JPH10102220A - 耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製バルブシート - Google Patents
耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製バルブシートInfo
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- JPH10102220A JPH10102220A JP25283996A JP25283996A JPH10102220A JP H10102220 A JPH10102220 A JP H10102220A JP 25283996 A JP25283996 A JP 25283996A JP 25283996 A JP25283996 A JP 25283996A JP H10102220 A JPH10102220 A JP H10102220A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製バルブ
シートを提供する。 【解決手段】 バルブシートが、重量%で、C:0.5
〜2%、Si:0.05〜1%、Mo:6〜15%、C
o:5〜15%、Cr:1〜6%、Ni:0.5〜2
%、Nb:0.05〜1%を含有し、残りがFeと不可
避不純物からなる全体組成、合金鋼の素地に、Co−M
o−Cr系合金からなる高温耐摩耗性Co基合金硬質粒
子Aと、Mo−Fe系合金からなる常温耐摩耗性Mo基
合金硬質粒子Bとが、合量で6〜26面積%の割合で分
散分布した組織、および5〜25%の気孔率をもったF
e基焼結合金からなり、さらに必要に応じてこれに銅ま
たは銅合金、あるいは鉛または鉛合金を溶浸したものか
らなる。
シートを提供する。 【解決手段】 バルブシートが、重量%で、C:0.5
〜2%、Si:0.05〜1%、Mo:6〜15%、C
o:5〜15%、Cr:1〜6%、Ni:0.5〜2
%、Nb:0.05〜1%を含有し、残りがFeと不可
避不純物からなる全体組成、合金鋼の素地に、Co−M
o−Cr系合金からなる高温耐摩耗性Co基合金硬質粒
子Aと、Mo−Fe系合金からなる常温耐摩耗性Mo基
合金硬質粒子Bとが、合量で6〜26面積%の割合で分
散分布した組織、および5〜25%の気孔率をもったF
e基焼結合金からなり、さらに必要に応じてこれに銅ま
たは銅合金、あるいは鉛または鉛合金を溶浸したものか
らなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ディーゼルエン
ジンやガソリンエンジンなどの内燃機関の構造部材であ
るFe基焼結合金製バルブシートに関するものである。
ジンやガソリンエンジンなどの内燃機関の構造部材であ
るFe基焼結合金製バルブシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関のFe基焼結合金製バル
ブシートとしては、例えば特開昭55−164063号
公報や特開昭58−178073号公報などに記載され
るように、硬質粒子分散型のFe基焼結合金で構成され
たものが多く提案されている。
ブシートとしては、例えば特開昭55−164063号
公報や特開昭58−178073号公報などに記載され
るように、硬質粒子分散型のFe基焼結合金で構成され
たものが多く提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の内燃機関
の高出力化および大型化はめざましく、これに伴ない、
内燃機関の構造部材であるバルブシートは、より一段の
高温環境下での稼働を余儀なくされるが、上記の従来F
e基焼結合金製バルブシートはじめ、その他多くのバル
ブシートをより一段の高温環境下で用いた場合、摩耗進
行が急激に促進されるようになり、比較的短時間で使用
寿命に至るのが現状である。
の高出力化および大型化はめざましく、これに伴ない、
内燃機関の構造部材であるバルブシートは、より一段の
高温環境下での稼働を余儀なくされるが、上記の従来F
e基焼結合金製バルブシートはじめ、その他多くのバル
ブシートをより一段の高温環境下で用いた場合、摩耗進
行が急激に促進されるようになり、比較的短時間で使用
寿命に至るのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、特に高温環境にさらされても、
すぐれた耐摩耗性を発揮するバルブシートを開発すべく
研究を行なった結果、バルブシートを、重量%で(以
下、組成に関する%は重量を示す)、 C:0.5〜2%、 Si:0.05〜1%、 Mo:6〜15%、 Co:5〜15%、 Cr:1〜6%、 Ni:0.5〜2%、 Nb:0.05〜1%、を含有し、残りがFeと不可避
不純物からなる全体組成、合金鋼の素地に、Co−Mo
−Cr系合金からなるCo基合金硬質粒子Aと、Mo−
Fe系合金からなるMo基合金硬質粒子Bとが、光学顕
微鏡組織写真で観察して、合量で6〜26面積%の割合
で分散分布し、かつ前記硬質粒子Aの割合が硬質粒子に
占める割合で25〜75面積%である組織、および5〜
25%の気孔率、を有するFe基焼結合金で構成する
と、この結果のFe基焼結合金製バルブシートにおいて
は、特に上記硬質粒子Aが高温耐摩耗性にすぐれている
ことから、これによってより高温下での使用に際しても
すぐれた耐摩耗性が確保され、また上記硬質粒子Bはす
ぐれた常温耐摩耗性をもつことから、これによって特に
内燃機関の初期稼動時および低速運転時における耐摩耗
性が確保され、全体的にすぐれた耐摩耗性を長期に亘っ
て発揮するようになり、またこれに銅または銅合金を溶
浸させると熱伝導性および強度が向上し、さらに鉛また
は鉛合金を溶浸させると潤滑性、制振性、および被削性
が向上するようになるという研究結果を得たのである。
上述のような観点から、特に高温環境にさらされても、
すぐれた耐摩耗性を発揮するバルブシートを開発すべく
研究を行なった結果、バルブシートを、重量%で(以
下、組成に関する%は重量を示す)、 C:0.5〜2%、 Si:0.05〜1%、 Mo:6〜15%、 Co:5〜15%、 Cr:1〜6%、 Ni:0.5〜2%、 Nb:0.05〜1%、を含有し、残りがFeと不可避
不純物からなる全体組成、合金鋼の素地に、Co−Mo
−Cr系合金からなるCo基合金硬質粒子Aと、Mo−
Fe系合金からなるMo基合金硬質粒子Bとが、光学顕
微鏡組織写真で観察して、合量で6〜26面積%の割合
で分散分布し、かつ前記硬質粒子Aの割合が硬質粒子に
占める割合で25〜75面積%である組織、および5〜
25%の気孔率、を有するFe基焼結合金で構成する
と、この結果のFe基焼結合金製バルブシートにおいて
は、特に上記硬質粒子Aが高温耐摩耗性にすぐれている
ことから、これによってより高温下での使用に際しても
すぐれた耐摩耗性が確保され、また上記硬質粒子Bはす
ぐれた常温耐摩耗性をもつことから、これによって特に
内燃機関の初期稼動時および低速運転時における耐摩耗
性が確保され、全体的にすぐれた耐摩耗性を長期に亘っ
て発揮するようになり、またこれに銅または銅合金を溶
浸させると熱伝導性および強度が向上し、さらに鉛また
は鉛合金を溶浸させると潤滑性、制振性、および被削性
が向上するようになるという研究結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、 C:0.5〜2%、 Si:0.05〜1%、 Mo:6〜15%、 Co:5〜15%、 Cr:1〜6%、 Ni:0.5〜2%、 Nb:0.05〜1%、を含有し、残りがFeと不可避
不純物からなる全体組成、素地中に、Co−Mo−Cr
系合金からなる高温耐摩耗性Co基合金硬質粒子Aと、
Mo−Fe系合金からなる常温耐摩耗性Mo基合金硬質
粒子Bとが、光学顕微鏡組織写真で観察して、合量で6
〜26面積%の割合で分散分布し、かつ前記硬質粒子A
の割合が硬質粒子に占める割合で25〜75面積%であ
る組織、および5〜25%の気孔率、を有するFe基焼
結合金で構成し、さらに必要に応じてこれに銅または銅
合金、あるいは鉛または鉛合金を溶浸してなる耐摩耗性
のすぐれFe基焼結合金製バルブシートに特徴を有する
ものである。
なされたものであって、 C:0.5〜2%、 Si:0.05〜1%、 Mo:6〜15%、 Co:5〜15%、 Cr:1〜6%、 Ni:0.5〜2%、 Nb:0.05〜1%、を含有し、残りがFeと不可避
不純物からなる全体組成、素地中に、Co−Mo−Cr
系合金からなる高温耐摩耗性Co基合金硬質粒子Aと、
Mo−Fe系合金からなる常温耐摩耗性Mo基合金硬質
粒子Bとが、光学顕微鏡組織写真で観察して、合量で6
〜26面積%の割合で分散分布し、かつ前記硬質粒子A
の割合が硬質粒子に占める割合で25〜75面積%であ
る組織、および5〜25%の気孔率、を有するFe基焼
結合金で構成し、さらに必要に応じてこれに銅または銅
合金、あるいは鉛または鉛合金を溶浸してなる耐摩耗性
のすぐれFe基焼結合金製バルブシートに特徴を有する
ものである。
【0006】なお、この発明のバルブシートは、 素地
形成用合金粉末として、 C:0.2〜3%、 Mo:2〜12%、 Co:2〜12%、 Cr:0.5〜8%、 Ni:0.3〜3%、を含有し、さらに必要に応じて、 Nb:0.1〜2%、 Si:0.1〜1.5%、 のうちの1種または2種、を含有し、残りがFeと不可
避不純物からなる組成を有する合金鋼粉末、また、硬質
粒子A形成用合金粉末として、 Mo:20〜35%、 Cr:5〜10%、 Si:1〜4%、を含有し、残りがCoと不可避不純物
からなる組成を有するCo−Mo−Cr系合金からなる
Co基合金粉末、さらに、硬質粒子B形成用合金粉末と
して、Fe:20〜50%、を含有し、残りがMoと不
可避不純物からなる組成を有するMo−Fe系合金から
なるMo基合金粉末、を原料粉末として用い、これら原
料粉末を所定の割合に配合し、以下通常の条件で、混合
し、所定の形状にプレス成形し、焼結し、さらに必要に
応じて銅または銅合金、あるいは鉛または鉛合金を溶浸
することによって製造される。また、上記の素地形成用
原料粉末については、上記合金鋼粉末に代って、要素粉
末、あるいは要素粉末と合金粉末を用い、これらを上記
合金鋼粉末と同じ組成をもつように配合したものを原料
粉末として用いてもよい。
形成用合金粉末として、 C:0.2〜3%、 Mo:2〜12%、 Co:2〜12%、 Cr:0.5〜8%、 Ni:0.3〜3%、を含有し、さらに必要に応じて、 Nb:0.1〜2%、 Si:0.1〜1.5%、 のうちの1種または2種、を含有し、残りがFeと不可
避不純物からなる組成を有する合金鋼粉末、また、硬質
粒子A形成用合金粉末として、 Mo:20〜35%、 Cr:5〜10%、 Si:1〜4%、を含有し、残りがCoと不可避不純物
からなる組成を有するCo−Mo−Cr系合金からなる
Co基合金粉末、さらに、硬質粒子B形成用合金粉末と
して、Fe:20〜50%、を含有し、残りがMoと不
可避不純物からなる組成を有するMo−Fe系合金から
なるMo基合金粉末、を原料粉末として用い、これら原
料粉末を所定の割合に配合し、以下通常の条件で、混合
し、所定の形状にプレス成形し、焼結し、さらに必要に
応じて銅または銅合金、あるいは鉛または鉛合金を溶浸
することによって製造される。また、上記の素地形成用
原料粉末については、上記合金鋼粉末に代って、要素粉
末、あるいは要素粉末と合金粉末を用い、これらを上記
合金鋼粉末と同じ組成をもつように配合したものを原料
粉末として用いてもよい。
【0007】つぎに、この発明のバルブシートにおい
て、これを構成するFe基焼結合金の全体組成、硬質粒
子の割合、および気孔率を上記の通りに限定した理由を
説明する。 (A) 成分組成 (a) C C成分には、素地に固溶して、これを強化するほか、素
地に分散する炭化物を形成して素地の耐摩耗性を向上さ
せ、さらに硬質粒子A,Bのそれぞれに含有して耐摩耗
性を向上させる作用があるが、その含有量が0.5%未
満では前記作用に所望の向上効果が得られず、一方その
含有量が2%を越えると、相手攻撃性が急激に増大する
ようになることから、その含有量を0.5〜2%、望ま
しくは1〜1.5%と定めた。
て、これを構成するFe基焼結合金の全体組成、硬質粒
子の割合、および気孔率を上記の通りに限定した理由を
説明する。 (A) 成分組成 (a) C C成分には、素地に固溶して、これを強化するほか、素
地に分散する炭化物を形成して素地の耐摩耗性を向上さ
せ、さらに硬質粒子A,Bのそれぞれに含有して耐摩耗
性を向上させる作用があるが、その含有量が0.5%未
満では前記作用に所望の向上効果が得られず、一方その
含有量が2%を越えると、相手攻撃性が急激に増大する
ようになることから、その含有量を0.5〜2%、望ま
しくは1〜1.5%と定めた。
【0008】(b) Si Si成分iは、素地に固溶して、これの硬さを高め、も
って耐摩耗性を向上させる作用があるが、その含有量が
0.05%未満では前記作用に所望の効果が得られず、
一方その含有量が1%を越えると強度が低下するように
なることから、その含有量を0.05〜1%、望ましく
は0.3〜0.7%と定めた。
って耐摩耗性を向上させる作用があるが、その含有量が
0.05%未満では前記作用に所望の効果が得られず、
一方その含有量が1%を越えると強度が低下するように
なることから、その含有量を0.05〜1%、望ましく
は0.3〜0.7%と定めた。
【0009】(c) Mo Mo成分には、素地においては、これを固溶強化し、か
つ硬質粒子A、Bではそれぞれ炭化物を形成して耐摩耗
性を向上させる作用があるが、その含有量が6%未満で
は所望の耐摩耗性向上効果が得られず、一方その含有量
が15%を越えると相手攻撃性が増大するようになるこ
とから、その含有量を6〜15%、望ましくは8〜12
%と定めた。
つ硬質粒子A、Bではそれぞれ炭化物を形成して耐摩耗
性を向上させる作用があるが、その含有量が6%未満で
は所望の耐摩耗性向上効果が得られず、一方その含有量
が15%を越えると相手攻撃性が増大するようになるこ
とから、その含有量を6〜15%、望ましくは8〜12
%と定めた。
【0010】(d) Co Co成分には、素地にあっては、これを固溶強化し、ま
た硬質粒子Aではこれの高温耐摩耗性向上に寄与し、か
つ硬質粒子Bにおいては、これを固溶強化する作用があ
るが、その含有量が5%未満では前記作用に所望の効果
が得られず、一方その含有量が15%を越えると、バル
ブシート自体の耐摩耗性が低下するようになることか
ら、その含有量を5〜15%、望ましくは7〜12%と
定めた。
た硬質粒子Aではこれの高温耐摩耗性向上に寄与し、か
つ硬質粒子Bにおいては、これを固溶強化する作用があ
るが、その含有量が5%未満では前記作用に所望の効果
が得られず、一方その含有量が15%を越えると、バル
ブシート自体の耐摩耗性が低下するようになることか
ら、その含有量を5〜15%、望ましくは7〜12%と
定めた。
【0011】(e) Cr Cr成分には、素地および硬質粒子Bにあっては、素地
に固溶して、これを強化し、また硬質粒子Aでは、Mo
と共に炭化物を形成し、さらに金属間化合物を形成し
て、Coとの共存下で高温耐摩耗性向上に寄与する作用
があるが、その含有量が1%未満では前記作用に所望の
効果が得られず、一方その含有量が6%を越えると焼結
性が低下し、バルブシートに所望の強度を確保すること
ができなくなることから、その含有量を1〜6%、望ま
しくは2.5〜4.5%と定めた。
に固溶して、これを強化し、また硬質粒子Aでは、Mo
と共に炭化物を形成し、さらに金属間化合物を形成し
て、Coとの共存下で高温耐摩耗性向上に寄与する作用
があるが、その含有量が1%未満では前記作用に所望の
効果が得られず、一方その含有量が6%を越えると焼結
性が低下し、バルブシートに所望の強度を確保すること
ができなくなることから、その含有量を1〜6%、望ま
しくは2.5〜4.5%と定めた。
【0012】(f) Ni Ni成分には、素地および硬質粒子A,Bのいずれにも
固溶して、これを強化する作用があるが、その含有量が
0.5%未満では前記作用に所望の効果が得られず、一
方その含有量が2%を越えると耐摩耗性が低下するよう
になることから、その含有量を0.5〜2%、望ましく
は1〜1.5%と定めた。
固溶して、これを強化する作用があるが、その含有量が
0.5%未満では前記作用に所望の効果が得られず、一
方その含有量が2%を越えると耐摩耗性が低下するよう
になることから、その含有量を0.5〜2%、望ましく
は1〜1.5%と定めた。
【0013】(h) Nb Nb成分には、素地に固溶して、これの耐熱性を向上さ
せ、高温耐摩耗性の向上に寄与する作用があるが、その
含有量が0.05%未満では前記作用に所望の効果が得
られず、一方その含有量が1%を越えると相手攻撃性が
増すようになることから、その含有量を0.05〜1
%、望ましくは0.3〜0.7%と定めた。
せ、高温耐摩耗性の向上に寄与する作用があるが、その
含有量が0.05%未満では前記作用に所望の効果が得
られず、一方その含有量が1%を越えると相手攻撃性が
増すようになることから、その含有量を0.05〜1
%、望ましくは0.3〜0.7%と定めた。
【0014】(B) 硬質粒子の割合 上記の通り、バルブシートは、それぞれの硬質粒子A,
Bによってすぐれた高温耐摩耗性と常温耐摩耗性をもつ
ようになり、したがって硬質粒子に占める割合で、硬質
粒子Aの割合が25面積%未満では所望の高温耐摩耗性
を確保することができず、一方その割合が75面積%を
越えると相対的に硬質粒子Bの割合が少なくなりすぎて
所望の常温耐摩耗性を確保することができなくなること
から、硬質粒子Aの割合を25〜75面積%、望ましく
は40〜60容量%と定めた。また、硬質粒子の全体割
合が6面積%未満では所望の耐摩耗性を確保することが
できず、一方その全体割合が26面積%を越えると相手
攻撃性が急激に増大するばかりでなく、強度も低下する
ようになることから、その全体割合を6〜26面積%、
望ましくは10〜20面積%と定めた。
Bによってすぐれた高温耐摩耗性と常温耐摩耗性をもつ
ようになり、したがって硬質粒子に占める割合で、硬質
粒子Aの割合が25面積%未満では所望の高温耐摩耗性
を確保することができず、一方その割合が75面積%を
越えると相対的に硬質粒子Bの割合が少なくなりすぎて
所望の常温耐摩耗性を確保することができなくなること
から、硬質粒子Aの割合を25〜75面積%、望ましく
は40〜60容量%と定めた。また、硬質粒子の全体割
合が6面積%未満では所望の耐摩耗性を確保することが
できず、一方その全体割合が26面積%を越えると相手
攻撃性が急激に増大するばかりでなく、強度も低下する
ようになることから、その全体割合を6〜26面積%、
望ましくは10〜20面積%と定めた。
【0015】(C) 気孔率 10%未満の気孔率では保油効果による潤滑性向上効果
が期待できないばかりでなく、銅および銅合金や鉛およ
び鉛合金の溶浸が不均一になって、これら溶浸による効
果を十分に発揮させることができず、一方気孔率が25
%を越えると強度および耐摩耗性の低下が避けられない
ことから、気孔率を5〜25%、望ましくは10〜20
%と定めた。
が期待できないばかりでなく、銅および銅合金や鉛およ
び鉛合金の溶浸が不均一になって、これら溶浸による効
果を十分に発揮させることができず、一方気孔率が25
%を越えると強度および耐摩耗性の低下が避けられない
ことから、気孔率を5〜25%、望ましくは10〜20
%と定めた。
【0016】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明のバルブシート
を実施例により具体的に説明する。まず、原料粉末とし
て、それぞれ表1〜3に示される平均粒径および成分組
成をもった素地形成用合金粉末M−1〜M−15、硬質
粒子A形成用合金粉末A−1〜A−6、および硬質粒子
B形成用合金粉末B−1〜B−3を用意し、これらを表
4に示される組合せで所定の割合に配合し、ステアリン
酸亜鉛:1%を加えてミキサーにて30分間混合し後、
5〜7ton /cm2 の範囲内の所定の圧力で圧粉体にプレ
ス成形し、この圧粉体を500℃に30分間保持して脱
脂し、アンモニア分解ガス雰囲気中、1170〜125
0℃の範囲内の所定温度に1時間保持の条件で焼結し
て、表5〜8に示される全体組成、硬質粒子の割合(1
00倍の光学顕微鏡組織写真にもとづいて画像解析装置
にて測定)、および気孔率を有するFe基焼結合金で構
成され、外径:34mm×最小内径:27mm×厚さ:7.
2mmの寸法をもった本発明バルブシート1〜15および
比較バルブシート1〜4をそれぞれ製造した。なお、上
記比較バルブシート1〜4は、いずれも硬質粒子の割合
がこの発明の範囲から外れ、これによって全体組成もこ
の発明の組成範囲から外れるようになったものである。
を実施例により具体的に説明する。まず、原料粉末とし
て、それぞれ表1〜3に示される平均粒径および成分組
成をもった素地形成用合金粉末M−1〜M−15、硬質
粒子A形成用合金粉末A−1〜A−6、および硬質粒子
B形成用合金粉末B−1〜B−3を用意し、これらを表
4に示される組合せで所定の割合に配合し、ステアリン
酸亜鉛:1%を加えてミキサーにて30分間混合し後、
5〜7ton /cm2 の範囲内の所定の圧力で圧粉体にプレ
ス成形し、この圧粉体を500℃に30分間保持して脱
脂し、アンモニア分解ガス雰囲気中、1170〜125
0℃の範囲内の所定温度に1時間保持の条件で焼結し
て、表5〜8に示される全体組成、硬質粒子の割合(1
00倍の光学顕微鏡組織写真にもとづいて画像解析装置
にて測定)、および気孔率を有するFe基焼結合金で構
成され、外径:34mm×最小内径:27mm×厚さ:7.
2mmの寸法をもった本発明バルブシート1〜15および
比較バルブシート1〜4をそれぞれ製造した。なお、上
記比較バルブシート1〜4は、いずれも硬質粒子の割合
がこの発明の範囲から外れ、これによって全体組成もこ
の発明の組成範囲から外れるようになったものである。
【0017】さらに、上記本発明バルブシート1〜15
および比較バルブシート1〜4を本体とし、これのそれ
ぞれの上面に、純銅、Cu−3%Co合金(以下、Cu
合金1という)またはCu−3%Fe−2%Mn−2%
Zn合金(以下、Cu合金2という)の溶浸材を表9に
示される組合せで載置し、この状態でメタン変成ガス雰
囲気中、温度:1100℃に15分間保持の条件で銅ま
たは銅合金の溶浸処理を施すことにより本発明銅溶浸バ
ルブシート1〜15および比較銅溶浸バルブシート1〜
4をそれぞれ製造した。また、同じく上記本発明バルブ
シート1〜15および比較バルブシート1〜4を本体と
し、これに表10に示される組合せで、純鉛、Pb−4
%Sb合金(以下、合金aという)、またはPb−5%
Sn合金(以下、合金bという)の溶浸材の加熱浴中
に、窒素雰囲気中、浴表面に8kg/cm2 の圧力を付加し
た状態で1時間浸漬の条件で鉛または鉛合金の溶浸処理
を施すことにより本発明鉛溶浸バルブシート1〜15お
よび比較鉛溶浸バルブシート1〜4をそれぞれ製造し
た。
および比較バルブシート1〜4を本体とし、これのそれ
ぞれの上面に、純銅、Cu−3%Co合金(以下、Cu
合金1という)またはCu−3%Fe−2%Mn−2%
Zn合金(以下、Cu合金2という)の溶浸材を表9に
示される組合せで載置し、この状態でメタン変成ガス雰
囲気中、温度:1100℃に15分間保持の条件で銅ま
たは銅合金の溶浸処理を施すことにより本発明銅溶浸バ
ルブシート1〜15および比較銅溶浸バルブシート1〜
4をそれぞれ製造した。また、同じく上記本発明バルブ
シート1〜15および比較バルブシート1〜4を本体と
し、これに表10に示される組合せで、純鉛、Pb−4
%Sb合金(以下、合金aという)、またはPb−5%
Sn合金(以下、合金bという)の溶浸材の加熱浴中
に、窒素雰囲気中、浴表面に8kg/cm2 の圧力を付加し
た状態で1時間浸漬の条件で鉛または鉛合金の溶浸処理
を施すことにより本発明鉛溶浸バルブシート1〜15お
よび比較鉛溶浸バルブシート1〜4をそれぞれ製造し
た。
【0018】つぎに、この結果得られた各種のバルブシ
ートについて、バルブシート台上摩耗試験機を用い、 バルブの材質:SUH−3、 バルブの加熱温度:750℃、 バルブの着座回数:3000回/min 、 雰囲気:0.4kg/cm2 の圧力のプロパンガスと、流
量:1.5l/min の酸素ガスによる燃焼ガス、 バルブシートの加熱温度(水冷):350〜450℃、 着座荷重:22kg、 試験時間:1時間の連続運転と10分間の停止を1サイ
クルとして20サイクル、 の条件で摩耗試験を行ない、バルブシートの最大摩耗深
さと相手材であるバルブの最大摩耗深さを測定した。こ
れらの測定結果を表7〜10に示した。
ートについて、バルブシート台上摩耗試験機を用い、 バルブの材質:SUH−3、 バルブの加熱温度:750℃、 バルブの着座回数:3000回/min 、 雰囲気:0.4kg/cm2 の圧力のプロパンガスと、流
量:1.5l/min の酸素ガスによる燃焼ガス、 バルブシートの加熱温度(水冷):350〜450℃、 着座荷重:22kg、 試験時間:1時間の連続運転と10分間の停止を1サイ
クルとして20サイクル、 の条件で摩耗試験を行ない、バルブシートの最大摩耗深
さと相手材であるバルブの最大摩耗深さを測定した。こ
れらの測定結果を表7〜10に示した。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】
【表6】
【0025】
【表7】
【0026】
【表8】
【0027】
【表9】
【0028】
【表10】
【0029】
【発明の効果】表4〜10に示される結果から、本発明
バルブシート1〜15、本発明銅溶浸バルブシート1〜
15、および本発明鉛溶浸バルブシート1〜15は、い
ずれも低い相手攻撃性で、かつ高温運転条件下ですぐれ
た耐摩耗性を示すのに対して、比較バルブシート1〜
4、比較銅溶浸バルブシート1〜4、および比較鉛溶浸
バルブシート1〜4に見られるように、これを構成する
Fe基焼結合金の硬質粒子の割合がこの発明の範囲から
外れると、耐摩耗性が低下したり、相手攻撃性が増した
りすることが明らかである。上述のように、この発明の
バルブシートは、特に硬質粒子A,Bを含有することに
よって高温および常温耐摩耗性が著しく向上したFe基
焼結合金で構成されているので、これを高温運転の内燃
機関に用いてもすぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮す
るのである。
バルブシート1〜15、本発明銅溶浸バルブシート1〜
15、および本発明鉛溶浸バルブシート1〜15は、い
ずれも低い相手攻撃性で、かつ高温運転条件下ですぐれ
た耐摩耗性を示すのに対して、比較バルブシート1〜
4、比較銅溶浸バルブシート1〜4、および比較鉛溶浸
バルブシート1〜4に見られるように、これを構成する
Fe基焼結合金の硬質粒子の割合がこの発明の範囲から
外れると、耐摩耗性が低下したり、相手攻撃性が増した
りすることが明らかである。上述のように、この発明の
バルブシートは、特に硬質粒子A,Bを含有することに
よって高温および常温耐摩耗性が著しく向上したFe基
焼結合金で構成されているので、これを高温運転の内燃
機関に用いてもすぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮す
るのである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年9月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】(b) Si Si成分には、素地に固溶して、これの硬さを高め、も
って耐摩耗性を向上させる作用があるが、その含有量が
0.05%未満では前記作用に所望の効果が得られず、
一方その含有量が1%を越えると強度が低下するように
なることから、その含有量を0.05〜1%、望ましく
は0.3〜0.7%と定めた。
って耐摩耗性を向上させる作用があるが、その含有量が
0.05%未満では前記作用に所望の効果が得られず、
一方その含有量が1%を越えると強度が低下するように
なることから、その含有量を0.05〜1%、望ましく
は0.3〜0.7%と定めた。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で、 C:0.5〜2%、 Si:0.05〜1%、 Mo:6〜15%、 Co:5〜15%、 Cr:1〜6%、 Ni:0.5〜2%、 Nb:0.05〜1%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる全体組
成、 合金鋼の素地に、Co−Mo−Cr系合金からなる高温
耐摩耗性Co基合金硬質粒子Aと、Mo−Fe系合金か
らなる常温耐摩耗性Mo基合金硬質粒子Bとが、光学顕
微鏡組織写真で観察して、合量で6〜26面積%の割合
で分散分布し、かつ前記硬質粒子Aの割合が硬質粒子に
占める割合で25〜75面積%である組織、 および5〜25%の気孔率、を有するFe基焼結合金で
構成したことを特徴とする耐摩耗性のすぐれたFe基焼
結合金製バルブシート。 - 【請求項2】 重量%で、 C:0.5〜2%、 Si:0.05〜1%、 Mo:6〜15%、 Co:5〜15%、 Cr:1〜6%、 Ni:0.5〜2%、 Nb:0.05〜1%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる全体組
成、 合金鋼の素地に、Co−Mo−Cr系合金からなる高温
耐摩耗性Co基合金硬質粒子Aと、Mo−Fe系合金か
らなる常温耐摩耗性Mo基合金硬質粒子Bとが、光学顕
微鏡組織写真で観察して、合量で6〜26面積%の割合
で分散分布し、かつ前記硬質粒子Aの割合が硬質粒子に
占める割合で25〜75面積%である組織、 および5〜25%の気孔率、 を有するFe基焼結合金で構成し、かつ、銅または銅合
金、あるいは鉛または鉛合金を溶浸したことを特徴とす
る耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製バルブシート。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25283996A JPH10102220A (ja) | 1996-09-25 | 1996-09-25 | 耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製バルブシート |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25283996A JPH10102220A (ja) | 1996-09-25 | 1996-09-25 | 耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製バルブシート |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10102220A true JPH10102220A (ja) | 1998-04-21 |
Family
ID=17242912
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25283996A Pending JPH10102220A (ja) | 1996-09-25 | 1996-09-25 | 耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製バルブシート |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10102220A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1172452A3 (en) * | 2000-06-20 | 2002-03-06 | Winsert, Inc. | Wear-resistant iron base alloy |
| KR20020082056A (ko) * | 2001-04-23 | 2002-10-30 | 현대자동차주식회사 | 고성능의 배기밸브시트 소결합금 |
| KR20030028668A (ko) * | 2001-09-25 | 2003-04-10 | 현대자동차주식회사 | 내열성 및 내마모성이 우수한 밸브시트용 소결합금 |
| CN102994917A (zh) * | 2012-12-11 | 2013-03-27 | 奇瑞汽车股份有限公司 | 合金材料、气门座圈及其制备方法、气门座圈的安装方法 |
| CN104630659A (zh) * | 2015-02-05 | 2015-05-20 | 奇瑞汽车股份有限公司 | 一种替代燃料发动机的气门座圈 |
| CN117677452A (zh) * | 2021-07-20 | 2024-03-08 | 日本活塞环株式会社 | 内燃机用铁基烧结合金制阀座 |
| EP4414469A4 (en) * | 2022-12-09 | 2024-09-25 | TPR Co., Ltd. | Iron-based sintered alloy valve sheet |
-
1996
- 1996-09-25 JP JP25283996A patent/JPH10102220A/ja active Pending
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| US6485678B1 (en) | 2000-06-20 | 2002-11-26 | Winsert Technologies, Inc. | Wear-resistant iron base alloys |
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