JPH10158004A - ガラス状炭素材料の製造方法 - Google Patents
ガラス状炭素材料の製造方法Info
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- JPH10158004A JPH10158004A JP8332726A JP33272696A JPH10158004A JP H10158004 A JPH10158004 A JP H10158004A JP 8332726 A JP8332726 A JP 8332726A JP 33272696 A JP33272696 A JP 33272696A JP H10158004 A JPH10158004 A JP H10158004A
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- JP
- Japan
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- fired
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- glassy carbon
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- Ceramic Products (AREA)
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】内部に空孔を実質的に有さず、鏡面に研磨した
場合非常に平滑度の高い表面を有し、焼成工程における
割れの発生を防止し、焼成後の形状の変形量を小さくし
て次工程での加工負荷を小さくすることで生産性を向上
できるガラス状炭素材料の製造方法を提供する。 【解決手段】不活性雰囲気下で行なう熱硬化性樹脂成形
体6の焼成工程の当初において、少なくとも600℃ま
では昇温速度5℃/Hr以下の条件で昇温する。
場合非常に平滑度の高い表面を有し、焼成工程における
割れの発生を防止し、焼成後の形状の変形量を小さくし
て次工程での加工負荷を小さくすることで生産性を向上
できるガラス状炭素材料の製造方法を提供する。 【解決手段】不活性雰囲気下で行なう熱硬化性樹脂成形
体6の焼成工程の当初において、少なくとも600℃ま
では昇温速度5℃/Hr以下の条件で昇温する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内部に空孔を実質的
に有さず、鏡面研磨した場合に非常に平滑度の高い表面
を得ることのできるガラス状炭素(Glass-like Carbon)
材料の製造方法に関する。
に有さず、鏡面研磨した場合に非常に平滑度の高い表面
を得ることのできるガラス状炭素(Glass-like Carbon)
材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、3次元網目構造で形成され、不
溶不融の性質を持つ熱硬化性樹脂の成形体を、不活性雰
囲気下で炭素化すると、ガス不透過性に優れ、硬度が高
く、かつ等方性組織を有するガラス状炭素材料が得られ
る。このガラス状炭素材料は、一般の炭素材料が有す
る、軽量、耐熱性、高電気伝導性、耐食性、熱伝導性、
機械的強度、潤滑性等の特性に加え、均質でかつ摺動部
に用いても炭素粉末を生じない特性を備えている。その
ため、エレクトロニクス産業、原子力産業、宇宙産業を
はじめ、各分野で広範囲な利用が期待されている。最
近、このガラス状炭素材料の特徴に着目し、磁気及び光
記録ディスク用基板、燃料電池用セパレーター、記録メ
ディアの保護に用いられる炭素薄膜蒸着ないしスパッタ
用基体、プラズマエッチング用電極、磁気ヘッド等の用
途が検討されている。
溶不融の性質を持つ熱硬化性樹脂の成形体を、不活性雰
囲気下で炭素化すると、ガス不透過性に優れ、硬度が高
く、かつ等方性組織を有するガラス状炭素材料が得られ
る。このガラス状炭素材料は、一般の炭素材料が有す
る、軽量、耐熱性、高電気伝導性、耐食性、熱伝導性、
機械的強度、潤滑性等の特性に加え、均質でかつ摺動部
に用いても炭素粉末を生じない特性を備えている。その
ため、エレクトロニクス産業、原子力産業、宇宙産業を
はじめ、各分野で広範囲な利用が期待されている。最
近、このガラス状炭素材料の特徴に着目し、磁気及び光
記録ディスク用基板、燃料電池用セパレーター、記録メ
ディアの保護に用いられる炭素薄膜蒸着ないしスパッタ
用基体、プラズマエッチング用電極、磁気ヘッド等の用
途が検討されている。
【0003】このような優れた物理的特性を有するガラ
ス状炭素材料は、一般的には、熱硬化性樹脂を硬化させ
た後に、不活性雰囲気下で焼成することにより製造され
る。この際、必要に応じて硬化の前後あるいは焼成の前
後の必要な段階で成形加工を行なうことで、所望形状の
ガラス状炭素材料の製品あるいは中間製品を得ている。
ス状炭素材料は、一般的には、熱硬化性樹脂を硬化させ
た後に、不活性雰囲気下で焼成することにより製造され
る。この際、必要に応じて硬化の前後あるいは焼成の前
後の必要な段階で成形加工を行なうことで、所望形状の
ガラス状炭素材料の製品あるいは中間製品を得ている。
【0004】従来、ガラス状炭素材料を得るために、熱
硬化性樹脂の硬化に引き続いて行なわれる不活性雰囲気
下での焼成工程は、生産性を考慮して出来る限り短時間
で行われることが多かった。
硬化性樹脂の硬化に引き続いて行なわれる不活性雰囲気
下での焼成工程は、生産性を考慮して出来る限り短時間
で行われることが多かった。
【0005】そのような従来の焼成方法で製造されたガ
ラス状炭素材料を顕微鏡で観察すると、材料表面に存在
する開孔(open pore) と、材料内部に独立して存在する
閉孔(closed pore) とが確認される。そのような閉孔が
存在すると、磁気及び光記録ディスク用基板のように、
その材料表面を研磨により鏡面にして利用する分野に応
用する場合には、材料表面の研磨により、その閉孔が開
孔となって所望の鏡面が得られないため致命的な欠陥を
持つことになる。そのため、ガラス状炭素材料として、
内部に空孔を実質的に有さない緻密なものが要求され
る。
ラス状炭素材料を顕微鏡で観察すると、材料表面に存在
する開孔(open pore) と、材料内部に独立して存在する
閉孔(closed pore) とが確認される。そのような閉孔が
存在すると、磁気及び光記録ディスク用基板のように、
その材料表面を研磨により鏡面にして利用する分野に応
用する場合には、材料表面の研磨により、その閉孔が開
孔となって所望の鏡面が得られないため致命的な欠陥を
持つことになる。そのため、ガラス状炭素材料として、
内部に空孔を実質的に有さない緻密なものが要求され
る。
【0006】内部に空孔を実質的に有さない緻密なガラ
ス状炭素材料を得る方法としては、特開平1‐2304
71号公報に記載されているように、熱硬化性の樹脂成
形体を1000〜1900℃の温度で予備焼成し、次い
で、この予備焼成品に2050℃以上の温度で1000
気圧以上の等方的圧力を印加するHIP処理を行う方法
が知られている。
ス状炭素材料を得る方法としては、特開平1‐2304
71号公報に記載されているように、熱硬化性の樹脂成
形体を1000〜1900℃の温度で予備焼成し、次い
で、この予備焼成品に2050℃以上の温度で1000
気圧以上の等方的圧力を印加するHIP処理を行う方法
が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、そのHIP処
理を伴う方法では設備や操作が大がかりで複雑であるた
め、安価にガラス状炭素材料を製造することは困難であ
った。
理を伴う方法では設備や操作が大がかりで複雑であるた
め、安価にガラス状炭素材料を製造することは困難であ
った。
【0008】また、熱硬化性樹脂成形体を焼成する場
合、焼成中に被焼成物の割れや、CO、CO2 、CH4
等の生成ガスが被焼成物内に溜まることによる膨れが発
生したり、焼成中に被焼成物が異方収縮を起こし、焼成
後の形状が焼成前の形状と相似形とならず、次工程で加
工処理を行なうに際しての加工量が多くなり、生産性を
低下させてしまうという問題があった。
合、焼成中に被焼成物の割れや、CO、CO2 、CH4
等の生成ガスが被焼成物内に溜まることによる膨れが発
生したり、焼成中に被焼成物が異方収縮を起こし、焼成
後の形状が焼成前の形状と相似形とならず、次工程で加
工処理を行なうに際しての加工量が多くなり、生産性を
低下させてしまうという問題があった。
【0009】本発明は、上記問題を解決することのでき
るガラス状炭素材料の製造方法を提供することを目的と
する。
るガラス状炭素材料の製造方法を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、不活性雰囲気
下で行なう熱硬化性樹脂成形体の焼成工程を有するガラ
ス状炭素材料の製造方法であって、その焼成工程の当初
においては昇温速度5℃/Hr以下の条件で少なくとも
600℃まで昇温することを特徴とする。ここで焼成工
程とは、前工程で得られた熱硬化性樹脂成形体(被焼成
物)を、焼成炉内で不活性雰囲気下で炭素化し、ガラス
状炭素にする炭化工程をいう。また不活性雰囲気とは、
焼成工程において被焼成物が実質的に酸化を起こさない
濃度以下しか酸素を含まない焼成炉内雰囲気をいう。
下で行なう熱硬化性樹脂成形体の焼成工程を有するガラ
ス状炭素材料の製造方法であって、その焼成工程の当初
においては昇温速度5℃/Hr以下の条件で少なくとも
600℃まで昇温することを特徴とする。ここで焼成工
程とは、前工程で得られた熱硬化性樹脂成形体(被焼成
物)を、焼成炉内で不活性雰囲気下で炭素化し、ガラス
状炭素にする炭化工程をいう。また不活性雰囲気とは、
焼成工程において被焼成物が実質的に酸化を起こさない
濃度以下しか酸素を含まない焼成炉内雰囲気をいう。
【0011】本発明は以下の知見に基づくものである。
不活性雰囲気下での熱硬化性樹脂成形体(被焼成物)の
焼成においては、熱硬化性樹脂に含まれる水分あるいは
未反応モノマー等の有機分の中で、まず水を含む低沸点
物が100℃付近で脱離(脱ガス)し、次いで、炭素
(C)、水素(H)、酸素(O)が300℃以上の温度
領域においてCO、CO2 、CH4 等の形で脱ガスする
ことでガラス状炭素の生成が進行する。その被焼成物
は、その脱ガスがほぼ完結する600℃付近までの温度
領域で、その脱ガスに伴う約50%の重量減少と、約5
0%の体積収縮を起こす。そのCO、CO2 、H2 O等
の脱ガス反応による被焼成物の重量減少と収縮現象に際
し、黒鉛系材料の基本構造である六角網面が形成される
が、その六角網面の成長と積層が抑制され、熱硬化性樹
脂成形体における3次元架橋による乱層構造が保持され
ることで、ガラス状炭素が生成される。なお、その乱層
構造が保持されるのは、焼成工程において液相を生じな
い固相炭化という炭化を経るためである。すなわち、固
相炭化においては、熱分解が進行しても被焼成物が固相
を維持し続けるため、炭化中の分子運動は極めて限定さ
れる。そのため、3次元架橋で乱層構造が形成された熱
硬化性樹脂の成形体は、炭化されても六角網面の成長及
び積層が抑制される。
不活性雰囲気下での熱硬化性樹脂成形体(被焼成物)の
焼成においては、熱硬化性樹脂に含まれる水分あるいは
未反応モノマー等の有機分の中で、まず水を含む低沸点
物が100℃付近で脱離(脱ガス)し、次いで、炭素
(C)、水素(H)、酸素(O)が300℃以上の温度
領域においてCO、CO2 、CH4 等の形で脱ガスする
ことでガラス状炭素の生成が進行する。その被焼成物
は、その脱ガスがほぼ完結する600℃付近までの温度
領域で、その脱ガスに伴う約50%の重量減少と、約5
0%の体積収縮を起こす。そのCO、CO2 、H2 O等
の脱ガス反応による被焼成物の重量減少と収縮現象に際
し、黒鉛系材料の基本構造である六角網面が形成される
が、その六角網面の成長と積層が抑制され、熱硬化性樹
脂成形体における3次元架橋による乱層構造が保持され
ることで、ガラス状炭素が生成される。なお、その乱層
構造が保持されるのは、焼成工程において液相を生じな
い固相炭化という炭化を経るためである。すなわち、固
相炭化においては、熱分解が進行しても被焼成物が固相
を維持し続けるため、炭化中の分子運動は極めて限定さ
れる。そのため、3次元架橋で乱層構造が形成された熱
硬化性樹脂の成形体は、炭化されても六角網面の成長及
び積層が抑制される。
【0012】その焼成工程において、昇温速度が速すぎ
る場合は、脱ガス速度も速くなるため、脱ガス量から算
出される理論収縮量に到達しない内に、被焼成物の収縮
が完結してしまう。そのため、焼成の終了した被焼成物
の内部に空孔すなわち上述の閉孔が生成され、鏡面に研
磨しても表面に微小な欠陥が残ってしまう。また、昇温
速度が速すぎる場合は、焼成炉内で温度分布が生じ、こ
れにより被焼成物の内部と表面間でも温度分布が生じる
ため、特に被焼成物が厚い場合、内部からの有機分の脱
離(脱ガス)が阻害され、そのため、焼成中に被焼成物
に割れや膨れが発生する。さらにまた、昇温速度が速い
場合は、被焼成物内部での収縮速度の分布も大きくな
り、その結果、焼成中に被焼成物が異方収縮を起こし、
焼成後の形状が焼成前の形状と相似形とならなくなって
しまう。
る場合は、脱ガス速度も速くなるため、脱ガス量から算
出される理論収縮量に到達しない内に、被焼成物の収縮
が完結してしまう。そのため、焼成の終了した被焼成物
の内部に空孔すなわち上述の閉孔が生成され、鏡面に研
磨しても表面に微小な欠陥が残ってしまう。また、昇温
速度が速すぎる場合は、焼成炉内で温度分布が生じ、こ
れにより被焼成物の内部と表面間でも温度分布が生じる
ため、特に被焼成物が厚い場合、内部からの有機分の脱
離(脱ガス)が阻害され、そのため、焼成中に被焼成物
に割れや膨れが発生する。さらにまた、昇温速度が速い
場合は、被焼成物内部での収縮速度の分布も大きくな
り、その結果、焼成中に被焼成物が異方収縮を起こし、
焼成後の形状が焼成前の形状と相似形とならなくなって
しまう。
【0013】本発明によれば、その焼成工程において、
昇温速度5℃/Hr以下の条件で、その脱離がほぼ完結
する少なくとも600℃まで昇温することにより、その
被焼成物の重量減少と収縮をゆっくりと均一に行なうこ
とができる。被焼成物内の空孔の発生は、被焼成物の収
縮可能な温度領域において、熱硬化性樹脂に含まれる有
機分の脱離(脱ガス)による空孔の発生あるいは成長速
度と、焼成過程における熱硬化性樹脂の体積収縮による
空孔の除去速度の相対的な関係に起因する。すなわち、
被焼成物内において空孔の発生あるいは成長速度が空孔
の除去速度よりも大きくなるような昇温速度で焼成した
場合には、焼成を終了した被焼成物内には空孔が残存
し、逆に、被焼成物内において空孔の除去速度が空孔の
発生あるいは成長速度よりも大きくなるような昇温速度
で焼成した場合には、焼成を終了した被焼成物内には実
質的には空孔は残存しない。ただし、この空孔の除去あ
るいは抑制が可能となるのは、被焼成物が収縮可能な温
度領域においてである。以上のことから、本発明によ
り、熱硬化性樹脂の脱ガスが完結する温度、言い換えれ
ば熱硬化性樹脂が収縮可能な温度である少なくとも60
0℃までの温度領域において、昇温速度を5℃/Hr以
下とすることで、たとえ焼成過程において脱ガスにより
空孔が発生あるいは成長しても、焼成過程における熱硬
化性樹脂の体積収縮による空孔の除去速度は、空孔の発
生あるいは成長速度を上回るため、焼成の終了した被焼
成物の内部には実質的に空孔が存在するのを防止するこ
とが出来る。また、その昇温速度を遅くすることで、焼
成炉内の温度分布を均一化することができる。これによ
り、被焼成物の内部と表面間での温度分布を均一化し、
被焼成物が厚い場合でも、内部からの有機分の脱離(脱
ガス)を確実に行ない、焼成中に被焼成物に割れや膨れ
が発生するのを防止できる。さらにまた、その昇温速度
を遅くすることで、被焼成物内部での収縮速度の分布が
均一化されるため、焼成中の被焼成物は異方収縮を起こ
すことなく、焼成後の形状を焼成前の形状と相似形に近
づけることが出来る。
昇温速度5℃/Hr以下の条件で、その脱離がほぼ完結
する少なくとも600℃まで昇温することにより、その
被焼成物の重量減少と収縮をゆっくりと均一に行なうこ
とができる。被焼成物内の空孔の発生は、被焼成物の収
縮可能な温度領域において、熱硬化性樹脂に含まれる有
機分の脱離(脱ガス)による空孔の発生あるいは成長速
度と、焼成過程における熱硬化性樹脂の体積収縮による
空孔の除去速度の相対的な関係に起因する。すなわち、
被焼成物内において空孔の発生あるいは成長速度が空孔
の除去速度よりも大きくなるような昇温速度で焼成した
場合には、焼成を終了した被焼成物内には空孔が残存
し、逆に、被焼成物内において空孔の除去速度が空孔の
発生あるいは成長速度よりも大きくなるような昇温速度
で焼成した場合には、焼成を終了した被焼成物内には実
質的には空孔は残存しない。ただし、この空孔の除去あ
るいは抑制が可能となるのは、被焼成物が収縮可能な温
度領域においてである。以上のことから、本発明によ
り、熱硬化性樹脂の脱ガスが完結する温度、言い換えれ
ば熱硬化性樹脂が収縮可能な温度である少なくとも60
0℃までの温度領域において、昇温速度を5℃/Hr以
下とすることで、たとえ焼成過程において脱ガスにより
空孔が発生あるいは成長しても、焼成過程における熱硬
化性樹脂の体積収縮による空孔の除去速度は、空孔の発
生あるいは成長速度を上回るため、焼成の終了した被焼
成物の内部には実質的に空孔が存在するのを防止するこ
とが出来る。また、その昇温速度を遅くすることで、焼
成炉内の温度分布を均一化することができる。これによ
り、被焼成物の内部と表面間での温度分布を均一化し、
被焼成物が厚い場合でも、内部からの有機分の脱離(脱
ガス)を確実に行ない、焼成中に被焼成物に割れや膨れ
が発生するのを防止できる。さらにまた、その昇温速度
を遅くすることで、被焼成物内部での収縮速度の分布が
均一化されるため、焼成中の被焼成物は異方収縮を起こ
すことなく、焼成後の形状を焼成前の形状と相似形に近
づけることが出来る。
【0014】本発明において、その焼成工程の当初にお
いて熱硬化性樹脂成形体を焼成炉内で少なくとも600
℃まで昇温した後に、その当初の昇温温度を超える温度
まで再焼成するのが好ましい。この際、別の焼成炉で行
なわれる少なくとも600℃以下の再焼成においては、
すでに脱ガス及び収縮が完結しているため、その昇温速
度は特に限定されない。このように焼成工程を低温域の
第1工程と高温域を含む第2工程とに分割することで、
所定の被焼成物の量に対する焼成炉の容積効率を向上
し、トータルの焼成時間を短縮して生産性を向上でき
る。すなわち、第2工程での被焼成物は第1工程におい
て既に収縮をほぼ完結しているため、同一の処理数量に
対しても必要となる容積は小さくなる。さらに、少なく
とも600℃までの低温域の焼成においては、焼成中の
被焼成物の平坦度の維持あるいは焼成中の被焼成物、特
に熱硬化性樹脂の融着を防止するために、積載する被焼
成物である熱硬化性樹脂の間には炭素製等のスペーサー
の挿入が必要となるが、焼成工程を第1工程と第2工程
に分割する場合、その第1工程(低温域)での焼成条件
を被焼成物の脱ガス及び収縮(形状変化)が完結し、被
焼成物間で融着を起こさない条件を選定すれば、第2工
程においてはこれらのスペーサーは不要である。これに
より、所定の被焼成物の量に対し、第2工程で用いる焼
成炉の炉内容積は、第1工程で用いる焼成炉の炉内容積
よりも小さくできるので、焼成炉の容積効率を向上でき
る。また、焼成工程を第1工程と第2工程とに分割する
ことで、焼成炉のメンテナンス等に要する時間、費用を
軽減することができる。すなわち、焼成炉は被焼成物か
ら発生する脱ガス成分により、炉内壁材等が劣化するな
どの損傷を免れない。この損傷の程度は脱ガス成分が存
在する状況で、炉内温度が高温になるほど強くなる。従
って焼成工程を1段で行なう場合には、低温域で発生し
た脱ガス成分が炉内等に残留し、これが高温域において
損傷の程度を一層大きくする。これに対し、焼成工程を
分割した場合、低温域の第1工程で用いる焼成炉は、全
温度域を1段で焼成する場合に比べ脱ガスによる損傷の
程度は小さくてすむ。また、高温域を含む第2工程で用
いる焼成炉は、その被焼成物がすでに脱ガスを完結して
いるため、炉内壁等をほとんど損傷することはない。
いて熱硬化性樹脂成形体を焼成炉内で少なくとも600
℃まで昇温した後に、その当初の昇温温度を超える温度
まで再焼成するのが好ましい。この際、別の焼成炉で行
なわれる少なくとも600℃以下の再焼成においては、
すでに脱ガス及び収縮が完結しているため、その昇温速
度は特に限定されない。このように焼成工程を低温域の
第1工程と高温域を含む第2工程とに分割することで、
所定の被焼成物の量に対する焼成炉の容積効率を向上
し、トータルの焼成時間を短縮して生産性を向上でき
る。すなわち、第2工程での被焼成物は第1工程におい
て既に収縮をほぼ完結しているため、同一の処理数量に
対しても必要となる容積は小さくなる。さらに、少なく
とも600℃までの低温域の焼成においては、焼成中の
被焼成物の平坦度の維持あるいは焼成中の被焼成物、特
に熱硬化性樹脂の融着を防止するために、積載する被焼
成物である熱硬化性樹脂の間には炭素製等のスペーサー
の挿入が必要となるが、焼成工程を第1工程と第2工程
に分割する場合、その第1工程(低温域)での焼成条件
を被焼成物の脱ガス及び収縮(形状変化)が完結し、被
焼成物間で融着を起こさない条件を選定すれば、第2工
程においてはこれらのスペーサーは不要である。これに
より、所定の被焼成物の量に対し、第2工程で用いる焼
成炉の炉内容積は、第1工程で用いる焼成炉の炉内容積
よりも小さくできるので、焼成炉の容積効率を向上でき
る。また、焼成工程を第1工程と第2工程とに分割する
ことで、焼成炉のメンテナンス等に要する時間、費用を
軽減することができる。すなわち、焼成炉は被焼成物か
ら発生する脱ガス成分により、炉内壁材等が劣化するな
どの損傷を免れない。この損傷の程度は脱ガス成分が存
在する状況で、炉内温度が高温になるほど強くなる。従
って焼成工程を1段で行なう場合には、低温域で発生し
た脱ガス成分が炉内等に残留し、これが高温域において
損傷の程度を一層大きくする。これに対し、焼成工程を
分割した場合、低温域の第1工程で用いる焼成炉は、全
温度域を1段で焼成する場合に比べ脱ガスによる損傷の
程度は小さくてすむ。また、高温域を含む第2工程で用
いる焼成炉は、その被焼成物がすでに脱ガスを完結して
いるため、炉内壁等をほとんど損傷することはない。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、ハードディスク等の記録
媒体用ガラス状炭素基板の製造プロセスを示す。まず、
反応槽1により液状の熱硬化性樹脂を合成する。その熱
硬化性樹脂は、縮合反応を伴って硬化するものであれば
特に限定されないが、フラン樹脂、フェノール樹脂、お
よびフェノール変性フラン樹脂からなる群より選ばれる
少なくとも1種以上であることが望ましい。さらに、そ
の熱硬化性樹脂中に、フィラー(骨材)を入れることが
出来る。そのフィラーとしては、フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ユリ
ア樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、キシレン樹脂
等の熱硬化性樹脂を含む各種カーボン材、例えば、ポリ
アクリロニトリル系カーボン材、セルロース系カーボン
材、レーヨン系カーボン材、ピッチ系カーボン材、リグ
ニン系カーボン材、フェノール系カーボン材、フラン系
カーボン材、エポキシ樹脂系カーボン材、アルキッド樹
脂系カーボン材、不飽和ポリエステル系カーボン材、キ
シレン樹脂系カーボン材の他に、各種黒鉛、カーボンブ
ラック等があり、繊維状、粒子状、粉末状、塊状等のあ
らゆる形態のカーボン材を使用することが出来る。
媒体用ガラス状炭素基板の製造プロセスを示す。まず、
反応槽1により液状の熱硬化性樹脂を合成する。その熱
硬化性樹脂は、縮合反応を伴って硬化するものであれば
特に限定されないが、フラン樹脂、フェノール樹脂、お
よびフェノール変性フラン樹脂からなる群より選ばれる
少なくとも1種以上であることが望ましい。さらに、そ
の熱硬化性樹脂中に、フィラー(骨材)を入れることが
出来る。そのフィラーとしては、フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ユリ
ア樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、キシレン樹脂
等の熱硬化性樹脂を含む各種カーボン材、例えば、ポリ
アクリロニトリル系カーボン材、セルロース系カーボン
材、レーヨン系カーボン材、ピッチ系カーボン材、リグ
ニン系カーボン材、フェノール系カーボン材、フラン系
カーボン材、エポキシ樹脂系カーボン材、アルキッド樹
脂系カーボン材、不飽和ポリエステル系カーボン材、キ
シレン樹脂系カーボン材の他に、各種黒鉛、カーボンブ
ラック等があり、繊維状、粒子状、粉末状、塊状等のあ
らゆる形態のカーボン材を使用することが出来る。
【0016】次に、その合成後の液状の熱硬化性樹脂を
濾過器2により濾過する。
濾過器2により濾過する。
【0017】次に、その液状の熱硬化性樹脂成形体に硬
化剤を添加した混合流体を、板状体3a、3bと両板状
体3a、3bの間のシール部材(図示省略)とにより構
成される型3内に注入する。その硬化剤は特に限定され
ないが、例えばパラトルエンスルホン酸を用いることが
できる。
化剤を添加した混合流体を、板状体3a、3bと両板状
体3a、3bの間のシール部材(図示省略)とにより構
成される型3内に注入する。その硬化剤は特に限定され
ないが、例えばパラトルエンスルホン酸を用いることが
できる。
【0018】次に、その液状の樹脂を、その型3内で硬
化させることで板状にする。
化させることで板状にする。
【0019】次に、その型3から取り出した板状の熱硬
化性樹脂5から、中心孔6aを有する円板形状の熱硬化
性樹脂成形体6を工具7により切り抜く。
化性樹脂5から、中心孔6aを有する円板形状の熱硬化
性樹脂成形体6を工具7により切り抜く。
【0020】次に、その熱硬化性樹脂成形体6を焼成炉
内で不活性雰囲気下で焼成して炭素化することで、円板
形状のガラス状炭素材料6′を得る。その焼成に際し
て、焼成炉内に、ヘリウム、アルゴン、窒素、水素、ハ
ロゲン等の気体を系内に導入してもよい。また、炉内圧
力については特に限定はなく、微加圧であっても、常圧
であっても、減圧であっても、真空下であっても構わな
い。その焼成温度は、熱硬化性樹脂の種類や最終的に得
られる製品の種類や用途に応じて適宜定めればよいが、
充分に脱ガスを行えるように少なくとも600℃以上と
され、1000℃〜2000℃程度とするのが好まし
く、例えば記録媒体用ガラス状炭素基板の場合、150
0℃程度とするのが好ましい。この焼成工程の当初にお
ける昇温速度は、常温から少なくとも600℃までは5
℃/Hr以下とし、好ましくは3℃/Hr以下、さらに
好ましくは1.5℃/Hrとする。この焼成工程の当初
において熱硬化性樹脂成形体6を焼成炉内で少なくとも
600℃まで昇温した後に、別の焼成炉内において、そ
の当初の昇温温度を超える温度まで再焼成するのが好ま
しい。例えば、焼成当初の脱ガス量の多い600℃、好
ましくは800℃程度の温度領域(低温域)までを、大
型炉により5℃/Hr以下の昇温速度で焼成し、この焼
成を終えた後被焼成物を炉外へ取り出し、別の高温用の
小型焼成炉により常温から所定の温度領域(高温域)、
例えば1500℃程度まで、5℃/Hrを超える昇温速
度、例えば8℃/Hr〜100℃/Hr程度で昇温して
再焼成する。
内で不活性雰囲気下で焼成して炭素化することで、円板
形状のガラス状炭素材料6′を得る。その焼成に際し
て、焼成炉内に、ヘリウム、アルゴン、窒素、水素、ハ
ロゲン等の気体を系内に導入してもよい。また、炉内圧
力については特に限定はなく、微加圧であっても、常圧
であっても、減圧であっても、真空下であっても構わな
い。その焼成温度は、熱硬化性樹脂の種類や最終的に得
られる製品の種類や用途に応じて適宜定めればよいが、
充分に脱ガスを行えるように少なくとも600℃以上と
され、1000℃〜2000℃程度とするのが好まし
く、例えば記録媒体用ガラス状炭素基板の場合、150
0℃程度とするのが好ましい。この焼成工程の当初にお
ける昇温速度は、常温から少なくとも600℃までは5
℃/Hr以下とし、好ましくは3℃/Hr以下、さらに
好ましくは1.5℃/Hrとする。この焼成工程の当初
において熱硬化性樹脂成形体6を焼成炉内で少なくとも
600℃まで昇温した後に、別の焼成炉内において、そ
の当初の昇温温度を超える温度まで再焼成するのが好ま
しい。例えば、焼成当初の脱ガス量の多い600℃、好
ましくは800℃程度の温度領域(低温域)までを、大
型炉により5℃/Hr以下の昇温速度で焼成し、この焼
成を終えた後被焼成物を炉外へ取り出し、別の高温用の
小型焼成炉により常温から所定の温度領域(高温域)、
例えば1500℃程度まで、5℃/Hrを超える昇温速
度、例えば8℃/Hr〜100℃/Hr程度で昇温して
再焼成する。
【0021】次に、そのガラス状炭素材料6′を両面研
磨機によりラッピングする。また、そのガラス状炭素材
料6′の内外周縁を砥石により研削して径を揃え、さら
に、内外周縁の角部の面取りを行う。最後に、両面研磨
機によりポリシングを行なうことで、所要の平坦度と面
粗さを得る。これにより、鏡面を有する最終製品である
記録媒体用ガラス状炭素基板を得る。
磨機によりラッピングする。また、そのガラス状炭素材
料6′の内外周縁を砥石により研削して径を揃え、さら
に、内外周縁の角部の面取りを行う。最後に、両面研磨
機によりポリシングを行なうことで、所要の平坦度と面
粗さを得る。これにより、鏡面を有する最終製品である
記録媒体用ガラス状炭素基板を得る。
【0022】上記構成によれば、焼成工程の当初におい
て昇温速度を遅くして熱硬化性樹脂成形体6からの脱ガ
ス速度を抑制することで、脱ガス量に対応して熱硬化性
樹脂成形体6を充分に収縮させ、焼成の終了したガラス
状炭素材料6′の内部に空孔が存在するのを防止でき
る。また、その昇温速度を遅くすることで、焼成炉内の
温度分布を均一化し、熱硬化性樹脂成形体6の内部と表
面間での温度分布を均一化し、内部からの有機分の脱離
(脱ガス)を確実に行ない、焼成中に割れや膨れが発生
するのを防止できる。さらに、その昇温速度を遅くする
ことで、熱硬化性樹脂成形体6内部での収縮速度の分布
を均一化し、焼成の終了したガラス状炭素材料6′の形
状を焼成前の形状と相似形に近づけることが出来る。
て昇温速度を遅くして熱硬化性樹脂成形体6からの脱ガ
ス速度を抑制することで、脱ガス量に対応して熱硬化性
樹脂成形体6を充分に収縮させ、焼成の終了したガラス
状炭素材料6′の内部に空孔が存在するのを防止でき
る。また、その昇温速度を遅くすることで、焼成炉内の
温度分布を均一化し、熱硬化性樹脂成形体6の内部と表
面間での温度分布を均一化し、内部からの有機分の脱離
(脱ガス)を確実に行ない、焼成中に割れや膨れが発生
するのを防止できる。さらに、その昇温速度を遅くする
ことで、熱硬化性樹脂成形体6内部での収縮速度の分布
を均一化し、焼成の終了したガラス状炭素材料6′の形
状を焼成前の形状と相似形に近づけることが出来る。
【0023】また、その焼成工程を低温域の第1工程と
高温域を含む第2工程とに分割することで、所定の熱硬
化性樹脂成形体6の量に対する焼成炉の容積効率を向上
し、トータルの焼成時間を短縮して生産性を向上でき
る。すなわち、第2工程での熱硬化性樹脂成形体6は第
1工程において既に収縮をほぼ完結しているため、同一
の処理数量に対しても必要となる容積は小さくなる。ま
た、低温域の第1工程で用いる焼成炉は、全温度域を1
段で焼成する場合に比べ脱ガスによる損傷の程度は小さ
くてすみ、高温域を含む第2工程で用いる焼成炉は、そ
の被焼成物がすでに脱ガスを完結しているため、炉内壁
等をほとんど損傷することはない。これにより、焼成炉
のメンテナンス等に要する時間、費用を軽減することが
できる。
高温域を含む第2工程とに分割することで、所定の熱硬
化性樹脂成形体6の量に対する焼成炉の容積効率を向上
し、トータルの焼成時間を短縮して生産性を向上でき
る。すなわち、第2工程での熱硬化性樹脂成形体6は第
1工程において既に収縮をほぼ完結しているため、同一
の処理数量に対しても必要となる容積は小さくなる。ま
た、低温域の第1工程で用いる焼成炉は、全温度域を1
段で焼成する場合に比べ脱ガスによる損傷の程度は小さ
くてすみ、高温域を含む第2工程で用いる焼成炉は、そ
の被焼成物がすでに脱ガスを完結しているため、炉内壁
等をほとんど損傷することはない。これにより、焼成炉
のメンテナンス等に要する時間、費用を軽減することが
できる。
【0024】なお、本発明は上記実施形態に限定されな
い。例えば、上記実施形態では記録媒体用ガラス状炭素
基板に本発明を適用したが、ガラス状炭素材料の用途は
特に限定されない。
い。例えば、上記実施形態では記録媒体用ガラス状炭素
基板に本発明を適用したが、ガラス状炭素材料の用途は
特に限定されない。
【0025】
【実施例1】上記実施形態において、熱硬化性樹脂とし
てフェノール変性フラン樹脂100部に、硬化剤として
パラトルエンスルホン酸を0.5部を加え、80℃で約
50Hr硬化反応を行なわせて板状の熱硬化性樹脂を成
形し、そこから外径65.2mm、内径14.8mmの
中心孔を有する円板形状の熱硬化性樹脂成形体を得た。
その熱硬化性樹脂成形体と、スペーサーとしてグラファ
イト製炭素板を各100枚交互に積載し、焼成炉内で不
活性雰囲気下で以下の表1に示す低温域の焼成を行なっ
た後、別の焼成炉でスペーサーを除いた被焼成物のみ
を、全温度域において100℃/Hrの昇温速度で低温
域の再焼成を含む1400℃までの高温域の焼成を行な
い、ガラス状炭素材料を得た。得られたガラス状炭素材
料の外径と内径の平均値、最大値、最小値は表2に示す
通りであった。得られたガラス状炭素材料の表面を鏡面
に研磨した後、内部に存在していた空孔に由来する表面
の欠陥個数を測定した。その測定の結果、1μm以上の
欠陥が両面に一つも存在しない割合は71%であった。
てフェノール変性フラン樹脂100部に、硬化剤として
パラトルエンスルホン酸を0.5部を加え、80℃で約
50Hr硬化反応を行なわせて板状の熱硬化性樹脂を成
形し、そこから外径65.2mm、内径14.8mmの
中心孔を有する円板形状の熱硬化性樹脂成形体を得た。
その熱硬化性樹脂成形体と、スペーサーとしてグラファ
イト製炭素板を各100枚交互に積載し、焼成炉内で不
活性雰囲気下で以下の表1に示す低温域の焼成を行なっ
た後、別の焼成炉でスペーサーを除いた被焼成物のみ
を、全温度域において100℃/Hrの昇温速度で低温
域の再焼成を含む1400℃までの高温域の焼成を行な
い、ガラス状炭素材料を得た。得られたガラス状炭素材
料の外径と内径の平均値、最大値、最小値は表2に示す
通りであった。得られたガラス状炭素材料の表面を鏡面
に研磨した後、内部に存在していた空孔に由来する表面
の欠陥個数を測定した。その測定の結果、1μm以上の
欠陥が両面に一つも存在しない割合は71%であった。
【0026】
【比較例1】実施例1と同一の処方で得られた円板形状
の熱硬化性樹脂成形体を、実施例1と同様にスペーサー
と交互に積載し、焼成炉内で不活性雰囲気下で表1に示
す昇温速度で低温域の焼成を行なった後、実施例1と同
様に別の焼成炉で高温域の焼成を行ない、ガラス状炭素
材料を得た。得られたガラス状炭素材料の外径と内径の
平均値、最大値、最小値は表2に示す通りであった。得
られたガラス状炭素材料の表面を鏡面に研磨した後、内
部に存在していた空孔に由来する表面の欠陥個数を測定
した。その測定の結果、1μm以上の欠陥が両面に一つ
も存在しない割合は58%であった。
の熱硬化性樹脂成形体を、実施例1と同様にスペーサー
と交互に積載し、焼成炉内で不活性雰囲気下で表1に示
す昇温速度で低温域の焼成を行なった後、実施例1と同
様に別の焼成炉で高温域の焼成を行ない、ガラス状炭素
材料を得た。得られたガラス状炭素材料の外径と内径の
平均値、最大値、最小値は表2に示す通りであった。得
られたガラス状炭素材料の表面を鏡面に研磨した後、内
部に存在していた空孔に由来する表面の欠陥個数を測定
した。その測定の結果、1μm以上の欠陥が両面に一つ
も存在しない割合は58%であった。
【0027】
【比較例2】実施例1と同一の処方で得られた円板形状
の熱硬化性樹脂成形体を、実施例1と同様にスペーサー
と交互に積載し、焼成炉内で不活性雰囲気下で表1に示
す昇温速度で低温域の焼成を行なった後、実施例1と同
様に別の焼成炉で高温域の焼成を行ない、ガラス状炭素
材料を得た。得られたガラス状炭素材料の表面を鏡面に
研磨した後、内部に存在していた空孔に由来する表面の
欠陥個数を測定した。その測定の結果、1μm以上の欠
陥が両面に一つも存在しない割合は61%であった。
の熱硬化性樹脂成形体を、実施例1と同様にスペーサー
と交互に積載し、焼成炉内で不活性雰囲気下で表1に示
す昇温速度で低温域の焼成を行なった後、実施例1と同
様に別の焼成炉で高温域の焼成を行ない、ガラス状炭素
材料を得た。得られたガラス状炭素材料の表面を鏡面に
研磨した後、内部に存在していた空孔に由来する表面の
欠陥個数を測定した。その測定の結果、1μm以上の欠
陥が両面に一つも存在しない割合は61%であった。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】上記実施例によれば、比較例よりも、焼成
の終了した被焼成物の内部に存在する閉孔を低減でき、
鏡面に研磨した場合に非常に平滑度の高い表面を得るこ
とができ、また、焼成の終了した被焼成物の形状の焼成
前の形状に対する変化を小さくできることを確認でき
る。
の終了した被焼成物の内部に存在する閉孔を低減でき、
鏡面に研磨した場合に非常に平滑度の高い表面を得るこ
とができ、また、焼成の終了した被焼成物の形状の焼成
前の形状に対する変化を小さくできることを確認でき
る。
【0031】
【発明の効果】本発明方法によれば、内部に空孔を実質
的に有さず、鏡面に研磨した場合に非常に平滑度の高い
表面を有するガラス状炭素材料を安価に得ることがで
き、また、焼成工程における割れの発生を防止し、焼成
後の形状の変形量を小さくして次工程での加工負荷を小
さくすることで生産性を向上できる。さらに、その焼成
工程を分割することで、生産製を向上すると共に焼成炉
のメンテナンス等に要する時間、費用を軽減することが
できる。
的に有さず、鏡面に研磨した場合に非常に平滑度の高い
表面を有するガラス状炭素材料を安価に得ることがで
き、また、焼成工程における割れの発生を防止し、焼成
後の形状の変形量を小さくして次工程での加工負荷を小
さくすることで生産性を向上できる。さらに、その焼成
工程を分割することで、生産製を向上すると共に焼成炉
のメンテナンス等に要する時間、費用を軽減することが
できる。
【図1】本発明の実施形態の記録媒体用ガラス状炭素基
板の製造方法の説明図
板の製造方法の説明図
6 熱硬化性樹脂成形体 6′ ガラス状炭素材料
Claims (2)
- 【請求項1】 不活性雰囲気下で行なう熱硬化性樹脂成
形体の焼成工程を有するガラス状炭素材料の製造方法で
あって、その焼成工程の当初においては昇温速度5℃/
Hr以下の条件で少なくとも600℃まで昇温すること
を特徴とするガラス状炭素材料の製造方法。 - 【請求項2】 その焼成工程の当初において熱硬化性樹
脂成形体を焼成炉内で少なくとも600℃まで昇温した
後に、別の焼成炉内において、その当初の昇温温度を超
える温度まで再焼成することを特徴とする請求項1に記
載のガラス状炭素材料の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8332726A JPH10158004A (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | ガラス状炭素材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8332726A JPH10158004A (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | ガラス状炭素材料の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10158004A true JPH10158004A (ja) | 1998-06-16 |
Family
ID=18258186
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8332726A Pending JPH10158004A (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | ガラス状炭素材料の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10158004A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003086194A (ja) * | 2001-09-10 | 2003-03-20 | Unitika Ltd | 燃料電池用セパレータの製造方法 |
-
1996
- 1996-11-27 JP JP8332726A patent/JPH10158004A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003086194A (ja) * | 2001-09-10 | 2003-03-20 | Unitika Ltd | 燃料電池用セパレータの製造方法 |
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