JPH0946807A - パンタグラフ姿勢制御装置 - Google Patents

パンタグラフ姿勢制御装置

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JPH0946807A
JPH0946807A JP19679695A JP19679695A JPH0946807A JP H0946807 A JPH0946807 A JP H0946807A JP 19679695 A JP19679695 A JP 19679695A JP 19679695 A JP19679695 A JP 19679695A JP H0946807 A JPH0946807 A JP H0946807A
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Yasuo Tsuyuki
保男 露木
Haruhiko Kawasaki
治彦 川崎
Junichi Arai
順一 荒井
Koichi Sasaki
浩一 佐々木
Hiroyuki Kato
博之 加藤
Akihiro Kawakami
哲広 川上
Taketoshi Hasegawa
武利 長谷川
Kazuo Aso
和夫 麻生
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Tokyu Car Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車体の傾斜を油圧的に検出し、かつ油圧を利
用してパンタグラフを移動させることにより、レイアウ
ト上の制約がなく、かつ安定性や信頼性を向上させる。 【解決手段】 屋根上で進行方向に対して左右方向に移
動自由なパンタグラフ1の支持台2と、この支持台2を
左右に駆動する保持シリンダ17と、車体3と台車4と
の間の相対的な傾斜に応じてストロークする傾斜検出シ
リンダ22a,22bと、この傾斜検出シリンダ22
a,22bの両油室と前記保持シリンダ17との両油室
とを互いに連通して作動油を流通させる回路30a,3
0bとを備え、車体3の傾斜制御時に傾斜検出シリンダ
22a,22bからの作動油を保持シリンダ17に供給
して曲線路外方にパンタグラフ1を変位させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は振子型車両等に最適なパ
ンタグラフの姿勢制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道用車両にあって曲線路走行時に車体
を曲線路内方に傾斜させることにより、曲線路走行の高
速安定性を向上させるようにした振子型車両がある。
【0003】この振子型車両では通常の非傾斜型の車両
に比較して車体が傾斜する分だけ、パンタグラフが架線
に対して左右に偏位し、パンタグラフの中心からずれた
位置で架線と接触することになる。
【0004】パンタグラフの架線に対する接触位置を常
に中心付近に保ち、常時良好な給電状態を維持するた
め、例えば特開平5−115104号公報によれば、図
9に示すように、パンタグラフ1の支持台2を車体3の
進行方向に対して左右方向に摺動変位できるようにする
と共に、車体3とその台車4との間の相対的な傾きをワ
イヤ5により検出し、このワイヤ5をパンタグラフ1の
支持台2に連結することにより、車体3の傾斜時にパン
タグラフ支持台2を曲線路外方へと移動させ、常にパン
タグラフ1のほぼ中心で架線6と接触させるようにした
ものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このパンタグ
ラフ姿勢制御装置では、台車4に対する車体3の傾きを
ワイヤ5を介して屋根の上のパンタグラフ1に伝達する
構造のため、ワイヤ5の索取りなどにレイアウトの制約
があり、パンタグラフ1との位置関係においても自由な
設定が難しいという問題があった。例えば、通常、台車
4は車体3の前方と後方の2箇所に配置されるが、この
構造では、台車4の真上にパンタグラフ1を位置させる
必要があり、パンタグラフ1も車体3の前方または後方
にしか配置できなくなる。
【0006】また、曲線路走行時など台車4と車体3と
の間で水平面においても旋回運動を生じるが、このとき
にワイヤ5が拗れたり、捩れたりすることになり、この
ためにワイヤ5の寿命が短くなりがちで、信頼性に欠
け、またメンテナンスの費用も高くつく。
【0007】そこで本発明は、車体の傾斜を油圧的に検
出し、かつ油圧を利用してパンタグラフを移動させるこ
とにより、レイアウト上の制約がなく、かつ安定性や信
頼性を向上させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、台車に対
して車体を曲線路走行中に曲線路内方に傾斜させる鉄道
用車両において、車体の屋根上で進行方向に対して左右
方向に移動自由に構成されたパンタグラフの支持台と、
この支持台を左右に駆動する保持シリンダと、車体と台
車との間の相対的な傾斜に応じてストロークする傾斜検
出シリンダと、この傾斜検出シリンダの両油室と前記保
持シリンダとの両油室とを互いに連通して作動油を流通
させる回路とを備え、車体の傾斜制御時に傾斜検出シリ
ンダからの作動油を保持シリンダに供給して傾斜と反対
側にパンタグラフの支持台を変位させるようにする。
【0009】第2の発明は、第1の発明において、前記
パンタグラフの支持台が支点を中心に左右に旋回自在に
支持され、この支持台を中立位置に向けて付勢する左右
一対の復元シリンダを備える。
【0010】第3の発明は、第2の発明において、前記
復元シリンダは支持台を付勢するスプリングと、傾斜制
御時に油圧の供給を受けてスプリングの付勢力を相殺す
るように作動するピストンとを備える。
【0011】第4の発明は、第1または第2の発明にお
いて、前記傾斜検出シリンダは車体の左右に一対設けら
れ、これら両傾斜検出シリンダの油室は同相の傾斜によ
り共に作動油の排出される油室間と吸込まれる油室間が
相互に連通する。
【0012】第5の発明は、第1または第4の発明にお
いて、前記各連通回路に対しては電磁弁を介して油圧源
に接続し、制御の開始時に電磁弁を開いて作動油を補給
する。
【0013】第6の発明は、第5の発明において、前記
各連通回路はリリーフ弁を介して低圧側と連通する。
【0014】第7の発明は、第5の発明において、前記
各連通回路はオリフィスを介してアキュームレータと連
通する。
【0015】第8の発明は、第1の発明において、保持
シリンダのストローク量を検出する手段を設け、保持シ
リンダの作動状態を監視する。
【0016】
【作用】第1の発明において、曲線路走行時など曲線路
内方に向けて車体を傾けると、台車に対する車体の傾斜
に応じて傾斜検出シリンダがストロークし、一方の油室
から作動油を押し出し、他方の油室には作動油を吸込
む。このため、この傾斜検出シリンダに連通する保持シ
リンダの一方の油室に作動油が送り込まれ、他方の油室
からは作動油が吸い出され、保持シリンダが車体の傾斜
に対応してストロークする。これにより、パンタグラフ
の支持台が変位していき、パンタグラフの位置を屋根の
中心から傾斜と反対側に変位させる。
【0017】車体の傾斜に伴いパンタグラフの中心は架
線から曲線路内方にずれようとするが、このように保持
シリンダが傾斜に対応してストロークすることにより、
パンタグラフの支持台が曲線路外方に向けて移動するの
で、常にパンタグラフの中心で架線と接触させられる。
【0018】第2の発明では、パンタグラフの支持台は
復元シリンダによっても中立位置に向けて付勢されるの
で、たとえ保持シリンダの作動が不完全であっても、復
元シリンダの働きにより、確実にパンタグラフの支持台
を中立位置に復帰させることができる。
【0019】第3の発明では、傾斜制御時には復元シリ
ンダは油圧によりスプリングの付勢力を相殺するように
ピストンがストロークし、保持シリンダによりパンタグ
ラフの支持台の位置制御に不要な作用力を及ぼすことが
ない。
【0020】第4の発明では、左右一対の傾斜検出シリ
ンダの両油室は、互いにたすきがけに連通しているの
で、車体が台車に対して上下動したときなど、つまり左
右が同位相変位したときなど、保持シリンダに作動油を
送り込むことがなく、保持シリンダの挙動が不安定化す
るのを防止する。また、台車に対して車体が傾斜したと
きには、逆位相変位により多量の作動油を移動させ、保
持シリンダを確実に作動させることができる。
【0021】第5の発明では、電磁弁を制御の開始前毎
に開くことにより、漏洩した作動油を連通回路内に補給
し、常に応答性のよい作動を保証する。
【0022】第6の発明では、連通回路内の圧力が温度
上昇等により所定値以上に高まったときなど、リリーフ
弁を介して低圧側に逃がし、回路圧力の異常上昇を回避
できる。
【0023】第7の発明では、アキュームレータにより
油温上昇時など連通回路から作動油を逃がし、逆に油温
の低下時など補給することができる。
【0024】第8の発明では、保持シリンダのストロー
ク量を検出し、作動状態を監視するので、パンタグラフ
の姿勢位置が適正制御されているか、適確に把握でき、
異常時には直ちに適切な処置をとることができる。
【0025】
【実施の形態】図1〜図5に本発明の実施の形態を示す
が、本発明の車両は、曲線路走行時の安定性を維持する
ために、車体3を台車4に対して曲線路内方に傾斜させ
る装置を備えている(特開平5−115104号参
照)。
【0026】このような車両において、曲線路走行時に
もパンタグラフ1のほぼ中心で架線6との接触を維持す
るように、パンタグラフ1を取付けた支持台2が、車体
3の屋根上において、支持軸11を中心にガイドレール
12に案内されつつ、進行方向に対して屋根と平行な面
において左右方向に旋回自由に支持されている。
【0027】したがって、支持台2が旋回するとパンタ
グラフ1の位置も左右に変位し、車体3が傾斜しても、
架線6に対する相対位置を一定に保つ。
【0028】支持台2はT型アーム部13の先端に前記
支持軸11が配置され、T型アーム部13に支持枠14
が連結し、支持枠14の後端に配置した一対のローラ1
5がガイドレール12に沿って摺動する。
【0029】T型アーム部13には支持台2の姿勢位置
を制御する保持シリンダ17が連結される。保持シリン
ダ17は両ロッドシリンダとして構成され、そのシリン
ダ部17aがT型アーム部13にピン結合すると共に、
ロッド17bの両端が車体3の屋根にブラケット19を
介して連結され、車体3の傾斜制御時に保持シリンダ1
7の左右の油室18a,18bに対する作動油の給排に
よりストロークし、支持台2を支持軸11を中心にして
左右に旋回させる。
【0030】また、T型アーム部13の両側に位置し
て、一対の復元シリンダ20a,20bが設けられ、こ
のシリンダ20a,20bにより、後述するように車体
3の非傾斜制御時にパンタグラフ1の支持台2を中立位
置に復帰させる。
【0031】前記保持シリンダ17に対して作動油の給
排を制御するために、車体3と台車4との間の相対変位
に応じて作動する一対の傾斜検出シリンダ22a,22
bが設けられる。傾斜検出シリンダ22a,22bは台
車4の左右に配置され、ブラケット23により車体3の
下面に取付けられると共に、そのロッド先端にL字型の
リンク24が連結され、かつリンク24の他端に台車4
の一部に連結したリンクロッド25に連係する。
【0032】リンク24の中間軸24aは車体側に支持
され、車体3と台車4との間に相対変位を生じると、中
間軸24aを中心にリンク24が揺動し、この動きを傾
斜検出シリンダ22a,22bに伝達し、これをストロ
ークさせる。傾斜検出シリンダ22a,22bのストロ
ーク方向は、車体3と台車4の中立状態からの相対変位
が大きくなるときと、小さくなるときとで異なり、これ
により油室26a,26bが相反的に収縮と拡大を行
う。
【0033】そして、左右の傾斜検出シリンダ22a,
22bの油室26a,26bは、車体3の同一の傾斜に
対して、互いに拡大側の油室同士、縮小側の油室同士が
連通するように、たすきがけに回路28a,28bによ
り接続される。
【0034】同時にこの傾斜検出シリンダ22a,22
bの回路28a,28bは、前記した保持シリンダ17
と回路30a,30bにより接続されるのであり、この
場合、保持シリンダ17の一方の油室18aは回路30
aと、また他方の油室18bは回路30bと接続するこ
とより、車体3が曲線路走行時に曲線路内方に傾斜した
ときに、パンタグラフ1の支持台2を屋根の中心位置か
ら、傾斜と反対側、つまり曲線路外方に向けて移動させ
るように傾斜検出シリンダ22a,22bからの作動油
を保持シリンダ17の一方の油室18aまたは18bに
送り込み、かつ保持シリンダ17の他方の油室18bま
たは18aからの作動油を吸入する。
【0035】なお、回路30a,30bの途中には、そ
れぞれオリフィス31とチェック弁32が介装され、保
持シリンダ17からの作動油の排出に抵抗を付与する一
方、吸入は円滑に行われるようにする。また、回路28
a,28bは車体3と傾斜検出シリンダ22a,22b
との間を接続する部分は、伸縮性のあるフレキシブルチ
ューブとして、可動部分における回路のこじれ力や捩れ
力を吸収する構造とする。
【0036】このようにして、傾斜検出シリンダ22
a,22bが車体3の傾斜を検出すると、保持シリンダ
17を駆動してパンタグラフ1の中心が架線6と接触す
るようにパンタグラフ1の姿勢を制御する。
【0037】回路30a,30bに対しては、第1、第
2の電磁弁33a,33bを介して高圧回路35と接続
し、これら電磁弁33a,33bが開いたときには、減
圧弁34aを介して、例えば5Kg/cm2程度に減圧
された作動油が、回路30a,30bに補給される。
【0038】また、同時に回路30a,30bはリリー
フ弁36a,36bを介して低圧回路37にも接続し、
回路30a,30bの圧力が所定の高圧値、例えば15
0Kg/cm2に達したら作動油の一部を逃がし、高温
時など回路圧力の異常上昇を回避する。
【0039】なお、このリリーフ弁36a,36bの代
わりに、回路30a,30bをそれぞれオリフィスを介
してアキュームレータに接続し、高温時の圧力上昇を回
避し、かつ低温時などは自動的に補給するようにしても
よい。ただし、アキュームレータの容量は作動油の膨張
分を吸収しうる程度に小さく設定し、保持シリンダ17
の通常の作動に応答遅れなどを生じないようにする。
【0040】さらに、前記した復元シリンダ20a,2
0bは、非傾斜制御時に支持台2を中立位置に保持する
ためピストンロッド41を伸長側に付勢するスプリング
40が設けられる一方、傾斜制御時にピストン42に油
圧を作用させてピストンロッド41を収縮させるため、
油室39が三方切換電磁弁43を介して前記高圧回路3
5と低圧回路37に選択的に接続される。なお34bは
減圧弁である。
【0041】これにより、車体3の傾斜制御時に復元シ
リンダ20a,20bが保持シリンダ17の作動に影響
を及ぼすことのないようにしている。
【0042】前記した各電磁弁33a,33b、43の
作動を制御するためにコントローラ50が設けられ、車
体3の傾斜制御に関連して、後述するように各電磁弁の
作動を制御する。また、このコントローラ50には車体
傾斜制御装置からの制御信号が入力し、さらに保持シリ
ンダ17の作動ストローク量を検出するセンサ45から
の信号(SSC)も入力し、保持シリンダ17の作動範
囲が正常領域にあることを確認し、正常範囲を越えたと
きには異常警報を出力し、必要ならば、パンタグラフ1
を強制的に降下させるように制御する。
【0043】具体的には図6のフローチャートに示すよ
うに、まずステップ1で各電磁弁(SOL1〜3)を所
定の短時間だけいったんオフにする。これにより、電磁
弁33a,33bが開いて回路30a,30bに所定の
作動油が補給され、また電磁弁43により復元シリンダ
20a,20bの圧力が抜かれる。
【0044】次いで、ステップ2で電磁弁をオンにする
と、電磁弁33a,33bが閉じて、回路30a,30
bが密閉回路となり、また電磁弁43により復元シリン
ダ20a,20bに作動油が供給され、復元シリンダ2
0a,20bがスプリング40に抗して収縮する。
【0045】そして、ステップ3では傾斜制御中かどう
かを判断し、制御中ならばステップ4に移り、電磁弁を
そのまオン状態に維持し、さらにステップ5でストロー
クセンサ45の出力から保持シリンダ17の作動範囲が
正常かどうか、また電磁弁への通電電流を検出しなが
ら、正常に切換動作しているかどうかを判断する。
【0046】正常ならば、そのままステップ3に戻り、
上記した動作を繰り返す。
【0047】これに対して、ステップ3で傾斜制御中で
ないと判断されたときはステップ6に移り、総ての電磁
弁をオフにして最初の状態に戻す。これにより、作動油
が補給され、かつ復元シリンダ20a,20bから作動
油が排出され、復元シリンダ20a,20bがスプリン
グ40により伸びだし、パンタグラフ1の支持台2を中
立位置に維持する。
【0048】なお、ステップ5で保持シリンダ17や電
磁弁の作動が正常でないと判断されたときは、ステップ
7に移り、電磁弁をオフにし、さらにステップ8で動作
異常信号を車両の傾斜制御回路に出力し、異常を警報
し、さらに必要ならばステップ9においてパンタグラフ
1を緊急降下させる。
【0049】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0050】車両の曲線路走行時など車体3は台車4に
対して曲線路内方に向けて傾けられる傾斜制御が行わ
れ、このため、架線6に対してパンタグラフ1の接触位
置が、中心からずれるようとする。
【0051】しかし、このとき、たとえば図5におい
て、車体3が時計回り方向に傾斜したとすると、この傾
斜に応じて傾斜検出シリンダ22a,22bが中立状態
からストロークし、リンク24が共に反時計回りに回動
し、ピストンロッドがいずれも左方に移動し、両方の油
室26bが縮小して作動油が排出され、これに対して油
室26aが拡大して作動油が吸込まれる。
【0052】これに伴い回路28bに送り出された作動
油は、回路30bから保持シリンダ17の左側の油室1
8bに送り込まれ、同時に回路28a、30aを介して
連通する右側の油室18aから作動油が吸い出され、こ
れにより保持シリンダ17がパンタグラフ1の支持台2
を支持軸11を中心に旋回させ、パンタグラフ1を曲線
外方、つまり傾斜と反対方向に変位させる。
【0053】このパンタグラフ1の変位量は、車体3の
傾斜角度が大きくなるほど、傾斜検出シリンダ22a,
22bのストローク量が大きくなり、作動油の移動量も
増大するため、傾斜角度の増加に応じて増大する。この
結果、車体3が傾斜しても架線6に対して、パンタグラ
フ1のほぼ中心で接触することができ、常に良好な給電
が行われる。
【0054】車体3の傾斜方向が上記と逆になれば、傾
斜検出シリンダ22a,22bのストローク方向が逆転
し、保持シリンダ17は逆方向に変位し、パンタグラフ
1の支持台2をやはり傾斜と反対方向に変位させ、架線
6との接触位置がパンタグラフ1の中心となるように維
持する。
【0055】ところで、一対の傾斜検出シリンダ22
a,22bを設けてたすきがけに作動油の給排を行って
いるため、直線路走行時などを含めて、車体3が上下に
振動する場合、左右の傾斜検出シリンダ22a,22b
は同一位相で伸縮するが、このとき左右の油室26aは
相反的に拡縮し、同じく油室26bも相反的に拡縮する
ので、作動油は互いの油室間に吸収され、保持シリンダ
17に対する作動油の出入はなくなる。このため、車体
3の振動等によって保持シリンダ17がストロークする
ようなことがなく、パンタグラフ1の姿勢位置制御に誤
作動を生じることもない。
【0056】復元シリンダ20a,20bは通常の傾斜
制御時には、コントローラ50により三方切換電磁弁4
3を介して作動油が供給され、収縮しているため、保持
シリンダ17によりパンタグラフ1の位置制御について
は抵抗を及ぼすことはないが、制御開始時には電磁弁4
3が切換わり、作動油を排出するため、スプリング40
により支持台2を中立位置に復帰させる。
【0057】このため、制御の開始時にはこの復元シリ
ンダ20a,20bにより、確実に中立位置を保つこと
ができ、仮に保持シリンダ17の作動に異常を生じたと
きでも、いわゆるフェールセーフによりパンタグラフ1
を中立位置に姿勢制御することができる。
【0058】また、傾斜制御時にあっても、ストローク
センサ45からの信号により保持シリンダ17の作動ス
トロークが正常の範囲を越えたときには異常が警報され
るが、このときにも電磁弁33a,33bを切換え、減
圧弁34aを介して保持シリンダ17を低圧側に解放す
ると共に、三方切換電磁弁43を切換えて復元シリンダ
20a,20bの作動油を排出することにより、強制的
にパンタグラフ1を中立位置に戻すことが可能となる。
【0059】他方、作動油の温度上昇により、作動油が
膨張したときなど、リリーフ弁36a,36bの働きで
余剰油を逃がすので、回路圧力が異常に上昇することが
ない。なお、電磁弁33a,33bは所定の制御の開始
毎にオフとなり、このときに作動油の補給が行われるの
で、余剰油をリリーフした後に温度が低下したときで
も、回路内が負圧化するようなおそれはない。
【0060】次に図7、図8の実施の形態を説明する
と、この実施形態は復元シリンダ20a,20bを、車
体前後方向に支持軸11を挟んで互いに平行に配置し、
支持台2のT型アーム部13を押圧するようにしたもの
である。
【0061】このように、支持軸11からのモーメント
アームの遠い(長い)部分を復元シリンダ20a,20
bにより押圧することより、中立位置への復帰時のシリ
ンダスプリング付勢力を小さくでき、あるいはスプリン
グ付勢力が同一ならば復元力を大きくすることができ
る。
【0062】もちろん、傾斜制御時には復元シリンダ2
0a,20bには油圧が作用し、収縮するので、保持シ
リンダ17によるパンタグラフ1の支持台2の作動を阻
害することはない。
【0063】
【発明の効果】第1の発明によれば、曲線路走行時など
曲線路内方に向けて車体を傾けると、台車に対する車体
の傾斜に応じて傾斜検出シリンダがストロークし、保持
シリンダの一方の油室に作動油が送り込まれ、他方の油
室からは作動油が吸い出され、これに応じて保持シリン
ダが車体の傾斜と反対側に移動し、パンタグラフの支持
台を変位させてパンタグラフの中心で架線と接触するよ
うに姿勢制御し、常に安定した給電を行うことができ、
この場合、車体の傾斜を油圧的に検出してパンタグラフ
の姿勢を制御する保持シリンダを駆動するので、パンタ
グラフと傾斜検出シリンダとの位置関係にはレイアウト
上の制約がなく、設置の自由度が高まり、さらに作動の
信頼性や安定性も高い。
【0064】第2の発明によれば、パンタグラフの支持
台は復元シリンダによっても中立位置に向けて付勢され
るので、曲線路走行から直線路走行に戻ったときには、
たとえ保持シリンダの作動が不完全であっても、復元シ
リンダの働きにより、確実にパンタグラフの支持台を中
立位置に復帰させることができる。
【0065】第3の発明によれば、傾斜制御時には復元
シリンダは油圧によりスプリングの付勢力を相殺するよ
うにピストンがストロークし、保持シリンダによるパン
タグラフの支持台の姿勢制御に不要な作用力を及ぼすこ
とがなく、姿勢制御の応答性や安定性を高める。
【0066】第4の発明によれば、左右一対の傾斜シリ
ンダの両油室は、互いにたすきがけに連通しているの
で、車体が台車に対して上下動したときなど、つまり左
右が同位相変位したときなど、保持シリンダに作動油を
送り込むことがなく、保持シリンダの挙動の不安定化を
防止する。
【0067】第5の発明によれば、電磁弁を所定の制御
の開始毎に開くことにより、漏洩した作動油を連通回路
内に補給し、常に応答性のよい作動を保証する。
【0068】第6の発明によれば、連通回路内の圧力が
温度上昇等により所定値以上に高まったときなど、リリ
ーフ弁を介して低圧側に逃がし、回路圧力の異常上昇を
回避できる。
【0069】第7の発明によれば、アキュームレータに
より油温上昇時など連通回路から作動油を逃がし、逆に
油温の低下時など補給することができる。
【0070】第8の発明によれば、保持シリンダのスト
ローク量を検出し、作動状態を監視するので、パンタグ
ラフの姿勢位置が適正制御されているか、適確に把握で
き、異常時には直ちに適切な処置をとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】同じくパンタグラフの平面図である。
【図3】同じくパンタグラフの正面図である。
【図4】同じく傾斜検出シリンダの側面図である。
【図5】同じく油圧回路の回路図である。
【図6】同じくコントローラの制御動作を示すフローチ
ャートである。
【図7】他の実施の形態を示すパンタグラフの平面図で
ある。
【図8】同じくパンタグラフの正面図である。
【図9】従来例を示す正面図である。
【符号の説明】
1 パンタグラフ 2 支持台 3 車体 4 台車 13 T型アーム部 17 保持シリンダ 20a,20b 復元シリンダ 22a,22b 傾斜検出シリンダ 28a,28b 回路 30a,30b 連通回路 33a,33b 電磁弁 36a,36b リリーフ弁 40 スプリング 43 三方切換電磁弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 露木 保男 東京都港区浜松町二丁目4番1号 世界貿 易センタービル カヤバ工業株式会社内 (72)発明者 川崎 治彦 東京都港区浜松町二丁目4番1号 世界貿 易センタービル カヤバ工業株式会社内 (72)発明者 荒井 順一 東京都港区浜松町二丁目4番1号 世界貿 易センタービル カヤバ工業株式会社内 (72)発明者 佐々木 浩一 東京都千代田区丸の内一丁目6番5号 東 日本旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 加藤 博之 東京都千代田区丸の内一丁目6番5号 東 日本旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 川上 哲広 東京都千代田区丸の内一丁目6番5号 東 日本旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 長谷川 武利 神奈川県横浜市金沢区大川3番1号 東急 車輛製造株式会社内 (72)発明者 麻生 和夫 神奈川県横浜市金沢区大川3番1号 東急 車輛製造株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台車に対して車体を曲線路走行中に曲線
    路内方に傾斜させる鉄道用車両において、車体の屋根上
    で進行方向に対して左右方向に移動自由に構成されたパ
    ンタグラフの支持台と、この支持台を左右に駆動する保
    持シリンダと、車体と台車との間の相対的な傾斜に応じ
    てストロークする傾斜検出シリンダと、この傾斜検出シ
    リンダの両油室と前記保持シリンダとの両油室とを互い
    に連通して作動油を流通させる回路とを備え、車体の傾
    斜制御時に傾斜検出シリンダからの作動油を保持シリン
    ダに供給して曲線路外方にパンタグラフの支持台を変位
    させることを特徴とするパンタグラフ姿勢制御装置。
  2. 【請求項2】 前記パンタグラフの支持台が支点を中心
    に左右に旋回自在に支持され、この支持台を中立位置に
    向けて付勢する左右一対の復元シリンダを備える請求項
    1に記載のパンタグラフ姿勢制御装置。
  3. 【請求項3】 前記復元シリンダは支持台を付勢するス
    プリングと、傾斜制御時に油圧の供給を受けてスプリン
    グの付勢力を相殺するように作動するピストンとを備え
    る請求項2に記載のパンタグラフ姿勢制御装置。
  4. 【請求項4】 前記傾斜検出シリンダは車体の左右に一
    対設けられ、これら両傾斜検出シリンダの油室は同相の
    傾斜により共に作動油の排出される油室と吸込まれる油
    室が相互に連通するように構成される請求項1または2
    に記載のパンタグラフ姿勢制御装置。
  5. 【請求項5】 前記各連通回路に対しては電磁弁を介し
    て油圧源に接続し、制御の開始時に電磁弁を開いて作動
    油を補給する請求項1または4に記載のパンタグラフ姿
    勢制御装置。
  6. 【請求項6】 前記各連通回路はリリーフ弁を介して低
    圧側と連通する請求項5に記載のパンタグラフ姿勢制御
    装置。
  7. 【請求項7】 前記各連通回路はオリフィスを介してア
    キュームレータと連通する請求項5に記載のパンタグラ
    フ姿勢制御装置。
  8. 【請求項8】 保持シリンダのストローク量を検出する
    手段を設け、保持シリンダの作動状態を監視する請求項
    1に記載のパンタグラフ姿勢制御装置。
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