JPH10179724A - 抗菌性を付与した抗血栓性組成物 - Google Patents
抗菌性を付与した抗血栓性組成物Info
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- JPH10179724A JPH10179724A JP8345366A JP34536696A JPH10179724A JP H10179724 A JPH10179724 A JP H10179724A JP 8345366 A JP8345366 A JP 8345366A JP 34536696 A JP34536696 A JP 34536696A JP H10179724 A JPH10179724 A JP H10179724A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡便性、汎用性に加えて、長期間においても
優れた抗血栓性を発揮することが可能な抗菌性付与抗血
栓性材料を提供する。 【解決手段】 少なくとも1種のムコ多糖類と下記一般
式で示される第4級アンモニウム化合物とのイオン性複
合体を含有する抗菌性を付与した抗血栓性材料。 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 は炭素数1〜6のアルキル
基、R4 は炭素数10〜18のアルキル基で、それぞれ
同じであっても異なっていてもよい)
優れた抗血栓性を発揮することが可能な抗菌性付与抗血
栓性材料を提供する。 【解決手段】 少なくとも1種のムコ多糖類と下記一般
式で示される第4級アンモニウム化合物とのイオン性複
合体を含有する抗菌性を付与した抗血栓性材料。 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 は炭素数1〜6のアルキル
基、R4 は炭素数10〜18のアルキル基で、それぞれ
同じであっても異なっていてもよい)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ムコ多糖類と第4
級ホスホニウムとのイオン性複合体を必須成分として少
なくとも含有して成る抗菌性を付与した抗血栓性組成物
に関するものである。
級ホスホニウムとのイオン性複合体を必須成分として少
なくとも含有して成る抗菌性を付与した抗血栓性組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】加工性、弾性、可撓性に優れた人工材料
は近年医療用材料として広く利用されるようになってき
ているが、人工腎臓、人工肺、補助循環装置、人工血管
等の人工臓器や、注射器、血液バッグ、心臓カテーテル
等のディスポーザブル製品として今後ますます利用が拡
大することが予想される。これらの医用材料としては充
分な機械的強度や耐久性に加えて、生体に対する安全
性、特に血液と接触した場合に血液が凝固しないこと、
すなわち抗血栓性が要求される。
は近年医療用材料として広く利用されるようになってき
ているが、人工腎臓、人工肺、補助循環装置、人工血管
等の人工臓器や、注射器、血液バッグ、心臓カテーテル
等のディスポーザブル製品として今後ますます利用が拡
大することが予想される。これらの医用材料としては充
分な機械的強度や耐久性に加えて、生体に対する安全
性、特に血液と接触した場合に血液が凝固しないこと、
すなわち抗血栓性が要求される。
【0003】従来、医療用材料に抗血栓性を付与する手
法としては、(1)材料表面にヘパリン等のムコ多糖類
やウロキナーゼ等の線溶活性因子を固定させたもの、
(2)材料表面を修飾して陰電荷や親水性などを付与し
たもの、(3)材料表面を不活性化したものの3通りに
大別できる。このうち(1)の方法(以下、表面ヘパリ
ン法と略記する)は、さらに(A)ポリマーと脂溶化し
たヘパリンのブレンド法、(B)脂溶化したヘパリンで
の材料表面被覆法、(C)材料中のカチオン性基にヘパ
リンをイオン結合させる方法、(D)材料とヘパリンを
共有結合させる方法に細かく分類される。
法としては、(1)材料表面にヘパリン等のムコ多糖類
やウロキナーゼ等の線溶活性因子を固定させたもの、
(2)材料表面を修飾して陰電荷や親水性などを付与し
たもの、(3)材料表面を不活性化したものの3通りに
大別できる。このうち(1)の方法(以下、表面ヘパリ
ン法と略記する)は、さらに(A)ポリマーと脂溶化し
たヘパリンのブレンド法、(B)脂溶化したヘパリンで
の材料表面被覆法、(C)材料中のカチオン性基にヘパ
リンをイオン結合させる方法、(D)材料とヘパリンを
共有結合させる方法に細かく分類される。
【0004】上記の方法のうち(2)、(3)の方法は
長期的に体液と接触した場合には、材料表面にタンパク
が吸着して生体膜類似表面を形成し、安定した抗血栓性
を得ることが可能である。しかし、材料を生体内(血液
接触部位)に導入した初期段階では、生体内において種
々の凝固因子等が活性化された状態にあるため、ヘパリ
ン投与などの抗凝血療法を施すことなしに充分な抗血栓
性を得るのは困難である。
長期的に体液と接触した場合には、材料表面にタンパク
が吸着して生体膜類似表面を形成し、安定した抗血栓性
を得ることが可能である。しかし、材料を生体内(血液
接触部位)に導入した初期段階では、生体内において種
々の凝固因子等が活性化された状態にあるため、ヘパリ
ン投与などの抗凝血療法を施すことなしに充分な抗血栓
性を得るのは困難である。
【0005】これに対して(1)は導入初期段階には表
面上のヘパリンやウロキナーゼによって抗血栓性、また
は生成した血栓の溶解性能が発揮されるが、長期間の使
用によって一般的に性能が低下する傾向にある。すなわ
ち(A)、(B)、(C)では通常、生理条件下での長
期の使用によってヘパリン類が脱離し易く、生体内に固
定して用いる医療用材料としては充分な性能が得られに
くい。(D)で得られる材料では、ヘパリンが共有結合
されているため脱離しにくいという利点を有するが、従
来の結合方法では往々にしてヘパリン構成成分であるD
−グルコサミンやD−グルクロン酸のコンフォメーショ
ンに変化を与えてしまい、抗凝血効果を低下させてしま
うという欠点がある。
面上のヘパリンやウロキナーゼによって抗血栓性、また
は生成した血栓の溶解性能が発揮されるが、長期間の使
用によって一般的に性能が低下する傾向にある。すなわ
ち(A)、(B)、(C)では通常、生理条件下での長
期の使用によってヘパリン類が脱離し易く、生体内に固
定して用いる医療用材料としては充分な性能が得られに
くい。(D)で得られる材料では、ヘパリンが共有結合
されているため脱離しにくいという利点を有するが、従
来の結合方法では往々にしてヘパリン構成成分であるD
−グルコサミンやD−グルクロン酸のコンフォメーショ
ンに変化を与えてしまい、抗凝血効果を低下させてしま
うという欠点がある。
【0006】また(C)、(D)の方法では、ヘパリン
の固定化に利用できる官能基を含む材料を選択するか、
あるいは新たに導入する必要がある。このため材料の選
択の幅が狭められたり、官能基の導入によって材料の機
械的強度が低下したりする可能性がある。また操作の煩
雑化によって医療用材料を得る工程数が増加するという
問題もある。
の固定化に利用できる官能基を含む材料を選択するか、
あるいは新たに導入する必要がある。このため材料の選
択の幅が狭められたり、官能基の導入によって材料の機
械的強度が低下したりする可能性がある。また操作の煩
雑化によって医療用材料を得る工程数が増加するという
問題もある。
【0007】このように、材料の抗血栓化の容易さ、適
用できる材料の選択の幅の広さから考えると、(A)ポ
リマーと脂溶化したヘパリンのブレンド法もしくは
(B)脂溶化したヘパリンでの材料表面被覆法が最も優
れた方法であると言える。しかしながらこの方法の致命
的欠点は既述の通り、生理条件下での長期の使用によっ
てヘパリン類が脱離し易いという点である。逆に言え
ば、この欠点を克服することによって簡便性、汎用性に
富む優れた抗血栓化を提供することが可能になる。
用できる材料の選択の幅の広さから考えると、(A)ポ
リマーと脂溶化したヘパリンのブレンド法もしくは
(B)脂溶化したヘパリンでの材料表面被覆法が最も優
れた方法であると言える。しかしながらこの方法の致命
的欠点は既述の通り、生理条件下での長期の使用によっ
てヘパリン類が脱離し易いという点である。逆に言え
ば、この欠点を克服することによって簡便性、汎用性に
富む優れた抗血栓化を提供することが可能になる。
【0008】この問題を解決する手段として、特開平2
−270823に開示されている方法がある。この方法
は天然ムコ多糖類と天然脂質もしくは合成脂質との複合
体を形成させることを特徴としており、ヘパリンと生体
内リン脂質の複合体で材料表面を被覆する技術が好まし
い例として挙げられている。
−270823に開示されている方法がある。この方法
は天然ムコ多糖類と天然脂質もしくは合成脂質との複合
体を形成させることを特徴としており、ヘパリンと生体
内リン脂質の複合体で材料表面を被覆する技術が好まし
い例として挙げられている。
【0009】しかしながら、この方法はヘパリン溶出に
伴って同時に溶出されるカチオン性物質(脂溶化剤)が
天然脂質もしくは合成脂質であるため、生体に悪影響を
及ぼしにくいという点においてのみ有用であるといえ
る。すなわち、この方法により長期間使用時のヘパリン
の溶出による抗凝血性の低下が解決されたとは言い難
い。
伴って同時に溶出されるカチオン性物質(脂溶化剤)が
天然脂質もしくは合成脂質であるため、生体に悪影響を
及ぼしにくいという点においてのみ有用であるといえ
る。すなわち、この方法により長期間使用時のヘパリン
の溶出による抗凝血性の低下が解決されたとは言い難
い。
【0010】また高栄養輸液カテーテル(以下IVHと
略記する)など長期間体内に留置する必要のある医用デ
バイスでは、生体−材料界面からの感染が問題であっ
た。血液と材料の接触によって生成した血栓に菌が繁殖
し、これが体内に入り込んで感染を引き起こす。したが
って、このような医用デバイスに使用される材料には抗
血栓性と抗菌性を同時に持つことが必要である。抗菌性
付与抗血栓性素材が強く望まれていたにもかかわらず、
この分野に応用可能な素材はほとんど報告されていない
のが現状である。
略記する)など長期間体内に留置する必要のある医用デ
バイスでは、生体−材料界面からの感染が問題であっ
た。血液と材料の接触によって生成した血栓に菌が繁殖
し、これが体内に入り込んで感染を引き起こす。したが
って、このような医用デバイスに使用される材料には抗
血栓性と抗菌性を同時に持つことが必要である。抗菌性
付与抗血栓性素材が強く望まれていたにもかかわらず、
この分野に応用可能な素材はほとんど報告されていない
のが現状である。
【0011】一方、抗菌性材料に関しては種々の技術が
報告されている。抗菌剤としてアンモニウム塩を含有す
る抗菌性材料については、例えば特公平4−2530
1、特公平3−64143、ビグアニドを含有する抗菌
性材料に関しては、例えば特公平5−80225、特公
平2−61261、特公平3−10341、アクリジン
化合物を含有する抗菌性材料については、例えば特公平
3−76343などによって開示されている。また特開
平7−82511、特開平7−53316、特開平4−
266912、特開平5−310820などではホスホ
ニウム塩を含有する抗菌性材料について開示されてい
る。さらに、特公平6−55892ではプロテイン銀を
抗菌有効成分として含有する抗菌性材料が開示されてい
る。
報告されている。抗菌剤としてアンモニウム塩を含有す
る抗菌性材料については、例えば特公平4−2530
1、特公平3−64143、ビグアニドを含有する抗菌
性材料に関しては、例えば特公平5−80225、特公
平2−61261、特公平3−10341、アクリジン
化合物を含有する抗菌性材料については、例えば特公平
3−76343などによって開示されている。また特開
平7−82511、特開平7−53316、特開平4−
266912、特開平5−310820などではホスホ
ニウム塩を含有する抗菌性材料について開示されてい
る。さらに、特公平6−55892ではプロテイン銀を
抗菌有効成分として含有する抗菌性材料が開示されてい
る。
【0012】これらの技術では、数多くの菌種に対して
十分な抗菌性を発揮するのは困難である。特にグラム陰
性菌に対する効果が不十分であることが多い。またこれ
らの素材は抗血栓性に対する配慮がなされていないた
め、長期留置用医用デバイス等に応用可能な抗菌性付与
抗血栓性素材として利用するのは困難である。
十分な抗菌性を発揮するのは困難である。特にグラム陰
性菌に対する効果が不十分であることが多い。またこれ
らの素材は抗血栓性に対する配慮がなされていないた
め、長期留置用医用デバイス等に応用可能な抗菌性付与
抗血栓性素材として利用するのは困難である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の欠点を解決し、簡便性、汎用性に加え長期間の抗血栓
性を発揮することが可能であると同時に広い抗菌性スペ
クトルを持ち、優れた抗菌性を発揮する抗菌性を付与し
た抗血栓性組成物を提供することを目的としている。
の欠点を解決し、簡便性、汎用性に加え長期間の抗血栓
性を発揮することが可能であると同時に広い抗菌性スペ
クトルを持ち、優れた抗菌性を発揮する抗菌性を付与し
た抗血栓性組成物を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の抗菌性を付与し
た抗血栓性組成物は少なくとも1種のムコ多糖類と、化
1の構造を有する第4級ホスホニウムとのイオン性複合
体を必須成分として含有していることを特徴とする。
た抗血栓性組成物は少なくとも1種のムコ多糖類と、化
1の構造を有する第4級ホスホニウムとのイオン性複合
体を必須成分として含有していることを特徴とする。
【0015】本発明の抗菌性を付与した抗血栓性組成物
を基材となる一般的なポリマー材料に導入することによ
って、容易に材料の抗血栓化、抗菌化が可能である。ま
た本発明の抗菌性を付与した抗血栓性組成物を使用する
ことによって、長期間の溶出後も非常に優れた抗血栓
性、抗菌性を維持することが可能である。
を基材となる一般的なポリマー材料に導入することによ
って、容易に材料の抗血栓化、抗菌化が可能である。ま
た本発明の抗菌性を付与した抗血栓性組成物を使用する
ことによって、長期間の溶出後も非常に優れた抗血栓
性、抗菌性を維持することが可能である。
【0016】本発明の抗菌性を付与した抗血栓性組成物
を導入する基材ポリマーは特に限定されるものではな
く、例えばポリエーテルウレタン、ポリウレタン、ポリ
ウレタンウレア、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリ
プロピレン、ポリエチレン等、従来より使用されている
材質、また将来使用されるであろう材質が広く適用でき
るが、中でもポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエー
テルウレタンが好ましく利用され得る。また既存および
新規の材質からなる血液透析膜、血漿分離膜、吸着剤等
の血液処理剤に抗血栓性や抗菌性を付与する目的で導入
することも可能である。
を導入する基材ポリマーは特に限定されるものではな
く、例えばポリエーテルウレタン、ポリウレタン、ポリ
ウレタンウレア、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリ
プロピレン、ポリエチレン等、従来より使用されている
材質、また将来使用されるであろう材質が広く適用でき
るが、中でもポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエー
テルウレタンが好ましく利用され得る。また既存および
新規の材質からなる血液透析膜、血漿分離膜、吸着剤等
の血液処理剤に抗血栓性や抗菌性を付与する目的で導入
することも可能である。
【0017】基材への導入方法も特に限定されないが、
例えば通常のブレンド法、コーティング法のほか、本発
明の抗菌性を付与した抗血栓性組成物をポリマーにブレ
ンドした後このブレンド材料をコーティングする方法な
ども例示される。これらの方法のうち生理活性物質であ
るムコ多糖類に熱履歴を与えず、脂溶化ムコ多糖の溶出
を抑制できる基材ポリマーに脂溶化ムコ多糖をブレンド
した、ブレンド材をコーティングする方法が好ましい。
ブレンド法としては、上記基材ポリマーおよび脂溶化ム
コ多糖の両者が溶解する低沸点・揮発性溶媒に溶解しブ
レンドする方法が好ましい。コーティング方法について
も、塗布法、スプレー法、ディップ法等、特に制限なく
適用できる。
例えば通常のブレンド法、コーティング法のほか、本発
明の抗菌性を付与した抗血栓性組成物をポリマーにブレ
ンドした後このブレンド材料をコーティングする方法な
ども例示される。これらの方法のうち生理活性物質であ
るムコ多糖類に熱履歴を与えず、脂溶化ムコ多糖の溶出
を抑制できる基材ポリマーに脂溶化ムコ多糖をブレンド
した、ブレンド材をコーティングする方法が好ましい。
ブレンド法としては、上記基材ポリマーおよび脂溶化ム
コ多糖の両者が溶解する低沸点・揮発性溶媒に溶解しブ
レンドする方法が好ましい。コーティング方法について
も、塗布法、スプレー法、ディップ法等、特に制限なく
適用できる。
【0018】本発明の抗菌性を付与した抗血栓性組成物
をブレンドによって基材に導入する場合の添加量につい
ては特に制限されるものではないが、基材100重量部
に対して脂溶化ムコ多糖を好ましくは1〜100重量
部、さらに好ましくは1〜50重量部程度の量で添加す
るのが推奨される(以下、基材100重量部に対して添
加剤1重量部を加えた場合、添加剤添加量は1phr であ
ると表現する)。
をブレンドによって基材に導入する場合の添加量につい
ては特に制限されるものではないが、基材100重量部
に対して脂溶化ムコ多糖を好ましくは1〜100重量
部、さらに好ましくは1〜50重量部程度の量で添加す
るのが推奨される(以下、基材100重量部に対して添
加剤1重量部を加えた場合、添加剤添加量は1phr であ
ると表現する)。
【0019】式(I)の構造を有する第4級ホスホニウ
ムにおいて、R1 、R2 、R3 は炭素数1〜6、好まし
くは3〜4のアルキル基であり、またR4 は炭素数10
〜18、好ましくは12〜16のアルキル基である。こ
のうちR4 のアルキル基の鎖長が10以下になると得ら
れる脂溶化ムコ多糖の水溶性が非常に高くなり、血液と
接触した場合にはすぐに溶出してしまい耐久性に欠ける
欠点がある。また炭素数が18以上になると、得られる
脂溶化ムコ多糖の抗菌性が極端に低下する傾向があり実
用性に問題がある。
ムにおいて、R1 、R2 、R3 は炭素数1〜6、好まし
くは3〜4のアルキル基であり、またR4 は炭素数10
〜18、好ましくは12〜16のアルキル基である。こ
のうちR4 のアルキル基の鎖長が10以下になると得ら
れる脂溶化ムコ多糖の水溶性が非常に高くなり、血液と
接触した場合にはすぐに溶出してしまい耐久性に欠ける
欠点がある。また炭素数が18以上になると、得られる
脂溶化ムコ多糖の抗菌性が極端に低下する傾向があり実
用性に問題がある。
【0020】詳細な機構は明らかではないが、抗菌性に
ついてはR4 の炭素数が小さい方が有効であり、一方、
抗血栓性についてはR4 の炭素数が大きい方が有効であ
る。したがって、抗菌性および抗血栓性の両方の性能を
満足させるには、2種類以上の第4級ホスホニウムから
得られる脂溶化ムコ多糖を用いることが好ましく、R 4
の炭素数の平均値が13〜15となるような組合せであ
る2種類以上の脂溶化ムコ多糖を用いることが特に好ま
しい。本発明において用いられる脂溶化ムコ多糖は、イ
オン性複合体合成時にムコ多糖に2種類以上の第4級ホ
スホニウムを添加して得られる複合脂溶化ムコ多糖を使
用してもよく、また別々に合成した異なる構造の第4級
ホスホニウムから得られた脂溶化ムコ多糖を混合して用
いてもよい。
ついてはR4 の炭素数が小さい方が有効であり、一方、
抗血栓性についてはR4 の炭素数が大きい方が有効であ
る。したがって、抗菌性および抗血栓性の両方の性能を
満足させるには、2種類以上の第4級ホスホニウムから
得られる脂溶化ムコ多糖を用いることが好ましく、R 4
の炭素数の平均値が13〜15となるような組合せであ
る2種類以上の脂溶化ムコ多糖を用いることが特に好ま
しい。本発明において用いられる脂溶化ムコ多糖は、イ
オン性複合体合成時にムコ多糖に2種類以上の第4級ホ
スホニウムを添加して得られる複合脂溶化ムコ多糖を使
用してもよく、また別々に合成した異なる構造の第4級
ホスホニウムから得られた脂溶化ムコ多糖を混合して用
いてもよい。
【0021】第4級ホスホニウムとしては具体的に、例
えばトリブチルデシルホスホニウム、トリブチルラウリ
ルホスホニウム、トリブチルミリスチルホスホニウム、
トリブチルセチルホスホニウム、トリプロピルデシルホ
スホニウム、トリプロピルラウリルホスホニウム、トリ
プロピルミリスチルホスホニウム、トリプロピルセチル
ホスホニウムなどが例示されるが、式(I)で示される
構造の化合物であれば特にこれらに限定されない。
えばトリブチルデシルホスホニウム、トリブチルラウリ
ルホスホニウム、トリブチルミリスチルホスホニウム、
トリブチルセチルホスホニウム、トリプロピルデシルホ
スホニウム、トリプロピルラウリルホスホニウム、トリ
プロピルミリスチルホスホニウム、トリプロピルセチル
ホスホニウムなどが例示されるが、式(I)で示される
構造の化合物であれば特にこれらに限定されない。
【0022】本発明の抗菌性を付与した抗血栓性組成物
はムコ多糖類の使用を必須としているが、本発明におけ
るムコ多糖類としては、例えばヘパリン、コンドロイチ
ン硫酸、ヒアルロン酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸
等が挙げられ、中でもヘパリンもしくはヘパリン金属塩
が特に抗血栓性に優れており、報告例が多いことからも
好ましい。
はムコ多糖類の使用を必須としているが、本発明におけ
るムコ多糖類としては、例えばヘパリン、コンドロイチ
ン硫酸、ヒアルロン酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸
等が挙げられ、中でもヘパリンもしくはヘパリン金属塩
が特に抗血栓性に優れており、報告例が多いことからも
好ましい。
【0023】ムコ多糖類と第4級ホスホニウムとのイオ
ン性複合体を得る方法は特に限定されないが、例えばム
コ多糖類の水溶液もしくは水分散液と第4級ホスホニウ
ム塩の水溶液もしくは水分散液を混合し、得られた沈澱
を回収、凍結乾燥する方法などが挙げられる。この際に
使用する水に替えて、弱酸性緩衝液を使用することも可
能である。緩衝液に使用される溶質としては、例えば2
−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸、ピペラジン−
1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)、N−(2−ア
セトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸、N,N−
ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスル
ホン酸、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、
3−(N−モルホリノ)−2−ヒドロキシプロパンスル
ホン酸、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピ
ペラジニル]エタンスルホン酸が好ましく、特に好まし
くは2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(以下M
ESと略記する)、ピペラジン−1,4−ビス(2−エ
タンスルホン酸)(以下PIPESと略記する)、3−
(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(以下MOPS
と略記する)である。
ン性複合体を得る方法は特に限定されないが、例えばム
コ多糖類の水溶液もしくは水分散液と第4級ホスホニウ
ム塩の水溶液もしくは水分散液を混合し、得られた沈澱
を回収、凍結乾燥する方法などが挙げられる。この際に
使用する水に替えて、弱酸性緩衝液を使用することも可
能である。緩衝液に使用される溶質としては、例えば2
−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸、ピペラジン−
1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)、N−(2−ア
セトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸、N,N−
ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスル
ホン酸、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、
3−(N−モルホリノ)−2−ヒドロキシプロパンスル
ホン酸、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピ
ペラジニル]エタンスルホン酸が好ましく、特に好まし
くは2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(以下M
ESと略記する)、ピペラジン−1,4−ビス(2−エ
タンスルホン酸)(以下PIPESと略記する)、3−
(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(以下MOPS
と略記する)である。
【0024】詳細な機構は明かではないが、本発明の抗
菌性を付与した抗血栓性組成物等をブレンド、コーティ
ングなどの手法で導入した材料は生体成分との接触初期
段階ではもちろん接触が長期にわたった後も良好な抗血
栓性が維持できる。このような利点を活かして、本発明
の抗菌性を付与した抗血栓性組成物は各種の医療用器具
あるいは機器類に使用される素材の抗血栓化に広く適用
できる。具体的には、血液透析膜や血漿分離膜およびこ
れらのコーティング剤、血液中老廃物の吸着用コーティ
ング剤に適用できる。また、人工肺用の膜素材(血液と
酸素の隔壁)や人工心肺におけるシート肺のシート材
料、大動脈バルーン、血液バッグ、カテーテル、カニュ
ーレ、シャント、血液回路等広範囲な分野に用いられ得
る。本発明の抗菌性を付与した抗血栓性組成物が抗菌性
を同時に有する特長を利用し、従来、生体−材料界面か
らの感染が問題であったIVHなどに適用することも特
に好ましい。
菌性を付与した抗血栓性組成物等をブレンド、コーティ
ングなどの手法で導入した材料は生体成分との接触初期
段階ではもちろん接触が長期にわたった後も良好な抗血
栓性が維持できる。このような利点を活かして、本発明
の抗菌性を付与した抗血栓性組成物は各種の医療用器具
あるいは機器類に使用される素材の抗血栓化に広く適用
できる。具体的には、血液透析膜や血漿分離膜およびこ
れらのコーティング剤、血液中老廃物の吸着用コーティ
ング剤に適用できる。また、人工肺用の膜素材(血液と
酸素の隔壁)や人工心肺におけるシート肺のシート材
料、大動脈バルーン、血液バッグ、カテーテル、カニュ
ーレ、シャント、血液回路等広範囲な分野に用いられ得
る。本発明の抗菌性を付与した抗血栓性組成物が抗菌性
を同時に有する特長を利用し、従来、生体−材料界面か
らの感染が問題であったIVHなどに適用することも特
に好ましい。
【0025】以下、実施例を用いて本発明を説明する。
なお、本発明は特に実施例に限定されるものではない。
なお、本発明は特に実施例に限定されるものではない。
【0026】〈実施例1〉ヘパリンナトリウム塩10.
00gをpH5.5のMES緩衝液に溶解させ、全量で
100mlとした。塩化トリ−(n−ブチル)−デシルホ
スホニウム(以下TBDP・Clと略記する)15.6
0gをイオン交換水に溶解させ、全量で156mlとし
た。双方の溶液を氷冷下で混合し、そのまま4℃で15
時間静置して沈澱を得た。この沈澱を3300rpm で遠
心沈降させて回収し、さらに蒸留水を加え懸濁させた後
遠心分離によって沈殿を洗浄する操作を3回繰り返し、
その後沈殿を乾燥させてTBDP・Clとヘパリンの複
合体(以下TBDP−Hepと略記する)を得た。この
TBDP−Hepはベンゼン、DMF、THF、クロロ
ホルム等の有機溶媒に可溶であった。
00gをpH5.5のMES緩衝液に溶解させ、全量で
100mlとした。塩化トリ−(n−ブチル)−デシルホ
スホニウム(以下TBDP・Clと略記する)15.6
0gをイオン交換水に溶解させ、全量で156mlとし
た。双方の溶液を氷冷下で混合し、そのまま4℃で15
時間静置して沈澱を得た。この沈澱を3300rpm で遠
心沈降させて回収し、さらに蒸留水を加え懸濁させた後
遠心分離によって沈殿を洗浄する操作を3回繰り返し、
その後沈殿を乾燥させてTBDP・Clとヘパリンの複
合体(以下TBDP−Hepと略記する)を得た。この
TBDP−Hepはベンゼン、DMF、THF、クロロ
ホルム等の有機溶媒に可溶であった。
【0027】市販ポリウレタン(Pellethane(商品
名)、以下PUと略記する)をTHFに溶解して5%溶
液とした。このPU溶液1000gに対し、上記で得た
TBDP−Hep10.00gを加えて、一様な懸濁液
とした。このTBDP−Hep/PUブレンド懸濁液2
0gを水平に保った12cm×12cmのガラス板上に均一
に載せ、40℃で8時間窒素気流下で乾燥後、40℃で
減圧乾燥を15時間行い、厚さ約60μmのフィルムを
得た(以下このTBDP−Hep/PUブレンド材料を
材料A、材料Aから得たフィルムをフィルムAと略記す
る)。フィルムAにはTBDP−Hepが20phr 添加
されていることになる。
名)、以下PUと略記する)をTHFに溶解して5%溶
液とした。このPU溶液1000gに対し、上記で得た
TBDP−Hep10.00gを加えて、一様な懸濁液
とした。このTBDP−Hep/PUブレンド懸濁液2
0gを水平に保った12cm×12cmのガラス板上に均一
に載せ、40℃で8時間窒素気流下で乾燥後、40℃で
減圧乾燥を15時間行い、厚さ約60μmのフィルムを
得た(以下このTBDP−Hep/PUブレンド材料を
材料A、材料Aから得たフィルムをフィルムAと略記す
る)。フィルムAにはTBDP−Hepが20phr 添加
されていることになる。
【0028】上記で得たフィルムA上での血漿相対凝固
時間について以下の方法で評価を行った。フィルムAを
直径約3cmの円形に切り抜き、直径10cmの時計皿の中
央にはりつけた。このフィルム上にウサギ(日本白色
種)のクエン酸加血漿200μlを取り、0.025mo
l /lの塩化カルシウム水溶液200μlを加え、時計
皿を37℃の恒温槽に浮かせながら液が混和するように
穏やかに振盪した。塩化カルシウム水溶液を添加した時
点から血漿が凝固(血漿が動かなくなる時点)するまで
の経過時間を測定し、同様の操作をガラス上で行った場
合の血漿凝固に要した時間で割り、相対凝固時間として
表わした。ただしガラス板上での凝固時間の12倍を超
えても血漿が凝固しない場合には評価を中断し、相対凝
固時間は>12と表した。結果は後記表1に示した。
時間について以下の方法で評価を行った。フィルムAを
直径約3cmの円形に切り抜き、直径10cmの時計皿の中
央にはりつけた。このフィルム上にウサギ(日本白色
種)のクエン酸加血漿200μlを取り、0.025mo
l /lの塩化カルシウム水溶液200μlを加え、時計
皿を37℃の恒温槽に浮かせながら液が混和するように
穏やかに振盪した。塩化カルシウム水溶液を添加した時
点から血漿が凝固(血漿が動かなくなる時点)するまで
の経過時間を測定し、同様の操作をガラス上で行った場
合の血漿凝固に要した時間で割り、相対凝固時間として
表わした。ただしガラス板上での凝固時間の12倍を超
えても血漿が凝固しない場合には評価を中断し、相対凝
固時間は>12と表した。結果は後記表1に示した。
【0029】材料A懸濁液をTHFで希釈して2%と
し、この溶液に40〜60メッシュのガラスビーズを3
0分浸漬した後ガラスフィルターで濾過し、窒素気流下
40℃で8時間、40℃で減圧乾燥を15時間行ってガ
ラスビーズ表面に材料Aをコートした。ヒト血清のPB
S(-) 2倍希釈液1mlにこのコーティングビーズ100
mgを浸漬し、穏やかに振盪しながら37℃で30分間イ
ンキュベートした。この液をサンプルとしてMayer
法(Mayer,M.M.,”Coplement and Complementfixatio
n”Experimental Immunochemistry 2nd Ed. p133 〜249
,C.C.ThomasPublisher ,1961)により溶血補体価
(CH50)を測定した。結果はビーズを加えない上記
希釈血清1mlにおける補体価を100%とし、百分率に
よって表1に示した。
し、この溶液に40〜60メッシュのガラスビーズを3
0分浸漬した後ガラスフィルターで濾過し、窒素気流下
40℃で8時間、40℃で減圧乾燥を15時間行ってガ
ラスビーズ表面に材料Aをコートした。ヒト血清のPB
S(-) 2倍希釈液1mlにこのコーティングビーズ100
mgを浸漬し、穏やかに振盪しながら37℃で30分間イ
ンキュベートした。この液をサンプルとしてMayer
法(Mayer,M.M.,”Coplement and Complementfixatio
n”Experimental Immunochemistry 2nd Ed. p133 〜249
,C.C.ThomasPublisher ,1961)により溶血補体価
(CH50)を測定した。結果はビーズを加えない上記
希釈血清1mlにおける補体価を100%とし、百分率に
よって表1に示した。
【0030】フィルムAの抗菌性を以下の方法で評価し
た。なお一連の操作は全て無菌的に行った。ブロース液
(滅菌生理食塩水で50倍希釈)により、約1×107
個/mlの細菌数とした緑膿菌液(以下この菌液を菌原液
と呼ぶ)を調製した。この菌原液の細菌数は次のように
測定した。菌原液を104 倍に希釈した後100μlを
普通寒天培地上にまき、24時間後に形成された緑膿菌
のコロニー数を計測した。このコロニー数をN個とする
と、菌原液の濃度Cは C=104 ×N/0.1=105 ×N[個/ml] と示される。この菌原液100μlをブロース液(滅菌
生理食塩液で40倍希釈)で希釈して全量で40mlに調
製した(以下この液を浸漬原液と呼ぶ)。浸漬原液にあ
らかじめ5cm×5cmに裁断してEOG滅菌したフィルム
Aを浸漬し、37℃で24時間培養した。培養後、浸漬
原液を滅菌生理食塩水で10倍系列で104 倍まで希釈
した(以下10n 倍希釈液と略記する)。浸漬原液、希
釈液それぞれ100μlを普通寒天板培地に蒔き、24
時間後普通寒天培地上に形成された緑膿菌のコロニー数
を30〜300個のプレートについて計測を行なった。
希釈液からのコロニー数をNn 個とすると、25cm2 フ
ィルムAとの接触後の菌数Na は次の式で与えられる。 Na =40×10n ×Nn /0.1 フィルムAと接触する前の菌原液の濃度は前記Cの通り
であり、使用した原液量は100μlであるから、フィ
ルムA接触前の菌数Nb Nb =105 ×N 浸漬原液40ml中での25cm2 の大きさのフィルムとの
接触によるNb →Naの個数変化を表1に示した。接触
によって菌数が減少するということはフィルムの抗菌性
が発揮されていることを示す。
た。なお一連の操作は全て無菌的に行った。ブロース液
(滅菌生理食塩水で50倍希釈)により、約1×107
個/mlの細菌数とした緑膿菌液(以下この菌液を菌原液
と呼ぶ)を調製した。この菌原液の細菌数は次のように
測定した。菌原液を104 倍に希釈した後100μlを
普通寒天培地上にまき、24時間後に形成された緑膿菌
のコロニー数を計測した。このコロニー数をN個とする
と、菌原液の濃度Cは C=104 ×N/0.1=105 ×N[個/ml] と示される。この菌原液100μlをブロース液(滅菌
生理食塩液で40倍希釈)で希釈して全量で40mlに調
製した(以下この液を浸漬原液と呼ぶ)。浸漬原液にあ
らかじめ5cm×5cmに裁断してEOG滅菌したフィルム
Aを浸漬し、37℃で24時間培養した。培養後、浸漬
原液を滅菌生理食塩水で10倍系列で104 倍まで希釈
した(以下10n 倍希釈液と略記する)。浸漬原液、希
釈液それぞれ100μlを普通寒天板培地に蒔き、24
時間後普通寒天培地上に形成された緑膿菌のコロニー数
を30〜300個のプレートについて計測を行なった。
希釈液からのコロニー数をNn 個とすると、25cm2 フ
ィルムAとの接触後の菌数Na は次の式で与えられる。 Na =40×10n ×Nn /0.1 フィルムAと接触する前の菌原液の濃度は前記Cの通り
であり、使用した原液量は100μlであるから、フィ
ルムA接触前の菌数Nb Nb =105 ×N 浸漬原液40ml中での25cm2 の大きさのフィルムとの
接触によるNb →Naの個数変化を表1に示した。接触
によって菌数が減少するということはフィルムの抗菌性
が発揮されていることを示す。
【0031】フィルムAをウシ血漿に浸漬し、37℃の
振盪恒温槽で2週間にわたって溶出を行った。ウシ血漿
は毎日交換した。以下、溶出後のフィルムをフィルム
A’と呼ぶ。フィルムAと同様の方法でフィルムA’で
の血漿相対凝固時間、抗菌性について評価を行った。結
果は表1に示した。
振盪恒温槽で2週間にわたって溶出を行った。ウシ血漿
は毎日交換した。以下、溶出後のフィルムをフィルム
A’と呼ぶ。フィルムAと同様の方法でフィルムA’で
の血漿相対凝固時間、抗菌性について評価を行った。結
果は表1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】〈実施例2〉実施例1で得た材料A溶液を
THFで希釈して0. 1%溶液とし、12cm×12cmの
市販のポリ塩化ビニル(DOP含量30phr 、以下この
ポリ塩化ビニルをPVCと略記する)製フィルム上に3
mg/144cm2 の割合で導入される様に、溶液3. 00
gを均一に乗せ、40℃で8時間窒素気流下で乾燥後、
40℃で減圧乾燥を15時間行い、厚さ約60μmのフ
ィルムを得た(以下このTBLP−PUコーティングP
VCフィルムをフィルムBと略記する。
THFで希釈して0. 1%溶液とし、12cm×12cmの
市販のポリ塩化ビニル(DOP含量30phr 、以下この
ポリ塩化ビニルをPVCと略記する)製フィルム上に3
mg/144cm2 の割合で導入される様に、溶液3. 00
gを均一に乗せ、40℃で8時間窒素気流下で乾燥後、
40℃で減圧乾燥を15時間行い、厚さ約60μmのフ
ィルムを得た(以下このTBLP−PUコーティングP
VCフィルムをフィルムBと略記する。
【0034】実施例1と同様の方法でフィルムBの血漿
相対凝固時間および抗菌性を評価した。また実施例1と
同様の方法でフィルムBの血漿溶出試験を実施し、得ら
れた血漿溶出フィルムB’の血漿相対凝固時間および抗
菌性についても評価した。結果は表1に示した。
相対凝固時間および抗菌性を評価した。また実施例1と
同様の方法でフィルムBの血漿溶出試験を実施し、得ら
れた血漿溶出フィルムB’の血漿相対凝固時間および抗
菌性についても評価した。結果は表1に示した。
【0035】〈実施例3〉ヘパリンナトリウム塩10.
00gをpH5.5のMES緩衝液に溶解させ、全量で
100mlとした。塩化トリ(n−ブチル)ラウリルホス
ホニウム(以下TBLP・Clと略記する)16.76
gをイオン交換水に溶解させ、全量で168mlとした。
双方の溶液を氷冷下で混合し、そのまま4℃で15時間
静置して沈澱を得た。この沈澱を3300rpm で遠心沈
降させて回収し、さらに蒸留水を加え懸濁させた後遠心
分離によって沈殿を洗浄する操作を3回繰り返し、その
後沈殿を乾燥させてTBLP・Clとヘパリンの複合体
(以下TBLP−Hepと略記する)を得た。このTB
LP−Hepはベンゼン、DMF、THF、クロロホル
ム等の有機溶媒に可溶であった。
00gをpH5.5のMES緩衝液に溶解させ、全量で
100mlとした。塩化トリ(n−ブチル)ラウリルホス
ホニウム(以下TBLP・Clと略記する)16.76
gをイオン交換水に溶解させ、全量で168mlとした。
双方の溶液を氷冷下で混合し、そのまま4℃で15時間
静置して沈澱を得た。この沈澱を3300rpm で遠心沈
降させて回収し、さらに蒸留水を加え懸濁させた後遠心
分離によって沈殿を洗浄する操作を3回繰り返し、その
後沈殿を乾燥させてTBLP・Clとヘパリンの複合体
(以下TBLP−Hepと略記する)を得た。このTB
LP−Hepはベンゼン、DMF、THF、クロロホル
ム等の有機溶媒に可溶であった。
【0036】脂溶化ヘパリンをTBDP−HepからT
BLP−Hepに変えた以外は、実施例1と同様の方法
で、TBLP−Hep/PUブレンド材料を材料C、材
料Cから成るフィルムCを得た。当該材料Cおよびフィ
ルムCを用いて、実施例1と同様の方法で、血漿相対凝
固時間および抗菌性を評価した。また実施例1と同様の
方法でフィルムCの血漿溶出試験を実施し、得られた血
漿溶出フィルムC’の血漿相対凝固時間および抗菌性に
ついても評価した。結果は表1に示した。
BLP−Hepに変えた以外は、実施例1と同様の方法
で、TBLP−Hep/PUブレンド材料を材料C、材
料Cから成るフィルムCを得た。当該材料Cおよびフィ
ルムCを用いて、実施例1と同様の方法で、血漿相対凝
固時間および抗菌性を評価した。また実施例1と同様の
方法でフィルムCの血漿溶出試験を実施し、得られた血
漿溶出フィルムC’の血漿相対凝固時間および抗菌性に
ついても評価した。結果は表1に示した。
【0037】〈実施例4〉実施例3で得た材料C溶液を
THFで希釈して0.1%溶液とし、12cm×12cmの
市販のポリ塩化ビニル(DOP含量30phr 、以下この
ポリ塩化ビニルをPVCと略記する)製フィルム上に3
mg/144cm2 の割合で導入される様に、溶液3.00
gを均一に乗せ、40℃で8時間窒素気流下で乾燥後、
40℃で減圧乾燥を15時間行い、厚さ約60μmのフ
ィルムを得た(以下このTBLP−PUコーティングP
VCフィルムをフィルムDと略記する。実施例1と同様
の方法でフィルムDの血漿相対凝固時間および抗菌性を
評価した。また実施例1と同様の方法でフィルムDの血
漿溶出試験を実施し、得られた血漿溶出フィルムD’の
血漿相対凝固時間および抗菌性についても評価した。結
果は表1に示した。
THFで希釈して0.1%溶液とし、12cm×12cmの
市販のポリ塩化ビニル(DOP含量30phr 、以下この
ポリ塩化ビニルをPVCと略記する)製フィルム上に3
mg/144cm2 の割合で導入される様に、溶液3.00
gを均一に乗せ、40℃で8時間窒素気流下で乾燥後、
40℃で減圧乾燥を15時間行い、厚さ約60μmのフ
ィルムを得た(以下このTBLP−PUコーティングP
VCフィルムをフィルムDと略記する。実施例1と同様
の方法でフィルムDの血漿相対凝固時間および抗菌性を
評価した。また実施例1と同様の方法でフィルムDの血
漿溶出試験を実施し、得られた血漿溶出フィルムD’の
血漿相対凝固時間および抗菌性についても評価した。結
果は表1に示した。
【0038】〈実施例5〉ヘパリンナトリウム塩10.
00gをpH5.5のMES緩衝液に溶解させ、全量で
100mlとした。塩化トリ−(n−ブチル)−ミリスチ
ルホスホニウム(以下TBMP・Clと略記する)1
7.91gをイオン交換水に溶解させ、全量で179ml
とした。双方の溶液を氷冷下で混合し、そのまま4℃で
15時間静置して沈澱を得た。この沈澱を3300rpm
で遠心沈降させて回収し、さらに蒸留水を加え懸濁させ
た後遠心分離によって沈殿を洗浄する操作を3回繰り返
し、その後沈殿を乾燥させてTBMP・Clとヘパリン
の複合体(以下TBMP−Hepと略記する)を得た。
このTBMP−Hepはベンゼン、DMF、THF、ク
ロロホルム等の有機溶媒に可溶であった。
00gをpH5.5のMES緩衝液に溶解させ、全量で
100mlとした。塩化トリ−(n−ブチル)−ミリスチ
ルホスホニウム(以下TBMP・Clと略記する)1
7.91gをイオン交換水に溶解させ、全量で179ml
とした。双方の溶液を氷冷下で混合し、そのまま4℃で
15時間静置して沈澱を得た。この沈澱を3300rpm
で遠心沈降させて回収し、さらに蒸留水を加え懸濁させ
た後遠心分離によって沈殿を洗浄する操作を3回繰り返
し、その後沈殿を乾燥させてTBMP・Clとヘパリン
の複合体(以下TBMP−Hepと略記する)を得た。
このTBMP−Hepはベンゼン、DMF、THF、ク
ロロホルム等の有機溶媒に可溶であった。
【0039】実施例1で用いた市販ポリウレタンPUを
THFに溶解して5%溶液とした。このPU溶液100
0gに対し、上記で得たTBLP−Hep5.00gお
よびTBMP−Hep5.00gを加えて、一様な懸濁
液とした。このTBLP−Hep/TBMP−Hep/
PUブレンド懸濁液20gを水平に保った12cm×12
cmのガラス板上に均一に載せ、40℃で8時間窒素気流
下で乾燥後、40℃で減圧乾燥を15時間行い、厚さ約
60μmのフィルムを得た(以下このTBLP−Hep
/TBMP−Hep/PUブレンド材料を材料E、材料
Eから得たフィルムをフィルムEと略記する)。フィル
ムEにはTBDP−Hepが10phr 、TBMP−He
pが10phr 添加されていることになる。実施例1と同
様の方法でフィルムEの血漿相対凝固時間および抗菌性
を評価した。また、実施例1と同様の方法でフィルムE
の血漿溶出試験を実施し、得られた血漿溶出フィルム
E’の血漿相対凝固時間および抗菌性についても評価し
た。結果は表1に示した。
THFに溶解して5%溶液とした。このPU溶液100
0gに対し、上記で得たTBLP−Hep5.00gお
よびTBMP−Hep5.00gを加えて、一様な懸濁
液とした。このTBLP−Hep/TBMP−Hep/
PUブレンド懸濁液20gを水平に保った12cm×12
cmのガラス板上に均一に載せ、40℃で8時間窒素気流
下で乾燥後、40℃で減圧乾燥を15時間行い、厚さ約
60μmのフィルムを得た(以下このTBLP−Hep
/TBMP−Hep/PUブレンド材料を材料E、材料
Eから得たフィルムをフィルムEと略記する)。フィル
ムEにはTBDP−Hepが10phr 、TBMP−He
pが10phr 添加されていることになる。実施例1と同
様の方法でフィルムEの血漿相対凝固時間および抗菌性
を評価した。また、実施例1と同様の方法でフィルムE
の血漿溶出試験を実施し、得られた血漿溶出フィルム
E’の血漿相対凝固時間および抗菌性についても評価し
た。結果は表1に示した。
【0040】〈実施例6〉実施例5で得た材料E溶液を
THFで希釈して0.1%溶液とし、12cm×12cmの
市販のポリ塩化ビニル(DOP含量30phr 、以下この
ポリ塩化ビニルをPVCと略記する)製フィルム上に3
mg/144cm2 の割合で導入される様に、溶液3.00
gを均一に乗せ、40℃で8時間窒素気流下で乾燥後、
40℃で減圧乾燥を15時間行い、厚さ約60μmのフ
ィルムを得た。(以下このTBLP−Hep/TBMP
−Hep/PUブレンド材料コーティングPVCフィル
ムをフィルムFと略記する。
THFで希釈して0.1%溶液とし、12cm×12cmの
市販のポリ塩化ビニル(DOP含量30phr 、以下この
ポリ塩化ビニルをPVCと略記する)製フィルム上に3
mg/144cm2 の割合で導入される様に、溶液3.00
gを均一に乗せ、40℃で8時間窒素気流下で乾燥後、
40℃で減圧乾燥を15時間行い、厚さ約60μmのフ
ィルムを得た。(以下このTBLP−Hep/TBMP
−Hep/PUブレンド材料コーティングPVCフィル
ムをフィルムFと略記する。
【0041】実施例1と同様の方法でフィルムFの血漿
相対凝固時間および抗菌性を評価した。また、実施例1
と同様の方法でフィルムFの溶出試験を実施し、得られ
た溶出フィルムF’の血漿相対凝固時間および抗菌性に
ついても評価した。結果は表1に示した。
相対凝固時間および抗菌性を評価した。また、実施例1
と同様の方法でフィルムFの溶出試験を実施し、得られ
た溶出フィルムF’の血漿相対凝固時間および抗菌性に
ついても評価した。結果は表1に示した。
【0042】〈実施例7〉実施例1で用いた市販ポリウ
レタンPUをTHFに溶解して5%溶液とした。このP
U溶液1000gに対し、TBLP−Hep5.00g
およびTBSP(トリブチルセチルホスホニウム)−H
ep5.00gを加えて、一様な懸濁液とした。このT
BLP−Hep/TBSP−Hep/PUブレンド懸濁
液20gを水平に保った12cm×12cmのガラス板上に
均一に載せ、40℃で8時間窒素気流下で乾燥後、40
℃で減圧乾燥を15時間行い、厚さ約60μmのフィル
ムを得た(以下このTBLP−Hep/TBSP−He
p/PUブレンド材料を材料G、材料Gから得たフィル
ムをフィルムGと略記する)。フィルムGには、TBL
P−Hepが10phr 、TBSP−Hepが10phr 添
加されていることになる。
レタンPUをTHFに溶解して5%溶液とした。このP
U溶液1000gに対し、TBLP−Hep5.00g
およびTBSP(トリブチルセチルホスホニウム)−H
ep5.00gを加えて、一様な懸濁液とした。このT
BLP−Hep/TBSP−Hep/PUブレンド懸濁
液20gを水平に保った12cm×12cmのガラス板上に
均一に載せ、40℃で8時間窒素気流下で乾燥後、40
℃で減圧乾燥を15時間行い、厚さ約60μmのフィル
ムを得た(以下このTBLP−Hep/TBSP−He
p/PUブレンド材料を材料G、材料Gから得たフィル
ムをフィルムGと略記する)。フィルムGには、TBL
P−Hepが10phr 、TBSP−Hepが10phr 添
加されていることになる。
【0043】実施例1と同様の方法でフィルムGの血漿
相対凝固時間および抗菌性を評価した。また実施例1と
同様の方法でフィルムGの血漿溶出試験を実施し、得ら
れた血漿溶出フィルムG’の血漿相対凝固時間および抗
菌性についても評価した。結果は表1に示した。
相対凝固時間および抗菌性を評価した。また実施例1と
同様の方法でフィルムGの血漿溶出試験を実施し、得ら
れた血漿溶出フィルムG’の血漿相対凝固時間および抗
菌性についても評価した。結果は表1に示した。
【0044】〈実施例8〉実施例7で得た材料G溶液を
THFで希釈して0.1%溶液とし、12cm×12cm
の市販のポリ塩化ビニル(DOP含量30phr 、以下こ
のポリ塩化ビニルをPVCと略記する)製フィルム上に
3mg/144cm2 の割合で導入される様に、溶液3.0
0gを均一に乗せ、40℃で8時間窒素気流下で乾燥
後、40℃で減圧乾燥を15時間行い、厚さ約60μm
のフィルムを得た。(以下このTBLP−Hep/TB
SP−Hep/PUブレンド材料コーティングPVCフ
ィルムをフィルムHと略記する。
THFで希釈して0.1%溶液とし、12cm×12cm
の市販のポリ塩化ビニル(DOP含量30phr 、以下こ
のポリ塩化ビニルをPVCと略記する)製フィルム上に
3mg/144cm2 の割合で導入される様に、溶液3.0
0gを均一に乗せ、40℃で8時間窒素気流下で乾燥
後、40℃で減圧乾燥を15時間行い、厚さ約60μm
のフィルムを得た。(以下このTBLP−Hep/TB
SP−Hep/PUブレンド材料コーティングPVCフ
ィルムをフィルムHと略記する。
【0045】実施例1と同様の方法でフィルムHの血漿
相対凝固時間および抗菌性を評価した。また、実施例1
と同様の方法でフィルムHの溶出試験を実施し、得られ
た溶出フィルムH’の血漿相対凝固時間および抗菌性に
ついても評価した。結果は表1に示した。
相対凝固時間および抗菌性を評価した。また、実施例1
と同様の方法でフィルムHの溶出試験を実施し、得られ
た溶出フィルムH’の血漿相対凝固時間および抗菌性に
ついても評価した。結果は表1に示した。
【0046】〈比較例1〉ヘパリンナトリウム塩10.
00gをpH5.5のMES緩衝液に溶解させ、全量で
100mlとした。塩化トリ(n−ブチル)ヘキシルホス
ホニウム(以下TBHP・Clと略記する)13.29
gをイオン交換水に溶解させ、全量で133mlとした。
双方の溶液を氷冷下で混合し、そのまま4℃で15時間
静置して沈澱を得た。この沈澱を3300rpm で遠心沈
降させて回収し、さらに蒸留水を加え懸濁させた後遠心
分離によって沈殿を洗浄する操作を3回繰り返し、その
後沈殿を乾燥させてTBHP・Clとヘパリンの複合体
(以下TBHP−Hepと略記する)を得た。このTB
HP−Hepはベンゼン、DMF、THF、クロロホル
ム等の有機溶媒に可溶であった。
00gをpH5.5のMES緩衝液に溶解させ、全量で
100mlとした。塩化トリ(n−ブチル)ヘキシルホス
ホニウム(以下TBHP・Clと略記する)13.29
gをイオン交換水に溶解させ、全量で133mlとした。
双方の溶液を氷冷下で混合し、そのまま4℃で15時間
静置して沈澱を得た。この沈澱を3300rpm で遠心沈
降させて回収し、さらに蒸留水を加え懸濁させた後遠心
分離によって沈殿を洗浄する操作を3回繰り返し、その
後沈殿を乾燥させてTBHP・Clとヘパリンの複合体
(以下TBHP−Hepと略記する)を得た。このTB
HP−Hepはベンゼン、DMF、THF、クロロホル
ム等の有機溶媒に可溶であった。
【0047】脂溶化ヘパリンをTBHP−HepからT
BSP−Hepに変えた以外は、実施例1と同様の方法
で、TBHP−Hep/PUブレンド材料を材料Iおよ
び材料Iから成るフィルムIを得た。当該材料Iおよび
フィルムIを用いて、実施例1と同様の方法で血漿相対
凝固時間および抗菌性を評価した。また実施例1と同様
の方法でフィルムIの溶出試験を実施し、得られた溶出
フィルムI’の血漿相対凝固時間および抗菌性について
も評価した。結果は表1に示した。
BSP−Hepに変えた以外は、実施例1と同様の方法
で、TBHP−Hep/PUブレンド材料を材料Iおよ
び材料Iから成るフィルムIを得た。当該材料Iおよび
フィルムIを用いて、実施例1と同様の方法で血漿相対
凝固時間および抗菌性を評価した。また実施例1と同様
の方法でフィルムIの溶出試験を実施し、得られた溶出
フィルムI’の血漿相対凝固時間および抗菌性について
も評価した。結果は表1に示した。
【0048】〈比較例2〉ヘパリンナトリウム塩10.
00gをpH5.5のMES緩衝液に溶解させ、全量で
100mlとした。塩化トリ−(n−ブチル)−アラキル
ホスホニウム(以下TBAP・Clと略記する)21.
38gをイオン交換水に溶解させ、全量で214mlとし
た。双方の溶液を氷冷下で混合し、そのまま4℃で15
時間静置して沈澱を得た。この沈澱を3300rpm で遠
心沈降させて回収し、さらに蒸留水を加え懸濁させた後
遠心分離によって沈殿を洗浄する操作を3回繰り返し、
その後沈殿を乾燥させてTBAP・Clとヘパリンの複
合体(以下TBAP−Hepと略記する)を得た。この
TBAP−Hepはベンゼン、DMF、THF、クロロ
ホルム等の有機溶媒に可溶であった。
00gをpH5.5のMES緩衝液に溶解させ、全量で
100mlとした。塩化トリ−(n−ブチル)−アラキル
ホスホニウム(以下TBAP・Clと略記する)21.
38gをイオン交換水に溶解させ、全量で214mlとし
た。双方の溶液を氷冷下で混合し、そのまま4℃で15
時間静置して沈澱を得た。この沈澱を3300rpm で遠
心沈降させて回収し、さらに蒸留水を加え懸濁させた後
遠心分離によって沈殿を洗浄する操作を3回繰り返し、
その後沈殿を乾燥させてTBAP・Clとヘパリンの複
合体(以下TBAP−Hepと略記する)を得た。この
TBAP−Hepはベンゼン、DMF、THF、クロロ
ホルム等の有機溶媒に可溶であった。
【0049】脂溶化ヘパリンをTBDP−HepからT
BAP−Hepに変えた以外は実施例1と同様の方法
で、TBAP−Hep/PUブレンド材料を材料Jおよ
び材料Jから成るフィルムJを得た。当該材料Jおよび
フィルムJを用いて、実施例1と同様の方法で、血漿相
対凝固時間および抗菌性を評価した。また実施例1と同
様の方法でフィルムJの溶出試験を実施し、得られた溶
出フィルムJ’の血漿相対凝固時間および抗菌性につい
ても評価した。結果は表1に示した。
BAP−Hepに変えた以外は実施例1と同様の方法
で、TBAP−Hep/PUブレンド材料を材料Jおよ
び材料Jから成るフィルムJを得た。当該材料Jおよび
フィルムJを用いて、実施例1と同様の方法で、血漿相
対凝固時間および抗菌性を評価した。また実施例1と同
様の方法でフィルムJの溶出試験を実施し、得られた溶
出フィルムJ’の血漿相対凝固時間および抗菌性につい
ても評価した。結果は表1に示した。
【0050】〈比較例3〉ヘパリンナトリウム塩10.
00gをイオン交換水に溶解させ、全量で100mlとし
た。この溶液と、塩化ベンザルコニウム10%水溶液
(以下Ben・Clと略記する)142mlを氷冷下で混
合し、そのまま4℃で15時間静置して懸濁液を得た。
この懸濁液を3300rpm で遠心沈降させて回収し、さ
らに蒸留水を加え懸濁させた後遠心分離によって沈殿を
洗浄する操作を3回繰り返し、その後沈殿を乾燥させて
Ben・Clとヘパリンの複合体(以下Ben−Hep
と略記する)を得た。このBen−Hepはベンゼン、
DMF、クロロホルム等の有機溶媒に可溶であった。
00gをイオン交換水に溶解させ、全量で100mlとし
た。この溶液と、塩化ベンザルコニウム10%水溶液
(以下Ben・Clと略記する)142mlを氷冷下で混
合し、そのまま4℃で15時間静置して懸濁液を得た。
この懸濁液を3300rpm で遠心沈降させて回収し、さ
らに蒸留水を加え懸濁させた後遠心分離によって沈殿を
洗浄する操作を3回繰り返し、その後沈殿を乾燥させて
Ben・Clとヘパリンの複合体(以下Ben−Hep
と略記する)を得た。このBen−Hepはベンゼン、
DMF、クロロホルム等の有機溶媒に可溶であった。
【0051】脂溶化ヘパリンをTBDP−HepからB
en−Hepに変えた以外は実施例1と同様の方法で、
Ben−Hep/PUブレンド材料Kおよび材料Kから
成るフィルムKを得た。この材料KおよびフィルムKを
用いて、実施例1と同様の方法で血漿相対凝固時間、補
体価、抗菌性を評価した。また実施例1と同様の方法で
フィルムKの血漿溶出試験を実施し、得られた血漿溶出
フィルムK’の血漿相対凝固時間、抗菌性についても評
価した。結果は表1に示した。
en−Hepに変えた以外は実施例1と同様の方法で、
Ben−Hep/PUブレンド材料Kおよび材料Kから
成るフィルムKを得た。この材料KおよびフィルムKを
用いて、実施例1と同様の方法で血漿相対凝固時間、補
体価、抗菌性を評価した。また実施例1と同様の方法で
フィルムKの血漿溶出試験を実施し、得られた血漿溶出
フィルムK’の血漿相対凝固時間、抗菌性についても評
価した。結果は表1に示した。
【0052】〈比較例4〉比較例2で得たBen−He
pをベンゼンに溶解させて0.1%溶液とし、12cm×
12cmのPUフィルム上にこの溶液3.00gを均一に
載せ、40℃で8時間窒素気流下で乾燥後、40℃で減
圧乾燥を15時間行い、厚さ約60μmのフィルムを得
た(以下このBen−Hep/PUコーティングフィル
ムをフィルムLと略記する)。
pをベンゼンに溶解させて0.1%溶液とし、12cm×
12cmのPUフィルム上にこの溶液3.00gを均一に
載せ、40℃で8時間窒素気流下で乾燥後、40℃で減
圧乾燥を15時間行い、厚さ約60μmのフィルムを得
た(以下このBen−Hep/PUコーティングフィル
ムをフィルムLと略記する)。
【0053】実施例1と同様の方法でフィルムLの血漿
相対凝固時間および抗菌性を評価した。また実施例1と
同様の方法でフィルムLの血漿溶出試験を実施し、得ら
れた血漿溶出フィルムL’の血漿相対凝固時間および抗
菌性についても評価した。結果は前記表1に示した。
相対凝固時間および抗菌性を評価した。また実施例1と
同様の方法でフィルムLの血漿溶出試験を実施し、得ら
れた血漿溶出フィルムL’の血漿相対凝固時間および抗
菌性についても評価した。結果は前記表1に示した。
【0054】〈比較例5〉脂溶化ヘパリンを導入してい
ないPUフィルム(フィルムM)を用いて血漿相対凝固
時間、補体価、抗菌性を評価した。また、実施例1と同
様の方法でフィルムMの血漿溶出試験を実施し、得られ
た血漿溶出フィルムM’の血漿相対凝固時間、抗菌性に
ついても評価した。結果は表1に示した。
ないPUフィルム(フィルムM)を用いて血漿相対凝固
時間、補体価、抗菌性を評価した。また、実施例1と同
様の方法でフィルムMの血漿溶出試験を実施し、得られ
た血漿溶出フィルムM’の血漿相対凝固時間、抗菌性に
ついても評価した。結果は表1に示した。
【0055】表1に示した結果からわかるように、本発
明の抗菌性を付与した抗血栓性組成物を導入した材料は
優れた抗血栓性、抗菌性を示しており、溶出後も性能が
維持されている。比較例1の材料は抗菌性は比較的優れ
ているものの、抗血栓性は劣っており、特に溶出後の抗
血栓性低下が大きい。ヘパリンと第4級ホスホニウムの
イオン性複合体が含まれていない比較例4および比較例
5では抗血栓性が著しく劣るのに加えて、抗菌性も本発
明の抗菌性付与抗血栓性組成物を導入した材料には及ば
ない。
明の抗菌性を付与した抗血栓性組成物を導入した材料は
優れた抗血栓性、抗菌性を示しており、溶出後も性能が
維持されている。比較例1の材料は抗菌性は比較的優れ
ているものの、抗血栓性は劣っており、特に溶出後の抗
血栓性低下が大きい。ヘパリンと第4級ホスホニウムの
イオン性複合体が含まれていない比較例4および比較例
5では抗血栓性が著しく劣るのに加えて、抗菌性も本発
明の抗菌性付与抗血栓性組成物を導入した材料には及ば
ない。
【0056】
【発明の効果】本発明の抗菌性を付与した抗血栓性組成
物は基材となるポリマーに簡便に抗血栓性、抗菌性を付
与することができ、その性能は材料調製直後のみなら
ず、長期間の溶出操作後も維持される。したがって、本
発明の抗菌性を付与した抗血栓性組成物は医療用材料の
抗血栓化、抗菌化を行う材料として優れた適性を有して
いる。
物は基材となるポリマーに簡便に抗血栓性、抗菌性を付
与することができ、その性能は材料調製直後のみなら
ず、長期間の溶出操作後も維持される。したがって、本
発明の抗菌性を付与した抗血栓性組成物は医療用材料の
抗血栓化、抗菌化を行う材料として優れた適性を有して
いる。
フロントページの続き (72)発明者 有森 奏 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 田中 昌和 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくとも1種のムコ多糖類と、式 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 は炭素数1〜6のアルキル
基、R4 は炭素数10〜18のアルキル基で、それぞれ
同じであっても異なっていてもよい)で表される第4級
ホスホニウムとのイオン性複合体から成る脂溶化ムコ多
糖を含有することを特徴とする抗菌性を付与した抗血栓
性組成物。 - 【請求項2】 ムコ多糖類がヘパリンもしくはヘパリン
金属塩であることを特徴とする請求項1記載の抗菌性を
付与した抗血栓性組成物。 - 【請求項3】 請求項1記載の脂溶化ムコ多糖を2種以
上含有することを特徴とする請求項1または2に抗菌性
を付与した抗血栓性組成物。 - 【請求項4】 R4 の炭素数の平均値が13〜15とな
るような組合せである2種以上の脂溶化ムコ多糖を含有
することを特徴とする請求項3記載の抗菌性を付与した
抗血栓性組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8345366A JPH10179724A (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | 抗菌性を付与した抗血栓性組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8345366A JPH10179724A (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | 抗菌性を付与した抗血栓性組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10179724A true JPH10179724A (ja) | 1998-07-07 |
Family
ID=18376117
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8345366A Pending JPH10179724A (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | 抗菌性を付与した抗血栓性組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10179724A (ja) |
-
1996
- 1996-12-25 JP JP8345366A patent/JPH10179724A/ja active Pending
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20031224 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040901 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050825 |
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| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051215 |