JPH10154514A - 電池用電極 - Google Patents

電池用電極

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JPH10154514A
JPH10154514A JP8313794A JP31379496A JPH10154514A JP H10154514 A JPH10154514 A JP H10154514A JP 8313794 A JP8313794 A JP 8313794A JP 31379496 A JP31379496 A JP 31379496A JP H10154514 A JPH10154514 A JP H10154514A
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JP
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electrode
coupling agent
conductive substrate
silane coupling
battery
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JP8313794A
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English (en)
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Hitoshi Kato
人士 加藤
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Furukawa Battery Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Battery Co Ltd
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  • Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 充放電時に、導電性基板から電極用合剤が剥
離しにくくなっている電池用電極を提供する。 【解決手段】 この電池用電極は、水酸化ニッケル粉末
や水素吸蔵合金粉末などの無機質粉末を主成分とする電
極用合剤が導電性基板に担持されている電池用電極にお
いて、導電性基板の表面がシランカップリング剤で被覆
されている。電極用合剤にもシランカップリング剤が配
合されているものはとくに好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニッケル・亜鉛二
次電池,ニッケル・カドミウム電池,ニッケル・水素二
次電池のような密閉式アルカリ二次電極の正極または/
および負極として組み込まれる電池用電極に関し、更に
詳しくは、導電性基板に担持されている活物質粉末を主
体とした電極用合剤と前記導電性基板との結着性が優れ
ており、そのため充放電時における前記電極用合剤の剥
落が抑制され、もって長期に亘り高い容量保持率を示
し、サイクル寿命特性が優れている電池を提供すること
ができる電池用電極に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、高容量電池として急速に実用化
が進んでいるニッケル・水素二次電池は、水素を負極活
物質として作動する電池であって、正極活物質である水
酸化ニッケルの粉末を導電性基板に担持させて成るニッ
ケル極を正極とし、また、水素を電気化学的に吸蔵・放
出する水素吸蔵合金の粉末を導電性基板に担持させて成
る水素吸蔵合金電極を負極とし、これら正極と負極を所
定のアルカリ電解液と一緒に外装缶に収容し、全体を密
閉構造にした電池である。
【0003】前記したニッケル極としては、焼結式ニッ
ケル極と非焼結式ニッケル極が製造されているが、後者
の方が、活物質の充填密度を高めることができ、電極と
しての高容量化が可能であり、しかも製造コストの低減
を実現できるという点で有利とされている。この非焼結
式ニッケル極は、概ね、次のようにして製造されてい
る。
【0004】すなわち、活物質である水酸化ニッケルの
粉末と、増粘剤を溶解する増粘剤水溶液と、必要に応じ
てはカーボニルニッケル粉末や一酸化コバルト粉末のよ
うな導電材粉末との所定量を混合して活物質合剤のペー
ストを調製し、この合剤ペーストの所定量を、例えば3
次元網状構造を有する発泡ニッケルシートのような導電
性基板の空隙内に充填すると同時にその表面に層状に付
着せしめ、ついで乾燥、ロール圧延を順次行って製造さ
れるのが通例である。
【0005】ここで、増粘剤は水に溶解して合剤ペース
トにおける粉末成分の表面を被覆することによりその均
一分散を実現するための表面活性剤として機能し、例え
ば、カルボキシメチルセルロース,メチルセルロース,
ヒドロキシエチルセルロース,エチルセルロースのよう
なセルロース系高分子や、エチレングリコール,ポリエ
チレングリコール,プロピレングリコール,ポリビニル
アルコール,ポリアクリル酸ソーダのような合成高分子
が広く使用されている。
【0006】また、導電材粉末は、製造されたニッケル
極の集電能を高めるものであって、例えば、ニッケル粉
末,カーボニルニッケル粉末,コバルト粉末,酸化コバ
ルト粉末,水酸化コバルト粉末などが広く使用されてい
る。結着剤は、前記した水酸化ニッケル粉末や導電材粉
末などの粉末成分を相互に結着することにより、これら
を集電体に担持させるための成分であり、従来からは、
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末,テトラ
フルオロエチレン/ヘキサフルオトプロピレン共重合体
(FEP)粉末,テトラフルオロエチレン/パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)粉末,ポ
リフッ化ビニリデン(PVDF)粉末,ポリフッ化ビニ
ル粉末,エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体
(ETFE)粉末,エチレン/クロロトリフルオロエチ
レン共重合体(ECTFE)粉末のようなフッ素樹脂粉
末や、フッ素系ゴム,クロロプレン系ゴム,ニトリル系
ゴム,スチレン系ゴムなどの粉末やまたポリスチレン,
ナイロン系ポリアミドなどの粉末が広く使用されてい
る。
【0007】上記した製造過程で、合剤ペーストの水成
分は除去され、導電性基板の空隙部や表面には、水酸化
ニッケル粉末を主成分とする乾燥合剤(以下、これを電
極用合剤という)が残留し、そして、結着剤粉末はロー
ル圧延時に延展することにより、電極用合剤中の粉末成
分である水酸化ニッケル粉末や導電材粉末を相互に結着
し、電極用合剤の全体は集電体の空隙部や表面に担持さ
れる。
【0008】そして、必要に応じては、全体を所望温度
に加熱して上記した結着剤を溶融することにより、電極
用合剤が強固に導電性基板に担持される。一方、前記し
た水素吸蔵合金電極の場合には、通常、所定粒度の水素
吸蔵合金粉末と、前記したような増粘剤を水に溶解して
成る増粘剤水溶液と、必要に応じて導電材粉末とを所定
の割合で混合して合剤ペーストを調製し、この合剤ペー
ストを、例えばパンチングニッケルシートのような導電
性基板に塗着して当該シートの両面に前記合剤ペースト
を層状に付着させたのち、乾燥,ロール圧延を順次行
い、水素吸蔵合金粉末や導電材粉末を機械的に相互結着
するとともに、残留する増粘剤の粘着性でこれら粉末成
分から成る電極用合剤を導電性基板に担持させている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したニ
ッケル極の場合、電池の充放電サイクルが反復される過
程で、導電性基板に担持されている水酸化ニッケルには
不可逆的な反応生成物であるγ−オキシ水酸化ニッケル
が蓄積され、そのことによって膨張・変形する。とく
に、急速充電時には、上記傾向が顕著に発現する。
【0010】そのため、水酸化ニッケル粉末を主成分と
する電極用合剤は上記した膨張・変形時のストレスを受
けて導電性基板から剥落することがある。このような事
態が発生すると、ニッケル極の容量低下が引き起こされ
るとともに、剥落量が多くなった場合にはそれが正極板
と負極板との間を短絡し、電池のサイクル寿命を短くし
てしまう。
【0011】このような問題に対しては、水酸化ニッケ
ル粉末を主体とする合剤ペーストを例えば発泡メタルに
充填し、乾燥後加圧し、更に続けてフッ素樹脂を含む懸
濁液(例えばポリテトラフルオロエチレンのディスパー
ジョン)に浸漬したのち乾燥するニッケル正極の製造方
法が提案されている(特開昭60−131765号公報
参照)。この方法の場合には、前記懸濁液の一部は乾燥
後の電極用合剤の空隙に浸透し、水酸化ニッケルの粉末
をある程度互いに結着して上記した膨張・変形のストレ
スによる電極用合剤の剥落現象を緩和することになる。
【0012】また、水素吸蔵合金電極の場合には、電池
の充放電サイクルの過程において、導電性基板に担持さ
れている水素吸蔵合金粉末は水素の吸蔵・放出を反復す
るが、そのときに、膨張・収縮を繰り返す。そして、そ
のときのストレスによって水素吸蔵合金粉末は微粉化し
て剥落していき、更には担持されている電極用合剤が導
電性基板から剥落するという傾向を示す。とくに、急速
充電時には、この傾向が顕著に発現してくる。
【0013】このような事態が起こると、水素吸蔵合金
電極それ自体の容量低下を招くのみならず、脱落量が多
くなるとその水素吸蔵合金の微粉によって正極と負極
(水素吸蔵合金電極)との間で短絡現象が起こり、電池
のサイクル寿命は短くなってしまう。このようなことか
ら、最近では、担持されている水素吸蔵合金粉末間にお
ける相互結着性を高めることが重要視されている。
【0014】そのため、前記スラリー調製時に、更に、
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),テトラフル
オロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(F
EP),テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキ
ルビニルエーテル共重合体(PFA),ポリクロロトリ
フルオロエチレン(PCTFE),ポリフッ化ビニリデ
ン(PVDF),ポリフッ化ビニル,エチレン/テトラ
フルオロエチレン共重合体(ETFE),エチレン/ク
ロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE),フ
ッ素系ゴム,クロロプレン系ゴム,ニトリル系ゴム,ス
チレン系ゴム,ポリスチレン,ナイロン系のポリアミド
などの所定量を結着剤として配合してその結着力によっ
て水素吸蔵合金粉末相互間の結着性および電極用合剤と
導電性基板との相互結着性を高めることが試みられてい
る。
【0015】しかしながら、上記した結着剤は、いずれ
も、電池内のアルカリ電解液によって結着力を喪失し、
急速充電時における水素吸蔵合金粉末の脱落や電極用合
剤の剥落を有効に防止することができないだけではな
く、脱落防止を目的としてこれら結着剤を多量に用いる
と電極それ自体の集電能と機械的強度が低下してしま
い、電池容量を長期に亘って維持できないという問題が
発生する。
【0016】本発明は、上記した問題を解決し、充放電
サイクルの過程で電極用合剤の導電性基板からの剥落が
抑制され、もってそれを組み込んだ電池は長期に亘って
優れた充放電サイクル寿命特性を発揮することができる
電池用電極の提供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、無機質粉末を主成分とする
電極用合剤が導電性基板に担持されている電池用電極に
おいて、前記導電性基板の表面がシランカップリング剤
で被覆されていることを特徴とする電池用電極が提供さ
れる。
【0018】好ましくは、前記した電極用合剤にもシラ
ンカップリング剤が配合されている電池用電極が提供さ
れる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の電極は、例えば水酸化ニ
ッケル粉末(ニッケル・水素二次電池の正極の場合)、
水素吸蔵合金粉末(ニッケル・水素二次電池の負極の場
合)のような無機質粉末を主成分とする電極用合剤が導
電性基板に担持されていることは従来の電池用電極の場
合と変わらないが、前記導電性基板の表面がシランカッ
プリング剤の薄膜で被覆されていることを特徴とする。
【0020】シランカップリング剤は、次式:
【0021】
【化1】
【0022】(Xは有機官能基,Rはアルキル基を表
す)で示される構造単位を有する。有機官能基Xとして
は、例えば、エポキシ基,アミノ基,ビニル基,メルカ
プト基,エチル基,イソプロピル基,シクロヘキシル
基,フェニル基,などを代表例とする。
【0023】このシランカップリング剤は、一方の端部
に位置する官能基Xが有機物質と反応して当該有機物質
と結合し、他方の端部に位置する−OR基(アルコキシ
ド基)は水の存在下で加水分解する。したがって、この
シランカップリング剤の薄膜で表面が被覆されている導
電性基板に、合剤ペースト、すなわち、無機質粉末と増
粘剤や結着剤のような有機物質との混合物から成るペー
ストを充填すると、官能基Xは上記有機物質と結合し、
アルコキシド基(−OR)は加水分解して、合剤ペース
トの無機質粉末および導電性基板と結合する。すなわ
ち、シランカップリング剤は、形成される電極用合剤と
導電性基板とを媒介的に結着する働きをする。
【0024】このようなシランカップリング剤として
は、例えばγ−クロロプロピルトリメトキシシラン,γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,メチルト
リメトキシシラン,ビニルトリメトキシシラン,ビニル
トリアセトキシシラン,メチルトリエトキシシラン,β
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシ
ラン,γ−メルカプトプロピルメトキシシラン,γ−ア
ニリノプロピルトリメトキシシラン,N−β−(アミノ
エチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン,メチルトリクロ
ロシランなどあげることができる。
【0025】これらのうち、官能基Xがエポキシ基やア
ルキル基であるものは、官能基Xがアミノ基,ビニル
基,メルカプト基,塩素基であるものに比べてアルカリ
水溶液、例えば電池の電解液として多用されるKOH水
溶液に比較的溶解しにくく、仮に溶解したとしても、電
池特性に悪影響を与えるような分解生成物を生ずること
がなく、また充電時に発生する酸素ガスに対しても比較
的耐酸化性が良好であり、製造された電池の自己放電特
性やサイクル寿命特性が良好になるので好適である。
【0026】また、(1H,1H,2H,2H−ヘンイ
コサフルオロドデシル)トリメトキシシラン,(1H,
1H,2H,2H−ヘンイコサフルオロドデシル)トリ
エトキシシラン,(1H、1H、2H、2H−ノナフル
オロヘキシル)ジメトキシシラン,(1H、1H、2
H、2Hーノナフルオロヘキシル)ジエトキシシラン,
(1H,1H,2H,2H−ヘプデカフルオロデシル)
ジメトキシシラン,(1H,1H,2H,2H−ヘプタ
デカフルオロデシル)トリメトキシシラン,(1H,1
H,2H,2H−トリデカフルオロオクシル)トリメト
キシシラン,(1H,1H,2H,2H−トリデカフル
オロオクシル)トリエトキシシランのようなフッ素系シ
ランカップリング剤をあげることができる。
【0027】したがって、これらのシランカップリング
剤の薄膜を介して電極用合剤が担持されている電極は、
電池反応にとって有害な分解生成物を生ずることがな
く、長期に亘ってその結着状態が保持される。すなわ
ち、電極用合剤と導電性基板の相互結着性は弱まらない
ことになる。とくに、前記したようなフッ素系シランカ
ップリング剤は、その分子内に
【0028】
【外1】
【0029】結着性と同時に撥水性も備えており、ペー
ストの調製時に、別にフッ素系樹脂などを配合して撥水
性を確保することは必要でなくなるので好適である。ま
た、
【0030】
【外2】
【0031】カップリング剤の撥水性の強弱を制御する
ことができる。例えば、n値が大きい場合には撥水性が
強まり、n値が小さい場合には撥水性が弱くなる。更
に、フッ素系シランカップリング剤は、アルカリ電解液
中で過充電・過放電状態にあっても、前記したアミン系
シランカップリング剤などのようにわずかではあれ分解
して亜硝酸,硝酸イオン,アンモニウムイオンのような
分解生成物を生ずることが全くないため、電池の自己放
電特性に悪影響を与えることがないので好適である。
【0032】本発明の電極を製造するに際しては、ま
ず、導電性基板の表面を上記したようなシランカップリ
ング剤で被覆して当該導電性基板の表面に薄膜を形成す
る。具体的には、シランカップリング剤に導電性基板を
浸漬する。この過程で、シランカップリング剤のアルコ
キシド基の一部が、加水分解して導電性基板の表面と結
合した薄膜が形成されている。しかし、官能基Xは有機
物質との結合を求めて待機状態にある。
【0033】なお、このときに、所望量のフッ素樹脂を
混在させておくと、形成される電極用合剤の撥水性を確
保することもできて好適である。また、カルボキシメチ
ルセルロースのような界面活性剤を配合しておくと、シ
ランカップリング剤の分散性を高めることができ、当該
シランカップリング剤の薄膜を導電性基板の表面に均一
に形成することができ、もって電極用合剤の剥落が一層
抑制されるので有効である。
【0034】このとき、シランカップリング剤の薄膜の
厚みは10〜300Åにすることが好ましい。この厚み
が10Åより薄い場合は、合剤ぺーストと導電性基板と
の間で前記した結着効果は充分に現れず、また300Å
より厚くすると、製造された電極全体の導電性は悪くな
って集電能が落ち、電池性能の低下を招くからである。
より好ましくは、30〜150Åにする。
【0035】ついで、導電性基板に所定の合剤ペースト
を充填または塗着する。合剤ぺースト中の増粘剤や結着
剤は、既に形成されている薄膜のシランカップリング剤
の官能基Xと結合し、また、無機質粉末はシランカップ
リング剤の残余基であるアルコキシド基と結合する。そ
のため、合剤ペーストは、この薄膜を介して導電性基板
の表面に結着される。
【0036】なお、合剤ペーストの調製時にも所望量の
シランカップリング剤を配合すると、無機質粉末と有機
物質との混合物である合剤ペーストにおける各粉末成分
はこのシランカップリング剤によって相互に結着され、
また、配合されたシランカップリング剤と、既に薄膜を
構成しているシランカップリング剤との間でも結合が起
こるので、各粉末成分の脱落が抑制されるとともに、電
極用合剤の導電性基板からの剥落も抑制されるようにな
って有用である。
【0037】なお、合剤ペーストの主成分である無機質
粉末としては、球状,鶏卵状,楕円状であるものが好ま
しい。合剤ペーストの導電性基板への充填性や塗着性が
向上するとともに、合剤ペーストはシランカップリング
剤の薄膜と均一に接触しやすくなり、合剤ペーストと導
電性基板との相互結着性が向上するからである。
【0038】
【実施例】
実施例1〜8 (1)電極の製造 以下のシランカップリング剤を用意した。 カップリング剤1:γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン カップリング剤2:メチルトリメトキシシラン カップリング剤3:メチルトリエトキシシラン カップリング剤4:γ−(2−アミノエチル)アミノプ
リピルトリメトキシシラン カップリング剤5:γ−アニリノプロピルトリメトキシ
シラン カップリング剤6:γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン カップリング剤7:ビニルトリアセトキシシラン カップリング剤8:メチルクロロシラン 一方、正極用の導電性基板として空隙率95体積%の発
泡ニッケルシート(厚み1.2mm)、負極用の導電性基板
としてパンチングニッケルシート(開口径1.5mm,開口
率38%,厚み0.07mm)を用意した。
【0039】これらの導電性基板を上に列記したそれぞ
れのシランカップリング剤に10秒間浸漬したのち取り
出し、乾燥し、各導電性基板の表面に各シランカップリ
ング剤の薄膜を形成した。それぞれの薄膜の厚みをオー
ジェ分光分析装置で測定したところ、約50Åの厚みで
あった。
【0040】また、1〜200μmの粒度分布を有し、
亜鉛が7重量%固溶している球状の水酸化ニッケル粉末
100重量部に対し、0.5〜10μmの粒度分布を有す
るカーボニルニッケル粉末10重量部,0.5〜30μm
の粒度分布を有する一酸化コバルト粉末5重量部,濃度
2重量%のカルボキシメチルセルロース水溶液50重量
部(カルボキシメチルセルロース換算量は1重量部),
濃度60重量%のPTFEディスパージョン3.3重量部
(換算量は2重量部)を添加して全体を混練することに
より正極用の合剤ペーストを調製した。
【0041】一方、MmNi3.2Co1.0Al0.2Mn0.4
(Mnはミッシュメタル)を機械粉砕して平均粒径65
μmの微粉に整粒し、この微粉100重量部に対し、ニ
ッケル粉末10重量部,濃度2重量%のカルボキシメチ
ルセルロース水溶液50重量部,濃度60重量%のPT
FEディスパージョン3.3重量部を添加して全体を混練
することにより負極用の合剤ペーストを調製した。
【0042】正極用の導電性基板(発泡ニッケルシー
ト)のそれぞれには前記した正極用の合剤ペーストを充
填し、乾燥・ロール圧延を行ったのち、前記したPTF
Eディスパージョンに浸漬し、再度、乾燥・ロール圧延
を行って厚み0.7mmのニッケル極にした。また、負極用
の導電性基板(パンチングニッケルシート)のそれぞれ
には、前記した負極用の合剤ペーストを塗着し、乾燥・
ロール圧延を行って厚み0.35mmの水素吸蔵合金電極に
した。
【0043】なお、それぞれの導電性基板をシランカッ
プリング剤で処理しなかったことを除いては、実施例と
同様にしてニッケル極および水素吸蔵合金電極を製造
し、それを比較例とした。 (2)電池の組立 組み込むセパレータを次のようにして製造した。
【0044】まず、FT−310(商品名、日本バイリ
ーン(株)製のポリオレフィン系の不織布)を水洗して
表面に付着する非イオン界面活性剤を除去したのち乾燥
し、ついで、その不織布を濃度95%の熱濃硫酸(温度
100℃)に30分間浸漬して表面にスルホン化処理を
行った。処理後の不織布を流水で充分に洗浄し、温度8
0℃で1時間乾燥したのち、濃度1%の水酸化ナトリウ
ム水溶液に5分間浸漬し、更に水洗した。
【0045】また、FT−773(商品名、日本バイリ
ーン(株)製のポリアミド系樹脂の不織布)を水洗し、
この不織布の両面に、前記FT−310の処理品を重ね
合わせ、全体に3kg/m2の圧力を加えながら温度80℃
で1時間の熱圧処理を行って一体化し、それをセパレー
タとした。前記したニッケル極と各水素吸蔵合金電極と
の間に、前記セパレータを介在させて極板群とし、これ
をニッケルめっきが施されているステンレス鋼製の缶に
収容し、ここに、0.6NのNaOHと1NのLiOHと
7NのKOHとから成る電解液を注液して封口し、同筒
形で、定格容量1300mAhのニッケル・水素二次電池
を組み立てた。
【0046】(3)電池特性の調査 組み立てた電池につき、温度20〜25℃において、1
300mAhで1.5時間の充電、1300mAhで放電終止電
圧が1Vの放電状態になるように1.25時間の放電、休
止0.25時間を1サイクルとするサイクル寿命試験を行
った。500サイクル試験後の放電容量を測定し、その
値を試験前の容量で除算して容量保持率(%)を算出し
た。
【0047】また、各電池については、充電後0.5時間
室温下に放置し、1000Hzの交流法で各電池の内部抵
抗を測定し、比較例の場合を1としたときの相対値を求
めた。更には、上記したサイクル試験において、500
サイクル終了の時点で電池を分解してニッケル極,水素
吸蔵合金を取り出し、各電極用合剤の剥離状態を目視観
察した。
【0048】以上の結果を一括して表1に示した。
【0049】
【表1】
【0050】表1から明らかなように、導電性基板の表
面がシランカップリング剤で被覆されている実施例の電
極を組み込んだ電池は、充放電サイクル試験後にあって
も、電極用合剤の剥離は認められず、また容量保持率も
比較的高い値を示している。実施例9〜17シランカッ
プリング剤としてシランカップリング剤1を選定した。
そして、このシランカップリング剤1の濃度を変化さ
せ、それぞれに、実施例1〜8で用いた発泡ニッケルシ
ート,パンチングニッケルシートを10秒間浸漬したの
ち取り出し、乾燥した。
【0051】形成されたシランカップリング剤1の被膜
の厚みをオージェ分光分析装置で測定した。その結果を
表2に示した。ついで、実施例1〜8と同様にして、ニ
ッケル極と水素吸蔵合金電極の製造、それらを用いた電
池の組立て、そして、各電池の特性を調べた。以上の結
果を表2に示した。
【0052】
【表2】
【0053】表2から明らかなように、電極用合剤の剥
離を防止するためには、シランカップリング剤1の薄膜
の厚みを厚くすることが好適である。しかし、その厚み
を厚くするにつれて電池の内部抵抗は大きくなってい
き、例えば厚みが400Åになると、電池内部の初期値
は25mΩを超えてしまう。このようなことから、薄膜
の厚みは、10〜300Åに設定することが好ましい。
【0054】実施例18〜25 実施例1〜8で示した各電極を製造するに際し、正極用
の合剤ペーストの調製時にPTFEディスパージョン3.
3重量部に代えて,PTFEディスパージョン1.65重
量部と、それぞれの発泡ニッケルシートの表面を被覆す
るシランカップリング剤1.65重量部の両者を一緒に用
いたことを除いては、同じようにして合剤ペーストを調
製した。また、負極用の合剤ペーストの調製時において
も同様の方法でPTFEとシランカップリング剤の両方
を含有する合剤ペーストを調製した。
【0055】これらのペーストを用いて、実施例1〜8
と同様にしてニッケル極,水素吸蔵合金電極を製造し、
それらを用いて同様の電池を組み立て、同じようにして
電池特性を調べた。その結果を表3に示した。
【0056】
【表3】
【0057】前記した表1と表3を比較して明らかなよ
うに、実施例18〜25のように合剤ペーストにもシラ
ンカップリング剤を配合すると、電極用合剤の剥離は起
こらないことは同様であるが、導電性基板の表面をシラ
ンカップリング剤で被覆しただけの場合に比べて、容量
保持率は一層優れた値を示し、サイクル寿命特性の更な
る向上がはかられている。
【0058】実施例26〜29 シランカップリング剤として1H,1H,2H,2H−
ヘンイコサフルオロドデシルトリメトキシシランを用
い、実施例1の場合と同様にしてニッケル極と水素吸蔵
合金電極を製造し、更に実施例1と同様にして電池を組
み立て、その電池特性を調べた。これを実施例26とす
る。
【0059】また、合剤ペーストにも上記シランカップ
リング剤を配合して実施例18と同様にしてニッケル極
と水素吸蔵合金電極を製造し、それらを組み込んだ電池
の特性を調べた。これを実施例27とする。シランカッ
プリング剤1とPTFEディスパージョンを略同量混合
し、それを用いて実施例1と同様に導電性基板を被覆
し、実施例1と同様にして電池を組み立て、その電池特
性を調べた。これを実施例28とする。
【0060】また、合剤ペーストにもシランカップリン
グ剤1を配合し、その合剤ペーストと上記実施例28で
用いた導電性基板を用いて実施例18と同様にしてニッ
ケル極と水素吸蔵合金電極を製造し、それらを組み込ん
だ電池の特性を調べた。これを実施例29とする。結果
は、表4に示した。
【0061】
【表4】
【0062】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
電池用電極は、電極用合剤をシランカップリング剤を介
して導電性基板に担持させているので、充放電サイクル
の過程で前記電極用合剤が導電性基板から剥離するとい
う事態は抑制される。したがって、本発明の電極が組み
込まれている電池は、長期に亘って高い容量保持率を示
し、そのサイクル寿命特性が優れたものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機質粉末を主成分とする電極用合剤が
    導電性基板に担持されている電池用電極において、前記
    導電性基板の表面がシランカップリング剤で被覆されて
    いることを特徴とする電池用電極。
  2. 【請求項2】 前記電極用合剤にもシランカップリング
    剤が配合されている請求項1の電池用電極。
JP8313794A 1995-11-28 1996-11-25 電池用電極 Pending JPH10154514A (ja)

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JP8313794A JPH10154514A (ja) 1996-11-25 1996-11-25 電池用電極
PCT/JP1996/003490 WO1997020356A1 (en) 1995-11-28 1996-11-28 Electrode for cell
EP96939322A EP0865090A4 (en) 1995-11-28 1996-11-28 ELECTRODE FOR CELL

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002260720A (ja) * 2001-02-28 2002-09-13 Toshiba Battery Co Ltd ニッケル・水素二次電池

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002260720A (ja) * 2001-02-28 2002-09-13 Toshiba Battery Co Ltd ニッケル・水素二次電池

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