して
水に変換することにより過放電時の内圧上昇の防止を図
っている。
【0003】ところで、前記負極は例えば、水素吸蔵合
金粉末に例えばポリアクリル酸塩などの水溶性高分子結
着剤及びポリテトラフルオロエチレンと、導電剤とを添
加し、水の存在下で混練してペーストを調製した後、前
記ペーストをパンチドメタルなどの導電性基板に塗布
し、乾燥、圧延することにより製造される。このような
負極は、水溶性高分子結着剤を含むためにアルカリ電解
液が浸透しやすい。従って、前記負極は水素吸蔵合金粉
末表面全体がアルカリ電解液層で覆われるため、三相界
面がなくなり、前記負極を備えた二次電池は過充電時及
び過放電時に内圧が上昇するという問題点があった。
【0004】このようなことから、強度を確保するため
に負極に添加されているポリテトラフルオロエチレンが
高い撥水性を持つことに着目し、前記ペースト中のポリ
テトラフルオロエチレンの量を多くしたり、あるいは負
極の表面にポリテトラフルオロエチレンの懸濁液を塗布
することにより撥水性を向上させて三相界面を増加させ
ることが行われている。
【0005】しかしながら、負極中のポリテトラフルオ
ロエチレン量を多くすると、ペーストの流動性及び粘着
性が著しく低下するために、ペーストの導電性基板への
塗布性が著しく損なわれる。
【0006】一方、表面にポリテトラフルオロエチレン
を塗布して負極を作製する場合には、その内部の撥水性
を向上させることが困難であるため、過充電時及び過放
電時に前記二次電池の内圧上昇を十分に抑制することが
困難であった。さらに、撥水処理工程が増えるために、
前記二次電池の製造作業が繁雑になるという問題点があ
った。
【0007】ところで、前記負極の導電剤としては、従
来よりアセチレンブラック、金属粉末などが知られてい
る。しかしながら、前述したような方法により撥水性が
付与された負極は、絶縁性のポリテトラフルオロエチレ
ンの量が増加されているため、このような導電剤により
水素吸蔵合金粉末同士の導通を十分に向上させることが
困難であった。その結果、前記負極は電気抵抗が大きく
なるため、前記負極を備えた二次電池は大電流放電特性
が低下する。また、このような導電剤をペーストに添加
する代わりに水素吸蔵合金粉末表面を金属膜で被覆する
ことにより合金粉末同士の導通を向上させる方法が知ら
れているが、負極の製造工程が複雑になり、製造コスト
が高騰するという問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、結着
剤及び導電剤を改良することにより大電流での充放電特
性が改善され、過充電時及び過放電時の内圧上昇が抑制
され、かつ簡単な方法で負極を作製できるアルカリ二次
電池を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のアルカリ二次電
池は、正極と、水素吸蔵合金,結着剤及び導電剤を含む
ペーストが充填された導電性基板からなる負極と、前記
正極と前記負極との間に介装されるセパレータと、アル
カリ電解液とを備えたアルカリ二次電池において、前記
負極の結着剤は、平均分子量が20万〜100万のポリ
テトラフルオロエチレン及び平均分子量が200万〜1
000万のポリテトラフルオロエチレンを含み、かつ前
記負極の導電剤は比表面積が700m2 /g以上のカー
ボンブラックを主体とすることを特徴とするものであ
る。
【0010】以下、本発明に係るアルカリ二次電池(円
筒形アルカリ二次電池)の例を図1を参照して説明す
る。図1に示すように負極端子を兼ねる有底円筒状の容
器1内には、正極2とセパレータ3とペースト式負極4
とを積層してスパイラル状に捲回することにより作製さ
れた電極群5が収納されている。前記負極4は、前記電
極群5の最外周に配置されて前記容器1と電気的に接触
している。アルカリ電解液は、前記容器1内に収容され
ている。中央に孔6を有する円形の封口板7は、前記容
器1の上部開口部に配置されている。リング状の絶縁性
ガスケット8は、前記封口板7の周縁と前記容器1の上
部開口部内面の間に配置され、前記上部開口部を内側に
縮径するカシメ加工により前記容器1に前記封口板7を
前記ガスケット8を介して気密に固定している。正極リ
ード9は、一端が前記正極2に接続、他端が前記封口板
7の下面に接続されている。帽子形状をなす正極端子1
0は、前記封口板7上に前記孔6を覆うように取り付け
られている。ゴム製の安全弁11は、前記封口板7と前
記正極端子10で囲まれた空間内に前記孔6を塞ぐよう
に配置されている。中央に穴を有する絶縁材料からなる
押え板12は、前記正極端子10上に前記正極端子10
の突起部が前記穴から突出されるように配置されてい
る。外装チューブ13は、前記押え板12の周縁、前記
容器1の側面及び前記容器1の底部周縁を被覆してい
る。
【0011】次に、前記正極2、ペースト式負極4、セ
パレータ3および電解液について説明する。 1)正極2 この正極2は、例えば、活物質であるニッケル化合物に
導電材を添加し、結着剤および水と共に混練してペース
トを調製し、前記ペーストを導電性基板に充填し、乾燥
した後、成形することにより製造される。
【0012】前記ニッケル化合物としては、例えば水酸
化ニッケル、ニッケル酸化物等を挙げることができる。
前記導電材は、コバルト化合物、金属コバルトから選ば
れる少なくとも1種から形成される。前記コバルト化合
物としては、例えば一酸化コバルト、三酸化二コバル
ト、水酸化コバルト等を挙げることができる。特に、一
酸化コバルトか、もしくは水酸化コバルトからなる導電
材は好適である。
【0013】前記結着剤としては、例えばカルボキシメ
チルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリル酸ナ
トリウム、ポリテトラフルオロエチレン等を挙げること
ができる。
【0014】前記導電性基板としては、例えばニッケ
ル、ステンレスまたはニッケルメッキが施された金属か
ら形成された網状、スポンジ状、繊維状、もしくはフェ
ルト状の金属多孔体等を挙げることができる。
【0015】2)ペースト式負極4 この負極4は、水素吸蔵合金粉末に結着剤と、導電剤と
を添加した後、水の存在下で混練することによりペース
トを調製し、前記ペーストを導電性基板に塗布し、乾燥
した後、圧延することにより製造される。
【0016】前記水素吸蔵合金としては、格別制限され
るものではなく、電解液中で電気化学的に発生させた水
素を吸蔵でき、かつ放電時にその吸蔵水素を容易に放出
できるものであればよい。例えばLaNi5 、MmNi
5 (Mmとは、La,Ce,Pr,Nd,Smなどのラ
ンタン系元素の混合物であるミッシュメタルを意味す
る)、LnNi5 (Ln;ランタン富化したミッシュメ
タル)、及びこれらのNiの一部をAl、Mn、Co、
Ti、Cu、Zn、Zr、Cr、Bのような元素で置換
した多元素系のもの、又はTiNi系、TiFe系のも
のを挙げることができる。中でも、一般式LnNix
yz (ただし、LnはLa,Nd,Ce,Prから
なるミッシュメタル、AはAl,Coから選ばれる少な
くとも一種の金属、原子比x,y,zはその合計値が
4.8≦x+y+z≦5.4を示す)で表される多元素
系の水素吸蔵合金を用いることが望ましい。このような
水素吸蔵合金を含む負極は、充放電サイクルの進行に伴
う微粉化を抑制するため、二次電池の充放電サイクル寿
命が向上される。
【0017】前記結着剤は平均分子量が20万〜100
万の低分子量のポリテトラフルオロエチレンと、平均分
子量が200万〜1000万の高分子量のポリテトラフ
ルオロエチレンと、他のポリマーとからなる。
【0018】前記他のポリマーは、アルカリ電解液に対
する耐性を有することが望ましい。かかるポリマーとし
ては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等の疎水性
ポリマー、例えばカルボキシメチルセルロース(CM
C)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース(HPMC)、例えばポリアクリル酸
ナトリウム(SPA)などのポリアクリル酸塩、ポリビ
ニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキシド等の
親水性ポリマー、例えばラテックス等のゴム系ポリマ
ー、ポリアクリルアミド(PA)、ポリビニルピロリド
ン(PVP)、ポリエチレンオキシド(PEO)等を挙
げることができる。中でも、ポリアクリル酸塩及びカル
ボキシメチルセルロースからなる混合ポリマーを用いる
ことが好ましい。ポリアクリル酸塩はペーストの分散安
定性を向上させる。一方、カルボキシメチルセルロース
はペーストの導電性基板への密着性を向上させる。
【0019】前記平均分子量が20万〜100万のポリ
テトラフルオロエチレンは、ペースト混練時に前記ペー
ストにかかるせん断応力により繊維化しにくいので結着
性が低いものの高い撥水性を有する。かかるポリテトラ
フルオロエチレンの添加量は、前記水素吸蔵合金粉末1
00重量部に対し0.1重量部〜2.1重量部の範囲に
することが望ましい。これは次のような理由によるもの
である。前記添加量が0.1重量部未満になると、ポリ
テトラフルオロエチレンの総量が1.0重量部よりも少
なくなり、前記負極の撥水性を向上することが困難にな
る恐れがある。前記添加量が2.1重量部を越えると、
ポリテトラフルオロエチレンの総量が3.0重量部を越
えて前記水素吸蔵合金の合金密度が低下し、前記負極の
容量が低下する恐れがある。より好ましい低分子量のポ
リテトラフルオロエチレンの添加量は、水素吸蔵合金粉
末100重量部に対して1.0重量部〜2.0重量部で
ある。
【0020】前記平均分子量が200万〜1000万の
ポリテトラフルオロエチレンは、ペースト混練時に前記
ペーストにかかるせん断応力により容易に繊維化するた
めに高い結着性を有すると共に高い撥水性を有する。か
かるポリテトラフルオロエチレンの添加量は、前記水素
吸蔵合金粉末100重量部に対し0.9重量部〜2.0
重量部の範囲にすることが望ましい。これは次のような
理由によるものである。前記添加量が0.9重量部未満
になると、前記負極の強度が低下し、電池組立て時に前
記負極から水素吸蔵合金粉末が脱落する恐れがある。前
記添加量が2.0重量部を越えると、前記ペーストの流
動性、粘着性が低下するために前記ペーストの前記導電
性基板への塗布性が損なわれる恐れがある。より好まし
い高分子量のポリテトラフルオロエチレンの添加量は、
水素吸蔵合金粉末100重量部に対して1.0重量部〜
1.5重量部である。
【0021】前記ペーストには水素吸蔵合金粉末100
重量部に対して平均分子量が20万〜100万のポリテ
トラフルオロエチレンを0.1重量部〜2.1重量部添
加し、平均分子量が200万〜1000万のポリテトラ
フルオロエチレンを0.9重量部〜2.0重量部添加
し、かつこれらの総量を1.0重量部〜3.0重量部に
することが望ましい。ポリテトラフルオロエチレンの総
量を前記範囲に限定したのは次のような理由によるもの
である。前記総量が1.0重量部未満になると、前記負
極の撥水性を向上することが困難になる恐れがある。一
方、前記総量が3.0重量部を越えると、前記水素吸蔵
合金の合金密度が低下するために前記負極の容量が低下
する恐れがある。前記ペーストには水素吸蔵合金粉末1
00重量部に対して低分子量のポリテトラフルオロエチ
レンを0.5重量部〜2.0重量部添加し、高分子量の
ポリテトラフルオロエチレンを1.0重量部〜1.5重
量部添加し、かつこれらの総量を1.5重量部〜2.5
重量部にすることが更に望ましい。
【0022】前記他のポリマーは、ペースト中に水素吸
蔵合金粉末100重量部に対し0.015重量部〜2.
0重量部添加することが好ましい。これは次のような理
由によるものである。前記他のポリマーの添加量を0.
015重量部未満にすると、ペースト中に水素吸蔵合金
粉末を安定に分散させることが困難になる恐れがあり、
集電体に水素吸蔵合金粉末を強固に保持させることが困
難になる恐れがあり、さらには前記圧延工程時に乾燥し
たペーストが集電体から剥離して負極を作製できなくな
る恐れがある。一方、前記他のポリマーの添加量が2.
0重量部を越えると、ペーストの分散安定性及び水素吸
蔵合金粉末の保持力の向上を望めないばかりか、集電体
にペーストを塗布した際の塗布面の平坦性が損なわれる
恐れがある。より好ましい他のポリマーの添加量は、水
素吸蔵合金粉末100重量部に対して0.05重量部〜
1.0重量部である。
【0023】前記導電剤は、比表面積が700m2 /g
以上のカーボンブラックを主体とする。前記比表面積を
700m2 /g未満にすると、前記負極において水素吸
蔵合金粉末同士の導通及び水素吸蔵合金粉末と導電性基
板との導通が低下する恐れがある。より好ましい比表面
積の範囲は800m2 /g〜1300m2 /gである。
【0024】かかる比表面積を有するカーボンブラック
は、粒径が10〜30nmの炭素粒子(一次粒子)が二
次凝集することにより形成された立体的鎖状構造を持つ
ことが好ましい。かかる構造及び比表面積を有するカー
ボンブラックを含む負極は、水素吸蔵合金粉末同士の導
通並びに水素吸蔵合金粉末と導電性基板との導通を飛躍
的に向上させる。
【0025】前記カーボンブラックとしては、ファーネ
スブラック、ケッチェンブラックを用いることが好まし
い。かかる種類であって、かつ前記範囲の比表面積を有
するカーボンブラックを含む負極は、負極容量を向上す
ることができ、前記負極を備えた二次電池の電池容量を
向上することができる。また、前記二次電池が過充電さ
れた際に正極から発生する酸素ガスと水素吸蔵合金粉末
との反応性を向上することができるため、過充電時に電
池内圧が上昇するのを抑制することができる。
【0026】前記導電剤の配合割合は、水素吸蔵合金粉
末100重量部に対して0.1重量部〜4重量部とする
ことが好ましい。これは次のような理由によるものであ
る。前記導電剤の配合割合を0.1重量部未満にする
と、前記負極において前記導電剤の添加効果を十分に達
成することが困難になる恐れがある。一方、前記導電剤
の配合割合が4重量部を越えると、前記負極の単位体積
当たりの水素吸蔵合金量が減少して大容量が得られなく
なる恐れがある。より好ましい導電剤の配合割合は、水
素吸蔵合金粉末100重量部に対して0.1重量部〜2
重量部である。
【0027】前記導電性基板としては、例えばパンチド
メタル、エキスパンドメタル、金網等の二次元構造のも
の、発泡メタル、網状焼結金属繊維などの三次元構造の
もの等を挙げることができる。
【0028】3)セパレータ3 このセパレータ3としては、例えば、ポリアミド系合成
樹脂繊維(例えばナイロン6,6繊維など)からなる不
織布、ポリオレフィン系合成樹脂繊維製不織布に親水性
処理が施されたもの等を挙げることができる。前記ポリ
オレフィンとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レンなどを挙げることができる。また、前記親水性処理
としては、例えばプラズマ処理、スルフォン化処理、親
水基を持つビニルモノマーをグラフト共重合させる方法
等を挙げることができる。特に、前記ポリオレフィン系
合成樹脂繊維製不織布に親水性処理が施されたものは、
電解液保持性能が高く、かつ耐酸化性が優れていること
から前記二次電池の高温保管時の自己放電が抑制される
ため、好適である。
【0029】4)アルカリ電解液 このアルカリ電解液としては、例えば、水酸化ナトリウ
ム(NaOH)の水溶液、水酸化リチウム(LiOH)
の水溶液、水酸化カリウム(KOH)の水溶液、NaO
HとLiOHの混合液、KOHとLiOHの混合液、K
OHとLiOHとNaOHの混合液等を用いることがで
きる。
【0030】なお、円筒形アルカリ二次電池に適用して
説明したが、角形アルカリ二次電池にも同様に適用でき
る。また、前記電池の容器内に収納される電極群は渦巻
形に限らず、正極、セパレータおよび負極をこの順序で
複数積層した形態にしてもよい。
【0031】
【作用】本発明のアルカリ二次電池によれば、水素吸蔵
合金負極を構成するペースト中に高い撥水性を有するも
のの結着性の低い平均分子量が20万〜100万のポリ
テトラフルオロエチレンと、結着性が高い平均分子量が
200万〜1000万のポリテトラフルオロエチレンと
を含有する。かかるペーストは良好な流動性が維持さ
れ、優れた塗布性を有する。このため、前記ペーストを
導電性基板に塗布することによって、内部を含む全体の
撥水性が向上された負極を得ることができる。
【0032】また、前記負極のペースト中に導電剤とし
て比表面積が700m2 /g以上のカーボンブラックを
添加することによって、前記負極における水素吸蔵合金
粉末同士の導通並びに水素吸蔵合金粉末と導電性基板と
の導通を良好にすることができる。その結果、前記負極
において水素吸蔵合金粉末が効率良く利用され、充放電
反応に関与する水素吸蔵合金粉末の表面積が増加するた
め、水素吸蔵合金粉末のガス反応速度を向上することが
できる。
【0033】従って、前記負極の水素吸蔵合金粉末は全
体に亘って三相界面が形成され、かつ高いガス反応性を
有するため、過充電時及び過放電時に正極から発生する
ガスを前記負極は速やかに吸収することができる。この
ため、従来法の表面にポリテトラフルオロエチレンの懸
濁液が塗布された負極よりも簡単に作製され、かつガス
吸収性能の優れた負極を備え、過充電時の内圧上昇を抑
制することができるアルカリ二次電池を提供できる。更
に、前記負極は、充放電反応に関与する水素吸蔵合金粉
末の表面積が多いため、大電流放電特性が優れたアルカ
リ二次電池を提供することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。 実施例1 まず、LmNi4.2 Mn0.3 Al0.3 Co0.2 を使用前
にガス状水素を吸蔵放出させて微粉化し、200メッシ
ュパスの水素吸蔵合金粉末を用意した。つづいて、前記
水素吸蔵合金粉末100gに、ポリアクリル酸ナトリウ
ムを0.5gと、カルボキシメチルセルロースを0.1
25gと、導電材として比表面積が700m2 /gで、
ケッチェン・ブラック・インターナショナル株式会社
製、商品名がケッチェンブラックECのカーボンブラッ
クを1.0gとを添加した後、平均分子量が20万〜1
00万の低分子量ポリテトラフルオロエチレンのディス
パージョン(比重1.28,固形分40wt.%)を
1.95ml(固形分換算で1.0重量部)と、平均分
子量が200万〜1000万の高分子量ポリテトラフル
オロエチレン(比重1.5,固形分60wt.%)を
1.11ml(固形分換算で1.0重量部)と、水60
mlとを添加し、ミキサーにより混練してペーストを調
製した。得られたペーストを導電性基板としてのパンチ
ドメタルに塗布し、80℃で乾燥後、ローラプレスによ
り加圧成形することにより負極を作製した。
【0035】一方、活物質である水酸化ニッケル粉末9
0重量部および導電材として一酸化コバルト粉末10重
量部からなる混合粉体に、結着剤としてカルボキシメチ
ルセルロース0.3重量部、ポリアクリル酸ナトリウム
0.3重量部、ポリテトラフルオロエチレン4重量部添
加し、これらに水を60重量部添加して混練することに
よりペーストを調製した。つづいて、このペーストを導
電性基板としてのニッケルメッキ繊維基板内に充填した
後、乾燥し、成型することによりペースト式正極を作製
した。
【0036】得られた負極と正極を用いて図2に示す試
験セルAを組み立てた。すなわち、容器21内には、8
規定のKOH溶液からなるアルカリ電解液22が収容さ
れている。電極群23は、負極24を厚さが0.2mm
のポリアミド製の不織布からなるセパレータ25を介し
て2枚の正極26で挟むことにより作製され、前記容器
21内に収納されている。2枚の押さえ板27は、その
間に前記電極群23を挟持している。参照電極28は、
前記容器21内の前記アルカリ電解液22に浸漬されて
いる。 実施例2 負極の導電材として比表面積が800m2 /gで、ケッ
チェン・ブラック・インターナショナル株式会社製、商
品名がケッチェンブラックECのカーボンブラック(添
加量は水素吸蔵合金100gに対して1.0g)を用い
たこと以外は、実施例1と同様な構成で前述した図2に
示す試験セルAを組み立てた。 実施例3 負極の導電材として比表面積が1300m2 /gで、ケ
ッチェン・ブラック・インターナショナル株式会社製、
商品名がケッチェンブラックECのカーボンブラック
(添加量は水素吸蔵合金100gに対して1.0g)を
用いたこと以外は、実施例1と同様な構成で前述した図
2に示す試験セルAを組み立てた。 比較例1 負極の導電剤として比表面積が40m2 /gのアセチレ
ンブラック1gを用いた以外は実施例1と同様な構成
で、前述した図2に示す試験セルAを組み立てた。
【0037】得られた実施例1〜3及び比較例1の試験
セルAについて、水素吸蔵合金1g当たり150mAの
電流で充放電を繰り返し、10サイクル目の放電におけ
る負極電位の変化を測定し、その結果を図3に示す。
【0038】図3から明らかなように、実施例1〜3の
試験セルAは、放電時の負極の電位を長期間に亘って高
く保つことができることがわかる。これは、高分子量の
ポリテトラフルオロエチレン及び低分子量のポリテトラ
フルオロエチレンを含む結合剤と、比表面積が700m
2 /g以上のカーボンブラックからなる導電剤を含むペ
ーストから作製された負極を用いたからである。
【0039】これに対し、比較例1の試験セルAは、実
施例1〜3に比べて放電時の負極の電位が低いことがわ
かる。また、得られた実施例1〜3及び比較例1の負極
と前記正極との間に厚さが0.2mmのポリアミド繊維
製不織布からなるセパレータを介して渦巻状に捲回して
電極群を作製した。この電極群を圧力検出器を付けたア
クリル樹脂製容器のAAサイズの空間に挿入し、この空
間に8規定のKOH溶液からなる電解液を注液して封口
し、図4に示すような試験セルB(容量1000mA
h)を組立てた。
【0040】すなわち、試験セルBは、前記アクリル樹
脂製のケース本体31とキャップ32とからなる電池ケ
ースを備える。前記ケース本体31の中心部には、AA
サイズの電池の金属容器と同一の内径及び高さを有する
空間33が形成されている。前記空間33内部には、前
記電極群34が収納され、さらに電解液が収容されてい
る。前記ケース本体31上には、前記キャップ32がゴ
ムシート35及びOリング36を介してボルト37及び
ナット38により気密に固定されている。前記キャップ
32には、圧力検出器39が取り付けられている。負極
リード40は、一端が負極に取り付けられ、かつ他端が
前記ゴムシート35と前記Oリング36との間を通して
導出されている。正極リード41は、一端が正極に取り
付けられ、かつ他端が前記ゴムシート35と前記Oリン
グ36との間を通して導出されている。
【0041】得られた実施例1〜3及び比較例1の試験
セルBについて、100mAの電流で15時間初充電を
施した後、1Aの電流で0.8Vまで放電した。更に、
1Aの電流で1.5時間充電した後、1Aの電流で0.
8Vまで放電する充放電を50回繰り返し、50サイク
ル目の充電末期での最大内圧を測定し、その結果を表1
に示す。なお、充電と放電、放電と充電との間にそれぞ
れ休止時間としての30分間のオープン状態を持たせ
た。
【0042】
【表1】
【0043】表1から明らかなように、実施例1〜3の
試験セルBは、充放電サイクルの進行に伴う内圧上昇を
抑制できることがわかる。更に、得られた実施例1〜3
及び比較例1の負極と前記正極との間に厚さが0.2m
mのポリアミド繊維製不織布からなるセパレータを介装
し、渦巻状に捲回して電極群を作製した。このような電
極群と7NのKOHおよび1NのLiOHからなる電解
液を有底円筒状容器に収納して前述した図1に示す構造
を有する理論容量が1000mAhで、AAサイズの円
筒形ニッケル水素二次電池を組み立てた。
【0044】得られた実施例1〜3及び比較例1の二次
電池について、100mAの電流で15時間初充電を施
した後、1Aの電流で0.8Vまで放電した。更に、1
Aの電流で1.5時間充電した後、1Aの電流で0.8
Vまで放電する充放電を繰り返し、30サイクル目にお
いて1Aの電流で2時間充電する過充電試験を行って経
過時間に対する電池内圧変化を測定し、その結果を図5
に示す。
【0045】図5から明らかなように、実施例1〜3の
二次電池は、比較例1に比べて過充電時の内圧上昇幅が
小さいことがわかる。このような負極のガス吸収特性の
向上は、過充電時のみならず、逆充電時に前記正極から
水素ガスが発生する場合でも同様な効果が達成されるこ
とが確認された。 実施例4〜8 実施例1〜3と同様な組成の水素吸蔵合金粉末100g
に、ポリアクリル酸ナトリウムを0.5g、カルボキシ
メチルセルロースを0.125g、導電材としての比表
面積が1300m2 /gで、ケッチェン・ブラック・イ
ンターナショナル株式会社製、商品名がケッチェンブラ
ックECのカーボンブラックを1.0gとを添加した
後、平均分子量が20万〜100万の低分子量ポリテト
ラフルオロエチレン及び平均分子量が200万〜100
0万の高分子量ポリテトラフルオロエチレンを下記表2
に示すような割合(水素吸蔵合金粉末100重量部に対
する割合)で混合して調製した懸濁液と、水60mlと
を添加し、ミキサーにより混練してペーストを調製し
た。得られたペーストを導電性基板としてのパンチドメ
タルに塗布し、80℃で乾燥後、ローラプレスにより加
圧成形することにより負極を作製した。
【0046】得られた負極と実施例1〜3と同様な正極
との間に厚さが0.2mmのポリアミド繊維製不織布か
らなるセパレータを介して渦巻状に捲回して電極群を作
製した。この電極群を圧力検出器を付けたアクリル樹脂
製容器のAAサイズの空間に挿入し、この空間に8規定
のKOH溶液からなる電解液を注液して封口し、前述し
た図4に示す試験セルB(容量1000mAh)を組立
てた。 従来例 負極の結着剤として平均分子量が200万〜1000万
の高分子量ポリテトラフルオロエチレン1.5重量部を
含む懸濁液と、0.5gのポリアクリル酸ナトリウム
と、0.125gのカルボキシメチルセルロースとを用
いたこと以外は、実施例4〜10と同様な負極を製造し
た。つづいて、前記負極の表面に高分子量のポリテトラ
フルオロエチレンの懸濁液を塗布し、乾燥することによ
り撥水処理を行った。
【0047】得られた負極と実施例1〜3と同様な正極
との間に厚さが0.2mmのポリアミド繊維製不織布か
らなるセパレータを介して渦巻状に捲回して電極群を作
製した。この電極群を圧力検出器を付けたアクリル樹脂
製容器のAAサイズの空間に挿入し、この空間に8規定
のKOH溶液からなる電解液を注液して封口し、前述し
た図4に示す試験セルB(容量1000mAh)を組立
てた。
【0048】得られた実施例4〜8,比較例2〜5及び
従来例の負極について、ペーストの塗布状態を調べ、そ
の結果を下記表2に併記する。また、前述した渦巻き形
電極群を作製する際にこれらの負極から水素吸蔵合金粉
末が剥離したか否かを調べ、その結果を下記表2に併記
する。
【0049】また、得られた実施例4〜8,比較例2〜
5及び従来例の試験セルBについて、0.3Cの電流で
150%充電した後、1Cの電流で0.8Vまで放電す
る充放電サイクル試験を行い、50サイクル目の内圧を
測定し、その結果を下記表2に併記する。
【0050】
【表2】
【0051】表2から明らかなように、実施例4〜8の
負極は、ペーストの充填量が均一で、かつ渦巻き形電極
群作製時の水素吸蔵合金粉末の剥離がないことから強度
が高いことがわかる。また、これらの負極を備えた試験
セルBは、充放電サイクルの進行に伴う内圧上昇を抑制
できることがわかる。
【0052】これに対し、低分子量のPTFEのみを含
む負極を備えた比較例3,5の試験セルBは、50サイ
クル目の内圧は比較的低いものの、脱落した水素吸蔵合
金粉末量が多かった。一方、高分子量のPTFEのみを
少量含む負極を備えた比較例2の試験セルBは、50サ
イクル目の内圧が高く、脱落した水素吸蔵合金粉末量が
多かった。また、比較例4のように高分子量のPTFE
のみを多量に含むペーストは、粘度が高すぎたために導
電性基板に塗布できなかった。
【0053】一方、従来例は、50サイクル目の内圧は
低いものの、負極表面にポリテトラフルオロエチレンの
懸濁液を塗布する作業が必要で負極の製造が繁雑であっ
た。 実施例9〜12 実施例1〜3と同様な組成を有する水素吸蔵合金粉末1
00gに、ポリアクリル酸ナトリウムを0.5gと、カ
ルボキシメチルセルロースを0.125gと、導電材と
して比表面積が800m2 /gで、ケッチェン・ブラッ
ク・インターナショナル株式会社製、商品名がケッチェ
ンブラックECのカーボンブラックを0.1g,1.0
g,2.0g,4.0gとを添加した後、平均分子量が
20万〜100万の低分子量ポリテトラフルオロエチレ
ンのディスパージョン(比重1.28,固形分40w
t.%)を1.95mlと、平均分子量が200万〜1
000万の高分子量ポリテトラフルオロエチレン(比重
1.5,固形分60wt.%)を1.11mlと、水6
0mlとを添加し、ミキサーにより混練してペーストを
調製した。得られたペーストを導電性基板としてのパン
チドメタルに塗布し、80℃で乾燥後、ローラプレスに
より加圧成形することにより負極を作製した。
【0054】得られた負極と実施例1〜3と同様な正極
との間に厚さが0.2mmのポリアミド繊維製不織布か
らなるセパレータを介して渦巻状に捲回して電極群を作
製した。この電極群を圧力検出器を付けたアクリル樹脂
製容器のAAサイズの空間に挿入し、この空間に8規定
のKOH溶液からなる電解液を注液して封口し、前述し
た図4に示す試験セルB(容量1000mAh)を組立
てた。
【0055】得られた実施例9〜12の試験セルBにつ
いて、100mAの電流で15時間初充電を施した後、
1Aの電流で0.8Vまで放電した。更に、1Aの電流
で1.5時間充電した後、1Aの電流で0.8Vまで放
電する充放電を30回繰り返し、30サイクル目におい
て5Aの電流で放電した際の電圧変化を測定し、その結
果を図6に示す。なお、充電と放電、放電と充電との間
にそれぞれ休止時間としての30分間のオープン状態を
持たせた。
【0056】図6から明らかなように、実施例9〜12
の試験セルBは、大電流放電特性が優れていることがわ
かる。特に、導電剤を水素吸蔵合金粉末100重量部に
対して0.1〜2.0重量部含む負極を備えた実施例9
〜11の試験セルBは、実施例12よりも大電流放電特
性が優れていることがわかる。
【0057】
【発明の効果】以上詳述したように本発明のアルカリ二
次電池によれば、充放電サイクルの進行に伴う内圧上昇
を抑制することができ、大電流放電特性を大幅に改善す
ることができ、かつ簡単な方法で負極を作製することが
できるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る円筒形アルカリ二次電池を示す斜
視図。
【図2】本発明の実施例1〜3で使用される試験セルA
を示す断面図。
【図3】本発明の実施例1〜3における電極容量を変化
させた際の負極電位の変化を示す特性図。
【図4】本発明の実施例1〜12で使用される試験セル
Bを示す断面図。
【図5】本発明の実施例1〜3における電池内圧の経時
変化を示す特性図。
【図6】本発明の実施例9〜12における電池電圧の経
時変化を示す特性図。
【符号の説明】
1…容器、2…正極、3…セパレータ、4…負極、5…
電極群、7…封口板、8…絶縁ガスケット。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極と、水素吸蔵合金,結着剤及び導電
    剤を含むペーストが充填された導電性基板からなる負極
    と、前記正極と前記負極との間に介装されるセパレータ
    と、アルカリ電解液とを備えたアルカリ二次電池におい
    て、 前記負極の結着剤は、平均分子量が20万〜100万の
    ポリテトラフルオロエチレン及び平均分子量が200万
    〜1000万のポリテトラフルオロエチレンを含み、か
    つ前記負極の導電剤は比表面積が700m2 /g以上の
    カーボンブラックを主体とすることを特徴とするアルカ
    リ二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008171575A (ja) * 2007-01-09 2008-07-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解液二次電池用負極板およびその製造方法ならびにそれを用いた非水電解液二次電池
JP2009076430A (ja) * 2007-08-28 2009-04-09 Sanyo Electric Co Ltd アルカリ蓄電池用負極及びアルカリ蓄電池
US9219257B2 (en) 2003-01-20 2015-12-22 Sony Corporation Non-aqueous electrolyte battery with gas adsorbing carbon material
WO2024045505A1 (zh) * 2022-08-30 2024-03-07 宁德时代新能源科技股份有限公司 粘结剂组合物、正极浆料、二次电池、电池模块、电池包和用电装置

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