JPH10177100A - 放射線像変換パネル - Google Patents

放射線像変換パネル

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JPH10177100A
JPH10177100A JP8353612A JP35361296A JPH10177100A JP H10177100 A JPH10177100 A JP H10177100A JP 8353612 A JP8353612 A JP 8353612A JP 35361296 A JP35361296 A JP 35361296A JP H10177100 A JPH10177100 A JP H10177100A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射線像記録再生方法に利用した場合に、搬
送耐久性と耐光性の両方の特性に優れた放射線像変換パ
ネルを提供する。 【解決手段】 輝尽性蛍光体および結合剤からなる蛍光
体層を有する放射線像変換パネルにおいて、結合剤が熱
可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分とする樹脂
で、蛍光体層が更にラジカル捕捉剤を含む放射線像変換
パネル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輝尽性蛍光体を用
いた放射線像変換パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の放射線写真法に代る方法として、
たとえば特開昭55−12145号公報などに記載され
ているような輝尽性蛍光体を用いる放射線像変換方法が
知られている。この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放
射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シートとも称する)を
利用するもので、被写体を透過したあるいは被検体から
発せられた放射線を該パネルの輝尽性蛍光体に吸収さ
せ、その後に輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電
磁波(励起光)で時系列的に励起することにより、該輝
尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを蛍光
(あるいは輝尽発光光)として放出させ、この蛍光を光
電的に読み取って電気信号を得、得られた電気信号に基
づいて被写体あるいは被検体の放射線画像を可視像とし
て再生するものである。
【0003】この放射線像変換方法によれば、従来の放
射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる放射線写
真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝線量で
情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利
点があるところから、この方法は、特に医療診断を目的
とするX線撮影等の直接医療用放射線撮影において利用
価値の非常に高いものである。
【0004】放射線像変換方法に用いられる放射線像変
換パネルは、基本構造として、支持体とその片面に設け
られた輝尽性蛍光体層とからなるものである。なお、蛍
光体層が自己支持性である場合には必ずしも支持体を必
要としない。また、この輝尽性蛍光体層の支持体とは反
対側の表面(支持体に面していない側の表面)には一般
に透明な保護膜が設けられていて、蛍光体層を化学的な
変質あるいは物理的な衝撃から保護している。
【0005】輝尽性蛍光体層は一般に、輝尽性蛍光体と
これを分散状態で含有支持する結合剤とからなるもので
あり、輝尽性蛍光体はX線などの放射線を吸収したのち
励起光の照射を受けると輝尽発光を示す性質を有するも
のである。従って、被写体を透過したあるいは被検体か
ら発せられた放射線は、その放射線量に比例して放射線
像変換パネルの輝尽性蛍光体層に吸収され、パネルには
被写体あるいは被検体の放射線像が放射線エネルギーの
蓄積像として形成される。この蓄積像は、上記励起光を
照射することにより輝尽発光光として放出させることが
でき、この輝尽発光光を光電的に読み取って電気信号に
変換することにより放射線エネルギーの蓄積像を画像化
することが可能となる。
【0006】放射線像変換方法は上述のように非常に有
利な画像形成方法であるが、この方法に用いられる放射
線像変換パネルも従来の放射線写真法に用いられる増感
紙と同様に、高感度であってかつ画質(鮮鋭度、粒状性
など)の良好な画像を与えるものであることが望まれ
る。放射線像変換パネルの感度は、基本的にはパネルに
含有されている輝尽性蛍光体の総輝尽発光量に依存し、
この総発光量は蛍光体自体の発光輝度によるのみなら
ず、蛍光体層における蛍光体の含有量によっても異な
る。蛍光体の含有量が多いことはまたX線等の放射線に
対する吸収も大であることを意味するから、一層高い感
度が得られ、同時に画質(特に、粒状性)が向上する。
一方、蛍光体層における蛍光体の含有量が一定である場
合には、蛍光体粒子が密に充填されているほどその層厚
を薄くすることができるから、散乱による励起光の広が
りを少なくすることができ、相対的に高い鮮鋭度を得る
ことができる。
【0007】蛍光体層を支持体上に形成し、そしてこの
蛍光体層を圧縮することにより得られる放射線像変換パ
ネルが特開昭59−126299号公報、特開昭59−
126300号公報に開示されている。このようにして
得られる放射線像変換パネルは、蛍光体層を圧縮処理す
ることで、蛍光体層中の蛍光体の密度をそれまでの放射
線像変換パネルよりも高くしたものであった。その結
果、この放射線像変換パネルは鮮鋭度においては向上し
たが、反面、圧縮処理により蛍光体が一部破壊されるた
めに粒状性という面ではむしろ劣化してしまう場合があ
るという問題があった。
【0008】上記の問題については、特開平2−278
197号公報では、蛍光体層の結合剤として軟化温度ま
たは融点が30〜150℃である熱可塑性エラストマー
を用い、この蛍光体層を成型後に軟化温度または融点以
上の温度で加熱圧縮することにより、優れた鮮鋭度と粒
状性とを有する放射線像変換パネルが得られることを明
らかにしている。また、特開平7−287098号公報
には、蛍光体層を二層に分け、それぞれの蛍光体層の結
合剤として、互いに軟化温度の異なるポリウレタンエラ
ストマーに代表される二種の熱可塑性樹脂を併用するこ
とが提案されている。
【0009】一方、放射線像変換方法の実施において、
放射線像変換パネルは、放射線の照射(放射線像の記
録)・励起光の照射(記録された放射線像の読出し)・
消去光の照射(残存する放射線像の消去)というサイク
ルで繰り返し使用される。そして放射線像変換パネルの
撮影装置内での各ステップへの移行はベルト、ローラな
どの搬送手段により行なわれるが、上記のような熱圧縮
(加熱圧縮)処理して得られる放射線像変換パネルを上
記撮影装置内にて繰り返し搬送を行なった場合、蛍光体
層に亀裂が生じ易いとの問題がある。このような蛍光体
層に亀裂が入った放射線像変換パネルを用いて、放射線
像の照射あるいは励起光の照射を行なった場合、亀裂部
分で光の散乱が発生し、再生される放射線像の画質の低
下をもたらす。上記の問題について、特開平8−360
99号公報は、放射線像変換パネルの結合剤として、3
0〜150℃の軟化温度又は融点を有し且つ0.3kgf/
mm2 以下の弾性率を有するポリウレタンエラストマーな
どの熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性エラストマー
を用いることが有効であることを明らかにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】これまでに述べたよう
に、放射線像変換パネルの蛍光体層の結合剤樹脂として
は、熱可塑性のポリウレタンエラストマーが優れた特性
を示すことが知られており、この熱可塑性ポリウレタン
エラストマーは特に、蛍光体層を成型後に加熱圧縮処理
を施して蛍光体層中の蛍光体密度を高くする操作を行な
った放射線像変換パネルを製造する場合に有効であるこ
とも知られている。しかしながら、本発明者の研究によ
ると、そのような熱可塑性ポリウレタンエラストマー、
特に芳香族系のポリウレタンエラストマー、を蛍光体層
の結合剤として使用して製造した放射線像変換パネル
は、耐光性が充分でなく、従って、そのような放射線像
変換パネル繰返し使用しているうちに、蛍光体層が劣化
し、その放射線像変換パネルの使用により再生される放
射線像の画質が低下する傾向があることが判明した。
【0011】従って、本発明は、耐久性に優れた放射線
像変換パネルを提供することを目的とする。本発明は特
に、撮影装置内において繰り返し、放射線像照射、励起
光の照射による放射線像再生、そして搬送の各操作を長
期間に亘って行なった場合でも優れた画質の放射線像を
安定して与えることができる耐光性の優れた放射線像変
換パネルを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、輝尽性蛍光体
および結合剤からなる蛍光体層を有する放射線像変換パ
ネルにおいて、該結合剤が熱可塑性ポリウレタンエラス
トマーを主成分とする樹脂であり、更にラジカル捕捉剤
を含むことを特徴とする放射線像変換パネルにある。上
記のラジカル捕捉剤は、ヒンダードフェノール系化合物
もしくはヒンダードアミン系化合物であることが好まし
く、また蛍光体層のラジカル捕捉剤の量はポリウレタン
樹脂100重量部に対して0.05〜10重量部の範囲
にあることが好ましい。
【0013】本発明は特に、上記熱可塑性ポリウレタン
エラストマーが芳香族ポリウレタンエラストマーである
場合に効果が高く、さらに分子構造中にジフェニルメタ
ンジイソシアネートから誘導された繰返し単位を含むも
のである芳香族ポリウレタンエラストマーである場合に
最も効果が高い。本発明で用いる熱可塑性ポリウレタン
エラストマーは、その弾性率が、0.3kgf/mm2 以下、
特に0.1kgf/mm2 以下であり、その軟化温度が30〜
150℃(特に、50〜120℃)の範囲にあることが
好ましい。また、熱可塑性ポリウレタンエラストマー
は、前結合剤樹脂中で30〜100重量%(好ましくは
60〜100重量%)を占めていることが好ましい。上
記軟化温度はビカット軟化温度である。これは、1kg
の荷重がかかった標準圧子(直径1mm)が試料(ポリ
マー)表面から1mm侵入した時の温度を測定すること
により求められる。
【0014】また、放射線像変換パネルの製造に際し
て、その蛍光体層が、その成型後に圧縮処理を施される
ものである場合、本発明の結合剤組成が特に有効であ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の放射線像変換パネルは、
例えば、次のような方法を利用して製造することができ
る。まず、本発明の放射線像変換パネルの蛍光体層に使
用される蛍光体について述べる。輝尽性蛍光体は、先に
述べたように放射線を照射した後、励起光を照射すると
輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用的な面からは波長
が400〜900nmの範囲にある励起光によって30
0〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体であ
ることが望ましい。本発明の放射線像変換パネルに用い
られる輝尽性蛍光体としては、二価ユーロピウム付活ア
ルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、セリウム付活ア
ルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体およびセリウム付
活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体が、高輝度の輝尽
発光を示すので好ましい。ただし、本発明に用いられる
輝尽性蛍光体はこのような蛍光体に限られるものではな
く、放射線を照射したのちに励起光を照射した場合に輝
尽発光を示す蛍光体であればいかなるものであってもよ
い。
【0016】上述のような輝尽性蛍光体を用いて蛍光体
層を形成するための塗布液を下記のように調製する。上
記輝尽性蛍光体と結合剤とを適当な溶剤に加え、これを
充分に混合して結合剤溶液中に輝尽性蛍光体が均一に分
散した蛍光体層形成用塗布液を調製する。本発明で使用
される結合剤は、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを
主成分とする樹脂であり、さらにラジカル捕捉剤を含む
ものである。
【0017】結合剤樹脂は、一種類の熱可塑性ポリウレ
タンエラストマーのみからなるものでもよく、また二種
以上の熱可塑性ポリウレタンエラストマーの混合物であ
ってもよい。本発明で用いる熱可塑性ポリウレタンエラ
ストマーは、繰返し単位中に芳香族基を含む、いわゆる
芳香族系の熱可塑性ポリウレタンエラストマーであるこ
とが好ましく、その分子構造中にジフェニルメタンジイ
ソシアネートから誘導された繰返し単位を含むものが特
に好ましい。上記の熱可塑性ポリウレタンエラストマー
は、他のポリマー(例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹
脂およびポリイミド樹脂などの結合剤樹脂)と併用して
も良が、結合剤樹脂中に、熱可塑性ポリウレタンエラス
トマーが30重量%以上存在することが望ましい。
【0018】本発明の結合剤樹脂は、上記の熱可塑性ポ
リウレタンエラストマーに加えてラジカル捕捉剤(ラジ
カルトラップ剤)を含むことを特徴とする。ラジカル捕
捉剤は通常、熱可塑性ポリウレタンエラストマー100
重量部に対して、0.05〜10重量部の量で、好まし
くは0.1〜1重量部の量で用いられる。本発明で用い
るラジカル捕捉剤としては、ヒンダードフェノール系化
合物もしくはヒンダードアミン系化合物が好ましい。ラ
ジカル捕捉剤として機能するヒンダードフェノール系化
合物とヒンダードアミン系化合物については各種の商品
が販売されている。例えば、ヒンダードフェノール系の
ラジカル捕捉剤としては、アデカ・アーガス化学株式会
社より、アデカスタブAO−20、同AO−30、同A
O−40、同AO−50、同AO−60、同AO−7
0、同AO−75、同AO−80、同AO−330が販
売されている。また、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉
剤としてはサノールLS−744、同LS−770、同
LS−765、同LSー2626(以上、三共株式会
社)、マークLA−77、同LA−57、同LA−6
7、同LA−62、同LA−68、同LA−63(以
上、アデカ・アーガス化学株式会社)、チヌビン14
4、チヌビン622LD、キマソーブ944FL(また
は、LD)(以上、チバ・ガイギー)、サイアソーブU
V3346(アメリカン・シアナミド)、スピヌベック
スA−36(モンテ・エジソン)などがある。
【0019】塗布液調製用の溶剤の例としては、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール
などの低級アルコール;メチレンクロライド、エチレン
クロライドなどの塩素原子含有炭化水素;アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケト
ン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂
肪酸と低級アルコールとのエステル;ジオキサン、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエー
テル;そして、それらの混合物を挙げることができる。
塗布液における結合剤と輝尽性蛍光体との混合比は、目
的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類など
によって異なるが、一般には結合剤と蛍光体との混合比
は、1:1乃至1:100(重量比)の範囲から選ば
れ、そして特に1:8乃至1:40(重量比)の範囲か
ら選ぶのが好ましい。
【0020】なお、塗布液には、該塗布液中における蛍
光体の分散性を向上させるための分散剤、また、形成後
の蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を
向上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混合され
ていてもよい。そのような目的に用いられる分散剤の例
としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油
性界面活性剤などを挙げることができる。そして可塑剤
の例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、
燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジメトキシエチルなどのフタル酸エステ
ル;グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸
ブチルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル;そ
して、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエ
ステル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエス
テルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸と
のポリエステルなどを挙げることができる。
【0021】上記のようにして調製された蛍光体と結合
剤とを含有する塗布液を、次に、シート形成用の仮支持
体の表面に均一に塗布することにより塗布液の塗膜を形
成する。この塗布操作は、通常の塗布手段、たとえば、
ドクターブレード、ロールコーター、ナイフコーターな
どを用いることにより行なうことができる。仮支持体
は、例えば、ガラス、金属などの板、あるいは従来の放
射線写真法における増感紙(または増感用スクリーン)
の支持体として用いられている各種の材料、あるいは放
射線像変換パネルの支持体として公知の材料から任意に
選ぶことができる。そのような材料の例としては、セル
ロースアセテート、ポリエステル、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリアミド、ポリイミド、トリアセテート、
ポリカーボネートなどのプラスチック物質のフィルム、
アルミニウム箔、アルミニウム合金箔などの金属シー
ト、通常の紙、バライタ紙、レジンコート紙、二酸化チ
タンなどの顔料を含有するピグメント紙、ポリビニルア
ルコールなどをサイジングした紙、アルミナ、ジルコニ
ア、マグネシア、チタニアなどのセラミックスの板ある
いはシートなどを挙げることができる。仮支持体上に蛍
光体層形成用塗布液を塗布し、乾燥ののち、仮支持体か
らはがして放射線像変換パネルの蛍光体層となる蛍光体
シートとする。従って、仮支持体の表面には予め離型剤
を塗布しておき、形成された蛍光体シートが仮支持体か
らはがし易くなるようにしておくことが好ましい。
【0022】次に、上記のように形成した蛍光体シート
とは別に、放射線像変換パネルの支持体を用意する。こ
の支持体は、蛍光体シートを形成する際に用いる仮支持
体と同様の材料から任意に選ぶことができる。公知の放
射線像変換パネルにおいて、支持体と蛍光体層との結合
を強化するため、あるいは放射線像変換パネルとしての
感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上させるため
に、蛍光体層が設けられる側の支持体表面にゼラチンな
どの高分子物質を塗布して接着性付与層としたり、ある
いは二酸化チタン、酸化ガドリニウムなどの光反射性物
質からなる光反射層、もしくはカーボンブラックなどの
光吸収性物質からなる光吸収層などを設けることが知ら
れている。本発明において用いられる支持体について
も、これらの各種の層を設けることができ、それらの構
成は所望の放射線像変換パネルの目的、用途などに応じ
て任意に選択することができる。さらに、特開昭58−
200200号公報に記載されているように、得られる
画像の鮮鋭度を向上させる目的で、支持体の蛍光体層側
の表面(支持体の蛍光体層側の表面に接着性付与層、光
反射層あるいは光吸収層などが設けられている場合に
は、その表面を意味する)には微小の凹凸が形成されて
いてもよい。
【0023】先に得られた蛍光体シートを、支持体上
に、蛍光体層を載せ、ポリマーの軟化温度(または融点
以上の温度)で、圧縮しながら支持体上に接着する。本
発明の圧縮処理のために使用される圧縮装置の例として
は、カレンダーロール、ホットプレスなど一般に知られ
ているものを挙げることができる。たとえば、カレンダ
ーロールによる圧縮処理は、支持体上に上記蛍光体シー
トを載せ、ポリマーの軟化温度または融点以上に加熱し
たローラーの間を一定の速度で通過させることにより行
なわれる。ただし、本発明に用いられる圧縮装置はこれ
らのものに限られるものではなく、上記のようなシート
を加熱しながら圧縮することのできるものであればいか
なるものであってもよい。圧縮の際の圧力は、50kg
w/cm2 以上が一般的で、200〜700Kgw/c
2 が好ましい。上下のロール温度は、上記のように軟
化温度または融点以上が一般的であり、軟化温度より1
0〜50℃高い温度で行なうことが好ましい。また、上
と下のロール温度を一般に同じ温度で行なうことが好ま
しい。送り速度は0.1〜5.0m/分が好ましい。
【0024】通常の放射線像変換パネルにおいては、前
述のように支持体に接する側とは反対側の蛍光体層の表
面に、蛍光体層を物理的および化学的に保護するための
透明な保護膜が設けられている。このような透明保護膜
は、本発明による放射線像変換パネルについても設置す
ることが好ましい。
【0025】透明保護膜は、たとえば、酢酸セルロー
ス、ニトロセルロースなどのセルロース誘導体;あるい
はポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、
ポリビニルホルマール、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビ
ニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、弗素系樹脂
(例、フルオロオレフィン・ビニルエーテル共重合体)
などの合成高分子物質のような透明な高分子物質を適当
な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層の表面に塗布
する方法により形成することができる。また適宜、ポリ
イソシアネート等の架橋剤を使用することができる。あ
るいは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
アミドなどからなるプラスチックシート;および透明な
ガラス板などの保護膜形成用シートを別に形成して蛍光
体層の表面に適当な接着剤を用いて接着するなどの方法
によっても形成することができる。保護膜の膜厚は一般
に約0.1乃至20μmの範囲にある。
【0026】さらに、得られる画像の鮮鋭度を向上させ
る目的で、上記の少なくともいずれかの層に励起光を吸
収し、輝尽発光光は吸収しないような着色層を加えても
よい(特公昭59−23400号参照)。次に本発明の
実施例を記載する。ただし、これらの各実施例は本発明
を制限するものではない。
【0027】
【実施例】
[実施例1] [蛍光体シート(層)組成] 蛍光体:BaFBr0.85I0.15:Eu2+ 200g 結合剤:ポリウレタンエラストマー(クラミロンU-8165[固形]、 ジメチルフェニルメタンジイソシアネート繰返し単位を 持つ、芳香族ポリウレタン、ビカット軟化温度69℃、 (株)クラレ製) 8.0g エポキシ樹脂(EP1001[固形]、 油化シエルエポキシ(株)製、黄変防止剤) 2.0g ラジカル捕捉剤:マークLA−77(アデカ・アーガス化学 (株)製ヒンダードアミン系化合物) 0.16g
【0028】上記蛍光体シート組成の材料を、テトラヒ
ドロフランに加え、プロペラミキサで分散させて、粘度
が30PS(25℃)の塗布液を調製した(結合剤/蛍
光体比=1/20)。これをシリコン系離型剤が塗布さ
れているポリエチレンテレフタレート(仮支持体、厚み
150μm)上に塗布し、乾燥した後、仮支持体から剥
離して蛍光体シート(厚み150μm)を形成した。
【0029】 [下塗層組成] 結合剤:軟質アクリル樹脂 90g(固形分) ニトロセルロース 50g(固形分) 上記組成の材料をメチルエチルケトンに加え、プロペラ
ミキサを用いて分散、混合して、粘度が3〜6PS(2
5℃)の下塗層形成用塗布液を調製した。厚さ300μ
mのポリエチレンテレフタレート(支持体)をガラス板
上に水平に置き、上記の下塗層形成用塗布液をドクター
ブレードを用いて支持体上に均一塗布した後、塗布膜の
乾燥を行ない、支持体上に下塗層(層厚:15μm)を
形成した。
【0030】さらに、支持体上に形成された下塗層上
に、先に作成しておいた蛍光体シートを載せて、圧縮を
行った。圧縮操作は、カレンダロールを用いて、500
Kgw/cm2 の圧力、上側ロール温度を75℃、下側
ロール温度を25℃、そして送り速度を0.3m/分の
条件にて連続的に行なった。この加熱圧縮により、蛍光
体シートと支持体とは完全に融着した。
【0031】 [保護膜組成] フッ素系樹脂:フルオロオレフィン・ビニルエーテル共重合体 (ルミフロン LF-504X (40% 溶液)、旭硝子(株)製) 50g 架橋剤:ポリイソシアネート (オレスターNP38-70S(70% 溶液)、三井東圧化学(株)製) 9g 滑り剤:アルコール変性シリコーン (X-22-2809 (66% 溶液)、 信越化学工業(株)製) 0.5g 触媒:ジブチルチンジラウレート (KS1260、 共同薬品(株)製) 3mg 上記組成の材料を、メチルエチルケトン/シクロヘキサ
ン(2/8、容積比)に溶解して、粘度0.2〜0.3
PS(25℃)の塗布液を調製した。この塗布液を上記
の蛍光体層上にドクターブレートを用いて塗布した後、
120℃で30分間熱処理して熱硬化させるとともに乾
燥し、厚さ3μmの保護膜を設けた。
【0032】 [縁貼り組成] シリコーン系ポリマー (ポリジメチルシロキサン単位を有するポリウレタン、 ダイアロマーSP-3023 (15wt% 溶液(溶媒:メチルエチルケトン 70g とトルエンの混合溶媒))、大日精化(株)製) 架橋剤:ポリイソシアネート (クロスネートD-70(50wt% 溶液)、 大日精化(株)製) 3g 黄変防止剤:エポキシ樹脂(EP1001[固形]、 油化シエルエポキシ(株)製) 0.6g 滑り剤:アルコール変性シリコーン (X-22-2809 (66% 溶液)、 信越化学工業(株)製) 0.2g
【0033】上記組成の材料をメチルエチルケトン15
gに加え、溶解させて、縁貼り形成用塗布液を調製し、
先に作成した支持体、下塗層、蛍光体層及び保護膜から
構成された積層体の各辺の側面に塗布し、室温で充分乾
燥させて、膜厚25μmの縁貼り硬化皮膜を形成した。
以上のようにして、支持体、下塗層、蛍光体層、保護膜
及び縁貼り硬化皮膜から構成された放射線像変換パネル
を製造した。
【0034】[実施例2]実施例1において、蛍光体シ
ートの製造に用いたヒンダードアミン系のラジカル捕捉
剤のマークLA−77(0.16g)をヒンダードフェ
ノール系のラジカル捕捉剤のアデカスタブAO−70
(アデカ・アーガス化学(株)製)0.20gに変えた
以外は実施例1と同様にして、支持体、下塗層、蛍光体
層、保護膜及び縁貼り硬化皮膜から構成された放射線像
変換パネルを製造した。
【0035】[実施例3]実施例1において、蛍光体シ
ートの製造の際に用いたヒンダードアミン系のラジカル
捕捉剤のマークLA−77(0.16g)を、同じくヒ
ンダードアミン系のラジカル捕捉剤であるサノールLS
−765(三共(株)製)0.17gに変えた以外は実
施例1と同様にして、支持体、下塗層、蛍光体層、保護
膜及び縁貼り硬化皮膜から構成された放射線像変換パネ
ルを製造した。
【0036】[実施例4]実施例1において、蛍光体シ
ートを下記のように作成した以外は実施例1と同様にし
て支持体、下塗層、蛍光体層、保護膜及び縁貼り硬化皮
膜から構成された放射線像変換パネルを製造した。 [蛍光体シート(層)組成] 蛍光体:BaFBr0.85I0.15:Eu2+ 200g 結合剤:ポリウレタンエラストマー(P-22[固形]、ジメチル フェニルメタンジイソシアネート繰返し単位を持つ 芳香族ポリウレタン、ビカット軟化温度64℃、 日本ミラクトン(株)製) 8.0g エポキシ樹脂(EP1001[固形]、 油化シエルエポキシ(株)製、黄変防止剤) 2.0g ラジカル捕捉剤:マークLA−77(アデカ・アーガス化学 (株)製ヒンダードアミン系化合物) 0.16g
【0037】上記蛍光体シート組成の材料を、テトラヒ
ドロフランに加え、プロペラミキサで分散させて、粘度
が30PS(25℃)の塗布液を調製した(結合剤/蛍
光体比=1/20)。これをシリコン系離型剤が塗布さ
れているポリエチレンテレフタレート(仮支持体、厚み
150μm)上に塗布し、乾燥した後、仮支持体から剥
離して蛍光体シート(厚み150μm)を形成した。
【0038】[比較例1]蛍光体シートの製造の際にラ
ジカル捕捉剤を用いなかった以外は実施例1と同様にし
て、支持体、下塗層、蛍光体層、保護膜及び縁貼り硬化
皮膜から構成された放射線像変換パネルを製造した。
【0039】[比較例2]蛍光体シートの製造の際にラ
ジカル捕捉剤を用いなかった以外は実施例2と同様にし
て、支持体、下塗層、蛍光体層、保護膜及び縁貼り硬化
皮膜から構成された放射線像変換パネルを製造した。
【0040】[比較例3]蛍光体シートの製造の際に、
ポリウエタンエラストマーとして、脂肪族系ポリウレタ
ンの大日本インキ化学工業(株)製T5265Hを用
い、かつラジカル捕捉剤を用いなかった以外は実施例1
と同様にして、支持体、下塗層、蛍光体層、保護膜及び
縁貼り硬化皮膜から構成された放射線像変換パネルを製
造した。
【0041】次に、上記で得られた放射線像変換パネル
について、搬送耐久性と耐光性とについて下記のように
評価した。 (1)搬送耐久性 放射線像変換パネルを100mm×250mmの大きさ
に切断し、得られた試験片を、特開平8−36099号
公報に図面と共に示した搬送耐久性試験装置を用いて、
搬送操作を繰り返し行ない、試験片の蛍光体層の損傷
(亀裂)を観察した。そして、損傷(亀裂)が見い出さ
れた搬送回数で搬送耐久性を評価した。その結果を第1
表に示す。
【0042】(2)耐光性 放射線像変換パネルの蛍光体層側にナトリウムランプ
を、蛍光体層側表面における照度が20万ルックスにな
るように置いて、ランプの照射を30時間行なった。照
射の終了の後の感度が照射前に比べて何%低下したかを
調べて、耐光性の評価とした。その結果を第1表に示
す。
【0043】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── 放射線像変換パネル 搬送耐久性(回数) 耐光性(感度低下%) ──────────────────────────────────── 実施例1 6000回 1.5% 実施例2 6000回 2.2% 実施例3 6000回 2.5% 実施例4 8000回 1.8% 比較例1 6000回 12.3% 比較例2 8000回 13.5% 比較例3 4000回 1.8% ────────────────────────────────────
【0044】上記の結果から明らかなように、実施例1
〜4で得られた本発明の放射線像変換パネルは、優れた
搬送耐久性と共に、優れた耐光性を示すことが分る。
【0045】
【発明の効果】放射線像変換パネルの蛍光体層の結合剤
樹脂の主成分として熱可塑性ポリウレタンエラストマ
ー、特に芳香族系熱可塑性ポリウレタンエラストマーを
用い、かつラジカル捕捉剤を併用することにより、搬送
耐久性と耐光性に両方の特性において優れた放射線像変
換パネルが得られる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 輝尽性蛍光体および結合剤からなる蛍光
    体層を有する放射線像変換パネルにおいて、該結合剤が
    熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分とする樹脂
    であり、更にラジカル捕捉剤を含むことを特徴とする放
    射線像変換パネル。
  2. 【請求項2】 上記ラジカル捕捉剤がヒンダードフェノ
    ール系化合物もしくはヒンダードアミン系化合物である
    請求項1に記載の放射線像変換パネル。
  3. 【請求項3】 上記蛍光体層に、ラジカル捕捉剤がポリ
    ウレタン樹脂100重量部に対して0.05〜10重量
    部含まれている請求項1もしくは2に記載の放射線像変
    換パネル。
  4. 【請求項4】 上記の熱可塑性ポリウレタンエラストマ
    ーが芳香族ポリウレタンエラストマーである請求項1乃
    至3のうちのいずれかの項に記載の放射線像変換パネ
    ル。
  5. 【請求項5】 上記の熱可塑性ポリウレタンエラストマ
    ーが、その分子構造中にジフェニルメタンジイソシアネ
    ートから誘導された繰返し単位を含むものである請求項
    4に記載の放射線像変換パネル。
  6. 【請求項6】 上記蛍光体層が、その成型後に圧縮処理
    を施されたものである請求項1乃至5のうちのいずれか
    の項に記載の放射線像変換パネル。
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