JPH10152733A - 銅合金基耐摩耗性複合材料およびその製造法 - Google Patents
銅合金基耐摩耗性複合材料およびその製造法Info
- Publication number
- JPH10152733A JPH10152733A JP32605996A JP32605996A JPH10152733A JP H10152733 A JPH10152733 A JP H10152733A JP 32605996 A JP32605996 A JP 32605996A JP 32605996 A JP32605996 A JP 32605996A JP H10152733 A JPH10152733 A JP H10152733A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- copper alloy
- composite material
- wear
- matrix
- resistant composite
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 229910000881 Cu alloy Inorganic materials 0.000 title claims abstract description 81
- 239000002131 composite material Substances 0.000 title claims abstract description 73
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 title claims abstract description 16
- 239000012779 reinforcing material Substances 0.000 claims abstract description 46
- 239000011159 matrix material Substances 0.000 claims abstract description 41
- 238000002844 melting Methods 0.000 claims abstract description 31
- 230000008018 melting Effects 0.000 claims abstract description 31
- OJMOMXZKOWKUTA-UHFFFAOYSA-N aluminum;borate Chemical compound [Al+3].[O-]B([O-])[O-] OJMOMXZKOWKUTA-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims abstract description 26
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 claims description 11
- 239000002184 metal Substances 0.000 claims description 11
- 229910052718 tin Inorganic materials 0.000 claims description 2
- 239000000463 material Substances 0.000 abstract description 43
- 230000013011 mating Effects 0.000 abstract description 21
- 238000005266 casting Methods 0.000 abstract description 14
- 238000000034 method Methods 0.000 abstract description 11
- 239000010949 copper Substances 0.000 abstract description 8
- 230000001965 increasing effect Effects 0.000 abstract description 8
- RYGMFSIKBFXOCR-UHFFFAOYSA-N Copper Chemical compound [Cu] RYGMFSIKBFXOCR-UHFFFAOYSA-N 0.000 abstract description 7
- 229910052802 copper Inorganic materials 0.000 abstract description 7
- 238000005299 abrasion Methods 0.000 abstract description 6
- 229910045601 alloy Inorganic materials 0.000 abstract description 4
- 239000000956 alloy Substances 0.000 abstract description 4
- 239000002245 particle Substances 0.000 description 25
- 229910000838 Al alloy Inorganic materials 0.000 description 11
- 239000011156 metal matrix composite Substances 0.000 description 7
- 230000016571 aggressive behavior Effects 0.000 description 5
- 239000000835 fiber Substances 0.000 description 4
- 238000005470 impregnation Methods 0.000 description 4
- 230000002787 reinforcement Effects 0.000 description 4
- 238000012827 research and development Methods 0.000 description 4
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 3
- 229910052748 manganese Inorganic materials 0.000 description 3
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 3
- 229910052710 silicon Inorganic materials 0.000 description 3
- 229910017755 Cu-Sn Inorganic materials 0.000 description 2
- 229910017927 Cu—Sn Inorganic materials 0.000 description 2
- 230000006835 compression Effects 0.000 description 2
- 238000007906 compression Methods 0.000 description 2
- KUNSUQLRTQLHQQ-UHFFFAOYSA-N copper tin Chemical compound [Cu].[Sn] KUNSUQLRTQLHQQ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 230000003028 elevating effect Effects 0.000 description 2
- 239000012530 fluid Substances 0.000 description 2
- 239000000314 lubricant Substances 0.000 description 2
- 229910052698 phosphorus Inorganic materials 0.000 description 2
- 230000003014 reinforcing effect Effects 0.000 description 2
- 230000004580 weight loss Effects 0.000 description 2
- 229910052725 zinc Inorganic materials 0.000 description 2
- 229920000049 Carbon (fiber) Polymers 0.000 description 1
- 229910001315 Tool steel Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000005275 alloying Methods 0.000 description 1
- 238000005452 bending Methods 0.000 description 1
- 239000004917 carbon fiber Substances 0.000 description 1
- 239000003795 chemical substances by application Substances 0.000 description 1
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 1
- 238000011109 contamination Methods 0.000 description 1
- 238000005520 cutting process Methods 0.000 description 1
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 description 1
- 230000007547 defect Effects 0.000 description 1
- 230000003292 diminished effect Effects 0.000 description 1
- 150000002148 esters Chemical class 0.000 description 1
- 239000003733 fiber-reinforced composite Substances 0.000 description 1
- 230000001050 lubricating effect Effects 0.000 description 1
- 238000005461 lubrication Methods 0.000 description 1
- 239000000155 melt Substances 0.000 description 1
- 239000007769 metal material Substances 0.000 description 1
- 238000002156 mixing Methods 0.000 description 1
- 238000005192 partition Methods 0.000 description 1
- 238000005498 polishing Methods 0.000 description 1
- 238000001556 precipitation Methods 0.000 description 1
- 239000003507 refrigerant Substances 0.000 description 1
- 238000011160 research Methods 0.000 description 1
- 102200082816 rs34868397 Human genes 0.000 description 1
- 239000007779 soft material Substances 0.000 description 1
- 239000013585 weight reducing agent Substances 0.000 description 1
Landscapes
- Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐摩耗性を向上するとともに、相手攻撃性を
低下することができる銅合金基耐摩耗性複合材料および
その製造法を提供すること。 【解決手段】 マトリックスとして銅合金を用いること
で硬度を高めて耐摩耗性を向上できると同時に、強化材
としてホウ酸アルミニウムウィスカーを用いることで、
マトリックスからの脱落を減少し、しかも脱落しても軟
らかいことから相手材の摩耗も抑えることができ、特に
負荷荷重の大きい場合に優れた耐摩耗特性および相手材
に対する低攻撃特性を得るようにしている。また、従来
からJISに規定されている実用銅およびその合金に比
べて融点を低く抑えることができ、低圧鋳造法などによ
り製造も容易にできる。
低下することができる銅合金基耐摩耗性複合材料および
その製造法を提供すること。 【解決手段】 マトリックスとして銅合金を用いること
で硬度を高めて耐摩耗性を向上できると同時に、強化材
としてホウ酸アルミニウムウィスカーを用いることで、
マトリックスからの脱落を減少し、しかも脱落しても軟
らかいことから相手材の摩耗も抑えることができ、特に
負荷荷重の大きい場合に優れた耐摩耗特性および相手材
に対する低攻撃特性を得るようにしている。また、従来
からJISに規定されている実用銅およびその合金に比
べて融点を低く抑えることができ、低圧鋳造法などによ
り製造も容易にできる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は銅合金基耐摩耗性
複合材料およびその製造法に関し、潤滑下での耐摩耗性
の向上および相手攻撃性の低下を図るようにしたもので
ある。
複合材料およびその製造法に関し、潤滑下での耐摩耗性
の向上および相手攻撃性の低下を図るようにしたもので
ある。
【0002】
【従来の技術】金属基複合材料(MMC)は、金属に強
化材として種々の繊維や粒子を混ぜることによって、母
材である金属にまさる特性を引き出したものであり、近
年、自動車、航空、宇宙など広分野で軽量化、高性能化
のための利用が考えられつつある。
化材として種々の繊維や粒子を混ぜることによって、母
材である金属にまさる特性を引き出したものであり、近
年、自動車、航空、宇宙など広分野で軽量化、高性能化
のための利用が考えられつつある。
【0003】例えば機械摺動部材についても高性能化を
図るため、金属材料に替え、金属基複合材料を用いるこ
とで、耐摩耗性と相手材に対する低攻撃性とを両立させ
ることが考えられ、種々提案されている。
図るため、金属材料に替え、金属基複合材料を用いるこ
とで、耐摩耗性と相手材に対する低攻撃性とを両立させ
ることが考えられ、種々提案されている。
【0004】例えばロータリーコンプレッサでは、図5
に示すように、シリンダ31の内部に偏心して回転駆動
されるロータ32が設けられ、シリンダ31に径方向の
ガイド溝33が形成されてこのガイド溝33内にスプリ
ング34で付勢されたベーン35を装着してベーン35
の先端部をロータ32に接触させることで、ロータ32
の回転によって径方向に摺動するベーン35でシリンダ
内の圧縮室を高圧室36と低圧室37に仕切るようにな
っている。
に示すように、シリンダ31の内部に偏心して回転駆動
されるロータ32が設けられ、シリンダ31に径方向の
ガイド溝33が形成されてこのガイド溝33内にスプリ
ング34で付勢されたベーン35を装着してベーン35
の先端部をロータ32に接触させることで、ロータ32
の回転によって径方向に摺動するベーン35でシリンダ
内の圧縮室を高圧室36と低圧室37に仕切るようにな
っている。
【0005】このようなロータリーコンプレッサ30の
ベーン35では、ロータ32との摺動面35aで圧縮室
を仕切る必要があり、スプリング34によって60kg
程度の荷重が加えられることから、耐摩耗性が要求され
ると同時に、ロータ32への低攻撃性が必要となる。
ベーン35では、ロータ32との摺動面35aで圧縮室
を仕切る必要があり、スプリング34によって60kg
程度の荷重が加えられることから、耐摩耗性が要求され
ると同時に、ロータ32への低攻撃性が必要となる。
【0006】このため、従来のベーンは工具鋼として知
られているSKH−51(JIS)や繊維強化複合材料
(FRM)で作られていたが、作動流体(冷媒)である
フロンの地球環境への問題から新たな作動流体(冷媒)
の使用を考慮しなければならず、作動流体の相違による
潤滑性の問題から従来の材料のままでは、耐摩耗性や低
攻撃性が不十分である。
られているSKH−51(JIS)や繊維強化複合材料
(FRM)で作られていたが、作動流体(冷媒)である
フロンの地球環境への問題から新たな作動流体(冷媒)
の使用を考慮しなければならず、作動流体の相違による
潤滑性の問題から従来の材料のままでは、耐摩耗性や低
攻撃性が不十分である。
【0007】そこで、金属基複合材料(MMC)につい
ての研究開発を行った結果、アルミ合金基複合材料に替
わる優れた金属基複合材料(MMC)として銅合金基複
合材料を開発し先願として出願している。
ての研究開発を行った結果、アルミ合金基複合材料に替
わる優れた金属基複合材料(MMC)として銅合金基複
合材料を開発し先願として出願している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この先願にかかる銅合
金基複合材料は、マトリックスとして銅合金を用いるこ
とにより、マトリックスの硬度をアルミニウム合金より
高めることにより耐摩耗性の向上を図ったものである。
金基複合材料は、マトリックスとして銅合金を用いるこ
とにより、マトリックスの硬度をアルミニウム合金より
高めることにより耐摩耗性の向上を図ったものである。
【0009】この銅合金基複合材料では、強化材として
SiC粒子などを用いているが、さらに強化材について
研究を進めた結果、耐摩耗性に加え、特に苛酷な摩耗条
件下における相手攻撃性を低下することができる銅合金
基複合材料を開発することができた。
SiC粒子などを用いているが、さらに強化材について
研究を進めた結果、耐摩耗性に加え、特に苛酷な摩耗条
件下における相手攻撃性を低下することができる銅合金
基複合材料を開発することができた。
【0010】この発明は、上記研究開発の結果に基づい
てなされたもので、耐摩耗性を向上するとともに、相手
攻撃性を低下することができる銅合金基耐摩耗性複合材
料およびその製造法を提供しようとするものである。
てなされたもので、耐摩耗性を向上するとともに、相手
攻撃性を低下することができる銅合金基耐摩耗性複合材
料およびその製造法を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】先願にかかるSiC粒子
を強化材とする銅合金基複合材料は、強化材として極め
て硬いSiC粒子を用いており、たとえば図1に示すよ
うに、負荷荷重が15kgfと比較的小さい摩耗条件下
では、比摩耗量が小さく優れた特性を示すものである。
を強化材とする銅合金基複合材料は、強化材として極め
て硬いSiC粒子を用いており、たとえば図1に示すよ
うに、負荷荷重が15kgfと比較的小さい摩耗条件下
では、比摩耗量が小さく優れた特性を示すものである。
【0012】ところが、このSiC粒子を強化材とする
銅合金基複合材料を負荷荷重の大きい摩耗条件下で使用
する場合には、比摩耗量が増大するだけでなく、相手材
を著しく摩耗させることが分かった。
銅合金基複合材料を負荷荷重の大きい摩耗条件下で使用
する場合には、比摩耗量が増大するだけでなく、相手材
を著しく摩耗させることが分かった。
【0013】そこで、SiC粒子を強化材とする銅合金
基複合材料の摩耗形態について考察したところ、摺動中
のマトリックスからの強化材であるSiC粒子の脱落が
相手材の摩耗量に大きな影響を与えることが分かった。
基複合材料の摩耗形態について考察したところ、摺動中
のマトリックスからの強化材であるSiC粒子の脱落が
相手材の摩耗量に大きな影響を与えることが分かった。
【0014】すなわち、負荷荷重が小さい摩耗初期にお
いては、SiC粒子の脱落が少なく、銅合金基複合材料
自身および相手材の摩耗は少ない。一方、負荷荷重が大
きくなると、摩耗の進行にともなってSiC粒子の脱落
が増加し、摺動面に脱落した硬い粒子により銅合金基複
合材料自身も相手材も大きく傷つけられ、比摩耗量が増
大するだけでなく、相手材を著しく摩耗させる。
いては、SiC粒子の脱落が少なく、銅合金基複合材料
自身および相手材の摩耗は少ない。一方、負荷荷重が大
きくなると、摩耗の進行にともなってSiC粒子の脱落
が増加し、摺動面に脱落した硬い粒子により銅合金基複
合材料自身も相手材も大きく傷つけられ、比摩耗量が増
大するだけでなく、相手材を著しく摩耗させる。
【0015】このような摩耗形態の考察から、強化材と
しては、マトリックスから脱落し難く、たとえ脱落した
場合でも相手材をできるだけ傷つけることがないものが
耐摩耗性の向上と相手材に対する低攻撃性の両立に有効
であることが分かり、本願発明に至ったのである。
しては、マトリックスから脱落し難く、たとえ脱落した
場合でも相手材をできるだけ傷つけることがないものが
耐摩耗性の向上と相手材に対する低攻撃性の両立に有効
であることが分かり、本願発明に至ったのである。
【0016】このような研究開発に基づくこの発明の請
求項1記載の銅合金基耐摩耗性複合材料は、強化材とし
てホウ酸アルミニウムウィスカーを体積率で30〜35
%添加するとともに、マトリックスを15〜25wt%
のSn、10wt%以下のSi、5wt%以下のMn、
5wt%以下のZn、2wt%以下のPを添加した銅合
金としたことを特徴とするものである。
求項1記載の銅合金基耐摩耗性複合材料は、強化材とし
てホウ酸アルミニウムウィスカーを体積率で30〜35
%添加するとともに、マトリックスを15〜25wt%
のSn、10wt%以下のSi、5wt%以下のMn、
5wt%以下のZn、2wt%以下のPを添加した銅合
金としたことを特徴とするものである。
【0017】この銅合金基耐摩耗性複合材料によれば、
アルミ合金をマトリックスとする場合に比べ、銅合金を
用いることで硬度を高めて耐摩耗性を向上できると同時
に、強化材としてホウ酸アルミニウムウィスカーを用い
ており、粒子に比べてマトリックスからの脱落を減少で
き、しかも軟らかいことから相手材の摩耗も抑えること
ができ、特に負荷荷重の大きい場合に優れた特性を示す
ようになる。
アルミ合金をマトリックスとする場合に比べ、銅合金を
用いることで硬度を高めて耐摩耗性を向上できると同時
に、強化材としてホウ酸アルミニウムウィスカーを用い
ており、粒子に比べてマトリックスからの脱落を減少で
き、しかも軟らかいことから相手材の摩耗も抑えること
ができ、特に負荷荷重の大きい場合に優れた特性を示す
ようになる。
【0018】また、この発明の請求項2記載の銅合金基
耐摩耗性複合材料は、機械部材の摺動面が少なくとも前
記強化材と前記銅合金のマトリックスでなることを特徴
とするものである。
耐摩耗性複合材料は、機械部材の摺動面が少なくとも前
記強化材と前記銅合金のマトリックスでなることを特徴
とするものである。
【0019】この銅合金基耐摩耗性複合材料によれば、
機械部材の摺動面にホウ酸アルミニウムウィスカーを強
化材とし、銅合金をマトリックスとした複合材料を用い
るようにしており、機械部材の耐摩耗性の向上と相手材
に対する低攻撃性の向上を両立することができ、特に負
荷荷重の大きい場合に優れた特性を示し、ロータリコン
プレッサベーンやブレーキシュー等の耐摩耗部品として
極めて有望である。
機械部材の摺動面にホウ酸アルミニウムウィスカーを強
化材とし、銅合金をマトリックスとした複合材料を用い
るようにしており、機械部材の耐摩耗性の向上と相手材
に対する低攻撃性の向上を両立することができ、特に負
荷荷重の大きい場合に優れた特性を示し、ロータリコン
プレッサベーンやブレーキシュー等の耐摩耗部品として
極めて有望である。
【0020】さらに、この発明の請求項3記載の銅合金
基耐摩耗性複合材料の製造法は、圧力容器の上部に配置
した金型内に強化材としてホウ酸アルミニウムウィスカ
ーを体積率で30〜35%充填し、圧力容器内の溶解炉
で15〜25wt%のSn、10wt%以下のSi、5
wt%以下のMn、5wt%以下のZn、2wt%以下
のPを添加した銅合金を溶解した後、この溶解炉と前記
金型とをストークで連結して内部を真空排気し、次いで
圧力容器内に加圧ガスを供給してガス圧力で溶湯を加圧
上昇させ、前記金型内の強化材に含浸させるようにした
ことを特徴とするものである。
基耐摩耗性複合材料の製造法は、圧力容器の上部に配置
した金型内に強化材としてホウ酸アルミニウムウィスカ
ーを体積率で30〜35%充填し、圧力容器内の溶解炉
で15〜25wt%のSn、10wt%以下のSi、5
wt%以下のMn、5wt%以下のZn、2wt%以下
のPを添加した銅合金を溶解した後、この溶解炉と前記
金型とをストークで連結して内部を真空排気し、次いで
圧力容器内に加圧ガスを供給してガス圧力で溶湯を加圧
上昇させ、前記金型内の強化材に含浸させるようにした
ことを特徴とするものである。
【0021】この銅合金基耐摩耗性複合材料の製造法に
よれば、強化材としてのホウ酸アルミニウムウィスカー
の体積含有率が30〜35%と高くてもガス圧力を用い
る低圧鋳造法を利用して銅合金を強化材に含浸すること
ができるようになり、高圧鋳造法などに比べ、容易に銅
合金基耐摩耗性複合材料を製造できるようになる。
よれば、強化材としてのホウ酸アルミニウムウィスカー
の体積含有率が30〜35%と高くてもガス圧力を用い
る低圧鋳造法を利用して銅合金を強化材に含浸すること
ができるようになり、高圧鋳造法などに比べ、容易に銅
合金基耐摩耗性複合材料を製造できるようになる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、この発明の銅合金基耐摩耗
性複合材料の実施の態様について、具体的に説明する。
性複合材料の実施の態様について、具体的に説明する。
【0023】この銅合金基耐摩耗性複合材料では、既に
述べたように、負荷荷重の増大によるマトリックスであ
る銅合金からの強化材の脱落が少なく、脱落した場合に
も相手材を傷つけることが少ない軟らかい強化材が必要
とされる。
述べたように、負荷荷重の増大によるマトリックスであ
る銅合金からの強化材の脱落が少なく、脱落した場合に
も相手材を傷つけることが少ない軟らかい強化材が必要
とされる。
【0024】そこで、この銅合金基耐摩耗性複合材料で
は、強化材としてSiC粒子に比べて軟らかくマトリッ
クスからの脱落が起こり難いホウ酸アルミニウムウィス
カーを用いる。
は、強化材としてSiC粒子に比べて軟らかくマトリッ
クスからの脱落が起こり難いホウ酸アルミニウムウィス
カーを用いる。
【0025】このホウ酸アルミニウムウィスカー(9A
l2O3 ・2B2 O3 )は複合材料の強化材として市販さ
れるなどで知られているものであり、その体積含有率に
より強化能が定まる一方、その体積含有率を増大する
と、マトリックスの含浸が困難になることから、この銅
合金基耐摩耗性複合材料では、強化材としてのホウ酸ア
ルミニウムウィスカーの体積含有率を30〜35%とし
ている。
l2O3 ・2B2 O3 )は複合材料の強化材として市販さ
れるなどで知られているものであり、その体積含有率に
より強化能が定まる一方、その体積含有率を増大する
と、マトリックスの含浸が困難になることから、この銅
合金基耐摩耗性複合材料では、強化材としてのホウ酸ア
ルミニウムウィスカーの体積含有率を30〜35%とし
ている。
【0026】一方、マトリックスとしては、複合材料で
は、マトリックスの硬度を高めることが耐摩耗性の向上
に有効であることから、アルミ合金に替え、硬度が高い
銅合金をマトリックスとして使用する。
は、マトリックスの硬度を高めることが耐摩耗性の向上
に有効であることから、アルミ合金に替え、硬度が高い
銅合金をマトリックスとして使用する。
【0027】従来からJISに規定されている銅合金を
使用すれば、硬度を高めることができるが、一方でアル
ミ合金に比べて融点が非常に高いことから銅合金をマト
リックスとして用いて複合材料を製造することが難しく
なってしまう。
使用すれば、硬度を高めることができるが、一方でアル
ミ合金に比べて融点が非常に高いことから銅合金をマト
リックスとして用いて複合材料を製造することが難しく
なってしまう。
【0028】そこで、ここでは、アルミ合金に比べて融
点の上昇を極力抑えることができるとともに、硬度が高
く、しかも靭性も高い銅合金を研究開発し、この銅合金
を用いて耐摩耗性の複合材料を得るようにする。
点の上昇を極力抑えることができるとともに、硬度が高
く、しかも靭性も高い銅合金を研究開発し、この銅合金
を用いて耐摩耗性の複合材料を得るようにする。
【0029】ここで用いる銅合金は、種々の元素を添加
することで融点を下げ、かつ硬度および靭性を高める
が、通常融点を下げるための元素の添加によって脆くな
る傾向があり、添加元素の種類とその量が銅合金の特性
に大きく影響する。
することで融点を下げ、かつ硬度および靭性を高める
が、通常融点を下げるための元素の添加によって脆くな
る傾向があり、添加元素の種類とその量が銅合金の特性
に大きく影響する。
【0030】複合材料のマトリックスとして用いる銅合
金は、銅にSn,Si,Mn,Zn,Pを適量添加して
作られるが、そのマトリックスとして具体的に必要な融
点は、アルミ合金の融点が650℃で純銅の融点が10
80℃であることから、出来るだけアルミ合金の融点に
近い温度であること、また、硬度はアルミ合金の高度が
150Hv(純銅の硬度は100Hvである。)である
ことから、150Hv以上の硬度であることが必要であ
る。
金は、銅にSn,Si,Mn,Zn,Pを適量添加して
作られるが、そのマトリックスとして具体的に必要な融
点は、アルミ合金の融点が650℃で純銅の融点が10
80℃であることから、出来るだけアルミ合金の融点に
近い温度であること、また、硬度はアルミ合金の高度が
150Hv(純銅の硬度は100Hvである。)である
ことから、150Hv以上の硬度であることが必要であ
る。
【0031】銅に添加する元素は次のようにして添加量
が定められた。
が定められた。
【0032】 Snの添加 銅の融点を下げ、硬度を上昇するため、Snを15wt
%以上添加する必要がある。しかし、Snの過剰な添加
は脆いε相の析出量を増加させることから、添加量は2
5wt%までとすることが望ましい。
%以上添加する必要がある。しかし、Snの過剰な添加
は脆いε相の析出量を増加させることから、添加量は2
5wt%までとすることが望ましい。
【0033】 Si,Mnの添加 融点を下げるとともに、硬度を上昇するため、Siおよ
びMnの添加が必要であるが、Cu−Sn合金にSiだ
けを添加すると、5wt%の添加でも硬度は500Hv
以上となり、脆くて実用性に欠ける。
びMnの添加が必要であるが、Cu−Sn合金にSiだ
けを添加すると、5wt%の添加でも硬度は500Hv
以上となり、脆くて実用性に欠ける。
【0034】一方、Cu−Sn合金にMnだけを添加し
ても硬度は上昇せず、溶解時に強固な“のろ”が発生し
てしまう。
ても硬度は上昇せず、溶解時に強固な“のろ”が発生し
てしまう。
【0035】そこで、これらを防止するためには、Cu
−Sn合金に10wt%以下のSiと5wt%以下のM
nとを同時に添加することが有効である。
−Sn合金に10wt%以下のSiと5wt%以下のM
nとを同時に添加することが有効である。
【0036】 Znの添加 融点を下げるためにZnの添加が必要であるが、Znは
蒸気圧が高いため、銅合金に添加する場合に溶解炉の汚
染を招くことから、5wt%までの添加であれば、融点
を下げるのに効果的である。
蒸気圧が高いため、銅合金に添加する場合に溶解炉の汚
染を招くことから、5wt%までの添加であれば、融点
を下げるのに効果的である。
【0037】 Pの添加 融点を下げ、硬度を上昇するため、Pの添加が必要であ
るが、Pは銅合金に対して脱酸剤として作用するため2
wt%を限度として添加する。これ以上のPの添加はC
u3 Pの析出量が増加し、合金が脆くなってしまう。
るが、Pは銅合金に対して脱酸剤として作用するため2
wt%を限度として添加する。これ以上のPの添加はC
u3 Pの析出量が増加し、合金が脆くなってしまう。
【0038】以上の合金元素の添加により、MMCのマ
トリックとして使用可能な銅合金のの組成例とその硬度
および融点の関係を表1および図2に示した。
トリックとして使用可能な銅合金のの組成例とその硬度
および融点の関係を表1および図2に示した。
【0039】ここに示した銅合金をマトリックスとして
用いることで、硬度がアルミ合金より高いため耐摩耗性
の向上が期待できるとともに、融点の上昇も極力抑える
ことができ、複合材の製造もアルミ合金をマトリックス
とする場合と同様にして行うことができる。
用いることで、硬度がアルミ合金より高いため耐摩耗性
の向上が期待できるとともに、融点の上昇も極力抑える
ことができ、複合材の製造もアルミ合金をマトリックス
とする場合と同様にして行うことができる。
【0040】
【表1】
【0041】これらホウ酸アルミニウムウィスカーを強
化材とし、銅合金をマトリックスとする銅合金基耐摩耗
性複合材料では、強化材としてSiC粒子より軟らかい
ホウ酸アルミニウムウィスカーを用いるようにしたの
で、マトリックスからの脱落がSiC粒子の場合よりも
起こり難く、しかも脱落した場合でもSiC粒子に比べ
て軟らかいので相手材の損傷や摩耗を極力抑えることが
できる。
化材とし、銅合金をマトリックスとする銅合金基耐摩耗
性複合材料では、強化材としてSiC粒子より軟らかい
ホウ酸アルミニウムウィスカーを用いるようにしたの
で、マトリックスからの脱落がSiC粒子の場合よりも
起こり難く、しかも脱落した場合でもSiC粒子に比べ
て軟らかいので相手材の損傷や摩耗を極力抑えることが
できる。
【0042】次に、これらホウ酸アルミニウムウィスカ
ーを強化材とし、銅合金をマトリックスとする複合材料
についてロータリーコンプレッサのベーンを製造する場
合を例に具体的に説明する。
ーを強化材とし、銅合金をマトリックスとする複合材料
についてロータリーコンプレッサのベーンを製造する場
合を例に具体的に説明する。
【0043】このロータリーコンプレッサのベーンで
は、図6に抽出して示すように、ローターとの接触する
摺動面2aを含む先端部2をこの発明の銅合金基耐摩耗
性複合材料とし、中間部3以降はマトリックスは同一の
銅合金を用いるが、強化材は必ずしも同一でなくとも良
く、ここでは、先端部2の強化材としてホウ酸アルミニ
ウムウィスカーを用い、中間部3以降は強化材を使用し
ないマトリックスだけとしたり、不連続繊維を強化材と
して用いる。
は、図6に抽出して示すように、ローターとの接触する
摺動面2aを含む先端部2をこの発明の銅合金基耐摩耗
性複合材料とし、中間部3以降はマトリックスは同一の
銅合金を用いるが、強化材は必ずしも同一でなくとも良
く、ここでは、先端部2の強化材としてホウ酸アルミニ
ウムウィスカーを用い、中間部3以降は強化材を使用し
ないマトリックスだけとしたり、不連続繊維を強化材と
して用いる。
【0044】なお、強化材として用いるホウ酸アルミニ
ウムウィスカーは、例えば繊維径が2〜3μmのものと
し、通常のものより若干太いものを用いることで、マト
リックスの含浸をやり易くする。
ウムウィスカーは、例えば繊維径が2〜3μmのものと
し、通常のものより若干太いものを用いることで、マト
リックスの含浸をやり易くする。
【0045】また、中間部3以降として必要な靭性によ
っては3次元的に配向した炭素繊維などを強化材として
強化するようにしても良い。
っては3次元的に配向した炭素繊維などを強化材として
強化するようにしても良い。
【0046】この銅合金基耐摩耗性複合材料で構成する
ベーン1の先端部2は、強化材としてのホウ酸アルミニ
ウムウィスカーの体積含有率を30〜35%にすること
が好ましく、強化材の含有率が高過ぎると複合材として
の強度が不十分になったりマトリックスの含浸が困難に
なり、逆に含有率が低くなると強化材による強化効果が
薄れることになる。
ベーン1の先端部2は、強化材としてのホウ酸アルミニ
ウムウィスカーの体積含有率を30〜35%にすること
が好ましく、強化材の含有率が高過ぎると複合材として
の強度が不十分になったりマトリックスの含浸が困難に
なり、逆に含有率が低くなると強化材による強化効果が
薄れることになる。
【0047】次に、このような銅合金基耐摩耗性複合材
料の製造法について具体的に説明する。
料の製造法について具体的に説明する。
【0048】この銅合金基耐摩耗性複合材料は、従来か
ら用いられている高圧鋳造法によって製造することが難
しいことから低圧鋳造法により製造するが、マトリック
スとなる銅合金の融点が純銅に比べて低く抑えてあるの
で、アルミ合金を用いる場合とほとんど同じようにして
製造することができる。
ら用いられている高圧鋳造法によって製造することが難
しいことから低圧鋳造法により製造するが、マトリック
スとなる銅合金の融点が純銅に比べて低く抑えてあるの
で、アルミ合金を用いる場合とほとんど同じようにして
製造することができる。
【0049】そこで、図3に示す低圧鋳造装置を用いる
製造法について、装置の動作とともに、図4により説明
する。
製造法について、装置の動作とともに、図4により説明
する。
【0050】(1) この低圧鋳造法では、ガス圧力を用
いるものであり、低圧鋳造装置10の2つ割りの金型1
1の所定形状(ベーンの摺動部形状)の各キャビティ1
2内それぞれに、ベーンの先端部の強化材となるホウ酸
アルミニウムウィスカーを体積含浸率で30〜35%充
填するとともに、他の部分の強化材を充填する。
いるものであり、低圧鋳造装置10の2つ割りの金型1
1の所定形状(ベーンの摺動部形状)の各キャビティ1
2内それぞれに、ベーンの先端部の強化材となるホウ酸
アルミニウムウィスカーを体積含浸率で30〜35%充
填するとともに、他の部分の強化材を充填する。
【0051】そして、金型11およびストーク13を加
熱器14によって所定温度に加熱するとともに、溶解炉
昇降手段15によって圧力容器16内を昇降移動する溶
解炉17を最下部に位置させる。
熱器14によって所定温度に加熱するとともに、溶解炉
昇降手段15によって圧力容器16内を昇降移動する溶
解炉17を最下部に位置させる。
【0052】(2) この溶解炉17に作業ハッチ18か
らマトリックスとなる銅合金または予め溶融させた銅合
金を供給して加熱し、溶湯Yを作る。
らマトリックスとなる銅合金または予め溶融させた銅合
金を供給して加熱し、溶湯Yを作る。
【0053】(3) このような状態で金型11、ストー
ク13、溶湯Yが所定の温度に達したら、作業ハッチ1
8から図中、一点鎖線で示すように、圧力容器16内に
除去棒19を差し込んで、その先端で溶解炉17の溶湯
Yの表面に浮遊している“のろN”を除去する。
ク13、溶湯Yが所定の温度に達したら、作業ハッチ1
8から図中、一点鎖線で示すように、圧力容器16内に
除去棒19を差し込んで、その先端で溶解炉17の溶湯
Yの表面に浮遊している“のろN”を除去する。
【0054】(4) 次いで、作業ハッチ18にめくら蓋
20を取付けて圧力容器16内を密閉した後、給排気手
段21の排気バルブ22,22を開いて、圧力容器16
内の真空排気を行う。
20を取付けて圧力容器16内を密閉した後、給排気手
段21の排気バルブ22,22を開いて、圧力容器16
内の真空排気を行う。
【0055】これにより、圧力容器16内は勿論、これ
と連通しているストーク13内および金型11内が真空
状態になる。
と連通しているストーク13内および金型11内が真空
状態になる。
【0056】(5) こうして内部の真空度が所定の値に
達したら、排気バルブ22,22をを閉じるとともに、
溶解炉昇降手段15によって、溶解炉17を圧力容器1
6内の最上位置に上昇させて、ストーク13の下端部を
溶湯Y内に没入させる。
達したら、排気バルブ22,22をを閉じるとともに、
溶解炉昇降手段15によって、溶解炉17を圧力容器1
6内の最上位置に上昇させて、ストーク13の下端部を
溶湯Y内に没入させる。
【0057】(6) こののち、給排気手段21のガス導
入バルブ23を開いて、図示しないガス溜まりから圧力
容器16内に所定の圧力までガスを注入する。
入バルブ23を開いて、図示しないガス溜まりから圧力
容器16内に所定の圧力までガスを注入する。
【0058】(7) 圧力容器16内に供給されたガスに
よって溶湯Yの表面にガスの圧力が加わり、溶湯Yがス
トーク13の下端からストーク13内を上昇し、その上
端より湯道24を通じて金型11内の各キャビティ12
に流れ込み、強化材に含浸される。
よって溶湯Yの表面にガスの圧力が加わり、溶湯Yがス
トーク13の下端からストーク13内を上昇し、その上
端より湯道24を通じて金型11内の各キャビティ12
に流れ込み、強化材に含浸される。
【0059】(8) こうして銅合金基耐摩耗性複合材料
で作られたベーンは、研磨や切削など仕上げ加工が施さ
れて完成する。
で作られたベーンは、研磨や切削など仕上げ加工が施さ
れて完成する。
【0060】なお、このような低加圧鋳造法での鋳造条
件は一例として、含浸圧力32atm(3.2MP
a)、溶湯温度980℃、加圧保持時間3minをあげ
ることができ、これ以外の条件でも可能である。
件は一例として、含浸圧力32atm(3.2MP
a)、溶湯温度980℃、加圧保持時間3minをあげ
ることができ、これ以外の条件でも可能である。
【0061】以上のように、強化材としてホウ酸アルミ
ニウムウィスカーを体積含有率で30〜35%添加し、
マトリックスとして銅合金を用いた銅合金基耐摩耗性複
合材料を低加圧鋳造法を用いて製造することが可能であ
り、従来の高圧鋳造法に比べて簡単に製造することがで
きる。
ニウムウィスカーを体積含有率で30〜35%添加し、
マトリックスとして銅合金を用いた銅合金基耐摩耗性複
合材料を低加圧鋳造法を用いて製造することが可能であ
り、従来の高圧鋳造法に比べて簡単に製造することがで
きる。
【0062】なお、ロータリーコンプレッサのベーン以
外の耐摩耗性を必要とする機械部材を製造する場合も同
様にして製造することができることは言うまでもない。
外の耐摩耗性を必要とする機械部材を製造する場合も同
様にして製造することができることは言うまでもない。
【0063】
【実施例】このような銅合金基耐摩耗性複合材料の耐摩
耗性および相手材に対する攻撃性について調べるため、
マトリックスの銅合金の組成を:Cu−20wt% Sn−
3.0wt% Zn−1.5wt% Pとしたものを主として用
い、強化材としてホウ酸アルミニウムウィスカーの繊維
径が2〜3μmと通常のものより若干太いものを用い、
体積率で30%充填して複合材を作った。
耗性および相手材に対する攻撃性について調べるため、
マトリックスの銅合金の組成を:Cu−20wt% Sn−
3.0wt% Zn−1.5wt% Pとしたものを主として用
い、強化材としてホウ酸アルミニウムウィスカーの繊維
径が2〜3μmと通常のものより若干太いものを用い、
体積率で30%充填して複合材を作った。
【0064】また、比較のため、先願として出願済みの
強化材をSiC粒子として体積率で50%添加し、同一
の銅合金マトリックスを用いた比較複合材を作った。
強化材をSiC粒子として体積率で50%添加し、同一
の銅合金マトリックスを用いた比較複合材を作った。
【0065】こうして得られた2つの銅合金基耐摩耗性
複合材料はその組織観察からいずれもボイドなどの欠陥
のない健全な複合材であることを確認した。
複合材料はその組織観察からいずれもボイドなどの欠陥
のない健全な複合材であることを確認した。
【0066】そして、これら複合材の摩耗試験を、改良
型大越式試験装置を用い、相手材をS45C(HRC=
50)、摩擦速度を0.94m/s 、負荷荷重を16.8
kg、摩擦時間を約3時間とし、潤滑剤としてエステル
系潤滑剤(商品名:SUNISO20GS)を常温で滴下した潤滑
状態で行い、その結果を示したものが、図1である。
型大越式試験装置を用い、相手材をS45C(HRC=
50)、摩擦速度を0.94m/s 、負荷荷重を16.8
kg、摩擦時間を約3時間とし、潤滑剤としてエステル
系潤滑剤(商品名:SUNISO20GS)を常温で滴下した潤滑
状態で行い、その結果を示したものが、図1である。
【0067】この摩耗試験結果から明らかなように、負
荷荷重が15kgf と小さい場合には、この発明のホウ酸
アルミニウムウィスカーを強化材とした複合材(本発明
材とする)はその摩耗量が比摩耗量で先願発明のSiC
粒子を強化材とした複合材(先願複合材とする)の3倍
程度多く、負荷荷重が小さい場合の摩耗量は先願複合材
が優れていることが分かる。
荷荷重が15kgf と小さい場合には、この発明のホウ酸
アルミニウムウィスカーを強化材とした複合材(本発明
材とする)はその摩耗量が比摩耗量で先願発明のSiC
粒子を強化材とした複合材(先願複合材とする)の3倍
程度多く、負荷荷重が小さい場合の摩耗量は先願複合材
が優れていることが分かる。
【0068】一方、負荷荷重が36kgf と大きくなる
と、本発明材の摩耗特性は著しく優れたものとなる。す
なわち、本発明材自身の摩耗量は、比摩耗量で先願複合
材の1/5程度であり、相手材の摩耗量は、重量損失で
1/6〜1/10程度に著しく減少することが分かる。
と、本発明材の摩耗特性は著しく優れたものとなる。す
なわち、本発明材自身の摩耗量は、比摩耗量で先願複合
材の1/5程度であり、相手材の摩耗量は、重量損失で
1/6〜1/10程度に著しく減少することが分かる。
【0069】これは、本発明材と先願複合材とで摩耗形
態が異なり、本発明材では粒子に比べてウィスカーがマ
トリックスから脱落しにくいため、負荷荷重が大きくな
っても自身および相手材の摩耗量が粒子の場合ほど増加
せず、また、粒子に比べてウィスカーが軟らかいことか
ら、マトリックスから多少の脱落があっても粒子の場合
ほど自分自身も相手材も傷つけないと予想されることと
良く一致する。
態が異なり、本発明材では粒子に比べてウィスカーがマ
トリックスから脱落しにくいため、負荷荷重が大きくな
っても自身および相手材の摩耗量が粒子の場合ほど増加
せず、また、粒子に比べてウィスカーが軟らかいことか
ら、マトリックスから多少の脱落があっても粒子の場合
ほど自分自身も相手材も傷つけないと予想されることと
良く一致する。
【0070】また、ウィスカーを用いた本発明材の方が
粒子を用いた先願複合材よりも摩耗条件の変動、特に負
荷荷重の変動の影響を受けにくいことも分かる。
粒子を用いた先願複合材よりも摩耗条件の変動、特に負
荷荷重の変動の影響を受けにくいことも分かる。
【0071】さらに、本発明材と先願複合材の曲げ強度
および線膨脹係数を測定した結果を表2に示す。
および線膨脹係数を測定した結果を表2に示す。
【0072】
【表2】
【0073】同表から明らかなように、ウィスカーを用
いた本発明材の方が粒子を用いた先願複合材よりも曲げ
強度が著しく大きく、線膨脹係数はほぼ同等であること
が分かる。
いた本発明材の方が粒子を用いた先願複合材よりも曲げ
強度が著しく大きく、線膨脹係数はほぼ同等であること
が分かる。
【0074】これにより、本発明材ではウィスカーの体
積率が30%であるのに対し、先願複合材では粒子の体
積率が50%であることから、ウィスカーを強化材とし
て用いる方が少ない体積率で線膨脹係数を下げる効果が
あることが分かる。
積率が30%であるのに対し、先願複合材では粒子の体
積率が50%であることから、ウィスカーを強化材とし
て用いる方が少ない体積率で線膨脹係数を下げる効果が
あることが分かる。
【0075】さらに、本発明材と先願複合材の硬度を調
べたところ、本発明材が329Hvであるのに対し、先
願複合材は448Hvであり、本発明材の方が軟らかい
ことから摩耗初期において相手材となじみやすい。
べたところ、本発明材が329Hvであるのに対し、先
願複合材は448Hvであり、本発明材の方が軟らかい
ことから摩耗初期において相手材となじみやすい。
【0076】
【発明の効果】以上実施の形態とともに具体的に説明し
たように、この発明の請求項1記載の銅合金基耐摩耗性
複合材料によれば、アルミ合金をマトリックスとする場
合に比べ、銅合金を用いることで硬度を高めて耐摩耗性
を向上できると同時に、強化材としてホウ酸アルミニウ
ムウィスカーを用いたので、粒子に比べてマトリックス
からの脱落を減少でき、しかも軟らかいことから相手材
の摩耗も抑えることができ、特に負荷荷重の大きい場合
に優れた耐摩耗特性および相手材に対する低攻撃特性を
得ることができる。
たように、この発明の請求項1記載の銅合金基耐摩耗性
複合材料によれば、アルミ合金をマトリックスとする場
合に比べ、銅合金を用いることで硬度を高めて耐摩耗性
を向上できると同時に、強化材としてホウ酸アルミニウ
ムウィスカーを用いたので、粒子に比べてマトリックス
からの脱落を減少でき、しかも軟らかいことから相手材
の摩耗も抑えることができ、特に負荷荷重の大きい場合
に優れた耐摩耗特性および相手材に対する低攻撃特性を
得ることができる。
【0077】また、この発明の請求項2記載の銅合金基
耐摩耗性複合材料によれば、機械部材の摺動面にホウ酸
アルミニウムウィスカーを強化材とし、銅合金をマトリ
ックスとした複合材料を用いるようにしたので、機械部
材の耐摩耗性の向上と相手材に対する低攻撃性の向上を
両立することができ、特に負荷荷重の大きい場合に優れ
た特性を示し、ロータリコンプレッサベーンやブレーキ
シュー等の耐摩耗部品として極めて有望である。
耐摩耗性複合材料によれば、機械部材の摺動面にホウ酸
アルミニウムウィスカーを強化材とし、銅合金をマトリ
ックスとした複合材料を用いるようにしたので、機械部
材の耐摩耗性の向上と相手材に対する低攻撃性の向上を
両立することができ、特に負荷荷重の大きい場合に優れ
た特性を示し、ロータリコンプレッサベーンやブレーキ
シュー等の耐摩耗部品として極めて有望である。
【0078】さらに、この発明の請求項3記載の銅合金
基耐摩耗性複合材料の製造法によれば、強化材としての
ホウ酸アルミニウムウィスカーの体積含有率が30〜3
5%と高くてもガス圧力を用いる低圧鋳造法を利用して
銅合金を強化材に含浸することができ、高圧鋳造法など
に比べ、容易に銅合金基耐摩耗性複合材料を製造するこ
とができる。
基耐摩耗性複合材料の製造法によれば、強化材としての
ホウ酸アルミニウムウィスカーの体積含有率が30〜3
5%と高くてもガス圧力を用いる低圧鋳造法を利用して
銅合金を強化材に含浸することができ、高圧鋳造法など
に比べ、容易に銅合金基耐摩耗性複合材料を製造するこ
とができる。
【図1】この発明の銅合金基耐摩耗性複合材料の一実施
の形態にかかる比摩耗量および相手材重量損失に及ぼす
負荷荷重の影響を示すグラフである。
の形態にかかる比摩耗量および相手材重量損失に及ぼす
負荷荷重の影響を示すグラフである。
【図2】この発明の銅合金基耐摩耗性複合材料の一実施
の形態にかかる銅合金の組成と硬度および融点との関係
を示すグラフである。
の形態にかかる銅合金の組成と硬度および融点との関係
を示すグラフである。
【図3】この発明の銅合金基耐摩耗性複合材料の一実施
の形態にかかる低圧鋳造装置の概略断面図である。
の形態にかかる低圧鋳造装置の概略断面図である。
【図4】この発明の銅合金基耐摩耗性複合材料の製造法
の一実施の形態にかかる製造工程を示すフローチャート
である。
の一実施の形態にかかる製造工程を示すフローチャート
である。
【図5】この発明の銅合金基耐摩耗性複合材料の適用対
象の一例のロータリーコンプレッサの概略説明図であ
る。
象の一例のロータリーコンプレッサの概略説明図であ
る。
【図6】この発明の銅合金基耐摩耗性複合材料で製造し
たロータリーコンプレッサのベーンの概略斜視図であ
る。
たロータリーコンプレッサのベーンの概略斜視図であ
る。
1 ベーン 2 先端部 2a 摺動面 3 中間部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細井 英治 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社技術研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 強化材としてホウ酸アルミニウムウィス
カーを体積率で30〜35%添加するとともに、マトリ
ックスを15〜25wt%のSn、10wt%以下のS
i、5wt%以下のMn、5wt%以下のZn、2wt
%以下のPを添加した銅合金としたことを特徴とする銅
合金基耐摩耗性複合材料。 - 【請求項2】 機械部材の摺動面が少なくとも前記強化
材と前記銅合金のマトリックスでなることを特徴とする
請求項1記載の銅合金基耐摩耗性複合材料。 - 【請求項3】 圧力容器の上部に配置した金型内に強化
材としてホウ酸アルミニウムウィスカーを体積率で30
〜35%充填し、圧力容器内の溶解炉で15〜25wt
%のSn、10wt%以下のSi、5wt%以下のM
n、5wt%以下のZn、2wt%以下のPを添加した
銅合金を溶解した後、この溶解炉と前記金型とをストー
クで連結して内部を真空排気し、次いで圧力容器内に加
圧ガスを供給してガス圧力で溶湯を加圧上昇させ、前記
金型内の強化材に含浸させるようにしたことを特徴とす
る銅合金基耐摩耗性複合材料の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32605996A JPH10152733A (ja) | 1996-11-21 | 1996-11-21 | 銅合金基耐摩耗性複合材料およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32605996A JPH10152733A (ja) | 1996-11-21 | 1996-11-21 | 銅合金基耐摩耗性複合材料およびその製造法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10152733A true JPH10152733A (ja) | 1998-06-09 |
Family
ID=18183659
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32605996A Pending JPH10152733A (ja) | 1996-11-21 | 1996-11-21 | 銅合金基耐摩耗性複合材料およびその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10152733A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8557383B2 (en) | 2004-09-06 | 2013-10-15 | Plansee Se | Method of producing a material composite |
-
1996
- 1996-11-21 JP JP32605996A patent/JPH10152733A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8557383B2 (en) | 2004-09-06 | 2013-10-15 | Plansee Se | Method of producing a material composite |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US5478220A (en) | Compressor scroll made of silicon containing aluminum alloy | |
| CN100564564C (zh) | 喷镀表面膜滑动材料、滑动部件和滑动构件及采用它们的装置 | |
| US9644245B2 (en) | Method for fabricating vane using a nodular graphite cast iron | |
| US8366425B2 (en) | Compressor slider, slider preform, scroll part, and compressor | |
| JP4226656B2 (ja) | 半固体金属中で耐摩耗性および耐腐食性の高い粉末冶金コバルト基物品 | |
| JPH09118945A (ja) | 銅合金基耐摩耗性複合材料およびその製造法 | |
| US4904302A (en) | Roller in rotary compressor and method for producing the same | |
| JPH10152733A (ja) | 銅合金基耐摩耗性複合材料およびその製造法 | |
| JP2022523170A (ja) | 超硬質合金超硬合金 | |
| JP3878835B2 (ja) | 冷媒圧縮機とこれを用いた空調機及び冷凍機並びにその軸受 | |
| JPH06122933A (ja) | 高延性Al焼結塑性流動合金とその製造法及びその用途 | |
| JPH0551708A (ja) | 圧縮機用耐摩耗材料およびその材料を使用した圧縮機 | |
| JPS5931851A (ja) | 回転式圧縮機のベ−ン | |
| JPH06192784A (ja) | 耐摩耗性焼結摺動部材 | |
| JP2014084826A (ja) | ロータリーコンプレッサー用ベーン | |
| KR20160051400A (ko) | 압축기 | |
| JPH11117035A (ja) | 摺動部材 | |
| JPH09176773A (ja) | サーメット合金製ベーン | |
| JP3891890B2 (ja) | ダイカストマシン用プランジャチップ及びその製造方法 | |
| JPH07173509A (ja) | 耐摩耗性材料,その製造方法およびその材料を使用した圧縮機 | |
| JPH05140673A (ja) | アルミニウム複合材料 | |
| CN100443726C (zh) | 制冷剂压缩机及轴承、以及使用该压缩机的空调和制冷器 | |
| KR100448465B1 (ko) | 청동합금계 분말결합재를 이용한 절삭가공용 다이야몬드휠의 제조방법 | |
| JPH11140603A (ja) | 圧縮機部品用耐摩耗性焼結合金材 | |
| JP2564528B2 (ja) | 高耐食、耐摩耗性工具、部品用材料 |