JPH10114865A - 分散染料の水系微粒子分散体、これを用いたインクジェット記録用分散染料インク及び布帛染色方法 - Google Patents

分散染料の水系微粒子分散体、これを用いたインクジェット記録用分散染料インク及び布帛染色方法

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JPH10114865A
JPH10114865A JP8287292A JP28729296A JPH10114865A JP H10114865 A JPH10114865 A JP H10114865A JP 8287292 A JP8287292 A JP 8287292A JP 28729296 A JP28729296 A JP 28729296A JP H10114865 A JPH10114865 A JP H10114865A
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JP
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water
ink
dispersion
disperse dye
cidisperse
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Application number
JP8287292A
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English (en)
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Hiromichi Noguchi
弘道 野口
Masahiro Haruta
昌宏 春田
Shoji Koike
祥司 小池
Tomoya Yamamoto
智也 山本
Mariko Suzuki
真理子 鈴木
Shinichi Hakamata
慎一 袴田
Kinu Shirota
衣 城田
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散染料に対して効率的に、平均粒径が0.
25μm以下となるような状態で微粒子分散され、且つ
高い固形分の分散体とした場合にも低粘度で、長期間に
わたり安定な状態を維持し得、更に、染色工程に対する
十分な適性が付与された分散染料の水系微粒子分散体の
提供、及びこれを用いたインクジェット記録用インク、
布帛染色方法の提供。 【解決手段】 少なくとも水、水溶性有機溶剤、分散染
料及び水溶性ポリエステルを含有する水系微粒子分散体
において、水溶性ポリエステルが、100〜250の酸
価を有する水溶性ポリエステルであって、且つ分散され
ている微粒子の平均粒径が0.25μm以下に調製され
ている分散染料の水系微粒子分散体、及びこれを用いた
インクジェット記録用分散染料インク及び布帛染色方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分散染料を用いた
水系微粒子分散体に関し、更に詳しくは、布帛染色液或
いはインクジェット捺染インクとして用いるのに有用な
0.25μm以下に調製された水系微粒子分散体に関す
る。尚、本発明は、分散染料を用いた0.01〜1μm
の範囲の粒度分布を有するする分散体であっても効率よ
く安定な分散性を示す水系微粒子分散体を与えるもので
あり、インクジェット用インク以外の他の用途への適用
にも有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録方法を用いて
無版印刷を行う方式が提案されている。この方式に用い
られる分散体は、インクジェットシステムそれ自身が要
求する基本的な要請として、平均粒径が0.25μm以
下の微粒子状態にあり、且つ10%程度の固形分であっ
ても粘度が3センチポイズ以下であるような低粘度、更
に、安定な微粒子分散体であることが要求される。
【0003】これに対して、従来から分散染料を水系媒
体中に分散させる技術は知られている。先ず、分散染料
の水系分散のための代表的な分散剤としては、例えば、
ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、リグニンス
ルホン酸等が挙げられ、又、界面活性剤としては、特開
昭48−14888号公報(ヘキスト)、特開昭50−
100386号公報(日華化学)、特開昭54−248
4号公報(東邦化学)、特開昭55−54353号公報
(アイシーアイ)等に開示されている物質が知られてい
る。これらの技術は、いずれも既存の染色法において工
業的に行われている分散法に利用されるものである。し
かし、これらの従来の材料技術では、0.25μm以下
の平均粒径を持つような微粒子分散体を効率よく安定に
得ることはできない。
【0004】一方、顔料を水系媒体中に微粒子分散させ
る技術は、筆記具用インク、インクジェット記録用イン
ク、フォトレジスト及び電子写真用液体現像剤等の分野
で実用化されている。しかし、これらの技術や材料を、
分散染料のサブミクロン領域での微粒子分散に適用した
としても、望むような結果はほとんど得られない。
【0005】現在、水系の顔料分散において使用されて
いる分散剤及び分散方法によれば、非常に安定な分散体
が製造されるようになっており、これらの分散体がイン
クや塗料として用いられて印刷或いは塗布されて画像形
成がなされた場合には、耐水性及び耐摩耗性等が発現さ
れて優れた画像形成が行われる。これは、分散剤が保護
コロイドとして強固に顔料粒子に吸着している為と考え
られる。しかしながら、それ故に、一端吸着されたもの
を化学的或いは物理的に再び脱着させることは容易では
ない。このことは、布帛染色工程において、染色後に分
散剤を除去しなければならないという要請とは相矛盾す
る。更に、安定で微小な粒子径の状態で分散させるとい
うこと共に、布帛染色工程に対しての安定した適性を付
与することも重要である。しかし、前記した従来の材料
では、収率よく、且つ安定性の高い分散染料の分散体を
得ることは極めて困難であった。
【0006】分散染料に対する分散性をよくするには、
先ず、水系媒体中に溶解せずに存在している分散染料に
対して、分散剤として用いる物質が吸着能(強い分子間
引力)を有していることが必要であると考えられる。し
かし、前記した従来の材料では、この性質が十分でな
く、結果として分散性に制約があったものと考えられ
る。分散染料の水系分散体にスルホン化ポリエステル樹
脂を含有させる技術が、特公平5−62632号公報に
開示されている。しかし、下記に両者の差異を明確に記
載したように、両者は全く異なる技術である。
【0007】先ず、特公平5−62632号公報に記載
されている発明(以下、単に上記発明と呼ぶ)では、分
散剤が「部分スルホン化ポリエステル樹脂」と特定され
てはいるものの、スルホン基の存在している部位が明確
に記載されていないうえ、以下の諸点において本発明と
は異なる技術である。 (1)本発明の分散染料の水系微粒子分散体は、水溶性
ポリエステルを分散剤として用いて製造される。一方、
上記発明では、ポリエステル分散液を、分散染料に撹拌
混合して用いている。即ち、上記発明では、ポリエステ
ル分散液は予め分散液とされており、インク調製時に該
分散液と染料とが混合されているのみである。 (2)本発明の分散染料の水系微粒子分散体は、後述す
る実施例における配合処方から明らかな様に、ポリエス
テル樹脂は、染料に対して4〜5倍量が含有されてお
り、大部分のポリエステル樹脂は独立に粒子分散してい
ると推定される。これに対し、上記発明で使用している
ポリエステル樹脂量は少なく、ポリエステル樹脂が独立
に粒子分散することはないと考えられる。 (3)本発明の分散染料の水系微粒子分散体を構成する
水溶性ポリエステルは、100〜250の高い酸価を有
するが、上記発明で使用しているスルホン化ポリエステ
ル樹脂は、最良の具体例と考えられる実施例において酸
価<2であり、本発明の構成材料とは異なるものであ
る。 (4)本発明では、その技術課題の一つが布帛染色用の
インクジェットインクに使用した場合の微粒子化分散等
の諸性能と染色工程適性であるが、上記発明において
は、筆記具の耐水性への効果が記載されているに過ぎ
ず、本発明によって解決する上記技術課題を開示するも
のではない。
【0008】
【発明の解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記のような背景に基づき、分散染料に対して効率
的に、平均粒径が0.25μm以下となるような状態で
微粒子分散を行うことができ、且つ高い固形分の分散体
とした場合にも低粘度で、更に、長期間にわたり安定な
状態を維持し得る微粒子分散体を提供することにある。
更に、本発明の重要な目的は、染色後の洗浄性及び綿汚
染性を少なくすること等の、染色工程に対する十分な適
性が付与された微粒子分散体を提供することであり、こ
の為の布帛染色工程における洗浄性に優れた分散体を開
発することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、少なくとも水、
水溶性有機溶剤、分散染料及び水溶性ポリエステルを含
有する水系微粒子分散体において、水溶性ポリエステル
が、100〜250の酸価を有する水溶性ポリエステル
であって、且つ分散されている微粒子の平均粒径が0.
25μm以下に調製されていることを特徴とする分散染
料の水系微粒子分散体、及びこれを用いたインクジェッ
ト記録用分散染料インク及び布帛染色方法である。更
に、上記構成を有する本発明において使用される水溶性
ポリエステルは、一般的に行われているポリカルボン酸
とジオール等の多価アルコールの縮合反応によって得ら
れるが、本発明においては、少なくともジオール成分の
一つに、スルホン化ジオール或いはカルボキシル化ジオ
ールを用いて得られたアニオン性水溶性ポリエステルが
より好ましく用いられる。そして、当該構成とすること
により本発明のより大きな効果が得られる。
【0010】上記構成を有する本発明における水系微粒
子分散体は、布帛、水系インクの吸収性を有する記録用
紙、インクジェット用紙、フィルム、印刷適性向上のた
めの下地処理された金属、プラスチック等に対して、色
彩品位が高く且つ堅牢性に優れた記録画像を与える水系
微粒子分散インクとして好ましく用いられる。特に、本
発明における水系微粒子分散体は、サブミクロン領域に
おける粒子分散性、保存安定性、インクジェット記録装
置における吐出特性に優れたインクジェット記録用イン
クを提供し得る。この様な本発明の水系微粒子分散体を
用いたインクジェット記録用インクは、分散染料の水系
微粒子分散体と、水、保湿性溶剤を少なくとも有し、更
に好ましくは浸透剤が含有されて構成される。そして、
該インクジェット記録用インクを用いたインクジェット
記録方法は、特に、デジタル捺染に有用であり、多種多
様な精緻な絵柄を作成し得る布帛染色方法に利用し得
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、好ましい実施の形態を挙
げて、本発明を更に詳細に説明する。本発明の分散染料
の水系微粒子分散体は、少なくとも水、水溶性有機溶
剤、分散染料及び水溶性ポリエステルを含有しており、
水溶性ポリエステルが、100〜250の酸価を有する
水溶性ポリエステルであって、且つ分散されている微粒
子の平均粒径が0.25μm以下に調製されていること
を特徴とする。
【0012】下記に、上記本発明の分散染料の水系微粒
子分散体を構成する物質について説明するが、先ず、分
散染料を分散する水溶性ポリエステルについて説明す
る。上記した様に、ポリエステルは、ポリカルボン酸と
ジオール等の多価アルコールの縮合反応によって得られ
るが、本発明においては、少なくともジオール成分の一
つにスルホン化ジオール或いはカルボキシル化ジオール
を用いて得られるアニオン性水溶性ポリエステルがより
好適に用いられる。即ち、アニオン性水溶性ポリエステ
ルを用いて分散染料を分散させることにより微粒子化が
効率よく行われ、安定な分散体を得ることが可能とな
り、本発明の効果がより効果的に得られる。従って、そ
の合成にあたり、得られる水溶性ポリエステルがこれら
の官能基を有するものとなる様に、ポリエステル合成の
原料として、下記に述べるような、化合物中のこれらの
官能基が一時的に保護基によって保護(ポリエステル合
成に関与させないための保護)された物質を用いること
が好ましい。
【0013】保護基を用いる合成法は種々のものが知ら
れているが、本発明においては、シリルエステル化、t
−ブチルエステル化、アセタールエステル化、及びケタ
ールエステル化等の保護方法によって、解離基であるカ
ルボキシル基或いはスルホン基を好適に保護しながら、
水溶性ポリエステルを合成することが好ましい。本発明
において使用し得るポリエステル合成のための上記した
ような保護基を結合させる物質としては、具体的に例え
ば、以下のようなスルホン化ジオール或いはカルボキシ
ル化ジオールが挙げられる。
【0014】
【化1】N,N-Bis(2-hydroxyethyl)-2-aminoethane carb
oxylic acid
【0015】
【化2】N,N-Bis(2-hydroxyethyl)-2-aminoethane sulf
onic acid
【0016】
【化3】3-[N,N-Bis(2-hydroxyethyl)amino]-2-hydroxy
propane sulfonic acid
【0017】
【化4】2,7-dihydroxynaphthalene-3,6-disulfonic ac
id
【0018】
【化5】1,7-dihydroxynaphthalene-3-sulfonic acid
【0019】
【化6】2,3-dihydroxynaphthalene-6-sulfonic acid
【0020】
【化7】1,8-dihydroxynaphthalene-3,6-disulfonic ac
id
【0021】
【化8】3,5-dihydroxy phenylmethane sulfonic acid
【0022】
【化9】3,5-dihydroxy phenylmethane calboxylic aci
d
【0023】本発明においては、ポリエステルの合成に
使用し得る保護基を結合させる物質として、以下に挙げ
るポリオールとポリカルボン酸からなるハーフエステル
化合物も好適に用いられる。
【化10】
【0024】
【化11】
【0025】
【化12】
【0026】
【化13】
【0027】
【化14】
【0028】
【化15】
【0029】
【化16】
【0030】上記に挙げた化合物に各種の保護基を結合
した際の構造は、下記に(1)の化合物を例に採ってそ
の構造を示したが、夫々以下のようになる。
【0031】
【化17】(トリメチルシリルエステル化)
【0032】
【化18】(t−ブチルエステル化)
【0033】
【化19】(アセタールエステル化)
【0034】
【化20】(ケタールエステル化)
【0035】以上のようにして、シリルエステル化、t
−ブチルエステル化、アセタールエステル化、及びケタ
ールエステル化等することによって、(1)の化合物の
解離基であるカルボキシル基は、ポリエステル化反応に
関与することから保護される。このような方法に用いら
れる解離基を含有するジオール類としては、その他、
2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロ
ール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸を挙げることが
できる。
【0036】本発明で使用する水溶性ポリエステルは、
常法に従いその骨格は、ポリカルボン酸とジオールとを
エステル化して得られる。上記で述べた解離基を有する
ジオールをジオール成分の一つに用いてポリエステルを
合成する場合には、骨格を形成するためのポリカルボン
酸とジオールとのエステル化後に、解離基の保護のため
にエステル化しておいたジオールの解離基の部分を選択
的に加水分解して元に戻して水溶性化する必要がある。
従って、この際には、主鎖を形成するエステル結合の加
水分解が抑制される条件で解離基の保護基を外してやる
必要がある。この点を考慮すると、上記した4種の保護
方法のうちでは、シリルエステル化により解離基を保護
したものを使用するのが最も好ましい。尚、保護基を用
いて反応を進めることは公知であり、特開昭63−46
269号公報等に開示された方法が用いられる。
【0037】本発明において使用する水溶性ポリエステ
ルは、上記の様にして合成されるが、その際に用いられ
るポリカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、コハ
ク酸、マロン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボ
ン酸、フタル酸、トリメリット酸、エンデイック酸、テ
トラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、或いはこ
れらの無水物の中から選択される。その中でも、炭素6
員環構造を有するポリカルボン酸やその無水物である無
水フタル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の無水物、及びそ
れらのオリゴエステル誘導体が好ましい。
【0038】又、本発明において使用される水溶性ポリ
エステルの合成に用いることの出来る解離基を有しない
ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリ
プロピレングリコール、グリセリン、1,2,4−ブタ
ントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,
2,5−ペンタントリオール、1,2−ブタンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA等の化合
物が挙げられる。これらの解離基を有しないジオール
は、得られるポリエステルの分子中の解離基の数を調節
する目的と、分子鎖の撓み性、軟化温度等を調節する目
的で、合成の際に前記した解離基を有するジオールと併
用されるのが好ましい。
【0039】本発明において使用する水溶性ポリエステ
ルを合成する場合の主鎖を形成するポリカルボン酸とジ
オールとのエステル化反応は、従来公知の条件で反応さ
せることが可能であるが、得られるポリエステルの粘度
低下の目的で、合成の際に非プロトン性極性溶剤を添加
することが可能である。その際に使用される非プロトン
性極性溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン等のケトン類、グリコール化合物のアルキルエーテル
類、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等の
アミド類、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン等のハロ
ゲン化芳香族化合物等が挙げられる。本発明において
は、これらの類に属する溶媒の中から、反応温度、生成
ポリマーの溶解性、蒸気圧、反応後の減圧除去を考慮し
て溶媒を選択する。具体的には、ジオキサン、ジエチレ
ングリコールモノブチルエーテル、N−メチルピロリド
ン、o−ジクロルベンゼン等が好ましく用いられる。
【0040】上記した合成材料をを用いてポリエステル
を合成する際の反応条件としては、常法で用いられてい
る条件でよいが、例えば、温度120〜180℃で、水
を除去しつつ溶媒及び反応物質の還流下、3〜5時間反
応を行う。反応が終了したならば、反応液を冷却後、水
及び水酸化ナトリウム等の塩基を添加して撹拌して解離
基を保護するための保護基を外すための加水分解処理を
行う。生成する低分子アルコールは減圧条件で除去す
る。このようにして水系への転換を行い、本発明の分散
染料の水系微粒子分散体において好適に用いられるアニ
オン性の解離基を有する酸価100〜250の水溶性ポ
リエステル樹脂を得る。
【0041】本発明において使用される水溶性ポリエス
テルを上記した様な合成によって得る場合に、合成原料
に用いるジオール或いはジカルボン酸が、予め末端に水
酸基或いはカルボキシル基が導入された分子量300〜
1,500のオリゴエステル、オリゴウレタン化合物で
あってもよい。
【0042】上記のようにして得られる本発明で使用さ
れる水溶性ポリエステルの具体的な製造方法の手順につ
いて説明する。カルボキシル化ジオール或いはスルホン
化ジオールの、例えば、シリルエステル化合物に、コハ
ク酸、アジピン酸等のポリカルボン酸を加えて、温度計
及び還流器付きの反応フラスコに入れ、温度120〜1
80℃で、水を除去しつつ溶媒及び反応物質の還流下、
3〜5時間 縮合反応させる。次に、得られた溶液に、
水、水酸化ナトリウム等を加えて解離基の保護基の部分
を加水分解した後、生成されるトリメチルシラノールを
減圧条件下で除去する。次いで、反応基中に中和剤を加
えて中和した後、減圧下にて溶剤を除去しつつ水を加え
て水系に溶媒置換を行って、本発明で使用する水溶性ポ
リエステルを得る。本発明において使用される水溶性ポ
リエステルは、上記した様に、水溶液として用いる際に
は中和剤が必要となるが、この際に使用する中和剤とし
ては、無機及び有機の塩基性化合物のどちらも使用する
ことが可能である。具体的に使用される中和剤の例とし
ては、例えば、無機塩基、アンモニア、モノエタノール
アミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、
ジメチルアミン、トリエチルアミン、アミノメチルプロ
パノール等のアミン類が挙げられる。
【0043】(分散染料)本発明の分散染料の水系微粒
子分散体において、上記した構成の水溶性ポリエステル
によって分散される分散染料としては、例えば、以下の
ごとき染料が挙げられる。 ・黄色分散染料 C.I.Disperse Yellow 5、C.I.Disperse Yellow 42、
C.I.Disperse Yellow54、C.I.Disperse Yellow 6
4、C.I.Disperse Yellow 79、C.I.Disperse Yellow
82、C.I.Disperse Yellow 83、C.I.Disperse Yello
w 93、C.I.Disperse Yellow 99、C.I.Disperse Yel
low 100、C.I.Disperse Yellow 119、C.I.Disper
se Yellow 122、C.I.Disperse Yellow 124、C.I.
Disperse Yellow 126、C.I.Disperse Yellow 16
0、C.I.Disperse Yellow 184:1、C.I.Disperse Y
ellow 186、C.I.Disperse Yellow 198、C.I.Disp
erse Yellow 199、C.I.Disperse Yellow 204、C.
I.Disperse Yellow 224、C.I.Disperse Yellow 23
7、
【0044】・橙色分散染料 C.I.Disperse Orange 13、C.I.Disperse Orange 2
9、C.I.Disperse Orange 31:1、C.I.Disperse Ora
nge 33、C.I.Disperse Orange 49、C.I.Disperse O
range 54、C.I.Disperse Orange 55、C.I.Disperse
Orange 66、C.I.Disperse Orange 73、C.I.Disper
se Orange 118、C.I.Disperse Orange119、C.I.D
isperse Orange 163、
【0045】・赤色分散染料 C.I.Disperse Red 54、C.I.Disperse Red 72、C.I.
Disperse Red 73、C.I.Disperse Red 86、C.I.Disp
erse Red 88、C.I.Disperse Red 91、C.I.Disperse
Red 92、C.I.Disperse Red 93、C.I.Disperse Red
111、C.I.Disperse Red 126、C.I.Disperse Red
127、C.I.Disperse Red 134、C.I.Disperse Red
135、C.I.Disperse Red 143、C.I.Disperse Red
145、C.I.Disperse Red 152、C.I.Disperse Red
153、C.I.Disperse Red 154、C.I.Disperse Red
159、C.I.Disperse Red 164、C.I.Disperse Red
167:1、C.I.Disperse Red 177、C.I.Disperse
Red 181、C.I.Disperse Red 204、C.I.Disperse
Red 206、C.I.Disperse Red 207、C.I.Disperse
Red 221、C.I.Disperse Red 239、C.I.Disperse
Red 240、C.I.Disperse Red 258、C.I.Disperse
Red 277、C.I.Disperse Red 278、C.I.Disperse
Red 283、C.I.Disperse Red 311、C.I.Disperse
Red 323、C.I.Disperse Red 343、C.I.Disperse
Red 348、C.I.Disperse Red356、C.I.Disperse R
ed 362、
【0046】・紫色分散染料 C.I.Disperse Violet 33、 ・青色分散染料 C.I.Disperse Blue 56、C.I.Disperse Blue 60、C.
I.Disperse Blue 73、C.I.Disperse Blue 87、C.I.
Disperse Blue 113、C.I.Disperse Blue 128、C.
I.Disperse Blue 143、C.I.Disperse Blue 148、
C.I.Disperse Blue 154、C.I.Disperse Blue 15
8、C.I.Disperse Blue 165、C.I.Disperse Blue 1
65:1、C.I.Disperse Blue 165:2、C.I.Disper
se Blue 176、C.I.Disperse Blue 183、C.I.Disp
erse Blue 185、C.I.Disperse Blue 197、C.I.Di
sperse Blue 198、C.I.Disperse Blue 201、C.I.
Disperse Blue 214、C.I.Disperse Blue 224、C.
I.Disperse Blue 225、C.I.Disperse Blue 257、
C.I.Disperse Blue 266、C.I.Disperse Blue 26
7、C.I.Disperse Blue 287、C.I.Disperse Blue 3
54、C.I.Disperse Blue 358、C.I.Disperse Blue
365、C.I.Disperse Blue 368、 ・緑色分散染料 C.I.Disperse Green 6:1、C.I.Disperse Green 9
【0047】上記の染料のうち、より好ましい染料は下
記の通りである。 ・黄色分散染料 C.I.Disperse Yellow 5、C.I.Disperse Yellow 42、
C.I.Disperse Yellow83、C.I.Disperse Yellow 9
3、C.I.Disperse Yellow 99、C.I.Disperse Yellow
198、C.I.Disperse Yellow 224 ・橙色分散染料 C.I.Disperse Orange 29、C.I.Disperse Orange 4
9、C.I.Disperse Orange 73
【0048】・赤色分散染料 C.I.Disperse Red 92、C.I.Disperse Red 126、C.
I.Disperse Red 145、C.I.Disperse Red 152、C.
I.Disperse Red 159、C.I.Disperse Red177、C.
I.Disperse Red 181、C.I.Disperse Red 206、C.
I.Disperse Red 283 ・青色分散染料 C.I.Disperse Blue 60、C.I.Disperse Blue 87、C.
I.Disperse Blue 128、C.I.Disperse Blue 154、
C.I.Disperse Blue 201、C.I.Disperse Blue 21
4、C.I.Disperse Blue 224、C.I.Disperse Blue 2
57、C.I.Disperse Blue 287、C.I.Disperse Blue
368
【0049】上記に挙げた染料は、本発明において用い
ることの出来る好ましい一例であり、本発明は上記例示
の染料に限定されるものではなく、勿論、新規に合成さ
れたものであってもよい。特に、本発明においては、染
料製造の際にウエットケーキの状態で取り出された分散
染料製品を用いることが、良好な微粒子分散を達成し得
る点で好ましい。即ち、この様なウエットケーキの状態
の製品を分散処理工程で用いると、分散体の微粒子化を
効率よく行うことが出来る。しかし、ウエットケーキの
状態で取り出された製品を使用することは、基本的には
作業効率の問題に留まり、到達性能に与える影響は大き
くないので、本発明においては必須条件ではない。
【0050】(分散体の製造)本発明の分散染料の水系
微粒子分散体は、上記に挙げたような分散染料を、先に
述べた水溶性ポリエステルで分散処理して得られる。分
散に際しては、分散染料と水溶性ポリエステルを重量比
100:10〜100:200の範囲で混合して、プレ
ミキシングした後、分散処理する。分散処理の方法とし
ては、ガラスビーズ、シリカ−アルミナセラミックスビ
ーズ、ジルコニアビーズ、及びオタワサンド等の天然の
シリカビーズ等をメディアとして用いる分散方法を用い
るのが好ましい。
【0051】又、本発明において分散の際に使用する分
散機としては、得られる分散体の分散染料の平均粒径が
効率よく所望の範囲のものとなるものであれば、一般に
使用される分散装置等、いかなるものでもよい。例え
ば、ボールミル、サンドミル等が挙げられる。その中で
も、高速型のサンドミルが好ましく、例えば、スーパー
ミル、サンドグライダー、ビーズミル、アジテーターミ
ル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル、コボルミ
ル(いずれも商品名)等が挙げられる。又、ビーズを使
用しないが、高いずり応力をかけられる装置として、ロ
ールミル、ジェットミル等も、不純物の混入が少ないの
で併用することは効率的である。
【0052】本発明においては、分散されている分散染
料の微粒子の平均粒径が0.25μm以下に調整される
ことを要する。平均粒径が0.25μmよりも大きい
と、得られた分散体をインクジェット記録用インク等の
用途に用いた場合に、吐出性が劣り目詰りを生じたり、
又、精緻な高品位画像を得ることが難しくなる。更に、
本発明においては、分散染料の微粒子の粒度分布が0.
01〜1μmのとなるように調整することが好ましい。
この様な粒度分布を有する平均粒径が0.25μm以下
の分散安定性に優れた水系の分散染料の微粒子分散体
は、特に、インクジェット記録用インクに適用した場合
に、インクジェット適正に優れ、画像品位に優れたカラ
ー画像を安定して提供することが可能となる。
【0053】本発明において、所望の粒度分布を有する
分散体を得る方法としては、例えば、分散機の粉砕メデ
ィアのサイズを小さくする方法、分散の後、加圧濾過や
遠心分離で分級する方法、エイジング処理と加圧濾過の
方法等の手法が挙げられ、本発明においては、これらの
手法によって容易に所望の粒度分布を有する分散体を得
ることが出来る。例えば、遠心分離処理によって取り除
くことが出来るのは粗大粒子であるが、本発明において
は、水溶性ポリエステルを分散剤として用いているため
効率的に微粒子化が行える。この為、遠心分離によって
多量の沈殿物を生じることなく、低い遠心分離条件で目
的とする分散体が得られる。以上のようにして本発明の
水系微粒子分散体が製造される。
【0054】次に、上記の様な構成の本発明の分散染料
の水系微粒子分散体と、水及び保湿性溶剤とを有するこ
とを特徴とする本発明のインクジェット記録用インクに
ついて説明する。本発明のインクジェット記録用インク
は、本発明の水系微粒子分散体を使用目的に応じた液媒
体構成に調整して作製されるが、本発明においては、水
と、通常、水系微粒子分散体に使用されている、一価ア
ルコール、多価アルコール、多価アルコールのモノアル
キルエーテル等の水混和性の保湿性溶剤とが用いられ
る。水混和性の保湿性溶剤は、それらが有する機能に基
づいて本発明者等が分類した結果、以下のような3群に
分けられた。これらの群に属すると思われる具体的な溶
媒について、下記に列記した。 第1群:保湿性が高く、蒸発しにくく親水性に優れる溶
媒 第2群:疎水性原子団を末端に有し疎水性の表面への濡
れ性もよく、蒸発乾燥性もある溶媒 第3群:適度の濡れ性を有し、低粘度の溶媒(一価アル
コール類)
【0055】従って、本発明のインクジェット記録用イ
ンクに用いる液媒体は、これらの溶媒の機能に基づい
て、これらの中から適宜に選択して組み合わせて、水と
共に液媒体として用いることが好ましい。又、本発明の
インクジェット記録用インクにおいては、以上のごとき
水溶性溶媒からなる液媒体の総量が、概ね、本発明の分
散染料の水系微粒子分散体全体に対して5〜40重量%
の範囲にあることが好ましい。5重量%よりも少ないと
インクの吐出性に劣り、目詰りが起こる等の問題が生
じ、一方、40重量%よりも多いと粘度が高くなり、駆
動可能な周波数が低下して好ましくない。又、その中に
おける上記した各群の液媒体の配合としては、第1群或
いは第2群に含まれる溶媒は、少なくとも5重量%、好
ましくは10重量%程度含有されているべきである。
又、第3群の溶媒は、5重量%以下の量で用いるのが好
ましい。
【0056】上記第1群に属する溶剤としては、具体的
には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グ
リセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6
−ヘキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオー
ル、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、ジメチルスルホキシド、
ダイアセトンアルコール、グリセリンモノアリルエーテ
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリ
エチレングリコール300、チオジグリコール、N−メ
チル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、γ−ブチロラ
クトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ス
ルフォラン、トリメチロールプロパン、トリメチロール
エタン、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテ
ル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメ
チルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエー
テル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、ビスβ−ヒド
ロキシエチルスルフォン、ビスβ−ヒドロキシエチルウ
レア、ウレア、アセトニルアセトン、ペンタエリスリト
ール、1,4−シクロヘキサンジオール等が挙げられ
る。
【0057】又、第2群に属する溶剤としては、具体的
には、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノ
プロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエー
テル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エ
チレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレング
リコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチル
エーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエ
チレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレング
リコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコール
ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエ
ーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、
ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロ
ピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレン
グリコールモノメチルエーテル、グリセリンモノアセテ
ート、グリセリンジアセテート、グリセリントリアセテ
ート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、シクロヘキサノール、1,2−シクロヘキサンジオ
ール、1−ブタノール、3−メチル−1,5−ペンタン
ジオール、3−ヘキセン−2,5−ジオール、2,3−
ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−
ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール等が挙げ
られる。
【0058】更に、第3群に属する溶剤としては、具体
的には、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノ
ール、1−メトキシ−2−プロパノール、フルフリルア
ルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等が挙げ
られる。
【0059】本発明の分散染料の水系微粒子分散体を、
水と、上記した多価アルコール等の保湿性溶剤からなる
液媒体と混合してインクジェット記録用インクとした場
合には、該インクのpHを中性から塩基性領域に調整す
ることが好ましい。具体的には、インクのpHが5〜1
0、好ましくは7〜9の範囲内にあることが望ましい。
pHをこの範囲に調整することによって、インクの保存
安定性が得られ、更には、特に布帛に画像を形成する場
合に、布帛への染色性、染色後の還元洗浄、水洗等の工
程に対する適性が得られる。
【0060】この際に使用される塩基種のpH調整剤と
しては、例えば、水酸化ナトリム、水酸化カリウム、水
酸化リチウム等の無機塩基、エタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタ
ノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、2−ア
ミノ−2−メチルプロパノール、2−エチル−2−アミ
ノ−1,3−プロパンジオール、2−(2−アミノエチ
ル)エタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)ア
ミノメタン、アンモニア、グリシン、グリシルグリシ
ン、ヒスチジン、L−リシン、L−アルギニン、ピペリ
ジン、モルフォリン、βジヒドロキシエチル尿素等の有
機塩基が挙げられる。
【0061】更に、本発明の分散染料の水系微粒子分散
体をインクジェット記録用インク等に適用する場合に
は、布帛への染色性付与、バブルジェット方式のイ
ンクジェット装置に用いる場合の吐出効率の向上の目的
から、浸透剤として界面活性剤を添加すると実用的に有
利になる場合がある。この際に用いられる界面活性剤と
しては、例えば、アセチレングリコールのエチレンオキ
シド付加物、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合
物、ポリオキシエチレン長鎖アルキルエーテル等のノニ
オン界面活性剤;ポリオキシエチレン隣酸、カルボン酸
から選ばれたアニオン性解離基をエチレンオキシド末端
に有し、且つHLBが10以上のポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、或いはポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル等のノニオン−アニオン界面活性剤が挙
げられる。本発明におけるこれらの界面活性剤の添加
は、起泡性を考慮して、夫々必要に応じて適宜に選択
し、添加することが好ましい。
【0062】本発明の分散染料の水系微粒子分散体を染
色用のインクジェット記録用インクとして用いる場合に
は、防腐剤や消泡剤等の添加剤が必要となることがあ
る。これらの添加剤としては、水溶性の防腐剤、或いは
水との混和性のよい消泡剤等から適宜に選択して添加す
ることが好ましい。
【0063】以上のような構成の本発明における分散染
料の水系微粒子分散体を含有するインクジェット記録用
インクは、特に、熱エネルギーを液滴吐出源として用い
るインクジェット記録装置を用いた布帛染色方法に好ま
しく用いられる。本発明のインクジェット記録用インク
は、熱エネルギーの作用により、液滴を吐出させて記録
を行うインクジェット方式にとりわけ好適に用いられる
が、一般の筆記用具としても使用できることは言うまで
もない。
【0064】本発明のインクジェット用インクを用いて
記録を行うのに好適な記録方法及び装置としては、記録
ヘッド室内のインクに記録信号に対応した熱エネルギー
を与え、熱エネルギーにより液滴を発生させるインクジ
ェット記録方法及び装置が挙げられる。以下、このよう
なインクジェット記録装置について説明する。その装置
の主要部であるヘッド構成例を図1、図2及び図3に示
す。ヘッド13は、インクを通す溝14を有するガラ
ス、セラミック又はプラスチック板等と、感熱記録に用
いられる発熱ヘッド15(図では薄膜ヘッドが示されて
いるが、これに限定されるものではない)とを接着して
得られる。発熱ヘッド15は、酸化シリコン等で形成さ
れる保護膜16、アルミニウム電極17−1及び17−
2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層
19、及びアルミナ等の放熱性のよい基板20より成っ
ている。
【0065】インク21は吐出オリフィス(微細孔)2
2まで来ており、不図示の圧力によりメニスカス23を
形成している。今、アルミニウム電極17−1及び17
−2に電気信号情報が加わると、発熱ヘッド15のnで
示される領域が急激に発熱し、ここに接しているインク
21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出
し、インク21が吐出しインク小滴24となり、吐出オ
リフィス22より被記録材25に向かって飛翔する。
【0066】図3には図1に示すヘッドを多数並べたマ
ルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマルチ溝
26を有するガラス板27と、図1で説明したものと同
様の発熱ヘッド28を密着して作製されている。尚、図
1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、
図2は図1のA−B線での断面図である。
【0067】図4に、上記ヘッドを組み込んだインクジ
ェット記録装置の一例を示す。図4において、65は吐
出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面
に対向する被記録材にインクを吐出して記録を行う記録
ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載してその移動を行
うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸
67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモー
ター68によって駆動されるベルト69と接続(不図
示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸6
7に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記
録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
【0068】51は被記録材を挿入するための給紙部、
52は不図示のモーターにより駆動する紙送りローラー
である。これらの構成によって記録ヘッド65の吐出口
面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行す
るにつれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙され
る。
【0069】61はワイピング部材としてのブレードで
あり、その一端はブレード保持部材によって保持されて
固定端となり、カンチレバーの形態をなす。ブレード6
1は記録ヘッド65による記録領域に隣接した位置に配
置され、又、本例の場合、記録ヘッド65の移動経路中
に突出した形態で保持される。62は記録ヘッド65の
吐出口面のキャップであり、ブレード61に隣接するホ
ームポジションに配置され、記録ヘッド65の移動方向
と垂直な方向に移動して、インク吐出口面と当接し、キ
ャッピングを行う構成を備える。更に、63はブレード
61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレー
ド61と同様、記録ヘッド65の移動経路中に突出した
形態で保持される。上記ブレード61、キャップ62及
びインク吸収体63によって吐出回復部64が構成さ
れ、ブレード61及びインク吸収体63によってインク
吐出口面の水分、塵埃等の除去が行われる。
【0070】上記構成において記録ヘッド65が記録終
了等でホームポジションに戻る際、吐出回復部64のキ
ャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避してい
るが、ブレード61は移動経路中に突出している。この
結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。
尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出口面に当接し
てキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッド
の移動経路中に突出するように移動する。
【0071】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は、上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出口面はワイピングされる。上述の記録ヘッド65のホ
ームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ば
かりでなく、記録ヘッド65が記録のために記録領域を
移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポ
ジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが
行われる。
【0072】図5は、ヘッドにインク供給部材、例え
ば、チューブを介して供給されるインクを収容したイン
クカートリッジの一例を示す図である。ここで、40は
供給用インクを収容したインク収容部、例えば、インク
袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられてい
る。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、
インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめ
る。44は廃インクを受容するインク吸収体である。イ
ンク吸収部としては、インクとの接液面がポリオレフィ
ン、特にポリエチレンで形成されているものが本発明に
とって好ましい。
【0073】本発明におけるインクジェット記録用イン
クが使用されるインクジェット記録装置としては、上記
のごときヘッドとインクカートリッジとが別体となった
ものに限らず、図6に示すごときそれらが一体になった
ものにも好適に用いられる。図6において、70は記録
ユニットであって、この中にはインクを収容したインク
収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かか
るインク吸収体中のインクが複数のオリフィスを有する
ヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっ
ている。
【0074】インク吸収体の材料としては、ポリウレタ
ンを用いることが本発明にとって好ましい。72は記録
ユニット内部を大気に連通させるための大気連通口であ
る。この記録ユニット70は、図4で示す記録ヘッド6
5に代えて用いられるものであって、キャリッジ66に
対し着脱自在になっている。
【0075】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
を具体的に説明する。なお、文中「部」及び「%」とあ
るのは、特に断りのない限り重量基準を表わす。先ず、
本発明で用いる水溶性ポリエステルの合成例を示す。[合成例1 水溶性ポリエステルPEP−1] 先に挙げ
た構造式(1)のカルボキシル化ジオールをシリルエス
テル化した化合物1モル(275g)と、コハク酸1モ
ル(118g)を用い、温度計及び還流器付きのフラス
コ内て、温度160℃で3時間縮合反応を行った。得ら
れた物質を水酸化ナトリウムで加水分解して、(1)の
構造式のカルボキシル基を元に戻した後、生成されたト
リメチルシラノールを減圧除去した。次いで、反応液中
にアンモニアをいれて中和して約45%水溶液である水
溶性ポリエステルPEP−1を得た。得られた高分子の
数平均分子量は8,500、酸価は170であった。
又、この物質1分子に含まれるカルボキシル基の平均数
は、26.4である(計算値)。
【0076】[合成例2 水溶性ポリエステルPEP−
2]先に挙げた構造式(2)のスルホン化ジオールをシ
リルエステル化した化合物1.05モル(300g)
と、コハク酸1モル(118g)を用いて、温度計及び
還流器付きのフラスコ内て、温度170℃で4時間縮合
反応を行った。得られた物質を水酸化ナトリウムで加水
分解してスルホン基を元に戻した後、生成されたトリメ
チルシラノールを減圧除去した。次いで反応液中にアン
モニアをいれてアンモニアで中和し、約50%水溶液で
ある水溶性ポリエステルPEP−2を得た。得られた高
分子の数平均分子量は5,500、酸価は170であっ
た。
【0077】[合成例3 水溶性ポリエステルPEP−
3]先に挙げた構造式(4)の芳香族ジスルホン酸ジオ
ールをシリルエステル化した化合物1.10モル(46
7g)と、アジピン酸1モル(146g)を用いて温度
計及び還流器付きのフラスコ内て、温度170℃で4時
間縮合反応を行った。得られた物質を水酸化ナトリウム
で加水分解して、(2)の構造式のスルホン基を元に戻
した後、生成されたトリメチルシラノールを減圧除去し
た。次いで反応液中にモノエタノールアミンを入れて中
和し、約35%水溶液である水溶性ポリエステルPEP
−3を得た。得られた高分子の数平均分子量は12,7
00、酸価は230であった。
【0078】[合成例4 水溶性ポリエステルPEP−
4]先に挙げた構造式(5)の芳香族ジスルホン酸ジオ
ールをシリルエステル化した化合物1.10モル(31
3g)と、アジピン酸1モル(146g)を用いて温度
計及び還流器付きのフラスコ内て、温度180℃で4時
間縮合反応を行った。得られた物質を水酸化ナトリウム
で加水分解して、(4)の構造式のスルホン基を元に戻
した後、生成されたトリメチルシラノールを減圧除去し
た。次いで反応液中にモノエタノールアミンを入れてで
中和し、約35%水溶液である水溶性ポリエステルPE
P−4を得た。得られた高分子の数平均分子量は6,7
00、酸価は150であった。
【0079】[合成例5 水溶性ポリエステルPEP−
5]先に挙げた構造式(7)の芳香族ジスルホン酸ジオ
ールのt−ブチルエステルとアジピン酸とを用いて合成
例1の場合と同様にして縮合反応を行って、水溶性ポリ
エステルPEP−5を得た。得られた高分子は、モノエ
タノールアミンで中和された側鎖にスルホン基を有す
る、数平均分子量9,800、酸価235の水溶性高分
子であった。
【0080】[合成例6 水溶性ポリエステルPEP−
6]先に挙げた構造式(9)の芳香族カルボン酸ジオー
ルのt−ブチルエステルとアジピン酸を用いて合成例1
の場合と同様にして縮合反応を行って、水溶性ポリエス
テルPEP−6を得た。得られた高分子は、モノエタノ
ールアミンで中和された側鎖にカルボキシル基を有す
る、数平均分子量が5,800、酸価が180の水溶性
高分子であった。
【0081】[合成例7 水溶性ポリエステルPEP−
7]先に挙げた構造式(10)の芳香族カルボン酸ジオ
ールのt−ブチルエステルとアジピン酸とを用いて合成
例1の場合と同様にして縮合反応を行って、水溶性ポリ
エステルPEP−7を得た。得られた高分子は、数平均
分子量6,600、酸価124のモノエタノールアミン
で中和された側鎖にカルボキシル基を有する水溶性ポリ
エステルであった。
【0082】[合成例8 水溶性ポリエステルPEP−
8]先に挙げた構造式(11)の芳香族カルボン酸ジオ
ールのt−ブチルエステルとアジピン酸とを用いて合成
例1の場合と同様にして縮合反応を行って、水溶性ポリ
エステルPEP−8を得た。得られた高分子は、数平均
分子量10,200、酸価140のモノエタノールアミ
ンで中和された側鎖にカルボキシル基を有する水溶性ポ
リエステルであった。
【0083】[合成例9 水溶性ポリエステルPEP−
9]先に挙げた構造式(14)の芳香族カルボン酸ジオ
ールのトリメチルシリルエステルとコハク酸を用いて合
成例1の場合と同様にして縮合反応を行い、水溶性ポリ
エステルPEP−9を得た。得られた高分子は、数平均
分子量7,200、酸価250のモノエタノールアミン
で中和された側鎖にカルボキシル基を有する水溶性ポリ
エステルであった。
【0084】次に、上記の様にして合成した水溶性ポリ
エステルPEP−1〜9を用いて、本発明の実施例の分
散染料の水系微粒子分散体、及びこれを用いたインクジ
ェット記録用インクを作製した。表1に、比較例につい
ての分散体及びインクの組成と共に、組成をまとめて示
した。
【0085】実施例1 以下の方法で、実施例1の分散体DBL−1、インクジ
ェット記録用インクBL−1及びBL−2を作製した。 (分散体DBL−1) ・PEP−1(アンモニア中和45%水溶液、pH7.3) 10部 ・C.I.Disperse Blue 60 ウエットケーキ試作品(固 形分40%) 60部(固形分) ・エタノール 10部 ・水 130部 これらの材料を1,000mlのバッチ式縦型サンドミ
ルに仕込み、2,000rpmで30分間のプレミキシ
ングの後、1mm径のジルコニウムビーズをメディアと
して体積で250ml充填し、水冷しつつ3,000r
pmにて5時間分散処理を行った。分散後の液の粘度は
5cpsであった。この分散液を5,000rpmで2
0分間の条件で遠心分離して粗大粒子を除去し、固形分
10.3%、平均粒径135nm、表面張力51dyn
/cm、pH7.2の本実施例の分散体DBL−1を得
た。
【0086】(インクジェット記録用インクBL−1)
次に、上記で得られた分散体DBL−1を使用して、下
記の手順でインクジェット記録用インクBL−1及びB
L−2を作製した。 ・分散体DBL−1 50部 ・トリエチレングリコール 20部 ・グリセリン 5部 ・水 27部 ・モノエタノールアミン水溶液(pH調整) 若干量 上記の成分をよく混合し、0.25μmのメンブランフ
ィルターを用いて加圧濾過して、粘度2.2cps、表
面張力40dyn/cm、pH8.5のブルー色インク
ジェット用インクBL−1を作製した。
【0087】 (インクジェット用インクBL−2) ・分散体DBL−1 35部 ・チオジグリコール 10部 ・グリセリン 10部 ・水 45部 ・モノエタノールアミン水溶液(pH調整) 若干量 上記の成分をよく混合し、0.25μmのメンブランフ
ィルターを用いて加圧濾過し、粘度2.3cps、表面
張力46dyn/cm、pH8.5のブルー色インクジ
ェット用インクBL−2を作製した。
【0088】実施例2 以下の方法で、実施例2の分散体DBL−2、インクジ
ェット用インクBL−3を作製した。 (分散体DBL−2) ・PEP−2(アンモニア中和50%水溶液、pH8.2) 20部 ・C.I.Disperse Blue 128 ウエットケーキ(固形分 40%) 50部 ・ジエチレングリコール 10部 ・水 120部 これらの材料を実施例1と同様にして分散処理を行い、
固形分12.5%、平均粒径146nm、表面張力48
dyn/cm、pH8.0の分散体DBL−2を得た。
【0089】(インクジェット用インクBL−3)次
に、上記で得られた分散体DBL−2を使用して、下記
の手順でインクジェット記録用インクBL−3を作製し
た。 ・分散体DBL−2 40部 ・トリエチレングリコールモノエチルエーテル 15部 ・グリセリン 10部 ・水 36部 ・クエン酸3ナトリウム塩(pH調整) 0.2部 これらの成分をよく混合し、0.25μmのメンブラン
フィルターを用いて加圧濾過し、粘度2.3cps、表
面張力48dyn/cm、pH8.0のブルー色インク
ジェット用インクBL−3を作製した。
【0090】実施例3 以下の方法で、実施例3の分散体DY−1、インクジェ
ット用インクY−1を作製した。 (分散体DY−1) ・PEP−3(モノエタノールアミン中和35%水溶液、pH7.0) 27部 ・C.I.Disperse Yellow 64 ウエットケーキ試作品 (固形分30%) 90部 ・水 80部 これらの材料を使用し、実施例1とほぼ同様にして分散
処理を行い、粘度4.5cpsの分散液を作製した。こ
の得られた分散液を実施例1と同様にして遠心分離処理
を行い、固形分15.5%、平均粒径155nm、表面
張力45dyn/cm、pH7.0の分散体DY−1を
作製した。
【0091】(インクジェット用インクY−1)次に、
上記で得られた分散体DY−1を使用して、下記の手順
でインクジェット記録用インクY−1を作製した。 ・分散体Y−1 25部 ・ジエチレングリコール 20部 ・N−メチルピロリドン 10部 ・水 45部 ・水酸化リチウム水溶液 若干量 これらの成分をよく混合し、0.25μmのメンブラン
フィルターを用いて加圧濾過し、粘度2.4cps、表
面張力45dyn/cm、pH8.0のイエロー色イン
クジェット用インクY−1を作製した。
【0092】実施例4 以下の方法で、実施例4の分散体DBk−1、インクジ
ェット用インクBk−1及びBk−2を作製した。 (分散体DBk−1) ・PEP−4(モノエタノールアミン中和35%水溶液、pH7.5) 15部 ・C.I.Disperse Orange 13 粉体 15部 ・C.I.Disperse Red 152 粉体 3部 ・C.I.Disperse Blue 186 粉体 6部 ・C.I.Disperse Blue 264 粉体 2部 ・エチレングリコール 10部 ・水 135部 ・消泡剤 サーフィノール104E(日信化学製) 若干量 ・水酸化リチウム水溶液(pH調整) 若干量 これらの材料を使用し、実施例1とほぼ同様にして分散
処理を行い、粘度3.6cpsの分散液を作製した。こ
の得られた分散液を実施例1と同様にして遠心分離処理
を行い、固形分12.5%、平均粒径165nm、表面
張力41dyn/cm、pH8.0の分散体DBk−1
を作製した。
【0093】(インクジェット用インクBk−1)次
に、上記で得られた分散体DBk−1を使用して、下記
の手順でインクジェット記録用インクBk−1及びBk
−2を作製した。 ・分散体DBk−1 40部 ・尿素 15部 ・グリセリン 10部 ・エチレングリコール 5部 ・水 30部 ・モノエタノールアミン 若干量 これらの成分をよく混合し、0.25μmのメンブラン
フィルターを用いて加圧濾過し、粘度2.6cps、表
面張力41dyn/cm、pH8.5のブラック色イン
クジェット用インクBk−1を作製した。
【0094】 (インクジェット用インクBk−2) ・分散体DBk−1 40部 ・ビス2−ヒドロキシエチルスルホン 15部 ・チオジグリコール 10部 ・ラウリル硫酸ソーダ 0.5部 ・水 30部 ・モノエタノールアミン(pH調整) 若干量 これらの成分をよく混合し、0.25μmのメンブラン
フィルターを用いて加圧濾過し、粘度2.5cps、表
面張力38dyn/cm、pH8.5のブラック色イン
クジェット用インクBk−2を作製した。
【0095】実施例5 以下の方法で、実施例5の分散体DR−1、インクジェ
ット用インクR−1を作製した。 (分散体DR−1) ・PEP−5(モノエタノールアミン中和43%水溶液、pH7.8) 18部 ・C.I.Disperse Red 54 パウダー 25部 ・エチレングリコール 10部 ・消泡剤 サーフィノール104E(日信化学製) 若干量 ・水 150部 これらの材料を使用し、実施例1とほぼ同様にして分散
処理を行い、粘度4.5cpsの分散液を作製した。こ
の得られた分散液を実施例1と同様にして遠心分離処理
を行い、固形分13%、平均粒径125nm、表面張力
38dyn/cm、pH7.8の分散体DR−1を作製
した。
【0096】(インクジェット用インクR−1)次に、
上記で得られた分散体DR−1を使用して、下記の手順
でインクジェット記録用インクR−1を作製した。 ・分散体DR−1 35部 ・2−ピロリドン 10部 ・トリエチレングリコールモノメチルエーテル 15部 ・グリセリン 5部 ・水 35部 ・水酸化リチウム水溶液 若干量 これらの成分をよく混合し、0.25μmのメンブラン
フィルターを用いて加圧濾過し、粘度3.1cps、表
面張力38dyn/cm、pH8.0のレッド色インク
ジェット用インクR−1を作製した。
【0097】実施例6 以下の方法で、実施例6の分散体DR−2、インクジェ
ット用インクR−2を作製した。 (分散体DR−2) ・PEP−6(モノエタノールアミン中和45%水溶液、pH7.8) 11部 ・C.I.Disperse Red 152 粉体 25部 ・エチレングリコール 5部 ・水 155部 ・エタノール 5部 これらの材料を使用し、実施例1とほぼ同様にして分散
処理を行い、粘度5.5cpsの分散液を作製した。こ
の得られた分散液を実施例1と同様にして遠心分離処理
を行い、固形分11.2%、平均粒径142nm、表面
張力47dyn/cm、pH7.8の分散体DR−2を
作製した。
【0098】(インクジェット用インクR−2)次に、
上記で得られた分散体DR−2を使用して、下記の手順
でインクジェット記録用インクR−2を作製した。 ・分散体DR−2 45部 ・エチレングリコール 10部 ・グリセリン 15部 ・トリエチレングリコールモノn−ブチルエーテル 6部 ・水 24部 ・水酸化リチウム水溶液 若干量 上記の成分をよく混合し、0.25μmのメンブランフ
ィルターを用いて加圧濾過し、粘度2.4cps、表面
張力45dyn/cm、pH8.3のレッド色インクジ
ェット用インクR−2を作製した。
【0099】実施例7 以下の方法で、実施例7の分散体DG−1、インクジェ
ット用インクG−1を作製した。 (分散体DG−1) ・PEP−7(モノエタノールアミン中和40%水溶液、pH7.8) 20部 ・C.I.Disperse Green 9 粉体 25部 ・エチレングリコール 10部 ・消泡剤 サーフィノール104E(日信化学製) 若干量 ・水 145部 これらの材料を使用し、実施例1とほぼ同様にして分散
処理を行い、粘度3.0cpsの分散液を作製した。こ
の得られた分散液を8,000rpmで20分間の遠心
分離処理を行い、固形分10%、平均粒径123nm、
表面張力42dyn/cm、pH7.8の分散体DG−
1を作製した。
【0100】(インクジェット用インクG−1)次に、
上記で得られた分散体DG−1を使用して、下記の手順
でインクジェット記録用インクG−1を作製した。 ・分散体DG−1 35部 ・ジエチレングリコール 15部 ・トリエチレングリコール 10部 ・尿素 5部 ・水 35部 ・水酸化リチウム水溶液 若干量 これらの成分をよく混合し、0.25μmのメンブラン
フィルターを用いて加圧濾過し、粘度2.2cps、表
面張力42dyn/cm、pH8.2のグリーン色イン
クジェット用インクG−1を作製した。
【0101】実施例8 以下の方法で、実施例8の分散体DY−2、インクジェ
ット用インクY−2を作製した。 (分散体DY−2) ・PEP−8(モノエタノールアミン中和45%水溶液、pH7.0)15部 ・C.I.Disperse Yellow 64 ウエットケーキ試作品 (固形分30%) 80部 ・エチレングリコール 10部 ・水 100部 これらの材料を使用し、実施例1とほぼ同様にして分散
処理を行い、粘度3.5cpsの分散液を作製した。こ
の得られた分散液を実施例1と同様にして遠心分離処理
を行い、固形分14.5%、平均粒径155nm、表面
張力47dyn/cm、pH7.0の分散体DY−2を
作製した。
【0102】(インクジェット用インクY−2)次に、
上記で得られた分散体DY−2を使用して、下記の手順
でインクジェット記録用インクY−2を作製した。 ・分散体DY−2 35部 ・エチレングリコール 10部 ・1,2,6−ヘキサントリオール 15部 ・水 40部 ・水酸化リチウム水溶液 若干量 ・ラウリル硫酸ソーダ 0.5部 上記の成分をよく混合し、0.25μmのメンブランフ
ィルターを用いて加圧濾過し、粘度2.5cps、表面
張力38dyn/cm、pH8.0のイエロー色インク
ジェット用インクY−2を作製した。
【0103】実施例9 以下の方法で、実施例9の分散体DCN−1、インクジ
ェット用インクCN−1を作製した。 (分散体DCN−1) ・PEP−9(モノエタノールアミン中和50%水溶液、pH7.5) 15部 ・C.I.Disperse Blue 87 粉体 24部 ・エチレングリコール 10部 ・水 130部 これらの材料を使用し、実施例1とほぼ同様にして分散
処理を行い、粘度3.3cpsの分散液を作製した。こ
の得られた分散液を8,000rpmで20分間の遠心
分離処理を行い、固形分13.0%、平均粒径136n
m、表面張力47dyn/cm、pH7.5の分散体D
CN−1を作製した。
【0104】 (インクジェット用インクCN−1) ・分散体DCN−1 30部 ・ジエチレングリコール 20部 ・イソプロピルアルコール 5部 ・尿素 5部 ・水 40部 ・モノエタノールアミン(pH調整) 若干量 上記の成分をよく混合し、0.25μmのメンブランフ
ィルターを用いて加圧濾過し、粘度2.5cps、表面
張力45dyn/cm、pH8.3のシアン色インクジ
ェット用インクCN−1を作製した。
【0105】比較例1 実施例1の分散処方において、分散剤として、PEP−
1(アンモニア中和45%水溶液、pH7.3)の代わ
りに、ナフタレンスルホン酸型分散剤であるデモールN
(花王株式会社製)のモノエタノールアミン塩を用いた
以外は、実施例1と全く同様にして分散処理を行い、比
較例1の分散体C−1とした。遠心処理後に得られた分
散体は、固形分が18%、pH7.5、表面張力56d
yn/cm、粘度5.8cps、平均粒径250nmで
あった。 (インクジェット用インクC−1)次に、上記で得られ
た分散体C−1を使用して、下記の手順でインクジェッ
ト記録用インクC−1を作製した。 ・分散体C−1 43部 ・エチレングリコール 15部 ・イソプロピルアルコール 4部 ・モノエタノールアミン 1部 ・水 37部 これらの成分をよく混合し、0.25μmのメンブラン
フィルターを用いて加圧濾過し、粘度2.2cps、表
面張力46dyn/cm、pH9.0のブルー色インク
ジェット用インクC−1を作製した。
【0106】比較例2 実施例2の分散処方において、分散剤として、PEP−
2(アンモニア50%水溶液、pH8.2)の代わり
に、リグニンスルホン酸型水溶性樹脂(コパルチンソー
ダKop−44、株式会社興人製)を用いた以外は、実
施例1と全く同様にして分散処理を行い、比較例2の分
散体C−2とした。遠心処理後に得られた分散体は、固
形分が22%、pH7.7、表面張力50dyn/c
m、粘度8.5cps、平均粒径300nmであった。 (インクジェット用インクC−2)次に、上記で得られ
た分散体C−2を使用して、下記の手順でインクジェッ
ト記録用インクC−2を作製した。 ・分散体C−2 45部 ・エチレングリコール 10部 ・グリセリン 10部 ・モノエタノールアミン 1部 ・水 33部 これらの成分をよく混合し、1μmのメンブランフィル
ターを用いて加圧濾過し、粘度2.8cps、表面張力
46dyn/cm、pH8.8のブルー色インクジェッ
ト用インクC−2を作製した。
【0107】比較例3 実施例2の分散処方において、分散剤として、PEP−
2(アンモニア50%水溶液、pH8.2)の代わり
に、スチレン−アクリル酸−アクリル酸ブチル共重合体
のソーダ塩(星光化学株式会社製試作品、酸価150、
重量平均分子量9,000)を用いた以外は、実施例1
と全く同様にして分散処理を行い、比較例3の分散体C
−3とした。遠心処理後に得られた分散体は、固形分が
10%、pH8.0、表面張力50dyn/cm、粘度
8.5cps、平均粒径160nmであった。 (インクジェット用インクC−3)次に、上記で得られ
た分散体C−3を使用して、下記の手順でインクジェッ
ト記録用インクC−3を作製した。 ・分散体C−3 45部 ・エチレングリコール 10部 ・グリセリン 10部 ・モノエタノールアミン 1部 ・水 33部 これらの成分をよく混合し、0.25μmのメンブラン
フィルターを用いて加圧濾過し、粘度2.8cps、表
面張力46dyn/cm、pH8.8のブルー色インク
ジェット用インクC−3を作製した。
【0108】
【表1】表1:インクジェット記録用インクに使用した
分散体、分散剤及び染料
【0109】[性能評価]次に、上記で得られた実施例
及び比較例の各インクジェット記録用インクについて、
印字耐久、保存安定性、布帛への印字性能と染色
性、布帛染色の工程適性の評価を、下記の評価方法及
び評価基準によって行った。この結果得られた各評価項
目に対する、各インクについての評価結果を表2に示し
た。
【0110】 印字耐久性試験 360dpiで64ノズルを有するバブルジェット記録
ヘッドを搭載したインクジェット記録装置に、インク供
給チューブを介して実施例及び比較例の各インクを充填
した。記録装置の駆動周波数は6.2kHz、単ドット
の液滴量は80ngである。この条件で、1本おきの3
2ノズルを用いた3×108パルスの連続吐出試験を実
施した。判定は、初期及び3×108パルス吐出後に、
それぞれ文書、ベタパターン及び罫線を含むテスト文書
を印字し、印字性の劣化を評価した。その結果を表2に
示す。
【0111】(評価ランク) ◎:濃度が高く鮮明な文字、液滴の吐出速度の低下な
し。 ○:鮮明な文字、均一で鮮やかなベタ印刷、よれのない
罫線印刷。 △:ややかすれた文字、濃度の低下が見られるベタ印
刷、よれが発生している罫線印刷。 ×:かすれが有り読みにくい文字、不均一で薄いベタ印
刷、不吐出も発生し、乱れた罫線印刷。 なお、◎及び○が実用上問題のないレベルである。
【0112】 保存安定性試験 実施例及び比較例の各インクジェット用インク50ml
を内容積100mlのショット耐熱瓶に詰めて密栓し、
60℃1ケ月の促進保存試験を行った。判定は、保存後
の粘度或いは平均粒径の測定及び沈殿物生成の観察を行
い、保存性の良否を判定した。その結果を表2に示す。 (評価ランク) ◎:粘度変化、pH変化いずれもほとんどなし。又は、
平均粒径の増加が20%以内。 ○:粘度上昇が初期に対して10%以内で、沈殿物は少
ない。又は、平均粒径の増加が20〜50%以内。 △:粘度変化が初期に対して10〜50%有り、沈殿が
発生している。又は、沈殿が発生し、再分散できない。 ×:ゲル化している、或いは固い沈殿になっている。 尚、◎及び○が実用上問題のないレベルである。
【0113】 布帛への印字と染色試験 バブルジェットプリンターBJC−600(キヤノン
製)を用いて、布帛上にカラー記録を行った。用いた布
帛はポリエステルデシンで、これにポリビニルピロリド
ンの1%水溶液をパッドし、(絞り率80%)乾燥して
からマイラーフィルムに両面粘着テープで貼り付けてプ
リンターで記録した。カラー印字後、マイラーフィルム
から布帛を剥がしてから、180℃で5分間、HTスチ
ーミング処理を行った。この後、常法により還元洗浄、
水洗、乾燥を経て、ポリエステルの捺染物を得た。得ら
れた捺染物の判定は、発色濃度、色調、及びシャープネ
スを評価した。その結果を表2に示す。 (評価ランク) ◎:全て良好。 ○:異色間の境界部が少し滲んだ。 △:発色濃度やや低く滲み有り。 ×:発色濃度やや低く滲みが有り、洗濯堅牢性が悪い。
【0114】 布帛染色の工程適性試験 ポリエステル及び綿を用いて「布帛への印字と染色試
験」と同様の印字とスチーム処理を行い、その後、常法
により還元洗浄、水洗、乾燥を経て、ポリエステル及び
綿の捺染物を得た。得られた捺染物に対して−1風合
い及び−2綿汚染の評価を行った。その結果を表2に
示す。 (評価ランク) −1:風合い評価(タッチ評価) ○:実用上問題のないレベルである。 △:やや硬いが実用範囲。 ×:硬く使用不可と判断。 −2:綿汚染(グレイスケール評価) ○:4級以上。 △:3級以上。 ×:3級未満。 以上の各評価項目に対する結果を表2に示す。
【0115】
【表2】表2:性能評価結果
【0116】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
例えば、平均粒径が0.25μm以下となるような状態
で良好な状態で微粒子分散され、且つ高い固形分の分散
体とした場合にも低粘度で、更に、その分散状態を長期
間にわたり安定な状態を維持し得る優れた保存安定性を
示す分散染料の水系微粒子分散体が得られる。又、本発
明によれば、上記の優れた分散体を用いてインクジェッ
ト記録用インクとした場合に、染色後の洗浄性及び綿汚
染性を少なくすること等の染色工程に対する十分な適性
を示し、布帛に対してカラー記録を行った場合に、吐出
安定性に優れると共に、得られる染色物が、発色性、堅
牢性、風合い及び綿汚染性において良好なものとなる。
更に、本発明によれば、筆記具や、インクジェット記録
用の微粒子分散体、とりわけバブルジェット方式を用い
たインクジェット記録装置等を用いて記録を行う場合
に、分散染料を記録に用いる、文房具、カラープリンタ
ー、カラープロッター、ポスター印刷、看板印刷、軽印
刷、布帛捺染、液晶ディスプレイ用カラーフィルター等
の各種用途に向けた記録剤設計に利用することのできる
実用価値の高い分散染料の水系微粒子分散体が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッドの縦断面図で
ある。
【図2】インクジェット記録装置のヘッドの横断面図で
ある。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外
観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図で
ある。
【図5】インクカートリッジの縦断面図である。
【図6】記録ユニットの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
13:ヘッド 14:インク溝 15:発熱ヘッド 16:保護膜 17−1、17−2:アルミニウム電極 18:発熱抵抗体層 19:蓄熱層 20:基板 21:インク 22:吐出オリフィス(微細孔) 23:メニスカス 24:インク小滴 25:被記録材 26:マルチ溝 27:ガラス板 28:発熱ヘッド 40:インク袋 42:栓 44:インク吸収体 45:インクカートリッジ 51:給紙部 52:紙送りローラー 53:排紙ローラー 61:ブレード 62:キャップ 63:インク吸収体 64:吐出回復部 65:記録ヘッド 66:キャリッジ 67:ガイド軸 68:モーター 69:ベルト 70:記録ユニット 71:ヘッド部 72:大気連通口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 智也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 鈴木 真理子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 袴田 慎一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 城田 衣 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも水、水溶性有機溶剤、分散染
    料及び水溶性ポリエステルを含有する水系微粒子分散体
    において、水溶性ポリエステルが、100〜250の酸
    価を有する水溶性ポリエステルであって、且つ分散され
    ている微粒子の平均粒径が0.25μm以下に調製され
    ていることを特徴とする分散染料の水系微粒子分散体。
  2. 【請求項2】 水溶性ポリエステルが、少なくともジオ
    ール成分の一つにカルボキシル化ジオールを用いて得ら
    れるアニオン性水溶性ポリエステルである請求項1に記
    載の分散染料の水系微粒子分散体。
  3. 【請求項3】 水溶性ポリエステルが、少なくともジオ
    ール成分の一つにスルホン化ジオールを用いて得られる
    アニオン性水溶性ポリエステルである請求項1に記載の
    分散染料の水系微粒子分散体。
  4. 【請求項4】 少なくとも請求項1〜請求項3のいずれ
    かに記載されている分散染料の水系微粒子分散体と、水
    及び保湿性溶剤とを有することを特徴とするインクジェ
    ット記録用分散染料インク。
  5. 【請求項5】 熱エネルギーをインク液滴の吐出源とし
    て用いるインクジェット記録装置を用いて布帛上に画像
    を形成する布帛染色方法において、インクが請求項4に
    記載のインクであることを特徴とする布帛染色方法。
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