【発明の詳細な説明】
導電性被膜を有する表示スクリーンを備えた陰極線管
本発明は、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェンを含む導電性被膜を有
する表示スクリーンを備えた陰極線管に関する。
本発明はまた、導電性被膜を表示スクリーン上に製造する方法に関する。
導電性被膜は、特に、表示装置、特に陰極線管(CRT)の表示スクリーンに
おいて、静電気防止層として用いられる。上記被膜は、例えば、106〜1010
Ω/□のシート抵抗を有し、従って、表示スクリーンの外面上に存在する高い静
電圧を数秒以内に確実に除去するのに十分導電性である。従って、使用者は、ス
クリーンに触れた際に不快な衝撃を受けない。さらに、空気中の塵の吸着が低下
する。
これは、健康に有害であるため、電磁線からの遮蔽が、一層重要になってきて
いる。陰極線管、例えばテレビ用の表示管およびモニター管は、多くの放射線源
を有し、これは、使用者が、この源に長時間暴露された際には、使用者の健康に
悪影響を与えうる。発生した電磁線の大部分は、陰極線管のハウジングにより、
簡単な方法で、金属を用いて遮蔽することができる。しかし、表示スクリーンに
より発生した放射線は、使用者が暴露される放射線の量を顕著に増大させる。
この問題を解決するには、十分に導電性である被膜を、表示スクリーンの表面
上に設ける。上記被膜はまた、400〜700nmの範囲内の波長において実質
的に透明でなければならない。即ち、透過率が少なくとも60%でなければなら
ない。上記要求を満たす透明であり、十分に導電性である被膜に用いることがで
きる、よく知られた材料は、インジウムをドープした酸化スズ(ITO)である
。このような層は、真空蒸発またはスパッタリングにより設けることができる。
しかし、上記方法は、高価な真空装置を必要とする。また、ITO層は、インジ
ウムースズ塩の溶液の回転塗布したかまたは噴霧した層を焼成することにより製
造することができる。上記焼成工程は、少なくとも300℃の温度で実施しなけ
ればならない。この温度は、表示管の部分の損傷を防止するためには、最高16
0℃の温度に耐えることができる、完成した表示管に用いるには、高すぎる。
ドイツ国特許出願第DE−A−4229192号明細書には、特に、表示スク
リーンに用いる静電気防止被膜の製造が記載されており、上記被膜は、付着性を
改善するために、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェンおよびトリアルコ
キシシラン製である。例により、被膜を製造するには、ポリ−3,4−エチレン
ジオキシチオフェン、ポリスチレンスルホン酸および3−グリシドキシプロピル
トリメトキシシランの脱塩水溶液をガラスプレート上に塗布し、その後上記ガラ
スプレートを乾燥する。上記ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェンは、モ
ノマー3,4−エチレンジオキシチオフェンを、Fe(III)塩により水中で、ポ
リスチレンスルホン酸の存在下で酸化重合して沈殿を防止することにより、予め
調製する。このようにして得られた静電気防止層は、0.6μm(600nm)
の厚さおよび50kΩ/□のシート抵抗を有する。このシート抵抗は、静電気防
止効果を得るのに十分である。
上記既知層の欠点は、電磁線に対する遮蔽が不十分であることである。将来は
、標準的に、電界強度が、表示スクリーンから0.3mの距離で測定して、50
Hz〜2kHzの範囲の周波数で最大10V/m、2〜400kHzの範囲の周
波数で最大1V/mであることが必要である。実験により、この要求を満たすた
めには、シート抵抗は、シート抵抗が経時的に上昇しうることを考慮して、3k
Ω/□以下、好ましくは最大1kΩ/□でなければならないことが示された。
既知の静電気防止層の特性は、透明であるが、青色であることである。シート
抵抗が、層の厚さに反比例するため、層の厚さが大きくなると、シート抵抗は、
低下する。しかし、その結果、橙色〜黄色の波長範囲内の層の透過率は、顕著に
低下し、青色が一層強くなる。
本発明の目的は、特に、陰極線管の表示スクリーン上に導電性被膜を提供する
ことにあり、上記被膜は、電磁線に対する有効な遮蔽を提供する一方、上記の要
求を満たす。この層は、均質であり、良好な光学的特性、例えば400〜600
nmの範囲内の波長において少なくとも60%の透過率を示さなければならない
。この層は、表示スクリーン表面に良好に付着しなければならない。さらに、こ
の層は、付加的な反射防止層および/または機械的特性、例えば耐引っ掻き性を
改善するための層と、相溶性でなければならない。本発明の他の目的は、このよ
うな十分に導電性の被膜を製造する簡単な方法を提供することにあり、特に、上
記方法を、陰極線管の部分に損傷が全く発生しないような、比較的低い温度(最
高160℃)で実施することができなければならない。
これらの目的は、序文に記載した陰極線管であって、本発明において、被膜が
最大で100nmの層の厚さおよび3kΩ/□より低いシート抵抗を有すること
を特徴とする陰極線管により達成される。この被膜のシート抵抗は、最大1kΩ
/□であるのが好ましい。上記の要求に従って、このような層は、電磁界に対す
る有効な遮蔽を提供する。さらに、被膜は、400〜700nmの範囲内の波長
において、60%を超える透過率を示す程度に薄い。表示スクリーン上の被膜の
青色化は、ほとんど認識不能である。
本発明の被膜の、既知の被膜と比較したはるかに低いシート抵抗は、以下に記
載する、被膜の製造方法に起因しうる。
本発明の導電性被膜の耐引っ掻き性および耐磨耗性は、平凡であり、ほとんど
の用途において不十分である。被膜の耐引っ掻き性を、ケイ素、チタン、ジルコ
ニウムまたはアルミニウムの酸化物を被膜に加えることにより、改善することが
できる。これらの添加剤は、対応するアルコキシ化合物、例えばテトラエチルオ
ルトケイ酸(TEOS)を、液体に加え、これから被膜を塗布することにより、
容易に用いることができる。ゾル−ゲル法により、アルコキシ化合物を、対応す
る金属酸化物に転化する。しかし、これには、欠点があり、それは、シート抵抗
が上昇し、電磁線からの遮蔽がもはや十分ではないことである。この層は、尚、
静電気防止特性を有する。
このために、被膜を、一層良好な機械的特性を有する付加層で覆うのが好まし
く、この付加層は、光学的および電気的特性に悪影響を与えず、さらに、被膜に
良好に付着する。
約2kΩ/□のシート抵抗を有する本発明による導電性被膜と、1枚以上の耐
引っ掻き性層とを組み合わせて、表示スクリーン上の接触スクリーン被膜として
適切に用いることができる。表示スクリーン上の接触スクリーン被膜のある部分
に接触することにより、抵抗の局所的な変化が発生し、これが、電子制御を介し
て伝達されて局部限定がなされ、メニューを開始するかまたはページを変える等
の、次の動作を行う。あるいはまた、表示スクリーン上にペンで書き込み、その
後書き込みを識別し、処理することができる。
付加層に関して、50〜250nmの厚さを有する二酸化ケイ素を用いること
ができる。さらに、このような付加層は、日光により発生した脱色からポリマー
被膜を保護する。テトラアルコキシシラン、例えばTEOSを先駆物質として用
いて、このような層を、ゾル−ゲル法により、簡単な方法で設けることができる
。硬化は、最高160℃の温度で発生する。この層は、硬度、耐磨耗性および耐
引っ掻き性に関する一般的な要求を満たす。
また、導電性被膜を、2枚の付加層、即ち二酸化チタンの第1層(屈折率2.
05)および二酸化ケイ素の第2層(屈折率1.44)で覆うことができる。ポ
リマー被膜の屈折率は、1.64である。これらのデータを用いて、層パケット
が特定の波長範囲において反射防止効果を有するような厚さを有する、個別の層
積み重ねを計算することができる。反射防止層を表示スクリーン上に用いて、反
射の妨害(鏡面反射)を抑制する。代表例において、ポリマー被膜の層の厚さは
、80nmであり、二酸化チタン層および二酸化ケイ素層の厚さはそれぞれ12
9および93nmである。緑色の波長範囲において、この層積み重ねは、1%未
満の反射を示す。また、上記付加層は、ゾル−ゲル法により設けることができ、
ここでテトラアルコキシシランを、二酸化チタン層の先駆物質として用いる。ま
た、これらの付加層は、ポリマー被膜の機械的特性、例えば硬度、耐磨耗性、耐
引っ掻き性および耐光性を改善する。
極めて適切な被膜を得るには、3枚の付加層、即ち二酸化ケイ素の第1付加層
、二酸化チタンの第2付加層および二酸化ケイ素の第3付加層を有する導電性被
膜を設ける。層が適切な厚さで設けられている場合には、反射は、0.5%未満
まで低下する。上記したように、これらの層もまた、ゾル−ゲル法により設ける
ことがきる。
被膜上の極めて適切な付加層は、上記層が、少なくとも酸化ケイ素の無機ネッ
トワークおよびこれに組み合わされた有機ポリマー成分の鎖を含むことを特徴と
する。ゾル−ゲル法を用いて、被膜の0.8〜10μm以上の比較的厚い層のハ
イブリッド無機−有機層を設けることができ、これによっては、亀裂(ひび割れ
)を生じることがない。この複合材料は、H.SChmidtによる「Non-Crystalline
Solids」、63(1985)681 〜691 中の記事に記載されている。このような層を、表
示スクリーンにおいてコントラスト改善層として用いることは、本出願人による
、刊行されていない欧州特許出願第EP 94200541.4 号明細書(PHN 14.771)に記載
されている。ここに記載された層は、二酸化ケイ素およびAl,Ti,Zr,またはGeの
酸化物の無機ネットワークおよび鎖がネットワークのSi原子に化学的に結合し、
これに組み合わされたポリマー成分から構成されている。黒色染料を、層中に溶
解し、透過率を低下させ、この結果画像コントラストを改善する。ポリマー成分
の例には、ポリエーテル、ポリアクリレートおよびポリビニルがある。付加層は
、以下に記載する方法により製造する。ポリマー鎖を、無機ネットワークに化学
的に結合させ、これと組み合わせる。この結果、機械的に強く、熱的に安定な被
膜が形成する。この有機ポリマーは、増大した耐衝撃性をハイブリッド材料に与
え、一方ケイ素の3次元無機ネットワークおよび上記の金属酸化物は、材料に、
増大した硬度および耐引っ掻き性を提供する。
ポリマー導電性被膜が、表示スクリーンのガラスより高い屈折率を有し、ハイ
ブリッド無機−有機材料の層の厚さが数μmであるため、付加層の厚さが均一で
ない場合には、干渉パターンが視覚可能になる。上記干渉パターンは、数十nm
の付加層の厚さの差異において視覚可能になる。この問題は、数十μmの厚さの
付加層を製造するかまたは導電性被膜の屈折率を、付加層の屈折率と整合させる
ことにより解決することができる。ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン
は、ハイブリッド無機−有機材料と混合することができ、この結果、導電性被膜
の屈折率が、付加層の屈折率と一層良好に整合することが見出された。この結果
、反射スペクトルにおける干渉の規模は、低下する。
整合した屈折率を有する導電性被膜を製造するにあたり、以下に特定する被膜
溶液を、ハイブリッド付加層を製造するための被膜溶液と混合する。例えば、6
0gの実施例1の導電性被膜用の被膜溶液を、5gの実施例3の付加被膜用の被
膜溶液と混合する。導電性被膜の屈折率の整合は、エポキシ樹脂と被膜溶液とを
混合することにより達成することができる。例えば、60gの導電性被膜用の被
膜溶液を、2gのエポキシ樹脂と混合する。驚異的なことには、得られた被膜の
導電性は、認識可能な程度には、劣化しない。
ハイブリッド無機−有機付加層の厚さが比較的大きいため、この層は、画像コ
ントラストを増大させる染料または顔料を、比較的大量に含むことができる。適
切な染料の例には、耐光性黒色染料オラゾール ブラック(Orasol Black) CN
(登録商標)(カラーインデックス:ソルベントブラック(Solvent Black)28)
がある。
ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェンを含むポリマー被膜は、わずかに
青みを帯びている。これが不所望であれば、黄色染料を、二酸化ケイ素の付加被
膜またはハイブリッド無機−有機被膜に加えることができる。適切な黄色染料は
、例えば、共にBASFにより供給される、ザポン イエロー(Zapon yellow)1
00(カラーインデックスSY32)およびザポン イエロー141(カラーインデ
ックスSY81)である。これらのアゾ−メタン染料は、ゾル−ゲル法に用いる
アルコール溶液に容易に溶解することができる。導電性被膜と付加層との組み合
わせである、このようにして得られた全体の被膜は、無彩色であり、コントラス
ト改善効果を有する。随意に、第2または第3の染料を、付加層に加えることが
できる。
陰極線管の表示スクリーン上に導電性被膜を製造する簡単な方法を提供する目
的は、本発明において、被膜を製造するにあたり,3,4−エチレンジオキシチ
オフェン、有機塩基およびFe(III)塩の溶液の層を、表示スクリーン上に塗布
し、その後、高温での処理を実施し、これによりポリ−3,4−エチレンジオキ
シチオフェンおよびFe(II)塩を含む層を形成し、その後層から、溶媒でFe塩
を抽出し、これにより導電性被膜を形成することにより達成される。
一般に、ポリマーは、わずかに可溶性である。加工可能なポリマー溶液を得る
ために、既知の方法においては、重合反応を、大量の安定剤ポリマー、例えばポ
リスチレンスルホン酸の存在下で実施する。しかし、このようなポリマーは、シ
ート抵抗を上昇させる。本発明の方法においては、ポリマーの溶液の代わりに、
モノマーの溶液を、表示スクリーンの表面上に塗布する。その後、このモノマー
を、ポリマーに転化する。モノマー3,4−エチレンジオキシチオフェンは、F
e(III)塩での酸化により、対応するポリマーに転化する。Fe(III)塩は、この
反応に極めて好ましい酸化還元電位(室温でEred=0.77V)を有するため
、極めて適切である。有機スルホネートのFe(III)塩は、これがアルコールに
高い溶解性を示し、塗布される液体層中で結晶化速度が低いため、極めて適切で
ある。上記塩の例には、Fe(III)−p−トルエンスルホン酸およびFe(III)−
エチルベンゼンスルホン酸がある。
重合反応に必要である、3,4−エチレンジオキシチオフェンおよびFe(III
)塩の溶液は、不安定である。上記成分を混合した際には、ポリマーは間もなく
溶液を形成し、この結果、被膜溶液のポットライフは、実施不可能な程度に短く
なる。驚異的なことに、重合反応の反応速度は、少量の可溶性有機塩基を被膜溶
液に加えることにより、低下することが見出された。塩基の濃度に依存して、室
温での反応を、完全に抑制することができる。有効な塩基濃度の場合には、モノ
マーおよびFe(III)塩を含む溶液は、室温で少なくとも24時間、安定を維持
することができる:重合は発生しない。これらの安定な溶液を用いて、薄膜を、
表示スクリーンに、例えば、回転塗布により設けることができる。層を加熱した
後に、導電性ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェンが形成する。さらに、
有機塩基を加えることにより、ポリマーの導電性および、従って、導電性被膜の
シート抵抗に好ましい効果が得られることが見出された。おそらく、有機塩基は
、Fe(III)塩と錯体を形成し、この結果、室温での酸化還元電位が低下する。
これにより、反応速度が低下し、従って、高温で一層制御された重合が発生し、
比導電率は、約2倍の幅で増加する。
この方法に用いるのに適する可溶性塩基には、例えば、イミダゾール、ジシク
ロヘキシルアミンおよび1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−
エン(DBU)が含まれる。
上記化合物を、種々のアルコール、例えばイソプロパノールおよび1−ブタノ
ールに容易に溶解することができる。上記化合物を、例えば、1−ブタノールに
溶解した溶液を、被膜溶液として用い、これは、約12時間のポットライフを有
する。好ましくは、被膜溶液を用いる前に、これを、0.5μmのフィルターで
濾過する。
被膜のガラス表面への付着を、官能基としてエポキシ基を含むトリアルコキシ
シランを、被膜溶液に加えることにより、顕著に改善することができる。被膜溶
液中の濃度は、臨界的ではなく、例えば、0.01〜1重量%である。適切なシ
ランの例には、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよび2−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(例えば、タイプA1
87およびA186、供給者Union Carbide Corp.)がある。タイプA187を
、被膜中で50重量%までの濃度で用いることができ、これによっては被膜のシー
ト抵抗は、上昇しない。しかし、トリアルコキシシランの量は、最大25重量%で
ある。その理由は、量が多くなると、相分離が発生し、これにより被膜中に斑点
が出現するからである。
被膜のガラス表面への付着は、また、上記のアルコキシシランの1種の水溶液
でガラス表面を前処理(下塗り)することにより、改善することができる。この
ために極めて適切なシランは、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)ピロー
ルである。上記シランの水溶液を、例えば、ガラス表面に、回転塗布により塗布
することができる。ガラス表面を、例えば110℃に加熱した後に、アルコキシ
基は、ガラス表面の水酸基と縮合する。3,4−エチレンジオキシチオフェンの
酸化重合中に、ピロール末端基は、ポリマー鎖中に含まれる。また、上記シラン
は、溶液80gあたり100mgの量で、導電性被膜用の被膜溶液に加えること
ができる。このようにして、導電性被膜のわずかに青い色は、無彩黒色に変化す
る。
被膜溶液を,表示スクリーン上に、慣用法、例えば吹付または噴霧により塗布
することができる。この溶液は、表示スクリーン上に回転塗布するのが好ましい
。これにより、平滑であり、均質な薄い層が形成する。回転塗布中、設けられた
層を乾燥し、その後炉、高温空気の噴流または赤外線ランプにより、最高160
℃の温度に加熱する。100〜150℃の温度において、重合反応は、2分以内
に完了する。高温で重合反応が開始し、ここでFe(III)塩は、対応するFe(II
)塩に転化する。被膜の色は、黄色から青緑色へと変化する。被膜の最終的な厚
さは、回転塗布中の回転数および溶解した化合物の濃度に依存する。
Fe(III)およびFe(II)塩は、被膜から除去して、結晶によるダル層(dull
layer)を防止しなければならない。さらに、Fe(II)塩は、被膜のシート抵抗を
、10倍の幅で上昇させる。Fe塩を除去するには、被膜を適切な溶媒、好ましく
は水で洗浄する。この方法において、Fe塩は、被膜から抽出される。
本発明の方法により得られたポリマー層は、約300S/cmの比導電率を有
する。この意味は、厚さ30nmの被膜が、1kΩ/□のシート抵抗を有するこ
とである。この被膜は、わずかに青色であり、尚、全可視波長範囲で少なくとも
70%の透過率を有する。
機械的特性および導電性の安定性を改善するために、好ましくは、少なくとも
1枚の付加層を、導電性被膜に設ける。適切な付加層は、50〜250nmの厚
さを有する二酸化ケイ素の層である。本発明に従って、この方法は、導電性被膜
に、アルコキシシラン化合物の溶液の層を塗布し、その後上記アルコキシシラン
化合物を、二酸化ケイ素の付加層に、これを、高温で処理することにより転化す
ることを特徴とする。付加層を、回転塗布により設ける場合には、得られる層の
厚さは、特に、回転数および溶液の粘度に依存する。
アルコキシシラン溶液の吹付または噴霧の結果、マット表面組織が形成し、従
って得られた層は、グレア防止(antiglare)効果を示す。この結果、周囲光が、
広く反射される。
二酸化ケイ素への転化は、少なくとも30分間、150〜160℃の温度でゾ
ル−ゲル法を行うことにより進行する。この方法において、アルコキシシラン化
合物のアルコキシ基は、酸性にした水により、水酸基に転化し(加水分解)、こ
れは互いに、および表示スクリーンのガラス表面の水酸基と反応する。乾燥およ
び加熱工程の間、適切に付着する二酸化ケイ素のネットワークが、重縮合により
得られる。
本発明の方法に適切に用いることができるアルコキシシラン化合物はテトラエ
チルオルトケイ酸(TEOS,Si(OC2H5)4)である。あるいはまた、S
i(OR)4のタイプの他の既知のアルコキシシラン化合物およびこれらのオリ
ゴマー(式中のRはアルキル基、好ましくはC1〜C5のアルキル基である)を用
いることができる。溶媒として、水とアルコール、例えばメタノール、エタノー
ル、プロパノールまたはブタノールとの混合物を用いることができる。
上記のように、導電性被膜と二酸化チタンの第1付加層と二酸化ケイ素の第2
付加層との組み合わせまたは、二酸化ケイ素、二酸化チタンおよび二酸化ケイ素
の連続層は、これらの層の光学的層の厚さが、λ/4に等しい場合には、反射防
止効果を示す。λは、反射が最小にならなければならない波長である。所要の層
の厚さは、計算により決定することができる。層の厚さを決定する重要な方法パ
ラメータは、回転塗布中の回転数および溶液の濃度である。
反射防止構造を提供する方法は、導電性被膜に、アルコキシチタン化合物の溶
液の層を塗布し、その後上記アルコキシチタン化合物を二酸化チタンの第1付加
層に、これを高温で処理することにより転化し、次にアルコキシシラン化合物の
溶液の層を、二酸化チタンの第1付加層上に設け、その後アルコキシシラン化合
物を高温で処理して、これを二酸化ケイ素の第2付加層に転化し、導電性被膜お
よび付加層の厚さを、上記層が、共同でグレア防止効果を示すように選択するこ
とを特徴とする。二酸化チタン層を、二酸化ケイ素層と同様に、適切な二酸化チ
タン先駆物質、例えばテトラエトキシチタネートTi(OC2H5)4を出発物質
として用いて製造する。
反射防止構造を提供する他の方法は、導電性被膜に、アルコキシシラン化合物
の溶液の層を塗布し、その後上記アルコキシシラン化合物を高温で処理してこれ
を二酸化ケイ素の第1付加層に転化し、その後上記第1付加層に、アルコキシチ
タン化合物の溶液の層を塗布し、その後上記アルコキシチタン化合物を高温で処
理して、これを、二酸化チタンの第2付加層に転化し、その後上記二酸化チタン
の第2付加層にアルコキシシラン化合物の溶液の層を塗布し、その後上記アルコ
キシシラン化合物を高温で処理してこれを二酸化ケイ素の第3付加層に転化し、
導電性被膜および付加層の厚さを、上記層が、共同で反射防止効果を示すように
選択することを特徴とする。上記したように、3枚の付加層の構造の結果、反射
がさらに低くなる。
あるいはまた、導電性被膜に、ハイブリッド無機−有機材料の付加被膜を設け
ることができる。この複合材料は、少なくとも酸化ケイ素の無機ネットワークお
よびこれと組み合わされた有機ポリマー成分の鎖を有する。
このために用いることができる方法は、導電性被膜に、重合性官能基を有する
トリアルコキシシラン化合物の溶液の層を塗布し、その後上記トリアルコキシシ
ラン化合物を高温で処理してこれを酸化ケイ素の無機ネットワークおよび重合性
基から形成したポリマーに転化し、上記ポリマーが、無機ネットワークに化学的
に結合するかまたは組み合わされることを特徴とする。
ハイブリッド無機−有機付加層の製造に用いる被膜溶液は、次式
(RO)3Si−R1
(式中のRはアルキル基であり、R1は重合性基であり、ここでR1はSi分子に
、Si−C結合により結合している)で表されるトリアルコキシシランを含む。
R基は、好ましくは、C1〜C5のアルキル基である。適切な重合性R1基の例に
は、エポキシ基、メタクリロキシ基およびビニル基がある。重合性R1基を有す
る適切なトリアルコキシシランの例には、3−グリシドキシププロピルトリメト
キシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランおよびビニルトリ
メトキシシランがある。ゾル−ゲル法において、アルコキシシランは、加水分解
し、縮合して、酸化ケイ素の無機ネットワークを形成し、重合性基は、無機ネッ
トワークに、Si−C結合により化学結合するポリマー鎖を形成する。エポキシ
基、メタクリロキシ基およびビニル基は、それぞれ重合して、ポリエーテル、ポ
リメクタリレートおよびポリビニルとなる。エポキシ基は、熱重合し、この方法
は、随意に、アミン化合物を溶液に加えることにより、触媒することができる。
他の基を重合させるために、層を、紫外線に露光しなければならない。ポリマー
鎖は、無機ネットワークに、化学結合するかまたはこれに組み合わされる。この
結果、機械的に強く、熱的に安定な被膜が形成する。好ましくは、金属−アルコ
キシ化合物は、付加層用の被膜溶液に加えられ、従って、金属酸化物が、無機ネ
ットワーク中に含まれる。適切な金属酸化物には、Al,Ti,ZrまたはGeの酸化物が
ある。上記金属酸化物は、被膜の機械的特性、例えば硬度、耐磨耗性および耐引
っ掻き性を改善する。被膜は、酸化ケイ素に対して、1〜50モル%好ましくは
5〜35モル%の上記金属酸化物を含む。量が1モル%以下の場合には、好まし
い効果は、十分な程度では得られない一方、50モル%以上を超えると、さらに
改善することはできず、被膜が不必要に高価になる。上記金属酸化物の中で、酸
化アルミニウムを含ませると、被膜に、最良の機械的特性が与えられる。
金属−アルコキシ化合物に関して、次式
M(OR)n
(式中のM=Al,Ti,ZrまたはGeであり;Rは、C1〜C5のアルキル基であり、n
は金属Mの原子価である)で表される化合物を用いることができる。適切な金属
−アルコキシ化合物の例には、以下のものがある:
テトラエトキシゲルマネートGe(OC2H5)4(TEOG)
テトラブトキシジルコネートZr(OC4H9)4(TBOZ)
テトラプロポキシジルコネートZr(OC3H7)4(TPOZ)
トリプロポキシアルミネートAl(OC3H7)3(TPOAl)
トリブトキシアルミネートAl(OC4H9)3(TBOAl)および
テトラエトキシチタネートTi(OC2H5)4(TEOTi)。
対応する金属酸化物は、無機ネットワーク中に、加水分解および縮合により含
まれる。これにより、付加被膜の化学的および機械的耐性並びに耐光性に関する
上記の利点が達成される。適切な被膜溶液は、アルコキシ化合物に対して、0.
01〜10モル%のアミノアルコキシシラン、例えば、3−アミノプロピルトリ
エトキシシランまたは他のアミン化合物、例えばトリメチルアミンを含む。これ
らのアミン化合物は、エポキシ基の熱重合のための触媒として作用する。
ハイブリッド無機−有機付加層を製造するための被膜溶液は、1種以上の有機
溶媒、例えばエタノール、ブタノール、イソプロパノールおよびジアセトンアル
コールを含む。アルコキシ化合物を加水分解するために、化学量論量の水を用い
るのが好ましい。
この被膜溶液を、被膜上に、慣用方法、例えば吹付または噴霧により塗布する
ことができる。このアルコール溶液は、表示スクリーン上に回転塗布するのが好
ましい。乾燥し、例えば160℃に30分間加熱することにより、機械的に強く
、平滑である、高度な光沢を有する付加層が得られる。反応温度が比較的温和で
あるため、層の硬化は、完成した陰極線管の表示スクリーン上で進行することが
できる。この付加層の厚さは、10μm以上とすることができる。有機溶媒以外
に、代表的な被膜溶液は、以下のアルコキシ化合物を含む:
−10モル%のフェニルトリメトキシシラン
−65モル%の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
−5モル%の3−アミノプロピルトリエトキシシラン
−20モル%のトリブトキシアルミネート。
所要に応じて、二酸化ケイ素またはハイブリッド無機−有機層用の被膜溶液に
、有機顔料または染料を提供して、光透過性に選択的影響を与えることができる
。このような顔料または染料は、陰極線管のリン光物質から発光した光が選択的
に透過する一方、例えば表示スクリーンの後ろ側から反射する光を吸収するよう
に選択する。導電性被膜がわずかに青色であるため、好ましくは、黄色染料、例
えば上記したザポン染料の1種を、被膜溶液に加えて、無彩色の外観を与える。
本発明のこれらのおよび他の観点は、以下に記載する例を参照して明らかにな
る。
図1は、出発物質として3,4−エチレンジオキシチオフェン(式I)を用い
た、導電性ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン(式III)の調製の反
応式を示す。
図2は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの構造式である。
図3は、35nmの厚さを有する本発明による被膜の透過スペクトルを示す図
である。
図4は、本発明による被膜の、層の厚さd(nm)の関数としての、550n
mにおける透過率T(%)を示すグラフである。
図5は、層の厚さd(nm)の関数としてのシート抵抗R(Ω/□)を示す両
対数グラフである。
図6は、本発明の陰極線管の一例の部分破断図である。実施例1
70gの1−ブタノールに、以下のものを溶解した。
−10g(0.0176モル)のFe(III)−p−トルエンスルホン酸
−1.0g(0.007モル)の3,4−エチレンジオキシチオフェン(図1の
式I、供給者Bayer AG)
−0.4g(0.0059モル)のイミダゾール(図1の式II、供給者Aldrich)
−0.05g(0.00021モル)の3−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン(図2、供給者Huls)
上記Fe(III)塩は、市場では入手できない。この塩を、新たに沈殿させたF
e(OH)3および適切な有機酸をメタノールに溶解した溶液から沈殿させた。
この沈殿は、J.A.Walker等により、「J.Polym.Chem.」 26(1988)1285-1294
に記載されている。
0.5μmのポリアミドフィルターで濾過した後に、被膜溶液が完成した。イ
ミダゾールの存在により、重合反応は、抑制され、溶液のポットライフは、少な
くとも24時間であった。
この溶液30ミリリットルを、対角線の長さが38cm(15インチ)である
回転している表示スクリーンに塗布した。この溶液を、毎分150回転の速度で
回転させることにより塗布した。この回転数において、塗布した層を、その後、
1分間乾燥した。
モノマーを、層を炉中で150℃で1分間加熱することにより、対応する導電
性ポリマー(図1の式III)に転化した。この方法において、層の色は、黄色
から、青緑色へと変化した。この比較的低い温度は、表示管の構成部分に対して
安全であった。
次に、この層を、水で洗浄し、これにより、形成したFe(II)塩および残留す
るFe(III)塩を抽出した。上記抽出工程により、層の厚さが顕著に減少した。
乾燥きずを防止するために、この被膜をエタノールで洗浄した。被膜を乾燥した
後に、これは、35nmの層の厚さを有していた。層の付着は、テープテストの
要求を満たす。
得られたこの層の透過スペクトルを、図3に示す。透過率T(%)を、波長λ
(nm)の関数としてプロットした。この層は、青色波長範囲において、高い透
過率を有し、500nmから、わずかに吸収性となった。400〜650nmに
おいては、透過率は、少なくとも80%であた。
35nmの厚さの被膜のシート抵抗は、1kΩ/□であり、4プローブ抵抗測
定(four-probe resistance measurment)により測定した。上記の層の厚さにおい
て、層の材料の比導電率は、約300S/cmであった。この低いシート抵抗値
は、50Hz〜400kHzの間の周波数における電磁線に対して、有効な遮蔽
を提供するのに十分であった。
被膜の層の厚さは、特に、層の回転塗布中の回転数を変化させることにより変
化させることができる。550nmの波長における、透過率T(%)の層の厚さ
d(nm)の関数としての依存を、図4に示す。100nmを超える層の厚さに
おいて、透過率は、70%以下に低下した。
予測されたように、シート抵抗は、被膜の層の厚さが増加するに従って低下す
る。図5は、層の厚さd(nm)の関数としてのシート抵抗R(Ω/□)を示す
両対数グラフである。層が厚くなると、シート抵抗は低くなるが、これに従って
、層の透過率は、低下する。実施例2
12.5gのエタノール、12.5gの塩酸(0.175モル/リットル)お
よび25gのテトラエチルオルトケイ酸(TEOS)を混合し、30分間かきま
ぜて、TEOSをテトラシラノールに加水分解した。この溶液をブタノール/エ
タノール(1:1)で希釈し、合計量を500ミリリットルとした。この溶液を
、0.5μmのポリアミドフィルターで濾過した。得られた溶液は、二酸化ケイ
素の付加層を製造するのに適切であった。
実施例1に従って、このTEOS溶液の層を、導電性被膜上に回転塗布した。
回転数は、150rpmであった。この層を、160℃で30分間維持し、この
結果、十分に付着する、二酸化ケイ素の平滑層が形成した。この二酸化ケイ素の
付加層は、厚さが200nmであり、屈折率が1.44であった。
この付加層の耐引っ掻き性を、円錐形ダイヤモンドにより試験し、これを表面
上を50gの力で移動させた。この試験により、形成した引っ掻き傷はすべて,
肉眼では観察されなかったことが確認された。
硬度を鉛筆試験により試験し、ここで7.5Nの力を加えた種々の硬度を有す
る鉛筆を、45°の角度および0.05m/sの速度で、層の表面上を移動させ
た。この試験により、本発明による被膜は、6Hの程度の硬度を有していた。
付加層の耐磨耗性を、同一の層の表面を、10Nの力で、ライオン50−50
消しゴムで、長さ25mmにわたり20回こすることにより、測定した。試験の
結果、こすった表面上の引っ掻き傷はすべて、肉眼では観察されなかった。実施例3
40gのトリブトキシアルミネートを、48gのイソプロパノールに溶解し、
これに、21gのアセト酢酸エチルを錯生成剤として加えた。この溶液を、以下
のシランの混合物に加えた。
−16gのフェニルトリメトキシシラン
−120gの3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(式:図2)
−9gの3−アミノプロピルトリエトキシシラン。
次に、100gのイソプロパノールおよび100gのジアセトンアルコールを混
合した。次に、この混合物を、化学量論量の水が加えられるまで段階的に水を加
えることにより、加水分解した;この間、この混合物を、氷浴により冷却した。
水をすべて加えた後、この溶液を、室温で2時間かきまぜた。その後、溶液を濾
過した。
得られた溶液は、以下のモル百分率で、アルコキシ化合物を含んでいた:
−10モル%のフェニルトリメトキシシラン
−65モル%の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
−5モル%の3−アミノプロピルトリエトキシシラン
−20モル%のトリブトキシアルミネート。
次に、得られた被膜溶液を、実施例1に従って得られた導電性被膜上に、20
0rpmの速度で回転塗布した。その後、これを、160℃で1時間硬化させた
。付加層は、組み合わされ、化学結合したポリエーテル鎖を有する酸化ケイ素お
よび酸化アルミニウムの無機ネットワークの複合材料を含んでいた。この層は、
陰極線管の構成部分が損傷を受けない温度で製造することができる。このように
して得られた付加層は、4μmの厚さを有していた。
濾過層の厚さは、特に、溶媒の量および層の回転塗布中の回転数ににり支配さ
れる。
付加層のガラス表面への付着は、テープテストの要求を満たす。
耐引っ掻き性および耐磨耗性は、実施例2に述べた要求を満たす。
硬度は、7H〜8Hの範囲内であった。実施例4
被膜溶液が、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを含んでいなかっ
た以外は、実施例1を繰り返した。その代わりに、表示スクリーンを、これを清
浄にした後に、プライマー溶液(primer solution)で前処理した。上記プライマ
ー溶液は、以下のものからつくられていた:
−23.75ミリリットルのイソプロパノール
−1.25ミリリットルの脱イオン水
−0.05gのN−(トリメトキシシリルプロピル)ピロール。プライマー溶液
を、回転塗布により塗布した。その後、このようにして形成した層を、110℃
で1分間乾燥した。
60nmの厚さを有し、実施例1に従って得られたポリ3,4−エチレンジオ
キシチオフェンの被膜を、二酸化ケイ素の第1付加層、二酸化チタンの第2付加
層および二酸化ケイ素の第3付加層上に連続的に設けた。二酸化ケイ素の第1付
加層を、実施例2に記載したように、TEOSの溶液により製造した。この層を
、450rpmの速度で30秒間回転塗布した。次に、この層を、160℃で1
分間乾燥した。この厚さ79nmの層の上に、TEOSの溶液を、1100rp
mの速度で30秒間回転塗布した。得られた層を、160℃で1分間乾燥し、厚
さは35nmであった。二酸化ケイ素の第1付加層の合計の厚さは、79+35
=114nmであった。
二酸化チタンの第2付加層を、
35gのエタノール
0.83gの塩酸(6モル/リットル)
2.63gのテトラエトキシチタネート(TEOTi)
を含む溶液から製造した。調製は、実施例2のTEOS溶液を用いる調製と同様
にした。この溶液を、二酸化ケイ素の第1付加層上に、450rpmの速度で3
0秒間回転塗布し、次に160℃で1分間乾燥した。
厚さ79nmの二酸化ケイ素の第3付加層を、上記したように得た。
その後、層パケットを有する表示スクリーンを、炉内で、170℃で30分間
加熱した。
この被膜は、550Ω/□のシート抵抗を有する。耐引っ掻き性、硬度および
耐磨耗性は、実施例2に述べた試験の要求を満たす。付着性は、テープテストの
要求を満たす。約535nmの波長における反射は、0.5%未満であった。実施例5
対角線の長さが38cm(15インチ)である、被膜を有する表示スクリーン
を、電磁線を遮蔽する能力に関して試験した。適切な陰極線管を、25kVの電
圧で作動させた。電界強度E(V/m)を、表示スクリーンから0.3mの距離
で測定した。測定を2種の周波数範囲、即ち、ELF(Extra Low Frequency)と
呼ばれる50Hz〜2kHzおよびVLF(Very Low Frequency)と呼ばれる2
〜400kHzにおいて実施した。
両方の範囲において、電界強度Eは、ある限界、即ち
ELFに関してE<10V/mおよび
VLFに関してE<1V/m
以下に維持されなければならない。
導電性被膜を有しない表示スクリーン(表中の番号1)を、比較例として用い
た。
7kΩ/□のシート抵抗を有する被膜を備えた表示スクリーン(表中の番号2
)を、第2の実施例として用いた。この層を、50重量%の加水分解したTEO
S溶液を、3,4−エチレンジオキシチオフェンの溶液に加えることにより製造
した。この結果、形成したポリマー層は、均質に分布した二酸化ケイ素を含み、
シート抵抗は上昇した。
番号3の表示スクリーンは、本発明に従って、1kΩ/□のシート抵抗を有す
る被膜および実施例2の二酸化ケイ素の付加被膜を有する。
番号4の表示スクリーンは、本発明に従って、1kΩ/□のシート抵抗を有す
る被膜および実施例3の複合無機/有機ポリマーの付加被膜を有する。
結果を表に示す。
本発明の番号3および4の被膜の結果は、遮蔽効果を明確に示す。測定した電
界強度は、それぞれ10および1V/mの許容できる値よりはるかに低かった。
番号1の表示スクリーンは、要求を満たさなかった。番号2の表示スクリーンは
、1V/mのVLF要求を満たさなかった。1kΩ/□のシート抵抗は、電磁線
を有効に遮蔽するのに十分であった。最大3kΩ/□のシート抵抗が、遮蔽の要
求にちょうど適合することが確認された。実施例6
図6は、それ自体知られており、表示スクリーン3、コーン4およびネック5
を有するガラスエンベロープ2を備えた陰極線管1の破断図式図である。ネック
において、電子ビームを発生する1つ(または3つ)の電子銃6が設けられてい
る。この電子ビームは、表示スクリーン3の内側7上のリン光物質層上に集束す
る。この電子ビームを、偏向コイル系により、表示スクリーンを通して、2つの
相互に垂直な方向に偏向させる。表示スクリーン3は、外側に本発明の導電性被
膜8(層の厚さは縮尺通りではない)を備える。被膜8は、地面9に直流的に接
地されている。
本発明により、陰極線管の表示スクリーン用の導電性被膜を、簡単な方法で製
造することができ、被膜のシート抵抗は、上記被膜が電磁線を有効に遮蔽する程
度に、低い。
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