【発明の詳細な説明】
フェニルピロール誘導体およびそのドーパミンD3アンタゴニストとしての使用
本発明は新規なピロール誘導体、その製法、その誘導体含有の医薬組成物およ
びその治療における、特に抗精神病剤としての使用に関する。
欧州特許出願番号第241053号は、式:
[式中、Aは、2,5−ピロリルまたは3,5−もしくは1,4−ピラゾリルのよ
うな不飽和の5員複素環式環であり;Xは窒素または炭素原子であり;R1、R2
、R3は、各々、水素またはアルキルであり;R4はアリール、ヘテロアリール、
アリールカルボニルまたはヘテロアリールカルボニルであり;Rは種々の置換基
から選択され;およびnは0−4を意味する]
で示される化合物を記載する。該化合物は抗精神病特性を有するようである。
欧州特許出願番号第259930号は、式:
[式中、Aは、2,5−ピロリル、1,4−ピラゾリルまたは2,5−フリルのよ
うな不飽和の5員複素環式環であり;Rは水素、アルキルまたは所望により置換
されていてもよいフェニルであり;R1はアルキル、アルケニルであるか、また
はフェニル基と一緒になって環を形成し;R2は水素、ヒドロキシまたはアルコ
キシであり;R3は種々の置換基から選択され;およびnは0−3を意味する]
で示される化合物を記載する。これらの化合物もまた、抗精神病特性を有するよ
うである。
欧州特許出願番号第539281号は、式:
[式中、Zは2−アミノメチル−N−アルキルピロリジン、2−アミノエチル−
N,N−ジエチルアミン、2−アミノエチルモルホリン、2−アミノエチル−N,
N−ジブチルアミン、4−アミノ−N−ブチル(またはN−ベンジル)ピペリジ
ンまたは2−アミノエチルピロリジンであり;Yはアルキルまたはアルケニルで
あり;XはH、Cl、Br、アミノ、アミノアルキル、アミノスルファモイル、含
硫黄基(例、チオシアナト、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルス
ルホニル)、メトキシ、ニトロ、シアノまたは電子求引基であり;およびRはH
またはメトキシを意味する]
で示される化合物を記載する。該化合物もまた、D3レセプターで作用するドー
パミンアンタゴニストであり、とりわけ、抗精神病薬として有用であるようであ
る。
本発明者らは、今回、ドーパミンレセプターと親和性を有し、かくして抗精神
病剤としての可能性を有する新規なピロール誘導体を見いだした。
第1の態様にて、本発明は、式(I):
[式中、
R1はC1-4アルキルであり;
R4は、式:R6OSO2(式中、R6は所望により置換されていてもよいアリール
または所望により置換されていてもよいヘテロアリール基である)で示されるス
ルホネート基であり;
R2、R3およびR5は、各々、独立して水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4
アルコキシ、C1-4アルコキシC1-4アルキル、C1-4アルキルスルホニル、トリ
フルオロメチルスルホニル、所望により置換されていてもよいアリールスルホニ
ル、所望により置換されていてもよいヘテロアリールスルホニル、所望により置
換されていてもよいアラルキルスルホニル、所望により置換されていてもよいヘ
テロアラルキルスルホニル、ニトロ、シアノ、アミノ、モノ−またはジ−C1-4
アルキルアミノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル、
ヒドロキシC1-4アルキル、C1-4アルキルチオ、C1-4アルカノイルまたはC1-4
アルコキシカルボニルであるか;または
R1およびR2は一緒になってC2-4アルキル鎖を形成し、その鎖は1または2個
のC1-4アルキル基により所望により置換されていてもよく、R3、R4およびR5
は前記と同意義であるか;またはR2およびR3は一緒になってフェニル環を形成
し、R4は前記した基R6OSO2−であって、R5は水素を表し;
およびYは、式(a)−(e):
(式中、
基(a)にて:
R7およびR8は、独立して、水素、C1-6アルキル、所望により置換されていて
もよいアリールC1-6アルキルまたは所望により置換されていてもよいヘテロア
リールC1-6アルキルであり;
R9はC1-6アルキル、C3-6アルケニルまたはC3-6シクロアルキルC1-4アルキ
ルであって;および
R10はC1-6アルキル、C3-6アルケニル、C3-6シクロアルキルC1-4アルキル、
所望により置換されていてもよいアリールC1-4アルキルまたは所望により置換
されていてもよいヘテロアリールC1-4アルキルであるか;または
NR9R10は複素環式環を形成し;
基(b)にて:
R11はC1-6アルキル、C3-6アルケニル、C3-6シクロアルキルC1-4アルキル、
所望により置換されていてもよいアリールC1-4アルキルまたは所望により置換
されていてもよいヘテロアリールC1-4アルキルであって;および
qは1〜4であり;
基(c)にて:
R12およびR13は独立して水素、C1-6アルキル、所望により置換されていても
よいアリールC1-6アルキル、または所望により置換されていてもよいヘテロア
リールC1-6アルキルであり;
R14は所望により置換されていてもよいアリールまたは所望により置換されてい
てもよいヘテロアリール基であり;および
Zは−(CH2)u(ここに、uは2〜8である)または−(CH2)vCH=CH(C
H2)w(ここに、vおよびwは、独立して1〜3である)であり;
基(d)にて:
rおよびsは、各々、独立して1〜3の整数を表し;
基(e)にて:
R15はC1-6アルキル、C3-6アルケニルまたはC3-6シクロアルキルC1-4アルキ
ルであり;
R16、R17、R18およびR19は、各々、独立して水素、ハロゲン、C1-4アルキ
ル、C1-4アルコキシ、C1-4アルコキシC1-4アルキル、ニトロ、シアノ、トリ
フルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシC1-4アルキ
ル、C1-4アルカノイル、C1-4アルコキシカルボニル、アミノまたはモノもしく
はジ−C1-4アルキルアミノであり;
XはCH2、SまたはOであり;
tは0、1または2を意味する)
から選択される基を意味する]
で示される化合物およびその塩を提供する。
式(I)の化合物において、アルキル基または部は直鎖または分枝鎖状である
。用いられるアルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−
ペンチル、n−ヘキシルおよびイソプロピル、t−ブチル、sec−ペンチルな
どのその分枝鎖状異性体を包含する。
式(I)の化合物中に存在するハロゲン原子はフッ素、塩素、臭素またはヨウ
素である。
式(I)の化合物における置換基R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R10
、R11、R12、R13およびR14のいずれかに存在する代表的なアリール基または
部は、フェニル、ナフチルおよびテトラヒドロナフチルを包含する。ヘテロアリ
ール基の適当な例は、1または2個以上の酸素、硫黄または窒素原子含有の5−
および6−員の両方の複素環、例えば、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾ
リル、チアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジ
ル、ピリダジル、ピリミジルおよびピラゾリルを包含する。該アリールおよびヘ
テロアリール基に関する置換基は、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ
、C1-4アルコキシC1-4アルキル、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリ
フルオロメトキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシC1-4アルキル、C1-4アルカノイル
、C1-4アルコキシカルボニル、アミノおよびモノ−またはジ−C1-4アルキルア
ミノを包含する。
−NR9R10が複素環式環を形成する場合、この複素環は4〜10個、例えば
、5〜8個の環原子を有し、完全にまたは部分的に飽和されていてもよい。複素
環式環、−NR9R10はまた、例えば、C1-3アルキレン鎖(例、メチレンまたは
エチレン基)で架橋されていてもよい。さらには、複素環式環は1または2個以
上のC1-4アルキル基で置換されていてもよく、またはフェニルのような芳香族
環に縮合していてもよい。
R1は、好ましくは、メチルまたはエチルである。R2は、好ましくは、水素で
ある。R3は、好ましくは、水素またはメチルである。R5は、好ましくは、水素
である。R6は、好ましくは、フェニルである。
Yが基(a)である場合、R7およびR8のうち少なくとも1つは、好ましくは
、水素である。適当には、R7およびR8の一方は水素であり、他方は水素、C1- 6
アルキルおよび所望により置換されていてもよいアリールC1-6アルキルより選
択される。
Yが基(b)である場合、qは、好ましくは、1または2であり、R11は、好
ましくは、C1-6アルキル、例えば、エチルである。
Yが基(c)である場合、R12およびR13のうち少なくとも1つは、好ましく
は、水素である。適当には、R12およびR13の一方は水素であり、他方は水素、
C1-6アルキル、所望により置換されていてもよいアリールC1-6アルキルより選
択される。R14は、好ましくは、所望により置換されていてもよいフェニルであ
る。Zは、好ましくは、(CH2)u(uは3、4または5である)である。
Yが基(d)である場合、rおよびsは、好ましくは、各々、独立して1また
は2を表す。
式(I)の塩が医薬における用途として生理学上許容されることは明らかであ
ろう。適当な生理学上許容される塩は当業者に明らかであり、例えば、無機酸、
例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸またはリン酸;および有機酸、例えば、
コハク酸、マレイン酸、酢酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、p−ト
ルエンスルホン酸、メタンスルホン酸またはナフタレンスルホン酸で形成される
酸付加塩を包含する。他の生理学上許容されない塩、例えば、シュウ酸塩を、例
えば、式(I)の化合物の単離にて用いてもよく、それらの塩も本発明の範囲内
に含まれる。また、式(I)の化合物の溶媒和物および水和物も本発明の範囲内
に含まれる。
不斉中心が式(I)の化合物に存在する場合、該化合物は光学異性体(エナン
チオマー)の形態にて存在するであろう。本発明は、その範囲内に、そのような
エナンチオマーおよびラセミ体混合物を包含するその混合物のすべてを包含する
。
加えて、式(I)の化合物のすべての可能なジアステレオマー形(個々のジアス
テレオマーおよびその混合物)も本発明の範囲内に含まれる。
本発明に係る個々の化合物は、
2−(2−メトキシ−5−フェノキシスルホニルフェニル)−5−(1−[2−フェ
ニルアザシクロヘプチル]メチル)−1H−ピロール;
2−(2−メトキシ−4−メチル−5−フェノキシスルホニルフェニル)−5−(
1−(2−(R)−フェニルアザシクロヘプチル)メチル)−1H−ピロール;
2−(2−メトキシ−5−フェノキシスルホニルフェニル)−5−(1−(2−(R,
S)−フェニルピペリジニル)メチル)−1H−ピロール;
2−(2−(R,S)−(1−エチルピロリジニル))−5−(2−メトキシ−5−フェ
ノキシスルホニルフェニル)−1H−ピロール;
2−(2−(R,S)−(1−エチルピロリジニル))−5−(2−メトキシ−4−メチ
ル−5−フェノキシスルホニルフェニル)−1H−ピロール;
2−(N−ベンジル−N−エチル)アミノメチル−5−(2−メトキシ−5−フェ
ノキシスルホニルフェニル)−1H−ピロール;
およびその塩を包含する。
本発明はまた、式(I)の化合物の製法であって、
(a)式(I)の化合物(式中、Yが基(a)もしくは(c)(ここに、R7
、R8、R12およびR13は水素である)であるか、またはYが基(e)である)
を製造するために、ホルムアルデヒドの存在下、式(II):
の化合物と、式(III)、(IV)または(V):
のアミンとのマンニッヒ反応に付し;
(b)化合物(式中、Yが基(a)(ここに、R7およびR8のうち少なくとも
1つは水素である)であるか、基(c)(ここに、R12およびR13のうち少なく
とも1つは水素である)であるか、または基(e)または式(b)もしくは(d
)の基である)を製造するために、式(II)の化合物と、各々、式(VI)、(VI
I)または(VIII):
のアミドとの、または基(b)もしくは(d)の適当なオキソ誘導体とのフィル
スマイヤー反応に付し、その中間生成物を、例えば、ホウ水素化ナトリウムまた
はシアノホウ水素化ナトリウムで還元し;
(c)化合物(式中、Yが基(a)または(c)(ここに、R7、R8、R12お
よびR13は水素である)であるか、またはYが基(e)である)を製造するため
に、式(IX):
の化合物を、式(III)(IV)または(V)のアミンで還元アミノ化に付し、所
望により、その後、式(I)の塩を形成することからなる方法を提供する。
方法(a)によるマンニッヒ反応は、常法に従って行うことができる。すなわ
ち、例えば、式(III)、(IV)または(V)のアミンを、まず、ホルムアルデ
ヒドと反応させ、その後、該生成物を式(II)の化合物と反応させてもよい。該
反応は、好ましくは、プロトン性溶媒、例えば、エタノールのようなアルコール
中で行う。有機または無機酸、例えば、酢酸を触媒として用いてもよい。
方法(b)によるフィルスマイヤー反応もまた、常法により行うことができる
。
すなわち、例えば、式(VI)、(VII)または(VIII)のアミドまたは基(b)
もしくは(d)のオキソ誘導体を、まず、オキシ塩化リンと反応させ、その後、
得られた生成物を、都合よくは、ジクロロメタンまたはジクロロエタンのような
溶媒中、式(II)の化合物と反応させる。ついで、この反応の生成物を、例えば
、ホウ水素化ナトリウムまたはシアノホウ水素化ナトリウムで還元する。該還元
は、適当な溶媒、例えば、ジクロロエタン、ジクロロメタン、メタノール、エタ
ノール、水またはその混合液中で実施してもよい。
方法(c)のよる還元アミノ化は、一般に、ホウ水素化ナトリウムまたはシア
ノホウ水素化ナトリウムのような還元剤を用い、塩化チタン(IV)のようなルイ
ス酸の存在下で実施されるであろう。化合物(IX)とアミンの反応は、都合よく
は、ジクロロメタンまたはジクロロエタンのような溶媒中でなされる。
式(II)の化合物は、式(X):
のジカルボニル化合物を環化することにより調製することができる。
該反応は、エタノールのような溶媒中、アンモニウム塩、例えば、酢酸アンモ
ニウムを用いて行ってもよい。(例えば、シー・ジー・クルーセ(C.G.Kruse)
ら、ヘテロサイクルズ(Heterocycles)、第26巻、3141頁、1987を参
照のこと)。
式(X)の化合物、その自体は、適宜置換されたハロゲン化アロイルを、2−
(2−ハロエチル)−1,3−ジオキソランまたは2−(2−ハロエチル)−1,
3−ジオキサンのメタロ誘導体と反応させ、その後、酸加水分解に付すことによ
り調製される。
式(III)および(IV)の化合物は市販されているか、または標準方法により
調製することができる。
アミン(V)は、式(XI):
のケトンを、塩化チタン(IV)の存在下、アミン;R15NH2で還元アミノ化に
付し、つづいて、方法(c)について前記したように、例えば、シアノホウ水素
化ナトリウムで還元することにより得ることができる。
式(VI)および(VII)の化合物(ここに、R7およびR12は、各々、水素以外
の基である)は、式(III)または(IV)の適当なアミンを、例えば、対応する
ハロゲン化アシルを用いてアシル化することにより調製してもよい。
式(VI)および(VII)の化合物(ここに、R7およびR12は、各々、水素であ
る)ならびに化合物(VIII)は、式(III)、(IV)または(V)の適当なアミ
ンを、無水酢酸/ギ酸のようなホルミル化剤と反応させることにより調製しても
よい。
式(IX)の化合物は、フィルスマイヤー反応(ジメチルホルムアミドをオキシ
塩化リンと反応させ、生成物をジクロロエタンのような溶媒中で式(II)の化合
物と反応させる)に付し、つづいて酸加水分解を実施することにより調製するこ
とができる。
置換基R1ないしR5は、合成のいずれか適当な段階で、好ましくはピロール部
を形成する前の初期の段階で、当該分野における公知手段を用いて導入してもよ
い。かくして、例えば、置換基R6OSO2−は、式(XII):
(式中、R20はカルボキシル基またはハロゲン原子、例えば、臭素を表し、R21
はOR1、R2、R3およびR5から選択される任意の環置換基を意味する)
で示される化合物を、化合物R6OHと反応させることにより形成させてもよい
。該反応は、都合よくは、溶媒、例えば、テトラヒドロフランまたは水の存在下
、所望により塩基の存在下で行ってもよい。式(XII)の化合物は公知であるか
(例えば、ドイツ国OLS2,721,643)、または標準方法により調製して
もよい。
必要ならば、化合物(I)の調製に用いるいずれかの反応に対して敏感である
、置換基R1ないしR5に、または基Yに存在する基または部を、当該分野におけ
る周知方法により反応の間保護し、該保護基を、合成におけるいずれか都合のよ
い段階で、例えば、最終段階で標準操作により除去してもよい。
式(I)の化合物がエナンチオマー混合物として得られる場合、これらの混合
物を、分割剤の存在下での結晶化、または例えば、キラルHPLCカラムを用い
るクロマトグラフィーのような常套手段により分離してもよい。
別法として、式(I)の化合物を、その合成にて、例えば、方法(a)または
(c)にて、もしくは方法(b)にて用いるためのアミドの調製にて直接的にキ
ラルアミンを用いることにより単一のエナンチオマーとして調製してもよい。式
(III)、(IV)または(V)のキラルアミンを、適当なアミンのエナンチオマ
ー混合物を分割することにより、例えば、(S)−(+)−α−メトキシフェニ
ル酢酸のようなキラル助剤に結合させ、得られたジアステレオマーをクロマトグ
ラフィーにより分離することにより調製してもよい。その補助基を標準方法によ
り除去し、所望のキラルアミンを得てもよい。すなわち、例えば、(S)−(+
)
−α−メトキシフェニルアセチル基を、塩基性条件下で切断してもよい。
式(I)の化合物は、ドーパミンレセプター、特にD3レセプターに対して親
和性を示すことが見いだされ、精神病症状のようなそのようなレセプターの調節
を要する疾患の治療にて有用であると考えられる。現在、利用可能な抗精神病剤
(神経弛緩剤)の治療作用は、一般に、D2レセプターを遮断することにより発
揮されると考えられるが、この機構はまた、多くの神経弛緩剤に伴う望ましくな
い錐体外路副作用(eps)に関与していると考えられる。理論により拘束する
つもりはないが、最近特徴付けられたドーパミンD3レセプターの遮断は、有意
なepsを伴うことなく、有効な抗精神病活性を生じさせると示唆されている。
(例えば、ソコロフ(Sokoloff)ら、ネイチャー(Nature)、1990;347
:146−151;およびシュワルツ(Schwartz)ら、クリニカル・ニューロフ
ァーマコロジー(Clinical Neuropharmacology)、第16巻、No.4、295−
314、1993を参照のこと)。したがって、本発明の好ましい化合物は、ド
ーパミンD2レセプターよりもドーパミンD3レセプターに対してより高い親和性
を有する化合物である(そのような親和性は、例えば、クローン化ドーパミンレ
セプターを用いる標準的方法論を用いて測定することができる)。該化合物は、
有利には、D3レセプターの選択的調節剤として用いることができる。特に、式(
I)の化合物は、ドーパミンD3レセプター・アンタゴニストであり、それ自体、
抗精神病剤として、例えば、精神分裂病、分裂−感情性(schizo-affective)障
害、精神病性うつ病および躁病の治療にて用いられる可能性がある。ドーパミン
D3レセプターを調節することにより治療される他の症状は、パーキンソン病、
神経弛緩剤誘発のパーキンソン症候群および向遅発性口唇ジスキネジー;うつ病
;および薬(例、コカイン)依存症のようなジスキネジー障害を包含する。
したがって、さらなる態様において、本発明は、ドーパミンD3レセプターの
調節を必要とする症状、例えば、精神分裂病のような精神病の治療法であって、
その治療を必要とする対象に、有効量の式(I)の化合物またはその生理学上許
容される塩を投与することからなる方法を提供する。
本発明はまた、ドーパミンD3レセプターの調節を要する症状、例えば、精神
分裂病のような精神病の治療用医薬の製造における、式(I)の化合物またはそ
の生理学上許容される塩の使用を提供する。
医薬にて使用する場合、本発明の化合物は、通常、標準的医薬組成物として投
与される。したがって、本発明は、さらなる態様にて、式(I)の新規な化合物
またはその生理学上許容される塩と、生理学上許容される担体とからなる医薬組
成物を提供する。
式(I)の化合物は、いずれか都合のよい方法により、例えば、経口、非経口
、バッカル、舌下、経鼻、経直腸または経皮投与により投与してもよく、医薬組
成物を、適宜、適合させることができる。
経口投与した場合に活性である式(I)の化合物およびその生理学上許容され
る塩は、液体または固体として、例えば、シロップ、懸濁液またはエマルジョン
、錠剤、カプセルおよびロゼンジとして処方できる。
液体処方は、一般に、該化合物または生理学上許容される塩の適当な液体担体
、例えば、水、エタノールまたはグリセリンのような水性溶媒、またはポリエチ
レングリコールまたは油のような非水性溶媒中懸濁液または溶液からなる。該処
方はまた、沈殿防止剤、保存剤、フレーバーまたは着色剤を含有してもよい。
錠剤形の組成物は、固体処方を調製するのに慣用的に用いられるいずれか適当
な医薬担体を用いて調製できる。そのような担体として、例えば、ステアリン酸
マグネシウム、澱粉、ラクトース、シュークロースおよびセルロースが挙げられ
る。
カプセル形の組成物は慣用的カプセル化操作を用いて調製することができる。
例えば、活性成分含有のペレットは標準担体を用いて調製され、ついでハードゼ
ラチンカプセルに充填される;また、分散液または懸濁液はいずれか適当な医薬
担体、例えば、水性ガム、セルロース、シリケートまたは油を用いて調製され、
ついで該分散液または懸濁液がソフトゼラチンカプセルに充填される。
典型的な非経口用組成物は、該化合物または生理学上許容される塩の滅菌水性
担体または非経口的に許容される油、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビ
ニルピロリドン、レシチン、落花生油またはゴマ油中溶液または懸濁液からなる
。
別法として、該溶液を凍結乾燥し、投与の直前に適当な溶媒で復元することもで
きる。
経鼻投与用組成物は、都合よくは、エアロゾル、ドロップ、ゲルおよび散剤と
して処方してもよい。エアロゾル処方は、典型的には、活性物質の生理学上許容
される水性または非水性溶媒中溶液または微細懸濁液からなり、通常、滅菌形に
て、密封容器中、一回または複数回投与量にて提供され、噴霧装置を用いる、カ
ートリッジまたは詰め替えの形態を取ることができる。また、密封容器は、該容
器の中身が使い果たされたならば、使い捨てられることを意図とする、一回投与
用経鼻吸入器または計量バルブを備えたエアロゾル分散器のような一元の分散装
置とすることができる。投与形がエアロゾル分散器を必須とする場合、該装置は
圧縮空気のような圧縮気体とすることができる噴射剤またはフルオロクロロ炭化
水素のような有機噴射剤を含有するであろう。アエロゾル投与形はまた、ポンプ
式噴霧器の形態とすることもできる。
バッカルまたは舌下式投与に適する組成物は、錠剤、ロゼンジおよびパステル
を包含し、その場合、活性成分をショ糖およびアカシア、トラガカント、または
ゼラチンおよびグリセリンのような担体と一緒に処方する。
経直腸投与用組成物は、都合よくは、カカオバターのような通常の坐剤用基剤
を含有する坐剤の形態である。
経皮投与に適当な組成物は、軟膏、ゲルおよびパッチを包含する。
好ましくは、組成物は、錠剤、カプセルまたはアンプルのような単位投与形で
ある。
経口投与用の各投与単位は、好ましくは、1〜250mg(非経口投与用では
、0.1〜250mgを含有することが好ましい)の式(I)の化合物または遊
離塩基として算定したその生理学上許容される塩を含有する。
本発明の生理学上許容される化合物を、通常、一日の投与量(成人患者の場合
)にて、例えば、式(I)の化合物または遊離塩基として算定したその生理学上
許容される塩を1mg〜500mg、好ましくは10mg〜400mg、例えば
、10〜250mgの経口用量、または0.1mg〜100mg、好ましくは0.
1
mg〜50mg、例えば、1〜25mgの静脈内、皮下または筋肉内用量にて投
与し、一日に1ないし4回投与する。適当には、該化合物を継続的治療の期間、
例えば、1週間またはそれ以上の期間投与する。
以下の非制限的例示を用いて、本発明をさらに詳しく説明する。
記載例1
2−メトキシ−5−フェノキシスルホニル安息香酸
2−メトキシ−5−クロロスルホニル安息香酸(5.0g、20ミリモル)お
よびフェノール(1.88g、20ミリモル)の水(100ml)中にて迅速に
撹拌した混合物に、水酸化ナトリウムの溶液(16ml、10%;40ミリモル
)を10分間にわたって滴下した。該混合物を18時間撹拌し、ついでエーテル
で抽出した。水相を濃塩酸でpH1に酸性化し、白色沈殿物を濾過し、標記化合
物(4.05g)を得た。1
H NMR(CDCl3)δ4.03(3H,s)、5.60(1H,brs)、7.
00(2H,m)、7.08(1H,d,J=8Hz)、7.30(3H,m)、7.8
7(1H,dd,J=8,2Hz)、8.39(1H,d,J=2Hz)。
記載例2
塩化2−メトキシ−5−フェノキシスルホニルベンゾイル
2−メトキシ−5−フェノキシスルホニル安息香酸(4.0g、13ミリモル
)の乾燥トルエン(100ml)中懸濁液に、室温で塩化オキサリル(2.3m
l、26ミリモル)を加えた。DMF(1滴)を加え、混合物を室温で2時間撹
拌した。該混合物を真空下で蒸発させ、残渣を1:1のトルエン/ヘキサンでト
リチュレートし、固体として標記化合物(4.04g)を得た。1
H NMR(CDCl3)δ4.04(3H,s)、7.02(2H,m)、7.11
(1H,d,J=8Hz)、7.32(3H,m)、8.00(1H,dd,J=8,2
Hz)、8.45(1H,d,J=2Hz)。
記載例3
2−(2−メトキシ−5−フェノキシスルホニルフェニル)−1H−ピロール
クルセ(Kruse)らの方法(ヘテロサイクルズ(Heterocycles),26,31
41,1987)に従って、塩化2−メトキシ−5−フェノキシスルホニルベン
ゾイル(D2)(4.04g、12ミリモル)より製造した。1
H NMR(CDCl3)δ4.05(3H,s)、6.30(1H,m)、6.62
(1H,m)、6.91(1H,m)、7.02(3H,m)、7.27(3H,m)
、7.57(1H,dd,J=8,2Hz)、8.05(1H,d,J=2Hz)、9.
68(1H,brs)。
記載例4
1−ホルミル−2−(R,S)−フェニルアザシクロヘプタン
98−100%ギ酸(30ml)および無水酢酸(100ml)の混合物に、
2−(R,S)−フェニルアザシクロヘプタン(10g、57.1ミリモル;ビー
・イー・マリアノフ(B.E.Maryanoff)ら、ジャーナル・オブ・メディシナル・
ケミストリー(J.Med.Chem.)30,1433,1987)を加え、該混合物を
70℃に2時間加温した。ついで、反応混合物を冷却し、真空下で蒸発乾固させ
、残渣をエーテルと飽和水性炭酸カリウムの間に分配した。エーテル層を分離し
、真空下で蒸発乾固させ、E/Z異性体の混合物として標記化合物(11.24
g;97%)を得た。1
H NMR(CDCl3)は2種の異性体として存在する;δ1.2−2.1(7H
,m)、2.3−2.6(1H,m)、2.8(t,J=12Hz)および3.3(t,J
=12Hz)(一緒になって1H)、3.65(brd,J=12Hz)および4.
24(brd,J=12Hz)(一緒になって1H)、4.67(q,J=7Hz)
および5.3(q,J=7Hz)(一緒になって1H)、7.13−7.45(5H,
m)、8.15(s)および8.3(s)(一緒になって1H)。
記載例5
2−メトキシ−4−メチル−5−フェノキシスルホニル安息香酸
記載例1の方法に従って、2−メトキシ−4−メチル−5−クロロスルホニル
安息香酸より収率49%にて調製した。1
H NMR(CDCl3)δ:2.83(3H,s)、4.12(3H,s)、7.0
1(3H,m)、7.19−7.35(3H,m)、8.56(1H,s)。
記載例6
2−(2−メトキシ−4−メチル−5−フェノキシスルホニルフェニル)−1H
−ピロール
記載例2および3の方法に従って、2−メトキシ−4−メチル−5−フェノキ
シスルホニル安息香酸より、全収率46%にて調製した。1
H NMR(CDCl3)δ:2.71(3H,s)、4.05(3H,s)、6.2
5(1H,m)、6.57(1H,m)、6.87(1H,m)、6.91(1H,m
)、7.02(2H,m)、7.16−7.84(3H,m)、8.05(1H,s)
、9.58(1H,brs)。
記載例7
1−ホルミル−2−(R)−フェニルアザシクロヘプタン
記載例4の一般的方法に従って調製した。1
H NMR(CDCl3)は2種の異性体として存在する;δ1.19−2.09(
7H,m)、2.39(m)および2.57(m)(一緒になって1H)、2.81
(t,J=13Hz)および3.34(t,J=13Hz)(一緒になって1H)、
3.68(ブロードなd,J=13Hz)および4.24(ブロードなd,J=13
Hz)(一緒になって1H)、4.68(q,J=7Hz)および5.31(q,J=
7Hz)(一緒になって1H)、7.13−7.50(5H,m)、8.15(s)
および8.29(s)(一緒になって1H)。
記載例8
1−ホルミル−2−(R,S)−フェニルピペリジン
記載例4の方法に従って、2−(R,S)−フェニルピペリジンより調製した
。1H NMR(CDCl3)はE/Z異性体の混合物として存在する;δ1.40
−2.10(5H,m)、2.33−2.53(1H,m)、2.85−3.17(1
H,m)、3.46(m)および4.10(m)(一緒になって1H)、4.77(
m)および5.75(m)(一緒になって1H)、7.10−7.53(5H,m)
、8.14(s)および8.25(s)(一緒になって1H)。
実施例1
2−(2−メトキシ−5−フェノキシスルホニルフェニル)−5−(1−[2−
フェニルアザシクロヘプチル]メチル)−1H−ピロール・塩酸塩
1−ホルミル−2−フェニルアザシクロヘプタン(1.02g、5ミリモル)
を、0℃で、アルゴン下、撹拌しながら、オキシ塩化リン(0.45ml、5ミ
リモル)で処理した。室温に加温し、1,2−ジクロロエタン(10ml)で希
釈した後、2−(2−メトキシ−5−フェノキシスルホニル)フェニル−1H−
ピロール(1.13g、3.4ミリモル)の1,2−ジクロロエタン(20ml)
中溶液を加え、反応物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、
ついでホウ水素化ナトリウム(1.0g)を少しずつ添加した。1時間撹拌した
後、メタノール(5ml)を、つづいて水(5ml)を滴下し、混合物を水およ
び飽和水性炭酸カリウムの間に分配した。有機相を分離し、乾燥し、真空下で蒸
発させ、残渣を濃塩酸(5ml)およびメタノール(5ml)で2時間にわたっ
て処理した。得られた溶液を水性水酸化ナトリウム(10%;50ml)および
ジクロロメタン(3x50ml)の間に分配した。合した有機抽出物を乾燥し、
真空下で蒸発させた。クロマトグラフィー(SiO2、溶出液;10−20%Et
OAc-ヘキサン)に付してガム状物(1.21g)を得、それを水性希HClで処
理し、ジクロロメタンに抽出することによりそのHCl塩に変え、標記化合物(
E1)を得た。
元素分析 :C30H32N2O4S・HClとして、計算値(%):C,65.15:H
,6.01;N,5.06、測定値(%):C,64.85;H,6.05;N,5.
1
2。
以下の化合物を実施例1の操作に従って対応するピロールより調製した。
2−(2−メトキシ−4−メチル−5−フェノキシスルホニルフェニル)−5−
(1−(2−(R)−フェニルアザシクロヘプチル)メチル)−1H−ピロール
・塩酸塩
質量分析:C31H34N2O4Sとして、計算値:M+,530.2239;測定値:
M+,530.2237。
2−(2−メトキシ−5−フェノキシスルホニルフェニル)−5−(1−(2−
(R,S)−フェニルピペリジニル)メチル)−1H−ピロール・塩酸塩1
H NMR(CDCl3)δ:1.63(1H,m)、1.75−2.13(3H,m
)、2.23−2.73(3H,m)、3.40−3.62(2H,m)、3.82(
1H,m)、4.18(3H,s)、4.25(1H,m)、6.15(1H,m)、
6.45(1H,m)、6.90−7.08(3H,m)、7.18−7.60(7H,
m)、7.88(2H,brs)、8.03(1H,d,J=3Hz)、11.34(
1H,brs)、12.45(1H,brs)。
実施例2
2−(2−(R,S)−(1−エチルピロリジニル))−5−(2−メトキシ−
5−フェノキシスルホニルフェニル)−1H−ピロール・塩酸塩
実施例1に記載の方法と同様の操作に従って、2−(2−メトキシ−5−フェ
ノキシスルホニルフェニル)−1H−ピロールおよび1−エチル−2−ピロリジ
ノンより、収率69%にて標記化合物を得た。
質量分析:C23H26N2O4Sとして、計算値:M+,426.1606、測定値:
M+,426.1607。
同様に、実施例2の操作に従って、対応するピロールより以下の化合物を調製し
た:
2−(2−(R,S)−(1−エチルピロリジニル))−5−(2−メトキシ−
4−メチル−5−フェノキシスルホニルフェニル)−1H−ピロール・塩酸塩
元素分析 :C24H28N2O4S・HClとして、計算値(%):C,60.4;H,
6.1;N,5.9、測定値(%):C,60.0;H,6.1;N,5.8。
実施例3
2−(N−ベンジル−N−エチル)アミノメチル−5−(2−メトキシ−5−フ
ェノキシスルホニルフェニル)−1H−ピロール・塩酸塩
N−エチルベンジルアミン(0.17ml、0.15g、1.1ミリモル)のエ
タノール(10ml)中撹拌溶液に、室温で、アルゴン下、40%水性ホルムア
ルデヒド(0.08ml、1.1ミリモル)を、つづいて氷酢酸(0.11ml、
1.4ミリモル)を加えた。得られた混合物を0.5時間撹拌し、ついで2−(2
−メトキシ−5−フェノキシスルホニルフェニル)−1H−ピロール(0.33
g、1.0ミリモル)を一度に添加した。撹拌を72時間続け、ついで過剰のエ
タノールを真空下で蒸発させた。残渣を飽和水性NaHCO3(50ml)および
ジクロロメタン(3x50ml)の間に分配し、合した有機抽出物を乾燥し、真
空下で蒸発させて油(0.6g)を得た。ヘキサン/酢酸エチルで勾配溶出する
シリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、油として遊離塩基(0.36g)を
得た。ジクロロメタン中のエーテル性HClで処理し、標記化合物を得た。1
H NMR(CDCl3)δ:1.21(3H,t,J=7Hz)、2.96(2H,m)、
3.80−4.00(1H,m)、4.22(3H,s)、4.15−4.52(3H,
m)、6.29(1H,m)、6.51(1H,m)、6.88−7.12(3H,m
)、7.15−7.80(9H,m)、8.06(1H,d,J=3Hz)、11.80
(1H,brs)、12.28(1H,brs)。
生物学的試験方法
化合物のヒトD3ドーパミンレセプターへの選択的結合能は、そのクローン化
レセプターへの結合を測定することにより決定することができる。試験化合物の
CHO細胞にて発現させたヒトD2およびD3ドーパミンレセプターに結合する[125
I]ヨードサルプリド(iodosulpride)の置換についての阻害定数(Ki)を
測定した。細胞株には細菌、真菌およびマイコプラズマ夾雑物のないことが明ら
かにされており、各ストックを液体窒素にて凍結貯蔵した。培養物を、標準細胞
培地中、単層として、または懸濁液にて増殖させた。細胞を削り取ることにより
(単層)、または遠心分離に付すことにより(懸濁培養液)回収し、リン酸緩衝
セイラインに懸濁させ、つづいて遠心分離により収集することにより2または3
回洗浄した。細胞ペレットを−40℃で凍結貯蔵した。粗細胞膜を、均質化、つ
づいて高速遠心分離に付すことで調製し、クローン化レセプターの特徴付けを放
射性リガンド結合により行った。
CHO細胞膜の調製
細胞ペレットを室温で緩やかに解凍し、約20倍容量の氷冷50mMトリス塩
(37℃でpH7.4)、20mM EDTA、0.2Mシュークロース中に懸濁さ
せた。その懸濁液をUltra-Turraxを用いてフルスピードで15秒間均質化させ
た。そのホモジネートを4℃で20分間、Sorvall RC5C遠心分離機にて1
8,000r.p.mで遠心分離に付した。その膜ペレットを、Ultra-Turraxを
用い、氷冷50mMトリス塩(37℃でpH7.4)に再び懸濁させ、4℃で15
分間、Sorvall RC5Cにて18,000r.p.mで再び遠心分離に付した。そ
の膜を氷冷50mMトリス塩(37℃でpH7.4)で2回以上洗浄した。最終ペ
レットを50mMトリス塩(37℃でpH7.4)に再び懸濁させ、標体としてウ
シ血清アルブミンを用い、蛋白質含量を測定した(ブラッドフォード・エム・エ
ム(Bradford,M.M.)、(1976)アナリティカル・バイオケミストリー(Ana
l.Biochem.)72,248−254)。
クローン化ドーパミンレセプターにおける結合実験
粗細胞膜を、50mMトリス塩(37℃でpH7.4)、120mM NaCl、
5mM KCl、2mM CaCl2、1mM MgCl2、0.1%(w/v)ウシ血清
アルブミン含有の緩衝液中、0.1nM[125I]ヨードサルプリド(〜2000
Ci/ミリモル;アメルシャム、英国)および試験化合物と一緒に、1mlの総
容量にて37℃で30分間インキュベートした。インキュベートした後、サンプ
ルをBrandel Cell Harvesterを用いて濾過し、氷冷50mMトリス塩(37
℃でpH7.4)、120mM NaCl、5mM KCl、2mM CaCl2、1mM
MgCl2で3回洗浄した。フィルター上の放射活性をCobraガンマカウンター(C
anberra Packard)を用いて測定した。非特異的結合を100μMのヨードサル
プリドの存在下でインキュベートした後に残っている放射性リガンド結合として
定義した。競合曲線として、14種の濃度(半対数希釈度(half-log dilutions)
)の競合する冷薬剤を用いた。
競合曲線は、1、2または3つの部位モデルを適合させることのできる、非線
形最小二乗適合操作を用い、可能な限り同時に分析した。
実施例1ないし3の化合物は、ヒトD3レセプターで5〜20nMのIC50値
を有した。
医薬処方
以下の記載は本発明に係る典型的な医薬処方を表し、標準方法を用いて調製で
きる。
IV注入
式(I)の化合物 1〜40mg
緩衝剤 pH約7まで
溶媒/錯形成剤 100mlまで
ボーラス注射
式(I)の化合物 1〜40mg
緩衝剤 pH約7まで
共溶媒 5mlまで
緩衝剤:適当な緩衝剤はクエン酸塩、リン酸塩、水酸化ナトリウム/塩酸を包含
する。
溶媒 :典型的には水であるが、シクロデキストリン(1〜100mg)および
プロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびアルコールのような共溶
媒を有していてもよい。
錠剤
化合物 1〜40mg
希釈剤/充填剤* 50〜250mg
結合剤 5〜25mg
崩壊剤* 5〜50mg
滑沢剤 1〜5mg
シクロデキストリン 1〜100mg
* さらにシクロデキストリンを含有していてもよい。
希釈剤: 例、微結晶セルロース、ラクトース、澱粉
結合剤: 例、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
崩壊剤: 例、澱粉グリコール酸ナトリウム、クロスポビドン
滑沢剤: 例、ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム
経口用懸濁液
化合物 1〜40mg
懸濁化剤 0.1〜10mg
希釈剤 20〜60mg
保存剤 0.01〜1.0mg
緩衝剤 pH約5〜8まで
共溶媒 0〜40mg
フレーバー 0.01〜1.0mg
着色剤 0.001〜0.1mg
懸濁化剤: 例、キサンタンガム、微結晶セルロース
希釈剤 : 例、ソルビトール溶液、典型的には水
保存剤 : 例、安息香酸ナトリウム
緩衝剤 : 例、クエン酸塩
共溶媒 : 例、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール
、シクロデキストリン
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
,GE,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,
LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,M
W,MX,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU
,SD,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,US,
UZ,VN
【要約の続き】
ていてもよいアリールC1-6アルキルまたは所望により
置換されていてもよいヘテロアリールC1-6アルキル;
R14は所望により置換されていてもよいアリールまたは
所望により置換されていてもよいヘテロアリール基;お
よびZは−(CH2)u(ここに、uは2〜8である)また
は−(CH2)vCH=CH(CH2)w(ここに、vおよびw
は、独立して1〜3である);基(d)にて:rおよび
sは、各々、独立して1〜3の整数を表し;基(e)に
て:R15はC1-6アルキル、C3-6アルケニルまたはC3-6
シクロァルキルC1-4アルキル;R16、R17、R18お
よびR19は、各々、独立して水素、ハロゲン、C1-4ア
ルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルコキシC1-4アル
キル、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフル
オロメトキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシC1-4アルキ
ル、C1-4アルカノイル、C1-4アルコキシカルボニル、
アミノまたはモノもしくはジ−C1-4アルキルアミノ;
XはCH2、SまたはO;tは0、1または2を意味す
る)]で示される化合物およびその塩は、ドーパミンレ
セプターで活性を有し、精神分裂病のような精神病の治
療にて有用であるかもしれない。