JPH0938560A - 塗布装置 - Google Patents

塗布装置

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JPH0938560A
JPH0938560A JP30306995A JP30306995A JPH0938560A JP H0938560 A JPH0938560 A JP H0938560A JP 30306995 A JP30306995 A JP 30306995A JP 30306995 A JP30306995 A JP 30306995A JP H0938560 A JPH0938560 A JP H0938560A
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JP
Japan
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coating
die
support
magnetic
tip
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JP30306995A
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English (en)
Inventor
Shogo Sato
章吾 佐藤
Osamu Maniwa
修 間庭
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速塗布化および塗膜の薄膜化を図ることが
でき、良好な塗膜が得られる塗布装置を提供する。 【解決手段】 塗料6が供給される塗料溜り(ポケット
9)を有してなるダイ2を備え、連続的に走行する支持
体1上に前記ダイ2先端に設けられたスリット5より塗
料6を押し出しながら塗布するエクストルージョン型の
塗布装置であって、先端同士が隣接して磁気ギャップ1
5が構成されてなる磁石部3が、前記支持体1を挟み前
記ダイ2と反対側に、該磁気ギャップ15が前記ダイ2
先端に対向するように配設されているとともに、前記ダ
イ2先端にて前記スリット5を構成する上リップ7およ
び下リップ8が、それぞれ前記支持体1に非接触に配設
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるエクスト
ルージョン型の塗布装置に関し、特に磁気記録媒体を製
造する際に磁性塗料等を塗布するために用いて好適な塗
布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、オーディオテープやビデオテー
プとしては、ポリエステルフィルム等の非磁性の支持体
上に磁性粉末や結合剤、分散剤、潤滑剤等を有機溶剤に
分散混練してなる磁性塗料を塗布することにより磁性層
が形成されてなる、いわゆる塗布型の磁気記録媒体が使
用されている。
【0003】この塗布型の磁気記録媒体を製造するに際
し、磁性塗料を支持体上に塗布するための装置として
は、従来より、グラビアロールやリバースロール等のロ
ールを用いた塗布装置が用いられており、特に幅広い構
造粘性(チキソ性)のものを塗布することができるダイ
レクトグラビア方式を適用した装置が一般的となってい
る。
【0004】上記グラビアロールには、耐摩耗性を考慮
してハードクローム処理等の表面処理が施される。磁性
塗料の構造粘性によっては、ロールから支持体であるベ
ースフィルム上への塗料転写性が損なわれて塗布厚ムラ
のための出力変動や塗料飛散によるドロップアウト等が
起こりやすい状態となる。そして、高速塗布になるにし
たがってこれらの問題が顕著になる傾向にある。
【0005】特に、フロッピーディスクの磁性層を形成
する場合のように、厚さ50μm以上の支持体上に、構
造粘性の高い磁性塗料、またはメタル系の磁性塗料を転
写させるときには、グラビアロールのセル溝と支持体と
の間に空気層ができやすく、転移不良を生じやすい。
【0006】一方、このような問題を解決し得る新しい
塗布装置として、エクストルージョン(ダイ)型の塗布
装置が注目され、既に一部実用化されている。
【0007】このエクストルージョン型の塗布装置は、
先端面に臨んで幅広のスリットを有するとともに、この
先端部近傍がドクターエッジ化されてなるダイを備えて
なり、走行している支持体の表面に向けて連続的に押し
出された磁性塗料がドクターエッジによって均一な厚さ
をもって支持体上に塗布されるような構成とされてい
る。なお、スリットの背面側には塗液溜りが設けられ、
ダイの両サイドより供給された塗料は、該塗液溜りを介
して上記スリット内へ送り出される。
【0008】このようなエクストルージョン型の塗布装
置は、均一な膜厚を有する塗膜を容易に形成することが
できるとともに、大径を有するロールを用いないために
装置の低価格化や小型化の点で有利であり、またダイ内
に供給された塗料が全て塗布されるので該ダイ廻りでの
塗料の循環を行う必要がないことから、これまで写真フ
ィルムや印画紙等の分野において使用されている。
【0009】ところで、近年、塗布型の磁気記録媒体に
おいては、生産性の向上を図るための高速塗布化や磁性
塗膜の薄膜化に十分対向できる塗布技術の開発が望まれ
ている。
【0010】そこで、上記エクストルージョン型の塗布
装置においては、薄膜化された磁性塗膜を膜厚ムラを生
じさせることなく形成するために、例えば、特開昭62
−95170号公報に開示されるような、走行する支持
体の背面を支持することなくダイ先端に形成されたスリ
ットを上記支持体に押しつけるとともに、該支持体を挟
んで上記スリットと反対側に50〜5000ガウスの磁
力を有する永久磁石を配設し、上記スリットから磁性塗
料を押し出して塗布を行う方法が提案されている。ま
た、特開平4−214229号公報に開始されるよう
に、永久磁石の代わりに電磁石を用い、磁気フラックス
の方向を支持体の表面となす角によって規定する方法も
提案されている。なお、これらの塗布装置におけるダイ
の先端は非磁性材料で構成されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような方法を適用しても、高速塗布時に磁性塗料の動
きを保持しきれず、安定した塗布が困難であり、膜厚ム
ラが生じてしまう。
【0012】このように、従来の塗布装置では、高速塗
布化および塗膜の薄膜化について十分な効果が得られて
いないのが実情である。
【0013】そこで本発明は上述の従来の実情に鑑みて
提案されたものであり、高速塗布化および塗膜の薄膜化
を図ることができ、良好な塗膜が得られる塗布装置を提
供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る塗布装置
は、上述の目的を達成するために提案されたものであっ
て、塗料が供給される塗料溜りを有してなるダイを備
え、連続的に走行する支持体上に前記ダイ先端に設けら
れたスリットより塗料を押し出しながら塗布するエクス
トルージョン型の塗布装置であって、先端同士が隣接し
て磁気ギャップが構成されてなる磁石部が、前記支持体
を挟み前記ダイと反対側に、該磁気ギャップが前記ダイ
先端に対向するように配設されているとともに、前記ダ
イ先端にて前記スリットを構成する上リップおよび下リ
ップが、それぞれ前記支持体に非接触に配設されてい
る。
【0015】通常、エクストルージョン型の塗布装置に
おいては、先端面に臨んで幅広のスリットが形成される
とともに、前記先端面近傍がドクターエッジ化されてな
るダイを用い、走行している支持体の表面に向けて連続
的に押し出した塗料を前記ドクターエッジによって均一
な厚さをもって支持体上に塗布する。しかし、この塗布
装置においては、下リップをドクターエッジとして機能
させず、支持体を下リップに非接触に走行させる。リッ
プが支持体と非接触とされると、該リップが支持体表面
を傷付けたり、削ったりすることがなく、形成された塗
膜に塵、異物、支持体の削れ粉等による欠けスジを発生
させにくくなる。
【0016】上述したように、この塗布装置において
は、支持体を挟んでダイと反対側に磁石部が配設される
ため、塗料が磁性材料を含むものであると、該磁石部か
らの磁気フラックスにより、スリットから押し出された
該塗料の動きが保持される。この場合、上リップおよび
下リップがそれぞれ非磁性材料より構成されてもよい
が、磁性材料より構成されると、磁気フラックスの方向
が良好に制御できる。
【0017】また、磁石部を、その先端同士が隣接され
て磁気ギャップが構成されているものとすると、該磁気
ギャップから両リップに向かって磁気フラックスを集中
させることができる。なお、磁石部は、その先端同士が
隣接されて磁気ギャップが構成されてなるものであれ
ば、全体が永久磁石よりなるものであっても、高透磁率
材料よりなるヨーク間に永久磁石が挟み込まれていても
よい。なお、永久磁石としては、アルニコ磁石、希土類
磁石、フェライト磁石等に代表される従来公知のものが
いずれも使用できる。また、永久磁石の代わりに電磁石
を用いてもよい。
【0018】ここで、前記磁石部先端と前記ダイ先端と
の隙間は、0.2〜3mmとなされて好適である。この
隙間が小さすぎると、磁気フラックスが両リップ方向に
向かわなくなってしまい、逆に、隙間が大きすぎると、
磁気フラックスを集中させることができなくなってしま
う。
【0019】また、ダイに対する磁石部の配設位置は、
磁気ギャップの上端面が、ダイにおけるスリットの上端
面の高さを基準として±1mmなる範囲に位置するよう
に設定されて好適である。磁石部の配設位置が上述した
範囲から外れると、磁気フラックスにより塗料の動きを
保持する効果が劣化してしまう。
【0020】さらに、ダイ先端付近の磁力、即ち、両リ
ップ近傍の磁力は、塗布速度や塗料特性(粘度、表面張
力等)によって適宜選択すればよいが、小さすぎると、
塗料の動きを保持することができず、大きすぎると、得
られた塗膜に面あれが生じてしまう。このため、両リッ
プ近傍には、500〜6000ガウス、特に3000〜
6000ガウスの磁力を持たせるようにして好適であ
る。
【0021】また、本発明に係る塗布装置は、塗料が供
給される塗料溜りを有してなるダイを備え、連続的に走
行する支持体上に前記ダイ先端に設けられたスリットよ
り塗料を押し出しながら塗布するエクストルージョン型
の塗布装置であって、先端同士が隣接して磁気ギャップ
が構成されてなる磁石部が、前記支持体を挟み前記ダイ
と反対側に、該磁気ギャップが前記ダイ先端に対向する
ように配設されているとともに、前記ダイ先端にて前記
スリットを構成する上リップおよび下リップが、それぞ
れ磁性材料より構成され、該下リップが前記支持体に当
接するごとく配設されるものであってもよい。
【0022】即ち、下リップをドクターエッジとして機
能させ、支持体を塗料を介して該下リップに接触させな
がら走行させて塗布を行う塗布装置において、支持体を
挟み前記ダイと反対側に磁石部を配設し、且つ、上リッ
プおよび下リップをそれぞれ磁性材料より構成する。こ
の場合も、上述したリップを支持体に非接触に配設した
塗布装置と同様、磁石部からの磁気フラックスにより、
スリットから押し出された該塗料の動きを良好に保持で
きる。
【0023】また、この塗布装置においても、ダイと磁
石部との位置関係やリップ近傍に持たせる磁力の大きさ
等の設定は、上述したリップを支持体に非接触に配設す
る塗布装置と同様とすればよい。
【0024】ところで、以上のような塗布装置は、リッ
プを支持体に非接触に配設する場合、リップを支持体に
接触させて配設する場合のいずれにおいても、走行する
支持体に対するダイおよび磁石部の相対的な配置が確保
されていれば、支持体の走行方向、ダイおよび磁石部の
配設方向は任意に設定できる。このため、本明細書にお
いて、「上」、「下」といった記述は必ずしも鉛直方向
の上側、下側を示すものではなく、支持体の走行方向の
上流側、下流側を表すものとする。このため、「上リッ
プ」、「下リップ」なる記載は、必ずしも、上リップが
下リップに対して鉛直方向上側に存在することを示すも
のではない。
【0025】上述の塗布装置は、塗布型の磁気記録媒体
における磁性塗料の塗布に適用して好適であるが、その
場合、支持体や磁性塗料を構成する磁性粉末、樹脂結合
剤等は従来公知のものがいずれも使用可能で、何ら限定
されるものではない。
【0026】例示するならば、上記支持体としては、ポ
リエチレンテレフタレート等のポリエステル類、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルロ
ーストリアセテート、セルロースダイアセテート、セル
ロースブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボ
ネート類、ポリイミド類、ポリアミドイミド等に代表さ
れるようなプラスチックによって形成される高分子基板
や、Al合金、チタン合金からなる金属基板、アルミナ
ガラス等からなるセラミックス基板、ガラス基板等が挙
げられる。その形状も何ら限定されるものではなく、テ
ープ状、シート状、ドラム状等、いかなる形態であって
も良い。なお、Al合金板やガラス板等の剛性基板を使
用した場合には、基板表面にアルマイト処理等の酸化被
膜やNi−P被膜等を形成して、その表面を硬くするよ
うにしてもよい。但し、支持体を連続走行させることを
考慮すると、テープ状、シート状の可撓性支持体である
ことが好ましい。
【0027】一方、磁性塗料を構成する磁性粉末として
は、Fe,Co,Ni等の強磁性金属材料や、Fe−C
o,Fe−Ni,Fe−Co−Ni,Co−Ni,Fe
−Mn−Zn,Fe−Ni−Zn,Fe−Co−Ni−
Cr,Fe−Co−Ni−P,Fe−Co−B,Fe−
Co−Cr−B,Fe−Co−V等のFe,Co,Ni
を主成分とする各種強磁性合金材料、Mn−Bi,Mn
−Al等の合金材料からなる強磁性金属粒子が好適であ
る。また、種々の特性を改善する目的でAl,Si,T
i,Cr,Mn,Cu,Zn,Mg,P等の元素が添加
されても良い。また、γ−Fe2 3 ,Co含有γ−F
2 3 ,Fe3 4 ,Co含有γ−Fe3 4 ,Co
被着γ−Fe3 4 ,CrO2 等、従来公知の酸化物磁
性粉末であってもよい。
【0028】結合剤としては、塩化ビニル、酢酸ビニ
ル、ビニルアルコール、塩化ビニリデン、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエ
ン、アクリロニトリル等の重合体、或いはこれら二種以
上を組み合わせた共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエ
ステル樹脂、エポキシ樹脂等が例示される。特に、ビニ
ル系共重合体、ポリエステル−ポリウレタン系共重合
体、ポリカーボネート−ポリウレタン系共重合体、ニト
ロセルロース等を用いて好適である。
【0029】また、これら結合剤と磁性粉末とを分散さ
せるための溶剤としては、アセトン,メチルエチルケト
ン,メチルイソブチルケトン,シクロヘキサノン等のケ
トン系、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸ブチル,乳酸エ
チル,酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル
系、グリコールジメチルエーテル,グリコールモノエチ
ルエーテル,ジオキサン等のグリコールエーテル系、ベ
ンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキ
サン,ヘプタン等の脂肪族炭化水素、メチレンクロライ
ド,エチレンクロライド,四塩化炭素,クロロホルム,
エチレンクロルヒドリン,ジクロルベンゼン等の塩素化
炭化水素等が挙げられる。
【0030】さらに、磁性塗料中には、添加剤として分
散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤等が加えら
れても良い。
【0031】また、上述した支持体には、磁性層の他
に、必要に応じて、バックコート層やトップコート層等
が形成されても良い。この場合、バックコート層、トッ
プコート層等の成膜条件は、通常この種の磁気記録媒体
の製造方法に適用される方法であれば良く、特に限定さ
れない。
【0032】そして、本発明の塗布装置は、このような
塗布型の磁気記録媒体の製造工程において、磁性塗料の
塗布のみでなく、バックコート層やトップコート層を塗
布する際に使用することも可能である。
【0033】また、本発明の塗布装置を写真フィルムや
印画紙等の製造分野に適用することも可能である。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0035】第1の実施の形態 本実施の形態に係る塗布装置は、図1および図2に示さ
れるように、ダイ2先端にてスリット5を構成するリッ
プ4が支持体1に非接触に配設されているものである。
【0036】具体的には、この塗布装置は、非磁性で可
撓性を有する支持体1が巻き出し側から巻き取り側に亘
って図中A方向に順次走行される中途部に、所定の幅を
持った略直方体の金属ブロックからなるダイ(エクスト
ルーダ)2が配設されるとともに、支持体1を挟んでダ
イ2と反対側に、所定の幅を有する磁石部3が配設され
てなる。
【0037】ダイ2は、図中A方向に向かって走行する
支持体1の側方に配設され、該ダイ2の先端部に取り付
けられたリップ4が支持体1の表面と所定の間隔をもっ
て配設される。
【0038】このリップ4は、非磁性材料あるいは磁性
材料より構成され、その先端面に臨んでスリット5が塗
布幅に応じた幅を有して形成されている。このスリット
5は、磁性材料からなる塗料6が押し出される隙間とな
るものであって、通常0.01〜2.0mm程度の非常
に狭い隙間とされる。
【0039】なお、この塗布装置においては、下リップ
8の先端部を上リップ7の先端部よりも後退させてい
る。また、両リップ7,8は支持体1に非接触となされ
ているため、上リップ7の先端近傍をフロントブレード
として機能させたり、下リップ8の先端近傍をスムージ
ングブレードとして機能させることはない。
【0040】そして、スリット5の背面側には、該スリ
ット5と通ずるポケット(塗液溜り)9が形成される。
このポケット9は、上記スリット5の幅と略等しい長さ
をもってオリフィス状の空間として形成されている。
【0041】このポケット9の両端部には、図示しない
塗液供給口が上記ダイ2の両端面に開口するごとく設け
られており、これら塗液供給口には塗料6を導入するた
めの塗液供給管が接続されている。また、この塗液供給
管の中途部には、ポンプ10が取り付けられており、こ
のポンプ10により塗料6が上記塗液供給管からポケッ
ト9内に所定の圧力で圧送されるようになされている。
したがって、ポケット9は、圧送される塗料6を受ける
空間となり、アキュームレータの機能を持つことにな
る。そして、このポケット9内に圧送された塗料6は、
上記スリット5内に供給され、さらにスリット5の先端
部より走行する支持体1の表面に押し出されることとな
る。
【0042】一方、上述のようなダイ2によって塗料6
が塗布される支持体1は、図示しないガイドロールによ
って支持されるとともに、これらガイドロールにより適
当なテンションがかけられ、円滑な走行が行われるよう
になされている。また、ガイドロールは移動可能に配さ
れ、支持体1とリップ4先端との間隔を調整可能とする
とともに、ダイ2に対する支持体1の角度を調整可能と
している。
【0043】この支持体1を挟んで反対側にダイ2と所
定距離を有する隙間をあけて設けられる磁石部3は、永
久磁石11が上がN極、下がS極となされて、高透磁率
材料よりなるヨーク12間に挟み込まれてなる。そし
て、ヨーク12の上側(上ヨーク13)およびヨーク1
2の下側(下ヨーク14)はそれぞれその一端が永久磁
石11よりも突出しており、先端に向かってその厚みが
小さくなされている。また、下ヨーク14は、その先端
が上ヨーク13の先端に隣接するごとく屈曲している。
【0044】このため、この磁石部3においては、上ヨ
ーク13の先端と下ヨーク14の先端との間に磁気ギャ
ップ15が形成され、磁性材料を含む塗料6に向かっ
て、また、リップ4が磁性材料よりなる場合には該リッ
プ4にも向かって、磁気フラックスを生じさせることが
できる。
【0045】なお、上述した磁石部3は、図示しない
が、該磁石部3を任意の方向に移動可能とする支持台に
固定され、ヨーク12先端とリップ4先端との隙間d、
スリット5に対する磁気ギャップ15の高さ位置hが調
整可能となされている。ここでは、磁石部3における上
ヨーク13の下面(磁気ギャップ15の上端面に相当す
る。)の高さが、ダイ2における上リップ7の下面(ス
リット5の上端面に相当する。)の高さと一致する高さ
位置を0として、ダイ2に対する磁石部3の高さが高く
なる方向をプラス、ダイ2に対する磁石部3の高さが低
くなる方向をマイナスとして、磁気ギャップ15の高さ
位置hを設定する。
【0046】以上のような構成を有することにより、こ
の塗布装置においては、図中A方向に走行する支持体1
の表面に対して、ダイ2におけるリップ4の先端面に臨
んで形成されたスリット5より押し出された塗料6を付
着させるに際して、磁石部3における磁気ギャップ15
からの磁気フラックスにより塗料6の動きを保持して、
良好な塗布が行われることとなる。
【0047】また、この塗布装置においては、リップ4
先端が支持体1と当接しないため、支持体1表面を傷付
けたり、削ったりすることがなく、形成された塗膜に
塵、異物、支持体の削れ粉等による欠けスジを発生させ
にくい。
【0048】ところで、図1および図2においては、鉛
直方向上方から下方に向かって走行する支持体1に対し
て塗料を塗布するごとく、ダイおよび磁石部を配置した
図を示したが、本実施の形態に係る塗布装置はこれに限
定されない。具体的には、ダイ2および磁石部3の配設
位置に対する支持体1の走行方向は、スリット5の中心
が延在する面(以下、スリット中心面と称す。)と支持
体1の主面とが交わる線を中心とし、該スリット中心面
と支持体1の主面とが垂直となる角度を0°として、±
15°以内で回転させてもよい。
【0049】また、走行する支持体1とダイ2および磁
石部3との相対的な配置が上述の範囲内であれば、支持
体1の走行方向、ダイ2および磁石部3の配設方向は任
意に設定できる。即ち、図3に示されるように、ダイ2
におけるスリット中心面が水平面を基準として45°傾
いていてもよいし、図4に示されるように、スリット中
心面が水平面を基準として90°回転していてもよく、
同様に360°いずれの角度に回転していてもよい。
【0050】第2の実施の形態 本実施の形態に係る塗布装置においては、図5および図
6に示されるように、ダイ22の構成が第1の実施の形
態とは異なり、先端にてスリット5を構成するリップ2
4が支持体1に当接するごとく配設される。
【0051】この塗布装置においては、スリット5を構
成する上リップ27および下リップ28が磁性材料より
構成されている。また、上リップ27は、先端面近傍が
直線的に斜めに削り取られ、いわゆるくさび形となさ
れ、フロントブレードとして機能して、スリット5を通
って支持体1上に押し出される塗料6の塗布量を規制す
る。一方、下リップ28は、その先端面が突出して支持
体1に当接するごとく形成され、スムージングブレード
として機能して、支持体1上に供給された塗料6の表面
を平坦化する。
【0052】このような構成を有するダイ22によって
塗料6が塗布される支持体1は、ガイドロールにより適
当なテンションがかけられ、このガイドロールが移動可
能に配設されることにより、支持体1がリップ4側へ抱
き込まれる量(リップ4における支持体1の抱き量)が
調整される。
【0053】なお、その他の構成は、実施例1にて示し
た塗布装置と同一であり、このため、同じ部材について
は、図1および図2中で使用した符号と同じものを使用
し、説明を省略する。
【0054】以上のような構成を有することにより、こ
の塗布装置においては、図中A方向に走行する支持体1
の表面に対して、ダイ22におけるリップ24が当接さ
れ、この当接面でリップ24の先端面に臨んで形成され
たスリット5より塗料6が押し出され、磁石部3におけ
る磁気ギャップ15から磁性材料よりなる両リップ7,
8へ向かう磁気フラックスにより、スリット5から押し
出された塗料6の動きを保持しながら、塗膜が形成され
ることとなる。
【0055】
【実施例】以下、上述した第1の実施の形態、第2の実
施の形態にて示された塗布装置の塗布性能を調べるた
め、実際に、非磁性の支持体1上に磁性塗料を塗布し
た。
【0056】実施例1 ここでは、第1の実施の形態にて示された塗布装置の塗
布性能を調べるために、塗布装置における種々の設定を
行って磁性塗料の塗布を行った。
【0057】具体的には、図1、図2に示されるような
塗布装置を用い、下記の条件にて、走行する支持体1に
対して磁性塗料を塗布した。
【0058】塗布装置における設定 <ダイ> 全幅 : 130mm 塗布幅 : 110mm リップ4 : 超硬合金(磁性材料) 上リップ7の肉厚5mm、下リップ8の肉厚3mm 上リップ7に対して下リップ8を1mm後退 スリット5の隙間 : 0.3mm 支持体1とリップ4先端との距離: 0〜3.5mm <磁石部> 全幅 : 150mm 永久磁石11: ネオジューム合金磁石 リップ4近傍に4000ガウスの磁力を発生 ヨーク12 : S10C(高透磁率材料) 磁気ギャップ15の大きさ: 1mm スリット5に対する磁気ギャップ15の高さ位置: 0
mm 支持体1とヨーク12先端との距離: 0.5mm <塗料> 種類 : VHSビデオテープの磁性層形成用 塗布厚 : 2〜3μm(乾燥後) <支持体> 幅 : 127mm 厚さ : 14.5μm 材料 : ポリエチレンテレフタレート 塗布時張力 : 支持体全幅で3kgf 走行速度 : 400〜1000m/分 なお、支持体1の走行速度は、400〜1000m/分
の範囲で変化させ、その条件において良好な塗布が可能
となるように、支持体1のリップ4先端との距離を調整
した。
【0059】このようにして塗布を行うと、支持体1の
走行速度を1000m/分まで上げても、何等問題が生
じることなく塗布を行うことが可能であった。また、本
実施例のように、第1の実施の形態に示した塗布装置を
用いると、リップ4先端が支持体1と当接しないため、
支持体1表面を傷付けたり、削ったりすることがなく、
形成された塗膜に塵、異物、支持体1の削れ粉等による
スジが生じることもなかった。
【0060】比較のために、磁石部3を設けなかった以
外は上述したと同様の条件にて磁性塗料の塗布を行った
ところ、磁性塗料が支持体1にスダレ状に付着し、良好
な塗膜を形成することはできなかった。
【0061】また、本実施例にて塗布した磁性塗料の代
わりに、オーディオテープの磁性層形成用の磁性塗料
(酸化鉄系磁性粉末を使用)を用い、その他の条件は本
実施例と同様として塗布を行ったところ、本実施例と同
様、支持体1の走行速度を1000m/分まで上げて
も、何等問題が生じることなく塗布を行うことが可能で
あった。
【0062】さらに、支持体1の厚さを12〜14.5
μmの範囲で変更しても、磁性塗料の乾燥後の塗布厚を
2〜4μmの範囲で変更しても、ダイ2の先端にてスリ
ット5を構成する両リップ7,8を非磁性材料に変更し
ても、スリット5の間隔を0.26μmに変更しても、
本実施例と同様、支持体1の走行速度が1000m/分
なる高速となるまで良好な塗布を行うことができた。
【0063】これより、支持体1を挟みリップ4と反対
側に磁気ギャップ15を有する磁石部3が設けられた塗
布装置を用いて磁性塗料の塗布を行うと、オーバーフロ
ーや欠けスジのない良好な塗膜を高速形成できることが
わかった。
【0064】実施例2 ここでは、支持体1の幅および磁性塗料の塗布幅、磁性
塗料の種類等を実施例1とは異ならせて、磁性塗料の塗
布を行った。
【0065】具体的には、図1、図2に示されるような
塗布装置を用い、下記の条件にて、走行する支持体1に
対して磁性塗料を塗布した。
【0066】塗布装置における設定 <ダイ> 全幅 : 700mm 塗布幅 : 600mm スリット5の隙間 : 0.26mm <磁石部>実施例1と同様の構成 <塗料> 種類 : 8mmビデオテープの磁性層形成用
(メタル磁性粉末を使用) 塗布厚 : 1.5〜2μm(乾燥後) <支持体> 幅 : 620mm 厚さ : 8〜12μm 材料 : ポリエチレンテレフタレート そして、この条件において良好な塗布が可能となるよう
に、支持体1の走行速度を調整したところ、350m/
分においても何等問題が生じることなく塗布を行うこと
が可能であった。
【0067】これより、第1の実施の形態に係る塗布装
置は、磁性塗料の塗布幅、磁性塗料の種類等が変更させ
ても、非常に薄くても良好な塗膜を高速に形成できるこ
とがわかった。
【0068】実施例3 ここでも、支持体1の幅および磁性塗料の塗布幅、磁性
塗料の種類等を実施例1とは異ならせて、磁性塗料の塗
布を行った。
【0069】具体的には、図1、図2に示されるような
塗布装置を用い、下記の条件にて、走行する支持体1に
対して磁性塗料を塗布した。
【0070】塗布装置における設定 <ダイ> 全幅 : 1320mm 塗布幅 : 1220mm リップ4 : 超硬合金(非磁性材料) スリット5の隙間 : 0.26mm <磁石部>実施例1と同様の構成 <塗料> 種類 : VHSビデオテープの磁性層形成用 塗布厚 : 2〜2.7μm(乾燥後) <支持体> 幅 : 1240mm 厚さ : 12〜14.5μm 材料 : ポリエチレンテレフタレート そして、この条件において良好な塗布が可能となるよう
に、支持体1の走行速度を調整したところ、600m/
分においても何等問題が生じることなく塗布を行うこと
が可能であった。
【0071】これより、第1の実施の形態に係る塗布装
置は、磁性塗料の塗布幅、磁性塗料の種類等が変更させ
ても、良好な塗膜を高速に形成できることがわかった。
【0072】実施例4 ここでは、ダイ2および磁石部3の配設位置に対する支
持体1の走行方向を変化させて磁性塗料の塗布を行っ
た。
【0073】具体的には、図1、図2に示されるような
塗布装置を用い、下記の条件にて、走行する支持体1に
対して磁性塗料を塗布した。
【0074】塗布装置における設定 <ダイ>両リップ7,8が非磁性材料よりなる以外は実
施例1と同様の構成 <磁石部>実施例1と同様の構成 <塗料>種類は実施例1と同じ 塗布厚 : 2μm(乾燥後) <支持体>幅、厚さ、材料は実施例1と同じ 走行方向 : スリット中心面と支持体の主面とが交
わる線を中心とし該スリット中心面と支持体の主面とが
垂直となる角度を0°として、±30° 走行速度 : 250〜800m/分 なお、支持体1の走行方向を±30°以内で変化させ、
また、各条件において支持体1の走行速度も上記範囲で
変化させた。
【0075】このような設定にて塗布を行った結果を表
1に示す。なお、表1では、良好な塗布が行えた場合を
○、支持体1が両リップ7,8のいずれか、あるいは、
磁石部3の両ヨーク13,14のいずれかに接触してし
まう場合を×とする。
【0076】
【表1】
【0077】表1より、ダイ2および磁石部3に対し
て、支持体1の走行方向を±20°以上とすると、ダイ
2あるいは磁石部3のいずれかに接触しまうのに対し、
該支持体1の走行方向を±15°以内とすると、800
m/分までの高速塗布が良好に行えることがわかった。
但し、支持体1を±20°以上の走行方向とすると、ダ
イ2あるいは磁石部3のいずれかに接触するというのは
単なる設計上の問題である。
【0078】これより、ダイ2および磁石部3に対する
支持体1の走行方向が変化しても、良好な塗膜を高速形
成できることがわかった。
【0079】実施例5 ここでは、支持体1の走行方向、ダイ2および磁石部3
の配設方向を変更して磁性塗料の塗布を行った。
【0080】具体的には、図1、図2に示されるような
塗布装置を、図3に示されるように、ダイ2におけるス
リット中心面が水平面を基準として45°傾くように配
設し、下記の条件にて、走行する支持体1に対して磁性
塗料を塗布した。
【0081】塗布装置における設定 <ダイ> 全幅 : 1320mm 塗布幅 : 1220mm リップ4 : 超硬合金(非磁性材料) スリット5の隙間 : 0.26mm <磁石部>実施例1と同様の構成 <塗料> 種類 : オーディオテープの磁性層形成用 塗布厚 : 4〜6μm(乾燥後) <支持体> 幅 : 1240mm 厚さ : 8〜12μm 材料 : ポリエチレンテレフタレート そして、この条件において良好な塗布が可能となるよう
に、支持体1の走行速度を調整したところ、600m/
分においても何等問題が生じることなく塗布を行うこと
が可能であった。
【0082】これより、第1の実施の形態に係る塗布装
置は、支持体1の走行方向、ダイ2および磁石部3の配
設方向が45°傾いても、良好な塗膜を高速に形成でき
ることがわかった。
【0083】実施例6 ここでも、支持体1の走行方向、ダイ2および磁石部3
の配設方向を変更して磁性塗料の塗布を行った。
【0084】具体的には、図1、図2に示されるような
塗布装置を、実施例6同様、図3に示されるように、ダ
イ2におけるスリット中心面が水平面を基準として45
°傾くように配設し、下記の条件にて、走行する支持体
1に対して磁性塗料を塗布した。
【0085】塗布装置における設定 <ダイ> 全幅 : 1320mm 塗布幅 : 1220mm リップ4 : 超硬合金(非磁性材料) スリット5の隙間 : 0.26mm <磁石部>実施例1と同様の構成 <塗料> 種類 : 8mmビデオテープの磁性層形成用 塗布厚 : 2μm(乾燥後) <支持体> 幅 : 1240mm 厚さ : 8〜12μm 材料 : ポリエチレンテレフタレート そして、この条件において良好な塗布が可能となるよう
に、支持体1の走行速度を調整したところ、350m/
分においても何等問題が生じることなく塗布を行うこと
が可能であった。
【0086】これより、第1の実施の形態に係る塗布装
置は、支持体1の走行方向、ダイ2および磁石部3の配
設方向が傾き、磁性塗料の種類が異なっても、良好な塗
膜を高速に形成できることがわかった。
【0087】実施例7 ここでは、支持体1の走行方向、ダイ2および磁石部3
の配設方向をさらに変更して磁性塗料の塗布を行った。
【0088】具体的には、具体的には、図1、図2に示
されるような塗布装置を、図4に示されるように、ダイ
2におけるスリット中心面が水平面を基準として90°
傾くように配設し、下記の条件にて、走行する支持体1
に対して磁性塗料を塗布した。
【0089】塗布装置における設定 <ダイ> 全幅 : 700mm 塗布幅 : 600mm リップ4 : 超硬合金(非磁性材料) スリット5の隙間 : 0.26mm <磁石部>実施例1と同様の構成 <塗料> 種類 : VHSビデオテープの磁性層形成用 塗布厚 : 2μm(乾燥後) <支持体> 幅 : 620mm 厚さ : 12〜14.5μm 材料 : ポリエチレンテレフタレート そして、この条件において良好な塗布が可能となるよう
に、支持体1の走行速度を調整したところ、600m/
分においても何等問題が生じることなく塗布を行うこと
が可能であった。
【0090】これより、第1の実施の形態に係る塗布装
置は、支持体1の走行方向、ダイ2および磁石部3の配
設方向が90°傾いても、良好な塗膜を高速に形成でき
ることがわかった。
【0091】実施例8 本実施例では、第2の実施の形態にて示された塗布装置
の塗布性能を調べるために、塗布装置における種々の設
定を行って磁性塗料の塗布を行った。
【0092】具体的には、図5、図6に示されるような
塗布装置を用い、下記の条件にて、走行する支持体1に
対して磁性塗料を塗布した。
【0093】塗布装置における設定 <ダイ> 全幅 : 160mm 塗布幅 : 110mm リップ24 : 超硬合金(磁性材料) 上リップ27の肉厚5mm 下リップ28の肉厚3mm スリット5の隙間 : 0.3mm <磁石部> 全幅 : 150mm 永久磁石11: ネオジューム合金磁石 リップ24近傍に500〜4000ガウスの磁力発生 ヨーク12 : S10C(高透磁率材料) 磁気ギャップ15の大きさ:1mm ヨーク12先端とリップ24先端との隙間d: 0.2
〜3mm スリット5に対する磁気ギャップ15の高さ位置h:
±1.0mm <塗料> 種類 : VHSビデオテープの磁性層形成用 塗布厚 : 2〜3μm(乾燥後) <支持体> 幅 : 125mm 厚さ : 14μm 材料 : ポリエチレンテレフタレート 張力 : 支持体全幅で3〜4kgf 走行速度 : 400〜600m/分 なお、リップ24近傍に発生させる磁力は、500〜4
000ガウスの範囲で変化させた。また、その磁力にお
いて良好な塗布(オーバーフローや欠けスジがない状
態)が可能となるように、支持体1の抱き量の他、ヨー
ク12とリップ24との隙間d、スリット5に対する磁
気ギャップ15の高さ位置h、支持体1の走行速度も調
整した。
【0094】このようにして、磁力を変化させながら磁
性塗料の塗布を行ったとき、良好な塗布が可能となる最
高塗布速度を調べたところ、表2に示されるような結果
となった。なお、表2には、最高塗布速度を達成できる
ヨーク12先端とリップ24先端との隙間d、スリット
5に対する磁気ギャップ15の高さ位置hの範囲を併せ
て示す。また、比較のために、磁石部3を設けなかった
以外は上述したと同様の設定の塗布装置を用いた場合の
最高塗布速度も併せて示す。
【0095】
【表2】
【0096】表2より、ダイ22に対向させて磁石部2
3を配設することにより、最高塗布速度を上げることが
できること、リップ24近傍に発生させる磁力を大きく
するほど、ヨーク12先端とリップ24先端との隙間d
やスリット5に対する磁気ギャップ15の高さ位置hの
設定をラフとしても、最高塗布速度を速くすることがで
きることがわかる。但し、磁力を3000ガウス以上と
しても、それ以上最高塗布速度を上がっていないことも
わかる。
【0097】これより、3000ガウス以上の磁力をリ
ップ24近傍に発生させ、ヨーク12先端とリップ24
先端との隙間dを0.2〜3.0mm、スリット5に対
する磁気ギャップ15の高さ位置hを±1.0mmとす
ると、磁性塗料を高速塗布できることがわかる。
【0098】また、ここでは、リップ24を磁性材料よ
り構成したが、比較のためリップ24を非磁性材料より
構成して、同様に磁性塗料の塗布を行った。具体的に
は、リップ24近傍に3000ガウスの磁力を発生させ
て磁性塗料を塗布し、このときの最高塗布速度を調べ
た。
【0099】この結果、リップ24が磁性材料よりなる
場合には、表2にも示されるように、最高塗布速度が6
00m/分であったのに対し、リップ24を非磁性材料
より構成した場合には、最高塗布速度が500m/分と
なった。
【0100】これより、第2の実施の形態に示されるよ
うな、ダイ22先端にてスリット5を構成するリップ2
4が支持体1に当接するごとく配設された塗布装置にお
いては、リップ24を磁性材料より構成することが好ま
しく、これにより、磁石部3からの磁気フラックスを集
中させることができ、磁性塗料の動きを良好に保持でき
るようになることがわかる。
【0101】以上、本発明に係る塗布装置について説明
したが、本発明の塗布装置は、上述した実施の形態に示
される構成に限定されるものではなく、また、上述した
実施例に示される条件に限定されるものではなく、種々
の変形変更が可能である。
【0102】例えば、上述の実施例では磁石部3におけ
る永久磁石11としてネオジューム合金磁石を用いた
が、所望の磁力を有するものであれば、他の材料よりな
るものを用いてもよく、また、永久磁石11の代わりに
電磁石を用いてもよい。また、磁石部3におけるヨーク
12の形状も、磁石部3の先端同士が隣接し、両先端間
に所望の大きさの磁気ギャップ15が構成できれば、必
ずしも下ヨーク14を屈曲させずともよい。
【0103】さらに、ダイ2においても、リップ4をS
10Cなる磁性材料より構成したが、他の磁性材料であ
ってもよいし、リップ4のみならずダイ2全体を磁性材
料より構成してもよい。
【0104】また、第1の実施の形態に示されるよう
な、リップ24が支持体1に非接触に配設される塗布装
置においては、実施例5,6,7にて、ダイ2および磁
石部3の配設方向を45°、90°に傾けた場合につい
て説明したが、360°いずれの角度に傾けてもよい。
さらに、第2の実施の形態に示されるような、リップ2
4が支持体1に当接される塗布装置においても、ダイ2
および磁石部3の配設方向を任意に変更することができ
る。
【0105】その他、支持体1に塗布される塗料6の種
類や、適用される分野等も限定されない。
【0106】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る塗布装置においては、磁石部の磁気ギャップに
よって絞り込まれた磁気フラックスによって、支持体上
に供給される塗料の動きを保持することができる。この
ため、本発明に係る塗布装置を用いると、高速塗布およ
び薄膜塗布を行う場合にも、異常な塗料挙動の発生を防
止でき、安定した塗布を行うことができる。
【0107】したがって、本発明を適用することによっ
て、良好な塗膜を生産性よく形成することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塗布装置の一構成例を示す模式的
断面図である。
【図2】本発明に係る塗布装置の一構成例を示す要部斜
視図である。
【図3】図1の塗布装置を、支持体の走行方向、ダイお
よび磁石部の配設方向が45°傾くように配設した状態
を示す模式的断面図である。
【図4】図1の塗布装置を、支持体の走行方向、ダイお
よび磁石部の配設方向が90°傾くように配設した状態
を示す模式的断面図である。
【図5】本発明に係る塗布装置の他の構成例を示す模式
的断面図である。
【図6】本発明に係る塗布装置の他の構成例を示す要部
斜視図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 ダイ 3 磁石部 4 リップ 5 スリット 6 塗料 7 上リップ 8 下リップ 9 ポケット 11 永久磁石 12 ヨーク 13 上ヨーク 14 下ヨーク 15 磁気ギャップ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗料が供給される塗料溜りを有してなる
    ダイを備え、連続的に走行する支持体上に前記ダイ先端
    に設けられたスリットより塗料を押し出しながら塗布す
    るエクストルージョン型の塗布装置において、 先端同士が隣接して磁気ギャップが構成されてなる磁石
    部が、前記支持体を挟み前記ダイと反対側に、該磁気ギ
    ャップが前記ダイ先端に対向するように配設されている
    とともに、 前記ダイ先端にて前記スリットを構成する上リップおよ
    び下リップが、それぞれ前記支持体に非接触に配設され
    ることを特徴とする塗布装置。
  2. 【請求項2】 前記上リップおよび前記下リップがそれ
    ぞれ磁性材料より構成されていることを特徴とする請求
    項1記載の塗布装置。
  3. 【請求項3】 前記磁石部先端と前記ダイ先端との隙間
    が、0.2〜3mmとなされることを特徴とする請求項
    1記載の塗布装置。
  4. 【請求項4】 前記磁石部は、前記磁気ギャップの上端
    面が、前記スリットの上端面の高さを基準として±1m
    mなる範囲に位置するように配設されることを特徴とす
    る請求項1記載の塗布装置。
  5. 【請求項5】 前記磁石部は、前記両リップの近傍に5
    00〜6000ガウスの磁力を持たせることを特徴とす
    る請求項1記載の塗布装置。
  6. 【請求項6】 塗料が供給される塗料溜りを有してなる
    ダイを備え、連続的に走行する支持体上に前記ダイ先端
    に設けられたスリットより塗料を押し出しながら塗布す
    るエクストルージョン型の塗布装置において、 先端同士が隣接して磁気ギャップが構成されてなる磁石
    部が、前記支持体を挟み前記ダイと反対側に、該磁気ギ
    ャップが前記ダイ先端に対向するように配設されている
    とともに、 前記ダイ先端にて前記スリットを構成する上リップおよ
    び下リップが、それぞれ磁性材料より構成され、前記支
    持体に接触するごとく配設されることを特徴とする塗布
    装置。
  7. 【請求項7】 前記磁石部先端と前記ダイ先端との隙間
    が、0.2〜3mmとなされることを特徴とする請求項
    6記載の塗布装置。
  8. 【請求項8】 前記磁石部は、前記磁気ギャップの上端
    面が、前記スリットの上端面の高さを基準として±1m
    mなる範囲に位置するように配設されることを特徴とす
    る請求項6記載の塗布装置。
  9. 【請求項9】 前記磁石部は、前記両リップの近傍に5
    00〜6000ガウスの磁力を持たせることを特徴とす
    る請求項6記載の塗布装置。
JP30306995A 1995-05-23 1995-11-21 塗布装置 Withdrawn JPH0938560A (ja)

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JP30306995A JPH0938560A (ja) 1995-05-23 1995-11-21 塗布装置
US08/651,720 US5704978A (en) 1995-05-23 1996-05-22 Coating apparatus
FR9606400A FR2734500B1 (fr) 1995-05-23 1996-05-23 Appareil de revetement

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JP7-123434 1995-05-23
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000001731A (ko) * 1998-06-13 2000-01-15 구광시 자성도료 도포장치

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20000001731A (ko) * 1998-06-13 2000-01-15 구광시 자성도료 도포장치

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