JPH0972907A - カルボニル化合物− タンパク質複合体の定量法 - Google Patents

カルボニル化合物− タンパク質複合体の定量法

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JPH0972907A
JPH0972907A JP22663095A JP22663095A JPH0972907A JP H0972907 A JPH0972907 A JP H0972907A JP 22663095 A JP22663095 A JP 22663095A JP 22663095 A JP22663095 A JP 22663095A JP H0972907 A JPH0972907 A JP H0972907A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】広範なカルボニル化合物- タンパク質複合体の
定量に適用でき、モノクローナル抗体作成の繁雑な手法
を必要とせず、しかも試料中に含まれるカルボニル化合
物- タンパク質複合体の総量を把握することができる、
カルボニル化合物- タンパク質複合体の定量法を提供す
ること。 【構成】ELISA法によって、試料中に含まれるカル
ボニル化合物- タンパク質複合体の量を測定するに際し
て、ポリクローナル抗体を一次抗体試薬として用い、ま
た免疫測定容器に所定のプレコーティングを施す。この
抗体試薬は、例えばアセトアルデヒドを適切なタンパク
質源と反応させて得たカルボニル化合物-タンパク質複
合体混合物を、免疫原に用いて調製する。また、プレコ
ーティングは、所定濃度のアセトアルデヒドを適切なキ
ャリアタンパク質と反応させて得たカルボニル化合物-
キャリアタンパク質複合体の溶液を、免疫測定容器に収
容してインキュベートすることにより行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カルボニル化合物- タ
ンパク質複合体を定量する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】タンパク質は、種々の原因により、アセ
トアルデヒドのようなカルボニル化合物と反応し、カル
ボニル化合物- タンパク質複合体を形成する。このよう
な化学修飾によるタンパク質の変性は、植物の種子の老
化、細胞の老化、食品の劣化等と直接結び付いている。
例えば、食品においては、カルボニル基を有する還元糖
とタンパク質との間で非酵素的に生じるメイラード反応
により、タンパク質の劣化が生じ、食品価値の低下がも
たらされることが知られている。また、糖尿病に伴う細
胞の老化にも同様の反応が生じ、カルボニル化合物- タ
ンパク質複合体が形成されることが知られている。ま
た、アルコール依存症やアルコール中毒においても、エ
チルアルコール酸化物であるアセトアルデヒドとタンパ
ク質との間で同様の反応が生じ、アルデヒド- タンパク
質複合体が形成されることが知られている。
【0003】従って、カルボニル化合物- タンパク質複
合体の定量は、植物種子および食品の品質調査、糖尿病
の進行度、並びにアルコール依存症等の診断において重
要な位置を占め得るものである。
【0004】このようなカルボニル化合物- タンパク質
複合体の定量法として、抗体を用いた免疫学的分析法が
有効であろうことが予測される。しかし、メイラード反
応では多種類の還元糖が反応に関与し、生成する複合体
の種類も多様となるので、これら多種類の複合体に共通
に適用できる抗体の作成自体が困難である。そのため、
汎用性の広い分析試薬または診断薬は未だ実現されてい
ない。
【0005】上記の事情を考慮すれば、毒性を示すこと
が予め明らであり、且つ膜透過性および移動性に富む揮
発性のカルボニル化合物とタンパク質との複合体を抗原
として抗体を作成し、これを分析試薬または診断試薬と
して用いることは極めて合理的と思われる。この観点か
ら、アルコール依存症またはアルコール中毒に関する研
究においては、アセトアルデヒドとタンパク質との複合
体を、抗原抗体法によって定量的に分析する試みがなさ
れている。しかし、この場合には精製ポリクローナル抗
体を用いた所謂サンドイッチ法が採用されているが、精
製過程で感度は低下してしまう。一方、モノクローナル
抗体を用いると、モノクローナル抗体の作成に繁雑な手
順を要するだけでなく、感度の高いモノクローナル抗体
の作成には成功していない。更に、生体内に存在するア
セトアルデヒドと各種のタンパク質とから生じた複合体
の総量を把握することが極めて困難であるという問題が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、広範なカルボニル化合物- タ
ンパク質複合体の定量に適用でき、モノクローナル抗体
作成の繁雑な手法を必要とせず、しかも試料中に含まれ
るカルボニル化合物- タンパク質複合体の総量を把握す
ることができる、カルボニル化合物- タンパク質複合体
の定量法を提供することである。
【0007】このような方法は、種々の分野において次
のような有用性を有する。第一は、遺伝資源として保全
の重要性が指摘されている植物種子の老化の進行度合い
を定量することによる、種子行進の予測である。
【0008】第二は、食品自体の劣化程度の測定であ
る。第三は、食物アレルギー患者の発病に際しての、抗
原の検索である。第四は、アルコール中毒およびアルコ
ール依存症の進行度合いの定量法を確立することであ
る。現在では、アルコール類が自動販売機で販売され、
その価格も若年者の手の届くレベルになっているため、
先進国では既に社会問題になりつつあるアルコール依存
症が、21正規にはわが国でも増加すると考えられる。
従って、健康診断の一つの項目として、これに関する簡
単な血液検査を導入することが望まれる。本発明は、こ
のような要望に応え得る簡単な分析キットおよび診断キ
ットを提供を可能にしようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者等は、上記課題を
達成するために鋭意研究を行った結果、ELISA測定
の際に、免疫測定容器に特殊なプレコーティングを施す
ことによって、ポリクローナル抗体を用いて十分に高精
度の測定が行なえることを見出し、本発明に到達したも
のである。
【0010】即ち、本発明によるカルボニル化合物- タ
ンパク質複合体の定量法は、ELISA法により試料中
に含まれるカルボニル化合物- タンパク質複合体の量を
測定するに際して、ポリクローナル抗体を一次抗体試薬
として用い、また免疫測定容器に所定のプレコーティン
グを施すことを特徴とする。この抗体試薬は、免疫原と
して、例えばアセトアルデヒドを適切なタンパク質源と
反応させて得たカルボニル化合物- タンパク質複合体混
合物を用いて調製する。また、プレコーティングは、所
定濃度のアセトアルデヒドを適切なキャリアタンパク質
と反応させて得たカルボニル化合物- キャリアタンパク
質複合体の溶液を、免疫測定容器に収容してインキュベ
ートすることにより行う。
【0011】より具体的には、本発明による測定方法
は、(a)牛血清アルブミン等の適切なタンパク質源に
対して、毒性を示すことが予め明らで且つ膜透過性およ
び移動性に富む所定濃度の揮発性カルボニル化合物(例
えばアセトアルデヒド)を反応させることにより、カル
ボニル化合物- タンパク質複合体混合物を形成し、該複
合体混合物を含有する免疫原組成物を調製する工程と、
(b)該免疫原組成物を哺乳動物に投与することにより
免疫感作を行い、該免疫感作された哺乳動物の血清か
ら、前記カルボニル化合物- タンパク質複合体に対する
抗体を分離する工程と、(c)分析対象物に抽出または
細胞破壊等の適切な処理を行うことにより、該対象物中
に存在していたカルボニル化合物- タンパク質複合体の
実質的な部分を含有する測定溶液を調製する工程と、
(d)該測定溶液に対して、所定の濃度に調節された前
記抗体の溶液を添加することにより、反応溶液を調製す
る工程と、(e)適切なキャリアタンパク質に対して、
所定濃度の前記揮発性カルボニル化合物(例えばアセト
アルデヒド)を反応させることにより、カルボニル化合
物- キャリアタンパク質複合体を形成し、該キャリアタ
ンパク質複合体の溶液を免疫測定容器に収容してインキ
ュベートすることにより、該免疫測定容器をプレコーテ
ィングする工程と、(f)このプレコーティングされた
免疫測定容器に前記反応溶液を収容し、インキュベート
することにより、反応溶液中の前記カルボニル化合物-
タンパク質複合体と前記抗体とを反応させて抗原抗体複
合体を形成すると共に、該抗原抗体複合体を前記免疫測
定容器にプレコートされた前記カルボニル化合物- キャ
リアタンパク質複合体に結合させる工程と、(g)前記
抗体に対する抗体であって、酵素標識された二次抗体の
溶液を前記免疫測定容器に添加してインキュベートする
ことにより、該二次抗体を前記抗体に結合させる工程
と、(h)前記二次抗体に結合された酵素に対する性基
質溶液を添加して反応させ、この酵素反応による生成物
を測定する工程と、(i)カルボニル化合物- タンパク
質複合体の濃度が既知の標準溶液を用いて上記a〜iの
工程を行うことにより、標準曲線を作成する工程と、
(j)前記工程hでの測定結果を、上記工程iで得た標
準曲線と比較することにより、前記測定溶液中に含まれ
ていたカルボニル化合物- タンパク質複合体の濃度を決
定する工程とを具備したことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、順を追って本発明の実施の
形態を説明する。 (1)抗体の作成 50mM炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.5)中におい
て、1mMの揮発性カルボニル化合物(例えばアセトア
ルデヒド)と、2 mg/mlの適切なタンパク質源(例えば
BSA)と、10mMのnNaCNBH3 との混合物を
室温で3日間反応させる。次いで、この反応混合物を、
食塩およびKClを含むリン酸緩衝液(PBS;pH
7.4)に対して透析を行なう。好ましくは、こうして人
工的に合成されたカルボニル化合物- タンパク質複合体
に対し、1.2mlのフロイントの完全アジュバントを
混合し、これを抗原として用いる。
【0013】上記で調製した抗原を、2週間二1回の割
合でウサギに皮下注射すると共に、このウサギから採血
した血清について前記抗原に対する抗体値を調べ、その
値が最大値に達するまで皮下注射を続行する。通常は、
5回ないし6回の皮下注射で抗体値は最大に達する。そ
の後、上記の免疫感作したウサギから採血を行ない、血
清を分離する。場合によっては、33%硫安沈殿部分を
分取し、これをPBSに対して透析したものを抗体とし
て用いる。しかし、本発明の目的において、アフィニテ
ィークロマトグラフによる精製は不要であることが判明
している。
【0014】(2)ELISA法による力価測定 試料中に含まれるカルボニル化合物- タンパク質複合体
の測定は、次のような手順により、ELISA法を用い
て行なう。
【0015】a)イムノプレートのプレコーティング:
1 mg/mlのゼラチンと、1mMの揮発性カルボニル化合
物(具体的にはアセトアルデヒド)と、10mMのNa
CNBH3 との混合物を3日間反応させた後、前記PB
Sに対して透析する。こうして得られたタンパク質複合
体の濃度を0.1 mg/mlに調節する。
【0016】80μlの上記で濃度調節された溶液を用
いて、イムノプレートを1時間プレコーティングした
後、該溶液を除去し、PBSで洗浄する。 b)測定溶液の調製:試料中のカルボニル化合物- タン
パク質複合体を含む測定溶液は、次のようにして調製す
る。
【0017】先ず、試料が植物組織の場合には、PBS
で抽出し、遠心分離した後に、その上清液を測定溶液と
して直接用いる。一方、試料が血液である場合には、遠
心分離により赤血球だけを取出し、PBSで洗浄した後
に水を加えて溶血させたものを測定溶液として用いる。
何れの場合にも、この溶液中にはカルボニル化合物-タ
ンパク質複合体が含有されている。
【0018】次いで、先に調製した抗体を一定の倍数に
希釈し、この希釈抗体液を上記で調製した測定溶液の
2.5〜10 mg/mlに添加する。更に、オボアルブミン
タンパク質のPBS溶液を用いることにより、測定溶液
の絶対量を20 mg/mlに調節する。こうして調製された
測定溶液をサンプルチューブに移して撹拌し、4℃で一
晩貯蔵する。
【0019】c)測定の手順 上記で調製した測定溶液(試料/抗体混合用液)の50
μlを、a)でプレコーティングしたイムノプレートの
ウエルに収容し、25℃において、30〜60分間放置
する。その後、測定溶液を除去し、0.05%のTwe
en20を含むPBS溶液で4回洗浄する。
【0020】次いで、アルカリホスファターゼで標識化
された、前記ウサギ抗体に対する二次抗体としての抗ウ
サギIgG(TAGO社)を添加し、60分間インキュ
ベートした。その後、アルカリホスファターゼの基質で
あるp−ニトロフェノールホスフェートを加えて発色さ
せ、405nmの波長での吸光度を測定する。
【0021】d)データの計算 カルボニル化合物- タンパク質複合体の総量を把握する
ために、標準直線の作成に工夫が加えられた。即ち、カ
ルボニル化合物- タンパク質複合体の濃度範囲を広範に
捕らえるために、標準直線の作成に際しては、標準溶液
中に含まれる複合体の濃度を夫々0.01mM、0.1
mM、1mMとし、オボアルブミンまたはヘモグロビン
アルブミンを前記と同様な手段で処理することにより、
異なるタンパク質複合体濃度レベルの標準直線を調製す
る。その上で、試料とオボアルブミン修飾物との間の相
対的な結合割合(RB)を次式によって計算し、生体内
に存在するカルボニル化合物- タンパク質複合体の総量
を算出する。
【0022】なお、この場合、バックグラウンド値(A
B )を計算するために、10mMのNaCNBH3 の存
在下で、2 mg/mlのオボアルブミンを高濃度(10m
M)のカルボニル化合物(この場合にはアセトアルデヒ
ドを使用)で処理して形成された複合体から生じる吸光
度を用いる。(AM )は、20 mg/mlのオボアルブミン
自体の吸光度である。(AS )は、試料溶液またはオボ
アルブミン- カルボニル化合物複合体の吸光度である。
【0023】 BR=(AM −AS )×100/(AM −AB ) 上記の態様において、本発明の特徴をなす最も重要なス
テップは、イムノプレートのプレコーティングである。
本発明においては、このプレコーティング技術が実質的
に測定感度を決定しており、生体内レベルの低いカルボ
ニル化合物- タンパク質複合体の定量を可能にしてい
る。
【0024】本発明では、上記プレコーティング工程に
おいて、揮発性カルボニル化合物とキャリアタンパク質
とが結合した複合体を人工的に合成してプレコーティン
グに用いる。その場合に、被検物質の生体内レベルに相
応しいカルボニル化合物濃度(アセトアルデヒド濃度の
場合は0.5 〜1.0 mM)が存在し、またこれに対する最適
なキャリアタンパク質濃度(最大16mg/ml)が存在する
ことが分かった。このような最適濃度を得るためには、
透析後に限外濾過器で濃縮すればよい。また、キャリア
蛋白質としては、ゼラチンが最も適していることが分か
った。
【0025】このような好ましい態様によれば、p−ニ
トロフェノールホスフェートを用いた発色に際して、バ
ックグランドを0.04〜0.05の低い値に抑えることがで
き、測定精度を高めることができる。その結果、各種カ
ルボニル化合物により修飾されたタンパク質、即ち、カ
ルボニル化合物- タンパク質複合体の総量を、低濃度か
ら把握することが可能になった。
【0026】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。なお、
以下の実施例は上記で述べた本発明の好ましい態様に従
うものであり、カルボニル化合物としてアセトアルデヒ
ドを用い、プレコーティングにおけるキャリアタンパク
質としてはゼラチンを用いた。
【0027】例 1:標準直線の作成 発明の実施の形態(2)d)で述べたようにして、標準
直線を作成した。その際、2mg/mlのオボアルブミン
と、1mM、0.1 mMおよび 0.01 mMのアセトアルデヒドと
を、10 mM のNaCNBH3 の存在下で結合させた複合
体を含む標準溶液を調製し、これら夫々の標準溶液を用
いて標準直線を作成した。その結果を図1に示す。同図
において、○はアセトアルデヒド濃度1mMの標準直線、
△はアセトアルデヒド濃度0.1 mMの標準直線、□はアセ
トアルデヒド濃度0.01mMの標準直線である。
【0028】例 2:気体アルデヒドで処理したレタス
種子の活力低下と、カルボニル化合物- タンパク質複合
体の含量との関係 レタスの種子を所定濃度の気体アルデヒドで処理し、こ
の処理済種子をPBSで抽出し、遠心分離した後に、そ
の上清液を測定溶液として用いた。この測定溶液を用
い、発明の実施の形態の項で述べた方法に従って、カル
ボニル化合物-タンパク質複合体の総量を測定した。
【0029】また、上記と同じ処理を施した種子の発芽
状況を調べ、発芽した種子のパーセンテージとして種子
の活力を測定した。その結果を図2に示した。なお、同
図の基底軸は、種子のアセトアルデヒド処理が行なわれ
た雰囲気の相対湿度(RH)を示している。相対湿度が
高いほど種子の代謝活性が高く、その結果、アセトアル
デヒドによるタンパク質の修飾程度も高くなることが分
かる。また、O−Alは、1mMアセトアルデヒドで作成
するオボアルブミン複合物を意味する。
【0030】この結果から、本発明の方法によるカルボ
ニル化合物- タンパク質複合体の総量の測定値は、種子
の活力を良好に反映していることが分かる。このこと
は、本発明による測定方法で得られた結果が、種子の変
性劣化の適切な指標とし得るほど十分に高精度であるこ
とを示している。
【0031】例 3:自然老化した様々な種子の活力
と、カルボニル化合物- タンパク質複合体の含量との関
係 エンドウ豆、レタス、ゴボウ、大豆およびニンジンの種
子について、自然老化による活力の低下と、カルボニル
化合物- タンパク質複合体の含量との関係を調べた。種
子試料としては、収穫後の貯蔵期間が1年〜17年のも
のを用いた。
【0032】種子活力については、例2の場合と同様、
発芽した種子の%で測定した。また、カルボニル化合物
- タンパク質複合体の含量についても、例1の場合と同
様、種子をPBSで抽出し、遠心分離した後に、その上
清液を測定溶液として用いた。測定の結果を図3に示し
た。同図において、
【0033】
【表1】
【0034】この結果から、本発明の測定方法は、自然
劣化した種子の老化の指標としても十分に用い得ること
が分かる。 例 4:アルコール依存症の診断への適用 アルコール非依存性の健常者(−)、軽度のアルコール
依存症の患者(+)および重度のアルコール依存症の患
者(++)から血液を採取した。この血液から遠心分離
により赤血球だけを取出し、PBSで洗浄した後に水を
加えて溶血させたものを測定溶液として用いた。
【0035】この測定溶液を用い、発明の実施の形態の
項で記述した方法を適用して、カルボニル化合物- タン
パク質複合体の総量を測定した。その結果を表1に示
す。 表 1 アルコール カルボニル化合物- タンパク質複合体複合体 依存程度 の総量(O−Al(mg)/タンパク質(g) ) − 0.26 + 4.67 ++ 18.68 上記の結果から、本発明の方法によって測定された値
は、アルコール依存症の有無およびその程度を診断する
指標として極めて有用であることが分かる。この結果も
また、本発明による測定方法の精度が著しく高いことを
示している。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
記述したプレコーティングの工程を採用することによっ
て、繁雑な調製工程を必要とするモノクローナル抗体を
用いることなく、比較的容易に調製できるポリクローナ
ル抗体を用いて、カルボニル化合物- タンパク質複合体
の総量を高精度で且つ簡便に検出することができる。な
お、ポリクローナル抗体の使用は、単に操作の簡便さの
みならず、カルボニル化合物- タンパク質複合体の総量
を測定する観点からも有益である。
【0037】こうして、本発明による測定方法は、植物
種子の老化の進行度合いの定量による種子更新の予測、
食品自体の劣化程度の測定、食物アレルギー患者の発病
に際しての抗原の検索、アルコール中毒およびアルコー
ル依存症の進行度合いの定量に有益である。しかも、操
作が簡便であることから、本発明は、これら測定または
診断のための診断キットを実現する上で極めて有益であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による測定を実施するために作成された
標準直線である。
【図2】気体アルデヒドで処理したレタス種子におい
て、活力低下と、本発明の方法により測定されたカルボ
ニル化合物- タンパク質複合体の含量との関係を示す図
である。
【図3】自然老化した様々な種子について、その種子の
活力と、本発明の方法により測定されたカルボニル化合
物- タンパク質複合体の含量との関係を示す図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボニル化合物- タンパク質複合体の
    定量法であって、 (a)適切なタンパク質源に対して、毒性を示すことが
    予め明らであり且つ膜透過性および移動性に富む所定濃
    度の揮発性カルボニル化合物を反応させることにより、
    カルボニル化合物- タンパク質複合体混合物を形成し、
    該複合体混合物を含有する免疫原組成物を調製する工程
    と、 (b)該免疫原組成物を哺乳動物に投与することにより
    免疫感作を行い、該免疫感作された哺乳動物の血清か
    ら、前記カルボニル化合物- タンパク質複合体に対する
    抗体を分離する工程と、 (c)分析対象物に抽出または細胞破壊等の適切な処理
    を行うことにより、該対象物中に存在していたカルボニ
    ル化合物- タンパク質複合体の実質的な部分を含有する
    測定溶液を調製する工程と、 (d)該測定溶液に対して、所定の濃度に調節された前
    記抗体の溶液を添加することにより、反応溶液を調製す
    る工程と、 (e)適切なキャリアタンパク質に対して、所定濃度の
    前記揮発性カルボニル化合物を反応させることにより、
    カルボニル化合物- キャリアタンパク質複合体を形成
    し、該キャリアタンパク質複合体の溶液を免疫測定容器
    に収容してインキュベートすることにより、該免疫測定
    容器をプレコーティングする工程と、 (f)このプレコーティングされた免疫測定容器に前記
    反応溶液を収容し、インキュベートすることにより、反
    応溶液中の前記カルボニル化合物- タンパク質複合体と
    前記抗体とを反応させて抗原抗体複合体を形成すると共
    に、該抗原抗体複合体を前記免疫測定容器にプレコート
    された前記カルボニル化合物- キャリアタンパク質複合
    体に結合させる工程と、 (g)前記抗体に対する抗体であって、酵素標識された
    二次抗体の溶液を前記免疫測定容器に添加してインキュ
    ベートすることにより、該二次抗体を前記抗体に結合さ
    せる工程と、 (h)前記二次抗体に結合された酵素に対する性基質溶
    液を添加して反応させ、この酵素反応による生成物を測
    定する工程と、 (i)カルボニル化合物- タンパク質複合体の濃度が既
    知の標準溶液を用いて上記a〜iの工程を行うことによ
    り、標準曲線を作成する工程と、 (j)前記工程hでの測定結果を、上記工程iで得た標
    準曲線と比較することにより、前記測定溶液中に含まれ
    ていたカルボニル化合物- タンパク質複合体の濃度を決
    定する工程とを具備したことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法であって、前記毒
    性を示すことが予め明らであり且つ膜透過性および移動
    性に富む所定濃度の揮発性カルボニル化合物がアセトア
    ルデヒドである方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の方法であっ
    て、前記工程eにおける適切なキャリアタンパク質がゼ
    ラチンである方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載の方法
    であって、前記工程aにおける適切なタンパク質源がウ
    シ血清アルブミン(BSA)である方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項に記載の方法
    であって、前記工程(e)における揮発性カルボニル化
    合物の所定濃度が、生体内濃度に近い 0.5〜1mMの低濃
    度である方法。
JP22663095A 1995-09-04 1995-09-04 カルボニル化合物− タンパク質複合体の定量法 Expired - Lifetime JP2762058B2 (ja)

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