JPH10177152A - 含水性ソフトコンタクトレンズ - Google Patents

含水性ソフトコンタクトレンズ

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JPH10177152A
JPH10177152A JP33694996A JP33694996A JPH10177152A JP H10177152 A JPH10177152 A JP H10177152A JP 33694996 A JP33694996 A JP 33694996A JP 33694996 A JP33694996 A JP 33694996A JP H10177152 A JPH10177152 A JP H10177152A
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康美 鯉沼
Kiyoshi Inomata
潔 猪又
Norio Nakabayashi
宣男 中林
Kazuhiko Ishihara
一彦 石原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高含水率、高酸素透過性を有し、安全に製造、
使用でき、更に汚れ等の付着を抑制できる、ある程度強
度を保持した含水性ソフトコンタクトレンズを提供する
こと。 【解決手段】式(1)(R1:H,CH3、n=1〜1
0)で表されるホスホリルコリン基含有(メタ)アクリ
ル酸エステルを構成単位として含む重合体(A)1〜7
0重量%と、室温で液状のビニル単量体(B)99〜3
0重量%とを含有する原材料を重合して得られた重合材
料を含む含水性ソフトコンタクトレンズ。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含水性ソフトコン
タクトレンズに関する。更に詳細には、含水率、酸素透
過性、防汚性及び機械的強度に優れた含水性ソフトコン
タクトレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】含水性ソフトコンタクトレンズは、メチ
ルメタクリレート、シロキサニルアルキルメタクリレー
ト等の単量体を主成分とする非含水性ハードコンタクト
レンズ(特公昭52−23502号公報)と比較して、
目に馴染み易く、優れた装用感、即ち、目に装着した際
に違和感のない状態を有することが知られている。一般
に、含水性ソフトコンタクトレンズとしては、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート(以下、「HEMA」と略
す)が主原材料として使用されており、含水性ソフトコ
ンタクトレンズとしては、機械的強度及び加工性に優れ
るという特徴がある。しかしながら、従来のこれらのソ
フトコンタクトレンズは、含水率が35%以下と低含水
率であるため、長時間の連続装用を行う場合には十分な
ものではなかった。そこで、これを改良するために、レ
ンズ材料の含水率を高めることにより装用感のより優れ
た含水性ソフトコンタクトレンズを得ることが提案され
ている。例えば、N−ビニルピロリドン、メタクリル酸
を共重合成分として、メチルメタクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート等を共重合させて得られる
重合体からなる高含水性ソフトコンタクトレンズが提案
されている(特公昭54−4269号公報)。
【0003】一方、高含水率化は優れた装用感を与える
が、N−ビニルピロリドン、メタクリル酸を用いた高含
水性ソフトコンタクトレンズにおいては、汚れが付着し
易く、強度低下、繰り返し滅菌による黄変等の種々の欠
点が生じる。
【0004】いずれの場合も一般に含水性ソフトコンタ
クトレンズは共通してタンパク質、脂質等の付着、細菌
の繁殖等の衛生上の問題、高含水による機械的強度の低
下等が欠点として挙げられる。これらの問題を解決する
ため、特開平5−107511号公報では、汚れの付着
を防止する目的でホスホリルコリン基を含有する(メ
タ)アクリレート単量体を主原材料としたコンタクトレ
ンズが開示されている。しかしながら、前記ホスホリル
コリン基含有(メタ)アクリレート単量体では、重合時
の発熱が大きく重合制御が困難であり、レンズの機械的
強度の低下が生じるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高含
水率、高酸素透過性を有し、安全に製造、使用でき、更
に汚れ等の付着を抑制できる、ある程度強度を保持した
含水性ソフトコンタクトレンズを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記一
般式(1)(式中R1は、水素原子又はメチル基を示
し、nは、1〜10の数を示す)で表されるホスホリル
コリン基含有(メタ)アクリル酸エステルを構成単位と
して含む重合体(A)1〜70重量%と、室温で液状の
ビニル単量体(B)99〜30重量%とを含有する原材
料を重合して得られた重合材料を含む含水性ソフトコン
タクトレンズが提供される。
【0007】
【化2】
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の含水性ソフトコンタクト
レンズは、前記式(1)で表される特定のホスホリルコ
リン基含有(メタ)アクリル酸エステルを構成単位とし
て含有する重合体(A)と、室温で液状のビニル単量体
とを含む原材料を重合させて得られた重合材料を含む。
本発明の含水性ソフトコンタクトレンズの物性は、好ま
しくは、含水率40〜80重量%、特に40〜75重量
%、酸素透過性8〜50×10-11ml/cm2・sec
・mmHg、特に10〜40×10-11ml/cm2・s
ec・mmHgであるのが望ましい。前記式(1)にお
いて、nが10を超える場合には得られる重合材料の強
度及び加工性が低下する。
【0009】本発明において用いる前記特定のホスホリ
ルコリン基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体(以
下、「PC単量体」と略す)としては、例えば、2−
(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチ
ルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アク
リロイルオキシプロピル−2’−(トリメチルアンモニ
オ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオ
キシエトキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)
エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ
ジエトキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エ
チルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシト
リエトキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エ
チルホスフェート等を挙げることができる。
【0010】本発明において原材料として用いる重合体
(A)は、PC単量体の1種又は2種以上の重合体であ
っても、また必要に応じてPC単量体と共重合可能な他
の単量体との共重合体であってもよい。共重合可能な他
の単量体としては、PC単量体以外の(メタ)アクリル
酸エステル類、(メタ)アクリル酸アミド類、スチレン
類等が挙げられる。これらの共重合可能な他の単量体
は、重合体(A)中に95重量%以下となるように使用
することができる。重合体(A)の原材料中の配合割合
は、1〜70重量%、好ましくは5〜50重量%であ
る。70重量%を超えると得られる重合材料に親水性及
び生体適合性を十分に付与できない。1重量%未満で
は、重合体(A)による効果が期待できない。この重合
体(A)は、後述する室温で液状のビニル単量体(B)
に溶解している状態で重合させるのが好ましく、従っ
て、その配合割合は、ビニル単量体(B)の配合量以下
が特に好ましい。重合体(A)の数平均分子量は、20
00〜200000の範囲が望ましい。この重合体
(A)は、得られるコンタクトレンズに高含水率、高酸
素透過性、防汚染性を付与できる。
【0011】重合体(A)を調製するには、例えば、P
C単量体のみを、又はPC単量体と他の単量体とを、公
知のラジカル重合法、好ましくは溶液重合法等により、
連鎖移動剤の存在下又は不存在下の条件でラジカル重合
させて調製することができる。
【0012】本発明において原材料として用いる室温で
液状のビニル単量体(B)としては、例えば、スチレ
ン、核置換スチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸−N,N−ジメチル(メタ)ア
クリルアミド、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエ
チル、(メタ)アクリル酸フルオロアルキル、(メタ)
アクリル酸シリルアルキル、N−ビニルピロリドン、N
−ビニルピリジン等が挙げられ、使用に際しては単独若
しくは混合物として用いることができる。好ましくは少
なくとも1種の水溶性ビニル単量体の使用により、得ら
れるコンタクトレンズの含水率、機械的強度等を調節す
ることができる。ビニル単量体(B)の原材料中の配合
割合は、99〜30重量%、好ましくは95〜50重量
%であり、特に好ましくは前記重合体(A)の配合量以
上が望ましい。
【0013】本発明においては、得られるコンタクトレ
ンズの耐熱性、加工性、形状安定性等を更に向上させる
ために、原材料として必要に応じて、例えば、(メタ)
アクリル酸アリル、エチレングリコールジ(メタ)アク
リル酸エステル、ジエチレングリコールジ(メタ)アク
リル酸エステル、ジエチレングリコールジ(メタ)アク
リル酸エステル、トリエチレングリコールジ(メタ)ア
クリル酸エステル、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリル酸エステル、1,4−ブタンジオールジ(メ
タ)アクリル酸エステル、ジビニルベンゼン、ジアリル
フタレート、アジピン酸ジビニル等の架橋性多官能単量
体等を用いることもできる。この必要に応じて使用でき
る原材料の配合割合は、原材料全量に対して、20重量
%以下、特に10重量%以下が好ましい。
【0014】本発明において、前記原材料を重合させる
には、ラジカル重合開始剤の存在下、窒素、ヘリウム、
アルゴン等の不活性ガスで置換下又は雰囲気下において
行うことができる。具体的には、前記原材料及び重合開
始剤を、金属製、ガラス製、プラスチック製等の所望の
形状、例えば、試験管状、レンズ状等の型に注入密封
し、加熱又は光照射等により行うことができる。この重
合により得られた重合材料は、切削加工、研磨等してレ
ンズとし、更に公知の水和膨潤させる方法等により含水
性ソフトコンタクトレンズを製造することができる。ま
た、公知の注型重合法により直接レンズにする方法、光
照射しながらキャストを行う方法等によってもレンズと
することができる。重合に際しては、色素等の着色剤、
紫外線吸収剤又はこれらの機能を有する単量体等を添加
しても良い。
【0015】ラジカル重合開始剤としては、特に限定さ
せるものではないが、例えば、過酸化ベンゾイル、ジイ
ソプロピルペルオキシカーボネート、t−ブチルペルオ
キシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキ
シピバレート、t−ブチルペルオキシジイソブチレー
ト、過酸化ラウロイル、アゾビスイソブチロニトリル
(以下、「AIBN」と略す)、アゾビス−2,4−ジ
メチルバレロニトリル、ベンゾインメチルエーテル、ベ
ンゾインエチルエーテル等が好ましく挙げられる。この
重合開始剤の仕込み量は、原材料100重量部に対して
10重量%以下、特に5重量%以下が望ましい。
【0016】前記原材料を重合させる際の重合温度は、
重合開始剤の種類により異なるが、20〜140℃が好
ましく、重合時間は6〜120時間が望ましい。
【0017】
【発明の効果】本発明の含水性ソフトコンタクトレンズ
は、ホスホリルコリン基含有(メタ)アクリル酸エステ
ルを構成単位として含む重合体(A)とビニル単量体
(B)とを必須成分とする原材料を重合させた重合材料
を含むので、高含水率、高酸素透過性を有し、装用感に
も優れている。更に、タンパク質、脂質等の汚れの付着
が抑制でき、レンズの均一製造が可能であり、使用上の
安全性を確保できる。
【0018】
【実施例】以下、合成例、実施例及び比較例により更に
詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0019】合成例1 2−メタクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチル
アンモニオ)エチルホスフェート(以下、「MPC」と
略す)20g(0.072mol)と、AIBN0.2
gと、エタノール80gとからなる配合液を、撹拌機、
温度計、還流器及び窒素導入管を備えた200mlの4
つ口フラスコに仕込み、恒温槽中で50℃、10時間加
熱重合させた。重合後、大量のジイソプロピルエーテル
中に前記重合液を投入し、重合物を沈澱させ、濾別、真
空乾燥させて、白色粉末の重合体(A−1)を得た。重
合体(A−1)の収率は92%であり、GPC測定法
(ポリエチレングリコールを標準)により測定した数平
均分子量は、55800であった。
【0020】合成例2 配合液の組成を、MPC10g(0.036mol)
と、HEMA10g(0.078mol)と、AIBN
0.2gと、エタノール80gとに代えた以外は、合成
例1と同様に重合を行って白色粉末の重合体(A−2)
を得た。重合体(A−2)の収率は85%であり、実施
例1と同様に測定した数平均分子量は63700であっ
た。尚、MPCとHEMAとの仕込み重量比50/50
に対して、共重合体の重量比は50/50であった。
【0021】合成例3 配合液に連鎖移動剤としてのエタンジオール0.02g
を添加した以外は、合成例1と同様に重合を行い、白色
粉末の重合体(A−3)を得た。重合体(A−3)の収
率は74%であり、実施例1と同様に測定した数平均分
子量は28500であった。
【0022】実施例1 合成例1で得られた重合体(A−1)4gと、メタクリ
ル酸−2−ヒドロキシエチル16gと、エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリル酸エステル0.4gとからなる
配合液を、試験管状のガラス型に注入し、系内を窒素置
換、脱気し、密封した後、加熱重合した。加熱は30℃
で10時間、30〜80℃まで24時間かけて昇温し、
重合後、硬化物を型から取り出した。硬化物を通常の加
工法により切削研磨し、水和膨潤した後、直径13m
m、厚さ0.2mmの含水性ソフトコンタクトレンズを
作製した。このコンタクトレンズの含水率、酸素透過
性、引張試験及び防汚性を、以下の測定方法にしたがっ
て測定した。結果を表1に示す。
【0023】1.含水率:コンタクトレンズを生理食塩
水中に浸漬させ、浸漬前後の重量変化により求めた(含
水率(%)={(含水重量−乾燥時重量)/含水重量}×10
0)。 2.酸素透過係数:製科研(株)製(型式316)のフ
ィルム酸素透過測定機を用いて、35℃の生理食塩水中
で測定した。 3.引張試験:山電(株)製(型式レオナRE−330
5)の引張試験機を用い、コンタクトレンズに20gの
加重をかけ1mm/秒の引張速度で測定した。 4.防汚性:アルブミン0.39重量%、リゾチウム
0.17重量%、グロブリン0.105重量%を含む3
5℃の生理食塩水中に、2週間コンタクトレンズを浸漬
させた後、生理食塩水で洗浄し、界面活性剤でコンタク
トレンズからタンパク質を分離した。分離した蛋白質は
蛋白質定量用の試薬を注入し、UV測定法により定量し
た。
【0024】実施例2〜5 表1に示す原材料を用いた以外は、実施例1と同様に含
水性ソフトコンタクトレンズを作製し、各種測定を行っ
た。結果を表1に示す。
【0025】比較例1〜4 表2に示す原材料を用いた以外は、実施例1と同様に含
水性ソフトコンタクトレンズを作製し、各種測定を行っ
た。結果を表2に示す。
【0026】表1及び2の結果から、本発明の含水性ソ
フトコンタクトレンズは、比較例に比べて含水率、酸素
透過性及び強度が高く、蛋白吸着量が少なくバランスが
良いことがわかる。
【0027】表中に用いた記号は以下のとおりであり、
酸素透過性の単位は、×10-11ml/cm2・sec・
mmHgである。 HEMA:メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(2−
ヒドロキシエチルメタクリレート)、EGMA:エチレ
ングリコールジメタクリル酸エステル、MA:メタクリ
ル酸、NVP:N−ビニルピロリドン、MPC:2−メ
タクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモ
ニオ)エチルホスフェート。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鯉沼 康美 茨城県つくば市東新井32−16 (72)発明者 猪又 潔 茨城県つくば市春日2−17−1 (72)発明者 中林 宣男 千葉県松戸市小金原5−6−20 (72)発明者 石原 一彦 東京都小平市上水本町3−16−37

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)(式中R1は、水素原
    子又はメチル基を示し、nは、1〜10の数を示す)で
    表されるホスホリルコリン基含有(メタ)アクリル酸エ
    ステルを構成単位として含む重合体(A)1〜70重量
    %と、 室温で液状のビニル単量体(B)99〜30重量%とを
    含有する原材料を重合して得られた重合材料を含む含水
    性ソフトコンタクトレンズ。 【化1】
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