JPH1040917A - 電池用電極 - Google Patents

電池用電極

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JPH1040917A
JPH1040917A JP8192378A JP19237896A JPH1040917A JP H1040917 A JPH1040917 A JP H1040917A JP 8192378 A JP8192378 A JP 8192378A JP 19237896 A JP19237896 A JP 19237896A JP H1040917 A JPH1040917 A JP H1040917A
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mixture
compound
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powder
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JP8192378A
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Hitoshi Kato
人士 加藤
Akitomo Shirakawa
亮偕 白川
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Furukawa Battery Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 集電体から合剤が脱落しにくい二次電池用電
極の提供を目的とする。 【解決手段】 この二次電池用電極は、電極用合剤を構
成する粉末成分が、次式: 【化1】 (ただし、Xは有機官能基、Zは合剤または集電体に含
有されている金属元素の少なくとも1種、Rはアルキル
基、nは整数を表す)で示される化合物によって結着さ
れた状態で集電体に担持されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルカリ二次電池に
組み込まれる電池用電極に関し、更に詳しくは、集電体
に層状体をなして担持されている電極用合剤を構成する
各粉末成分間の相互結着性が優れており、また前記電極
用合剤の層状体と集電体表面との結着性も優れていて、
充放電時における前記電極用合剤の脱落が抑制され、も
ってサイクル寿命特性が優れている電池を提供すること
ができる電池用電極に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、高容量電池として急速に実用化
が進んでいるニッケル・水素二次電池は、水素を負極活
物質として作動する電池であって、水素を電気化学的に
吸蔵・放出する水素吸蔵合金の粉末を集電体に担持させ
て成る水素吸蔵合金電極を負極とし、また正極活物質で
ある水酸化ニッケルの粉末を集電体に担持させて成るニ
ッケル極を正極とし、これら負極と正極を所定のアルカ
リ電解液と一緒に外装缶に収容し、全体を密閉構造にし
た電池である。
【0003】前記した水素吸蔵合金電極は概ね次のよう
にして製造されている。すなわちまず、所定粒度の水素
吸蔵合金粉末と、カルボキシメチルセルロース水溶液の
ような増粘剤水溶液と、必要に応じてはニッケル粉末の
ような導電材粉末とを所定の割合で混合して粘稠な合剤
ペーストを調製する。このときに、増粘剤は水素吸蔵合
金粉末などを合剤ペースト内に均一分散させるための界
面活性剤として機能する。
【0004】そして、この合剤ペーストを、例えばパン
チングメタルシートのような集電体に塗着して、当該シ
ートの表面に所定の厚みで前記合剤ペーストを層状に付
着させたのち、乾燥,圧延処理を行い、水素吸蔵合金粉
末を機械的に相互に結着させるとともに残留する増粘剤
の粘着性で結着させた状態で集電体に担持させ、それを
所定の寸法形状に切断加工することにより製造されてい
る。
【0005】得られた水素吸蔵合金電極では、集電体の
表面に、水素吸蔵合金粉末を主成分とする粉末成分から
成る電極用合剤の層状体が当該集電体に結着した状態で
担持されている。また、前記したニッケル極としては、
焼結式ニッケル極と非焼結式ニッケル極が製造されてい
るが、後者の方が、活物質の充填効率が高く、高容量化
が可能であり、しかも製造コストの低減を実現できると
いう点で有利であるとされている。
【0006】この非焼結式ニッケル極は概ね次のように
して製造される。すなわちまず、所定粒度の水酸化ニッ
ケル粉末と、前記したような増粘剤水溶液と、必要に応
じてはニッケル粉末のような導電材粉末と、PTFEデ
ィスパージョンのような結着剤とを所定の割合で混合し
て粘稠な合剤ペーストを調製し、この合剤ペーストを、
ニッケル発泡体のような3次元網状構造の集電体の空隙
部に充填すると同時に表面に層状に付着せしめ、ついで
乾燥,圧延し、必要に応じては加熱して前記結着剤を溶
融して製造されている。
【0007】ここで、前記した結着剤は、溶融して合剤
ペーストを構成する各粉末成分を相互に結着することに
より、当該合剤を集電体に担持させる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した水
素吸蔵合金電極においては、集電体に担持されている電
極用合剤を構成する水素吸蔵合金粉末などの粉末成分は
増粘剤によって相互に結着され、また電極用合剤の層状
体は増粘剤と圧延時における機械的加圧力の相乗作用に
よって集電体に担持されている。
【0009】前記した非焼結式ニッケル極の場合には、
電極用合剤を構成する各粉末成分は、集電体の空隙内で
保持されるとともに前記した結着剤で相互に結着された
状態にある。しかしながら、上記した方法で製造した水
素吸蔵合金電極の場合、集電体に担持されている電極用
合剤を構成する各粉末成分間、とりわけ水素吸蔵合金粉
末相互間における結着力はそれほど強固ではないため次
のような問題が起こってくる。
【0010】すなわち、電池の充放電サイクルの過程に
おいて、集電体に担持されている水素吸蔵合金粉末は水
素の吸蔵・放出を反復するが、そのときに膨張・収縮を
繰り返す。そして、そのときのストレスによって水素吸
蔵合金粉末は微粉化していく。その結果、微粉化した水
素吸蔵合金粉末は合剤から脱落していき、そのため、合
剤の層状体も全体として集電体の表面から剥離するとい
うことが傾向的に起こってくる。とくに、急速充電時に
は、この傾向が顕著に発現してくる。
【0011】このような事態が起こると、水素吸蔵合金
電極それ自体の容量低下を招くのみならず、脱落量が多
くなるとその水素吸蔵合金の微粉によって正極と負極
(水素吸蔵合金電極)との間で短絡現象が起こり、電池
のサイクル寿命は短くなってしまう。また、上記したニ
ッケル極の場合には、充放電が反復する過程で、正極活
物質である水酸化ニッケルに不可逆的な反応生成物であ
るγ−オキシ水酸化ニッケルが蓄積していく。そして、
このγ−オキシ水酸化ニッケルの結晶粒は水酸化ニッケ
ルよりも大きいので、集電体に担持されている合剤は経
時的に膨潤して変形していく。
【0012】その結果、充放電サイクルが進行する過程
で、活物質である水酸化ニッケルが脱落したり、また合
剤の全体または一部が集電体から剥落するという事態の
起こる場合があり、水素吸蔵合金電極の場合と同じよう
に、短絡現象を起こし、電池のサイクル寿命が短くなる
ことがある。したがって、これらの正極や負極において
は、集電体に担持されている合剤を構成する各粉末成分
の相互結着性を高め、同時に、当該合剤の全体と集電体
との結着性も高めることは、電極自体の容量確保の点か
らいっても、また電池のサイクル寿命特性を向上させる
という点からいっても、非常に重要な課題となりはじめ
ている。
【0013】そのため、例えば、水素吸蔵合金電極やニ
ッケル極の場合には、前記した合剤ペーストの調製時
に、更に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),
テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共
重合体(FEP),テトラフルオロエチレン/パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA),ポリ
クロロトリフルオロエチレン(PCTFE),ポリフッ
化ビニリデン(PVDF),ポリフッ化ビニル,エチレ
ン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE),エ
チレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECT
FE),フッ素系ゴム,クロロプレン系ゴム,ニトリル
系ゴム,スチレン系ゴム,ポリスチレン,ナイロン系の
ポリアミドなどの所定量を結着剤として配合し、その結
着力によって水素吸蔵合金粉末相互間の結着性を高める
ことが試みられている。
【0014】しかしながら、上記した結着剤は、いずれ
も、電池内のアルカリ電解液によって結着力を喪失し、
急速充電時における水素吸蔵合金粉末やニッケル粉末の
脱落を有効に防止することができないだけではなく、脱
落防止を目的としてこれら結着剤を多量に用いると電極
それ自体の集電能と機械的強度が低下してしまい、電池
容量を長期に亘って維持できないという問題が発生す
る。
【0015】しかも、上記した従来の対応策は、いずれ
も、電極用合剤を構成する粉末成分の相互結着性の改善
に主要な努力が払われているものであって、担持されて
いる合剤の全体(例えば層状体)と集電体それ自体との
間の結着性の改善には言及されていない状況である。本
発明は、上記した問題を解決し、電極用合剤を構成する
粉末成分間の相互結着性は勿論のこと、合剤の全体と集
電体との結着性も優れており、急速充電のときにも、合
剤の集電体からの脱落や剥離が有効に抑制され、もって
優れたサイクル寿命特性を発揮する電池の製造を可能に
する電池用電極の提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明においては、電極用合剤を構成する粉末成
分が、次式:
【0017】
【化4】
【0018】(ただし、Xは有機官能基、Zは合剤また
は集電体に含有されている金属元素の少なくとも1種、
Rは炭素数1〜10のアルキル基、nは整数を表す)で
示される化合物によって結着された状態で集電体に担持
されていることを特徴とする電池用電極(以下、電極1
という)が提供される。また、本発明においては、粉末
成分から成る電極用合剤の層状体が、前記(1)式で示さ
れる化合物の塗布層を介して集電体の表面に結着されて
いることを特徴とする電池用電極(以下、電極2とい
う)が提供される。
【0019】更に本発明においては、電極用合剤を構成
する粉末成分が前記(1)で示される化合物で結着され、
かつ、前記電極用合剤の層状体も前記化合物の塗布層を
介して集電体の表面に結着されていることを特徴とする
電池用電極(以下、電極3という)が提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の電極は、集電体に前記し
たような各粉末成分から成る電極用合剤が担持されてい
ることは従来の電極の場合と同様であるが、合剤を構成
する各粉末成分が相互に(1)式で示した化合物で結着さ
れていること(電極1の場合)、合剤の層状体それ自体
と集電体とが前記化合物を介して結着されていること
(電極2の場合)、また、各粉末成分が相互に前記化合
物で結着され、同時に合剤の全体も前記化合物を介して
集電体に結着されていることを特徴とする。
【0021】(1)式で示した化合物において、Xは有機
官能基であって、例えば、エポキシ基,アミノ基,ビニ
ル基,メルカプト基,塩素基,アルキル基,フッ化炭素
基などをあげることができる。Zは、電極用合剤の粉末
成分を構成する金属元素や、集電体の少なくとも表面を
構成している金属元素を表し、例えば、La,Ni,A
l,Co,Ti,Si,Zr,Mn,V,Li,Ce,
Pr,Nd,Pm,Sm,Y,Sr,Ca,Mo,Pd
などの1種または2種以上をあげることができる。
【0022】また、Rは炭素数が1〜10のアルキル基
を表し、具体的には、CH3−,C25−,C37−,
49−,C511−,C613−,C715−,C817
−,C919−,C1021−,などを好適なものとして
あげることができる。更に、nは、前記した金属元素Z
の価数との関係で決まる整数であり、例えばZがNiで
あるときはn=3,ZがVのときはn=4などの数にな
る。
【0023】この化合物は、一方の端部に位置する有機
官能基Xが有機物質と反応して当該有機物質と結合し、
他方の端部に位置する−OR基(アルコキシド基)は水
の存在下で加水分解する。したがって、この化合物を配
合した状態で合剤ペーストを調製した場合、ここに有機
物質である例えばカルボキシメチルセルロースのような
増粘剤や結着剤であるフッ素系樹脂などが共存している
と、有機官能基Xはこの増粘剤やフッ素系樹脂と結合す
る。そして、アルコキシド基(−OR)は加水分解して
無機物質である水素吸蔵合金粉末や水酸化ニッケル粉末
のような粉末成分と結合する。すなわち、この化合物
は、増粘剤やフッ素系樹脂と上記無機質の粉末成分とを
媒介的に結合し、合剤中にこれら粉末成分を定着せしめ
る。
【0024】また、増粘剤やフッ素系樹脂のような有機
物質が共存していない場合であっても、有機官能基Xが
相互に結合してある種のネットワークを形成し、他方の
アルコキシド基と結合した水素吸蔵合金粉末や水酸化ニ
ッケル粉末のような粉末成分をそのネットワーク内に定
着せしめることができる。このことを利用して、本発明
の電極1が得られる。
【0025】更には、前記した化合物を配合することな
く調製した合剤ペーストの場合であっても、当該合剤ペ
ーストを集電体に塗着または充填するに当たり、前記化
合物の懸濁液を当該集電体の表面に塗布して合剤ペース
トと集電体の接触界面に当該化合物を介在せしめると、
この化合物のアルコキシド基は加水分解して集電体表面
や合剤の粉末成分の構成金属元素と結合し、また有機官
能基は合剤ペースト中の増粘剤やフッ素系樹脂などと結
合することになるので、結局は、合剤ペーストの全体
(層状体)がこの化合物を媒介にして集電体の表面と結
着することになる。
【0026】このことを利用して、本発明の電極2が得
られる。また、電極1の場合のように合剤を構成する各
粉末成分をこの化合物で相互に結着し、同時に、電極2
の場合のようにして集電体の表面に化合物の塗布層を形
成すると、合剤中の粉末成分の脱落も、また合剤全体の
集電体からの脱落や剥離もより一層有効に抑制されるこ
とになる。
【0027】このことを利用して、本発明の電極3が得
られる。なお、この化合物が加水分解したものは、有機
溶媒に比較的易溶であるが、アルカリ電解液には難溶で
あるという性質を備えている。したがって、上記したよ
うに、加水分解して合剤中の粉末成分や集電体の表面と
結合した状態でこの化合物が電池に組み込まれた場合で
あっても、電池内のアルカリ電解液によって溶解すると
いう問題はほとんど起こらないので、アルカリ電解液の
機能低下が引き起こされることはない。
【0028】このような働きをする化合物において、有
機官能基Xがエポキシ基,アルキル基,フッ素炭素基で
あるものは、いずれも、電池の電解液として多用されて
いるKOH水溶液に溶解しにくく、電池特性に悪影響を
与える分解生成物をほとんど生じないので好適である。
とくに、有機官能基Xがフッ化炭素基であるものは、当
該フッ化炭素基が分子
【0029】
【外1】
【0030】ため、結着性や増粘性ともに撥水性も備え
ており、合剤ペーストの調製時に別にフッ素系樹脂など
を配合して合剤の撥水性を確保することは必要でなくな
るので
【0031】
【外2】
【0032】その化合物の撥水性の強弱を制御すること
ができる。例えば、n値を大きくすれば撥水性は強くな
り、n値を小さくすれば撥水性を弱くすることができ
る。
【0033】
【外3】
【0034】本発明の電極は次のようにして製造するこ
とができる。まず、目的とする電極用の合剤を構成する
粉末成分と、(1)式で示した化合物を混合して合剤ペー
ストを調製し、この合剤ペーストを集電体に塗着または
充填したのち、乾燥,圧延が行われる。具体的には、予
め化合物の所定量を例えば増粘剤水溶液に分散せしめて
懸濁液を調製し、ここに粉末成分を所定の割合で混合し
て成る混合粉末を投入し、全体を攪拌すればよい。
【0035】なお、粉末成分として異形ではなく略球状
の形をしたものを用いると、当該粉末成分と化合物との
接触状態は均一化して前記化合物による結着効果が有効
に発現するので好適である。また球状の粉末成分は流動
性に富むため、調製された合剤ペーストの集電体への均
一な塗着または充填を実現することができるからでもあ
る。
【0036】この合剤ペーストの調製時に、化合物のO
R基は加水分解して粉末成分と結合し、また有機官能基
Xは増粘剤と結合して、粉末成分が相互に結着される。
ここで、前記した合剤ペーストにおける(1)式で示した
化合物の配合量は、粉末成分の粒度や配合量、また増粘
剤の量との関係で選定される。配合量が少なすぎると、
粉末成分に対する結着効果は不充分となり、逆に配合量
が多すぎると粉末成分の結着にとって無駄になるだけで
はなく、これら粉末成分の表面が化合物で被覆された状
態になり、その表面活性は低下して電極としての容量低
下が引き起こされてしまう。増粘剤の配合量によっても
異なるが、また、粉末成分の粒度によっても異なってく
るが、通常、粉末成分100重量部に対し0.1〜10重
量部程度であればよい。
【0037】なお、合剤ペーストにおける化合物の配合
量が少ない場合でも、当該合剤ペーストを集電体に塗着
または充填したのちに、それを化合物の懸濁液に浸漬す
ることにより前記化合物を補充して適正な結着性を確保
することも可能である。そして、この合剤ペーストを集
電体に塗着または充填する際に、当該集電体の表面に前
記した化合物の懸濁液を塗布すれば、本発明の電極3を
製造することができ、また塗布しなければ本発明の電極
1を得ることができる。
【0038】電極2を製造する場合には、(1)式で示し
た化合物を混合することなく、従来と同じようにして粉
末成分の合剤ペーストを調製し、その合剤ペーストを乾
燥したのちロール圧延してシート状に成形し、このシー
トに前記した化合物の懸濁液を塗布するか、または前記
懸濁液に前記シートを浸漬してシートの表面または内部
に(1)式の化合物を含有せしめ、ついで、このシートを
例えば板状の集電体に貼着し、圧延する方法を採用する
ことができる。
【0039】
【実施例】
実施例1〜18,比較例1〜3 以下のようにして、電極1が組み込まれているAAサイ
ズで定格容量1200mAhのニッケル・水素二次電池を
組み立てた。 (1)水素吸蔵合金電極の製造 まず、次の組成の水素吸蔵合金を用意した。
【0040】合金1:Ti17Zr1622Ni39Cr17 合金2:MmNi3.2Co1.0Al0.2Mn0.4 (Mmは
ミッシュメタル) 合金3:La1.0Ni3.5Co0.8Mn0.4Al0.3 これらの合金を機械粉砕して平均粒径が約65μmの微
粉に整粒した。なお、粉末はいずれも球形ではない。
【0041】一方、以下の化合物を用意した。 化合物1:CF3(CF2)9(CH2)21(OCH3)
3(ただし、Z1は、Ti,Ni,Zr,V,Crのいず
れかを表す) 化合物2:(CF3)2CF(CF2)8(CH2)22(OC
3)3(ただし、Z2は、La,Ni,Co,Al,Mn
のいずれかを表す) 化合物3:CF3(CF2)764(CH2)23(OCH
3)3(ただし、Z3は、La,Ni,Co,Mn,Alの
いずれかを表す) 化合物4:(CF3)2CF(CF2)8(CH2)24(OC
25)3(ただし、Z4はLa,Ni,Co,Al,Mn
のいずれかを表す) これら化合物を、濃度1重量%カルボキシメチルセルロ
ース水溶液に分散してこれら化合物の濃度が60重量%
である懸濁液を調製した。
【0042】ついで、前記した各合金粉末100重量部
に対し、ニッケル粉末10重量部と、各化合物の量が3.
0重量部となるように前記懸濁液5重量部とを混合して
各種の合剤ペーストを調製した。ついで、これらの合剤
ペーストをニッケル多孔板(開口径1.5mm,開口率38
%,厚み0.07mm)の両面に塗布したのち温度80℃で
60分間乾燥し、更に3ton/cm2の圧力でロール圧延し
て厚み0.35mmの水素吸蔵合金電極(電極1)にした。
【0043】なお、前記懸濁液に代えて、同様のPTF
Eを結着剤とする電極を同様の条件で製造し、それらを
比較例とした。 (2)ニッケル極の製造 1〜200μmの粒度分布を有し、亜鉛が7重量%固溶
している球状の水酸化ニッケル粉末100重量部に対
し、0.5〜10μmの粒度分布を有するカーボニルニッ
ケル粉末10重量部、0.5〜30μmの粒度分布を有す
る一酸化コバルト粉末5重量部、濃度2重量%のカルボ
キシメチルセルロース水溶液50重量部(カルボキシメ
チルセルロース換算量1重量部)、濃度60重量%のP
TFEディスパージョン1重量部(PTFE粉末換算0.
5重量部、PTFE粉末の粒径0.1〜10μm)を混練
して活物質ペーストを調製した。
【0044】この活物質ペーストを、空隙率95%のス
ポンジ状ニッケル板に充填し、温度150℃で20分間
乾燥したのち4ton/cm2の圧力でロール圧延した。つい
で、得られた板剤を濃度60重量%のPTFEディスパ
ージョン1重量部(PTFE粉末換算量0.6重量部)に
浸漬したのち取り出し、温度120℃で20分間乾燥
し、さらに6ton/cm2の圧力でロール圧延して厚み0.7
mmのニッケル極にした。
【0045】(3)電池の組み立て FT−310(商品名、日本バイリーン(株)製のポリ
オレフィン系の不織布)を水洗して表面に付着する非イ
オン界面活性剤を除去したのち乾燥し、ついで、その不
織布を濃度95%の熱濃硫酸(温度100℃)に30分
間浸漬して表面にスルホン化処理を行った。処理後の不
織布を流水で充分に洗浄し、温度80℃で1時間乾燥し
たのち、濃度1%の水酸化ナトリウム水溶液に5分間浸
漬し、更に水洗した。
【0046】また、FT−773(商品名、日本バイリ
ーン(株)製のポリアミド系樹脂の不織布)を水洗し、
この不織布の両面に、前記FT−310の処理品を重ね
合わせ、全体に3kg/m2の圧力を加えながら温度80
℃で1時間の熱圧処理を行って一体化し、それをセパレ
ータとした。前記したニッケル極と各水素吸蔵合金電極
との間に、前記セパレータを介在させて極板群とし、こ
れをニッケルめっきが施されているステンレス鋼製の缶
に収容し、ここに、0.6NのNaOHと1NのLiOH
と7NのKOHとから成る電解液を注液して封口し、角
形で、定格容量1200mAhのニッケル・水素二次電池
を組み立てた。
【0047】(4)電池特性の調査 組み立てた電池につき、温度20℃において、1200
mAで1.5時間の充電、1200mAで電池電圧が1Vの放
電状態になるように1.25時間の放電、休止0.5時間を
1サイクルとするサイクル寿命試験を行った。1500
サイクル試験後の放電容量を測定し、その値を試験前の
容量で除算して容量保持率(%)を算出した。その結果
を表1に示した。
【0048】また、上記サイクル寿命試験において、1
500サイクル終了時に電池を分解して水素吸蔵合金電
極を取り出し、その重量を測定して電池に組み込む前の
重量から水素吸蔵合金粉末の脱落量を求めた。水素吸蔵
合金電極につき、各比較例の水素吸蔵合金電極における
脱落量を1としたときの相対値として表1に示した。ま
た、水素吸蔵合金電極の表面ふくれと表面からの脱落の
状況を観察して、集電体と合剤の層状体との界面におけ
る剥離の有無を判断した。なお、前記表面ふくれの部分
を断面観察したところ、それは前記層状体の集電体表面
からの剥離に基づく現象であることが確認されている。
その観察結果も表1に示した。
【0049】
【表1】
【0050】表1から明らかなように、水素吸蔵合金の
種類とは関係なく、本発明の化合物を結着剤として用い
た水素吸蔵合金電極(電極1)は、結着剤としてPTF
Eを用いた従来の電極に比べて、合剤の層状体が集電体
から剥離することなく、水素吸蔵合金粉末の脱落重量比
は1/5〜1/2程度であり、その結果、電池の容量保
持率も高くなり、サイクル寿命特性を優れたものにして
いる。
【0051】実施例19〜24 (1)式で示される化合物として下記のものを用意した。 化合物5:NH2(CH2)2NH(CH2)3Ni(OC
3)3 化合物6:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Ni(C
3)(OCH3
【0052】
【化5】
【0053】 化合物8:HS(CH2)3Ni(OCH3)3 化合物9:CH3NiCl3 化合物10:CH3Ni(OCH3)3 実施例1〜18において、水素吸蔵合金として合金2を
用いたこと、化合物1〜4に代えて上記した化合物5〜
10を用いたことを除いては、実施例1〜18と同じよ
うにして水素吸蔵合金電極(電極1)を製造した。そし
て、実施例1〜18と同じようにしてAAサイズ,定格
容量1200mAhのニッケル・水素二次電池を組み立て
て、その電池特性を調べた。脱落重量比は比較例2に対
する値である。その結果を表2に示した。
【0054】
【表2】
【0055】表2の結果と表1の比較例2の結果から明
らかなように、化合物5〜化合物10を結着剤として用
いた場合でも、合金粉末の脱落は少なく、その電池の容
量保持率は高くなっている。しかし、表1の実施例7の
結果に比べると、合金粉末の脱落は多くなり、そして容
量保持率も低下していることがわかる。
【0056】これは、表1の実施例7の化合物と実施例
19〜24の化合物がいずれもZがNiであるにもかか
わらず、実施例7の化合物の有機官能基Xはフッ化炭素
基であり、そして実施例19〜24の化合物における有
機官能基がそれぞれ、アミノ基(化合物5の場合),ビ
ニル基(化合物6の場合),エポキシ基(化合物7の場
合),メルカプト基(化合物8の場合),クロル基(化
合物9の場合),アルキル基(化合物10の場合)であ
ることに基づくことであると考えられる。すなわち、
(1)式で示した化合物において、有機官能基Xはフッ化
炭素基であることを好適とすることがわかる。
【0057】実施例25〜34 前記した表1中の比較例1に相当する合剤ペーストを調
製した。すなわち、この合剤ペーストの結着剤はPTF
Eであり、本発明の化合物は配合されていない。つい
で、比較例1で用いたのと同じニッケル多孔板に、化合
物1〜化合物10の懸濁液をそれぞれ塗布したのち、こ
こに、比較例1の合剤ペーストを塗着し、比較例1の場
合と同じ条件下で乾燥し、そして圧延して水素吸蔵合金
電極(電極2)を製造した。
【0058】これらの電極を用いて、実施例1と同じよ
うな製造条件で電池を組み立てて、その電池特性を調べ
た。その結果を表3に示した。
【0059】
【表3】
【0060】表3から明らかなように、本発明の化合物
を合剤ペーストに配合しなくても、この化合物を集電体
の表面に塗布して合剤ペーストを塗着すれば、合剤の脱
落を有効に防止することができる。これは、集電体の表
面に塗布された化合物が、集電体の表面の金属と合剤と
を媒介的に結合していることを立証する結果である。 実施例35〜47 実施例2,実施例7,実施例11〜13,実施例15,
実施例19〜24で示した合剤ペーストを調製した。
【0061】これら合剤ペーストをニッケル多孔板に塗
着するに当たり、各ニッケル多孔板には、それぞれの合
剤ペーストに配合されている化合物の懸濁液を塗布した
のち、それぞれの合剤ペーストを塗着し、乾燥し、圧延
して水素吸蔵合金電極(電極3)にした。これらの水素
吸蔵合金電極を用いて実施例1と同じ製造条件で電池を
組み立て、その電池特性を調べた。その結果を表4に示
した。
【0062】なお、表4中、実施例46,47は、公知
の水アトマイズ法で製造した球状の水素吸蔵合金粉末
(平均粒径約20μm)を用いて調製された合剤ペース
トである。
【0063】
【表4】
【0064】表4から明らかなように、合剤ペーストに
(1)式で示した化合物を配合すると同時に、配合されて
いる当該化合物をニッケル多孔板に塗布すると、合金粉
末の脱落を一層有効に防止することができ、その結果と
して、電池の容量保持率も非常に向上することがわか
る。 実施例48 実施例2で用いたニッケル極において、PTFEに代え
て、CF3(CF2)9(CH2)2Ni(OCH3)3を用いた
ことを除いては実施例2と同様にしてニッケル極を製造
し、それを組み込んで実施例2と同じ電池を組み立て
た。
【0065】そして、この電池につき、実施例2と同様
に1500回のサイクル寿命試験を行い、そのときの水
酸化ニッケル粉末の脱落重量比を求めた。結着剤がPT
FEである従来のニッケル極に比べて、脱落重量比は1/
6であった。
【0066】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
電極は、従来の電極に比べて、集電体に担持されている
合剤の脱落は非常に少なく、そのため、この電極が組み
込まれている電池はそのサイクル寿命特性が優れたもの
になる。このことは、合剤を構成する粉末成分や、合剤
と集電体との接触界面を(1)式で示した化合物で結着し
たことによる効果である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極用合剤を構成する粉末成分が、次
    式: 【化1】 (ただし、Xは有機官能基、Zは合剤または集電体に含
    有されている金属元素の少なくとも1種、Rは炭素数1
    〜10のアルキル基、nは整数を表す)で示される化合
    物によって結着された状態で集電体に担持されているこ
    とを特徴とする電池用電極。
  2. 【請求項2】 粉末成分から成る電極用合剤の層状体
    が、次式: 【化2】 (ただし、Xは有機官能基、Zは合剤または集電体に含
    有されている金属元素の少なくとも1種、Rは炭素数1
    〜10のアルキル基、nは整数を表す)で示される化合
    物の塗布層を介して集電体の表面に結着されていること
    を特徴とする電池用電極。
  3. 【請求項3】 電極用合剤を構成する粉末成分が、次
    式: 【化3】 (ただし、Xは有機官能基、Zは合剤または集電体に含
    有されている金属元素の少なくとも1種、Rは炭素数1
    〜10のアルキル基、nは整数を表す)で示される化合
    物によって結着され、かつ、前記電極用合剤の層状体が
    前記化合物の塗布層を介して集電体の表面に結着されて
    いることを特徴とする電池用電極。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005038730A (ja) * 2003-07-16 2005-02-10 Yuasa Corp 非焼結式ニッケル電極およびアルカリ蓄電池
JP2012134110A (ja) * 2010-12-24 2012-07-12 Fdk Twicell Co Ltd アルカリ二次電池用の負極及びこの負極を用いたアルカリ二次電池

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JP2005038730A (ja) * 2003-07-16 2005-02-10 Yuasa Corp 非焼結式ニッケル電極およびアルカリ蓄電池
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