JPH0971601A - 無水グルコースを構成単位とする多糖類から誘導されるポリカルボン酸あるいはその塩ならびにその製造方法 - Google Patents

無水グルコースを構成単位とする多糖類から誘導されるポリカルボン酸あるいはその塩ならびにその製造方法

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JPH0971601A
JPH0971601A JP34632095A JP34632095A JPH0971601A JP H0971601 A JPH0971601 A JP H0971601A JP 34632095 A JP34632095 A JP 34632095A JP 34632095 A JP34632095 A JP 34632095A JP H0971601 A JPH0971601 A JP H0971601A
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salt
acid
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Kiyoshi Morohara
潔 諸原
Yukihiro Dannoue
幸弘 段ノ上
Kiyoshi Nakayama
清 中山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無水グルコースを構成単位とする多糖類か
ら、カルボキシル基の含有量が高く、且つ分子量も大き
なポリカルボン酸及びその塩を製造する方法及びその方
法により得られるポリカルボン酸及びその塩を提供す
る。 【解決手段】 無水グルコースを構成単位とする多糖類
を酸化することにより誘導されるポリカルボン酸あるい
はその塩であって、酸型のポリカルボン酸を中和滴定す
るに要するアルカリが、水酸化ナトリウム換算で、該ポ
リカルボン酸1g当たり435mg以上で、且つその分
子量が、重量平均で2000以上であることを特徴とす
るポリカルボン酸あるいはその塩。遷移金属触媒の存在
下、酸化剤を用いて、無水グルコースを構成単位とする
多糖類の酸化反応を行うことを特徴とする、酸型のポリ
カルボン酸を中和滴定するに要するアルカリが、水酸化
ナトリウム換算で、該ポリカルボン酸1g当たり435
mg以上で、且つその分子量が、重量平均で2000以
上であるポリカルボン酸あるいはその塩の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無水グルコースを
構成単位とする多糖類の酸化により生成されたポリカル
ボン酸又はその塩及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリアクリル酸や、アクリル酸とマレイ
ン酸との共重合体等のポリカルボン酸は、分散剤、キレ
ート剤あるいは凝集剤として用いられている。そして、
これらのポリカルボン酸をキレート剤として用いる場
合、その効果はカルボキシル基の含有量及び分子量の影
響を受け、カルボキシル基の含有量が多く且つ分子量も
大きい方が、優れた効果を発揮することが一般的に知ら
れている。これらのポリカルボン酸のキレート能を、後
述の実施例中に示す方法で測定した場合に、ポリアクリ
ル酸は、Caイオンに対して、およそ300mg/gの
キレート能を、また、アクリル酸とマレイン酸との共重
合体は、およそ370mg/gのキレート能を示す。し
かしながら、ポリアクリル酸や、アクリル酸とマレイン
酸との共重合体の様に、ビニル基を有する単量体を重合
することによって得られるポリカルボン酸は、微生物に
よる生分解がきわめて困難であるという問題を有してい
ることもよく知られている。そこで、洗剤ビルダー等に
有用なキレート剤を目指して、天然高分子である多糖類
を酸化することで、生分解が期待されるポリカルボン酸
あるいはその塩を得ようとする試みが従来よりなされて
いる。
【0003】特公昭49−1281号公報には、過ヨウ
素酸と亜塩素酸を用いる2段階酸化法や次亜塩素酸塩を
用いる1段階酸化法で、各種多糖類から、ポリカルボン
酸が得られることが開示されている。しかしながら、こ
の公報に開示された方法で得られるポリカルボン酸中の
カルボキシル基の量は、特殊な例を除き、単糖単位当た
りの平均として2個を超えるものではない。カルボキシ
ル基の含量が単糖単位当たり2個を超える特殊な例とし
て、その実施例78に、モノカルボキシル化とうもろこ
しデンプンをあらかじめ製造し、これを更に酸化する例
が、そしてその実施例79及び80には、多糖類として
アルギン酸ナトリウムを用いる例が開示されている。し
かしながら、これらの実施例においては、得られるポリ
カルボン酸の分子量に関してはなんら記載がなく、カル
ボキシル基の含有量と分子量の両者が明確に規定された
構造のポリカルボン酸を提示するものではない。これら
実施例中に記載の製造法においては、生成したジアルデ
ヒド誘導体を亜塩素酸ナトリウムでジカルボン酸に酸化
する際に多量の酢酸を使用しているが、このような酸性
条件下では、多糖類は加水分解を受け、分子量が大きく
低下することはよく知られている。しかも、この方法の
場合、モノカルボキシル化デンプンをいったん製造して
から更に酸化反応させることから、その製造工程が複雑
になるという問題があり、一方、アルギン酸を原料とす
る場合には、経済性の面で問題がある。
【0004】特開昭60−226502号公報には、次
亜塩素酸塩を酸化剤として使用し、反応条件を制御する
ことで、多糖類を酸化してポリカルボン酸を得る方法が
開示されている。この方法で得られるポリカルボン酸
は、分子量は十分高いものの、ジカルボキシル単位の含
有割合は最大でも81%であり、単糖単位当たりに平均
すると、カルボキシル基の含有量は2個未満であり、カ
ルボキシル基の含有量と分子量の両者を同時に満足する
構造のポリカルボン酸ではない。
【0005】特開昭62−247837号公報には、P
d等の金属触媒とBi等の促進剤を併用することで、多
糖類を酸化してポリカルボン酸を得る方法が開示されて
いるが、この方法は、多糖類の還元性末端を酸化するも
のであり、やはりそのカルボキシル基の含有量は、単糖
単位当たりに平均すると2個を超えるものではない。
【0006】特開平4−175301号公報には、次亜
臭素酸塩あるいは次亜ヨウ素酸塩の存在下で多糖類を酸
化する方法が開示されている。この公報中には、生成物
であるポリカルボン酸の構造を示唆するデータは開示さ
れていないが、その明細書中に「ジカルボキシ多糖類又
はポリカルボキシ糖類という用語は、本文中では大部分
のC2−C3ジオール官能基が、開環を伴って、それぞれ
二つのカルボキシル基に転化された多糖類を示すと理解
される」という記載があるので、この公報のポリカルボ
ン酸中に含まれるカルボキシル基の量は、単糖単位当た
り平均値として最大2個であると考えられる。
【0007】特開平4−233901号公報には、デン
プンあるいはデキストリンの酵素加水分解物を次亜塩素
酸塩あるいは過ヨウ素酸塩で酸化する方法が開示されて
いる。ここでは、酸化反応後に得られるポリカルボン酸
の構造、就中カルボキシル基の含有量に関する記載はな
い。また、分子量に関する明確な測定例も示されていな
いが、その実施例5に開示されているグルコシドユニッ
トの分布を基に、引き続く酸化反応時に分子量の低下は
生じず、しかも最大限に酸化されてユニット当たり3個
のカルボキシル基が導入されたと仮定して算出しても、
重量平均分子量は915にしかならない。そして、より
高分子量体が得られると考えられるデンプンやデキスト
リンを原料として使用した場合には、比較例1に示され
ているように、得られたポリカルボン酸のCa封鎖能
は、それぞれ200及び225と未だに低く、このこと
は、酸化生成物中のカルボキシル基の含有量が低いこと
を示すものである。
【0008】以上、無水グルコースを構成単位とする多
糖類を酸化して得られるポリカルボン酸及びその塩に関
して、カルボキシル基の含有量が、無水グルコース単位
当たり2個を超え、しかもその重量平均分子量が200
0以上であるものは知られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、無水グルコ
ースを構成単位とする多糖類から、カルボキシル基の含
有量が高く、且つ分子量も大きなポリカルボン酸及びそ
の塩を製造する方法及びその方法により得られるポリカ
ルボン酸及びその塩を提供することをその課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、無水グルコースを構
成単位とする多糖類を酸化することにより誘導されるポ
リカルボン酸あるいはその塩であって、酸型のポリカル
ボン酸を中和滴定するに要するアルカリが、水酸化ナト
リウム換算で、該ポリカルボン酸1g当たり435mg
以上で、且つその分子量が、重量平均で2000以上で
あることを特徴とするポリカルボン酸あるいはその塩が
提供される。また、本発明によれば、遷移金属触媒の存
在下、酸化剤を用いて、無水グルコースを構成単位とす
る多糖類の酸化反応を行うことを特徴とする、酸型のポ
リカルボン酸を中和滴定するに要するアルカリが、水酸
化ナトリウム換算で、該ポリカルボン酸1g当たり43
5mg以上で、且つその分子量が、重量平均で2000
以上であるポリカルボン酸あるいはその塩の製造方法が
提供される。
【0011】本発明で得られるポリカルボン酸は、その
構造が複雑なため、明確な構造式を示すことは困難であ
るが、デンプンを原料とした場合に、一般式で表示する
と、下記の(1)式の様に表わされ、中和滴定に要する
水酸化ナトリウムの量から推定すると、無水グルコース
単位当たり、平均して2.1個以上のカルボキシル基を
有するポリカルボン酸であると言える。
【化1】 その理由は、例えば、無水グルコースのC2−C3結合が
酸化開裂して生じる、無水グルコース当たり2個のカル
ボキシル基を有するポリカルボン酸(即ちジカルボキシ
ル多糖、上記の構造式で1=0、n=0に相当する)の
場合は、中和滴定に要する水酸化ナトリウムの量は、酸
型のポリカルボン酸1g当たり、417mgにしかなら
ないからである。
【0012】本発明のポリカルボン酸あるいはその塩に
おいて、その塩としては、Na、K、Li等のアルカリ
金属の塩やアンモニア、アルキルアミン、アルカノール
アミン等のアミンの塩が挙げられるが、製造上の容易さ
からNa塩あるいはK塩が好ましい。また、カルボキシ
ル基の一部だけが塩になっていても良い。
【0013】本発明において、カルボキシル基の含有量
を求める方法としては、後述するように、中和滴定法が
用いられる。また、中和滴定の際に、酸型のポリカルボ
ン酸を得る必要がある場合には、後述の、カチオン交換
樹脂で処理する方法で実施される。また、分子量を求め
る方法は、これも後述するように、ポリアクリル酸を標
準物質とするGPC法で実施される。
【0014】本発明のポリカルボン酸あるいはその塩を
得るために用いられる多糖類は、無水グルコースを構成
単位とする多糖類であれば、特に限定されず、デンプ
ン、デキストリン、セルロース、あるいはこれらの加水
分解物、あるいはデンプンを分画して得られるアミロー
スやアミロペクチン等が挙げられ、これらは、2種以上
の混合物で使用してもよい。そして、これらの多糖類の
起源も特に限定されず、例えば、デンプンの場合には、
とうもろこしデンプン、小麦デンプン、米デンプン、タ
ピオカデンプン等が、セルロースの場合には、針葉樹、
広葉樹、綿等から得られるセルロースが用いられる。こ
れらの多糖類のうち、入手の容易さや経済性の面より、
デンプンあるいはセルロースの使用が好ましく、特に好
ましく用いられるのはデンプンである。
【0015】本発明のポリカルボン酸あるいはその塩
は、特定の触媒と酸化剤の組み合わせを用いて無水グル
コースを構成単位とする多糖類を酸化することによって
得られる。すなわち、多糖類と遷移金属触媒の水分散液
中に、液のpHを一定の範囲に保ちながら、酸化剤を添
加することにより製造することができる。
【0016】本発明で用いられる遷移金属触媒として
は、Ru、Os、Rh、Ir、Pt、Pd等が挙げられ
るが、好ましくはルテニウム触媒又はオスミニウム触媒
である。これらの遷移金属触媒は、塩化物、硫化物、酸
化物のような塩の形でも、あるいはメタルのままやメタ
ルをカーボンやアルミナ等の担体に担持させて用いても
かわまない。これらの遷移金属触媒の使用量は、多糖類
の無水グルコース単位に対して、0.05モル%〜10
モル%、好ましくは、0.1モル%〜7モル%、より好
ましくは0.5〜5モル%である。
【0017】本発明で用いる酸化剤としては、次亜ハロ
ゲン酸塩(例えば、Na塩、K塩、Ca塩、Mg塩
等)、サラシ粉、過ハロゲン酸塩、過硫酸塩、過酢酸等
が挙げられるが、好ましくは、サラシ粉又は次亜ハロゲ
ン酸塩が用いられ、特に次亜ハロゲン酸塩の使用が好ま
しい。これらの酸化剤の使用量は、最終的に得ようとす
るポリカルボン酸中のカルボキシル基の含有量によって
異なるが、多糖類の無水グルコース単位当たり、通常、
3倍モル〜12倍モル、好ましくは、4倍モル〜9倍モ
ルである。これらの酸化剤を、多糖類と遷移金属触媒の
水分散液中に、添加することによって反応が行われる。
酸化剤の添加方法は、特に規定されないが、通常、連続
的にあるいは分割して添加される。反応時間は、特に規
定されないが、通常、2〜24時間、好ましくは3〜1
8時間である。また反応温度も特に規定されないが、通
常、5〜50℃、好ましくは10〜40℃である。
【0018】反応時の溶液のpHは、6〜13、好まし
くは7〜12の範囲に保たれる。pHの調節は、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアル
カリ金属の水酸化物、あるいはアンモニア、アルキルア
ミン、アルカノールアミン等のアミン類を用いて行うこ
とが出来るが、好ましくは、水酸化ナトリウムあるいは
水酸化カリウムが用いられる。
【0019】前記の反応条件においては、多糖類の主鎖
のグルコシド結合の切断が比較的起りにくく、且つ、多
糖類の水酸基が効率良く酸化されるため、目的とする酸
型のポリカルボン酸を中和滴定するに要する水酸化ナト
リウムが、ポリカルボン酸1g当たり、435mg以上
で、且つ、重量平均分子量が2000以上の、ポリカル
ボン酸あるいはその塩を得ることが出来る。このポリカ
ルボン酸あるいはその塩は、分子量が高く、且つ、カル
ボキシル基の含有量が多いのでCaやMg等の多価カチ
オンに対するキレート力が高く、洗剤用ビルダーやスカ
ム防止剤等に好適に用いられる。
【0020】本発明による多糖類の酸化により生成され
るポリカルボン酸において、その水酸化ナトリウム(N
aOH)による中和滴定量及びその分子量は、用いる原
料多糖類の種類、酸化剤の種類、触媒の種類及び反応条
件等により変化するが、本発明の場合、一般的には、そ
の中和滴定量は435mg/g以上、特に、486mg
/g〜582mg/gであり、その分子量は、重量平均
分子量で2000以上、好ましくは2,500〜15,
000である。本発明においては、特に、原料多糖類と
してデンプンを用い、これを、ルテニウム触媒の存在
下、次亜塩素酸塩又はサラシ粉で酸化してポリカルボン
酸を生成するのが好ましい。
【0021】本発明においては、前記酸化反応で得られ
る酸化反応生成物は、これらを還元剤で処理することが
好ましい。この還元剤を用いる処理により、酸化反応生
成物の色調を改善することができる。酸化反応生成物
は、黒色や褐色を示し、その色調の劣ったものである
が、これに還元剤処理を施すことにより、青色や黄色等
の色調に改善することができる。還元剤としては、使用
された酸化剤よりも酸化還元電位の低いものであればよ
く、好ましくは、亜硫酸塩(ナトリウム塩やカリウム
塩、アンモニウム塩等)や、亜ニチオン酸塩(ナトリウ
ム塩やカリウム塩、アンモニウム塩等)、過酸化水素等
が挙げられる。これらの還元剤の使用量は、酸化反応終
了後の反応系中に残存する酸化剤の量によって異なる
が、一般的には、残存酸化剤に対して、0.3〜10倍
モル、好ましくは0.5〜5倍モルである。
【0022】次に、ポリカルボン酸における、中和滴定
量(以下においてはカルボキシル基含有量Aとも言う)
及び分子量の測定法を以下に述べる。 [カルボキシル基含有量Aの測定]酸型のポリカルボン
酸約0.2g(絶乾燥量)を精秤して、200ml容の
コニカルビーカーに秤り取り、イオン交換水約50ml
を加えて溶解し、フェノールフタレインを指示薬とし
て、1/10規定の水酸化ナトリウム標準液で滴定し、
酸型のポリカルボン酸1gを中和するに要する水酸化ナ
トリウムのmgとして、カルボキシル基含有量Aを表示
する。カルボキシル基含有量Aを測定しようとするポリ
カルボン酸の一部又は全部が塩の形になっていることが
明らかな場合には、以下の方法により、酸型のポリカル
ボン酸に変換して取り出す。すなわち、ポリカルボン酸
塩の約1重量%水溶液を調整し、カチオン交換樹脂(D
OWEX50W−X8)を充填したカラム中に流し、カ
チオン交換を行うことにより、酸型のポリカルボン酸に
変換する。なお、カチオン交換樹脂は、ポリカルボン酸
塩の1重量%水溶液1g当たり10ml使用する。溶出
液を、凍結乾燥あるいは減圧乾燥(40℃以下)するこ
とにより酸型のポリカルボン酸を粉末状で得る。
【0023】[GPCによる分子量の測定]中和滴定に
使用したのと同一のポリカルボン酸粉末約5mgを、
0.3モル/LのNaClを含む0.1モル/Lリン酸
緩衝液(pH7)5mlに溶解し、以下に示す条件で、
GPCにより測定し、重量平均分子量で表示する。 使用カラム ;東ソー(株)社製 G−4000PW+G−2500P W 溶離液 ;0.3モル/LのNaClを含む0.1モル/L リン酸緩衝液(pH7) 溶離速度 ;0.5ml/分 カラム温度 ;40℃ サンプル注入量;200μl 検量線 ;ポリサイエンス社製標準ポリアクリル酸Na(重量平均分 子量2100、5000、20000、35000、16 5300)を使用
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳述する。な
お、以下において示す%は特記されない限り重量%であ
る。
【0025】実施例1 撹拌機、酸化剤滴下ロート、水酸化ナトリウム水溶液滴
下口、pH電極、温度計を取り付けた500ml容のセ
パラブルフラスコに、絶乾重量で10gのとうもろこし
デンプンと、イオン交換水100g及びRuCl3・n
2O(Ru含有量38重量%)0.49g(デンプン
の無水グルコース単位に対して3モル%)を秤りとっ
た。次いで20℃の水浴で冷却し、内温が約20℃にな
った時点で、12重量%の次亜塩素酸Na水溶液230
g(デンプンの無水グルコース単位に対して6倍モル)
を、3時間にわたって添加した。この間、pHスタット
を用いて、2規定の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、
系内のpHを9にコントロールした。次亜塩素酸Naの
添加終了後、更に2時間撹拌を続けた後、約1リットル
のエタノール中に、反応混合液をゆっくり注ぎ、反応生
成物を沈殿させた。得られた沈殿を150mlのイオン
交換水に溶解し、イオン交換水で5日間拡散透析を行っ
て精製した後、凍結乾燥により、ポリカルボン酸Naの
粉末7.5gを得た。得られたポリカルボン酸Naにつ
いて、前述の方法で求めた、カルボキシル基含有量Aは
521mg、重量平均分子量5800であった。また、
以下に記載する方法で求めたCaイオンキレート能(C
EC)は、410mg/gであった。
【0026】[Caイオンキレート能力(CEC)の測
定]オリオンリサーチ社製の0.1モル/LのCaCl
2標準液を100倍に希釈することにより、CaCO3
して100ppmに相当するCa溶液を調製した。一
方、試験するポリカルボン酸については、イオン交換水
に溶解して、ポリカルボン酸Naとして、正確に1重量
%となる水溶液を調製し、試験液とした。Ca溶液10
0mlを取り、4モル/リットルのKCl溶液2mlを
加えた後、1/10規定のNaOHで、pHを10に調
整した。この水溶液を撹拌しながら、Caイオン電極を
用いて、Caイオンの初期濃度を測定した。次いで、試
験液2mlを正確に加え、再びpHを10に調整した
後、Caイオン電極を用いてCaイオン濃度を測定し
た。Caイオンの初期濃度から、試験液添加後のCaイ
オン濃度を差し引き、この量が、キレートされたCaイ
オンとして、ポリカルボンNaのlgがキレートしたC
aイオン量を、CaCO3のmgとして表示した。
【0027】実施例2 撹拌機、酸化剤滴下ロート、水酸化ナトリウム水溶液滴
下口、pH電極、温度計を取り付けた500ml容のセ
パラブルフラスコに、絶乾重量で10gのとうもろこし
デンプンと、イオン交換水50g及びRuCl3・nH2
O(Ru含有量38重量%)0.16g(デンプンの無
水グルコース単位に対して1モル%)を秤りとった。次
いで20℃の水浴で冷却し、内温が約20℃になった時
点で、12重量%の次亜塩素酸Na水溶液192g(デ
ンプンの無水グルコース単位に対して5倍モル)を、5
時間にわたって添加した。この間、pHスタットを用い
て、2規定の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、系内の
pHを10にコントロールした。次亜塩素酸Naの添加
後、更に2時間撹拌を続け、以下実施例1と同様にし
て、ポリカルボン酸Naを7.8g得た。得られたポリ
カルボン酸Naのカルボキシル基含有量Aは489m
g、重量平均分子量は8100、CECは402mg/
gであった。
【0028】比較例1 実施例2で得られたポリカルボン酸Naの3gを、イオ
ン交換水50gに溶解し、1規定塩酸を用いてpHを
3.0に調整した後、80℃の湯浴で加温しながら、2
時間マグネティックスターラで撹拌して加水分解を行っ
た。次いで室温まで冷却し、1規定の水酸化ナトリウム
でpHを10に調整後、500mlのエタノール中に注
いで沈澱させ、得られた沈澱をイオン交換水30mlに
溶解し、イオン交換水で5日間拡散透析を行い、凍結乾
燥により、加水分解されたポリカルボン酸Naを1.1
g得た。この加水分解されたポリカルボン酸Naのカル
ボキシル基含有量Aは486mgであったが、重量平均
分子量は1200まで低下しており、CECも280m
g/gまで低下した。
【0029】実施例3 RuCl3・nH2O(Ru含有量38重量%)の代わり
に、四酸化オスミウム0.47g(デンプンの無水グル
コース単位当たり3モル%)を使用する以外は、実施例
1と同様にして、ポリカルボン酸Naを6.8g得た。
得られたポリカルボン酸の、カルボキシル基含有量Aは
458mg、重量平均分子量は4200であった。ま
た、CECは、340mg/gであった。
【0030】実施例4 とうもろこしデンプンの代わりに、セルロースパウダー
(試薬)10gを使用する以外は、実施例1と同様にし
て、ポリカルボン酸Naを8.2g得た。得られたポリ
カルボン酸の、カルボキシル基含有量Aは440mg、
重量平均分子量は6200であった。また、CECは、
365mg/gであった。
【0031】実施例5〜9 多糖類の種類、触媒の種類・量、次亜塩素酸Na(Na
ClO)の量、反応時のpH等の反応条件を変化させ
て、実施例1と同様にして、ポリカルボン酸Naを得
た。得られた結果を、表1に示す。なお、表1に示した
カーボン担持RuのRu含有量は5重量%であり、触媒
量及びNaClOの使用量はいずれも多糖類の無水グル
コース単位当りの使用量である。
【0032】
【表1】
【0033】実施例10 撹拌機、酸化剤滴下口、2N水酸化ナトリウム水溶液滴
下口、pH電極、温度計を取り付けた500ml容のセ
パラブルフラスコに、絶乾重量で10gのとうもろこし
デンプンと、イオン交換水90gを添加して20℃の恒
温水槽に入れて、撹拌を行い、ともろこしデンプンを分
散させる。次に、RuCl3・nH2O(Ru含有量38
重量%)0.49g(デンプンの無水グルコース単位に
対して3モル%)を添加し撹拌する。内温が約20℃に
なった時点で、13重量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶
液213g(デンプンの無水グルコース単位に対して6
倍モル)を、6時間連続滴下した。この間、pHスタッ
トを用いて、2N水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、系
内のpHを8にコントロールした。次亜塩素酸ナトリウ
ム水溶液の滴下終了後、残存している次亜塩素酸ナトリ
ウム濃度を測定したところ、1重量%であった。次に残
存している次亜塩素酸ナトリウム量の1倍モルに相当す
る亜硫酸ナトリウムを添加し、撹拌を行い溶解させる。
溶解後、静置させて沈澱物を生じさせる。生成した沈澱
物を濾過(フィルター細孔径:0.1μm)で除去した
後、濾過液を2倍量のエタノール中にゆっくり注ぎ、反
応物を沈殿させた。得られた沈殿物を100mlのイオ
ン交換水に溶解し、イオン交換水で5日間拡散透析を行
って精製した後、凍結乾燥により、ポリカルボン酸ナト
リウムの粉末7.2gを得た。得られたポリカルボン酸
ナトリウムのカルボキシル基含有量Aは500mgで、
重量平均分子量4000であり、粉末の色調は淡青色で
あった。
【0034】なお、前記の実験において、亜硫酸ナトリ
ウムを用いない以外は同じ操作を行い、ポリカルボン酸
ナトリウムの粉末7.5gを得たが、このもののカルボ
キシル基含有量Aは500mgで、重量平均分子量は4
000であり、その粉末の色調は黒色であった。
【0035】実施例11 実施例10において亜硫酸ナトリウム量を変えた以外は
同様の操作を行った。その結果を表2に示す。
【表2】
【0036】実施例12 実施例10において、RuCl3・nH2O(Ru含有量
38重量%)の量を0.05g(デンプンの無水グルコ
ース単位に対して0.3モル%)にした以外は同じ操作
で反応を行った。次亜塩素酸ナトリウム水溶液の滴下終
了後、残存次亜塩素酸ナトリウム濃度が1.3%であっ
た。次に残存している次亜塩素酸ナトリウム量の1倍モ
ルに相当する亜硫酸ナトリウムを添加し、撹拌を行い溶
解させる。溶解後、静置させて沈澱物を生じさせる。生
成した沈澱物を濾過(フィルター細孔径:0.1μm)
で除去した後、濾過液を2倍量のエタノール中にゆっく
り注ぎ、反応物を沈殿させた。得られた沈殿物を100
mlのイオン交換水に溶解し、イオン交換水で5日間拡
散透析を行って精製した後、凍結乾燥により、ポリカル
ボン酸ナトリウムの粉末5.2gを得た。得られたポリ
カルボン酸ナトリウムのカルボキシル基含有量Aは45
0mgで、重量平均分子量2500であり、粉末の色調
は淡黄色であった。
【0037】実施例13 実施例10において、RuCl3・nH2O(Ru含有量
38重量%)の量を1.6g(デンプンの無水グルコー
ス単位に対して10モル%)にした以外は同じ操作で反
応を行った。次亜塩素酸ナトリウム水溶液の滴下終了
後、残存次亜塩素酸ナトリウム濃度が1.2%であっ
た。次に残存している次亜塩素酸ナトリウム量の2倍モ
ルに相当する亜硫酸ナトリウムを添加し、撹拌を行い溶
解させる。溶解後、静置させて沈澱物を生じさせる。生
成した沈澱物を濾過(フィルター細孔径:0.1μm)
で除去した後、濾過液を限外濾過器を用いて精製した
後、凍結乾燥によりポリカルボン酸ナトリウムの粉末粉
末5.2gを得た。得られたポリカルボン酸ナトリウム
のカルボキシル基含有量Aは520mgで、重量平均分
子量4000であり、粉末の色調は淡青色であった。
【0038】実施例14 撹拌機、酸化剤滴下口、2N水酸化ナトリウム水溶液滴
下口、pH電極、温度計を取り付けた500ml容のセ
パラブルフラスコに、絶乾重量で10gのとうもろこし
デンプンと、イオン交換水90gを添加して20℃の恒
温水槽に入れて、撹拌を行い、ともろこしデンプンを分
散させる。次に、RuCl3・nH2O(Ru含有量38
重量%)0.16g(デンプンの無水グルコース単位に
対して1モル%)を添加し撹拌する。内温が約20℃に
なった時点で、13重量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶
液213g(デンプンの無水グルコース単位に対して6
倍モル)を、3時間連続滴下した。この間、pHスタッ
トを用いて、2N水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、系
内のpHを10にコントロールした。次亜塩素酸ナトリ
ウム水溶液の滴下終了後、残存している次亜塩素酸ナト
リウム濃度を測定したところ、0.5重量%であった。
次に表3に示す還元剤を添加(残存している次亜塩素酸
ナトリウム量の5倍モルに相当する量)し、撹拌を行い
溶解させる。溶解後、静置させて沈澱物を生じさせる。
生成した沈澱物を濾過(フィルター細孔径:0.1μ
m)で除去した後、濾過液を2倍量のエタノール中にゆ
っくり注ぎ、反応物を沈殿させた。得られた沈殿物を1
00mlのイオン交換水に溶解し、イオン交換水で5日
間拡散透析を行って精製した後、凍結乾燥により、ポリ
カルボン酸ナトリウムを得た。得られた結果を表3に示
す。
【表3】
【0039】実施例15 実施例10の操作において、表4に示す如く、反応条件
を変えて反応を行った。次亜塩素酸ナトリウム水溶液の
滴下終了後、残存してる次亜塩素酸ナトリウム量を測定
し、残存している次亜塩素酸ナトリウム量の2倍モルに
相当する亜硫酸ナトリウムを添加した。得られた結果を
表4に示す。
【0040】実施例16 実施例10において、RuCl3・nH2Oの代わりに、
四酸化オスミウム0.47g(デンプンの無水グルコー
ス単位に対して3モル%)にを用いる以外は、実施例1
0と同じ操作を行い、ポリカルボン酸ナトリウムを6g
得た。得られたポリカルボン酸ナトリウムのカルボキシ
ル基含有量Aは450mgで、重量平均分子量3800
であり、粉末の色調は淡黄色であった。
【0041】
【表4】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、カルボキシル基含有量
が高くかつ分子量の大きいポリカルボン酸及びその塩を
収率よく得ることができる。本発明のポリカルボン酸及
びその塩は、分散剤、キレート剤、凝集剤等として使用
し得るが、特に、そのカルボキシル基含有量が高く、C
aやMg等の多価カチオンに対するキレート力が大きい
ので、洗剤用ビルダーやスカム防止剤として好適のもの
である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無水グルコースを構成単位とする多糖類
    を酸化することにより誘導されるポリカルボン酸あるい
    はその塩であって、酸型のポリカルボン酸を中和滴定す
    るに要するアルカリが、水酸化ナトリウム換算で、該ポ
    リカルボン酸1g当たり435mg以上で、且つその分
    子量が、重量平均で2000以上であることを特徴とす
    るポリカルボン酸あるいはその塩。
  2. 【請求項2】 無水グルコースを構成単位とする多糖類
    が、デンプンであって、酸型のポリカルボン酸を中和滴
    定するに要するアルカリが、水酸化ナトリウム換算で、
    該ポリカルボン酸1g当たり486mg以上で、且つ、
    重量平均分子量が2000以上である請求項1に記載の
    ポリカルボン酸あるいはその塩。
  3. 【請求項3】 遷移金属触媒の存在下、酸化剤を用い
    て、無水グルコースを構成単位とする多糖類の酸化反応
    を行うことを特徴とする、酸型のポリカルボン酸を中和
    滴定するに要するアルカリが、水酸化ナトリウム換算
    で、該ポリカルボン酸1g当たり435mg以上で、且
    つその分子量が、重量平均で2000以上であるポリカ
    ルボン酸あるいはその塩の製造方法。
  4. 【請求項4】 酸化反応生成物を還元剤で処理する請求
    項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 還元剤が亜硫酸塩又は亜ニチオン酸塩で
    ある請求項4に記載の方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6111097A (en) * 1998-06-04 2000-08-29 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Process for producing carboxypolysaccharide
JP2011068767A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Kao Corp 黒ずみ汚れ防止剤
JP2011068766A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Kao Corp 黒ずみ汚れ防止剤

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US6111097A (en) * 1998-06-04 2000-08-29 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Process for producing carboxypolysaccharide
JP2011068767A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Kao Corp 黒ずみ汚れ防止剤
JP2011068766A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Kao Corp 黒ずみ汚れ防止剤

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