JPH0959090A - 化合物単結晶の製造方法及びその装置 - Google Patents
化合物単結晶の製造方法及びその装置Info
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- JPH0959090A JPH0959090A JP21192595A JP21192595A JPH0959090A JP H0959090 A JPH0959090 A JP H0959090A JP 21192595 A JP21192595 A JP 21192595A JP 21192595 A JP21192595 A JP 21192595A JP H0959090 A JPH0959090 A JP H0959090A
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Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 単結晶成長時における原料融液中の高解離圧
成分の蒸気の比重が炉内雰囲気の不活性ガスよりも大き
いと、下方のリザーバで発生させる蒸気では上方のルツ
ボ周囲に蒸気雰囲気を形成するのに長時間を要する。 【解決手段】 気密チャンバ15内に配置されたルツボ
13の上部に、高解離圧成分20を収容する蒸気源収納
容器14を配置し、ルツボ13内の原料の解離を抑制す
るための蒸気雰囲気を形成する蒸気を発生させる一方、
ルツボ13の下方にリザーバ17を設けてその加熱温度
を制御し、蒸気源収納容器14で発生する蒸気圧が過大
にならないように調整する。これにより、すぐに所定の
蒸気雰囲気とすることができ、意図した組成の良質の単
結晶を効率的に製造することができる。
成分の蒸気の比重が炉内雰囲気の不活性ガスよりも大き
いと、下方のリザーバで発生させる蒸気では上方のルツ
ボ周囲に蒸気雰囲気を形成するのに長時間を要する。 【解決手段】 気密チャンバ15内に配置されたルツボ
13の上部に、高解離圧成分20を収容する蒸気源収納
容器14を配置し、ルツボ13内の原料の解離を抑制す
るための蒸気雰囲気を形成する蒸気を発生させる一方、
ルツボ13の下方にリザーバ17を設けてその加熱温度
を制御し、蒸気源収納容器14で発生する蒸気圧が過大
にならないように調整する。これにより、すぐに所定の
蒸気雰囲気とすることができ、意図した組成の良質の単
結晶を効率的に製造することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば結晶成長を
行う際の高温下で構成元素の一部が解離して蒸散し易い
化合物単結晶の製造方法及びその装置に関するものであ
る。
行う際の高温下で構成元素の一部が解離して蒸散し易い
化合物単結晶の製造方法及びその装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】特定の成分が解離蒸散しやすい化合物単
結晶の製造には、液体封止チョコラルスキー法(LEC
法)、水平ブリッジマン法(HB法)、垂直ブリッジマン
法(VB法)、縦型温度勾配凝固法(VGF法)などが用いら
れている。これらの中で、VB法や VGF法は、比較的大形
で転位の少ない良質の単結晶を製造できることから、工
業的な製造方法として大きな期待が寄せられてきた。
結晶の製造には、液体封止チョコラルスキー法(LEC
法)、水平ブリッジマン法(HB法)、垂直ブリッジマン
法(VB法)、縦型温度勾配凝固法(VGF法)などが用いら
れている。これらの中で、VB法や VGF法は、比較的大形
で転位の少ない良質の単結晶を製造できることから、工
業的な製造方法として大きな期待が寄せられてきた。
【0003】しかしながら、化合物単結晶材料の多く
は、原料を加熱して溶融させた後、融液を固化させると
いう結晶成長の操作過程において、高温下で特定の成分
が解離して蒸散するという現象を生じる。例えばII−VI
族の化合物半導体であるZnSeでは構成元素のうちZnが蒸
散し易く、このため、できあがった単結晶の組成がずれ
て所期の単結晶が得られないという固有の問題を有して
いる。
は、原料を加熱して溶融させた後、融液を固化させると
いう結晶成長の操作過程において、高温下で特定の成分
が解離して蒸散するという現象を生じる。例えばII−VI
族の化合物半導体であるZnSeでは構成元素のうちZnが蒸
散し易く、このため、できあがった単結晶の組成がずれ
て所期の単結晶が得られないという固有の問題を有して
いる。
【0004】そこで、上記のような解離による蒸散を抑
制しようとする製造方法が従来より提案され、例えば特
開昭63−274784号公報には、図3に示すように、炉体と
しての圧力容器51内に配置されたルツボ52の下側に、さ
らに高解離圧成分の蒸気を発生するリザーバ53を設けた
装置が開示されている。ルツボ52内に、例えばIII-V族
の化合物半導体であるGaAsの多結晶原料54を収容して結
晶成長を行う場合、リザーバ53にはV族元素のAsが高解
離圧成分55として収容される。これらルツボ52とリザー
バ53とは、下部が閉塞された筒状の成長容器56内に収納
され、圧力容器51内にセットされる。なお、ルツボ52と
リザーバ53との間のルツボ支持台57は、通気性を有する
例えばポーラスな材料から成っている。また、成長容器
55の上部開口を塞ぐ蓋58には、これを昇降させる上軸59
が連結されている。
制しようとする製造方法が従来より提案され、例えば特
開昭63−274784号公報には、図3に示すように、炉体と
しての圧力容器51内に配置されたルツボ52の下側に、さ
らに高解離圧成分の蒸気を発生するリザーバ53を設けた
装置が開示されている。ルツボ52内に、例えばIII-V族
の化合物半導体であるGaAsの多結晶原料54を収容して結
晶成長を行う場合、リザーバ53にはV族元素のAsが高解
離圧成分55として収容される。これらルツボ52とリザー
バ53とは、下部が閉塞された筒状の成長容器56内に収納
され、圧力容器51内にセットされる。なお、ルツボ52と
リザーバ53との間のルツボ支持台57は、通気性を有する
例えばポーラスな材料から成っている。また、成長容器
55の上部開口を塞ぐ蓋58には、これを昇降させる上軸59
が連結されている。
【0005】上記装置においては、まず、圧力容器51内
のガス置換が行われる。これは、上軸59の操作により蓋
58を上昇させ、成長容器56の上端が開放された状態で、
圧力容器51内の真空引きが行われ、次いで、アルゴンガ
スなどの不活性ガスが充填されて、圧力容器51内が数気
圧〜100 気圧に加圧される。その後、上軸59を操作して
蓋58を下降し、成長容器56の上部開口を塞いだ状態で、
主加熱ヒータ60による加熱が開始されて多結晶原料54が
溶融される。このとき、副加熱ヒータ61により、リザー
バ53内の高解離圧成分55も加熱され、これにより発生し
た蒸気で、成長容器56内のV族元素の蒸気圧が調節され
る。この結果、溶融した多結晶原料54からのV族元素の
解離・飛散が抑制される。
のガス置換が行われる。これは、上軸59の操作により蓋
58を上昇させ、成長容器56の上端が開放された状態で、
圧力容器51内の真空引きが行われ、次いで、アルゴンガ
スなどの不活性ガスが充填されて、圧力容器51内が数気
圧〜100 気圧に加圧される。その後、上軸59を操作して
蓋58を下降し、成長容器56の上部開口を塞いだ状態で、
主加熱ヒータ60による加熱が開始されて多結晶原料54が
溶融される。このとき、副加熱ヒータ61により、リザー
バ53内の高解離圧成分55も加熱され、これにより発生し
た蒸気で、成長容器56内のV族元素の蒸気圧が調節され
る。この結果、溶融した多結晶原料54からのV族元素の
解離・飛散が抑制される。
【0006】この状態で、下軸62を操作することより成
長容器56を下降させ、ルツボ52を徐々に低温域に移動さ
せて、ルツボ52内の原料融液を固化させることにより、
単結晶が成長する。なお、近年は、青色発光素子の製造
に前記したZnSeが有望視され、その単結晶の製造開発も
盛んに進められている。このII−VI族のZnSeの単結晶の
製造に、上述のようなリザーバを設けて蒸気圧を制御す
る場合、III-V族の場合のアニオン元素ではなく、カチ
オン元素、すなわち、II族のZnの蒸気圧を制御すること
が一般に行われている。これは、ZnSeの場合、Zn,Se と
もに高温下で蒸気圧が高くなるが、Znの方が元素として
安定であり、ハンドリングし易いことや、単結晶の電気
的特性の一つである体積固有抵抗を下げて導電性の基板
を製作するための制御がし易いことによっている。
長容器56を下降させ、ルツボ52を徐々に低温域に移動さ
せて、ルツボ52内の原料融液を固化させることにより、
単結晶が成長する。なお、近年は、青色発光素子の製造
に前記したZnSeが有望視され、その単結晶の製造開発も
盛んに進められている。このII−VI族のZnSeの単結晶の
製造に、上述のようなリザーバを設けて蒸気圧を制御す
る場合、III-V族の場合のアニオン元素ではなく、カチ
オン元素、すなわち、II族のZnの蒸気圧を制御すること
が一般に行われている。これは、ZnSeの場合、Zn,Se と
もに高温下で蒸気圧が高くなるが、Znの方が元素として
安定であり、ハンドリングし易いことや、単結晶の電気
的特性の一つである体積固有抵抗を下げて導電性の基板
を製作するための制御がし易いことによっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
報記載のようにルツボ52の下側にリザーバ53を設け、ル
ツボ52内の原料融液表面の蒸気圧をその下方で発生させ
る蒸気によって制御しようとしても、必ずしも原料の解
離蒸散を充分には抑制できないという問題を生じてい
る。
報記載のようにルツボ52の下側にリザーバ53を設け、ル
ツボ52内の原料融液表面の蒸気圧をその下方で発生させ
る蒸気によって制御しようとしても、必ずしも原料の解
離蒸散を充分には抑制できないという問題を生じてい
る。
【0008】例えばZnSeの場合を例に挙げると、炉内に
は予めアルゴンガスなどの不活性ガスが充填されてお
り、この状態でルツボの下方に蒸気圧発生元素(この場
合にはZn)を配置すると、発生した蒸気は成長容器内の
下部から徐々に上方に昇っていく形態で拡散していく。
このとき、高圧の不活性ガスに対してZn蒸気の比重が大
きいことから、Zn蒸気がルツボ上方に達するまでに長時
間を要し、このため、通常の例えば数10時間の結晶成長
の間では、Zn蒸気がルツボ内の原料融液の周囲まで充分
に行きわたらずに結晶成長が行われてしまう。この結
果、ルツボ内の原料融液からの高解離圧成分の蒸散が生
じ、組成のずれた結晶が成長してしまう。
は予めアルゴンガスなどの不活性ガスが充填されてお
り、この状態でルツボの下方に蒸気圧発生元素(この場
合にはZn)を配置すると、発生した蒸気は成長容器内の
下部から徐々に上方に昇っていく形態で拡散していく。
このとき、高圧の不活性ガスに対してZn蒸気の比重が大
きいことから、Zn蒸気がルツボ上方に達するまでに長時
間を要し、このため、通常の例えば数10時間の結晶成長
の間では、Zn蒸気がルツボ内の原料融液の周囲まで充分
に行きわたらずに結晶成長が行われてしまう。この結
果、ルツボ内の原料融液からの高解離圧成分の蒸散が生
じ、組成のずれた結晶が成長してしまう。
【0009】一方、前記公報記載の装置では、密閉した
成長容器56によって、ルツボ52とリザーバ53とをヒータ
60・61の内側で囲って、高解離圧成分の蒸気雰囲気の制
御空間を形成しているが、この場合、高解離圧成分の平
衡解離圧が高い場合には、成長容器56に内外差圧に基づ
く大きな力が作用することになる。このために成長容器
56が破損し易く、この結果、充分な生産性が得られない
という問題も有している。
成長容器56によって、ルツボ52とリザーバ53とをヒータ
60・61の内側で囲って、高解離圧成分の蒸気雰囲気の制
御空間を形成しているが、この場合、高解離圧成分の平
衡解離圧が高い場合には、成長容器56に内外差圧に基づ
く大きな力が作用することになる。このために成長容器
56が破損し易く、この結果、充分な生産性が得られない
という問題も有している。
【0010】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みな
されたもので、結晶成長時における原料構成元素の蒸散
を抑制し、良質の単結晶を効率的に製造し得る化合物単
結晶の製造方法及びその装置を提供することを目的とし
ている。
されたもので、結晶成長時における原料構成元素の蒸散
を抑制し、良質の単結晶を効率的に製造し得る化合物単
結晶の製造方法及びその装置を提供することを目的とし
ている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の請求項1の化合物単結晶の製造方法は、単
結晶成長用の原料を収容した上端開口状の原料収納容器
を、不活性ガスが充填された炉体内における上方ほど温
度を高くした加熱領域で昇降温することにより、原料融
液から単結晶を成長させる化合物単結晶の製造方法であ
って、原料構成元素中の少なくとも高解離圧成分を収容
する蒸気源収納容器を原料収納容器よりも上方に設ける
一方、上記高解離圧成分を収容するリザーバを原料収納
容器よりも下方に設け、上記加熱領域で原料収納容器と
共に加熱される蒸気源収納容器から少なくとも高解離圧
成分の蒸気を発生させ、かつ、原料収納容器周囲の高解
離圧成分の蒸気圧を調整すべくリザーバを上記加熱領域
での加熱温度とは独立に温度制御しつつ単結晶成長を行
うことを特徴としている。
め、本発明の請求項1の化合物単結晶の製造方法は、単
結晶成長用の原料を収容した上端開口状の原料収納容器
を、不活性ガスが充填された炉体内における上方ほど温
度を高くした加熱領域で昇降温することにより、原料融
液から単結晶を成長させる化合物単結晶の製造方法であ
って、原料構成元素中の少なくとも高解離圧成分を収容
する蒸気源収納容器を原料収納容器よりも上方に設ける
一方、上記高解離圧成分を収容するリザーバを原料収納
容器よりも下方に設け、上記加熱領域で原料収納容器と
共に加熱される蒸気源収納容器から少なくとも高解離圧
成分の蒸気を発生させ、かつ、原料収納容器周囲の高解
離圧成分の蒸気圧を調整すべくリザーバを上記加熱領域
での加熱温度とは独立に温度制御しつつ単結晶成長を行
うことを特徴としている。
【0012】このような製造方法によれば、例えばZnSe
単結晶を製造する場合、蒸気源収納容器とリザーバとに
それぞれZnが収納される。炉体内には、下方よりも上方
の温度を高くした加熱領域が形成され、この加熱領域
に、単結晶成長用の原料ZnSeを収容した原料収納容器が
配置され昇降温される。このとき、蒸気源収納容器も原
料収納容器と同時に加熱され、Zn蒸気が発生される。そ
して、この蒸気源収納容器は原料収納容器の上方に位置
しているので、炉体内に充填されている不活性ガスより
も発生したZn蒸気が重い場合でも、すぐに原料収納容器
の周囲はZn蒸気雰囲気になる。
単結晶を製造する場合、蒸気源収納容器とリザーバとに
それぞれZnが収納される。炉体内には、下方よりも上方
の温度を高くした加熱領域が形成され、この加熱領域
に、単結晶成長用の原料ZnSeを収容した原料収納容器が
配置され昇降温される。このとき、蒸気源収納容器も原
料収納容器と同時に加熱され、Zn蒸気が発生される。そ
して、この蒸気源収納容器は原料収納容器の上方に位置
しているので、炉体内に充填されている不活性ガスより
も発生したZn蒸気が重い場合でも、すぐに原料収納容器
の周囲はZn蒸気雰囲気になる。
【0013】一方、蒸気源収納容器で発生する蒸気圧が
あまりに高いと原料融液中に溶け込み、原料融液がZnリ
ッチとなるが、リザーバでの加熱温度を所定の蒸気圧と
なるように調整することにより、蒸気源収納容器で発生
した過剰なZn蒸気は下方へ流れてリザーバの部分で凝結
し捕捉される。このため、原料収納容器内の原料融液
は、解離が抑制されると共にZnリッチとなるような組成
の変化も抑えられるので、全体にわたって意図した組成
の結晶成長が行われる。
あまりに高いと原料融液中に溶け込み、原料融液がZnリ
ッチとなるが、リザーバでの加熱温度を所定の蒸気圧と
なるように調整することにより、蒸気源収納容器で発生
した過剰なZn蒸気は下方へ流れてリザーバの部分で凝結
し捕捉される。このため、原料収納容器内の原料融液
は、解離が抑制されると共にZnリッチとなるような組成
の変化も抑えられるので、全体にわたって意図した組成
の結晶成長が行われる。
【0014】なお、請求項2の化合物単結晶の製造方法
のように、上記の原料収納容器の下端部に種結晶を配置
して単結晶成長を行えば、全体が所定の方位の単結晶を
確実に成長させることができる。さらに、請求項3の化
合物単結晶の製造方法のように、上記の蒸気源収納容器
に、原料収納容器に収容される原料とほぼ同一組成の原
料を収容して単結晶成長を行えば、原料収納容器内での
解離をさらに確実に抑制することができる。
のように、上記の原料収納容器の下端部に種結晶を配置
して単結晶成長を行えば、全体が所定の方位の単結晶を
確実に成長させることができる。さらに、請求項3の化
合物単結晶の製造方法のように、上記の蒸気源収納容器
に、原料収納容器に収容される原料とほぼ同一組成の原
料を収容して単結晶成長を行えば、原料収納容器内での
解離をさらに確実に抑制することができる。
【0015】すなわち、温度勾配を設けて昇降温される
加熱領域内では、原料収納容器よりも上方の蒸気源収納
容器の方が、常に高い温度を維持して昇降温されること
になる。この結果、蒸気源収納容器に収容された原料が
先に解離を始め蒸気を発生する。これにより、構成元素
の一部元素での蒸気圧を調整する場合に比べ、原料収納
容器内での解離をより確実に抑制することができる。
加熱領域内では、原料収納容器よりも上方の蒸気源収納
容器の方が、常に高い温度を維持して昇降温されること
になる。この結果、蒸気源収納容器に収容された原料が
先に解離を始め蒸気を発生する。これにより、構成元素
の一部元素での蒸気圧を調整する場合に比べ、原料収納
容器内での解離をより確実に抑制することができる。
【0016】上記の製造方法を好適に実施するための化
合物単結晶の製造装置は、請求項4に記載のように、不
活性ガスが充填される密閉状の炉体と、炉体内に上方ほ
ど温度の高い加熱領域を形成すべく炉体内に配置された
主加熱手段と、単結晶成長用の原料を収容すると共に上
記加熱領域に配置される上端開口状の原料収納容器と、
原料構成元素中の少なくとも高解離圧成分を収容すると
共に原料収納容器よりも上方に配置されて上記加熱領域
で加熱される蒸気源収納容器と、上記高解離圧成分を収
容すると共に原料収納容器よりも下方に配置されるリザ
ーバと、リザーバを加熱する副加熱手段と、原料収納容
器と蒸気源収納容器とリザーバとを主加熱手段よりも内
側で囲うと共に下方に内外を相互に連通する連通路を有
する気密性材料からなる気密チャンバとが設けられてい
る。
合物単結晶の製造装置は、請求項4に記載のように、不
活性ガスが充填される密閉状の炉体と、炉体内に上方ほ
ど温度の高い加熱領域を形成すべく炉体内に配置された
主加熱手段と、単結晶成長用の原料を収容すると共に上
記加熱領域に配置される上端開口状の原料収納容器と、
原料構成元素中の少なくとも高解離圧成分を収容すると
共に原料収納容器よりも上方に配置されて上記加熱領域
で加熱される蒸気源収納容器と、上記高解離圧成分を収
容すると共に原料収納容器よりも下方に配置されるリザ
ーバと、リザーバを加熱する副加熱手段と、原料収納容
器と蒸気源収納容器とリザーバとを主加熱手段よりも内
側で囲うと共に下方に内外を相互に連通する連通路を有
する気密性材料からなる気密チャンバとが設けられてい
る。
【0017】このような構成によれば、原料収納容器と
蒸気源収納容器とリザーバとを囲う気密チャンバに内外
の圧力差を生じさせない連通路が設けられているので、
加熱時の解離による蒸気圧が高い場合でも、気密チャン
バに内外圧力差による力は作用しない。これにより、気
密チャンバの破損が防止される。しかも、下方の連通路
へと流れる一部の蒸気は、連通路の部位が低温状態であ
ることによってこの部位で析出し、気密チャンバ外への
流出を生じない。この結果、例えば短絡事故等の発生を
防止するための装置のメインテナンスが容易となるの
で、解離圧の高い化合物でも、その単結晶をより効率的
に製造することができる。
蒸気源収納容器とリザーバとを囲う気密チャンバに内外
の圧力差を生じさせない連通路が設けられているので、
加熱時の解離による蒸気圧が高い場合でも、気密チャン
バに内外圧力差による力は作用しない。これにより、気
密チャンバの破損が防止される。しかも、下方の連通路
へと流れる一部の蒸気は、連通路の部位が低温状態であ
ることによってこの部位で析出し、気密チャンバ外への
流出を生じない。この結果、例えば短絡事故等の発生を
防止するための装置のメインテナンスが容易となるの
で、解離圧の高い化合物でも、その単結晶をより効率的
に製造することができる。
【0018】
〔実施形態1〕次に、本発明の実施形態について図1を
参照して説明する。同図は、垂直ブリッジマン法(VB
法)による単結晶製造装置を示すもので、この装置は、
耐圧構造を有する炉体としての圧力容器1と、圧力容器
1の内部に収納された上部閉塞状の断熱構造体2と、そ
の内側に配置された上下複数段(図の場合には二段)の
円筒状のヒータエレメント3a・3bから成る主加熱ヒータ
(主加熱手段)3と、この主加熱ヒータ3の下側に配置
された円筒状の副加熱ヒータ(副加熱手段)4とを備え
ている。
参照して説明する。同図は、垂直ブリッジマン法(VB
法)による単結晶製造装置を示すもので、この装置は、
耐圧構造を有する炉体としての圧力容器1と、圧力容器
1の内部に収納された上部閉塞状の断熱構造体2と、そ
の内側に配置された上下複数段(図の場合には二段)の
円筒状のヒータエレメント3a・3bから成る主加熱ヒータ
(主加熱手段)3と、この主加熱ヒータ3の下側に配置
された円筒状の副加熱ヒータ(副加熱手段)4とを備え
ている。
【0019】圧力容器1は、円筒状の圧力容器本体5
と、その上下の各開口をそれぞれ覆う上蓋6・下蓋7と
から構成されている。上蓋6には、圧力容器1内にアル
ゴンガス等の不活性ガスを加圧注入し、また、排出する
ためのガス供給排出路8が設けられている。下蓋7は、
圧力容器本体5の下部開口に着脱自在に、かつ、シール
リング9によって気密に装着されるようになっている。
と、その上下の各開口をそれぞれ覆う上蓋6・下蓋7と
から構成されている。上蓋6には、圧力容器1内にアル
ゴンガス等の不活性ガスを加圧注入し、また、排出する
ためのガス供給排出路8が設けられている。下蓋7は、
圧力容器本体5の下部開口に着脱自在に、かつ、シール
リング9によって気密に装着されるようになっている。
【0020】この下蓋7の中心位置には、シールリング
10によって気密にこの下蓋7を上下に貫通するルツボ昇
降ロッド11が設けられている。このロッド11は、外部の
駆動機構(図示せず)により上下方向に移動可能に構成
され、このルツボ昇降ロッド11の上端に、略円柱状のル
ツボ台12が取付けられている。このルツボ台12上に、原
料収納容器としてのルツボ13がほぼ直立状態で支持され
ている。
10によって気密にこの下蓋7を上下に貫通するルツボ昇
降ロッド11が設けられている。このロッド11は、外部の
駆動機構(図示せず)により上下方向に移動可能に構成
され、このルツボ昇降ロッド11の上端に、略円柱状のル
ツボ台12が取付けられている。このルツボ台12上に、原
料収納容器としてのルツボ13がほぼ直立状態で支持され
ている。
【0021】このルツボ13は例えばp-BNから成り、その
下端部に、後述する棒状の種結晶18が挿入される細管部
13aが設けられ、その上方は、テーパ部13bを介して約
15mmの内径を有する円管状に形成されている。そして、
このルツボ13における開口した上端面に、蒸気源収納容
器14が設けられている。この蒸気源収納容器14は、ルツ
ボ13の上端縁に沿うリング状に形成され、その上面に開
口するように形成されている環状溝内に、後述する蒸気
源19を収容し得るようになっている。
下端部に、後述する棒状の種結晶18が挿入される細管部
13aが設けられ、その上方は、テーパ部13bを介して約
15mmの内径を有する円管状に形成されている。そして、
このルツボ13における開口した上端面に、蒸気源収納容
器14が設けられている。この蒸気源収納容器14は、ルツ
ボ13の上端縁に沿うリング状に形成され、その上面に開
口するように形成されている環状溝内に、後述する蒸気
源19を収容し得るようになっている。
【0022】さらに圧力容器1内には、前記主加熱ヒー
タ3および副加熱ヒータ4の内側で、上記した蒸気源収
納容器14・ルツボ13・ルツボ台12の全体を囲う逆コップ
状の気密チャンバ15が、前記下蓋7上に載置された状態
で配設されている。この気密チャンバ15は、モリブデン
等の高融点金属やグラッシーカーボンなどの耐熱性とガ
ス不透過性とを有する材料から成っている。また、この
気密チャンバ15における下蓋7近傍の比較的低温に保持
される部位に、この気密チャンバ15の内外空間を相互に
連通する細孔形状の連通路16が形成されている。この連
通路16により、気密チャンバ15の内外差圧の発生が防止
され、これによって、後述する圧力容器1内を所定の高
圧圧力状態とする際などにおける気密チャンバ15の破損
が防止される。
タ3および副加熱ヒータ4の内側で、上記した蒸気源収
納容器14・ルツボ13・ルツボ台12の全体を囲う逆コップ
状の気密チャンバ15が、前記下蓋7上に載置された状態
で配設されている。この気密チャンバ15は、モリブデン
等の高融点金属やグラッシーカーボンなどの耐熱性とガ
ス不透過性とを有する材料から成っている。また、この
気密チャンバ15における下蓋7近傍の比較的低温に保持
される部位に、この気密チャンバ15の内外空間を相互に
連通する細孔形状の連通路16が形成されている。この連
通路16により、気密チャンバ15の内外差圧の発生が防止
され、これによって、後述する圧力容器1内を所定の高
圧圧力状態とする際などにおける気密チャンバ15の破損
が防止される。
【0023】この気密チャンバ15は、その円筒部内面に
おける主加熱ヒータ3と副加熱ヒータ4との間の高さ位
置に段差面15aが形成されるように、この段差面15aよ
り下側が厚肉状に形成されている。そして、この厚肉部
15bに、上記段差面15aから下方に凹入する環状溝形状
のリザーバ17が形成され、このリザーバ17内に、後述す
る高解離圧成分20が収容されるようになっている。な
お、前記副加熱ヒータ4は、上記リザーバ17内に収容さ
れる高解離圧成分20の加熱を行うために、この高解離圧
成分20の高さ位置に合わせて配設されている。
おける主加熱ヒータ3と副加熱ヒータ4との間の高さ位
置に段差面15aが形成されるように、この段差面15aよ
り下側が厚肉状に形成されている。そして、この厚肉部
15bに、上記段差面15aから下方に凹入する環状溝形状
のリザーバ17が形成され、このリザーバ17内に、後述す
る高解離圧成分20が収容されるようになっている。な
お、前記副加熱ヒータ4は、上記リザーバ17内に収容さ
れる高解離圧成分20の加熱を行うために、この高解離圧
成分20の高さ位置に合わせて配設されている。
【0024】上記厚肉部15bは、前記したルツボ台12の
外径とほぼ同一の内径寸法で形成され、ルツボ12が厚肉
部15b内にほぼ嵌合した状態で上下移動可能なように構
成されている。なお、ルツボ台12には、これを上下に貫
通する細孔状の連通孔12aが形成され、この連通孔12a
を通して、ルツボ台12の上下空間が相互に連通してい
る。
外径とほぼ同一の内径寸法で形成され、ルツボ12が厚肉
部15b内にほぼ嵌合した状態で上下移動可能なように構
成されている。なお、ルツボ台12には、これを上下に貫
通する細孔状の連通孔12aが形成され、この連通孔12a
を通して、ルツボ台12の上下空間が相互に連通してい
る。
【0025】一方、同図にはルツボ台12が圧力容器1内
での最上昇位置に位置する状態を示しているが、この状
態で、ルツボ台12の下端側は上記段差面15aよりもやや
下側に位置している。これによって、ルツボ台12の下方
空間とリザーバ17の上方空間とは、厚肉部15b内面とル
ツボ台12外面との嵌合隙間を通してしか連通状態にな
く、この隙間を通してのガスの流通がほぼ遮断されるよ
うに構成されている。
での最上昇位置に位置する状態を示しているが、この状
態で、ルツボ台12の下端側は上記段差面15aよりもやや
下側に位置している。これによって、ルツボ台12の下方
空間とリザーバ17の上方空間とは、厚肉部15b内面とル
ツボ台12外面との嵌合隙間を通してしか連通状態にな
く、この隙間を通してのガスの流通がほぼ遮断されるよ
うに構成されている。
【0026】上記装置では、気密チャンバ15内が、上方
ほど高温の予め定められた温度分布で保持されるよう
に、前記主加熱ヒータ3への供給電力が調整される。し
たがって、前記ルツボ昇降ロッド11を昇降させて気密チ
ャンバ15内におけるルツボ13の高さ位置を変えることに
よって、ルツボ13内の単結晶成長用の原料から単結晶を
成長させる際の温度制御が行われる。
ほど高温の予め定められた温度分布で保持されるよう
に、前記主加熱ヒータ3への供給電力が調整される。し
たがって、前記ルツボ昇降ロッド11を昇降させて気密チ
ャンバ15内におけるルツボ13の高さ位置を変えることに
よって、ルツボ13内の単結晶成長用の原料から単結晶を
成長させる際の温度制御が行われる。
【0027】次に、上記装置を用いてZnSe単結晶の製造
を行ったときの手順と、その結果の一例とについて説明
する。まず、ルツボ13の細管部13aに棒状のZnSeの種結
晶18を挿入後、その上に、フェーズフォー社のCVD法
により製造されたZnSe多結晶の小塊約20gを単結晶成長
用の原料として充填する一方、蒸気源収納容器14に蒸気
源19として約5gのZnを、また、リザーバ17に高解離圧
成分20として10gのZnをそれぞれ充填した。
を行ったときの手順と、その結果の一例とについて説明
する。まず、ルツボ13の細管部13aに棒状のZnSeの種結
晶18を挿入後、その上に、フェーズフォー社のCVD法
により製造されたZnSe多結晶の小塊約20gを単結晶成長
用の原料として充填する一方、蒸気源収納容器14に蒸気
源19として約5gのZnを、また、リザーバ17に高解離圧
成分20として10gのZnをそれぞれ充填した。
【0028】これらルツボ13・蒸気源収納容器14と、リ
ザーバ17を備えた気密チャンバ15とを図示のように圧力
容器1内に配置して圧力容器1を密閉した後、ガス供給
排出路8を通して圧力容器1の内部を真空引きし、次い
で、5kgf/cm2 アルゴンガスを注入してガス置換を行っ
た。その後、5kgf/cm2 のアルゴンガスを圧力容器1内
に充填した後、主加熱ヒータ3のヒータエレメント3a・
3bに通電し、ルツボ13内の原料および蒸気源収納容器14
内の蒸気源19の加熱を開始した。そして、ルツボ13にお
ける上部が1580℃、下部が1515℃となるように主加熱ヒ
ータ3への供給電力を制御し、種結晶18の一部を残して
原料を溶融させた。なお、このとき圧力容器1内の圧力
は10kgf/cm2 となった。
ザーバ17を備えた気密チャンバ15とを図示のように圧力
容器1内に配置して圧力容器1を密閉した後、ガス供給
排出路8を通して圧力容器1の内部を真空引きし、次い
で、5kgf/cm2 アルゴンガスを注入してガス置換を行っ
た。その後、5kgf/cm2 のアルゴンガスを圧力容器1内
に充填した後、主加熱ヒータ3のヒータエレメント3a・
3bに通電し、ルツボ13内の原料および蒸気源収納容器14
内の蒸気源19の加熱を開始した。そして、ルツボ13にお
ける上部が1580℃、下部が1515℃となるように主加熱ヒ
ータ3への供給電力を制御し、種結晶18の一部を残して
原料を溶融させた。なお、このとき圧力容器1内の圧力
は10kgf/cm2 となった。
【0029】一方、主加熱ヒータ3への通電と同時に、
リザーバ17内の高解離圧成分20の加熱も副加熱ヒータ4
により開始し、その加熱温度は、リザーバ17で発生する
Zn蒸気の蒸気圧が、ZnSeの融点(1520℃)におけるZn蒸
気の平衡蒸気圧約2気圧となるように、約1000℃に調節
した。その後、ルツボ昇降ロッド11をゆっくりと下降さ
せ、20℃/cmの温度勾配下、降下速度3mm/hの速度でル
ツボ13を徐々に低温域に下降させることによって、原料
融液21における種結晶18に接する下部側から上部側に向
かって、単結晶22を成長させた。
リザーバ17内の高解離圧成分20の加熱も副加熱ヒータ4
により開始し、その加熱温度は、リザーバ17で発生する
Zn蒸気の蒸気圧が、ZnSeの融点(1520℃)におけるZn蒸
気の平衡蒸気圧約2気圧となるように、約1000℃に調節
した。その後、ルツボ昇降ロッド11をゆっくりと下降さ
せ、20℃/cmの温度勾配下、降下速度3mm/hの速度でル
ツボ13を徐々に低温域に下降させることによって、原料
融液21における種結晶18に接する下部側から上部側に向
かって、単結晶22を成長させた。
【0030】このようにZnSeの融点を超える温度までル
ツボ13内の原料を加熱した後、降温させる結晶成長操作
の過程では、原料の解離が昇温途中で徐々に進行する。
このとき、上記構成では、まず、上方の蒸気源収納容器
14からZn蒸気が発生し、このZn蒸気は気密チャンバ15内
に充満しているアルゴンガスより重いことから、徐々に
下降してルツボ13内に流入する。このため、原料が溶融
する時点で、ルツボ13内にはZnSe原料の解離が抑制され
るZn蒸気の雰囲気がすでに形成されている。
ツボ13内の原料を加熱した後、降温させる結晶成長操作
の過程では、原料の解離が昇温途中で徐々に進行する。
このとき、上記構成では、まず、上方の蒸気源収納容器
14からZn蒸気が発生し、このZn蒸気は気密チャンバ15内
に充満しているアルゴンガスより重いことから、徐々に
下降してルツボ13内に流入する。このため、原料が溶融
する時点で、ルツボ13内にはZnSe原料の解離が抑制され
るZn蒸気の雰囲気がすでに形成されている。
【0031】なお、このとき、蒸気源収納容器14から発
生するZn蒸気の蒸気圧があまりに高いと、原料融液21の
組成がZnリッチとなって融点が低下するが、Znの蒸気は
ルツボ13外を下方にも移動していくことから、下部のリ
ザーバ17の温度を前述の1000℃に保持しておけば、過剰
なZn蒸気はこのリザーバ17で凝結して捕捉される。この
ため、ルツボ13内は、原料融液21の解離が抑制されると
共にZnリッチとなるような組成の変化も抑えられZn蒸気
の雰囲気で保持されるので、原料融液21から、全体にわ
たって意図した組成の単結晶22の成長が行われる。
生するZn蒸気の蒸気圧があまりに高いと、原料融液21の
組成がZnリッチとなって融点が低下するが、Znの蒸気は
ルツボ13外を下方にも移動していくことから、下部のリ
ザーバ17の温度を前述の1000℃に保持しておけば、過剰
なZn蒸気はこのリザーバ17で凝結して捕捉される。この
ため、ルツボ13内は、原料融液21の解離が抑制されると
共にZnリッチとなるような組成の変化も抑えられZn蒸気
の雰囲気で保持されるので、原料融液21から、全体にわ
たって意図した組成の単結晶22の成長が行われる。
【0032】上記のような操作でルツボ13内の原料融液
21全体が固化し、さらに、ルツボ13の上部がほぼ1300℃
となった時点で、主加熱ヒータ3および副加熱ヒータ4
への通電を停止し、その後、炉冷してほぼ 300℃になっ
た時に、圧力容器1内のアルゴンガスを炉外に放出する
操作を行った。次いで、ほぼ室温に温度が下がった時点
で下蓋7を下降させ、圧力容器1を開けてルツボ13を回
収した。
21全体が固化し、さらに、ルツボ13の上部がほぼ1300℃
となった時点で、主加熱ヒータ3および副加熱ヒータ4
への通電を停止し、その後、炉冷してほぼ 300℃になっ
た時に、圧力容器1内のアルゴンガスを炉外に放出する
操作を行った。次いで、ほぼ室温に温度が下がった時点
で下蓋7を下降させ、圧力容器1を開けてルツボ13を回
収した。
【0033】ルツボ13から取り出した成長結晶は、外径
約15mm・直胴部長さ20mmで、一部に双晶を含むものの、
全体として一つの粒と考えられる黄色透明な単結晶であ
った。ルツボ13内の重量変化は0.1%以下であり、原料
のZnSeの分解は充分に抑制されていることが確認され
た。また、成長結晶におけるZn組成の変化を調査する目
的で、成長結晶を円板状にスライスし、上下方向での体
積固有抵抗の変化を測定した。その結果、いずれの部位
においても体積固有抵抗は0.02〜0.03Ωcmで、上下方向
での特性のバラツキ、すなわち、大きな組成のバラツキ
は殆どないことが確認された。
約15mm・直胴部長さ20mmで、一部に双晶を含むものの、
全体として一つの粒と考えられる黄色透明な単結晶であ
った。ルツボ13内の重量変化は0.1%以下であり、原料
のZnSeの分解は充分に抑制されていることが確認され
た。また、成長結晶におけるZn組成の変化を調査する目
的で、成長結晶を円板状にスライスし、上下方向での体
積固有抵抗の変化を測定した。その結果、いずれの部位
においても体積固有抵抗は0.02〜0.03Ωcmで、上下方向
での特性のバラツキ、すなわち、大きな組成のバラツキ
は殆どないことが確認された。
【0034】〔比較例〕上記実施形態1と同じ装置を用
い、蒸気源収納容器14内にZnを充填しない点を除いて、
実施形態1と同様の手順にてZnSe単結晶の成長操作を行
った。得られた成長結晶は、肉眼での観察では色合いに
大きな差異は見られなかったものの、体積固有抵抗を測
定したところ、成長結晶における種結晶に近い下部側で
0.5〜2Ωcm、上部側で0.04Ωcmで、上下方向で差異が
認められた。この体積固有抵抗値から、下部ではZnの量
が少なく、上部では多いという組成の分布が存在するこ
とが判明し、不均質であるために、例えばレーザダイオ
ード等の基板には用いられないと判断された。
い、蒸気源収納容器14内にZnを充填しない点を除いて、
実施形態1と同様の手順にてZnSe単結晶の成長操作を行
った。得られた成長結晶は、肉眼での観察では色合いに
大きな差異は見られなかったものの、体積固有抵抗を測
定したところ、成長結晶における種結晶に近い下部側で
0.5〜2Ωcm、上部側で0.04Ωcmで、上下方向で差異が
認められた。この体積固有抵抗値から、下部ではZnの量
が少なく、上部では多いという組成の分布が存在するこ
とが判明し、不均質であるために、例えばレーザダイオ
ード等の基板には用いられないと判断された。
【0035】〔実施形態2〕次に、本発明の他の実施形
態について図2を参照して説明する。なお、説明の便宜
上、前記の実施形態1で示した部材と同一の機能を有す
る部材には、同一の符号を付記して説明を省略する。同
図は、縦形温度勾配凝固法(VGF)法による単結晶製造装
置を示すもので、気密チャンバ15内の上下方向の温度分
布をより精密に制御するために、この気密チャンバ15の
外側には、上下10段のヒータエレメント3a〜3jを備えた
主加熱ヒータ3が設けられている。なお、炉体としての
圧力容器1は上部閉塞状に形成され、下蓋7にガス供給
排出路8が設けられている。
態について図2を参照して説明する。なお、説明の便宜
上、前記の実施形態1で示した部材と同一の機能を有す
る部材には、同一の符号を付記して説明を省略する。同
図は、縦形温度勾配凝固法(VGF)法による単結晶製造装
置を示すもので、気密チャンバ15内の上下方向の温度分
布をより精密に制御するために、この気密チャンバ15の
外側には、上下10段のヒータエレメント3a〜3jを備えた
主加熱ヒータ3が設けられている。なお、炉体としての
圧力容器1は上部閉塞状に形成され、下蓋7にガス供給
排出路8が設けられている。
【0036】一方、気密チャンバ15内には、その底部側
に、支持台31が下蓋7上への載置状態で配設されてい
る。この支持台31上に副加熱ヒータ4が配置され、この
副加熱ヒータ4上に、さらに有底筒状の内部容器32が設
けられている。内部容器32は、気密チャンバ15と同様
に、モリブデン等の高融点金属やグラッシーカーボンな
どの耐熱性と気密性とを有する材料からなっており、こ
の内部容器32内における底部に、高解離圧成分20を収容
したリザーバ17が配置されている。このリザーバ17周縁
における上端面上にルツボ台12が載置され、このルツボ
台12上に、前記同様に、ルツボ13が直立状態で支持され
ている。
に、支持台31が下蓋7上への載置状態で配設されてい
る。この支持台31上に副加熱ヒータ4が配置され、この
副加熱ヒータ4上に、さらに有底筒状の内部容器32が設
けられている。内部容器32は、気密チャンバ15と同様
に、モリブデン等の高融点金属やグラッシーカーボンな
どの耐熱性と気密性とを有する材料からなっており、こ
の内部容器32内における底部に、高解離圧成分20を収容
したリザーバ17が配置されている。このリザーバ17周縁
における上端面上にルツボ台12が載置され、このルツボ
台12上に、前記同様に、ルツボ13が直立状態で支持され
ている。
【0037】一方、内部容器32の側壁面32aは、ルツボ
13の上端を越えて気密チャンバ15の上壁面近くまで延び
ており、この側壁面32aにおける開口した上端部に、前
記同様に、蒸気源19を収容する蒸気源収納容器14が取付
けられている。なお、本実施形態における気密チャンバ
15下端側の連通路16は、下端縁を一部切欠いて下蓋7と
の間に生じる隙間で構成されている。また、内部容器32
は、内部チャンバ15の内面との間に充分な隙間を有する
外径寸法で形成され、この間の連通隙間33と、上記の連
通路16とを通して、内部容器32内が気密チャンバ15外の
空間に連通している。
13の上端を越えて気密チャンバ15の上壁面近くまで延び
ており、この側壁面32aにおける開口した上端部に、前
記同様に、蒸気源19を収容する蒸気源収納容器14が取付
けられている。なお、本実施形態における気密チャンバ
15下端側の連通路16は、下端縁を一部切欠いて下蓋7と
の間に生じる隙間で構成されている。また、内部容器32
は、内部チャンバ15の内面との間に充分な隙間を有する
外径寸法で形成され、この間の連通隙間33と、上記の連
通路16とを通して、内部容器32内が気密チャンバ15外の
空間に連通している。
【0038】上記装置を使用して、例えばZnSe単結晶の
成長を行うときの操作手順について次に説明する。ま
ず、前記同様に、ルツボ13の細管部13aにZnSeの種結晶
18をセットし、その上にZnSe多結晶の原料を充填する共
に、蒸気源収納容器14とリザーバ17とに、それぞれ、蒸
気源19・高解離圧成分20としてZnを充填する。
成長を行うときの操作手順について次に説明する。ま
ず、前記同様に、ルツボ13の細管部13aにZnSeの種結晶
18をセットし、その上にZnSe多結晶の原料を充填する共
に、蒸気源収納容器14とリザーバ17とに、それぞれ、蒸
気源19・高解離圧成分20としてZnを充填する。
【0039】その後、ルツボ13を図のようにセットし、
次いで、圧力容器1内部のガス置換を真空引き・アルゴ
ンガス注入によって行い、さらに、数気圧〜数10気圧の
アルゴンガスを充填する。その後、主加熱ヒータ3のヒ
ータエレメント3a〜3jに通電して種結晶18の下部を残し
て原料を加熱溶融する。このとき、温度は上方ほど高温
となる温度分布が得られるように制御する。一方、リザ
ーバ17の部分は、前記同様に、約1000℃となるように、
副加熱ヒータ4への通電電力を調整する。
次いで、圧力容器1内部のガス置換を真空引き・アルゴ
ンガス注入によって行い、さらに、数気圧〜数10気圧の
アルゴンガスを充填する。その後、主加熱ヒータ3のヒ
ータエレメント3a〜3jに通電して種結晶18の下部を残し
て原料を加熱溶融する。このとき、温度は上方ほど高温
となる温度分布が得られるように制御する。一方、リザ
ーバ17の部分は、前記同様に、約1000℃となるように、
副加熱ヒータ4への通電電力を調整する。
【0040】このような温度制御により、前記実施形態
同様に、上方の蒸気源収納容器14からZnの蒸気が発生
し、このZn蒸気は気密チャンバ15内のアルゴンガスより
重いことから、徐々に下降してルツボ13内に流入し、ル
ツボ13内でのZnSe原料の解離が抑制される雰囲気が形成
される。しかも、過剰のZn蒸気は、下部のリザーバ17で
凝結して捕捉される。
同様に、上方の蒸気源収納容器14からZnの蒸気が発生
し、このZn蒸気は気密チャンバ15内のアルゴンガスより
重いことから、徐々に下降してルツボ13内に流入し、ル
ツボ13内でのZnSe原料の解離が抑制される雰囲気が形成
される。しかも、過剰のZn蒸気は、下部のリザーバ17で
凝結して捕捉される。
【0041】このようにZn蒸気圧を制御しつつ、ヒータ
エレメント3a〜3jへの投入電力を調整して、所定の温度
勾配を保持してながら炉内全体の温度を徐々に低下させ
ることにより、ルツボ13の下部側から、前記実施形態1
と同様に、組成のずれが抑制された良質のZnSe単結晶22
を成長させることができる。以上の説明のように、上記
各実施形態では、ルツボ13内の原料を加熱して単結晶の
製造を行う際、まず、上方の蒸気源収納容器14で発生す
るZn蒸気により、ルツボ13内のZnSe原料の解離を抑制す
る雰囲気が形成される。しかも、Zn蒸気が過剰になって
原料融液がZnリッチとなるような組成変化も、下部のリ
ザーバ17の温度制御により抑制されるので、ルツボ13内
の全体にわたって意図した組成の良質の単結晶成長を行
うことができる。
エレメント3a〜3jへの投入電力を調整して、所定の温度
勾配を保持してながら炉内全体の温度を徐々に低下させ
ることにより、ルツボ13の下部側から、前記実施形態1
と同様に、組成のずれが抑制された良質のZnSe単結晶22
を成長させることができる。以上の説明のように、上記
各実施形態では、ルツボ13内の原料を加熱して単結晶の
製造を行う際、まず、上方の蒸気源収納容器14で発生す
るZn蒸気により、ルツボ13内のZnSe原料の解離を抑制す
る雰囲気が形成される。しかも、Zn蒸気が過剰になって
原料融液がZnリッチとなるような組成変化も、下部のリ
ザーバ17の温度制御により抑制されるので、ルツボ13内
の全体にわたって意図した組成の良質の単結晶成長を行
うことができる。
【0042】なお、原料融液におけるZnの量を過剰にし
てZnリッチの組成の単結晶を製造したい場合には、蒸気
源19の量を多くし、かつ、リザーバ17の温度を1000℃よ
り高い温度に調節すれば達成が可能である。したがっ
て、上記各実施形態においては、高解離圧の化合物単結
晶の製造における組成の調整、例えば二成分系であれば
1:1の組成の単結晶を確実に成長させることが可能で
あり、さらに、組成を正確に変化させることも可能であ
る。しかも、単結晶全体の均質性の確保も容易となり、
単結晶操作を繰返して行う場合に、組成の再現性も良好
である。これにより、品質のばらつきが問題となる工業
的な単結晶の製造を非常に簡便化することができる。
てZnリッチの組成の単結晶を製造したい場合には、蒸気
源19の量を多くし、かつ、リザーバ17の温度を1000℃よ
り高い温度に調節すれば達成が可能である。したがっ
て、上記各実施形態においては、高解離圧の化合物単結
晶の製造における組成の調整、例えば二成分系であれば
1:1の組成の単結晶を確実に成長させることが可能で
あり、さらに、組成を正確に変化させることも可能であ
る。しかも、単結晶全体の均質性の確保も容易となり、
単結晶操作を繰返して行う場合に、組成の再現性も良好
である。これにより、品質のばらつきが問題となる工業
的な単結晶の製造を非常に簡便化することができる。
【0043】また、上記各実施形態では、温度勾配を設
けて昇降温される加熱領域内に、ルツボ13の上部に近接
させて蒸気源収納容器14を設けているので、この蒸気源
収納容器14をルツボ13とは独立に加熱制御する必要はな
く、これにより、全体の構成が簡単になる。さらに、上
記各実施形態では、ルツボ13や蒸気源収納容器14を囲う
気密チャンバ15には、その下方に連通路16を設けてい
る。このため、加熱時の解離による蒸気圧が高い場合で
も、気密チャンバ15に内外圧力差による力は作用しな
い。これにより、気密チャンバ15としては耐熱性を備え
ていれば高強度である必要はないので、作製が容易とな
り、また、材料の選定範囲が広がるので、成長結晶に対
して極力汚染しない材料の選定が可能となる。したがっ
て、これによっても品質に優れた単結晶を製造すること
ができる。
けて昇降温される加熱領域内に、ルツボ13の上部に近接
させて蒸気源収納容器14を設けているので、この蒸気源
収納容器14をルツボ13とは独立に加熱制御する必要はな
く、これにより、全体の構成が簡単になる。さらに、上
記各実施形態では、ルツボ13や蒸気源収納容器14を囲う
気密チャンバ15には、その下方に連通路16を設けてい
る。このため、加熱時の解離による蒸気圧が高い場合で
も、気密チャンバ15に内外圧力差による力は作用しな
い。これにより、気密チャンバ15としては耐熱性を備え
ていれば高強度である必要はないので、作製が容易とな
り、また、材料の選定範囲が広がるので、成長結晶に対
して極力汚染しない材料の選定が可能となる。したがっ
て、これによっても品質に優れた単結晶を製造すること
ができる。
【0044】一方、蒸気源収納容器14で発生したZn蒸気
の一部は、例えば実施形態1では、ルツボ台12に形成さ
れている連通孔12aを通してその下方へと流出し、さら
に気密チャンバ15の連通路16へと流れることになるが、
このとき、連通路16は加熱ヒータ3・4から下方に離れ
た部位に設けられているので、この箇所をZnの融点以下
の低温状態に保持しておくことによって、蒸気をこの部
位で析出させるようにすることができる。この結果、気
密チャンバ15の外側の加熱ヒータ3・4やこれへの電力
供給部材等に蒸気が触れることがないので、短絡事故等
の発生が防止される。また、拡散した蒸気により炉内全
体が汚染されると、随時、炉内構造物を分解し清浄化す
るなどの保守作業に多大な労力が必要となるが、上記装
置では、このような蒸気の炉内全体への拡散が抑えられ
るため、保守作業が容易になり、これによって、製造効
率が向上する。
の一部は、例えば実施形態1では、ルツボ台12に形成さ
れている連通孔12aを通してその下方へと流出し、さら
に気密チャンバ15の連通路16へと流れることになるが、
このとき、連通路16は加熱ヒータ3・4から下方に離れ
た部位に設けられているので、この箇所をZnの融点以下
の低温状態に保持しておくことによって、蒸気をこの部
位で析出させるようにすることができる。この結果、気
密チャンバ15の外側の加熱ヒータ3・4やこれへの電力
供給部材等に蒸気が触れることがないので、短絡事故等
の発生が防止される。また、拡散した蒸気により炉内全
体が汚染されると、随時、炉内構造物を分解し清浄化す
るなどの保守作業に多大な労力が必要となるが、上記装
置では、このような蒸気の炉内全体への拡散が抑えられ
るため、保守作業が容易になり、これによって、製造効
率が向上する。
【0045】なお、上記各実施形態では、蒸気源収納容
器14に結晶成長原料の一部を構成するZnを収納した例を
示したが、これに替えて、結晶成長原料と同じ原料を収
納し、ZnとSeとの各蒸気を同時に発生させながら単結晶
の成長を行うようにすることもできる。この場合、温度
勾配を設けて昇降温される加熱領域内において、ルツボ
13よりも上方の蒸気源収納容器14の方が常に高い温度を
維持して昇降温されることになる。この結果、蒸気源収
納容器14に収容された原料が先に解離を始めて蒸気を発
生させる。したがって、ルツボ13内の原料あるいは融液
の解離が抑制される。
器14に結晶成長原料の一部を構成するZnを収納した例を
示したが、これに替えて、結晶成長原料と同じ原料を収
納し、ZnとSeとの各蒸気を同時に発生させながら単結晶
の成長を行うようにすることもできる。この場合、温度
勾配を設けて昇降温される加熱領域内において、ルツボ
13よりも上方の蒸気源収納容器14の方が常に高い温度を
維持して昇降温されることになる。この結果、蒸気源収
納容器14に収容された原料が先に解離を始めて蒸気を発
生させる。したがって、ルツボ13内の原料あるいは融液
の解離が抑制される。
【0046】このように、例えば二元素から構成される
化合物半導体が融液状態のときに、一方の成分のみなら
ず、他方の成分も蒸気となる場合(ZnSe他、多くの場合
がこれに相当する)において、構成元素の一部の元素の
蒸気圧の調整では解離の抑制が不充分なとき、上記のよ
うに結晶成長原料と同一の原料を蒸気源収納容器14に収
納することによって、より確実に解離を抑えることがで
きる。
化合物半導体が融液状態のときに、一方の成分のみなら
ず、他方の成分も蒸気となる場合(ZnSe他、多くの場合
がこれに相当する)において、構成元素の一部の元素の
蒸気圧の調整では解離の抑制が不充分なとき、上記のよ
うに結晶成長原料と同一の原料を蒸気源収納容器14に収
納することによって、より確実に解離を抑えることがで
きる。
【0047】なお、本発明は上記各実施形態に限定され
るものではなく、例えばZnSe以外のCdTeなどのII−VI族
や、InP,GaP などのIII-V族、或いはこれらの三元系化
合物など、結晶成長を行う際の高温下で成分元素の一部
が解離して蒸散し易い化合物単結晶の製造に適用するこ
とが可能である。
るものではなく、例えばZnSe以外のCdTeなどのII−VI族
や、InP,GaP などのIII-V族、或いはこれらの三元系化
合物など、結晶成長を行う際の高温下で成分元素の一部
が解離して蒸散し易い化合物単結晶の製造に適用するこ
とが可能である。
【0048】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明の化合物単
結晶の製造方法によれば、炉体内に充填されている不活
性ガスより高解離圧成分の蒸気の方が重い場合でも、原
料収納容器の周囲に蒸気源収納容器で発生した高解離圧
成分の蒸気雰囲気がすぐに形成される。しかも、その蒸
気圧はリザーバにより所定の圧力で維持されるので、原
料収納容器内の原料融液から意図した通りの組成の良質
の単結晶成長を行うことができる。
結晶の製造方法によれば、炉体内に充填されている不活
性ガスより高解離圧成分の蒸気の方が重い場合でも、原
料収納容器の周囲に蒸気源収納容器で発生した高解離圧
成分の蒸気雰囲気がすぐに形成される。しかも、その蒸
気圧はリザーバにより所定の圧力で維持されるので、原
料収納容器内の原料融液から意図した通りの組成の良質
の単結晶成長を行うことができる。
【0049】また、原料収納容器の下端側に種結晶を配
置して結晶成長を行うことにより、全体が所定の方位の
単結晶を確実に成長させることができる。さらに、蒸気
源収納容器に成長結晶原料と同じ原料を収納して単結晶
成長を行うことにより、原料収納容器内の原料の解離が
さらに確実に抑制され、この結果、より意図した通りの
組成の単結晶成長を行うことができる。
置して結晶成長を行うことにより、全体が所定の方位の
単結晶を確実に成長させることができる。さらに、蒸気
源収納容器に成長結晶原料と同じ原料を収納して単結晶
成長を行うことにより、原料収納容器内の原料の解離が
さらに確実に抑制され、この結果、より意図した通りの
組成の単結晶成長を行うことができる。
【0050】本発明の化合物単結晶の製造装置において
は、下方に連通路を備えた気密チャンバが設けられてい
ることによって、加熱時の解離による蒸気圧が高い場合
でも、気密チャンバに内外圧力差による力は作用しない
ので、気密チャンバの破損が防止される。しかも、気密
チャンバ内を下方の連通路へと流れる一部の蒸気は、上
記の連通路の部位で析出する。これにより、気密チャン
バ外への蒸気の流出が防止される結果、例えば短絡事故
等の発生を防止するための装置のメインテナンスが容易
となるので、解離圧の高い化合物でも、その単結晶をよ
り効率的に製造することができる。
は、下方に連通路を備えた気密チャンバが設けられてい
ることによって、加熱時の解離による蒸気圧が高い場合
でも、気密チャンバに内外圧力差による力は作用しない
ので、気密チャンバの破損が防止される。しかも、気密
チャンバ内を下方の連通路へと流れる一部の蒸気は、上
記の連通路の部位で析出する。これにより、気密チャン
バ外への蒸気の流出が防止される結果、例えば短絡事故
等の発生を防止するための装置のメインテナンスが容易
となるので、解離圧の高い化合物でも、その単結晶をよ
り効率的に製造することができる。
【図1】本発明の一実施形態における単結晶製造装置の
構成を示す縦断面模式図である。
構成を示す縦断面模式図である。
【図2】本発明の他の実施形態における単結晶製造装置
の構成を示す縦断面模式図である。
の構成を示す縦断面模式図である。
【図3】従来の単結晶製造装置の構成を示す縦断面図で
ある。
ある。
1 圧力容器(炉体) 3 主加熱ヒータ(主加熱手段) 4 副加熱ヒータ(副加熱手段) 13 ルツボ(原料収納容器) 14 蒸気源収納容器 15 気密チャンバ 16 連通路 17 リザーバ 18 種結晶 19 蒸気源 20 高解離圧成分
Claims (4)
- 【請求項1】 単結晶成長用の原料を収容した上端開口
状の原料収納容器を、不活性ガスが充填された炉体内に
おける上方ほど温度を高くした加熱領域で昇降温するこ
とにより、原料融液から単結晶を成長させる化合物単結
晶の製造方法であって、 原料構成元素中の少なくとも高解離圧成分を収容する蒸
気源収納容器を原料収納容器よりも上方に設ける一方、
上記高解離圧成分を収容するリザーバを原料収納容器よ
りも下方に設け、上記加熱領域で原料収納容器と共に加
熱される蒸気源収納容器から少なくとも高解離圧成分の
蒸気を発生させ、かつ、原料収納容器周囲の高解離圧成
分の蒸気圧を調整すべくリザーバを上記加熱領域での加
熱温度とは独立に温度制御しつつ単結晶成長を行うこと
を特徴とする化合物単結晶の製造方法。 - 【請求項2】 原料収納容器の下端部に種結晶を配置し
て単結晶成長を行うことを特徴とする請求項1記載の化
合物単結晶の製造方法。 - 【請求項3】 原料収納容器に収容される原料とほぼ同
一組成の原料を蒸気源収納容器に収容して単結晶成長を
行うことを特徴とする請求項1又は2記載の化合物単結
晶の製造方法。 - 【請求項4】 不活性ガスが充填される密閉状の炉体
と、 炉体内に上方ほど温度の高い加熱領域を形成すべく炉体
内に配置された主加熱手段と、 単結晶成長用の原料を収容すると共に上記加熱領域に配
置される上端開口状の原料収納容器と、 原料構成元素中の高解離圧成分を収容すると共に原料収
納容器よりも上方に配置されて上記加熱領域で加熱され
る蒸気源収納容器と、 上記高解離圧成分を収容すると共に原料収納容器よりも
下方に配置されるリザーバと、 リザーバを加熱する副加熱手段と、 原料収納容器と蒸気源収納容器とリザーバとを主加熱手
段よりも内側で囲うと共に下方に内外を相互に連通する
連通路を有する気密性材料からなる気密チャンバとが設
けられていることを特徴とする化合物単結晶の製造装
置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21192595A JPH0959090A (ja) | 1995-08-21 | 1995-08-21 | 化合物単結晶の製造方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21192595A JPH0959090A (ja) | 1995-08-21 | 1995-08-21 | 化合物単結晶の製造方法及びその装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0959090A true JPH0959090A (ja) | 1997-03-04 |
Family
ID=16613950
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21192595A Pending JPH0959090A (ja) | 1995-08-21 | 1995-08-21 | 化合物単結晶の製造方法及びその装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0959090A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP2722420A3 (en) * | 2012-10-22 | 2014-12-03 | Hitachi Metals, Ltd. | Equipment and method for producing a compound polycrystal, and method for growing a compound single crystal |
| CN104532353A (zh) * | 2014-12-26 | 2015-04-22 | 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 | 掺铬硒化锌单晶的布里奇曼生长装置及方法 |
-
1995
- 1995-08-21 JP JP21192595A patent/JPH0959090A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP2722420A3 (en) * | 2012-10-22 | 2014-12-03 | Hitachi Metals, Ltd. | Equipment and method for producing a compound polycrystal, and method for growing a compound single crystal |
| CN104532353A (zh) * | 2014-12-26 | 2015-04-22 | 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 | 掺铬硒化锌单晶的布里奇曼生长装置及方法 |
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