JPH10131902A - シリンダ位置決め制御装置 - Google Patents

シリンダ位置決め制御装置

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JPH10131902A
JPH10131902A JP30550396A JP30550396A JPH10131902A JP H10131902 A JPH10131902 A JP H10131902A JP 30550396 A JP30550396 A JP 30550396A JP 30550396 A JP30550396 A JP 30550396A JP H10131902 A JPH10131902 A JP H10131902A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、シリンダ位置決め制御装置にお
いて、ピストンを停止させるときに、背圧を作用させて
ピストンを減速させ、その後に制動を行うことにより、
制動時の衝撃の発生を防止させることを課題とする。 【解決手段】 本発明は、シリンダ位置決め制御装置
において、次の手段A〜Fを備えることを構成とする。 A.背圧減速の行程Spb及び時間遅れTv の初期値とし
て経験値を入力する手段。 B.ピストン前進又は後退の指令信号を出力する手段。 C.ピストンの変位Xと速度Vを入力する手段。 D.背圧指令信号を出力する位置Xp(k)を決定する手
段。 E.ピストンの変位Xが背圧を作用させる位置の条件X
≧Xp(k)を満たすか否かを判断し、前記条件を満たすと
きに背圧指令信号を出力する手段。 F.背圧指令信号の出力後の経過時間Tと時間遅れTv
とが、T≧Tv の条件を満たすか否かを判断し、前記条
件を満たすときに制動信号を出力する手段。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繰り返し動作する
シリンダを、目標位置に停止させるシリンダ位置決め制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ピストンロッドを制動するブレー
キ機構と、該ピストンロッドの位置を検出する位置セン
サを備え、オーバーラン距離のみでなくシリンダ速度を
も取り込む学習制御でシリンダの位置決めを行って、ピ
ストンロッドの移動を制御して目標位置にシリンダを停
止させるシリンダ位置決め制御装置が知られている。
(特開平8−210302号公報参照)。従来のシリン
ダ位置決め制御装置を用いて位置決めを行う場合、ピス
トンが目標位置に近づくとき、背圧による減速を行うこ
となく、ブレーキ機構を作動させて直接制動を行って
(直接制動方式で)ピストンを停止させていた。この直
接制動方式は、ブレーキ片とピストンロッドとの間の摺
動摩擦によりピストンの減速と停止を行わせるので、制
動力が大きく、高速大負荷の場合には大きな衝撃を生ず
ることとなる。この衝撃は、ピストンの作動安定性を悪
化させるだけでなく、ブレーキ片とピストンロッドの寿
命を短くし、大きな騒音の原因となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、シリンダ位
置決め制御装置において、ピストンを停止させるとき
に、背圧を作用させてピストンを減速させ、その後に制
動を行うことにより、制動時の衝撃の発生を防止させる
ことを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を達
成するために、シリンダ位置決め制御装置において、次
の手段AないしFを備えることを第1の構成とする。 A.背圧減速の行程Spb及び時間遅れTv の初期値とし
て経験値を入力する手段。 B.ピストン前進又は後退の指令信号を出力する手段。 C.ピストンの変位Xと速度Vを入力する手段。 D.式〔Xp(k)=目標位置Xd −V(Tvr+Ttr)−S
pb(k) の予測値〕を用いて背圧指令信号を出力する位置
Xp(k)を決定する手段。ここに、Tvrは電磁弁の応答時
間、Ttrは電磁弁からシリンダまでの圧力伝播時間であ
る。 E.ピストンの変位Xが背圧を作用させる位置の条件X
≧Xp(k)を満たすか否かを判断し、前記条件を満たすと
きに背圧指令信号を出力する手段。 F.背圧指令信号の出力後の経過時間Tと時間遅れTv
とが、T≧Tv の条件を満たすか否かを判断し、前記条
件を満たすときに制動信号を出力する手段。 本発明は、前記課題を達成するために、シリンダ位置決
め制御装置において、次の手段AないしKを備えること
を第2の構成とする。 A.ピストン前進又は後退の指令信号を出力する手段。 B.ピストンの変位Xと速度Vを入力する手段。 C.背圧指令信号を出す位置Xp(k)を決定する手段。 D.ピストンの変位Xが背圧を作用させる位置の条件X
≧Xp(k)を満たすか否かを判断し、前記条件を満たすと
きに背圧指令信号を出力する手段。 E.条件X≧Xp(k)を満たすときに検出した速度Vp(k)
を入力する手段。 F.背圧指令信号の出力後の経過時間Tと時間遅れTv
とが、T≧Tv の条件を満たすか否かを判断し、前記条
件を満たすときに制動信号を出力する手段。 G.ピストン停止後に変位の最大値Xm 、ピストンの停
止位置Xs を入力する手段。 H.ピストンの復帰後に周期動作が終わったか否かを判
断し、周期動作が終わっていないときは、制動誤差Se
を決定する手段。 I.ファジィ推論により精確値ΔTv(k)を決定する手
段。 J.手段Iで得られたΔTv(k)を使い、Tv( k+1)=T
v(k)+ΔTv(k)により、次回の時間遅れTv を修正する
手段。 K.次回の背圧減速の行程Spbの予測値を演算する手
段。 本発明は、前記のシリンダ位置決め制御装置において、
次式(a),(b) を用いて制動誤差Se を決定し、次式(c)
を用いて背圧指令信号を出す位置Xp(k)を決定し、図8
に示す式(6) を用いて精確値ΔTv(k)を決定することを
第3の構成とする。 Se =Xv −Xm Xs =Xm Se =Xm −Xs Xs <Xm (a) Xv =Xp +Vp(Tvr+Ttr) +Vp(Tv −Tvr−Ttr+Tr)/2 (b) Xp(k)=目標位置Xd −V(Tvr+Ttr)−Spb(k) の予測値 (c) ここに、Tr は、制動の無駄時間であって、Tvr、Ttr
とTbrの和であり、Tvrは電磁弁の応答時間、Ttrは電
磁弁からシリンダまでの圧力伝播時間であり、Tbrは制
動装置の無駄時間であり、式(6) においてL(*)とF
(*)はそれぞれΔTv の出力区域の三角形の、底辺の
長さと重心の横座標である。
【0005】
【発明の実施の形態】図1は本発明をエアシリンダ10に
適用した実施の形態を示す。図1において、エアシリン
ダ10の先端に制動装置(ブレーキ装置)13が配設され、
エアシリンダ10にピストン11が摺動自在に嵌合されてい
る。ピストン11に連結されたピストンロッド12が、制動
装置13内に挿通され、ピストンロッド12の先端に慣性負
荷14が連結されている。エアシリンダ10の内部は、ピス
トン11によってヘッド側室16と背圧室(ロッド側室)17
に区分され、ヘッド側室16は配管50によって電磁弁Aの
Aポートに連通され、配管50には第1スピードコントロ
ーラ23が配設されている。同様に背圧室17は配管51によ
って電磁弁BのAポートに連通され、配管51には第2ス
ピードコントローラ24が配設されている。電磁弁AのP
ポートは駆動用減圧弁19の流出側ポートに連通され、電
磁弁BのPポート及び駆動用減圧弁19の流入側ポートは
空気圧源22に連通されている。
【0006】制動装置13には不図示の作動側室(シリン
ダ室)と非作動側室とがあり、作動側室は配管52を介し
てブレーキ用の電磁弁CのAポートに連通され、非作動
側室は配管53を介して電磁弁CのBポートに連通されて
いる。電磁弁CのPポートは、ブレーキ用減圧弁20の流
出側ポートに連通され、ブレーキ用減圧弁20の流入側ポ
ートは空気圧源22に連通されている。ピストン11の位置
は位置検出器26によって連続的に検出され、位置検出器
26の出力は配線を通して信号処理手段27に入力され、信
号処理手段27の出力はコンピュータ28に入力される。コ
ンピュータ28の出力は増幅器29により増幅されて電磁弁
A〜Cに伝送される。
【0007】図1に示す位置において、制動装置13の作
動側室は電磁弁CのAポート・Rポートを通って大気に
排気され、制動装置13の非作動側室には空気圧源22から
の圧縮空気がブレーキ用減圧弁20、電磁弁CのPポート
・Bポートを通って流入する。このとき、ブレーキは非
制動状態であって、エアシリンダ10のヘッド側室16及び
背圧室17は大気に連通されているので、ピストン11は停
止され、ピストン11の両側に作用する力は、概ね大気圧
とされている。
【0008】図1・図2によりエアシリンダ10の操作に
ついて説明する。電磁弁Aの操作部にスイッチ制御信号
(電磁弁オン信号)を送ると、電磁弁Aが位置Iから位
置IIに切り換えられ、駆動用減圧弁19により減圧された
圧縮空気が、電磁弁AのPポート・Aポート、配管50を
通ってエアシリンダ10のヘッド側室16に流入する。エア
シリンダ10の背圧室17内の空気は、配管51、スピードコ
ントローラ14、電磁弁BのAポート・Rポートを通って
大気に排出され、ピストン11が前進する。ピストン11の
変位Xは位置検出器26により検出され、後述のとおり背
圧指令信号を出力するピストン変位Xp が、電磁弁Bの
制御信号として設定される。従って、コンピュータ28が
X≧Xp であることを判断すると、コンピュータ28から
電磁弁Bの操作部へオン信号が送られ、電磁弁Bが位置
Iから位置IIに切り換えられる。電磁弁Bの切換によ
り、空気圧源22からの減圧されていない圧縮空気が、電
磁弁BのPポート・Aポート、配管51を通ってエアシリ
ンダ10の背圧室17に流入する。このとき、電磁弁Aは位
置IIを維持しているので、背圧室17に流入する圧縮空気
はピストン11に背圧として作用し、ピストン11の前進運
動が減速される。
【0009】電磁弁Bを操作してから時間Tv が経過後
に、ピストン11の速度が略ゼロに減速されたとき、コン
ピュータ28から電磁弁Cの操作部へオン信号が送られ、
電磁弁Cが位置Iから位置IIに切り換えられる。電磁弁
Cが位置IIに切り換えられると、減圧弁20で減圧された
圧縮空気が、電磁弁CのPポート・Aポート、配管52を
通って制動装置13の作動側室に流入し、極めて低速で移
動するピストンロッドをブレーキ片が締め付け、安定し
た制動が実現する。なお、本発明では、ピストン変位X
p を自己学習方法により随時に補正し、ピストン11の位
置決め誤差が収束するようにする。また、時間おくれT
v をファジィ推論により随時に補正し、ピストン11の速
度がゼロ近くのときにブレーキをかけるようにする。
【0010】図3には、背圧を作用させない直接制動
と、背圧の作用により減速させてから制動する背圧減速
制動について示されている。前記のとおり、ピストン11
が安定した前進運動に入った後、電磁弁Bを位置Iから
位置IIに切り換えると、背圧室17が排気状態から給気状
態に変わり、ピストン11の力バランスが崩れ、ピストン
11の速度が略ゼロに低下する。図3から分かるように、
直接制動の過程と比べ、背圧減速制動の過程は速度及び
加速度の変化が滑らかであり、背圧減速制動によりピス
トン11の運動安定性が大いに改善され、ブレーキ片とピ
ストンロッド表面との衝撃が避けられている。
【0011】背圧減速制動を利用して位置決めを実現さ
せるために必要な、背圧減速過程の特性について説明す
る。特性をあらわすパラメータとして、背圧減速過程の
行程(距離)をSpbとし、時間をTprとする。そして、
背圧が上昇し始める時点からピストン11が速度ゼロに減
速する時点までの過程において、Spbはピストン11が移
動した距離であり、Tprはこの過程の時間である。Spb
とTprの影響因子として、主に慣性負荷M、安定速度V
∞及び背圧開始位置Xvs(背圧を作用させるときのピス
トン11の位置)が考えられる。なお、Xvsは背圧を作用
させるときのエアシリンダ10のヘッド側室16と背圧室17
の容積関係をあらわしている。SpbとTprは、前記の3
つの影響因子の関数として、次のようにあらわすことが
できる。 Spb=FS(M,V∞,Xvs) (1) Tpr=FT(M,V∞,Xvs) (2) この2つの関数は、複雑で把握し難いので、ファジィ推
論と自己学習を使ってこの未知過程に対して制御を行う
しかない。
【0012】ファジィ推論を用いたファジィ制動につい
て説明する。背圧減速過程の考察から、実際の減速時間
Tprを正確に予測できれば、時間遅れTv の理想値は、 Tv =Tpr−Tbr (3) として求められる。ここに、Tbrは制動装置の無駄時間
(一定値)である。簡単にするため、電磁弁Bと電磁弁
Cの応答時間が等しく共にTvrとし、また電磁弁Bから
エアシリンダ10の背圧室17までの配管51中の圧力伝播時
間と、電磁弁Cから制動装置13の作動側室(シリンダ
室)までの配管52中の圧力伝播時間が等しく、共にTtr
とする。Tprが未知であるので、ここではファジィ推論
によってその値を得る。ファジィ推論とは、入力と出力
との間の関係が不精確か未知である制御対象に対し、経
験値を利用してファジィ推論規則を確立することによ
り、入力と出力との間の関係を構築する知能制御方法で
ある。
【0013】非理想の時間遅れTv の値のときの減速制
動結果について検討し、次に制御目標によってファジィ
推論の入出力変数を確立しておく。Tv が理想値より小
さい、即ちTv の予測値が小さい場合は、制動は減速途
中で起こり、一定の制動距離が生ずることとなる。逆
に、Tv が理想値より大きい、即ちTv の予測値が大き
い場合は、制動はピストン11の停止よりも遅れるため、
位置の維持に不利であるだけでなく、目標位置がピスト
ン11のストロークエンドに近いほど、背圧の瞬時上昇に
よるピストン11のバウンド現象が発生し易くなる。この
2種類の制動結果の概念図を図4に示す。ここでは、制
動点をXv とし、減速制動過程の最大変位点をXm と
し、停止点をXs として表した。なお、ケース2では、
最大変位点Xm に達した後に戻って停止した。
【0014】これにより、ファジィ推論の入力変数を Se =Xv −Xm Xs =Xm Se =Xm −Xs Xs <Xm (4) と決める。ファジィ推論の目的は、制動誤差Se を収束
させることである。式(4) におけるXv はピストン変位
Xp の点での速度Vp の検出により、次のように得られ
る。 Xv =Xp +Vp(Tvr+Ttr) +Vp(Tv −Tvr−Ttr+Tr)/2 (5) ここに、Tr は、制動の無駄時間であって、Tvr、Ttr
とTbrの和である。
【0015】背圧減速過程の時間Tprは、ファジィ推論
の目標値である。ΔTv がΔTprに等しいので、ファジ
ィ推論の出力変数をΔTv と決める。Se とΔTv との
関係を考えると、第k回の動作において、Se が負なら
ば、Tv は割りに小さいことを意味しているので、第k
+1回の動作において、Tv を増大しなければならな
い。すなわち、ΔTv は正にならなければならない。反
対もまた同じである。ファジィ変数及びファジィルール
を次のとおり定義する。 NB:負大 R1=もしSe がNBならばΔTv はPBである。 NS:負小 R2=もしSe がNSならばΔTv はPSである。 ZR:零 R3=もしSe がZRならばΔTv はZRである。 PS:正小 R4=もしSe がPSならばΔTv はNSである。 PB:正大 R5=もしSe がPBならばΔTv はNBである。
【0016】図5に示すように、各ファジィ変数のメン
バーシップ関数はすべて三角波形関数を採用している。
ファジィルール及びメンバーシップ関数は専門家の経験
によって決められたものである。これはファジィ制御の
特徴でもある。本発明に用いた専門家の経験は、予備実
験データに基づき、制御効果からパラメータを繰り返し
て修正することにより得られたものである。本発明にお
けるファジィ推論は、質量重心法により決められる。こ
の方法は連続ファジィ制御の一種に属し、具体的な操作
は次のとおりである。すなわち、第k回の動作後に得ら
れたSe に対して、Se 入力区域のメンバーシップ関数
により、一つ又は二つのファジィ変数の適合度f(*)
(即ち縦軸座標、値の範囲は0〜1)を決め、更にファ
ジィルールにより適合度を出力区域に映して、一つ又は
二つの同じ高さの影三角形を得る(図5参照)。影三角
形の面積は、いわゆる「質量」である。これらの影三角
形の総重心の横座標を求めることによって、ファジィ推
論の出力変数の精確値ΔTv を得る。更に、この値を使
いTv を修正して第k+1回の動作を行うということで
ある。この方法は、計算が簡単で入出力関係が明瞭であ
る。計算式は図8の式(6) のとおりである。ただし、L
(*)とF(*)はそれぞれΔTv の出力区域の三角形
の、底辺の長さと重心の横座標である。 次に一つの例
を示す。Se =1.0 のとき、メンバーシップ関数によ
り、f(ZR)は約0.33で、f(PS)は0.67となる。対応して
いる影三角形の重心は図8の式(6-1) によって求められ
る。
【0017】学習制御による学習位置決めについて説明
する。背圧減速過程の学習位置決めを検討するために、
背圧減速過程を背圧減速反応段階と背圧減速段階という
二つの段階に分ける。ピストンのこの二つの段階での行
程をそれぞれSpa、Spbとする。背圧減速過程の変位オ
ーバーラン量は、 Sp =Spa+Spb (7) となる。Spaは次式(8) により得られる。 Spa=(Tvr+Ttr)・Vp (8) Sp の式においてSpbだけは未知であるので、Spbは背
圧減速学習制御の目標対象となる。学習コントローラは
式(8) 〜(12)のように設計される。なお、式(11)及び(1
2)は図8に(11)及び(12)として示されている。 S’pb(k) =Xm(k)−Xp(k)−Spa(k) (9) Spb(k) =S’pb(k) −λ・Se Se <0 Spb(k) =S’pb(k) Se ≧0 (10)
【0018】減速途中での制動がSpbの予測に与える影
響を考えるために、補償因子λを導入して制動による行
程の短縮部分に対し補償を行う。位置決め誤差の収束速
度に影響を与えないようにするため、λの値は一般に大
きく選ばれる。特にSpbの初期値が実際値から大きく離
れている場合、通常、λを2〜5とする。直接制動位置
決めと比べて、背圧減速制動位置決めは収束が遅く、収
束までに通常3〜5回の学習が必要である。図7には、
単目標点の周期動作においてファジィ制動と学習位置決
めによる収束過程を示す。図7から、制動誤差Se と位
置決め誤差eは数回の学習を経て収束し、一定に保たれ
ていることが分かる。これは、ファジィ推論及び自己学
習を用いて背圧減速制動により位置決め制御を行うこと
が可能でありかつ有効であることを示している。
【0019】次に図6のフローチャートを参照してシリ
ンダ位置決め制御装置の制御について説明する。制御の
プログラムが開始すると、ステップS1において、エア
シリンダ10のピストン11が長時間停止しているか否かを
判断する。ピストン11が長時間停止しているときは、静
摩擦力を小さくし、電磁弁B・Cの応答時間Tvrと制動
装置13の無駄時間Tbrを安定させるために、制動装置13
を予め2回作動させてから動作させることとしている。
前記のTvr,Tbr及び電磁弁B・Cからシリンダまでの
圧力伝播時間Ttrには事前の測定値が使われる。ステッ
プS1において、ピストン11が長時間停止していないと
判断されたときはステップS3に進み、長時間停止した
と判断されたときはステップS2でブレーキ装置13のオ
ン・オフ作動を2回行い、その後にステップS3に進
む。
【0020】ステップS3において、背圧減速の行程S
pb及び時間遅れTv の初期値を決定する。Spb及びTv
の初期値として、目標位置と負荷を考慮した、収束値に
近い経験値を用いる。ステップS4において、電磁弁A
オンの信号を出力して、ピストンを前進させる。前回の
復帰状態で電磁弁Bがオンのときは電磁弁Bをオフとす
る。図1に示す状態で電磁弁Aがオンとなって位置IIに
切り換えられ、電磁弁B・Cはオフの状態を維持し位置
Iにあるので、ピストン11が前進を開始する。ステップ
S5において、位置検出器26からの入力信号から、0.
5msのサンプリング周期でピストン変位Xを検出し、
これを微分して速度Vを得てコンピュータ28に入力す
る。
【0021】ステップS6において、背圧指令信号を出
力する位置Xp(k)を決定する。図8の式(13)の右辺の最
後の項が既知で、速度Vが連続的に検出されるという条
件の下で式(8) と式(12)により図8の式(13)〔Xp(k)=
目標位置Xd −V(Tvr+Ttr)−Spb(k) の予測値〕
が求められる。図8の式(14)は電磁弁Bがオンになって
からピストン11が停止するまでのピストン11の行程を表
すので、図8の式(13)の右辺の最後の項(予測値)が真
実値に近いならば、位置Xp(k)で電磁弁Bをオンにした
ら、ピストン11を目標位置Xd で停止させることができ
る。ステップS7において、ピストンの変位Xが背圧を
作用させる位置の条件X≧Xp(k)を満たしているか否か
について判断する。この条件を満たしていないときはス
テップS5へ戻り、満たしているときはステップS8へ
移る。ステップS8において、背圧指令信号(電磁弁B
オン)を出力する。このとき、電磁弁Bがオンとなって
位置Iから位置IIに切り換えられ、圧縮空気がエアシリ
ンダ10の背圧室17に流入され、ピストン11の前進運動は
背圧の作用によって減速される。
【0022】ステップS9において、条件X≧Xp(k)
を満足するときに検出した速度VはVp(k)であり、これ
をコンピュータに読み取り入力する。Vp(k)をSpb(k+
1)の予測に使う(式(8),(9) 参照) 。ステップS10に
おいて、背圧指令信号の出力後の経過時間Tと時間遅れ
Tvとが、T≧Tv の条件を満たしているか否かについ
て判断する。この条件を満たしていないときはステップ
S10へ戻り、満たしているとき(ピストン11の速度が
ゼロ近くに減速したとき)はステップS11へ移る。ス
テップS11で制動信号が出力され、電磁弁Cが位置I
から位置IIに切り換えられ、圧縮空気が制動装置13の作
動側室に流入し、ブレーキ片によってピストンロッドが
挟持される。
【0023】ステップS12において、ピストンが停止
したか否か、1秒以内で変位のサンプリング値が等しい
か否かについて判断する。停止していない(前記サンプ
リング値が等しくない)ときはステップS12へ戻り、
停止した(前記サンプリング値が等しい)ときはステッ
プS13へ移る。ステップS13において、変位のサン
プリング値の最大値Xm 、及びピストンの停止位置Xs
を検出し、これをコンピュータに読み取り入力する。こ
れらの値と式(4) を用いて制動誤差Se が計算される。
ステップS14において、ピストンの復帰信号を出す。
復帰信号は電磁弁A及びCをオフとする信号であり、こ
の信号により電磁弁A及びCがともに位置IIから位置I
に切り換えられ、電磁弁Bは位置II(オン)を維持して
おり、ピストン11は後退する。
【0024】ステップS15において、ピストン11が復
帰したか否か、すなわちピストンの変位X=0か否かに
ついて判断する。この条件を満たしていないときはステ
ップS15へ戻り、満たしているときはステップS16
へ移る。ステップS16において、周期動作が終わった
か否か、すなわちピストン11の停止位置が目標位置であ
ったか否かについて判断する。周期動作が終わったとき
は終了へ移り、周期動作が終わっていないときはステッ
プS17へ移る。なお、本発明では、周期動作はファジ
ィ推論と自己学習制御の前提となり、何回かの周期動作
を経て目標値へ達する。ステップS17において、式
(4),(5) により制動誤差Se を決定する。これは本発明
のファジィ推論のキーポイントで重要な意味を持ってい
る。Se は遅れ時間Tv に非常に大きく影響されるの
で、Tv の値は理想でなければ、直ちにSeに現れてく
る。従って、Tv の値を修正する目的は、Se をゼロへ
収束させるためである。Se をゼロに収束するのは制動
の安定性を保証する。Xm =Xs のとき、式(5) により
計算したXv は実際の制動点であるわけではないので、
この場合、Tv の値の不適当さによるSe への影響はさ
らに大きくなる。
【0025】ステップS18において、ファジィ推論に
より精確値ΔTv を決定する。すなわち図8の式(6) を
用いて、Se の値からΔTv を決める。Se がゼロにな
らないことは、Tv の値が不適当であることを意味して
いる。すなわち、Tprの予測値は不精確だということで
ある。ファジィ推論の目的は、Se をゼロに収束させ、
Tprの真実値を得るためである。ステップS19におい
て、前回kの動作から得たΔTv を使い、次回k+1の
時間遅れを式〔Tv( k+1)=Tv(k)+ΔTv(k)〕により
修正する。ステップS20において、式(9),(10),(11)
により、次回の背圧減速の行程Spbを演算する。
【0026】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のものでは、ピス
トンを前進させ、最適の位置でピストンに背圧を作用さ
せて減速し、ピストン速度がゼロに近づいたときにブレ
ーキをかけて停止させる。従って、ピストンの運動が極
めて安定しており、停止に伴う衝撃を完全に防ぐことが
でき、ピストンの安定的な制動を実現することができ
た。本発明の請求項2及び3記載のものでは、制動信号
の出力時期を決める時間遅れTv をファジィ推論により
随時に補正し、ピストンを制動前に速度ゼロ近くまで減
速させる。それとともに、背圧指令信号を出力するピス
トン変位Xp を自己学習方法により随時に補正し、ピス
トンの位置決め誤差を次第に最小に減少させる。こうし
て、精度の高い位置決めを実現することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の位置決めシステムの構成
図である。
【図2】本発明の実施の形態のピストン変位と電磁弁の
操作との関係を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態の直接制動と背圧減速制動
との運動特性の比較図である。
【図4】本発明の実施の形態における、非理想のTv 値
のときの二種類の制動効果を示す図である。
【図5】ファジィ推論の入出力変数のメンバーシップ関
数を示す。
【図6】本発明の実施の形態のシステムのフローチャー
トを示す。
【図7】本発明の実施の形態における、学習の繰り返し
に伴う誤差の変移を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における式の一部を示す。
【符号の説明】
11 ピストン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の手段AないしFからなるシリンダ位
    置決め制御装置。 A.背圧減速の行程Spb及び時間遅れTv の初期値とし
    て経験値を入力する手段。 B.ピストン前進又は後退の指令信号を出力する手段。 C.ピストンの変位Xと速度Vを入力する手段。 D.式〔Xp(k)=目標位置Xd −V(Tvr+Ttr)−S
    pb(k) の予測値〕を用いて背圧指令信号を出力する位置
    Xp(k)を決定する手段。ここに、Tvrは電磁弁の応答時
    間、Ttrは電磁弁からシリンダまでの圧力伝播時間であ
    る。 E.ピストンの変位Xが背圧を作用させる位置の条件X
    ≧Xp(k)を満たすか否かを判断し、前記条件を満たすと
    きに背圧指令信号を出力する手段。 F.背圧指令信号の出力後の経過時間Tと時間遅れTv
    とが、T≧Tv の条件を満たすか否かを判断し、前記条
    件を満たすときに制動信号を出力する手段。
  2. 【請求項2】 次の手段AないしKからなるシリンダ位
    置決め制御装置。 A.ピストン前進又は後退の指令信号を出力する手段。 B.ピストンの変位Xと速度Vを入力する手段。 C.背圧指令信号を出す位置Xp(k)を決定する手段。 D.ピストンの変位Xが背圧を作用させる位置の条件X
    ≧Xp(k)を満たすか否かを判断し、前記条件を満たすと
    きに背圧指令信号を出力する手段。 E.条件X≧Xp(k)を満たすときに検出した速度Vp(k)
    を入力する手段。 F.背圧指令信号の出力後の経過時間Tと時間遅れTv
    とが、T≧Tv の条件を満たすか否かを判断し、前記条
    件を満たすときに制動信号を出力する手段。 G.ピストン停止後に変位の最大値Xm 、ピストンの停
    止位置Xs を入力する手段。 H.ピストンの復帰後に周期動作が終わったか否かを判
    断し、周期動作が終わっていないときは、制動誤差Se
    を決定する手段。 I.ファジィ推論により精確値ΔTv(k)を決定する手
    段。 J.手段Iで得られたΔTv(k)を使い、Tv( k+1)=T
    v(k)+ΔTv(k)により、次回の時間遅れTv を修正する
    手段。 K.次回の背圧減速の行程Spbの予測値を演算する手
    段。
  3. 【請求項3】 次式(a),(b) を用いて制動誤差Se を
    決定し、次式(c) を用いて背圧指令信号を出す位置Xp
    (k)を決定し、図8に示す式(6) を用いて精確値ΔTv
    (k)を決定する請求項2記載のシリンダ位置決め制御装
    置。 Se =Xv −Xm Xs =Xm Se =Xm −Xs Xs <Xm (a) Xv =Xp +Vp(Tvr+Ttr) +Vp(Tv −Tvr−Ttr+Tr)/2 (b) Xp(k)=目標位置Xd −V(Tvr+Ttr)−Spb(k) の予測値 (c) ここに、Tr は、制動の無駄時間であって、Tvr、Ttr
    とTbrの和であり、Tvrは電磁弁の応答時間、Ttrは電
    磁弁からシリンダまでの圧力伝播時間であり、Tbrは制
    動装置の無駄時間であり、式(6) においてL(*)とF
    (*)はそれぞれΔTv の出力区域の三角形の、底辺の
    長さと重心の横座標である。
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