JPH10147060A - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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JPH10147060A
JPH10147060A JP8304765A JP30476596A JPH10147060A JP H10147060 A JPH10147060 A JP H10147060A JP 8304765 A JP8304765 A JP 8304765A JP 30476596 A JP30476596 A JP 30476596A JP H10147060 A JPH10147060 A JP H10147060A
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JP
Japan
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coloring layer
value
parts
thermosensitive
resin
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JP8304765A
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English (en)
Inventor
Shuichi Maeda
秀一 前田
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New Oji Paper Co Ltd
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Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録感度が高く、優れた画質を有する感熱記
録体を提供する。 【解決手段】 シート状支持体と、この支持体の一面上
に、少なくとも染料前駆体、顕色剤および自己乳化型水
分散樹脂を含有する感熱発色層用塗工液に機械的攪拌を
施して塗工し、乾燥することにより形成された多数の微
細気孔を有している感熱発色層とを有し、前記自己乳化
型水分散樹脂のI/O値(無機性値/有機性値)が0.
4から1.2の範囲にあり、かつ、前記感熱発色層表面
の平均気孔直径が0.5から50μmの範囲にある感熱
記録体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感熱記録体に関する
ものである。さらに詳しく述べるならば、本発明は記録
感度が高く、優れた画質を有する感熱記録体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】感熱記録方式は単に加熱するだけで発色
画像が得られ、記録用装置を比較的簡単にコンパクトな
ものにすることができるなどの利点が高く評価され、各
種情報記録方式として広範囲に利用されている。
【0003】特に近年、このような感熱記録方式を用い
るファクシミリ、プリンターの装置の改良が進み、従来
は困難とされていた高速記録が可能となっている。この
ような機器の高速化にともない、使用される感熱記録体
も記録感度の一層の向上が要求され、これに関する多く
の提案がなされている。
【0004】感熱記録体の記録感度向上のために、感熱
記録体の基材の断熱性が重要とされている。そこで、下
塗り層中に無機顔料よりも熱伝導率の低い疎水性有機高
分子化合物粒子を含有させる(特開昭59−17168
5号公報、特開昭60−2397号公報)方法や、更に
空気の断熱性を加味するため、中空有機高分子化合物の
微粒子を下塗り層に含有させる(特開昭59−1716
85号公報、特開昭59−225987号公報)方法な
どが提案されている。
【0005】しかし、上記の如き断熱性を付与する材料
を下塗り層中に含有させることにより、感熱層の記録感
度はある程度向上するものの、例えば無機顔料を用いた
場合には、紙を切断する際に紙粉などを生成し易い傾向
があり、また、中空有機高分子化合物の微粒子の場合に
はコストが高くなるばかりでなく、表面の平滑処理を必
要とするなどの問題点も有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
上記問題点を解消し、記録感度が高く、優れた画質を有
する感熱記録体を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の感熱記録体は、
シート状支持体と、この支持体の一面上に、少なくとも
染料前駆体、顕色剤および自己乳化型水分散樹脂を含有
する感熱発色層用塗工液に機械的攪拌を施して塗工し、
乾燥することにより形成された多数の微細気孔を有して
いる感熱発色層とを有し、前記自己乳化型水分散樹脂の
I/O値(無機性値/有機性値)が0.4から1.2の
範囲にあり、かつ、前記感熱発色層表面の平均気孔直径
が0.5から50μmの範囲にあることを特徴とするも
のである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者は、上記課題を解決する
ために、支持体の少なくとも一方の面に、染料前駆体、
顕色剤および水分散性樹脂を含有する感熱発色層用塗工
液に機械的攪拌を施すことにより多数の微細気泡を含有
させた発泡塗工液を塗工し、乾燥することにより空隙構
造(微細気孔)を有する感熱発色層を設ける方法によ
り、優れた記録感度と画質を実現できることを見出し
た。しかしながら、前記感熱発色層用塗工液では、機械
的撹拌を施すための設備の能力が十分でない場合、所期
の微細気泡が含有状態が得られないことがある。また、
設備の能力が十分である場合でも、発泡直後に塗工すれ
ば微細な表面気孔を形成し得るものの、経時的に微細気
泡が合一していき、気泡が大きくなることがあり、品質
管理上好ましくない。
【0009】そこで、微細気泡の安定性を向上する目的
で、整泡剤あるいは起泡剤と称される高級脂肪酸、高級
脂肪酸変性物、高級脂肪酸のアルカリ塩などの界面活性
剤、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ステ
アリン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウムなどを適
宜配合することによって、気泡の安定性を改善してき
た。しかし、これらの整泡剤あるいは起泡剤は、染料前
駆体、顕色剤を可溶化する能力を有するため、塗工液中
で発色反応が起こり、塗工、乾燥後の感熱発色層におい
て地肌カブリなどの問題を生じる場合がある。
【0010】本発明者は、整泡剤あるいは起泡剤なしで
も気泡安定性の優れた水分散性樹脂について、鋭意検討
した結果、親水性・疎水性バランスの尺度であるI/O
値(無機性値/有機性値)が0.4から1.2の範囲に
ある自己乳化型水分散樹脂を含有する塗工液を用いるこ
とにより、整泡剤あるいは起泡剤なしに安定な微細気泡
を形成できることを見出し、係る自己乳化型水分散樹脂
を用いて、空隙構造(微細気孔)を有する感熱発色層を
形成することにより、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明の感熱記録体は、少なく
とも染料前駆体、顕色剤、およびI/O値(無機性値/
有機性値)が0.4から1.2の範囲の自己乳化型水分
散樹脂を含有する感熱発色層用塗工液に機械的攪拌を施
し、多数の微細気泡を含有させた発泡塗工液を、シート
状支持体の一面上に塗工し、乾燥することにより、発色
層表面の平均気孔直径が0.5から50μmの範囲にあ
る微細気孔を有する感熱発色層を設けることにより作製
される。
【0012】本発明における自己乳化型水分散樹脂と
は、親水性の官能基を含有し、そのため乳化剤を添加せ
ずとも水中で安定に粒子として分散できるものである。
親水性の官能基を付与するためには、元来イオン性基を
含有するか、もしくは中和剤の添加によってイオン性基
を生成するモノマーを共重合法によってポリマー鎖中に
導入する方法が一般的である。
【0013】本発明で使用可能な自己乳化型水分散樹脂
としては、例えば、スチレン−アクリル共重合体、ポリ
アクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ
酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン−アク
リル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタンなど
に、元来イオン性基を含有するか、もしくは中和剤の添
加によってイオン性基を生成するモノマーを共重合法に
より導入したものが挙げられるが、これらに限定される
ものではない。これらの自己乳化型水分散樹脂は必要に
応じて、単独または2種類以上混合して使用することが
できる。
【0014】元来イオン性基を含有するか、もしくは中
和剤の添加によってイオン性基を生成するモノマーとし
ては、アニオン性モノマー、カチオン性モノマー、両性
モノマーがある。更に詳しくはアニオン性モノマーとし
ては、カルボン酸モノマー、スルホン酸モノマー、リン
酸モノマーなどがあり、カチオン性モノマーとしては、
3級アミン含有モノマー、アンモニウム塩含有モノマー
などがあり、両性モノマーとしては、N−(3−スルホ
プロピル)−N−メタクロリルオキシエチル−N,N−
ジメチルアンモニウムベタイン、1−(3−スルホプロ
ピル)−2−ビニルピリジウムベタインなどのベタイン
系の化合物を用いることができる。
【0015】中和剤としては、例えば、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチ
ルアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミンなどの有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、アンモニアなどの無機塩が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。一般に中和剤は、イ
オン性基を生じるのに十分な量で用いられる。
【0016】自己乳化型水分散樹脂を空隙構造を有する
感熱発色層形成のために使用するときには、該樹脂のI
/O値が0.4から1.2の範囲にあることが重要であ
る。I/O値が0.4未満の場合は、疎水性が高すぎる
ため整泡剤あるいは起泡剤なしでは安定な気泡含有液が
形成できない。つまり機械的攪拌処理で形成、分散した
気泡の安定性が悪化して(破泡や気泡同士の合一が起こ
りやすい)、微細気泡が保持されにくくなる。その結
果、感熱発色層に好ましい空隙構造(表面上の気孔直
径)が得られず、記録性能が低下する。一方、I/O値
が1.2を越えると、親水性が高すぎて、気液(泡)界
面に自己乳化型水分散樹脂が局在化できないので界面活
性効果を発揮しにくく、結果として安定な泡を形成でき
ない。
【0017】本発明におけるI/O値に関しては、“有
機概念図”(甲田善生著、三共出版、11〜17頁、1
984)に詳しく述べられている。O値(有機性値)は
炭素原子1個の有機性を20と定義するので、分子内に
含まれる炭素数を20倍することで算出できる。一方、
I値(無機性値)は表1、2に示される無機性の値から
求めることができ、また表2のように有機性も有する置
換基についてはO値も求め、先に求めたO値に加算す
る。上記のようにして得たI値をO値で除することによ
ってI/O値を求めることができる。I/O値が大きい
ものほど親水性が高く、小さいものほど疎水性が高い。
【0018】
【表1】
【0019】表1において、無機性基中の炭素は有機性
に加算される。また、φはアルキル基またはフェニル基
を表し、*は非環式部分に適用される。
【0020】
【表2】
【0021】表2において、有機性無機性兼有基の炭素
は有機性に加算済みとする。また、Rはアルキル基、φ
はアルキル基またはフェニル基を表し、#は〔 〕内の
部分の値であり、※は末端部分に適用される。
【0022】また本発明の感熱層に使用可能な染料前駆
体としては、一般に感圧記録体、感熱記録体等に用いら
れているものであれば特に制限ない。電子供与性発色性
染料前駆体の具体例を挙げれば、(1)トリアリールメ
タン系化合物として、例えば、3,3−ビス(P−ジメ
チルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリドな
ど。 (2)ジメチルフェニルメタン系化合物としては、例え
ば、4,4−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベン
ジルエーテル、N−2,4,5−トリクロロフェニルロ
イコオーラミンなど。 (3)キサンテン系化合物として、例えばローダミンB
−アニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベン
ジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ブチ
ルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−
クロロアニリノ)フルオラン、3−ピペリジノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−エチル−トリルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−シク
ロヘキシル−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−
(β−エトキシエチル)アミノフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−6−クロロ−7−(γ−クロロプロピル)ア
ミノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−(N−イソアミル−N−エ
チルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−エチル−イソアミルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−クロロアニ
リノフルオラン等がある。 これらの染料前駆体は、単独、または2種以上を併用し
て用いることができ、感熱記録体の用途および希望する
特性により適宜選択使用される。
【0023】本発明に使用される顕色剤としては、フェ
ノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体が好ましく特に
ビスフェノール類が好ましい。これらを具体的に例示す
ると、フェノール類としてはp−オクチルフェノール、
p−tert−ブチルフェノール、p−フェニルフェノ
ール、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
ン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
ン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−2−エ
チルヘキサン、2,2−ビス(ヒドロキシ−3,5−ジ
クロロフェニル)プロパン、ジヒドロキシジフェニルエ
ーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
4−ヒドロキシ−4’−イソポロピルオキシジフェニル
スルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホンなどが挙げられる。また、芳香族カルボン
酸誘導体としては、p−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒド
ロキシ安息香酸ブチル、3,5−ジ−tert−ブチル
サリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル
酸、および上記カルボン酸の多価金属塩などが挙げられ
る。
【0024】これらの染料前駆体、顕色剤は一般に水を
分散媒体として使用し、ボールミル、コボールミル、ア
トライター、縦型や横型のサンドミル等の各種湿式粉砕
機によって、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリド
ン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、および
スチレン−無水マレイン酸共重合体塩等のような水溶性
合成高分子、その他界面活性剤と共に分散して分散液と
した後、感熱発色塗工液調製に用いられる。
【0025】また接着剤として、例えば、種々の分子量
およびケン化度のポリビニルアルコールおよびその誘導
体、デンプン、その誘導体および例えば酸化デンプンの
ような各種加工デンプン、メトキシセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、メチルセルロース、およびエチ
ルセルロース等のセルロース誘導体、ニカワ、カゼイ
ン、大豆タンパク、ゼラチン等の非イオン性の樹脂を併
用することができる。
【0026】本発明において、他に感熱記録層を構成す
る材料としては増感剤、無機または有機顔料、ワックス
類、金属石鹸、さらに必要に応じ紫外線吸収剤、保存性
安定剤、蛍光染料、着色染料なでを挙げることができ
る。
【0027】増感剤としてはステアリン酸アミド、エチ
レンビスステアリン酸アミド、メチロールベヘニン酸ア
ミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アミド、p−ベン
ジルビフェニル、ジベンジルテレフタレート、1−ヒド
ロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、シュウ酸ジベンジ
ル、シュウ酸ジ−p−クロルベンジル、シュウ酸ジ−p
−メチルベンジル、アジピン酸ジ−o−クロルベンジ
ル、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、
1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタンなど
の他、各種公知の熱可塑性物質を添加することができ
る。
【0028】有機又は無機の顔料としては、炭酸カルシ
ウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニ
ウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、焼成クレ
ー、タルク、および表面処理された炭酸カルシウムやシ
リカ等の無機系微粉末、並びに、尿素−ホルマリン樹
脂、スチレン−メタクリル酸供重合体、およびポリスチ
レン樹脂等の有機系の微粉末などを挙げることができ
る。
【0029】ワックス類としては、パラフィン、アミド
系ワックス、ビスイミド系ワックス、高級脂肪酸の金属
塩など公知のものを用いることができる。
【0030】本発明において感熱発色層は、前記の染料
前駆体、顕色剤および自己乳化型水分散樹脂樹脂を主成
分として含む混合物液に多数の微細気泡を含有させ、こ
れをシート状支持体上に塗工し、乾燥することによって
得ることができるが、気泡を形成、含有させる方法や設
備、および塗工方法には特に厳格な制限はない。また気
泡を含有する混合物液の気泡含有状態にも特に制限はな
いが、好ましくは気泡含有液の原液に対する体積比(以
下発泡倍率と記す)が1.3倍を越え10倍以下である
ことが好ましく、より好ましくは1.5倍を越え5倍以
下である。すなわち発泡倍率は気泡含有混合物液中の気
泡含有率を示す尺度である。
【0031】また、空隙構造を有する塗工層の密度は、
発泡倍率と相関がある。すなわち、高発泡倍率塗工液を
塗工した塗工層の密度は低くなり、逆に低発泡倍率塗工
液を塗工した塗工層密度は高くなる。塗工層の密度は
0.1を越え0.8g/cm3以下であることが好まし
く、より好ましくは0.15を越え0.5g/cm3
下である。密度が0.1以下であれば、気泡を構成する
塗膜(壁)の厚さが薄くなり、得られる感熱発色層の強
度を十分なレベルに維持することが困難になることがあ
る。密度が0.8を越えると断熱性やクッション性が不
十分となり、目的とする感度、画質が得られない。
【0032】また、本発明における、優れた記録感度と
画質の発現メカニズムは、空隙構造を有する感熱発色層
の断熱性、圧縮特性等の物理的特性が関与しているもの
と考えられる。
【0033】記録シート上に形成された感熱発色層の表
面の気孔の大きさは重要である。すなわち、感熱記録を
したとき、良好な画質を本発明の記録シート上に形成す
るには、感熱発色層の表面の平均気孔直径が0.5から
50μmの範囲にあることが好ましく、0.5から30
μmの範囲にあればさらに好ましい結果を与える。感熱
記録層表面の気孔直径は、光学顕微鏡もしくは走査型電
子顕微鏡写真と画像解析装置を用いて、計測することが
可能である。また、気孔の大きさは、気泡形成・分散処
理前の混合液の組成、すなわち材料の種類、配合比率、
あるいは前記の発泡倍率、塗工方式など、種々の要因に
よって影響されることが多いので適正な条件の設定が必
要である。さらに本発明における感熱記録層の表面の気
孔の大きさは、機械的撹拌によって得た、気泡含有混合
液中の気泡の大きさとも関係しており、おおむね混合液
中の気泡が小さいほど、塗工、乾燥後の感熱記録層表面
の気孔も小さくなるので、混合液の気泡含有状態には特
に制限はないものの、前記の感熱層の表面と同じ大き
さ、すなわち平均直径が0.5から50μmの微小気泡
が分散、混合されていることが好ましく、より好ましく
は、平均直径が0.5から30μmの範囲にあるのが良
い。含有された気泡の大きさは、その一部を光学顕微鏡
で写真撮影し、画像解析装置で計測することが可能であ
る。
【0034】本発明において、混合液に気泡を形成、分
散させる方法(以下これを発泡方法と記す)は、例えば
遊星運動をしつつ回転する撹拌翼を有するいわゆる製菓
用の発泡機、一般に乳化分散等に利用されているホモミ
キサー、カウレスディゾルバー等の撹拌機あるいは密閉
系内に空気と混合液の混合物とを連続的に送入しながら
機械的に撹拌を施し、空気を微細な気泡に分散、混合で
きる装置、例えば米国ガストンカウンティー社、オラン
ダのストーク社等の連続発泡機を用いることができる
が、特に厳格な制限はない。
【0035】本発明の感熱記録体に用いられるシート状
支持体としては、上質紙(酸性紙、中性紙)、中質紙、
片つや紙、中質コート紙、微塗工紙、コート紙、アート
紙、キャストコート紙、クリヤーコート紙、樹脂ラミネ
ート紙の紙が一般的であるが、プラスティックフィル
ム、合成紙、金属箔など、あるいはこれらを組み合わせ
た複合シートも任意に用いることができる。
【0036】シート状支持体上の感熱記録層の塗工量、
即ち塗工量は、得られる支持体の一面上の1m2 当たり
の乾燥重量が2から40g(2〜40g/m2 )の範囲
にあるようにするのが好ましい。塗工量が2g/m2
り少ない場合には、支持体の表面の粗さを充分に被覆す
るのが困難になることが多く、適正な平滑性を持った表
面の記録シートが得られなかったり、充分な断熱性や圧
縮変形性が得られないことがある。一方それが40g/
2 を越えるような場合は、感熱発色層の厚さが過大と
なり、多孔性感熱発色層内の結合強度が低下して、擦過
時にこの感熱発色層が剥離するなどのトラブルを発生
し、良好な記録が得られないこともある。従って、感熱
発色層の塗工量の適正化は、塗工液組成の適正化と同様
に充分な注意を払うのは当然である。
【0037】感熱発色層を支持体上に形成するための塗
工方式としては、メイヤーバー方式、グラビアロール方
式、ロール方式、リバースロール方式、ブレード方式、
ナイフ方式、エアーナイフ方式、押し出し方式、キャス
ト方式等の既知の方法から任意に選定することができ
る。
【0038】本発明の感熱発色層を有するシートは、気
泡含有混合液をシート状支持体上に塗工、乾燥したまま
の状態でも良好な感熱記録像を示すことができるが、さ
らに金属製ロール2段以上で構成されるマシンカレンダ
ー、あるいは金属製ロールおよび樹脂製ロールあるいは
金属製ロールとコットン製ロールなどを適宜組み合わせ
て構成されるスーパーカレンダーを使用して、この感熱
発色層に仕上げ処理を施し、その表面の平滑性をさらに
向上させることができる。また塗工後、半乾燥状態もし
くは乾燥状態にあるシートの感熱発色層の表面を鏡面仕
上げを施した加温あるいは非加温状態のキャストドラム
等に接触させて、その表面平滑性を向上させてもよい。
しかし過度の加圧力下で上記平滑仕上げ処理を施すと、
感熱発色層中の気泡を取り囲む壁が破壊され、感熱発色
層の緻密化が生じて、断熱性やクッション性が低下する
あるいは感熱発色層表面の気孔の変形や破壊が起こるた
め、感熱発色層が有するすぐれた高感度な感熱記録性能
が得られなくなることもある。従って、前記の平滑仕上
げ処理に際しては処理条件を十分に検討することが必要
である。
【0039】上記感熱発色層には、必要に応じてオーバ
ーコート層を設け印字時のサーマルヘッドとのスティッ
キングを改善するができる。ここで顔料の使用量は接着
剤1重量部中に1〜50重量部程度の範囲で添加される
ことが望ましい。また、オーバーコート層の塗工量は特
に限定されるものではないが、一般に乾燥重量で1〜2
0g/m2 の範囲に設けられる。更に、オーバーコート
層中には、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜
鉛、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、エス
テルワックス等の滑剤、分散剤、消泡剤、等の助剤を添
加することができる。また、耐水性を向上する目的でグ
リオキザール、エポキシ化合物、ほう酸、ジアルデヒド
澱粉、メチロール基含有化合物等の硬化剤を添加するこ
とができる。
【0040】更に、前述の如くして得られた感熱記録体
の表面と裏面の接触時のブロッキング、帯電およびカー
ルを防止するため、裏面にバック層を設けることもでき
る。
【0041】
【実施例】下記実施例によって本発明をさらに具体的に
説明する。但し本発明の範囲はこれらによって制限され
るものではない。なお、下記合成例、実施例および比較
例中の「部」は全て「重量部」を表す。自己乳化型水分散樹脂の合成例 合成例1 攪拌機、環流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素導入管
のついた反応器にメチルエチルケトン30部、スチレン
47部、アクリル酸10部を仕込み、窒素ガスで溶存酸
素を置換した。反応器を78℃に加熱後、アゾビスイソ
ブチロニトリル0.2部をメチルエチルケトン2部に溶
解したものを加え重合を開始し、さらに滴下ロートより
スチレン21部のメチルエチルケトン20部に溶解した
溶液、およびアゾビスイソブチロニトリル0.2部のメ
チルエチルケトン10部に溶解した溶液を4時間にわた
って添加した。3時間熟成し、均質な共重合体を得た。
この共重合体にトリエチルアミン15部を加えて中和
し、ついで蒸留水200部を加えた後、減圧下でメチル
エチルケトンを留去し、固形分濃度30%の自己乳化型
水分散樹脂を得た。
【0042】合成例2〜5 合成例1の方法で、表3に記載のモノマーを用いて、各
自己乳化型水分散樹脂(固形分濃度30%)を得た。
【0043】合成例6 攪拌機、環流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素導入管
のついた反応器に乳化剤(ラウリン酸ナトリウム)10
部、蒸留水200部、過硫酸カリウム0.3部、アクリ
ル酸ブチル9部を仕込み、窒素ガスで溶存酸素を置換し
た。反応器を78℃に加熱、重合を開始し、さらに滴下
ロートよりアクリル酸n−ブチル62部を3時間にわた
って添加した。2時間熟成し、固形分30%の乳化剤を
含む水分散樹脂を得た。
【0044】
【表3】
【0045】感熱記録体の作製実施例 実施例1 下記成分を混合して、感熱発色層用塗液を調製した。 〔染料前駆体分散液の調製〕 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ−6−メチル−7− 20部 アニリノフルオラン) ポリビニルアルコール10%水溶液 10部 水 70部 この組成物を縦型サンドミル(五十嵐機械製造社製サン
ドグラインダー)に装入し、これに分散メディアとして
直径1.2mmガラスビーズを用いて分散微細化操作を
30分施し、引き続き組成物を横型サンドミル(商品
名:ウルトラビスコミル、五十嵐機械製造社製)に装入
し、これに分散メディアとして直径0.6mmのガラス
ビーズを用いて分散微細化操作を10分間施した。 〔顕色剤分散液の調製〕 2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン 10部 p−ベンジルビフェニル 10部 ポリビニルアルコール10%水溶液 10部 水 70部 この組成物を前記染料前駆体分散物の調製方法と同じ方
法により分散した。 〔感熱発色層用塗工液の調製〕上記染料前駆体分散液4
0部、および顕色剤分散液160部に、炭酸カルシウム
40部、30%パラフィン分散液20部、合成例1の樹
脂(30%固形分濃度、I/O値:1.13)280部
を混合し、攪拌して感熱発色層用塗工液を調製した。こ
の感熱発色層用塗工液を、愛工舎製作所製ケンミックス
アイコーPRO(商標)を用いて、攪拌速度490rp
mで5分間の発泡処理を行った。発泡倍率は1.8倍で
あった。この発泡塗工液を直ちに、支持体として坪量5
0g/m2 の上質紙(酸性紙)にアプリケーターバーで
塗工量が5g/m2 となるよう塗工し、乾燥して空隙構
造を有する感熱発色層を形成し、感熱記録紙を作製し
た。
【0046】実施例2 感熱発色層用塗工液中の合成例1の樹脂(30%固形分
濃度、I/O値:1.13)280部を合成例2の樹脂
(30%固形分濃度、I/O値:0.88)280部に
代えた以外は、実施例1と同様に感熱記録紙を作製し
た。
【0047】実施例3 感熱発色層用塗工液中の合成例1の樹脂(30%固形分
濃度、I/O値:1.13)280部を合成例3の樹脂
(30%固形分濃度、I/O値:0.47)280部に
代えた以外は、実施例1と同様に感熱記録紙を作製し
た。
【0048】実施例4 感熱発色層用塗工液中の合成例1の樹脂(30%固形分
濃度、I/O値:1.13)280部を合成例1の樹脂
(30%固形分濃度、I/O値:1.13)180部お
よび10%ポリビニルアルコール水溶液100部に代
え、得られた発泡塗工液の発泡倍率が1.6倍であった
こと以外は、実施例1と同様に感熱記録紙を作製した。
【0049】実施例5 発泡塗工液の塗工量を10g/m2 とした以外は実施例
1と同様に感熱記録紙を作製した。
【0050】実施例6 下記成分を混合して、下塗り層用塗液を調製した。 〔下塗り層塗工液の調整〕 焼成クレー 100部 5%変性澱粉水溶液 100部 48%スチレン−ブタジエンラテックス 20部 水 90部 この下塗り層塗工液を、坪量50g/m2 の上質紙メイ
ヤーバーで塗工量が10g/m2 となるよう塗工し、乾
燥して下塗り層を形成した。本下塗り層塗工紙を支持体
として用いた以外は、実施例1と同様に感熱記録紙を作
製した。
【0051】実施例7 感熱発色層用塗工液の発泡処理において、攪拌速度49
0rpmで15分間の発泡処理を行い、得られた発泡塗
工液の発泡倍率が4.8倍であったこと以外は、実施例
1と同様に感熱記録紙を作製した。
【0052】実施例8 感熱発色層用塗工液の発泡処理において、攪拌速度49
0rpmで1.5分間の発泡処理を行い、得られた発泡
塗工液の発泡倍率が1.5倍であったこと以外は、実施
例1と同様に感熱記録紙を作製した。
【0053】比較例1 実施例1の感熱発色層用塗工液を発泡処理を施すことな
しで、支持体として坪量50g/m2 の上質紙(酸性
紙)にメイヤーバーで塗工量が5g/m2 となるよう塗
工し乾燥して感熱記録層を形成した。これにスーパーカ
レンダー処理を施して、その表面平滑度を王研式平滑度
計で800秒に平滑化し、感熱記録紙を作製した。
【0054】比較例2 感熱発色層用塗工液中の合成例1の樹脂(30%固形分
濃度、I/O値:1.13)280部を合成例4の樹脂
(30%固形分濃度、I/O値:1.28)280部に
代え、得られた発泡塗工液の発泡倍率が1.2倍であっ
たこと以外は、実施例1と同様に感熱記録紙を作製し
た。
【0055】比較例3 感熱発色層用塗工液中の合成例1の樹脂(30%固形分
濃度、I/O値:1.13)280部を合成例5の樹脂
(30%固形分濃度、I/O値:0.38)280部に
代え、得られた発泡塗工液の発泡倍率が1.2倍であっ
たこと以外は、実施例1と同様に感熱記録紙を作製し
た。
【0056】比較例4 感熱発色層用塗工液中の合成例1の樹脂(30%固形分
濃度、I/O値:1.13)280部を合成例5の樹脂
(30%固形分濃度、I/O値:0.38)250部に
代え、かつ33%整泡剤(商標:SNフォーム200、
サンノプコ(株))30部を加えた以外は、実施例1と
同様に感熱記録紙を作製した。
【0057】比較例5 感熱発色層用塗工液中の合成例1の樹脂(30%固形分
濃度、I/O値:1.13)280部を合成例6の樹脂
(30%固形分濃度、I/O値:0.61、ただし乳化
剤を含有)280部に代えた以外は、実施例1と同様に
感熱記録紙を作製した。
【0058】比較例6 感熱発色層用塗工液の発泡処理において、攪拌速度49
0rpmで30分間の発泡処理を行い。得られた発泡塗
工液の発泡倍率が10倍であったこと以外は、実施例1
と同様に感熱記録紙を作製した。
【0059】評価 上記実施例1〜8、および比較例1〜6で得られた14
種の感熱記録紙の評価については、下記のような方法で
行った。 〔気孔直径の測定方法〕感熱発色層表面の気孔直径は、
走査型電子顕微鏡もしくは光学顕微鏡を使用して、感熱
発色層表面を写真撮影した後、表面の気孔の輪郭を正確
に透明フィルム上に黒色のペンなどで描き写し、さら
に、ドラムスキャナー(商標:2605型ドラムスキャ
ンデンシトメーター、(株)阿部設計製)により、光学
的に気孔の輪郭の情報を読み取り、これを画像解析装置
(商標:ルーゼックスIII 、(株)ニレコ製)を用いて
測定した。なお、本感熱発色層表面上に形成された気孔
の形状は、必ずしも真円ではないので、気孔直径は画像
解析で得られる気孔の輪郭内の面積をもとに、円相当直
径に換算して表示した。
【0060】〔記録特性〕得られた感熱記録紙を、感熱
記録評価機(商品名:TH−PMD、大倉電機製)を使
用し、0.2mJ/dotの印荷エネルギーでベタ印字
を行い。印字部の反射濃度をマクベス反射濃度計を用い
て測定するとともに、印字部の画質を下記基準により目
視評価した。 ◎:濃度むらが無く、極めて良好である。 ○:濃度むらが僅かに認められるが、実用上は問題な
し。 ×:濃度むらが顕著に認められ、好ましくない。
【0061】〔地肌カブリ〕得られた感熱記録紙の塗工
面白紙部の反射濃度をマクベス反射濃度計を用いて測定
した。数値が小さいほど地肌カブリが少ないことを示
す。
【0062】〔表面強度〕 感熱発色層表面に粘着テープを貼り、90℃の角度でゆ
っくりと剥がした際の、発色層部分の剥離を目視評価し
た。 ◎:発色層の剥離無し。 ○:若干剥離が認められるが、実用上問題無し。 ×:発色層の剥離有り。 なお、上記評価基準において○レベル以上は良好で実用
に適するが、×レベルでは不十分で実用に適さない。
【0063】
【表4】
【0064】
【発明の効果】本発明により、高い記録感度と優れた画
質を有し、かつ地肌カブリが少なく、感熱発色層の表面
強度も優れた感熱記録体を実用することが可能となり、
産業界に寄与するところが大である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状支持体と、この支持体の一面上
    に、少なくとも染料前駆体、顕色剤および自己乳化型水
    分散樹脂を含有する感熱発色層用塗工液に機械的攪拌を
    施して塗工し、乾燥することにより形成された多数の微
    細気孔を有している感熱発色層とを有し、前記自己乳化
    型水分散樹脂のI/O値(無機性値/有機性値)が0.
    4から1.2の範囲にあり、かつ、前記感熱発色層表面
    の平均気孔直径が0.5から50μmの範囲にあること
    を特徴とする感熱記録体。
JP8304765A 1996-11-15 1996-11-15 感熱記録体 Pending JPH10147060A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998058027A1 (en) * 1997-06-17 1998-12-23 Ciba Specialty Chemicals Holding Inc. Pigmented porous material
WO2000036210A1 (en) * 1998-12-16 2000-06-22 Ciba Specialty Chemicals Holding Inc. Pigmented porous material
JP2012157806A (ja) * 2011-01-31 2012-08-23 Oji Paper Co Ltd 水性発泡液の製造方法

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