JPH0925109A - ガラス状炭素材料の製造方法 - Google Patents

ガラス状炭素材料の製造方法

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JPH0925109A
JPH0925109A JP7199001A JP19900195A JPH0925109A JP H0925109 A JPH0925109 A JP H0925109A JP 7199001 A JP7199001 A JP 7199001A JP 19900195 A JP19900195 A JP 19900195A JP H0925109 A JPH0925109 A JP H0925109A
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Japan
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curing
resin
temperature
water
glassy carbon
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JP7199001A
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Inventor
Yoshihiro Yamazaki
由博 山崎
Ryoichi Hashimoto
良一 橋本
Takahiro Sato
孝洋 佐藤
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ガラス状炭素材料の製造工程において、熱硬化
性樹脂の硬化時間を短縮して生産性を向上し、焼成され
る硬化樹脂のハンドリング性を向上し、焼成後のガラス
状炭素材料の寸法精度を向上する。 【構成】縮合反応を伴って熱硬化性樹脂を硬化させ、そ
の硬化樹脂を焼成しガラス状炭素材料を製造する。その
熱硬化性樹脂の硬化工程として、水の沸点未満の温度で
キュアさせる第1工程と、水の沸点以上の温度でキュア
させる第2工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体用基板等
の素材に適したガラス状炭素材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばハードディスク(HD)用基板に
代表される記録媒体用基板の素材として、3次元網目構
造を有するガラス状炭素(Glass‐like Ca
rbon)材料を用いることで、耐衝撃性の向上、薄板
化による軽量化、軽量化によるモータ消費電力の低減等
が図られている。そのガラス状炭素材料は、縮合反応を
伴って熱硬化性樹脂を沸点未満の温度でキュアし、その
硬化樹脂を焼成することで製造される(特公昭63‐4
4684号公報、特公昭63‐46004号公報参
照)。
【0003】例えば、ガラス状炭素材料製の記録媒体用
基板を製造するには、まず、フェノール変性フラン樹
脂、フェノール樹脂、フラン樹脂等の液状の熱硬化性樹
脂を合成する。この液状の熱硬化性樹脂と硬化剤とを型
に注入し、その型内で熱硬化性樹脂を沸点未満の温度で
キュアすることで板状の硬化樹脂を成形する。その板状
の硬化樹脂から製品形状に対応した中央孔を有する硬化
樹脂基板を切り抜く。次に、その硬化樹脂基板を焼成炉
内に入れて焼成して炭素化し、しかる後に両面研磨機に
よるラッピング、内外周面の砥石による研削、両面研磨
機によるポリシング等を行ない、所要の平坦度、面粗さ
及び寸法精度を有するガラス状炭素材料製記録媒体用基
板とする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のガラス状炭素材
料の製造方法において、熱硬化性樹脂のキュアを水の沸
点未満の温度で行うのは、熱硬化性樹脂に含まれる水分
や硬化反応により生成される縮合水が沸騰し、また、未
反応低沸点物が盛んに蒸発し、割れやピットと呼ばれる
空孔が発生するのを防止するためである。しかし、熱硬
化性樹脂のキュアを水の沸点未満の温度で行うと、焼成
される硬化樹脂中に10重量%以上の水分が含まれ、未
反応低沸点物も充分に除去できない。そうすると、上記
のような板状の硬化樹脂を焼成を行うまで通常状態で放
置すると、表面水分等の蒸発により反ってしまう。その
ため、水中に浸ける等して湿式で保存する必要があり、
ハンドリング性が非常に悪いものであった。
【0005】また、水の沸点未満の低温で熱硬化性樹脂
のキュアを行うため、トータルでの硬化時間が長くな
り、生産性を低下させてしまう。そこで、硬化剤を増量
することで熱硬化性樹脂の硬化時間を短縮することが考
えられる。しかし、硬化剤を増量すると縮合水の生成速
度が速くなり、硬化反応の初期において縮合水が凝集
し、無孔性のものが得られない。また、硬化剤の増量に
より反応速度が速くなると、硬化反応の初期において内
部発熱により水分が沸騰し、未反応低沸点物の蒸発が盛
んになる。そのような硬化反応の初期においては、反応
率が低く架橋密度が低いため、樹脂強度が小さく可塑性
が大きい。そのため、縮合水の凝集や水分の沸騰や未反
応低沸点物の盛んな蒸発により大径のピットが数多く発
生し、実用に供することができなくなる。例えば記録媒
体用基板の素材にあっては、8μm以上のピットは存在
してはならず、2〜8μmのピットも1cm2 当たり1
個以下の実質的に無孔性でなければならないとされてい
る。
【0006】また、その硬化剤の量を減少させると、焼
成される硬化樹脂は硬化度不足のために焼成時に割れて
しまう。ピットの数と硬化度とが許容範囲となる硬化剤
量の範囲、すなわち実質的に無孔性で焼成時に割れない
範囲が、従来技術では非常に狭くなってしまう。すなわ
ち、良品を得ることのできる硬化剤量(反応速度)の範
囲が非常に狭い。
【0007】さらに、ガラス状炭素材料を素材とする記
録媒体用基板等の製品を量産化する上では、加工が容易
なように、焼成前の硬化樹脂から上記のような製品形状
に対応した硬化樹脂基板等を切り抜くのが望ましい。し
かし、従来技術では硬化樹脂中の水分含有量が多く、焼
成時に約25%も線収縮するため変形し易く、焼成後の
ラッピング、研削、ポリシング等の加工負担が大きくな
る。
【0008】本発明は、上記課題を解決することのでき
るガラス状炭素材料の製造方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のガラス状炭素材
料の製造方法は、縮合反応を伴って熱硬化性樹脂を硬化
させ、その硬化樹脂を焼成してガラス状炭素材料を製造
するに際し、その熱硬化性樹脂の硬化工程として、水の
沸点未満の温度でキュアさせる第1工程と、水の沸点以
上の温度でキュアさせる第2工程とを有することを特徴
とする。
【0010】その第1工程において、熱硬化性樹脂のキ
ュアを水の沸点未満の温度で行うことで、樹脂強度が小
さく可塑性が大きな硬化反応の初期において、反応速度
を抑制して反応により生成される縮合水が凝集するのを
防止し、また、その縮合水や樹脂含有水分が沸騰するの
を防止し、未反応低沸点物が盛んに蒸発するのを防止す
る。これにより、硬化反応の初期において割れやピット
が発生するのを防止できる。
【0011】その第2工程において、熱硬化性樹脂のキ
ュアを水の沸点以上の温度で行うことで、熱硬化性樹脂
の硬化反応速度を速くし、硬化反応率を高くし、焼成さ
れる硬化樹脂中の水分を低減できる。
【0012】その第2工程における熱硬化性樹脂は、第
1工程を経ることで樹脂強度が大きく可塑性が小さくな
っているため、縮合水や熱硬化性樹脂に含まれる水分が
沸騰したり未反応低沸点物が盛んに蒸発しても、割れや
ピットは発生しない。
【0013】その第2工程において熱硬化性樹脂の硬化
反応速度を速くできることで、トータルでの硬化時間を
短くし、生産性を向上できる。
【0014】その焼成される硬化樹脂中に含まれる水分
を減少させ、未反応低沸点物を充分に除去できること
で、水分等の蒸発による反り等の変形を防止し、湿式で
の保存の必要をなくしてハンドリング性を向上できる。
【0015】また、焼成される硬化樹脂中に含まれる水
分と未反応低沸点物を減少させることで、キュア時点で
樹脂を収縮させ、焼成時の線収縮量を低減して寸法安定
性を改善し、焼成後の寸法精度を向上してラッピング、
研削、ポリシング等の加工負担を小さくできる。
【0016】さらに、焼成される硬化樹脂中に含まれる
水分と未反応低沸点物を減少させることで、従来であれ
ば図4の(1)に示すように焼成炭素化工程において硬
化樹脂Rの間に介在させる必要のあった黒鉛スペーサS
を、図4の(2)に示すように省略しても、硬化樹脂R
が互いに付着するような問題が生ずることなく焼成する
ことができ、硬化樹脂Rの重ね枚数を増加させて焼成能
力を倍増できる。
【0017】その第2工程において、熱硬化性樹脂の硬
化反応率を高くして硬化度を大きくできることで、硬化
剤の量を減少させても、焼成時に割れないだけの充分な
硬化度を硬化樹脂に付与できる。よって、ピットの数と
硬化度とが許容範囲となる硬化剤量の範囲が、従来技術
に比べ広くなり実質的に無孔性で焼成時に割れない良品
を得ることのできる硬化剤量の範囲を拡げることができ
る。
【0018】また、熱硬化性樹脂の硬化反応率を高くし
て架橋密度を上げられることで、焼成時の炭素化による
分子構造の再配列時に、より緻密な構造となって焼成後
の密度を増加して品質を向上できる。
【0019】本発明における熱硬化性樹脂としては、フ
ラン樹脂、フェノール樹脂、フェノール変性フラン樹脂
から選ばれる1種以上のものであるのが好ましい。
【0020】その第1工程のキュア温度は50℃以上で
あって水の沸点未満とされ、その第2工程のキュア温度
は水の沸点以上であって400℃以下とされるのが好ま
しく、さらに好ましくは、その第1工程のキュア温度は
70℃以上90℃以下であり、その第2工程のキュア温
度は150℃以上300℃以下である。その第1工程の
キュア温度を50℃以上とするのは、それより低いと熱
硬化性樹脂の反応速度が遅過ぎて、硬度を充分に上げる
のに時間を要して生産性を向上できないからである。第
2工程のキュア温度を400℃以下とするのは、それ以
上高くしても効果に差がないからである。
【0021】なお、本発明におけるキュア工程の温度
は、キュア工程が常圧で行われる場合の値である。
【0022】本発明において、上記キュア温度の下で、
その第1工程のキュア時間は2時間以上50時間以下と
され、第2工程のキュア時間は2時間以上50時間以下
とされるのが好ましく、さらに好ましくは、その第1工
程のキュア時間は15時間以上35時間以下であり、第
2工程のキュア時間は5時間以上15時間以下である。
その第1工程のキュア時間を2時間以上とするのは、第
2工程において水分が沸騰し、未反応低沸点物が盛んに
蒸発した場合に、ピット発生原因となる塑性変形が生じ
ない程度に、硬化反応を進行させるのに必要な時間を確
保するためである。その第2工程のキュア時間を2時間
以上とするのは、熱硬化性樹脂の硬化反応速度を速く
し、熱硬化性樹脂の硬化反応率を高くし、焼成される硬
化樹脂中の水分や未反応低沸点物を低減するのに必要な
時間を確保するためである。各工程のキュア時間を50
時間以内とするのは、生産性を低減させないためであ
る。
【0023】その第2工程において、当初のキュア温度
は水の沸点以上120℃未満とされ、この温度範囲にお
ける温度勾配は0℃/時以上10℃/時以下とされるの
が好ましい。これは、第2工程における当初のキュア温
度が120℃以上になったり、120℃未満であっても
温度勾配が10℃/時を超えると、熱硬化性樹脂の割れ
やピットの発生につながるためである。すなわち、第1
工程において熱硬化性樹脂の硬化反応はある程度進行し
ているが、100%進行しているわけではなく、第2工
程への移行初期においては熱硬化性樹脂は多少の可塑性
を有する。そのため、急激な温度変化による含有水分の
急激な沸騰や未反応低沸点物の盛んな蒸発を防止する必
要がある。
【0024】また、その第2工程において、上記のよう
に当初のキュア温度を水の沸点以上120℃未満とした
場合、次に、キュア温度を120℃以上150℃未満と
し、この温度範囲における温度勾配を0℃/時以上30
℃/時以下とするのが好ましい。これにより、第2工程
当初の120℃未満のキュア温度でのキュア時間を短く
し、その後のキュア温度を高くして反応速度を上げるこ
とができ、この場合に、急激な温度変化による含有水分
の急激な沸騰や未反応低沸点物の盛んな蒸発による熱硬
化性樹脂の割れやピットの発生を防止できる。
【0025】本発明の第2工程において、上記のように
当初のキュア温度を水の沸点以上120℃未満とした場
合、熱硬化性樹脂のビッカース硬度が5を超えた後にキ
ュア温度を150℃以上とするのが好ましい。第2工程
における当初のキュアにより、熱硬化性樹脂のビッカー
ス硬度が5を超える段階になると、熱硬化性樹脂の反応
は充分進み樹脂強度が上がっているため、キュア温度を
150℃以上としても、樹脂中含有水分の沸騰や未反応
低沸点物の蒸発に伴う樹脂の割れやピットは発生せず、
反応速度を速くして生産性を向上できる。
【0026】本発明において、焼成される硬化樹脂のビ
ッカース硬度は20以上50未満とされるのが好まし
い。その第1、第2工程を経て得られたビッカース硬度
20以上50未満の硬化樹脂は、含有水分が1%以下で
有機系低沸点物も除去されているため、通常状態におい
ても樹脂内部水分の蒸発に伴う硬化物の変形が無く、ハ
ンドリング性が大幅に向上し、焼成炭素化工程において
黒鉛スペーサを省略しても互いに付着すること無しに焼
成させることができ、硬化終了時における架橋密度が上
がるため、従来に比べ良品が得られる硬化剤の許容範囲
(実質的に無孔性で焼成時に割れない範囲)が非常に広
くなる。さらに、硬化終了時において収縮が既に起こっ
ているため、焼成時の収縮率が減少し、焼成前後での寸
法精度も大幅に向上する。また、焼成後密度も上がるた
め、炭素材としての品質向上が期待される。また、焼成
される硬化樹脂のビッカース硬度が50未満の硬化樹脂
は、第2工程のキュア温度が400℃以下であっても得
ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図1を参照して、本発明に
より中央孔を有するディスク形状の記録媒体用ガラス状
炭素基板を製造するプロセスを説明する。
【0028】まず、反応槽1により液状の樹脂を合成す
る。次に、その合成後の液状の樹脂を濾過器2により濾
過する。次に、その液状の樹脂と硬化剤との混合流体を
型3内に注入する。その樹脂はガラス状炭素の材料にな
る熱硬化性樹脂であって縮合反応を伴って硬化するもの
であれば特に限定されず、例えば特公昭63‐4468
4号公報に開示されたフェノール変性フラン樹脂を用い
ることができる。その硬化剤は原料樹脂に応じたものを
用いればよく、例えば特公昭63‐44684号公報に
開示されたパラトルエンスルホン酸、水およびグリコー
ルの混合物を用いることができる。その型3は、隙間を
おいて対向する一対の平板4、5と、その隙間の周囲を
封止するシール材とから構成できる。その平板4、5の
素材としては、ガラス、SUS材、アルミ材、樹脂等を
用いることができる。
【0029】次に、その液状の熱硬化性樹脂を、例えば
その一対の平板4、5の間において硬化させることで板
状の硬化樹脂6に成形する。その熱硬化性樹脂を硬化さ
せる工程は、50℃以上であって水の沸点未満の温度で
キュアさせる第1工程と、水の沸点以上であって400
℃以下の温度でキュアさせる第2工程とを有し、その第
1工程のキュア時間は2時間〜50時間とされ、第2工
程のキュア時間は2時間〜50時間とされる。その第1
工程から第2工程へは、例えば、図2の(1)における
キュア温度とキュア時間との関係に示すように、水の沸
点B未満のキュア温度θaから沸点以上のキュア温度θ
bに時間の経過に伴って漸次上昇することで移行しても
よく、あるいは、図2の(2)、図2の(3)における
キュア温度とキュア時間との関係に示すように、水の沸
点B未満のキュア温度θaから沸点以上のキュア温度θ
bにステップ状に上昇することで移行してもよい。その
第2工程における当初のキュア温度θbは水の沸点以上
120℃未満とされ、この温度範囲においては、図2の
(2)、図2の(3)に示すように温度勾配はなくても
よいし、図2の(1)に示すように温度勾配がある場合
は10℃/時以下とされる。また、その第2工程におい
て、当初のキュア温度θbを水の沸点以上120℃未満
とした後に、キュア温度を上昇させる場合、その上昇後
のキュア温度θcは120℃以上150℃未満とされ、
この温度範囲においては、図2の(3)に示すように温
度勾配はなくてもよいし、図2の(1)に示すように温
度勾配がある場合は30℃/時以下とされる。
【0030】また、その第2工程において、キュア温度
を150℃以上とする場合は、それまでのキュアにより
熱硬化性樹脂のビッカース硬度が5を超えた後に行う。
【0031】上記第1、第2工程における硬化温度、硬
化時間、温度勾配は、両工程により得られる硬化樹脂6
のビッカース硬度が20以上50未満となるように設定
される。
【0032】なお、第1工程においても温度が勾配を有
したりステップ状に変化してもよい。また、第2工程に
おいて温度を時間の経過により低下させてもよい。
【0033】次に、互いに同心に配置される大小一対の
環状切れ刃を有する工具や旋盤等により、その板状の硬
化樹脂6から多数の硬化樹脂基板7を切り抜く。各硬化
樹脂基板7は中央孔を有するディスク形状であって、製
品形状に対応する。
【0034】次に、その硬化樹脂基板7を焼成炉内に入
れ、不活性ガス雰囲気下において1000℃〜1500
℃程度で焼成して炭素化することで、ガラス状炭素基板
8を得る。この際、その硬化樹脂基板7は黒鉛スペーサ
を介することなく複数枚を重ねた状態で焼成してもよ
い。
【0035】次に、図3に示すように、その焼成された
ガラス状炭素基板8を両面研磨機16によりラッピング
し、砥石17により外周面と内周面とを研削して径を揃
えると共に角部の面取りを行い、両面研磨機18により
ポリシングを行なうことで、最終製品に必要な平坦度、
面粗さ及び寸法精度を有する最終製品である記録媒体用
ガラス状炭素基板8″を得る。
【0036】なお、本発明により製造されるガラス状炭
素材料の用途は記録媒体用基板に限定されず、例えば、
磁気ヘッド、流体噴射用ノズル、滑り軸受、スパッタリ
ングターゲット等の素材としても用いることができる。
【0037】以下、上記実施形態によるガラス状炭素基
板8の製造実施例を説明する。なお、各実施例において
「部」は「重量部」を意味する。また、熱硬化性樹脂の
キュア工程は1気圧下で行われ、水の沸点は100℃と
される。
【0038】
【実施例‐1】フルフリルアルコール500部に92%
パラホルムアルデヒド470部、水190部の混合物を
攪拌しながら80℃まで昇温する。次にフェノール67
0部と水酸化カルシウム18部との混合物を80℃で攪
拌しながら滴下させる。滴下終了後は80℃にて3時間
熟成させ、室温まで冷却後62%パラトルエンスルホン
酸で弱酸性(pH=3〜5に調整し、フルフリルアルコ
ール500部で希釈後、60℃、減圧下で200部の水
を脱水し、25℃で300cpsの熱硬化性樹脂を得
た。
【0039】以上によって得られた熱硬化性樹脂100
部を攪拌し、その中に反応を促進するための硬化剤(パ
ラトルエンスルホン酸:水:グリコール=7:2:1)
を添加した。硬化剤の添加量は、0.1重量%、0.3
重量%、0.5重量%の3点とした。その混合物を減圧
脱泡後、ガラス板2枚に挟まれてシリコンチューブでシ
ールされた有効厚み2mmの型にそれぞれ注型し、乾燥
機の中に入れて硬化反応を行った。硬化条件は80℃で
24時間キュアした後、100℃にし、8℃/hrの温
度勾配で12.5時間かけて200℃まで昇温してキュ
アした。得られた板状硬化樹脂は全て割れがなかった。
この硬化樹脂から、外径89mm、内径25mmの硬化
樹脂基板を、互いに同心に配置される大小一対の環状切
れ刃を有する工具により切り抜いた。その硬化樹脂基板
を一定枚数ずつ黒鉛スペーサーを省略して重ねて管状焼
成炉に入れ、窒素気流下にて10℃/時の昇温速度で1
200℃まで昇温し、2時間保持した後に冷却し、ガラ
ス状炭素基板を得た。
【0040】そのガラス状炭素基板を♯500〜♯80
00の研磨シートにて研磨し、内部研磨面の表面ピット
を光学顕微鏡で観察した。研磨面は直径0.2〜1μm
のピットが1cm2 当たりに2個程度見られる程度で、
それ以上の径のピットは観察されなかった。
【0041】ここで得られた板状硬化樹脂の全てを1日
室内に放置しても変形が見られず、また、焼成時に黒鉛
スペーサーを省略し硬化樹脂基板同志を重ねても、お互
いに付着しなかった。
【0042】
【実施例‐2】実施例‐1で得られたフェノール変性フ
ラン樹脂を、実施例‐1と同様に調整し、乾燥機に入れ
て硬化反応を行った。硬化条件は80℃で24時間キュ
アした後、100℃にし、10℃/時で2時間かけて1
20℃まで昇温してキュアし、次に15℃/時で2時間
かけて150℃にしてキュアした後、一度200℃に昇
温し、4時間放置してキュアした。得られた板状硬化樹
脂は全て割れがなかった。また、150℃の時点で取り
出した板状硬化樹脂のビッカース硬度は11であった。
その板状硬化樹脂から実施例‐1と同様に切り抜いた硬
化樹脂基板を同様に焼成して研磨した後、その表面ピッ
トを観察した結果、0.2〜1μmのピットが1cm2
当たりに3個程度見られる程度で、それ以上の径のピッ
トは観察されなかった。
【0043】ここで得られた板状硬化樹脂の全てを1日
室内に放置しても変形が見られず、また、焼成時に黒鉛
スペーサーを省略し硬化樹脂基板同志を重ねても、お互
いに付着しなかった。
【0044】
【実施例‐3】実施例‐1で得られたフェノール変性フ
ラン樹脂を、実施例‐1と同様に調整し、乾燥機に入れ
硬化反応を行った。硬化条件は80℃で35時間キュア
した後、100℃で12時間放置してキュアした。得ら
れた板状硬化樹脂は全て割れなかった。その板状硬化樹
脂から実施例‐1と同様に切り抜いた硬化樹脂基板を同
様に焼成して研磨した後、その表面ピットを観察した結
果、0.2〜1μmのピットが1cm2 当たりに3個程
度見られる程度で、それ以上の径のピットは観察されな
かった。
【0045】ここで得られた板状硬化樹脂の全てを1日
室内に放置しても変形が見られず、また、焼成時に黒鉛
スペーサーを省略し硬化樹脂基板同志を重ねても、お互
いに付着しなかった。
【0046】
【実施例‐4】実施例‐1で得られたフェノール変性フ
ラン樹脂を、実施例‐1と同様に調整し、乾燥機に入れ
硬化反応を行った。硬化条件は80℃で24時間キュア
した後、100℃で5時間キュアし、さらに150℃で
5時間放置してキュアした。得られた板状硬化樹脂は全
て割れがなかった。その板状硬化樹脂から実施例‐1と
同様に切り抜いた硬化樹脂基板を同様に焼成して研磨し
た後、その表面ピットを観察した結果、0.2〜1μm
のピットが1cm2 当たりに2個程度見られる程度で、
それ以上の径のピットは観察されなかった。
【0047】ここで得られた板状硬化樹脂の全てを1日
室内に放置しても変形が見られず、また、焼成時に黒鉛
スペーサーを省略し硬化樹脂基板同志を重ねても、お互
いに付着しなかった。
【0048】
【比較例‐1】実施例‐1で得られたフェノール変性フ
ラン樹脂を、実施例‐1と同様に調整し、乾燥機に入れ
硬化反応を行った。硬化条件は80℃で48時間保持す
ることでキュアした。これにより得られた板状硬化樹脂
の中で、硬化剤量が0.5重量%、0.3重量%のもの
は正常に脱型できたが、0.1重量%のものは硬化不十
分のため柔らかすぎて型から取り出すことができなかっ
た。脱型できた2点の板状硬化樹脂から実施例‐1と同
様に切り抜いた硬化樹脂基板を、実施例‐1と同様に焼
成した結果、硬化剤量が0.5重量%のものは正常に焼
成できたが、0.3重量%のものは硬化不十分のため割
れてしまい、サンプルを得ることができなかった。残っ
た硬化剤量0.5重量%品を実施例‐1と同様に焼成し
て研磨した後、その表面ピットを観察した結果、0.2
〜1μmのピットが1cm2 当たりに2個程度見られる
程度で、それ以上の径のピットは観察されなかった。
【0049】ここで得られた板状硬化樹脂は全て室内に
放置すると変形してしまい、また焼成時に黒鉛スペーサ
ーを省略して硬化樹脂基板同志を重ねると、お互いに付
着して離れなくなってしまった。
【0050】
【比較例‐2】実施例‐1で得られたフェノール変性フ
ラン樹脂を、実施例‐1と同様に調整し、乾燥機に入れ
硬化反応を行った。硬化条件は110℃で48時間保持
することでキュアした。この結果、型内で硬化した樹脂
は全て割れてしまい、サンプルが得られなかった。
【0051】以下の表1に、上記各実施例‐1〜4と比
較例‐1の硬化樹脂の硬化時間、室内放置の結果、黒鉛
スペーサーを省略して硬化樹脂基板同志を重ねて焼成し
た場合の結果、焼成時線収縮率、焼成後真円度、焼成後
密度およびビッカース硬度を示す。焼成時線収縮率は、
硬化樹脂基板の中心からxy方向の焼成前後の外径寸法
の変化から算出した。真円度は真円度測定機(ミツトヨ
製、RA‐300)を用いて測定した。焼成後密度は密
度測定機(島津製作所製、マルチボリュームピクノメー
タ1305)を用いて測定した。ビッカース硬度はJI
S Z 2244に従って硬度計(明石製作所製、AV
K‐AII)を用い、試験荷重は5kgfで測定した。
【0052】
【表1】
【0053】上記各実施例と比較例とから、本発明の第
1工程において熱硬化性樹脂のキュアを水の沸点未満の
温度で行うことで、樹脂強度が小さく可塑性が大きな硬
化反応の初期において、反応速度を抑制して硬化反応に
より生成される縮合水が凝集するのを防止し、また、そ
の縮合水や樹脂含有水分が沸騰するのを防止し、未反応
低沸点物が盛んに蒸発するのを防止し、硬化反応の初期
において割れやピットが発生するのを防止できることが
確認される。さらに、第2工程における熱硬化性樹脂
は、第1工程を経ることで樹脂強度が大きく可塑性が小
さくなっているため、縮合水や熱硬化性樹脂に含まれる
水分が沸騰したり未反応低沸点物が盛んに蒸発しても割
れやピットは発生しないことが確認される。また、第2
工程において熱硬化性樹脂の硬化反応速度を速くするこ
とで、第2工程を持たない比較例に比べトータルでの硬
化時間を短くし、生産性を向上できることが確認され
る。また、第2工程において熱硬化性樹脂のキュアを水
の沸点以上の温度で行うことで、焼成される硬化樹脂中
の水分を減少させ、未反応低沸点物を充分に除去し、水
分等の蒸発による反り等の変形を防止し、湿式での保存
の必要をなくしてハンドリング性を向上できることが確
認される。また、焼成される硬化樹脂中に含まれる水分
と未反応低沸点物を減少させることで、黒鉛スペーサを
省略しても硬化樹脂を互いに付着させること無しに焼成
することができ、硬化樹脂の重ね枚数を増加させて焼成
能力を倍増できることが確認される。また、第2工程に
おいて熱硬化性樹脂のキュアを水の沸点以上の温度で行
い、化樹脂中に含まれる水分と未反応低沸点物を減少さ
せることで、キュア時点で樹脂を収縮させ、焼成時の線
収縮量を低減して寸法安定性を改善し、真円度等の焼成
後の寸法精度を向上してラッピング、研削、ポリシング
等の加工負担を小さくできることが確認される。また、
第2工程において熱硬化性樹脂の硬化反応率を高くして
架橋密度を上げることで、焼成時の炭素化による分子構
造の再配列時に、より緻密な構造となって焼成後の密度
が増加して品質を向上できることが確認される。さら
に、第2工程において熱硬化性樹脂の硬化反応率を高く
して硬化度を大きくすることで、硬化剤の量を減少させ
ても、焼成される硬化樹脂は焼成時に割れないだけの充
分な硬化度を持ち、実質的に無孔性で焼成時に割れない
良品を得ることのできる範囲を拡げることができること
が確認される。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、熱硬化性樹脂の硬化時
間を短縮して生産性を向上でき、焼成される硬化樹脂の
ハンドリング性を向上でき、焼成後のガラス状炭素材料
の寸法精度を向上して加工寸法精度向上のための加工負
担を小さくでき、焼成時に硬化樹脂を重ね焼きするため
のスペーサを省略して焼成能力を大幅に向上させること
ができ、良品を得ることのできる硬化剤量の範囲を拡
げ、焼成後のガラス状炭素材料の構造を緻密にして品質
を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の記録媒体用ガラス状炭素基
板の製造プロセスの説明図
【図2】(1)、(2)、(3)はそれぞれ、本発明の
実施形態の硬化樹脂のキュア時間とキュア温度との関係
を示す図
【図3】本発明の実施形態の記録媒体用ガラス状炭素基
板の仕上げプロセスの説明図
【図4】(1)は従来の硬化樹脂基板の焼成時の状態を
示す図、(2)は本発明の硬化樹脂基板の焼成時の状態
を示す図
【符号の説明】
6 硬化樹脂 7 硬化樹脂基板 8 ガラス状炭素基板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縮合反応を伴って熱硬化性樹脂を硬化さ
    せ、その硬化樹脂を焼成してガラス状炭素材料を製造す
    るに際し、その熱硬化性樹脂の硬化工程として、水の沸
    点未満の温度でキュアさせる第1工程と、水の沸点以上
    の温度でキュアさせる第2工程とを有することを特徴と
    するガラス状炭素材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 その第1工程のキュア温度は50℃以上
    であって水の沸点未満とされ、その第2工程のキュア温
    度は水の沸点以上であって400℃以下とされる請求項
    1に記載のガラス状炭素材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 その熱硬化性樹脂は、フラン樹脂、フェ
    ノール樹脂、フェノール変性フラン樹脂から選ばれる1
    種以上のものである請求項1または2に記載のガラス状
    炭素材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 その第2工程において、当初のキュア温
    度は水の沸点以上120℃未満とされ、この温度範囲に
    おける温度勾配は0℃/時以上10℃/時以下とされる
    請求項1〜3の何れかに記載のガラス状炭素材料の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 その第2工程において、当初のキュア温
    度は水の沸点以上120℃未満とされ、この温度範囲に
    おける温度勾配は0℃/時以上10℃/時以下とされ、
    次に、キュア温度は120℃以上150℃未満とされ、
    この温度範囲における温度勾配は0℃/時以上30℃/
    時以下とされる請求項1〜3の何れかに記載のガラス状
    炭素材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 その第2工程において、熱硬化性樹脂の
    ビッカース硬度が5を超えた後にキュア温度を150℃
    以上とする請求項4または5に記載のガラス状炭素材料
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 その焼成される硬化樹脂のビッカース硬
    度は20以上50未満とされる請求項1〜6の何れかに
    記載のガラス状炭素材料の製造方法。
JP7199001A 1995-07-11 1995-07-11 ガラス状炭素材料の製造方法 Pending JPH0925109A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014214248A (ja) * 2013-04-26 2014-11-17 積水化学工業株式会社 フラン樹脂硬化物の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014214248A (ja) * 2013-04-26 2014-11-17 積水化学工業株式会社 フラン樹脂硬化物の製造方法

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