JPH1017519A - アルデヒドの製造方法 - Google Patents

アルデヒドの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水性触媒相及び有機原料及び場合によっては
反応生成物及びガス状反応体から構成される多相系中で
高級オレフィンをヒドロホルミル化し、高転化率及び同
時に高選択的にn-アルデヒドを得ることができる方法を
開発すること。 【解決手段】 水、可溶化剤、及び水溶性ロジウム錯体
からなる触媒系の存在下に液相中で少なくとも4個の炭
素原子を有する直鎖状または分枝状オレフィン類と一酸
化炭素及び水素とを反応させることによってアルデヒド
を製造する方法であって、触媒系中のロジウム錯体が特
定のスルホン化ジホスフィンを配位子として含み、そし
て可溶化剤が第4級アンモニウム塩であることを特徴と
する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、水溶性ロジウム錯
体触媒と可溶化剤の存在下に高級オレフィンをヒドロホ
ルミル化することによってアルデヒドを製造する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】アルデヒド及びアルコールは、オレフィ
ンを一酸化炭素及び水素と反応させることによって製造
することができることは周知である。このヒドロホルミ
ル化反応は、ヒドリド- 金属カルボニル、好ましくは周
期表の第VIII族の金属のヒドリド- 金属カルボニルによ
って触媒作用される。触媒金属として工業的に広く使用
されるコバルトの他に、ロジウムが最近になってその重
要性を益々高めている。コバルトとは対照的に、ロジウ
ムは、反応を低圧下に行うことを可能にし、更には直鎖
状n-アルデヒドが優先的に生じそしてiso-アルデヒドは
少量割合でしか生じない。また、ロジウム触媒を使用す
ると、飽和炭化水素を導くオレフィンの水素化反応は、
コバルト触媒を用いた場合よりも、非常に僅かな程度で
しか起こらない。
【0003】工業的に使用されている方法においては、
ロジウム触媒は、追加的に配位子を含む変性ヒドリドロ
ジウムカルボニルの形で使用される。通常この配位子は
過剰に存在し、そのためその触媒系はロジウム錯体と遊
離の配位子からなる。特に有用な配位子は、第三級ホス
フィンまたはホスフィットである。これらを使用するこ
とによって、ヒドロホルミル化の際の反応圧力を30MPa
未満の値にまで低めることができる。
【0004】しかし、この方法は、反応生成物の分離、
及び反応生成物中に均一に溶解した触媒の回収という点
で問題を有する。一般的には、これは反応混合物から反
応生成物を留去することによって解消される。しかし、
生ずるアルデヒド及びアルコールが熱に敏感なために、
この方法は、低級オレフィン、つまり分子中に約6個ま
での炭素原子を有するオレフィンのヒドロホルミル化に
しか実際には使用できない。更に、蒸留される材料の熱
的応力により、ロジウム錯体が分解しその結果かなりの
触媒損失も生ずるということがわかった。
【0005】上記の不都合は、水に可溶の触媒系を用い
ることによって避けられる。このような触媒系は、例え
ば、ドイツ特許 (DE-C) 第26 27 354 号、ヨーロッパ特
許出願公開第0 571 819 号及びヨーロッパ特許第0 491
240 号に記載されている。このロジウム錯体の溶解性
は、ここではスルホン化またはカルボキシル化されたト
リアリールホスフィンまたはスルホン化されたジホスフ
ィンを触媒成分として使用することによってもたらされ
る。この態様の方法においては、ヒドロホルミル化反応
の完了後に反応生成物から触媒を分離することは、単に
水性相と有機相を分離することによって、つまり蒸留せ
ずに、すなわち付加的な熱的プロセス段階を用いずに行
われる。
【0006】水溶性触媒系を用いるこのヒドロホルミル
化反応は、エチレン、プロピレン及びブテン等の低級オ
レフィンに非常に有用であることがわかっている。ヘキ
セン、オクテンまたはデセン等の高級オレフィンを使用
した場合は、ヒドロホルミル化反応における転化率が著
しく低下し、そのためこの反応は工業規模においてはも
はや経済的なものではない。
【0007】このような転化率の低下は、反応体どうし
の反応は水性相中で進行するのに対し、高級オレフィン
の水溶解性が低いために生じることである。ヨーロッパ
特許第0 157 316 号には、水性相、及びこの水性相と不
混和性かまたは僅かにしか混和しない有機相、並びに可
溶化剤の存在下に高級オレフィンをヒドロホルミル化す
る方法が記載されている。使用される触媒は、トリスル
ホン化されたトリアリールホスフィンを含むロジウム錯
体である。可溶化剤は、式:
【0008】
【化4】
【0009】[式中、Aは、それぞれ6〜25個の炭素原
子を有する、直鎖状または分枝状アルキル、ω- ヒドロ
キシアルキル、アルコキシあるいは置換されていないか
または置換されているアリール基、あるいは式R7-CONH-
CH2-CH2-CH2-(ここで、R7は、5〜11個の炭素原子を有
する直鎖状または分枝状アルキル基である)で表される
基であり、B、C及びDは、同一かまたは異なってい
て、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状ア
ルキルまたはω- ヒドロキシアルキル基であるか、また
はC及びDは、N原子と一緒になって、5または6員の
複素環式環を形成し、そしてEはクロライド、ブロマイ
ド、アイオダイドまたは特にスルフェート、テトラフル
オルボレート、アセテート、メトスルフェート、ベンゼ
ンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、トル
エンスルホネート、ラクテートまたはシトレートであ
る]で表される陽イオン性相間移動剤である。
【0010】これらの可溶化剤の存在下でのn-ヘキセン
-1のヒドロホルミル化においては、可溶化剤を用いない
ヒドロホルミル化と比較して約20%から平均で40%への
転化率向上が達成される。しかし、この可溶化剤の存在
下では、同時にn-アルデヒドとiso-アルデヒドの比が、
98:2(可溶化剤なし)から 95:5 〜96:4へと低下する。
【0011】更には、約40%の転化率レベルは工業的に
使用するには低すぎる。添加される可溶化剤の量を減ら
すことによって反応条件を最適化すると添加率は40%か
ら70- 75%へと向上し得るが、それと同時にn/i 比も一
層更に91:9へと低下する。経済的な面から見れば、この
値は、所望のn-アルデヒドの収率の点で全く不満足なも
のである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】それゆえ、本発明の課
題は、水性触媒溶液及び有機原料及び場合によっては反
応生成物及びガス状反応体から構成される多相系中で高
級オレフィンをヒドロホルミル化し、高転化率及び同時
に高選択的にn-アルデヒドを得ることができる方法を開
発することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、水、可溶
化剤、及び水溶性ロジウム錯体からなる触媒系の存在下
に液相中で、少なくとも3個の炭素原子を有するオレフ
ィン性不飽和の化合物を一酸化炭素及び水素と反応させ
ることによってアルデヒドを製造する方法によって達成
される。この方法においては、触媒系に含まれる水溶性
ロジウム錯体は、一つまたはそれ以上のスルホン酸基に
よって置換されている式I:
【0014】
【化5】
【0015】[式中、Xは、同一かまたは異なり、C1-C9
-アルキル、C6-C10- シクロアルキル、置換されている
かまたは置換されていないC6-C10- アリールあるいはは
C12-ビアリール基であり、R1は、同一かまたは異なって
いて、水素、C1-C14- アルキル、C1-C14- アルコキシ、
C6-C14- シクロアルキル、C6-C14- アリールまたはC6-C
14- アロキシ基、あるいは縮合したベンゼン環 (fused-
on benzene ring)であり、mは、同一かまたは異なって
いて、そえぞれ0〜5の整数であり、nは、同様に同一
かまたは異なっていて、0〜4の整数である]で表され
るジホスフィンを配位子として含み、そして使用される
可溶化剤は、式II:
【0016】
【化6】
【0017】[式中、Aは直鎖状または分枝状C6-C25-
アルキル、C6-C25- ω- ヒドロキシアルキル、あるいは
置換されているかまたは置換されていないC6-C25- アリ
ール基、あるいは式R7-CONH-CH2-CH2-CH2 (ここで、R7
は5〜11個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アル
キル基である)で表される基であり、B、C及びDは、
同一かまたは異なっていて、1〜4個の炭素原子を有す
る直鎖状または分枝状アルキルまたはω- ヒドロキシア
ルキル基であるか、CとDは、N原子と一緒になって、
5または6員の複素環式環を形成し、そしてE - は無機
または有機アニオンである]で表される化合物である。
【0018】オレフィンのヒドロホルミル化は、ロジウ
ム錯体の成分としての式Iのスルホン化ジホスフィン及
び式IIの上記可溶化剤の存在下に起こり、長期の高転化
率及び高選択性をもってn-アルデヒドを与える。式I
中、Xは好ましくはフェニル、トリルまたはナフチル基
であり、R1は好ましくは水素またはメチル、イソプロピ
ル、イソブチル、t-ブチル、フェニルまたはナフチル基
または縮合したベンゼン環であり、mは好ましくは1で
あり、そしてnは好ましくは0または1である。
【0019】式I中のE - は、無機アニオン、好ましく
はハロゲン化物イオン、またはスルフェート- 、メトス
ルフェート- 、スルホネート- またはボレートイオンで
ある。ここで E- は、特に好ましくは、クロライド- 、
ブロマイド- 、アイオダイド- 、ベンゼンスルホネート
- 、C7-C10- アルキルベンゼンスルホネート- 、特にト
ルエンスルホネート- またはテトラフルオルボレートイ
オンである。
【0020】式I中 E- は、有機アニオン、好ましくは
カルボキシレート- 、ラクテート-またはシトレートイ
オンであってもよい。ここで特に好ましくはアセテート
イオンである。当該水溶性ロジウム錯体に特に有用な配
位子は、式Iから誘導されそして以下の式III :
【0021】
【化7】
【0022】[式中、Arはm-C6H4SO3M であり、M は水
素、アンモニウム、一価の金属または多価の金属の当
量、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウムまたは
バリウムであり、そしてPhはフェニル基であり、yは、
同一かまたは異なっていて、1または2、好ましくは2
であり、そしてxは、同一かまたは異なっていて、0、
1または2、好ましくは1または2である]を有するス
ルホン化 2,2'-ビス (ジフェニルホスフィノメチル)-1,
1'- ビナフチル類であることがわかった。
【0023】式II及びIII のスルホン化ジホスフィン
は、ヨーロッパ特許第0 491 240 号及びヨーロッパ特許
出願公開0 571 819 号から知られる従来慣用の方法によ
って製造される。式IIの可溶化剤は、水性相及び有機相
の両方と相溶性であり、そして特に高温下において両相
中に可溶の材料である。このような材料は公知であり、
相間移動剤、表面活性剤または両親媒性剤あるいは界面
活性剤とも呼ばれる。
【0024】これらの効果は、主に、二つの液相間の界
面の物理的性質を変化し、それによって水性触媒相中へ
の有機反応体の移動を助けることである。これに間連し
て、この可溶化剤は、触媒活性金属の活性度に悪影響を
及ぼさないことが特に重要である。式II中、Aが直鎖状
または分枝状C6-C25- 、好ましくはC8-C20- 、特にC10-
C1 6-アルキル、C6-C25- 、好ましくはC8-C20- 、特にC
10-C18-ω- ヒドロキシアルキル、C6-C25- 、好ましく
はC8-C20- 、特にC10-C16-アルコキシ、あるいは置換さ
れているかまたは置換されていないC6-C25- 、好ましく
はC6-C18- 、特にC6-C 12- アリール基、あるいは式 R7-
CONH-CH2-CH2-CH2(ここで、R7は、5〜11個、好ましく
は4〜10個、特に好ましくは3〜9個の炭素原子を有す
る直鎖状または分枝状アルキル基である)で表される基
であり、B、C及びDは、同一かまたは異なっていて、
1〜4個、好ましくは2または3個の炭素原子を有する
直鎖状または分枝状アルキルまたはω- ヒドロキシアル
キル基であるか、またはC及びDは、N原子と一緒にな
って、6員の複素環式環を形成する、使用される可溶化
剤は、陽イオン性相間移動剤の部類に属する。
【0025】適当なカチオン [NABCD]+ の例は、ステア
リルトリメチルアンモニウム、フェニルトリメチルアン
モニウム、トリメチル-1- フェニルアンモニウム、ベン
ジルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモ
ニウム、ミリスチルトリメチルアンモニウム、ドデシル
ピリジニウム、ステアリルアミドメチルピリジニウム、
ラウリルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチル
アンモニウム、N-(3-トリメチルアンモニウムプロピル)
-n-ヘプタンアミドメトスルフェート、ドデシルトリス-
β- ヒドロキシエチルアンモニウム、または N-(β-
トリメチルアンモニウムプロピル)-N-ノナンアミドメト
スルフェートである。
【0026】式II中で使用できるアニオン E- は、クロ
ライド- 、ブロマイド- 、アイオダイド- 、スルフェー
ト- 、テトラフルオルボレート- 、アセテート- 、メト
スルフェート- 、ベンゼンスルホネート- 、アルキルベ
ンゼンスルホネート- 、トルエンスルホネート- 、ラク
テート- またはシトレートイオンである。低い腐蝕性に
起因して、好ましくはメトスルフェート- 、スルホネー
ト- 及びラクテートイオンである。
【0027】水性触媒溶液中の可溶化剤の濃度は、触媒
溶液を基準として、0.05〜5重量%、好ましくは 0.07
〜2重量%、特に好ましくは 0.1〜0.5 重量%である。
触媒は、反応系に添加する前に予備調製することができ
る。しかし、反応条件下に反応混合物中で、すなわちオ
レフィンの存在下に、各成分、つまりロジウムまたはロ
ジウム化合物、及び式Iのジホスフィンの水性溶液から
同様に首尾良く触媒を製造することができる。微細な形
の金属ロジウムの他に、使用できるロジウム源は、水溶
性ロジウム塩、例えば塩化ロジウム、硫酸ロジウム、酢
酸ロジウム、あるいは有機媒体中に可溶の化合物、例え
ば2-エチルヘキサン酸ロジウム、または不溶性化合物、
例えば酸化ロジウムである。
【0028】水性触媒溶液中のロジウム濃度は、触媒溶
液を基準として、10〜2000重量 ppm、好ましくは20〜30
0 重量ppm 、特に好ましくは40〜100 重量ppm である。
当該ジホスフィンは、ロジウム1mol 当たり、1〜50mo
l 、好ましくは5〜15mol のジホスフィンが存在するよ
うな量で使用される。水性触媒溶液のpHは、2より低く
あるべきではない。通常使用されるpHは2〜13であり、
好ましくは4〜10である。
【0029】オレフィンと水素及び一酸化炭素との反応
は、20〜150 ℃、好ましくは50〜120 ℃の温度、及び0.
1 〜20MPa 、好ましくは1〜10MPa の圧力下に行われ
る。合成ガスの組成、つまり一酸化炭素と水素の比は、
広い範囲内で変えることができる。通常は、一酸化炭素
と水素との容量比が1:1 またはこの値と僅かに異なる比
である合成ガスを使用する。
【0030】この反応は、連続式でもバッチ式でも行う
ことができる。本発明方法は、少なくとも3個の炭素原
子を有するオレフィン性不飽和の化合物のヒドロホルミ
ル化に首尾良く使用することができる。特に、一つまた
はそれ以上の内部及び/ または末端二重結合を有し得
る、3〜20個の炭素原子を有するオレフィン性不飽和の
化合物が適している。好適なオレフィン性不飽和の化合
物は、3〜20個の炭素原子を有する置換されているかま
たは置換されていないアルケン、4〜10個の炭素原子を
有する置換されているかまたは置換されていないジエ
ン、環系に5〜12個の炭素原子を有する置換されている
かまたは置換されていないシクロアルケンまたはジシク
ロアルケン、3〜20個の炭素原子を有する不飽和カルボ
ン酸と1〜18個の炭素原子を有する脂肪族アルコールと
のエステル、2〜20個の炭素原子を有する飽和カルボン
酸と2〜18個の炭素原子を有する不飽和アルコールとの
エステル、それぞれ3〜20個の炭素原子を有する不飽和
アルコールまたはエーテル、あるいは8〜20個の炭素原
子を有する芳香脂肪族オレフィンである。
【0031】3〜20個の炭素原子を有する置換されてい
るかまたは置換されていないアルケンは、末端または内
部位置に二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケン
であることができる。好ましくは、6〜18個の炭素原子
を有する直鎖状オレフィン、例えばn-ヘキセン-1、n-ヘ
プテン-1、n-オクテン-1、n-ノネン-1、n-デセン-1、n-
ウンデセン-1、n-ドデセン-1、n-オクトデセン-1、及び
非環式テルペン類である。また分枝状アルケン、例えば
ジイソブチレン (2,4,4-トリメチルペンテン-1)、トリ
プロピレン、テトラプロピレン及びダイマーゾル (dime
rsol) も好ましい。
【0032】4〜10個の炭素原子を有する置換されてい
ないジエンの好ましい例は1,3-ブタジエン、1,5-ヘキサ
ジエン及び1,9-デカジエンである。環系に5〜12個の炭
素原子を有する置換されているかまたは置換されていな
いシクロアルケンまたはジシクロアルケンの例は、シク
ロヘキセン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、ジ
シクロペンタジエン、及び環状テルペン類、例えばリモ
ネン、ピネン、カンホレン及びビサボレンである。
【0033】8〜20個の炭素原子を有する芳香脂肪族オ
レフィンの例はスチレンである。3〜20個の炭素原子を
有する不飽和カルボン酸と1〜18個の炭素原子を有する
脂肪族アルコールとのエステルの例としては、アルコー
ル部分に1〜18個の炭素原子を有するアクリル酸エステ
ル及びメタクリル酸エステルを挙げることができる。
【0034】2〜20個の炭素原子を有する飽和カルボン
酸と2〜18個の炭素原子を有する不飽和アルコールとの
エステルには、カルボン酸部分中に2〜20個の炭素原子
を有するビニル及びアリルエステルが包含される。不飽
和アルコール及びエーテルには、例えば、アリルアルコ
ール及びビニルエーテルが包含される。
【0035】以下の実施例においては、触媒系の性能
は、n-アルデヒドとi-アルデヒドの比の他に、次式: で定義される“活性度”及び次式: で表される“生産性”によって記載される。
【0036】アルコールと炭化水素の形成は極僅かであ
る。
【0037】
【実施例】実施例1- 3 (比較例; 錯化配位子:トリナトリウ
ムトリ (m-スルホフェニル) ホスフィン (TPPTS); 可溶
化剤を添加) a) 触媒の予備調製 浸漬管を備えた1L オートクレーブに、塩 16.4 重量%
及び酢酸ロジウムとしてのRh 300ppm を含むTPPTS 水溶
液 450g (419 ml)を装入する。加えて、100 %純度の塩
3.86g(全TPPTS 溶液の0.86%に相当)に相当するテト
ラデシルトリメチルアンモニウム-TPPTS溶液 (5.1 %濃
度) 75.3gを添加する。次いで、このオートクレーブを
合成ガス(CO/H2 容量比 = 1:1)により2.5MPaの圧力に
加圧する。次いでこの反応溶液を、125 ℃で攪拌しなが
ら3時間合成ガスで処理し、この間に活性触媒が形成さ
れる。約30℃に冷却した後、攪拌機のスイッチを切りそ
して、15分間沈降させた後、過剰の溶液を浸漬管を通し
て圧力下に排出し、これを分析する。残りの溶液はオー
トクレーブ中に留める。 b) ヒドロホルミル化 105gのn-ヘキセン-1を、a)に記載のように調製した溶液
に攪拌しながらポンプ輸送する。2.5 MPa の一定の圧力
下に、この混合物を 125℃に加熱しそしてこの温度にお
いて3時間放置する。次いでこれを30℃に冷却しそして
沈降させる。上層の有機相を、浸漬管を通して加圧下に
排出し、これの重量を測り(表1参照)そしてガスクロ
マトグラフィーによって分析する。この段階b)を二回繰
り返し、この際、実質的に同じ結果が得られる。表1に
示した活性度及び生産性の値は、オートクレーブ中の水
性相と有機相の量を基準とする。使用したヘキセンの量
は、オートクレーブ中の液面高さにに合わせた。表1
【0038】
【表1】
【0039】実施例4- 6(比較例; 錯化配位子:ス
ルホン化された 2,2'-ビス (ジフェニルホスフィノメチ
ル)-1,1'-ビナフチル (BINAS), 可溶化剤は添加しな
い) a) 触媒の予備調製 浸漬管を備えた 0.2L オートクレーブに、BINAS の水溶
液 109ml (110g)及び酢酸ロジウムとしてのRh 50ppmを
装入する。次いでこのオートクレーブを、合成ガス(CO
/H2 容量比 = 1:1)で 2.5MPa の圧力に加圧する。次い
でこの反応溶液を、122 ℃で攪拌しながら合成ガスで3
時間処理し、この際、活性触媒が形成される。約30℃に
冷却した後、攪拌機のスイッチを切りそして、15分間沈
降させた後、浸漬管を通して過剰の溶液を圧力下に排出
し、これを分析する。残りの溶液はオートクレーブ中に
留める。 b) ヒドロホルミル化 a)に記載したように調製された溶液に攪拌しながら34.3
g のn-ヘキセン-1をポンプ輸送する。2.5MPaの一定の圧
力下に、この混合物を 122℃に加熱しそしてこの温度で
3時間放置する。次いでこれを30℃に冷却しそして沈降
させる。上層の有機相を、浸漬管を通して圧力下に排出
し、これの重量を測りそしてガスクロマトグラフィーに
よって分析する。
【0040】この段階b)を二回繰り返し、この際、実質
的に同じ結果が得られる。表2に示される活性度と生産
性の値は、オートクレーブ中の水性相と有機相の量を基
準とする。使用したn-ヘキセン-1の量は、オートクレー
ブ中の液面高さに合わせた。表2
【0041】
【表2】
【0042】実施例7- 9(錯化配位子: BINAS, 可溶
化剤を添加する) a) 触媒の予備調製 浸漬管を備えた 0.2L オートクレーブに、BINAS の水溶
液 112g 及び酢酸ロジウムとしてのRh 50ppmを装入す
る。加えて、100 %純粋な塩の 0.272g(全BINAS 溶液
の 0.241%に相当)に相当するテトラデシルトリメチル
アンモニウムメトカーボネート溶液 (27.2%濃度)1g
を添加する。次いでこのオートクレーブを合成ガス(CO
/H2 容量比 = 1:1)により 2.5MPa の圧力に加圧する。
次いでこの反応溶液を、122 ℃で攪拌しながら合成ガス
で3時間処理し、この際、活性触媒が形成される。約30
℃に冷却した後、攪拌機のスイッチを切りそして、15分
間沈降させた後、浸漬管を通して過剰の溶液を圧力下に
排出し、これを分析する。残りの溶液はオートクレーブ
中に留める。 b) ヒドロホルミル化 a)に記載のように調製した溶液に攪拌しながら36.7g の
n-ヘキセン-1をポンプ搬送する。25bar (2.5×103 kPa)
の一定の圧力下に、この混合物を 122℃に加熱しそして
この温度において3時間放置する。次いでこれを30℃に
冷却しそして沈降させる。浸漬管を通して上層の有機相
を圧力下に排出し、これの重量を測りそしてガスクロマ
トグラフィーによって分析する。この段階b)を二回繰り
返し、この際、実質的に同じ結果が得られる。表3に示
される活性度と生産性の値は、オートクレーブ中の水性
相と有機相の量を基準とする。使用したヘキセンの量
は、オートクレーブ中の液面高さに合わせた。表3
【0043】
【表3】
【0044】実施例7- 9は、錯化配位子としてBINAS
を用いた場合に可溶化剤を添加することによって、転化
率、活性度及び生産性が著しく向上し、それと同時に選
択性は可溶化剤を添加しない場合と同じくらい高いこと
を示している。実施例10-12 これらの実施例は、実施例7-9 と同様の方法を用いて行
ったが、但し触媒の予備調製は 110℃で行いそしてヒド
ロホルミル化の反応時間は3時間から6時間へと2倍に
した。このヒドロホルミル化の結果を表4に示す。表4
【0045】
【表4】
【0046】実施例10-12 は、錯化剤としてのBINAS の
存在下に可溶化剤を用いた場合、反応条件を変化するこ
と、特にヒドロホルミル化時間を長くすることが、n/i
比を優れて維持しながら転化率を更に著しく向上させ得
ることを示す。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、可溶化剤、及び水溶性ロジウム錯体
    からなる触媒系の存在下に液相中で少なくとも3個の炭
    素原子を有するオレフィン性不飽和の化合物と一酸化炭
    素及び水素とを反応させることによってアルデヒドを製
    造する方法であって、触媒系に含まれる水溶性ロジウム
    錯体が、一つまたはそれ以上のスルホン酸基によって置
    換されている式I: 【化1】 [式中、Xは、同一かまたは異なっていて、C1-C9-アル
    キル、C6-C10- シクロアルキル、置換されているかまた
    は置換されていないC6-C10- アリールまたはC1 2-ビアリ
    ール基であり、R1は、同一かまたは異なっていて、水
    素、C1-C14- アルキル、C1-C14- アルコキシ、C6-C14-
    シクロアルキル、C6-C14- アリールまたはC6-C14- アロ
    キシ基であるかあるいは縮合したベンゼン環であり、m
    は、同一かまたは異なっていて、それぞれ0〜5の整数
    であり、そしてnは、同様に同一かまたは異なってい
    て、0〜4の整数である]で表されるジホスフィンを配
    位子として含み、そして使用される可溶化剤が、式II: 【化2】 [式中、Aは直鎖状または分枝状 C6-C25-アルキル、C6-
    C25- ω- ヒドロキシアルキルあるいは置換されている
    かまたは置換されていないC6-C25- アリール基あるいは
    式 R7-CONH-CH2-CH2-CH2(ここで、R7は、5〜11個の炭
    素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基である)
    で表される基であり、B、C及びDは、同一かまたは異
    なっていて、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状または
    分枝状アルキルまたはω- ヒドロキシアルキル基である
    か、またはC及びDは、N原子と一緒になって、5また
    は6員の複素環式環を形成し、そして E- は無機または
    有機アニオンである]で表される化合物であることを特
    徴とする上記方法。
  2. 【請求項2】 式I中、Xが、同一かまたは異なってい
    て、フェニル、トリルまたはナフチル基であり、そして
    R1が水素、メチル、イソプロピル、イソブチル、t-ブチ
    ル、フェニルまたはナフチル基であり、mが1でありそ
    してnが0または1である請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 式II中、Aが、直鎖状または分枝状 C8-
    C20-、特にC10-C16-アルキル、C8-C20- 、特にC10-C18-
    ω- ヒドロキシアルキルあるいは置換されているかまた
    は置換されていない C6-C18-、特に C6-C12-アリール基
    あるいは式 R 7-CONH-CH2-CH2-CH2- (ここで、R7は4〜
    10、特に3〜9個の炭素原子を有する直鎖状または分枝
    状アルキル基である)で表される基であり、B、C及び
    Dは、同一かまたは異なっていて、2または3個の炭素
    原子を有する直鎖状または分枝状アルキルまたはω- ヒ
    ドロキシアルキル基であるか、またはC及びDは、N原
    子と一緒になって、6員の複素環式環を形成する請求項
    1または2の方法。
  4. 【請求項4】 式I中の E- が、ハロゲン化物- 、スル
    フェート- 、メトスルフェート- 、スルホネート- また
    はボレートイオンである請求項1〜3のいずれか一つの
    方法。
  5. 【請求項5】 式I中の E- が、クロライド- 、ブロマ
    イド- 、アイオダイド- 、ベンゼンスルホネート- 、C7
    -C10- アルキルベンゼンスルホネート- 、特にトルエン
    スルホネート- またはテトラフルオルボレートイオンで
    ある請求項4の方法。
  6. 【請求項6】 式I中の E- が、カルボキシレートイオ
    ン、好ましくはアセテートイオン、ラクテートイオンま
    たはシトレートイオンである請求項1〜3のいずれか一
    つの方法。
  7. 【請求項7】 水溶性ロジウム錯体中に使用する配位子
    が、式III 【化3】 [式中、Arは m-C6H4SO3M であり、Mは水素、アンモニ
    ウム、一価の金属または多価の金属の当量、好ましくは
    リチウム、ナトリウム、カリウムまたはバリウムであ
    り、そしてPhはフェニル基であり、yは、同一かまたは
    異なっていて、 1または2、好ましくは2であり、そしてxは、同一か
    または異なっていて、 0、1または2、好ましくは1または2である]で表さ
    れるスルホン化された 2,2'-ビス (ジフェニルホスフィ
    ノメチル)-1,1'-ビナフチルである請求項1及び3〜6
    のいずれか一つの方法。
  8. 【請求項8】 水性触媒溶液中の可溶化剤の濃度が、触
    媒溶液を基準として、0.05〜5重量%、好ましくは 0.0
    7 〜2重量%、特に好ましくは 0.1〜0.5 重量%である
    請求項1〜7のいずれか一つの方法。
  9. 【請求項9】 水性触媒溶液中のロジウム濃度が、触媒
    溶液を基準として、10〜2000重量ppm 、好ましくは20〜
    300 重量ppm 、特に好ましくは40〜100 重量ppm であ
    り、そしてロジウム1モル当たり、1〜50mol 、好まし
    くは5〜15molのジホスフィンが使用される請求項1〜
    8のいずれか一つの方法。
  10. 【請求項10】 反応を、20〜150 ℃、好ましくは50〜
    120 ℃の温度及び 0.1〜20MPa 、好ましくは1〜10MPa
    の圧力において行う請求項1〜9のいずれか一つの方
    法。
  11. 【請求項11】 使用するオレフィン性不飽和の化合物
    が、3〜20個の炭素原子を有する置換されているかまた
    は置換されていないアルケン、4〜10個の炭素原子を有
    する置換されているかまたは置換されていないジエン、
    環系中に5〜12個の炭素原子を有する置換されているか
    または置換されていないシクロアルケンまたはジシクロ
    アルケン、3〜20個の炭素原子を有する不飽和カルボン
    酸と1〜18個の炭素原子を有する脂肪族アルコールとの
    エステル、2〜20個の炭素原子を有する飽和カルボン酸
    と2〜18個の炭素原子を有する不飽和アルコールとのエ
    ステル、それぞれ3〜20個の炭素原子を有する不飽和ア
    ルコールまたはエーテル、あるいは8〜20個の炭素原子
    を有する芳香脂肪族オレフィンである請求項1〜10のい
    ずれか一つの方法。
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