JPH0935743A - Co基合金材の正極容器を持ったナトリウム−硫黄電池 - Google Patents

Co基合金材の正極容器を持ったナトリウム−硫黄電池

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JPH0935743A
JPH0935743A JP7179787A JP17978795A JPH0935743A JP H0935743 A JPH0935743 A JP H0935743A JP 7179787 A JP7179787 A JP 7179787A JP 17978795 A JP17978795 A JP 17978795A JP H0935743 A JPH0935743 A JP H0935743A
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sodium
based alloy
positive electrode
electrode container
sulfur battery
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Tetsuo Koyama
哲雄 小山
Tadahiko Mitsuyoshi
忠彦 三吉
Manabu Madokoro
間所  学
Hisamitsu Hatou
久光 波東
Shigeoki Nishimura
成興 西村
Katsuhiko Shioda
勝彦 塩田
Kiyoshi Otaka
清 大高
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電力貯蔵や電気自動車バッテリーに使用される
ナトリウム−硫黄電池、該電池の正極容器及び正極容器
用合金とそれらの製造方法を提供する。 【構成】Cr,Ni,W又はMoを含有したCo基合金
であって該合金中にCr,W,Moの中の少なくとも1
種を含む炭化物が析出した合金からなる正極容器、及び
該正極容器を用いたナトリウム−硫黄電池。 【効果】本発明の正極容器は、腐食量が小さく電池の長
寿命化を達成できる。また正極容器用合金は塑性加工
性,溶接性も良好で電池の信頼性を格段に向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電力貯蔵や電気自動車バ
ッテリーに使用されるナトリウム−硫黄二次電池、及び
該電池の正極容器及び正極容器用合金とそれらの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のナトリウム−硫黄電池は、正極活
物質である溶融硫黄を含浸した炭素マットから成る正極
用導電材を収容する円筒形状の正極容器と、該正極容器
の上端部に対し、絶縁リングを介して連結された負極容
器と、前記絶縁リングに固着され、かつ、負極活物質で
ある溶融金属ナトリウムを蓄え、ナトリウムイオン伝導
性を有するベータアルミナ系固体電解質管とから構成し
たものである。放電時には、負極容器内のNaは正極内
の硫黄Sと次のように反応して多硫化ナトリウムを生成
する。
【0003】2Na+χS⇒Na2χ また、充電時には放電時と逆の反応が起こり、ナトリウ
ム及び硫黄が生成される。ナトリウム−硫黄電池には、
正極容器を構成する例えばステンレス鋼などの金属容器
の表面が硫黄や多硫化ナトリウムにより腐食されると、
正極活物質である硫黄が腐食反応生成物の形成のために
消費され、電池反応に必要な正極活物質量が減少して電
池容量が低下したり、正極表面に生成した金属硫化物の
電気抵抗の影響で電池の内部抵抗が増加して効率が低下
すると言う難点がある。この対策として、正極容器表面
の多硫化ナトリウムなどによる腐食を防止するため、正
極容器の表面に耐食性の優れた例えばCrやCを多量に
含んだCo基合金膜を形成させる方法が提案されてい
る。例えば、特開平2−142065 号の公報には、正極容
器、例えば、アルミニウム合金製容器の表面にプラズマ
溶射法によりCr20〜40wt%,C1〜3wt%な
どを含むコバルト基合金膜を形成させることが提案され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術のナトリウム
−硫黄電池では正極容器の表面に耐食性の膜を設けるも
のであり、製造方法が複雑で、膜の密着性,耐久性にば
らつきを生じやすく、電池組立時や運転時に剥がれるな
ど信頼性が十分でない欠点があった。また、溶射法によ
り形成された前記合金層は、溶融体が凝固して形成され
るために、溶融体から発生するガスを取り込みやすく、
電池運転時の温度上昇によるガス分圧によって合金層
は、膨れや剥離を生じやすい危険性がある。膨れや剥離
が生じると、正極容器は、溶融多硫化ナトリウムの接触
により絶縁皮膜を形成してしまうために、正極容器から
の集電が効率よくできない問題もある。さらに、正極容
器としてAl合金を用いる場合には、溶射により形成さ
れたCo基合金層は、溶射時の熱によって合金層中の炭
素がアルミニウム正極基材と反応し、アルミニウム炭化
物(Al43)が生成され、これが大気中の水分と反応
して、次のようにメタンガスを発生することが考えられ
る。
【0005】 Al43+12H2O=4Al(OH)3+3CH4 このことから、大気中での正極容器の取扱いは、合金層
の剥離や劣化を進行させる原因になる。したがって、正
極容器を電池に組み込む作業を不活性ガス雰囲気中で行
うなどの配慮が必要となり、量産上不利である。また、
正極基材と合金層の界面にAl43が生成すると、Al
43は脆弱であるために電池組み込み時や運転時に発生
する応力で合金層の剥離が起こる危険性がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のナトリウム−硫
黄電池は、正極容器としてCr,Cを含有する又はC
r,Ni,Cを含有し、かつW又はMoを含有するCo
基合金の板材またはパイプ材に時効処理を加えることに
よって、析出効果を生じせしめ、材料の基地中に高耐食
性のCr,W,MoなどのM6C、またはM236系炭化
物を微細に析出させたことを特徴としている。また、炭
化物を析出させるための適正な時効処理は、500〜1
000℃の温度範囲で少なくとも10時間である。該C
o基合金中のCoの含有量は30wt%以上、Crの含
有量は18〜28wt%の含有量は0.05〜0.20w
t%、又はCrの含有量は18〜28wt%、Niの含
有量は15〜25wt%、W又はMoの含有量は3〜1
5wt%、Cの含有量は0.05〜0.20wt%である
ことが望ましい。また、該Co基合金中に、Fe,S
i,Mn,Laのうちの少なくとも1種を含有すること
ができる。図1に示すように本発明のナトリウム−硫黄
電池は、ナトリウムイオン伝導性を有する固体電解質1
と絶縁リング4とにより正極容器2と負極容器3とを隔
離し、正極容器には硫黄、または溶融多硫化ナトリウム
5を収容したナトリウム−硫黄電池において、正極容器
がCr,Cを含む又は、これと共にNi,W又はMoを
含むCo基合金の基地中に少なくともCrのM6C また
はM236 系炭化物を微細に析出させた高耐食性の板材
またはパイプ材により形成される。なお、6は溶融ナト
リウムである。
【0007】本発明をさらに具体的に説明するとCr,
Cを含有した又はCr,Ni,Cを含有し、かつW又は
Moを含有したCo基合金であって該合金中にCr,
W,Moの中の少なくとも1種を含む炭化物が析出した
Co基合金の板材またはパイプからなる正極容器を用い
たことを特徴としたナトリウム−硫黄電池。
【0008】前記のCr,W,Moの中の少なくとも1
種を含む炭化物が析出してなるCo基合金のCrの含有
量が18〜28wt%,C0.05〜0.20wt%又は
Cr18〜28wt%、Niの含有量が15〜25wt
%,W又はMoの含有量3〜15wt%,Cの含有量
0.05〜0.20wt%であることを特徴とするナトリ
ウム−硫黄電池。
【0009】前記のCr,W,Moの少なくとも1種を
含む炭化物が析出してなるCo基合金の炭化物が球状で
粒径5μm以下、面積率は20〜80%であることを特
徴とするナトリウム−硫黄電池。
【0010】また、Cr又はCr,Niが含有したCo
基合金の結晶粒中に粒径5μm以下のCr,W,Moの
中の少なくとも1種を含む炭化物が析出してなるCo基
合金を用いてなる板材またはパイプからなるナトリウム
−硫黄電池の正極容器。
【0011】また、Cr,Cを含有した又はCr,N
i,Cを含有し、かつW又はMoを含有したCo基合金
を500〜1000℃の温度で少なくとも10時間で時
効処理させる工程を含むナトリウム−硫黄電池の正極容
器の製造方法。
【0012】Cr,Cを含有した又はCr,Ni,Cを
含有し、かつW又はMoを含有したCo基合金の板材ま
たはパイプを500〜1000℃の温度で少なくとも1
0時間、時効処理する工程を含むことにより、前記Co
基合金中に粒径5μm以下の少なくともCrを含む炭化
物を析出してなることを特徴とするナトリウム−硫黄電
池の正極容器の製造方法。
【0013】また、Cr,Cを含有した又はCr,N
i,Cを含有し、かつW又はMoを含有したCo基合金
の板材またはパイプを500〜1000℃の温度で少な
くとも10時間、時効処理することにより、前記Co基
合金中に粒径5μm以下の少なくともCrを含む炭化物
が析出してなることを特徴とするCo基合金。
【0014】また、Cr,Cを含有した又はCr,N
i,Cを含有し、かつW又はMoを含有したCo基合金
の板材またはパイプを500〜1000℃の温度で少な
くとも10時間、時効処理することにより、前記Co基
合金中に粒径5μm以下の少なくともCr炭化物が析出
してなることを特徴とするCo基合金をナトリウム−硫
黄電池の正極用容器に用いたナトリウム−硫黄電池。
【0015】また、ナトリウムイオン伝導性を有するベ
ータアルミナ系固体電解質管により正極容器と負極容器
を隔離し、正極容器には溶融硫黄、または硫黄化合物
(多硫化ナトリウム)を収容し、負極容器室には溶融ナ
トリウムを収容したナトリウム−硫黄電池において、前
記正極容器が少なくともCr,Wの中の1種を含む炭化
物を含有したCo基合金材料であることを特徴とするナ
トリウム−硫黄電池を提供する。
【0016】
【作用】本発明者等が種々検討した結果、適切な組成範
囲のCr,Cを含有する又はCr,Ni,W又はMo,
Cを含有するCo基合金の板材またはパイプ材を溶体化
後、時効処理を加えることによって微細な少なくともC
r,W,MoなどのM6C,M236系炭化物を微細に析
出させる。このことによって耐食性が顕著に優れている
ばかりでなく、パイプなどへの塑性加工が容易であり、
加えて溶接性が良好で正極容器を容易に製作できる。こ
のようにして得られた正極容器は母材自身が耐食性を持
つため、耐食性の膜を設けたものに較べて信頼性を格段
に高めることができる。なお、バルクから成る正極容器
としてCrを含むFe基合金(ステンレス鋼など)が検
討されてきているが、本発明のCr,C又はCr,N
i,W又はMo,Cを含むCo基合金で基地中に微細な
Cr,W,MoなどのM6C またはM236 系炭化物が
析出した該Co基合金は耐食性が優れているばかりでな
く、硫黄との反応によって表面に生成する硫化コバルト
の抵抗が低いため、電池の効率低下がおこらない長所も
持っている。ナトリウム−硫黄電池用正極容器材料の望
ましい範囲は、Co含有量は30wt%以上,C含有量
0.05〜0.20wt% ,Cr18〜28wt%、好
ましくはNiの含有量は15〜25wt%、W又はMo
含有量は3〜15wt%である。これら合金の組成範囲
を限定した理由は次の通りである。本発明のCo基合金
中、Cは溶解時にCo中に固溶するものでありオーステ
ナイト相を安定化するが、溶体化後の時効処理で微細な
Cr,W,MoなどのM6C,M236系炭化物を析出す
る。そのために耐食性向上に効果があると同時に、強度
は向上するが、C量が多くなると溶解時にCと結合して
粗大な前記の炭化物を形成するため、延性が低下し熱間
鍛造性を阻害するので、Cの量は0.05〜0.20wt
%の範囲に限定する必要がある。また、Cr量が多くな
るにつれて時効処理でCr炭化物、またはCr,W,M
oなどの複炭化物を析出し耐食性、強度は向上するが、
延性は低下する。また、熱間鍛造性が悪くなるので、C
r18〜28wt%が望ましい。また、W又はMoは時
効によって微細なCr,W,MoなどのM6C またはM
236 系炭化物の析出に役立つ。そのため耐食性向上に
有効であるが、添加量が多すぎると加工性が低下するた
め、3〜15wt%の範囲であることが特に望ましい。
Niは合金を強度、耐食性に優れたオーステナイト組織
にするために有効である。このためにはNi15wt%
以上,Cr18wt%以上を共存させることが必要であ
るが、多量になるとCoとの金属間化合物を生成して脆
化する。また、本発明のCr,Ni,W又はMo,Cを
含有するCo基合金はSi,Mn,Fe,Laのうちの
少なくとも1種を含有することができる。Feは不純物
として合金中に含まれるが、多くなると著しく耐食性を
阻害するのでFe4wt%以下とすることが望ましい。
Siは合金の溶解工程において脱酸剤として加えられ、
合金の耐酸化性などを高める効果を有するが多量に存在
すると、靭性と熱間加工性を阻害するので、0.4 wt
%以下の含有量に止めることが好ましい。さらにMnは
上記Siと同様に脱酸剤として加えられる他、Niと共
存することにより添加元素の固溶度を増加し、好ましい
炭化物析出を助け耐食性の向上、及び、靭性と熱間加工
性を向上させるが、Mnが増加すると溶解時に際して合
金溶融が取り鍋レンガを侵食し、不純物の混入の原因を
生じやすいため1.5 wt%以下とするのが望ましい。
Laは合金を不動態化し、耐食性を向上させる効果があ
るが、多量にすると熱間加工性を阻害するので、0.0
1〜0.10wt%の範囲が望ましい。また、時効処理
は500℃以下の温度では前記炭化物の析出効果が認め
られない。1000℃以上では炭化物が成長して粗大化す
る。このため合金の耐食性低下と強度脆化が起こる。こ
のような理由から、時効処理条件は500〜1000℃
の温度範囲で少なくとも10時間以上とすることが望ま
しい。また、本発明によれば上記炭化物は微細で球状な
ものであるために強度的にも有利なものであるが、合金
の基地中に析出する炭化物の粒径が5μm以下、面積率
は20〜80%量であることが望ましい。この理由は次
の通りである。すなわち炭化物の粒径が5μm以上では
合金は脆化し塑性加工性を阻害する。また、面積率が2
0%以下では耐食性の向上にあまり効果がなく、80%
以上では耐食性は向上する傾向が認められるものの、硬
化して延性を失い塑性加工性を阻害する。また、これら
の基地中に析出する炭化物の面積率はCの添加量、及
び、時効処理の温度,時間を変化させることによって制
御することができる。すなわち炭化物の面積率を減少さ
せるためには、Cの添加量を少なく、かつ時効処理時の
温度を低く、短時間にする。また、面積率を増大するに
は逆にCの添加量を多く、時効処理時の温度を高く、長
時間にすることによって達成されるものである。
【0017】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明する。
【0018】(実施例1)C0.01〜0.30wt%,
Cr15〜35wt%,Ni10〜30wt%,W1〜
20wt%,Mo1〜16wt%,Co残部合金を不活
性ガス中で溶解した。次いで、1000〜1200℃の
温度で鍛造して厚さ15mm,幅200mm,長さ400mm
の試料を製作し、合金自体の熱間加工性を評価した。表
1にその結果を示すが、Co基合金中のC量が0.20
wt%以下,Cr量28wt%以下,Ni量25wt%
以下,W量15wt%以下,Mo量15wt%以下の組
成範囲では、試料に割れ発生がなく特に塑性加工性が良
好である。
【0019】
【表1】
【0020】(実施例2)実施例1で得た合金を不活性
ガス中で1180℃の温度で溶体化処理後700℃の温
度で100時間時効処理した試料について最初に組織観
察によって炭化物の析出状況を調査し、次いで耐食性を
評価した。なお、組織観察は試料を研磨し王水でエッチ
ングした後、走査型電顕で行った。また、腐食試験は4
00℃のNa24溶融中で1000h浸漬した。腐食試
験結果を表1に示す。
【0021】C0.05〜0.20wt%,Cr18〜2
8wt%,Ni15〜25wt%,W3〜15wt%,
Mo3〜15wt%,残部Coから成る時効処理した本
発明の合金は基地中に2μm以下の微細なW,Mo,C
rのM236及びM6Cを中心とした炭化物の形成が確認
され、腐食量は、いずれも0.3mg/cm2以下であり、4
00℃の高温においても非常に腐食されにくいことを確
認した。
【0022】(実施例3)C0.1wt%,La0.05
wt%,Cr22wt%,Ni22wt%,W14wt
%,Fe1.5 wt%以下、Co残部合金(商品名HA
−188)を1180℃×1h溶体化処理し、冷間圧延
で厚さ1.5mm ,幅210mm,長さ400mmの薄板を製
作した。次いで、不活性ガス中で500℃,850℃,
1000℃の温度で500h時効処理をした。これらの時効
処理合金、及び、溶体化処理合金について走査型電子顕
微鏡により組織観察をした。その観察結果、500〜1
000℃の温度範囲で時効処理した合金はオーステナイ
ト中に2μm以下の微細なW,CrのM236及びM6
を中心とした炭化物の形成が確認された。これに較べて
溶体化処理合金には、炭化物の形成がほとんど認められ
ない。
【0023】(実施例4)実施例3で得た850℃時効
処理合金、及び、溶体化処理合金について機械的性質を
調査した。その調査結果、時効処理合金したC0.1w
t%,La0.05wt%,Cr22wt%,Ni22
wt%,W14wt%,Fe1.5 wt%以下、Co残
部合金の引張り強さ、0.2%耐力、伸びはそれぞれ1
00kg/mm2,56kg/mm2,50%であった。また、溶
体化処理合金の引張り強さ、0.2%耐力、伸びはそれ
ぞれ95kg/mm2,55kg/mm2,56%であった。これ
らのことから、本発明の時効処理したW,Crの炭化物
が析出した合金は比較的強度が高く、延性に富んだもの
であることが確認された。
【0024】(実施例5)実施例3で得たと同様の時効
処理したC0.1wt%,La0.05wt%,Cr22
wt%,Ni22wt%,W14wt%,Fe1.5 w
t%以下,Co残部合金の板材をTiG溶接した。溶接
部の組織観察により溶接部が健全で本発明の合金は溶接
性が良好であることを確認した。
【0025】
【表2】
【0026】(実施例6)実施例4で得た本発明の時効
処理合金、及び、溶体化処理合金について腐食試験し、
耐食性を評価した。また、比較のため従来材のAl基材
にCr28wt%,Co67wt%,C1wt%,W4
wt%(ステライト)粉末を溶射した試料について同様に
腐食試験をした。なお、腐食試験は350℃,400℃
のNa24溶融中で1000h浸漬した。表2に腐食試
験結果を示す。本発明の時効処理合金、及び、溶体化処
理合金は、350℃,1000h低温における腐食は認
められない。また、400℃,1000hと高温におけ
る本発明の時効処理合金、及び、溶体化処理合金の腐食
減量はそれぞれ0.25mg/cm2、及び、0.40mg/cm
2 であり、本発明の時効処理合金は高温においても非常
に腐食されにくい。これらの本発明の時効処理合金が等
速で一年間連続的に腐食したとしても、腐食深さ、すな
わち減肉深さは時効処理合金が2.4 μmである。ま
た、溶体化処理合金が4μmである。これを単純に電池
の耐用年数10年間を乗じると、本発明の時効処理合金
が24μm,溶体化処理合金が40μmとなる。電池の
耐用年数10年間に必要な腐食代は、余裕度を1.5 と
十分に取っても腐食代は、本発明の時効処理合金が約3
6μmあれば電池材料として十分使用できることがわか
る。なお、実際には電池の正極容器材が腐食されるの
は、電池の充電時と高温での停止時であると考えられる
ことから、上記より小さくなる。これに較べて溶体化処
理合金が約60μmとなる。これらの合金に較べて、従
来のAl基材にステライト粉末を溶射した試料は、35
0℃,1000hと低い温度においても腐食減量は0.
7mg/cm2 であり、等速で一年間連続的に腐食した腐食
深さは0.8μmである。また、400℃,1000h
と高い温度においては腐食減量は4mg/cm2 であり、等
速で一年間連続的に腐食した減肉深さは40μmであ
る。電池の耐用年数を乗じると、350℃,1000h
で約8μm,400℃,1000hで約400μmであ
り、従来のAl基材にステライト粉末を溶射した試料
は、特に400℃の高い温度で腐食されやすいことが分
かる。また、本発明においては、電池の正極容器材の腐
食量が少ないので、電池の充電効率の低下をまねく問題
が回避できる。
【0027】(実施例7)C0.1wt%,Cr20w
t%,残部Co合金を不活性ガス中で溶解した。118
0℃×1h溶体化処理し、冷間圧延で厚さ1.5mm ,幅
210mm,長さ400mmの薄板を製作した。次いで、8
50℃の温度で500h時効処理をした。これらの時効
処理した合金について走査型電子顕微鏡により組織観
察、及び腐食試験を行った。なお、腐食試験は上記と同
様に400℃のNa24溶融中に1000h浸漬した。
組織観察、及び腐食試験の結果、合金中に2μm以下の
微細なCr236 系の炭化物の形成が確認され、腐食量
は、0.3mg/cm2であり、400℃の高温においても腐
食されにくいことを確認した。
【0028】また、該合金は、圧延時に割れ発生がなく
塑性加工性が良好であった。
【0029】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明のナトリ
ウム−硫黄電池用正極容器材料は、腐食量は十分小さ
く、電池の長寿命化を図ることができる。さらに、塑性
加工性,溶接性も良好であり、製作工程が少なくなるこ
とから、製造が簡単で再現性がよく、電池の信頼性を格
段に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるナトリウム・硫黄電池の
全体構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1…固体電解質、2…正極容器、3…負極容器、4…絶
縁リング、5…溶融多硫化ナトリウム、6…溶融ナトリ
ウム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 波東 久光 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 西村 成興 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 塩田 勝彦 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 大高 清 茨城県日立市弁天町三丁目10番2号 日立 協和工業株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ナトリウム−硫黄電池の正極容器材料とし
    てCr,Cを添加したCo基合金であって、該合金中に
    Crの炭化物が析出してなる板材またはパイプからなる
    正極容器を用いたことを特徴とするナトリウム−硫黄電
    池。
  2. 【請求項2】請求項1のCr炭化物が析出したCo基合
    金において、Coの含有量が30wt%以上,Crの含
    有量が18〜28wt%,Cの含有量0.05〜0.2wt
    %であることを特徴としたナトリウム−硫黄電池。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記Co基合金中に
    W,Mo,Ni,Fe,Si,Mn,Laのうちの少な
    くとも1つが含有されることを特徴としたナトリウム−
    硫黄電池。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記Co基合金のW又
    はMo含有量が3〜15wt%であって、W,Mo,C
    rのうちの少なくとも1種を含む炭化物が析出したこと
    を特徴とするナトリウム−硫黄電池。
  5. 【請求項5】Cr,Ni,Cを含有し、かつ、W又はM
    oを含有したCo基合金であって該合金中にCr,W,
    Moの中の少なくとも1種を含む炭化物が析出したCo
    基合金の板材またはパイプからなる正極容器を用いたこ
    とを特徴とするナトリウム−硫黄電池。
  6. 【請求項6】請求項5のCr,W,Moの中の少なくと
    も1種を含む炭化物が析出してなるCo基合金のCrの
    含有量18〜28wt%,Niの含有量15〜25wt
    %,W又はMoの含有量3〜15wt%,Cの含有量が
    0.05〜0.20wt%であることを特徴とするナトリ
    ウム−硫黄電池。
  7. 【請求項7】請求項1,5のCr,W,Moの少なくと
    も1種を含む炭化物が析出してなるCo基合金の炭化物
    が球状で粒径5μm以下,面積率は20〜80%である
    ことを特徴とするナトリウム−硫黄電池。
  8. 【請求項8】Cr又はCr,Niを含有するCo基合金
    の結晶粒中に粒径5μm以下のCr,W,Moの中の少
    なくとも1種を含む炭化物が析出してなるCo基合金を
    用いてなる板材またはパイプからなるナトリウム−硫黄
    電池の正極容器。
  9. 【請求項9】Cr,Cを含有した又はCr,Ni,Cを
    含有し、かつW又はMoを含有したCo基合金を500
    〜1000℃の温度で少なくとも10時間で時効処理さ
    せる工程を含むナトリウム−硫黄電池の正極容器の製造
    方法。
  10. 【請求項10】Cr,Cを含有した又はCr,Ni,C
    を含有し、かつW又はMoを含有したCo基合金の板材
    またはパイプを500〜1000℃の温度で少なくとも
    10時間、時効処理する工程を含むことにより、前記C
    o基合金中に粒径5μm以下の少なくともCrを含む炭
    化物を析出してなることを特徴とするナトリウム−硫黄
    電池の正極容器の製造方法。
  11. 【請求項11】Cr,Cを含有した又はCr,Ni,C
    を含有し、かつW又はMoを含有したCo基合金の板材
    またはパイプを500〜1000℃の温度で少なくとも
    10時間、時効処理することにより、前記Co基合金中
    に粒径5μm以下の少なくともCrを含む炭化物が析出
    してなることを特徴とするCo基合金。
  12. 【請求項12】Cr,Cを含有した又はCr,Ni,C
    を含有し、かつW又はMoを含有したCo基合金の板材
    またはパイプを500〜1000℃の温度で少なくとも
    10時間、時効処理することにより、前記Co基合金中
    に5μm以下の少なくともCr炭化物が析出してなるこ
    とを特徴とするCo基合金をナトリウム−硫黄電池の正
    極用容器に用いたナトリウム−硫黄電池。
  13. 【請求項13】ナトリウムイオン伝導性を有するベータ
    アルミナ系固体電解質管により正極容器と負極容器を隔
    離し、正極容器には溶融硫黄、または硫黄化合物(多硫
    化ナトリウム)を収容し、負極容器室には溶融ナトリウ
    ムを収容したナトリウム−硫黄電池において、前記正極
    容器が少なくともCr,W,Moの中の1種を含む炭化
    物を含有した請求項1,5のCo基合金材料であること
    を特徴とするナトリウム−硫黄電池。
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