JPH1012437A - 磁気ヘッド用基板付き合金磁性膜、その製造方法および磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド用基板付き合金磁性膜、その製造方法および磁気ヘッド

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JPH1012437A
JPH1012437A JP18406996A JP18406996A JPH1012437A JP H1012437 A JPH1012437 A JP H1012437A JP 18406996 A JP18406996 A JP 18406996A JP 18406996 A JP18406996 A JP 18406996A JP H1012437 A JPH1012437 A JP H1012437A
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JP
Japan
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alloy
magnetic film
group
substrate
buffer layer
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JP18406996A
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English (en)
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Seiji Yaegashi
誠司 八重樫
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Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 α−Fe23 の基板にバッファ層を介して
形成したFe−M−C系ナノ結晶合金もしくはFe系合
金からなる合金磁性膜の熱処理時に、基板にFe34
の強磁性体層が生成するのを防いで合金磁性膜に高透磁
率を維持した、高飽和磁化および高透磁率を有する磁気
ヘッド用基板付き合金磁性膜を提供することである。 【解決手段】 Fe−M−C系ナノ結晶合金もしくはF
e系合金の合金磁性膜1は、α−Fe23 の基板3上
にバッファ層2を介して成膜され、基板付き磁性膜とさ
れている。このバッファ層2を、従来使用してAl2
3 よりも生成自由エネルギーが小さく、酸素との親和力
が小さいCoxOy(ただし、y/x=1〜4/3の数
値)で形成することにより、合金磁性膜1の成膜後の熱
処理時に、基板3のα−Fe23 がFe34 に還元
されるのを防いだ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータ等の
磁気ディスク装置の磁気ヘッドに用いられる基板付き合
金磁性膜、その製造方法および磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録の分野においては、記録
信号の高密度化にともない、高い保磁力と残留磁束密度
を有する磁気記録媒体が使用されるようになり、このた
め、磁気記録または再生を行なう磁気ヘッドのコア材料
として、高飽和磁化、高透磁率を有する磁性膜が要求さ
れている。
【0003】このような高飽和磁化、高透磁率の磁性膜
として、Fe−M−C系ナノ結晶合金(M: IVB族、VB
族、IIIA族、IVA 族)やFe−M系合金(M: IVB族、
VB族、IIIA族、IVA 族)の磁性膜が知られている。これ
らの合金磁性膜は、基板上にスパッタにより成膜して形
成されており、基板には良好なCSS特性を有するα−
Fe23 (ヘマタイト)が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
合金磁性膜をα−Fe23 基板上に成膜すると、磁性
膜が容易に剥離する問題があった。
【0005】これを回避するために、α−Fe23
板上にバッファー層としてAl23 層を形成すること
が行なわれる。しかし、合金磁性膜の成膜後、軟磁性を
得ることを目的とした、不活性ガス雰囲気下もしくは真
空下での熱処理により、基板にバッファ層との界面にF
23 が還元された強磁性体のFe34 (マグネタ
イト)が生成する。このFe34 強磁性体層が合金磁
性膜と磁気的相互作用を起こすため、合金磁性膜に高透
磁率が得られない。
【0006】本発明の目的は、α−Fe23 の基板上
にバッファ層を介して形成したFe−M−C系ナノ結晶
合金もしくはFe系合金からなる合金磁性膜の熱処理時
に、基板にFe34 の強磁性体層が生成するのを防い
で合金磁性膜に高透磁率を維持した、高飽和磁化および
高透磁率を有する磁気ヘッド用基板付き合金磁性膜、そ
の製造方法および磁気ヘッドを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明にか
かる磁気ヘッド用基板付き合金磁性膜、その製造方法お
よび磁気ヘッドにて達成される。要約すれば、本発明
は、α−Fe23 の基板上にバッファ層を介して、F
e−M−C系ナノ結晶合金(ただし、M: IVB族、VB
族、IIIA族、IVA 族の元素)もしくはFe−M系合金
(ただし、M: IVB族、VB族、IIIA族、IVA 族の元素)
からなる合金磁性膜を形成した磁気ヘッド用基板付き合
金磁性膜において、バッファ層をCoxOy(ただし、
y/x=1〜4/3の数値)で形成したことを特徴とす
る磁気ヘッド用基板付き合金磁性膜である。
【0008】本発明によれば、好ましくは、CoxOy
がCoOもしくはCo34 である。Fe−M−C系ナ
ノ結晶合金が、Fe−Si−Al−Hf−Ta−C、F
e−Si−Al−Hf−C、Fe−Hf−C、Fe−S
i−Hf−CおよびFe−Si−Hf−Ta−Cよりな
る群から選ばれる1種である。Fe−M系合金が、Fe
−Si−Al、Fe−SiおよびFe−Alよりなる群
から選ばれる1種を主成分とする合金である。
【0009】本発明の他の態様は、α−Fe23 の基
板上にバッファ層を形成し、所望により熱処理を施した
後、バッファ層上にFe−M−C系ナノ結晶合金(ただ
し、M: IVB族、VB族、IIIA族、IVA 族の元素)もしく
はFe−M系合金(ただし、M: IVB族、VB族、IIIA
族、IVA 族の元素)からなる合金磁性膜を形成し、その
後さらに熱処理を施す、磁気ヘッド用基板付き合金磁性
膜の製造方法において、バッファ層としてCoxOy
(ただし、y/x=1〜4/3の数値)の層を形成した
ことを特徴とする磁気ヘッド用基板付き合金磁性膜の製
造方法である。
【0010】本発明によれば、好ましくは、バッファ層
を、スパッタにより酸素含有量がsccm比で30%以
上60%以下の酸素ガス含有不活性ガス下で形成する。
Fe−M−C系ナノ結晶合金が、Fe−Si−Al−H
f−Ta−C、Fe−Si−Al−Hf−C、Fe−H
f−C、Fe−Si−Hf−CおよびFe−Si−Hf
−Ta−Cよりなる群から選ばれる1種である。Fe−
M系合金が、Fe−Si−Al、Fe−SiおよびFe
−Alよりなる群から選ばれる1種を主成分とする合金
である。
【0011】本発明のさらに他の態様は、二つのコア半
体を所定ギャップ長にて突き合わせて接合することによ
り構成される磁気ヘッドにおいて、前記各コア半体は、
α−Fe23 の基板上にCoxOy(ただし、y/x
=1〜4/3の数値)からなるバッファ層を介して積層
することによって、Fe−M−C系ナノ結晶合金(ただ
し、M: IVB族、VB族、IIIA族、IVA 族の元素)もしく
はFe−M系合金(ただし、M: IVB族、VB族、IIIA
族、IVA 族の元素)からなる合金磁性膜を形成したこと
を特徴とする磁気ヘッドである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例を詳細に説明する。
【0013】図1に示すように、本発明にかかる合金磁
性膜1は、α−Fe23 の基板3上にバッファ層2を
介して形成され、基板付き合金磁性膜とされている。本
発明では、この合金磁性膜1の成膜後、軟磁性を得るた
めの熱処理により、基板3のバッファ層2との界面に強
磁性体のFe34 (マグネタイト)が生成するのを防
止するために、バッファ層2を、従来のAl23 に代
えてコバルト酸化物CoxOy、たとえばCoOもしく
はCo34 で形成した。
【0014】本発明者は、合金磁性膜1の成膜後の熱処
理により、基板3のバッファ層2との界面に強磁性体の
Fe34 (マグネタイト)が生成する原因を調査、研
究した。その結果、次のことが分かった。合金磁性膜1
の成膜後の熱処理時、合金磁性膜1が還元剤として働
く。このとき、従来は、バッファ層2を生成自由エネル
ギーが大きく、酸素との親和力が大きいAl23 で形
成していたが、酸素の拡散を防止できず、合金磁性膜1
の還元力が作用してもバッファ層2は影響されず、還元
力は基板3に及んでFe23 を還元し、Fe34
生成することが分かった。
【0015】従って、バッファ層2を、酸素が拡散しに
くい材料あるいは酸素を放出する材料で形成すれば、成
膜後の熱処理時に合金磁性膜1が還元剤として働いて
も、その還元力をバッファ層2によって緩和でき、基板
3のα−Fe23 の還元を防止できると考えられる。
そうすれば、基板3に合金磁性膜1との界面でFe3
4 が生成されることはない。
【0016】そこで、本発明では、上記のように、バッ
ファ層2をコバルト酸化物CoxOyで形成した。以
下、本発明について各論する。
【0017】本発明において、バッファ層2は好ましく
はCoO、Co34 とするが、一般にCoxOy(た
だし、y/x=1〜4/3の数値)で表されるコバルト
酸化物によって形成することができる。バッファ層2が
Co34 のとき、その厚さは800nm未満が好まし
い。Co34 バッファ層の厚さが800nm以上であ
ると、合金磁性膜の形成後の軟磁性を得ることを目的と
した熱処理時に合金磁性膜が剥離するためである。ま
た、バッファ層2がCoOのときは、膜厚が0.1μm
〜10μmの範囲でバッファ層の厚さの相違による透磁
率の劣化や合金磁性膜の剥離等の問題は観察されない。
しかし、バッファ層が厚くなるに従い、バッファ層を形
成するCoOの結晶粒が大きくなり、バッファ層組織が
劣化するため、必要以上にバッファ層を厚くすることは
ない。一般的には1μm以下であればよい。
【0018】バッファ層2は、酸素を含有した不活性ガ
ス(スパッタガス)下で、Coをターゲットとした反応
性スパッタ、あるいは不活性ガスまたは酸素を含有した
不活性ガスのスパッタガス下で、Coの酸化物ターゲッ
トを用いたスパッタにより、基板3上にCoの酸化物を
成膜することにより形成することができる。好ましく
は、スパッタ方式はDC対向ターゲット式であり、その
スパッタガスはAr+O 2 、スパッタガス圧Ar/O2
は35/15〜O/50(sccm比)、カソード電力
0.1〜1.0kW、基板3の温度(基板温度)は室温
(0℃)〜400℃である。
【0019】合金磁性膜1は、Fe−M−C系ナノ結晶
合金もしくはFe−M系合金からなり、ここに、Mは I
VB族、VB族、IIIA族、IVA 族の元素である。Fe−M−
C系ナノ結晶合金の好ましい例を挙げれば、Fe−Si
−Al−Hf−Ta−C、Fe−Si−Al−Hf−
C、Fe−Hf−C、Fe−Si−Hf−CもしくはF
e−Si−Hf−Ta−C等である。Fe−M系合金の
好ましい例としては、Fe−Si−Al、Fe−Siお
よびFe−Alよりなる群から選ばれる1種を主成分と
する合金であり、たとえば、Fe−Si−Al、Fe−
Si、Fe−Al、Fe−Si−Al−HfもしくはF
e−Si−Al−Hf−Ta等が挙げられる。合金磁性
膜1全体の厚さは、磁気ヘッドとしたときのトラック幅
や磁気記録、読み取り能力等を考慮すると、1μm以上
20μm以下が適当である。
【0020】合金磁性膜1は、不活性ガス下で合金をタ
ーゲットとしたスパッタにより、基板3のバッファ層2
上に形成する。スパッタガスはAr、スパッタガス圧は
1〜2mTorr、カソード電力0.5〜3kW、基板
温度0〜200℃である。
【0021】本発明によれば、成膜直後のCoxOyの
バッファ層2はCo34 である。このバッファ層2上
に合金磁性膜1を形成する前に、バッファ層2をCoO
とするために、所望によりバッファ層2を熱処理するこ
とができる。このバッファ層2の形成後の熱処理は、大
気中、500〜1000℃の基板温度、30分〜2時間
の条件で行なえば十分である。
【0022】合金磁性膜1は、形成後、磁気ヘッドの作
製に供する前に、軟磁性を得ることを目的として、必要
的に熱処理を行なう。その熱処理条件は、5×10-7
5×10-6Torrの不活性下ガスまたは真空下、基板
温度600〜800℃、時間10〜60分程度とされ
る。
【0023】基板3には、CSS特性を良好にすること
ができるα−Fe23 (ヘマタイト)を使用する。基
板3の厚さは200〜500μm程度である。
【0024】本発明によれば、α−Fe23 基板3上
にCoxOyのバッファ層2を介して合金磁性膜1を形
成したので、合金磁性膜1の成膜後の熱処理時に、合金
磁性膜1が還元剤として働いても、その還元力をCox
Oyのバッファ層2で緩和して、基板3のバッファ層2
との界面に強磁性体のFe34 (マグネタイト)が生
成するのを防止できる。従って、基板3にFe34
磁性体層が生成して、合金磁性膜1と磁気的相互作用を
起こすという問題自体がなく、Fe−M−C系ナノ結晶
合金もしくはFe−M系合金からなる合金磁性膜1の高
透磁率を低下させることなく維持して、高飽和磁化、高
透磁率を有する磁性膜を得ることができる。
【0025】上記合金磁性膜1から磁気ヘッドを作製す
るには、次のようにすればよい。まず、図2に示すよう
に、合金磁性膜1上に基板3と同様なα−Fe23
基板3′をガラス4により貼り付けて、磁性膜構造体5
を作製する。図3に示すように、磁性膜構造体5を合金
磁性膜1を成膜した厚さ方向に切断し、一対のコア半体
ブロック18、19を形成し、コア半体ブロック18に
巻線溝20を形成した後、両コア半体ブロック18、1
9の突き合わせ面の接合を強固なものとするために、必
要に応じて、巻線溝20に対向したコア半体ブロック1
9の両側面部に面取部22を形成し、また、両コア半体
ブロックの前記ギャップ21とは反対側にも凹所23を
形成する。次いで、両コア半体ブロック18、19の突
き合わせ面18a、19aを研摩加工し、ギャップ部2
1を形成する。
【0026】ギャップ部21が形成された両コア半体ブ
ロック18、19は、面取り部22および凹所23にモ
ールドガラスを溶融充填するとともに、ギャップ部21
を500℃〜650℃で30分間〜1時間加熱すること
により溶融圧着する。最後に、テープ摺動面を形成する
べく、R研摩加工および他の成型加工ならびに巻線加工
を行なって、磁気ヘッド10が得られる。
【0027】以下、本発明の具体例について説明する。
【0028】実施例1 本発明に従い、α−Fe23 の基板上にCoxOyの
バッファ層を形成し、バッファ層上に合金磁性膜を形成
して、基板付き合金磁性膜を作製した。
【0029】基板には、(株)トーキン製のα−Fe2
3 基板(商品名:HN02)を用いた。バッファ層、
合金磁性膜の成膜には、DC対向ターゲット式スパッタ
を用いた。合金磁性膜の成膜は、基板にバッファ層を成
膜後、基板を真空中で1時間熱処理してから行なった。
合金磁性膜はFe−Si−Al−Hf−C合金とした。
バッファ層、合金磁性膜の成膜条件は次の通りとした。
【0030】バッファ層(CoxOy)の成膜条件 スパッタ方式 :DC対向ターゲット式 ターゲット :Co ターゲットサイズ:100mmφ スパッタガス :Ar−O2 ;Ar/O2 =35/1
5、30/20、25/25、20/30、10/4
0、0/50(sccm比) ガス圧 :1.0mTorr カソード電力 :0.5kW 基板温度 :300℃ 膜厚 :500nm
【0031】合金磁性膜(Fe−Si−Al−Hf−
C)の成膜条件 スパッタ方式 :DC対向ターゲット式 ターゲット :Fe−Si−Al−Hf−C ターゲットサイズ:100mmφ スパッタガス :Ar ガス圧 :1〜2mTorr カソード電力 :1.5kW 基板温度 :室温 膜厚 :2.7μm
【0032】上記の熱処理後のバッファ層を調べたとこ
ろ、CoO相であった。合金磁性膜の成膜後、2×10
-6Torrの高真空中で700℃、20分の熱処理を行
なった。その後、磁性膜の磁気特性を測定した。磁気特
性はフェライトヨーク法(測定周波数:2MHz)によ
る透磁率で評価した。その結果を表1に示す。なお、上
記の磁性膜の成膜条件は、装置特性上、一軸異方性がつ
きやすい条件である。
【0033】比較のために、バッファ層をAl23
形成した以外、上記と同様にして合金磁性膜を成膜し、
高真空下の熱処理後、磁性膜の磁気特性を測定した。A
23 バッファ層の成膜条件は下記の通りである。
【0034】バッファ層(Al23 )の成膜条件 スパッタ方式 :DC対向ターゲット式 ターゲット :Al ターゲットサイズ:100mmφ スパッタガス :Ar−O2 ;Ar/O2 =30/2
0(sccm) ガス圧 :1.0mTorr カソード電力 :0.5kW 基板温度 :300℃ 膜厚 :100nm
【0035】
【表1】
【0036】本発明による基板付き合金磁性膜では、基
板上にCoxOy(=CoO)のバッファ層を介して合
金磁性膜を形成したので、合金磁性膜の成膜後の熱処理
を行なっても、表1に示されるように、磁化容易軸方
向、磁化困難軸方向とも透磁率を高く維持でき、Cox
Oyバッファ層成膜時の酸素導入比(sccm比)が6
0%以下で透磁率を、Al23 バッファ層のときに比
べて10%以上、改善できている。従って、CoxOy
バッファ層成膜時の酸素導入比(sccm比)は60%
以下とすべきであり、60%より多くなるとCoxOy
バッファ層の結晶性が悪くなる問題も出てくる。
【0037】実施例2 下記の成膜条件によりCoxOyバッファ層を形成し、
その後、真空中で1時間の熱処理を施した場合と、施さ
ない場合の2条件でバッファ層を成膜した。その他は実
施例1と同様にした。
【0038】バッファ層(CoxOy)の成膜条件 スパッタ方式 :DC対向ターゲット式 ターゲット :Co ターゲットサイズ:100mmφ スパッタガス :Ar−O2 ;Ar/O2 =11/
9、10/10(sccm比) ガス圧 :1.0mTorr カソード電力 :0.5kW 基板温度 :300℃ 膜厚 :500nm
【0039】本実施例において、成膜した熱処理前のバ
ッファ層はCo34 相であった。また熱処理後のバッ
ファ層はCoO相であった。合金磁性膜の成膜後、実施
例1と同様に、2×10-6Torrの高真空中、700
℃、20分の熱処理を行なってから、磁性膜の磁気特性
を測定したときの結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2に示されるように、バッファ層がCo
34 相、CoO相のいずれであっても透磁率は増加す
るが、Co34 相の方が磁気特性が良好である。これ
は、合金磁性膜の成膜後の高真空下の熱処理時に、Co
34 →CoOz+Oと酸素を放出するため、合金磁性
膜による還元を防止する効果が高いためと考えられる。
【0042】実施例3 下記の成膜条件に示すように、CoxOyバッファ層の
膜厚を100nm〜10μm、バッファ層形成後に真空
中で1時間の熱処理を施す場合と施さない場合の条件
で、バッファ層を成膜した。その後、バッファ層上に合
金磁性膜を成膜した。その他は実施例2と同様にした。
【0043】バッファ層(CoxOy)の成膜条件 スパッタ方式 :DC対向ターゲット式 ターゲット :Co ターゲットサイズ:100mmφ スパッタガス :Ar−O2 ;Ar/O2 =11/9
(sccm比) ガス圧 :1.0mTorr カソード電力 :0.5kW 基板温度 :300℃ 膜厚 :100nm、200nm、400n
m、800nm、1.4μm、3μm、5μm、10μ
【0044】本実施例において、成膜した熱処理前のバ
ッファ層はCo34 相、熱処理後のバッファ層はCo
O相であった。合金磁性膜の成膜後、実施例2と同様
に、2×10-6Torrの高真空中、700℃、20分
の熱処理を行なってから、磁性膜の磁気特性を測定した
ときの結果を図4に示す。図4の縦軸は平均透磁率であ
る。
【0045】図4に示されるように、バッファ層がCo
O相の場合、バッファ層の厚さの相違による合金磁性膜
の磁気特性の違いは基本的にない。バッファ層を微細構
造観察したところによれば、バッファ層が厚くなるに従
って、バッファ層を形成するCoOの結晶粒が大きくな
り、バッファ層組織の劣化が認められた。従って、バッ
ファ層がCoO相の場合、必要以上にバッファ層を厚く
することはない。一般的には1μm以下である。
【0046】一方、バッファ層がCo34 相の場合、
バッファ層の厚さが800nm以上となると、合金磁性
膜の成膜後の加熱処理後、合金磁性膜に剥離が観察され
た。バッファ層の厚さが400nm以下では、バッファ
層の厚さの相違による合金磁性膜の磁気特性の違いは基
本的に認められない。従って、バッファ層がCo34
相の場合、バッファ層の厚さは800nm未満が好まし
い。
【0047】なお、本実施例の基板付き合金磁性膜か
ら、図2および図3で説明したようにして磁気ヘッドを
作製し、磁気記録媒体への情報の磁気記録および読み取
りに使用したところ、問題なく作動することを確認し
た。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
Fe−M−C系ナノ結晶合金もしくはFe−M系合金か
らなる合金磁性膜を、α−Fe23 の基板上にCox
Oyのバッファ層を介して形成したので、合金磁性膜の
成膜後の熱処理時に、バッファ層で磁性膜による還元力
を緩和して、基板にバッファ層との界面で強磁性体のF
34 (マグネタイト)が生成するのを防止できる。
従って、基板にFe34 強磁性体層が生成されること
による合金磁性膜との磁気的相互作用をなくして、Fe
−M−C系ナノ結晶合金もしくはFe−M系合金の磁性
膜の高透磁率を低下させることなく維持でき、高飽和磁
化、高透磁率を有する磁性膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる基板付き合金磁性膜の層構成を
示す断面図である。
【図2】図1の合金磁性膜による磁気ヘッド作製時の磁
性膜構造体を示す断面図である。
【図3】図2の磁性膜構造体から作製した磁気ヘッドを
示す斜視図である。
【図4】実施例の富酸素層成膜時の酸素導入量と磁気特
性との関係を示した図である。
【符号の説明】
1 合金磁性膜 2 バッファ層 3 基板 3′ 基板 4 ガラス 5 磁性膜構造体 10 磁気ヘッド 18、19 コア半体 21 ギャップ部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−Fe23 の基板上にバッファ層を
    介して、Fe−M−C系ナノ結晶合金(ただし、M: I
    VB族、VB族、IIIA族、IVA 族の元素)もしくはFe−M
    系合金(ただし、M: IVB族、VB族、IIIA族、IVA 族の
    元素)からなる合金磁性膜を形成した磁気ヘッド用基板
    付き合金磁性膜において、バッファ層をCoxOy(た
    だし、y/x=1〜4/3の数値)で形成したことを特
    徴とする磁気ヘッド用基板付き合金磁性膜。
  2. 【請求項2】 CoxOyがCoOである請求項1の合
    金磁性膜。
  3. 【請求項3】 CoxOyがCo34 である請求項1
    の合金磁性膜。
  4. 【請求項4】 Fe−M−C系ナノ結晶合金が、Fe−
    Si−Al−Hf−Ta−C、Fe−Si−Al−Hf
    −C、Fe−Hf−C、Fe−Si−Hf−CおよびF
    e−Si−Hf−Ta−Cよりなる群から選ばれる1種
    である請求項1〜3のいずれかの項に記載の合金磁性
    膜。
  5. 【請求項5】 Fe−M系合金が、Fe−Si−Al、
    Fe−SiおよびFe−Alよりなる群から選ばれる1
    種を主成分とする合金である請求項1〜3のいずれかの
    項に記載の合金磁性膜。
  6. 【請求項6】 α−Fe23 の基板上にバッファ層を
    形成し、所望により熱処理を施した後、バッファ層上に
    Fe−M−C系ナノ結晶合金(ただし、M:IVB族、VB
    族、IIIA族、IVA 族の元素)もしくはFe−M系合金
    (ただし、M:IVB族、VB族、IIIA族、IVA 族の元素)
    からなる合金磁性膜を形成し、その後さらに熱処理を施
    す、磁気ヘッド用基板付き合金磁性膜の製造方法におい
    て、バッファ層としてCoxOy(ただし、y/x=1
    〜4/3の数値)の層を形成したことを特徴とする磁気
    ヘッド用基板付き合金磁性膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 バッファ層を、スパッタにより酸素含有
    量がsccm比で30%以上60%以下の酸素ガス含有
    不活性ガス下で形成した請求項6の製造方法。
  8. 【請求項8】 Fe−M−C系ナノ結晶合金が、Fe−
    Si−Al−Hf−Ta−C、Fe−Si−Al−Hf
    −C、Fe−Hf−C、Fe−Si−Hf−CおよびF
    e−Si−Hf−Ta−Cよりなる群から選ばれる1種
    である請求項6または7の製造方法。
  9. 【請求項9】 Fe−M系合金が、Fe−Si−Al、
    Fe−SiおよびFe−Alよりなる群から選ばれる1
    種を主成分とする合金である請求項6または7の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 二つのコア半体を所定ギャップ長にて
    突き合わせて接合することにより構成される磁気ヘッド
    において、前記各コア半体は、α−Fe23 の基板上
    にCoxOy(ただし、y/x=1〜4/3の数値)か
    らなるバッファ層を介して積層することによって、Fe
    −M−C系ナノ結晶合金(ただし、M: IVB族、VB族、
    IIIA族、IVA 族の元素)もしくはFe−M系合金(ただ
    し、M: IVB族、VB族、IIIA族、IVA 族の元素)からな
    る合金磁性膜を形成したことを特徴とする磁気ヘッド。
  11. 【請求項11】 CoxOyがCoOである請求項10
    の磁気ヘッド。
  12. 【請求項12】 CoxOyがCo34 である請求項
    10の磁気ヘッド。
  13. 【請求項13】 Fe−M−C系ナノ結晶合金が、Fe
    −Si−Al−Hf−Ta−C、Fe−Si−Al−H
    f−C、Fe−Hf−C、Fe−Si−Hf−Cおよび
    Fe−Si−Hf−Ta−Cよりなる群から選ばれる1
    種である請求項11または12の磁気ヘッド。
  14. 【請求項14】 Fe−M系合金が、Fe−Si−A
    l、Fe−SiおよびFe−Alよりなる群から選ばれ
    る1種を主成分とする合金である請求項11または12
    の磁気ヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6842306B2 (en) * 2002-10-31 2005-01-11 Hitachi Global Storage Technologies Magnetic head having highly thermally conductive insulator materials containing cobalt-oxide

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