JPH0952959A - 衝撃性スチレン系樹脂成形品の成形方法 - Google Patents

衝撃性スチレン系樹脂成形品の成形方法

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JPH0952959A
JPH0952959A JP20574495A JP20574495A JPH0952959A JP H0952959 A JPH0952959 A JP H0952959A JP 20574495 A JP20574495 A JP 20574495A JP 20574495 A JP20574495 A JP 20574495A JP H0952959 A JPH0952959 A JP H0952959A
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JP
Japan
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molding
weight
styrene
mold
group
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JP20574495A
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Fusaki Fujibayashi
房樹 藤林
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (A)シンジオタクティックな立体規則
性を有するスチレン系重合体99〜30重量%、(B)
分子鎖の一部が(A)成分の非晶相部分に相溶するセグ
メントからなる一種類以上のエラストマー1〜70重量
%からなる100重量部に対して、(C)ポリフェニレ
ンエーテル系重合体を0.1〜100重量部配合してな
るポリスチレン系樹脂組成物を270〜370℃に溶融
し、20℃における熱伝導率が0.01cal/cm・
sec・℃以下である断熱材料が被覆された型キャビテ
ィの壁温度を20〜150℃とし、該型キャビティを有
する金型を用いて成形することを特徴とする樹脂成形品
の成形方法である。 【効果】 従来の成形方法に比較して成形効率を低下す
ることなく、耐熱性、耐薬品性および表面外観の優れた
成形品を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐薬品性の改良さ
れた耐衝撃性ポリスチレン系樹脂成形品の成形方法に関
する。さらに詳しくは、耐衝撃性、剛性などの力学的特
性の優れたシンジオタクティックポリスチレン系樹脂組
成物の成形効率を低下することなく、耐熱性、耐薬品性
および表面外観の優れた成形品を得るための成形方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来からラジカル重合法により製造され
るスチレン系重合体は、立体構造がアタクティックであ
るため、非晶性樹脂であり、耐熱性、耐薬品性に劣ると
いう欠点があった。この欠点を克服するため、立体構造
がシンジオタクティックな規則性であるスチレン系重合
体が開発され、さらにこのスチレン系重合体に他の成分
を配合した組成物が提案された(特開昭62−1048
18号公報、同62−257948号公報、同62−2
57950号公報)。
【0003】しかしながら、これらのシンジオタクティ
ックポリスチレン系重合体あるいはその組成物には、大
別して二種類の欠点が存在している。一つは、シンジオ
タクティックポリスチレン系重合体の結晶化が遅いこと
である。つまり、結晶性であるシンジオタクティックポ
リスチレン系重合体は、アタクティックポリスチレン系
重合体組成物に比べて耐熱性、耐薬品性などに優れると
いう特性を有するが、これらの特性はシンジオタクティ
ックポリスチレン系重合体が十分に結晶化してはじめて
発現されるものであり、結晶化が十分でなかったり、非
晶質状態で固化した成形品ではせっかくの耐熱性、耐薬
品性が損なわれてしまう。シンジオタクティックポリス
チレン系重合体のガラス転移温度(Tg)は約100℃
であり、シンジオタクティックポリスチレン系重合体を
成形時に結晶化させるためには、高い成形温度と長い冷
却時間を必要とし、アタクティックポリスチレン系重合
体あるいはその組成物の成形に比較して成形効率が低く
なってしまう。逆に、成形温度を低くしたり、成形時間
を短くし、アタクティックポリスチレン系重合体あるい
はその組成物の成形と同等の成形効率にしようとする
と、成形品の結晶化が不十分となり、成形品の耐熱性、
耐薬品性を損なってしまう。成形効率と耐熱性、耐薬品
性を両立させることは困難であった。
【0004】二つ目の欠点は、耐衝撃性が劣ることであ
る。これを改善するために、多くの試みがなされた。結
晶化速度を改善し優れた特性の成形品を得るために、シ
ンジオタクティックポリスチレン系重合体に無機化合物
を配合した組成物(特開平1−108244号公報)、
シンジオタクティックポリスチレン系重合体にイオン性
炭化水素共重合体の金属塩を配合した組成物(特開平1
−182347号公報)、シンジオタクティックポリス
チレン系重合体に結晶核剤を配合した組成物(特開平1
−201350号公報)、シンジオタクティックポリス
チレン系重合体に結晶核剤および結晶化促進剤を配合し
た組成物(特開平2−202939号公報)などが提案
されている。しかしながら、これらの技術によっても成
形効率を低くせずに得られる成形品の結晶化がまだ不十
分であるとともに成形品の外観がやや悪いなど、総合的
な解決策とはならなく改善の余地が残されている。
【0005】耐衝撃性、剛性などの力学的特性のバラン
スを改善する目的で2種類あるいは3種類以上の他の成
分を配合した組成物が提案されている(例えば、特開平
1−182344号公報、同1−182350号公報、
同2−64140号公報、特開平5−247292号公
報、特開平6−93153号公報、特開平6−2566
07号公報など)。これらの提案によると、耐衝撃性、
剛性などの力学的特性のバランスは確かに改善される
が、耐衝撃性を付与する目的で、シンジオタクティック
ポリスチレン系重合体に分散性の良い、分子鎖の一部が
シンジオタクティックポリスチレン系重合体の非晶相部
分に相溶するセグメントからなる一種類以上のエラスト
マーを配合している点、さらに分散性を改善するために
ポリフェニレンエーテル系重合体を配合している点に問
題があった。つまり、上述のエラストマーやポリフェニ
レンエーテル系重合体をシンジオタクティックポリスチ
レン系重合体に配合すると、組成物を溶融状態から成形
するときに、シンジオタクティックポリスチレン系重合
体の結晶化がこれらによって阻害されるため、結晶化し
にくくなるのである。従って、この組成物を成形して耐
熱性、耐薬品性の優れた成形品を得るためには、高い成
形温度と長い冷却時間を必要とし、アタクティックポリ
スチレン系重合体あるいはその組成物の成形に比較して
成形効率が低くなってしまう。逆に、成形温度を低くし
たり、成形時間を短くし、アタクティックポリスチレン
系重合体あるいはその組成物の成形と同等の成形効率に
しようとすると、成形品の結晶化が不十分となり、成形
品の耐熱性、耐薬品性を損なってしまう。
【0006】つまり、これまで提案されてきた方法によ
っては、成形の効率を低下することなく、耐衝撃性、剛
性などの力学的特性の優れたシンジオタクティックポリ
スチレン系樹脂成形品を成形し、なおかつ耐熱性、耐薬
品性および表面外観の優れた成形品を得ることは困難な
のである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形効率が
良く(低い金型温度と短い冷却時間を意味する。)、耐
衝撃性、剛性等の力学的特性に優れ、かつ耐熱性、耐薬
品性および表面外観に優れたポリスチレン系樹脂成形品
を得るための成形方法を提案することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(A)シンジオタクティックな立体規則性を有するスチ
レン系重合体99〜30重量%、(B)分子鎖の一部が
(A)成分の非晶相部分に相溶するセグメントからなる
一種類以上のエラストマー1〜70重量%からなる10
0重量部に対して、(C)ポリフェニレンエーテル系重
合体を0.1〜100重量部配合してなるポリスチレン
系樹脂組成物を270〜370℃に溶融し、20℃にお
ける熱伝導率が0.01cal/cm・sec・℃以下
である断熱材料が被覆された型キャビティの壁温度を2
0〜150℃とし、該型キャビティを有する金型を用い
て成形することを特徴とする樹脂成形品の成形方法であ
る。
【0009】本発明に用いる(A)シンジオタクティッ
クな立体規則性を有するスチレン系重合体(以下シンジ
オタクティックスチレン系樹脂と称す)は、炭素−炭素
結合から形成される主鎖に対してフェニル基あるいは置
換フェニル基が交互に反対方向に位置する立体構造を有
するものであり、そのタクティシティーは同位体炭素に
よる核磁気共鳴法(13C−NMR法)により定量され
る。13C−NMR法により測定されるタクティシティー
は、連続する複数個の構成単位の存在割合、例えば2個
の場合はダイアッド、3個の場合はトリアッド、5個の
場合はペンタッドによって示すことができる。
【0010】本発明に用いるシンジオタクティックスチ
レン系樹脂としては、ラセミペンタッドで50%以上が
好ましく、さらに80%以上好ましく、特に90%以上
のシンジオタクティシティーが好ましい。本発明に用い
るシンジオタクティックスチレン系樹脂は、下記一般式
(I)
【0011】
【化1】
【0012】(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子また
は炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原
子、セレン原子、ケイ素原子およびスズ原子のいずれか
1種類以上を含む置換基を示し、mは1〜3の整数を示
す。但し、mが複数の時は、各Rは同一でも異なるもの
であっても良い。)で表される芳香族ビニル化合物から
なる重合体あるいはこれらの重合体の水素化重合体であ
る。
【0013】ここで使用される好ましい芳香族ビニル化
合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチル
スチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、タ
ーシャリーブチルスチレン、フェニルスチレン、ビニル
スチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロ
スチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、
エトキシスチレン等があり、これらは1種または2種以
上で使用される。これらのうちさらに好ましい芳香族ビ
ニル化合物としては、スチレン、p−メチルスチレン、
m−メチルスチレン、p−ターシャリーブチルスチレ
ン、p−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−フ
ルオロスチレンである。
【0014】このシンジオタクティックスチレン系樹脂
は、重量平均分子量が10,000以上が好ましく、更
に50,000以上が好ましい。重量平均分子量が1
0,000未満では、得られる成形品の熱的性質、機械
的性質が低下し好ましくない。さらに、分子量分布につ
いても広狭の制限はなく、様々のものを充当することが
できる。このようなシンジオタクティックポリスチレン
は、例えば、特開昭63−268709号公報に開示さ
れている方法により製造することができる。すなわち不
活性炭化水素溶媒中または溶媒の不存在下で、チタン化
合物および水とトリアルキルアルミニウムとの縮合化合
物であるアルモキサンを触媒として、スチレン系単量体
をを重合することによって製造することができる。
【0015】また、シンジオタクティックポリスチレン
は極性基を有する変性剤により変性されていてもかまわ
ない。極性基としては、例えば、酸ハイドライド、カル
ボニル基、酸無水物、酸アミド、カルボン酸エステル、
酸アジド、スルフォン基、ニトリル基、シアノ基、イソ
シアン酸エステル、アミノ基、水酸基、イミド基、チオ
ール基、オキサゾリン基、エポキシ基等が挙げられる。
特に好ましい極性基は酸無水物とエポキシ基であり、酸
無水物の中、無水マレイン酸基が好ましい。
【0016】本発明に用いられる(B)分子鎖の全部あ
るいは一部が(A)成分の非晶相部分に相溶するセグメ
ントからなる一種類以上のエラストマーは、スチレンブ
タジエン共重合体エラストマー(SBR)、スチレン−
ブタジエン−スチレン共重合体エラストマー(SB
S)、一部あるいは全部のブタジエン部が水素化された
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体エラ
ストマー(SEBS)、スチレン−イソプレンブロック
共重合体エラストマー(SIR)、スチレン−イソプレ
ン−スチレンブロック共重合体エラストマー(SI
S)、一部あるいは全部のブタジエン部が水素化された
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体エラ
ストマー(SEPS)、アクリロニトリル−ブタジエン
−スチレン共重合体エラストマー(ABSゴム)、アク
リロニトリル−アルキルアクリレート−ブタジエン−ス
チレン共重合体エラストマー(AABSゴム)、メタク
リル酸メチル−アルキルアクリレート−スチレン共重合
体エラストマー(MASゴム)、メタクリル酸メチル−
アルキルアクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体
エラストマー(MABSゴム)などのスチレン系エラス
トマーなどが挙げられ、これらエラストマーの一種類あ
るいは二種類以上の組み合わせからなる。これらのエラ
ストマーの平均分子量は10,000〜1,000,0
00、好ましくは30,000〜500,000であ
る。また、これらのエラストマーは極性基を有する変性
剤により一部あるいは全部が変性されていてもかまわな
い。さらに、これらエラストマーの中でもスチレンブタ
ジエン共重合体エラストマー(SBR)、スチレン−ブ
タジエン−スチレン共重合体エラストマー(SBS)、
一部あるいは全部のブタジエン部が水素化されたスチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体エラストマ
ー(SEBS)、スチレン−イソプレンブロック共重合
体エラストマー(SIR)、スチレン−イソプレン−ス
チレンブロック共重合体エラストマー(SIS)、一部
あるいは全部のブタジエン部が水素化されたスチレン−
イソプレン−スチレンブロック共重合体エラストマー
(SEPS)からの一種類あるいは二種類以上の組み合
わせが好ましい。
【0017】これらは極性基を有する変性剤により変性
されていてもかまわない。極性基としては、例えば、酸
ハイドライド、カルボニル基、酸無水物、酸アミド、カ
ルボン酸エステル、酸アジド、スルフォン基、ニトリル
基、シアノ基、イソシアン酸エステル、アミノ基、水酸
基、イミド基、チオール基、オキサゾリン基、エポキシ
基などが挙げられる。特に好ましい極性基は酸無水物と
エポキシ基であり、酸無水物の中、無水マレイン酸基が
好ましい。
【0018】本発明に用いられる(C)ポリフェニレン
エーテル系重合体は、次に示す一般式(II−a)ある
いは(II−b)、
【0019】
【化2】
【0020】
【化3】
【0021】(式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5
6 は炭素1〜4のアルキル基、アリール基、ハロゲ
ン、水素等の一価の残基であり、R5 ,R6 は同時に水
素ではない)を繰り返し単位とし、構成単位が一般式
(II−a)あるいは(II−b)からなる単独重合
体、あるいは共重合体が使用できる。ポリフェニレンエ
ーテル系重合体の単独重合体の代表例としては、ポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、
ポリ(2−メチル−6−エチル1,4−フェニレン)エ
ーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレ
ン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−
1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n
−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2
−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エー
テル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−
フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロ
エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メ
チル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エ
ーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4
−フェニレン)エーテル等のホモポリマーが挙げられ
る。
【0022】ポリフェニレンエーテル共重合体の例とし
ては、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリ
メチルフェノールとの共重合体あるいはo−クレゾール
との共重合体あるいは2,3,6−トリメチルフェノー
ル及びo−クレゾールとの共重合体等、ポリフェニレン
エーテル構造を主体としてなるポリフェニレンエーテル
共重合体を包含する。
【0023】また、ポリフェニレンエーテル系重合体中
には、本発明の主旨に反しない限り、従来ポリフェニレ
ンエーテル系重合体中に存在させてもよいことが提案さ
れている他の種々のフェニレンエーテルユニットを部分
構造として含んでも構わない。少量共存させることが提
案されているものの例としては、特願昭63−1269
8号公報及び特開昭63−301222号公報に記載さ
れている、2−(ジアルキルアミノメチル)−6−メチ
ルフェニレンエーテルユニットや、2−(N−アルキル
−N−フェニルアミノメチル)−6−メチルフェニレン
エーテルユニット等が挙げられる。また、ポリフェニレ
ンエーテル系重合体の主鎖中にジフェノキノン等が少量
結合したものも含まれる。さらに、例えば特開平2−2
76823号公報、特開昭63−108059号公報、
特開昭59−59724号公報等に記載されている、炭
素−炭素二重結合を持つ化合物により変性されたポリフ
ェニレンエーテルも含む。ポリフェニレンエーテル系重
合体の分子量としては、数平均分子量で1,000〜1
00,000の範囲が好ましく、さらに好ましい範囲は
6,000〜60,000である。
【0024】また、ポリフェニレンエーテル系重合体は
極性基を有する変性剤により変性されていてもかまわな
い。極性基としては、例えば、酸ハイドライド、カルボ
ニル基、酸無水物、酸アミド、カルボン酸エステル、酸
アジド、スルフォン基、ニトリル基、シアノ基、イソシ
アン酸エステル、アミノ基、水酸基、イミド基、チオー
ル基、オキサゾリン基、エポキシ基などが挙げられる。
特に好ましい極性基は酸無水物とエポキシ基であり、酸
無水物の中、無水マレイン酸基が好ましい。
【0025】本発明に用いられる(D)無機充填剤とし
ては、酸化鉄、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化カル
シウムなどの酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム
等の水和金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム等の炭酸塩、タルク、クレー、ベントナイト等のケイ
酸塩、ホウ酸バリウム、ホウ酸亜鉛等のホウ酸塩、ガラ
ス繊維、チタン酸カリウム繊維、金属被覆ガラス繊維、
セラミック繊維、ウオラストナイト、繊維状マグネシウ
ムオキシサルフェート等の繊維状充填剤等が挙げられ
る。この中でも特に、タルク、ガラス繊維、チタン酸カ
リウム繊維および繊維状マグネシウムオキシサルフェー
トが物性面、取り扱い性および経済性の観点から好まし
い。
【0026】また、上記の無機充填剤をカップリング剤
などにより表面処理を施して使用することもできる。カ
ップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタ
ン系カップリング剤が挙げられる。シラン系カップリン
グ剤としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシランなどのアミノシラン、エポキ
シシランが好ましい。チタン系カップリング剤として
は、イソプロピルトリ(N−アミドエチル,アミノエチ
ル)チタネートが好ましい。表面処理の方法としては、
例えば、カップリング剤の有機溶媒溶液あるいは懸濁液
をサイジング剤として充填剤に塗布するサイジング処
理、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、V型ブレ
ンダーなどを用いた乾燥混合、スプレー法、インテグラ
ルブレンド法、ドライコンセントレート法など挙げら
れ、サイジング処理、乾式混合、スプレー法が好まし
い。
【0027】本発明に用いられる組成物の(A)、
(B)、(C)および(D)成分の配合量は、得られる
成形品の耐衝撃性、剛性などの力学的特性および耐熱
性、耐薬品性などを考慮した場合、次の関係を満たす必
要がある。(A)成分の配合量は、99〜30重量%、
好ましくは95〜40重量%、さらに好ましくは90〜
50重量%である。配合量が99重量%を超えると耐衝
撃性の改良が十分でなく、30重量%未満では剛性、耐
熱性、耐薬品性に劣った成形品になる。
【0028】(B)成分の配合量は、1〜70重量%、
好ましくは5〜60重量%、さらに好ましくは10〜5
0重量%である。配合量が1重量%未満では耐衝撃性の
改良が十分でなく、70重量%を超えると剛性、耐熱
性、耐薬品性に劣った成形品になる。(C)成分の配合
量は、(A)および(B)成分の合計100重量部に対
して0.1〜100重量部、好ましくは0.1〜90重
量部、さらに好ましくは0.1〜80重量部である。配
合量が0.1重量部未満では耐衝撃性の改良が十分でな
く、100重量部を越えると成形性が悪くなる。
【0029】(D)成分の配合量は、(A)および
(B)成分の合計100重量部に対して1〜350重量
部、好ましくは5〜300重量部、さらに好ましくは5
〜250重量部である。配合量が1重量部未満では剛性
改良の効果が少なく、350重量部を越えると成形性が
悪くなる。本発明に用いられる組成物は、(A)、
(B)、(C)および(D)成分を溶融混練して得るこ
とができる。溶融混練は、単軸押出機、二軸押出機等の
公知の溶融混練装置を用いることができるが、好ましく
はベント付き二軸押出機である。各成分を溶融混練する
ときの溶融混練温度は、通常270〜370℃の範囲、
好ましくは280〜330℃の範囲に設定される。溶融
混練温度が270℃より低いと、原料の溶融が不十分と
なるため均一な組成物を得ることができない。溶融混練
温度が370℃より高いと、原料の分解が発生するため
好ましくない。
【0030】本発明の成形方法により得られる樹脂成形
品は、上述の組成物を270〜370℃の範囲、好まし
くは280〜330℃の範囲に加熱溶融し、20〜15
0℃の、好ましくは30〜145℃、さらに好ましくは
40〜140℃の金型温度で、型キャビティを形成する
型壁面に20℃における熱伝導率が0.01cal/c
m・sec・℃以下である断熱材料が被覆された金型を
用いて成形することによって得られる。加熱溶融温度が
270℃より低いと、組成物の溶融が不十分となるため
均一な物性の成形品を得ることができない。加熱溶融温
度が370℃より高いと、組成物の分解が発生するため
好ましくない。金型温度が150℃を越えると、シンジ
オタクティックスチレン系樹脂の結晶化を十分進行させ
ることができるが、冷却時間が長くせねばならなかった
り、成形品の離型性が悪くなったりする。金型温度が2
0℃未満では、もはやシンジオタクティックスチレン系
樹脂を結晶化させることはできない。また、成形の手法
としては成形すべき成形品に応じて、適宜選択すればよ
いが、従来のアタクティックスチレン系樹脂の成形に採
用されている熱成形法等の種々の成形法、具体的には射
出成形、ブロー成形、プレス成形、押出成形、真空成
形、注入成形、注型成形等の手法によればよいが、この
中でも射出成形、ブロー成形、プレス成形が特に好まし
い。
【0031】本発明で使用する断熱材料の熱伝導率は
0.01cal/cm・sec・℃以下、好ましくは
0.005cal/cm・sec・℃以下である。熱伝
導率が0.01cal/cm・sec・℃より大きい
と、シンジオタクティックスチレン系樹脂の結晶化を十
分進めるためには金型温度を150℃以上にする必要が
あるので、成形サイクルが長くなり、また成形品の離型
性が悪くなる。しかるに、本発明で使用される断熱材料
として好適なものは、樹脂およびセラミックが挙げられ
る。特に、樹脂は熱伝導率が0.002cal/cm・
sec・℃以下で断熱効果が大きいので好ましい。さら
に、樹脂の中でもポリイミドが熱伝導度と耐久性の面か
ら特に好ましい。セラミックの熱伝導率は樹脂よりやや
大きいため樹脂と同様な断熱効果を発現させるには被覆
層を幾分厚めにしなければならない。
【0032】さらに、本発明における金型を被覆する断
熱材料は、上記の要件の他に、耐熱性に優れること、冷
熱サイクルに強いこと、耐摩耗性に優れること、金型本
体への被覆が良好にできること、金型本体との密着性が
良いこと、表面研磨ができることなどの性質が付与され
ることが望ましい。また、断熱材料の被覆厚みに関して
は、実質的に金型最表層にあって薄層であることが、冷
却時間の増大を抑えることができ好ましい。結晶化を十
分に進めることができ、さらに成形効率を損なわないた
めの好ましい断熱材料の被覆厚みは、用いる断熱材料の
熱伝導率、成形時の溶融温度、金型温度などの成形条件
によって変化するので、これらの条件と成形サイクルを
考慮して決定するのがよい。
【0033】断熱材料としてポリイミドを使用すること
は、射出成形、ブロー成形などで用いられる複雑な形状
の金型表面を被覆する場合に特に好都合である。本発明
で使用する断熱材料は、繰り返し多数回の成形に耐える
ように金型表面に強固に密着していることが好ましい、
そのためには金型に十分密着する耐久性の良い皮膜で金
型面をコートすることが望ましい。複雑な金型表面をポ
リイミドで被覆し、かつ強固に密着させるには、ポリイ
ミドの前駆体であるポリアミド酸をN−メチルピロリド
ンなどの溶媒に溶かし金型表面に塗布し、ついで加熱し
てポリイミドを形成させる方法がより好ましい。ポリイ
ミド前駆体のポリマーはカルボキシル基などの極性基の
ため、金型との密着性が良く、金型表面上でポリイミド
を反応形成させることにより金型表面に密着したポリイ
ミド薄層が得られる。
【0034】また、加熱可塑化された樹脂あるいは樹脂
組成物を金型内に供給して、加圧冷却して成形体を得る
行程では、各成形ごとに金型表面では100℃にも達す
る温度差の加熱と冷却が繰り返される。一般に断熱材料
と金属の熱膨張係数は大きく異なるので、金属と断熱材
料との界面に激しい応力が発生することになる。この応
力に数万回にわたって耐え得る断熱材料として、破断強
度、破断伸度が共に大きく、かつ金属との密着力が大き
いことが要求されるが、ポリイミドはこれらの要求を満
たし好都合である。中でも、フッ素などの金属との密着
性を阻害する物質を含まない強靱な直鎖型の高分子量ポ
リイミドが最も好ましい。
【0035】また、耐熱性を得るために、ポリイミドの
ガラス転移温度(Tg)は高い方が好ましい。直鎖型ポ
リイミドのTgは構成成分によって異なるが、Tgが2
00℃以上が好ましく、さらに好ましくは230℃以上
であり、最も好ましくは270℃以上である。ポリイミ
ドの熱伝導率は小さいほど好ましいが、熱伝導率が0.
002cal/cm・sec・℃以下のものが特に好ま
しく使用できる。
【0036】ポリイミド層の厚みは、0.01〜2mm
の範囲で適度に選択される。0.01mm未満の厚みで
は、結晶化が十分進んだ成形品を得るためには金型温度
を高くせねばならなく成形効率が落ちる。逆に金型温度
を低くすると成形効率は上がるが結晶化が十分進んだ成
形品を得ることができない。2mmを越えると、冷却効
果が低下し、成形効率が低下する。さらに、成形手法に
よっても好ましいポリイミド層の厚みは異なる。成形手
法が射出成形の場合では、0.01〜0.5mmの厚み
が好ましく、さらに好ましくは0.03〜0.2mmの
厚みである。成形手法がブロー成形あるいはプレス成形
の場合では、0.1〜1mmの厚みが好ましい。なお、
「ポリイミドの厚み」は、その最大厚みを意味する。
【0037】さらに、本発明に使用される直鎖型高分子
量ポリイミドの強度および伸度は大きいことが好まし
く、特に破断伸度が大きいことが耐冷熱サイクルには好
都合であり、その必要破断伸度は10%以上、好ましく
は20%以上である。破断伸度の測定はASTM D6
38に準じて行う。本発明に使用できる高分子量ポリイ
ミドの好適な例として、カプトン(商標名、東レ(株)
製、Tg=428℃)、ノバックス(商標名、三菱化学
(株)製、Tg=399℃)、ユーピレックスR(商標
名、宇部興産(株)製、Tg=303℃)、ユーピレッ
クスS(商標名、宇部興産(株)製、Tg=359
℃)、Larc TPI(商標名、三井東圧化学(株)
製、Tg=256℃)などが挙げられる。
【0038】本発明の成形方法に用いられる樹脂組成物
には、成形品の耐熱性、耐薬品性および表面外観を損な
わない範囲において、他の成分、例えば(B)成分以外
のエラストマー、(C)成分以外の熱可塑性樹脂、可塑
剤、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、核剤、滑剤、帯電
防止剤、顔料、染料、難燃剤、難燃助剤等を添加するこ
とができる。その添加量は、ポリスチレン系樹脂組成物
100重量部に対して0.01〜100重量部が好まし
い。
【0039】上記の(B)成分以外の、本発明の成形方
法に用いることのできるエラストマーの例としては、オ
レフィン系エラストマー、天然ゴム、ポリアミドエラス
トマー、ポリブタジエン、ポリスルフィドゴム、チオコ
ールゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴ
ム、エピクロルヒドリンゴム、ポリエーテル・エステル
ゴム、ポリエステル・エステルゴムなどが挙げられる。
【0040】上記オレフィン系エラストマーとしては、
エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン等の
α−オレフィン相互の共重合体、あるいはこれらと非共
役ジエンとの共重合体、あるいは1−ヘキセン等の高級
α−オレフィンの単独重合体であって、エラストマー状
の重合体であり、100℃で測定したムーニー粘度ML
1+4が、通常1〜200、好ましくは5〜150、さら
に好ましくは10〜100の範囲のものである。これら
オレフィン系エラストマーの中ではエチレン系エラスト
マーが品質および安定性の点で好ましい。具体的には、
エチレン・プロピレン共重合体ゴム(EPM)、エチレ
ン・1−ブテン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・
1−ブテン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・非共
役ジエン共重合体ゴム(EPDM)、エチレン・1−ブ
テン・非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン・プロピレ
ン・1−ブテン・非共役ジエン共重合体ゴム等がある。
上記非共役ジエンの具体例としては、ジシクロペンタジ
エン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジ
シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5−エチ
リデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボル
ネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−メチル−
1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジ
エン等を挙げることができる。
【0041】また、これらのエラストマーは極性基を有
する変性剤により変性されていてもかまわない。極性基
としては、例えば、酸ハイドライド、カルボニル基、酸
無水物、酸アミド、カルボン酸エステル、酸アジド、ス
ルフォン基、ニトリル基、シアノ基、イソシアン酸エス
テル、アミノ基、水酸基、イミド基、チオール基、オキ
サゾリン基、エポキシ基などが挙げられる。特に好まし
い極性基は酸無水物とエポキシ基であり、酸無水物は特
に無水マレイン酸基が好ましい。
【0042】(C)成分以外の熱可塑性樹脂としては、
成形品の用途などにより様々なものが選定され、特に制
限はない。例えばアタクティック構造のポリスチレン、
アイソタクティック構造のポリスチレン、AS樹脂、A
BS樹脂などのスチレン系重合体をはじめ、ポリエチレ
ンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどのポリエ
ーテル、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリ
オキシメチレンなどの縮合系重合体、ポリアクリル酸、
ポリアクリル酸エステル、ポリメチルメタクリレートな
どのアクリル系重合体、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン、ポリ4−メチルペンテン−1、エチレ
ン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン、あるい
はポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビ
ニル、ポリフッ化ビニリデンなどの含ハロゲンビニル化
合物などが挙げられる。
【0043】また、これらの熱可塑性樹脂は極性基を有
する変性剤により変性されていてもかまわない。極性基
としては、例えば、酸ハイドライド、カルボニル基、酸
無水物、酸アミド、カルボン酸エステル、酸アジド、ス
ルフォン基、ニトリル基、シアノ基、イソシアン酸エス
テル、アミノ基、水酸基、イミド基、チオール基、オキ
サゾリン基、エポキシ基などが挙げられる。特に好まし
い極性基は酸無水物とエポキシ基であり、酸無水物は特
に無水マレイン酸基が好ましい。
【0044】アタクティックな立体構造を有するスチレ
ン系重合体(以下アタクティックスチレン系樹脂と称
す)は、ゴム状重合体の存在下あるいは不存在下で、溶
液重合、塊状重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合などの重
合方法によって得られる。アタクティックスチレン系樹
脂は、先述の一般式(I)で表される1種類以上の芳香
族ビニル化合物からなる重合体、あるいは1種類以上の
芳香族ビニル化合物と共重合可能な1種類以上の他のビ
ニル単量体の共重合体、これらの重合体の水素化重合
体、およびこれらの混合物である。
【0045】ここで使用される好ましい芳香族ビニル化
合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチル
スチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、タ
ーシャリーブチルスチレン、フェニルスチレン、ビニル
スチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロ
スチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、
エトキシスチレン等があり、これらは1種または2種以
上で使用される。これらのうちさらに好ましい芳香族ビ
ニル化合物としては、スチレン、p−メチルスチレン、
m−メチルスチレン、p−ターシャリーブチルスチレ
ン、p−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−フ
ルオロスチレンである。
【0046】共重合可能な他のビニル単量体としては、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシア
ン化合物、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルア
クリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシル
アクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリ
レート等のアクリル酸アルキルエステル、メチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレー
ト、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、
オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリ
レート、シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタ
クリレート、オクタデシルメタクリレート、フェニルメ
タクリレート、ベンジルメタクリレート等のメタクリル
酸アルキルエステル、マレイミド、N−メチルマレイミ
ド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N
−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミ
ド、N−フェニルマレイミド、N−(p−ブロモフェニ
ル)マレイミド等のマレイミド系化合物等がある。
【0047】また、ゴム状重合体としては、ポリブタジ
エン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン等のジエン系
ゴム、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−
α−オレフィン−ポリエン共重合体、ポリアクリル酸エ
ステル等の非ジエン系ゴム、スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体、水素化スチレン−ブタジエンブロック共
重合体、エチレン−プロピレンエラストマー、スチレン
グラフトエチレン−プロピレンエラストマー、エチレン
系アイオノマー樹脂、水素化スチレン−イソプレンブロ
ック共重合体等が挙げられる。
【0048】このアタクティックポリスチレンは、その
分子量については特に制限はないが、一般に、重量平均
分子量が10,000以上、好ましくは50,000以
上である。ここで、重量平均分子量が10,000未満
のものでは、得られる成形品の熱的性質、機械的性質が
低下し好ましくない。さらに、分子量分布についても広
狭の制限はなく、様々のものを充当することができる。
【0049】
【発明の実施の態様】本発明の実施例および比較例で用
いられる金型は以下のものを使用した。 金型I:鋼材(S55C)で作られ、100mm×10
0mmの正方形、厚さ2mmの平板状キャビティを有す
る金型の型表面に、電気分解によって0.02mm厚み
に鏡面状硬質クロムメッキを施し、射出成型用金型Iと
した。
【0050】金型II:金型Iの表面を十分脱脂し、直
鎖状ポリイミド前駆体、ポリイミドワニス「トレニース
#3000」(商標名、東レ(株)製、硬化後のTg=
300℃、熱伝導率0.0005cal/cm・sec
・℃、破断伸度60%)を塗布し、120℃、210
℃、290℃の順に加熱硬化させる。この塗布、加熱硬
化を3回繰り返してポリイミド層を形成する。ついで、
バフにダイヤモンドペーストをつけて電動グラインダー
で研磨を行い、0.05mm厚みの鏡面状直鎖型ポリイ
ミド被覆層を形成し射出成型用金型IIとした。
【0051】なお、型キャビティの表面温度を表面温度
計(モデルHL−200、熱伝対モデルC112、安立
計器(株)製)で測定し、これを金型温度とした。本発
明の実施例および比較例で用いたを試験方法以下に説明
する。 (1)アイゾット衝撃強度(Iz)は、ASTM D2
56に準拠し、ノッチ付きで測定した。(単位は、Kg
・cm/cm) (2)曲げ強度(FS)は、ASTM D790に準拠
し、測定した。(単位は、Kg/cm2 ) (3)耐熱性は、試験片を、5mm×5mm×2mmの
大きさに切り出し、JIS K7196に準拠して、軟
化温度を測定した。 (4)耐薬品性は、試験片を23℃のメチルエチルケト
ンに24時間浸漬放置した後、試験片の外観変化を以下
の基準に従って目視判断した。
【0052】◎:変化無し。○:若干の変化が見られる
が、使用可能。×:変化が激しい、あるいは完全に溶解
し、使用不可。 (5)表面外観は、試験片の光沢度を、JIS K71
05に準拠して測定した。なお、反射角度は60度であ
る。本発明の実施例および比較例で用いた(A)シンジ
オタクティックポリスチレン、(B)分子鎖の全部ある
いは一部が(A)成分の非晶相部分に相溶するセグメン
トからなるエラストマー、(C)ポリフェニレンエーテ
ル系重合体および(D)無機充填剤は、次に挙げるもの
を用いた。 (A)シンジオタクティックスチレン系樹脂 A−1:1,2,4−トリクロロベンゼンを溶媒とし、
130℃でゲルパーミエーションクロマトグラフィーに
て測定した重量平均分子量が310,000、重量平均
分子量/数平均分子量が2.6、13C−NMRの分析に
よるラセミペンタッドでのシンジオタクティシティーが
97%である。 (B)B−1:スチレン系エラストマーは、スチレン−
水素化ブタジエンブロック共重合体(商品名 タフテッ
ク H1052 旭化成工業(株)製) B−2:無水マレイン酸変性スチレン−水素化ブタジエ
ンブロック共重合体(商品名 タフテック M1913
旭化成工業(株)製) (C)C−1:ポリフェニレンエーテルは、米国特許
4,788,277号明細書に記載されている方法に従
い、ジブチルアミンの存在下に2,6−キシレノールを
酸化カップリング重合した、η(sp/c)=0.42
であるポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)
エーテル C−2:C−1を無水マレイン酸で変性した無水マレイ
ン酸変性ポリフェニレンエーテル (D)無機充填剤 D−1:タルク(平均粒径2.1μm)
【0053】
【実施例1】表1に示す所定量にて(A)、(B)およ
び(C)成分をドライブレンドして調整した。これを、
ベント付き同方向回転二軸押出機(内径40mm、L/
D=46)を使用して、バレル設定温度300℃で溶融
混練しペレットを作成した。なお、溶融混練の際、酸化
防止剤として(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフ
ェニル)ペンタエリストールジホスファイトを0.1重
量部およびテトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−
ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)〕を0.
1重量部添加した。得られたペレットを、金型IIを用
い、成形温度300℃、金型温度80℃、冷却時間30
secで射出成形し、アイゾット衝撃強度および曲げ弾
性率測定用の127mm×12.7mm×3.2mmの
試験片およびその他の物性測定用の100mm×100
mm×2mmの試験片を得た。
【0054】
【実施例2〜8】組成を表1に示すようにする以外は、
実施例1と同様である。
【0055】
【比較例1】金型Iを用いる以外は、実施例1と同様で
ある。
【0056】
【比較例2】金型Iを用い、金型温度を170℃、冷却
時間を120secにする以外は、実施例1と同様であ
る。
【0057】
【比較例3】金型Iを用いる以外は、実施例3と同様で
ある。
【0058】
【比較例4】金型Iを用い、金型温度を170℃、冷却
時間を120secにする以外は、実施例3と同様であ
る。
【0059】
【比較例5】金型Iを用いる以外は、実施例5と同様で
ある。
【0060】
【比較例6】金型Iを用い、金型温度を170℃、冷却
時間を120secにする以外は、実施例5と同様であ
る。
【0061】
【比較例7】金型Iを用いる以外は、実施例7と同様で
ある。
【0062】
【比較例8】金型Iを用い、金型温度を170℃、冷却
時間を120secにする以外は、実施例7と同様であ
る。
【0063】
【比較例9〜10】組成を第2表に示すようにする以外
は、実施例1と同様である。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【発明の効果】本発明の成形方法によれば、耐衝撃性、
剛性などの力学的特性の優れたシンジオタクティックポ
リスチレン系樹脂組成物を成形する時に、従来の成形方
法に比較して成形の効率を落とさずに、効率良く、耐熱
性、耐薬品性および表面外観に優れた樹脂成形品を得る
ことができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)シンジオタクティックな立体規則
    性を有するスチレン系重合体99〜30重量%、(B)
    分子鎖の一部が(A)成分の非晶相部分に相溶するセグ
    メントからなる一種類以上のエラストマー1〜70重量
    %からなる100重量部に対して、(C)ポリフェニレ
    ンエーテル系重合体を0.1〜100重量部配合してな
    るポリスチレン系樹脂組成物を270〜370℃に溶融
    し、20℃における熱伝導率が0.01cal/cm・
    sec・℃以下である断熱材料が被覆された型キャビテ
    ィの壁温度を20〜150℃とし、該型キャビティを有
    する金型を用いて成形することを特徴とする樹脂成形品
    の成形方法。
  2. 【請求項2】 ポリスチレン系樹脂組成物が、(A)シ
    ンジオタクティックな立体規則性を有するスチレン系重
    合体99〜30重量%、(B)分子鎖の一部が(A)成
    分の非晶相部分に相溶するセグメントからなる一種類以
    上のエラストマー1〜70重量%からなる100重量部
    に対して、(C)ポリフェニレンエーテル系重合体を
    0.1〜100重量部、(D)無機充填剤を1〜350
    重量部配合してなるポリスチレン系樹脂組成物である請
    求項1に記載の成形方法。
  3. 【請求項3】 成形方法が射出成形であることを特徴と
    する請求項1、2記載のポリスチレン系樹脂組成物の成
    形方法。
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US6762218B2 (en) * 2000-04-03 2004-07-13 Basf Aktiengesellschaft Impact resistant thermoplastic molding materials comprised of syndiotactic polystyrene, glass fibers and thermoplastic elastomer (tpe) impact modifiers
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