JPH10195372A - 水系活性エネルギー線硬化型金属用塗料組成物 - Google Patents

水系活性エネルギー線硬化型金属用塗料組成物

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JPH10195372A
JPH10195372A JP1331497A JP1331497A JPH10195372A JP H10195372 A JPH10195372 A JP H10195372A JP 1331497 A JP1331497 A JP 1331497A JP 1331497 A JP1331497 A JP 1331497A JP H10195372 A JPH10195372 A JP H10195372A
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JP
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meth
acrylate
reactive resin
polymer
water
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JP1331497A
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English (en)
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Eiichi Okazaki
栄一 岡崎
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 密着性、耐溶剤性及び耐水性のいずれにも優
れた硬化膜を形成する水系活性エネルギー線硬化型金属
用塗料組成物を提供する。 【解決手段】 本発明の組成物は、カルボキシル基を
有する(メタ)アクリレート又はこれとエチレン性不飽
和基を有する単量体とを高温で重合して得られた数平均
分子量1,000〜15,000且つ酸価100〜30
0mgKOH/gの重合体(a)を、アルカリ性水溶液
中に溶解又は分散させた後、エポキシ基を有する(メ
タ)アクリレートをアルカリ性水溶液中で付加した、酸
価20〜200mgKOH/gの反応性樹脂(A)の水
分散体(Adp)と、アルキレンオキサイド1〜10モ
ルを付加したポリオールの多官能(メタ)アクリレート
(B)とからなる。水分散体(Adp)を用いるので組成
物は低粘度であり、また比較的高分子量の反応性樹脂
(A)を用いるので硬化収縮が少なく密着性等に優れた
硬化膜が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線或いは紫外
線等の活性エネルギー線の照射により硬化する水系金属
用塗料組成物に関し、詳しくは、耐溶剤性及び耐水性の
いずれにも優れ、更に金属基材に対して優れた密着性を
示す硬化膜を形成する、水系活性エネルギー線硬化型金
属用塗料組成物に関する。本発明の組成物は、金属缶及
び金属板等の塗装に利用され、特に塗装後において深絞
り加工が行われる金属缶用の塗料組成物として好適であ
る。尚、本明細書においては、アクリレート及び/又は
メタクリレートを(メタ)アクリレートと、アクリロイ
ル基及び/又はメタクリロイル基を(メタ)アクリロイ
ル基と、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を(メタ)
アクリル酸と表す。また、酸価の単位はmgKOH/g
で、すべて固形分換算で示す。
【0002】
【従来の技術】近年、各種産業等で使用する有機溶剤、
洗浄剤等が大気中に放出されることによる地球規模での
大気汚染が進み、生物への影響が懸念されている。この
ため、金属用塗料組成物においても脱溶剤化の検討が行
われている。上記の問題を解決する一つの方法として、
溶媒を含まない組成物を金属表面に塗工し、その後、活
性エネルギー線を照射してこの組成物を硬化させる金属
用塗料組成物が検討されている。このような、無溶媒の
活性エネルギー線硬化型金属用塗料組成物としては、ポ
リエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレ
タンアクリレート等のオリゴエステル(メタ)アクリレ
ートと反応性希釈剤とからなるもの等が知られている。
例えば、特開昭53−49027号公報には、活性エネ
ルギー線により硬化可能であり、所定のオリゴエステル
(メタ)アクリレートと所定のエポキシモノ(メタ)ア
クリレートとこれらに可能なポリマーとからなる塗料用
組成物が開示されている。一方、上記の問題を解決する
他の方法として、組成物の水性化による脱溶剤化の試み
もなされており、樹脂を水に懸濁又は乳化させた組成物
を金属表面に塗工し、その後、加熱等の方法により乾燥
塗膜を得る水系金属用塗料組成物等が知られている。例
えば、特開昭63−230779号公報には、所定の水
性アクリル樹脂と所定のポリエステルポリオールとアミ
ンホルムアルデヒド縮合物とからなる缶外画用水性塗料
組成物が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の上記無
溶媒の活性エネルギー線硬化型金属用塗料組成物による
と、金属基材との密着力(接着力)の高い硬化膜を得る
ことは困難であった。このように密着力が低い原因は、
熱乾燥や熱硬化により徐々にひずみを緩和しながら硬化
していく溶剤乾燥型樹脂を使用する組成物や熱硬化型樹
脂を使用する組成物と比較して、活性エネルギー線硬化
型組成物では硬化に要する時間が短いため、硬化時の体
積収縮により生じる応力ひずみを硬化膜中にためやすい
ことにある。この密着力を向上させるために、アクリル
ポリマー、ポリエステル、石油樹脂等の非反応性物質を
組成物中に混合溶解することにより硬化時の体積収縮率
を低下させることも知られているが、これらの非反応性
物質の添加により組成物の硬化性や硬化物の耐溶剤性等
が低下するという問題がある。更に、このような無溶媒
型の組成物は一般に粘度が高いため金属表面への塗工方
法が制限され、例えばスプレー塗装等を行うことは極め
て困難であった。また、従来の上記水系金属用塗料組成
物によると、耐溶剤性及び耐水性がいずれも高く且つ金
属への密着性にも優れた乾燥塗膜を形成することは困難
であり、特にこのような水系組成物は耐水性が不足しや
すいものであった。上記特開昭63−230779号公
報に記載の水性塗料組成物も、アミンホルムアルデヒド
縮合物を含むことから耐溶剤性等が不十分なものであっ
た。
【0004】本発明の目的は、低粘度な組成物であっ
て、且つ金属基材に対する密着性、耐溶剤性及び耐水性
のいずれにも優れた硬化膜を形成する水系活性エネルギ
ー線硬化型金属用塗料組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、特定のカルボキシル
基を有する重合体を用いて特定の方法により製造された
反応性樹脂水分散体と、所定のアルキレンオキサイド変
性ポリオール多官能(メタ)アクリレートとを含有する
組成物が有効であることを見出し、本発明を完成した。
【0006】即ち、請求項1記載の水系活性エネルギー
線硬化型金属用塗料組成物は、一個以上のカルボキシル
基を有する(メタ)アクリレートの一種以上を、或い
は、該(メタ)アクリレート以外であって一個のエチレ
ン性不飽和基を有する単量体の一種以上と該(メタ)ア
クリレートの一種以上とを、150〜310℃の重合温
度において重合して数平均分子量1,000〜15,0
00且つ酸価100〜300mgKOH/gの重合体
(a)を得、次いで当該重合体(a)をアルカリ性水溶
液中に溶解又は分散させた後、一個のエポキシ基を有す
る(メタ)アクリレートを当該アルカリ性水溶液中にお
いて上記重合体(a)に付加反応させて得られる、酸価
20〜200mgKOH/gの反応性樹脂(A)が水に
分散した反応性樹脂水分散体(Adp)と、二個以上の
(メタ)アクリロイル基を有し、アルキレンオキサイド
1〜10モルを付加したポリオールの(メタ)アクリレ
ートである、アルキレンオキサイド変成ポリオール多官
能(メタ)アクリレート〔以下、「変成多官能(メタ)
アクリレート」という。〕(B)と、からなる組成物で
あって、上記反応性樹脂(A)80〜40重量部に対し
て上記変成多官能(メタ)アクリレート(B)20〜6
0重量部を含有することを特徴とする。
【0007】また、請求項2記載の水系活性エネルギー
線硬化型金属用塗料組成物は、請求項1記載の組成物に
おいて、上記一個のエチレン性不飽和基を有する単量体
の少なくとも一種類はスチレン又はアルキルスチレンで
あることを特徴とする。
【0008】更にまた、請求項3記載の水系活性エネル
ギー線硬化型金属用塗料組成物は、請求項1又は2記載
の組成物において、上記変成多官能(メタ)アクリレー
ト(B)のSp値(溶解性パラメーター)は8.5〜1
1.0であることを特徴とする。尚、本発明において
「Sp値」とは、K.L.Hoy J. Paint. Technology, 42,p
76(1970) に示される計算式に従い算出された値をい
う。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。 (1)重合体(a)について 本願発明の水系活性エネルギー線硬化型金属用塗料組成
物は、反応性樹脂(A)の骨格となる重合体(a)とし
て、一個以上のカルボキシル基を有する(メタ)アクリ
レート〔以下、「カルボキシル基含有(メタ)アクリレ
ート」という。〕の一種以上を、或いは、該(メタ)ア
クリレート以外であって一個のエチレン性不飽和基を有
する単量体(以下、「エチレン性不飽和単量体」とい
う。)の一種以上と該(メタ)アクリレートの一種以上
とを、特定の条件下で重合して得られる重合体を使用す
る。
【0010】重合体(a)は、「カルボキシル基含有
(メタ)アクリレート」の単独重合体若しくは共重合体
であってもよく、また、この「カルボキシル基含有(メ
タ)アクリレート」と「エチレン性不飽和単量体」との
共重合体であってもよい。「カルボキシル基含有(メ
タ)アクリレート」としては、種々のものが使用でき、
例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、
(メタ)アクリル酸のマイケル付加による2量体以上の
オリゴマー、ω- カルボキシポリカプロラクトンモノ
(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート及びコハク酸モノヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0011】「エチレン性不飽和単量体」としては、前
記カルボキシル基含有(メタ)アクリレート以外のもの
であれば種々のものが使用でき、例えば、スチレン、α
−メチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビ
ニル及び(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メ
タ)アクリレートの具体的としては、メチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート及
び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート等の脂環式アルキル(メタ)アクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート等の置換アリール(メタ)
アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレー
ト及び2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等のア
ルコキシ(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)
アクリレート、並びにヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート及びヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等
のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ
る。
【0012】カルボキシル基含有(メタ)アクリレート
とエチレン性不飽和単量体との共重合割合は、得られる
重合体(a)の酸価が下記の値を満たす範囲であれば、
任意の割合が可能である。また、カルボキシル基含有
(メタ)アクリレートの一種以上のみを用いてこの範囲
の酸価を示す重合体(a)が得られる場合には、エチレ
ン性不飽和単量体の使用を省略することも可能である。
【0013】尚、上記エチレン性不飽和単量体の少なく
とも1種類は、スチレン及びアルキルスチレン(以下、
「スチレン性単量体」という。)から選択することが好
ましい。また、上記重合体(a)中におけるスチレン性
単量体の共重合割合は40〜85重量%とすることが好
ましい。これは、40重量%以上のスチレン性単量体を
共重合することにより、硬化後における反応性樹脂のガ
ラス転移温度(Tg)が上昇するので強靱な硬化膜を得
ることができるとともに、硬化膜の光沢が良好となるた
めである。しかし、スチレン性単量体の共重合割合が8
5重量%を超えると硬化膜が硬くなりすぎ、このため折
曲げ性等の物性が低下する傾向にあるので、共重合割合
の上限を85重量%とする。「スチレン性単量体」とし
ては、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチ
レン、β−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−
メチルスチレン等の、下記化1に示す構造式で表される
化合物から選択される一種又は二種以上を使用可能であ
る。このうち、スチレン又はα−メチルスチレンを用い
ることが特に好ましい。
【0014】
【化1】 (但し、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれH又は炭素
数1〜6のアルキル基である)
【0015】本発明で使用する重合体(a)は、その酸
価が100〜300である必要があり、好ましくは15
0〜250である。酸価が100より少ないと、後記す
る一個のエポキシ基を有する(メタ)アクリレート〔以
下、「エポキシ基含有(メタ)アクリレート」とい
う。〕の付加反応において、アルカリ水溶液中の重合体
(a)の溶解性或いは分散性が劣ったり、又は溶解或い
は分散に時間を要する。ここで、重合体の溶解性を改善
するために、水溶液中の重合体の固形分濃度を下げる方
法もあるが、この方法によると得られる反応性樹脂水分
散体(Adp)が乾燥性に劣るものとなってしまう。一
方、酸価が300より高いと、得られる反応性樹脂水分
散体(Adp)の粘度が高くなってしまう。
【0016】重合体(a)の数平均分子量は、1,00
0〜15,000である必要があり、好ましくは5,0
00〜10,000である。この値が1,000より小
さい重合体は、得られる反応性樹脂(A)の硬化膜が基
材との接着力及び密着性に劣るものとなってしまい、ま
たその硬化膜の強度が十分でなものではない。他方、こ
の値が15,000を超えるものは、重合体(a)とエ
ポキシ基含有(メタ)アクリレートとの付加反応におい
て、アルカリ水溶液に対する重合体(a)の溶解性又は
分散性に乏しくなってしまう。この場合に重合体の溶解
性又は分散性を改善するには、水溶液又は水分散液中の
重合体(a)の固形分濃度を下げる方法もあるが、この
方法によると得られる反応性樹脂水分散体(Adp)が乾
燥性に劣るものとなってしまう。更に、このように重合
体(a)の固形分濃度を下げると、重合体(a)とエポ
キシ基含有(メタ)アクリレートとの反応性が低下する
ので、得られる反応性樹脂(A)への(メタ)アクリロ
イル基の導入割合が少なくなる。このため、反応性樹脂
(A)が硬化性に劣るものとなり、またその硬化膜の耐
水性、耐溶剤性及び硬度が低下してしまう。尚、本発明
において、数平均分子量及び重量平均分子量とは、溶媒
としてテトラヒドロフランを使用し、GPCにより測定
した分子量をポリスチレンの分子量を基準にして換算し
た値である。
【0017】本発明において用いる重合体(a)は、カ
ルボキシル基含有(メタ)アクリレート、又は当該(メ
タ)アクリレートとエチレン性不飽和単量体とを、15
0〜310℃の高温で重合したものであり、好ましくは
連続重合したものである。この高温連続重合法によれ
ば、熱重合開始剤を用いる必要がないか、又は熱重合開
始剤を用いる場合でも少量の使用で目的の分子量の重合
体が得られるため、熱や光によりラジカル種を発生する
ような不純物をほとんど含有しない純度の高い重合体が
得られる。このため、後で述べる重合体とエポキシ基含
有(メタ)アクリレートとの付加反応を安定に行うこと
ができ、最終的に得られる反応性樹脂水分散体(Adp)
及びこれを含む金属用塗料組成物の保存安定性に優れ、
更にはこの組成物の硬化膜が耐候性に優れたものとな
る。
【0018】高温連続重合法としては、特開昭57−5
02171号、同59−6207号及び同60−215
007号等に開示された公知の方法に従えばよい。例え
ば、加圧可能な反応器を溶媒で満たし、加圧下で所定温
度に設定した後、カルボキシル基含有(メタ)アクリレ
ート、当該(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和単
量体、又はこれらと必要に応じて重合溶媒とからなる単
量体混合物を一定の供給速度で反応器へ供給し、単量体
混合物の供給量に見合う量の反応液を抜き出す方法が挙
げられる。重合溶媒を使用する場合は、反応開始時に反
応器に仕込む溶媒と単量体混合物に混合する重合溶媒は
同一であっても異なっていてもよい。
【0019】溶媒又は重合溶媒としては、脂肪族炭化水
素、トルエン、キシレン、クメン及びエチルベンゼン等
の芳香族炭化水素、ブチルセロソルブ等のセロソルブ及
びカルビトール等のグリコールエーテル、エチレングリ
コールジメチルエーテル等のグライム及びジエチレング
リコールジメチルエーテル等のジグライム等のエーテ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、
メチルプロピレングリコールアセテート、カルビトール
アセテート及びエチルカルビトールアセテート等の酢酸
エステル、アセトン及びメチルエチルケトン等のケト
ン、ヘキサノール、デカノール、エチレングリコール、
プロピレングリコール及びブチレングリコール等の脂肪
族アルコール、ベンジルアルコール及びトルエンアルコ
ール等の芳香族アルコール、並びにジエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール及びトリプロピレ
ングリコール等のポリアルキレングリコールを使用する
ことができる。重合溶媒の配合割合としては、単量体混
合物100重量部に対して200重量部以下であること
が好ましい。
【0020】また、単量体混合物には、必要に応じて熱
重合開始剤を混合することもできる。この場合に使用で
きる熱重合開始剤は、特に限定されないが、アゾニトリ
ル系の開始剤及び過酸化物系の開始剤等が挙げられる。
アゾニトリル系の開始剤としては、2,2'−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2-メチルブチロニト
リル)及び2,2'−アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリ
ル)等が挙げられ、過酸化物系の開始剤としては、過酸
化水素、ジ−t−ブチルパーオキサイド及びベンゾイル
パーオキサイド等が挙げられる。熱重合開始剤を単量体
混合物に配合する場合の配合量としては、単量体混合物
100重量部に対して0.001〜5重量部であること
が好ましい。
【0021】本発明における高温連続重合の反応温度
は、150〜310℃の範囲とする。これは、反応温度
が150℃に満たない場合には、得られる重合体(a)
の分子量が大きくなりすぎたり、反応速度が遅くなって
しまうことがあり、他方310℃を超える場合には、分
解反応が発生して反応液に着色が見られたり、後で述べ
る付加反応が不安定になったり、得られる反応性樹脂
(A)が不安定になることがある。反応時の圧力は、反
応温度と使用する単量体混合物及び溶媒の沸点に依存す
るものであって反応には影響を及ぼさないが、前記反応
温度を維持できる圧力であればよい。単量体混合物の滞
留時間は、2〜60分であることが好ましい。滞留時間
が2分に満たない場合は、未反応単量体が多くなってし
まい、重合体(a)の収率が低下することがあり、他方
滞留時間が60分を超える場合は、生産性が悪くなって
しまうことがある。
【0022】(2)反応性樹脂(A)について 本願発明の反応性樹脂(A)は、重合体(a)のカルボ
キシル基にエポキシ基含有(メタ)アクリレートを付加
反応させたものである。「エポキシ基含有(メタ)アク
リレート」としては、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキセンオキシド基含有(メタ)アクリレー
ト、、二官能以上のエポキシ樹脂の一部のエポキシ基に
(メタ)アクリル酸を付加したもの等を使用可能であ
る。このうち、グリシジル(メタ)アクリレートを用い
ることが特に好ましい。これにより、得られる反応性樹
脂(A)の分子中に存在する(メタ)アクリロイル基の
割合が高いものとなるため、この反応性樹脂(A)の硬
化性に優れるとともに、硬化膜の耐溶剤性、耐水性及び
硬度が高くなるためである。また、重合体(a)のカル
ボキシル基に対する付加反応の反応性にも優れるため好
ましい。
【0023】重合体(a)中のカルボキシル基に対する
エポキシ基含有(メタ)アクリレートの反応割合は、付
加反応後の反応性樹脂(A)が以下に述べる必須酸価又
は好ましい酸価となる割合である。
【0024】付加反応後の反応性樹脂(A)の酸価は、
20〜200である必要があり、好ましくは50〜15
0である。酸価が20に満たない場合は、反応性樹脂水
分散体(Adp)における反応性樹脂(A)の分散性が不
十分となるため、この反応性樹脂(A)が凝集したり、
沈殿したりする場合がある。また、酸価が200を超え
る場合は、反応性樹脂(A)が水に溶解してしまう。即
ち、この反応性樹脂(A)が水中に分散した反応性樹脂
水分散体(Adp)を形成することができない。このよう
に反応性樹脂(A)が溶解した水溶液は粘度が高いた
め、金属用塗料組成物の製造時及びこの組成物の使用時
のいずれにおいても操作性に劣るものとなってしまう。
また、反応性樹脂(A)の溶解により粘度が高くなった
場合には、この水溶液中における反応性樹脂(A)の固
形分を低下させることにより粘度を下げて対応すること
もできるが、当該水溶液の乾燥性が低下するため好まし
くない。
【0025】(3)反応性樹脂水分散体(Adp)につい
て 本発明の反応性樹脂水分散体(Adp)は、重合体(a)
のカルボキシル基にエポキシ基含有(メタ)アクリレー
トのエポキシ基を付加反応させた反応性樹脂(A)が水
に分散したものである。本発明においては、重合体
(a)をアルカリ性水溶液中に溶解又は分散させた後、
上記付加反応をアルカリ水溶液中で行う。
【0026】尚、従来より、反応性樹脂を水性化する方
法として、カルボキシル基を有する重合体とエポキシ基
及び不飽和基を有する化合物を付加反応させることによ
り、上記重合体に反応性基である不飽和基を導入してカ
ルボキシル基及び不飽和基を有する反応性樹脂を製造し
た後、この反応性樹脂をアルカリにより中和し、又場合
によっては乳化剤を使用して、水中又はアルコール等の
有機溶剤含有水溶液中に懸濁又は乳化させることは知ら
れている。この従来の水性化方法では、カルボキシル基
を有する重合体とエポキシ基及び不飽和基を有する化合
物との上記付加反応は、通常は親水性を有するアルコー
ルやケトン等の溶剤中で有機アミン等の触媒を使用して
行われている。
【0027】しかし、上記従来の水性化方法は、上記付
加反応の反応性が十分ではないため反応に長時間を要す
るものであった。反応性を高めるために有機アミン等の
触媒の使用量を増す方法もあるが、この場合は触媒の量
が多くなるために触媒がカルボキシル基を有する重合体
と多量に塩を形成してしまい、得られる付加物が溶剤に
溶解し難くなるという問題を有するものであった。ま
た、得られる反応性樹脂を水性化する際には、そこに含
まれる溶剤を蒸発等により除去したものを使用する必要
があるが、反応性樹脂から溶剤を完全に留去することが
困難であり、このため製品が臭気を有するものとなると
いう問題があった。また、この臭気を低減するために溶
剤を完全に留去するには長時間を要するため生産性が低
く、しかもこの留去段階において反応性樹脂が長時間嫌
気下にさらされるため、最終製品の保存安定性が悪化し
たり着色したりすることがあった。
【0028】本発明は、上記付加反応をアルカリ性水溶
液中で行う点において、これをアルコールやケトン等の
有機溶剤中で行う従来の方法とは異なる。このようにア
ルカリ性水溶液中で上記付加反応を行うことにより、水
中ではアルカリ成分を高濃度で存在させることができる
ため、当該付加反応の反応速度が有機溶剤中での反応と
比較して格段に速いという利点がある。また、付加反応
により生成する反応性樹脂(A)は水分散体として得ら
れるが、この反応性樹脂水分散体(Adp)は粘度が低
く、塗工性に優れるものである。更に、上述のように反
応性樹脂(A)は水分散体として得られるため、有機溶
剤中でエポキシ基含有(メタ)アクリレートを付加反応
させ、その後溶剤を除去した後水分散させる従来の製造
方法に比較して、本発明により得られる反応性樹脂水分
散体(Adp)は臭気及び着色等の問題がないものであ
る。
【0029】アルカリ水溶液中で上記付加反応を行って
反応性樹脂水分散体(Adp)を得る方法としては、種々
の方法が採用できる。例えば、アルカリ水溶液に重合体
(a)を溶解又は分散させ、この水溶液又は分散液にエ
ポキシ基含有(メタ)アクリレートを添加して加熱攪拌
する方法等が挙げられる。この場合の反応温度として
は、60℃〜100℃が好ましい。当該付加反応によ
り、重合体(a)中のカルボキシル基が消費されて酸価
が減るため、得られる反応性樹脂(A)は重合体(a)
に比べて水への溶解性が低い。このため、アルカリ水溶
液に分散していた重合体(a)は反応性樹脂(A)とし
てそのまま水中に分散し、またアルカリ水溶液に溶解し
ていた重合体(a)も反応性樹脂(A)として水中に分
散する。このようにして、反応性樹脂水分散体(Adp)
が得られる。
【0030】反応媒体として使用するアルカリ水溶液に
おいて、アルカリの種類としては種々のものが使用で
き、例えばアンモニア、有機アミン及び水酸化ナトリウ
ム等の無機塩基等が挙げられるが、乾燥時に塗膜中から
蒸発飛散して、得られる塗膜の耐水性を維持することが
できることから、アンモニア又は低分子量有機アミンが
好ましい。低分子量有機アミンとしては、トリメチルア
ミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリア
ルキルアミン類、N,N−ジメチルエタノールアミン、
N−メチルジエタノールアミン及びトリエタノールアミ
ン等のヒドロキシアルキルアミン類が使用できる。
【0031】アルカリ水溶液中のアルカリ成分の濃度と
しては、重合体中のカルボキシル基の全量に対して、ア
ルカリ成分が30〜70モル%となる割合が好ましい。
この割合が30モル%に満たない場合は、重合体がアル
カリ水溶液中に溶解又は分散し難くなる場合があり、他
方70モル%を超える場合は得られる反応性樹脂水分散
液にアルカリとしてアンモニア又はアミン臭が残る場合
がある。付加反応におけるアルカリ水溶液の使用量は、
得られる反応性樹脂水分散体の固形分濃度が10〜60
重量%となる量が好ましい。
【0032】この付加反応は、アルカリ水溶液中のアル
カリ成分を触媒として反応が進行するが、必要に応じて
更に触媒を添加することができる。当該触媒の例として
は、N,N−ジメチルベンジルアミン及びN,N−ジメ
チルアニリン等の高分子量3級アミン類;テトラジエチ
ルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブ
ロミド及びベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等
の4級アンモニウム塩類;ジエチルアンモニウムクロリ
ド等の2級アミンの塩酸塩類;並びにトリフェニルホス
フィン等のリン化合物類等が挙げられる。これら触媒の
好ましい添加量は、固形分に対して、0.1〜10重量
%であり、より好ましくは0.1〜5重量%である。
【0033】当該付加反応では、反応を安定に行うため
に、ハイドロキノン及びハイドロキノンモノメチルエー
テル等の重合禁止剤を添加したり、分子状酸素を吹き込
むことが好ましい。重合禁止剤を使用する場合は、反応
液に対して10wtppm〜2重量%が好ましい。
【0034】(4)変成多官能(メタ)アクリレート
(B)について 本発明における変成多官能(メタ)アクリレート(B)
は、アルキレンオキサイド1〜10モルを付加したポリ
オールの(メタ)アクリレートであって、二個以上の
(メタ)アクリロイル基を有するものである。ここで、
この変成多官能(メタ)アクリレート(B)のもつアク
リロイル基の数を二個以上としたのは、単官能のアルキ
レンオキサイド変成(メタ)アクリレートを用いると本
発明の組成物の硬化性が不足しやすく、またその硬化膜
の耐溶剤性、耐水性及び硬度が不十分となるためであ
る。
【0035】この「ポリオール」は、二官能、三官能及
び四官能以上の多官能ポリオールを含む。具体的な二官
能ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘ
キサンジオール、ノナンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタ
ノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフ
ェノールS及びそのアルキル基置換体等が挙げられる。
また、三官能ポリオールとしては、トリメチロールプロ
パン、トリメチロールエタン、グリセリン、トリヒドロ
キシエチルイソシアヌレート(THEIC)及びそのア
ルキル基置換体等が挙げられる。そして、四官能以上の
ポリオールとしては、ペンタエリスリトール、ジトリメ
チロールプロパン、ジペンタエリスリトール、ジグリセ
リン及びそのアルキル基置換体等が挙げられる。
【0036】上記ポリオールに付加するアルキレンオキ
サイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキ
サイド、ブチレンオキサイド等を使用可能である。この
うち、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを
用いることが好ましい。このアルキレンオキサイドの付
加モル数は1〜10モルとする必要があり、好ましくは
1〜5モルである。アルキレンオキサイドの付加モル数
を上記範囲とすることにより、これを反応性樹脂水分散
体(Adp)に配合した本発明の組成物の液安定性が良
く、またこの組成物の塗工時において平滑な塗膜が得ら
れ、更にその硬化膜が耐水性、耐溶剤性及び光沢等に優
れたものとなる。これに対して、アルキレンオキサイド
変成されていないポリオールの多官能(メタ)アクリレ
ートを用いると、これを反応性樹脂水分散体(Adp)に
配合した組成物の液安定性が低く、反応性樹脂(A)が
凝集したり多官能(メタ)アクリレートが分離したりす
る恐れがある。また、反応性樹脂(A)と相溶性が悪い
ので効率良く共重合せず、そのため、この組成物の硬化
膜が金属基材への密着性に劣るものとなる。一方、アル
キレンオキサイドの付加モル数が10モルを超えると、
これを反応性樹脂水分散体(Adp)に配合した組成物の
硬化物において、その耐水性及び耐溶剤性が低下する。
特に、耐水性への影響が大きいため好ましくない。
【0037】また、本発明の変成多官能(メタ)アクリ
レート(B)としては、そのSp値(溶解性パラメータ
ー)が8.5〜11.0の範囲のものを用いることが好
ましく、より好ましくは9.0〜10.0である。これ
により、組成物の液安定性及び塗膜の平滑性が良好とな
り、且つ、その硬化膜が耐水性、耐溶剤性及び光沢等に
優れたものとなる。
【0038】(5)各成分の配合割合 本発明の組成物は、反応性樹脂水分散体(Adp)と変成
多官能(メタ)アクリレート(B)とからなる。この配
合割合は、反応性樹脂水分散体(Adp)中の反応性樹脂
(A)80〜40重量部に対して変成多官能(メタ)ア
クリレート(B)20〜60重量部であり、反応性樹脂
(A)75〜50重量部に対して変成多官能(メタ)ア
クリレート(B)25〜50重量部とすることがより好
ましい。変成多官能(メタ)アクリレート(B)の量が
20重量部未満であると、組成物の硬化性が不足しやす
く、またその硬化膜の金属基材への密着性、耐溶剤性、
耐水性及び硬度等が不十分となり、更に硬化膜の光沢も
低下するため好ましくない。一方、変成多官能(メタ)
アクリレート(B)の量が50重量部を超えると組成物
の液安定性が低下し、反応性樹脂(A)が凝集したり変
成多官能(メタ)アクリレート(B)が分離したりしや
すい。また、基材への塗工後に水分を除去した塗膜にお
いて、反応性樹脂(A)と変成多官能(メタ)アクリレ
ート(B)との相溶性が不足して塗膜が不均一となる恐
れがある。
【0039】本発明の組成物には、上記必須成分に加え
て、必要に応じて硫酸バリウム、酸化珪素、タルク、ク
レー及び炭酸カルシウム等の無機充填剤、フタロシアニ
ン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、酸化チタン及
びカーボンブラック等の染料又は顔料、粘度調節剤、処
理剤、UV遮断剤、密着性付与剤及びレベリング剤等の
各種添加剤、並びにハイドロキノン、ハイドロキノンモ
ノメチルエーテル、フェノチアジンン及びN−ニトロソ
フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等の重合禁
止剤を配合することもできる。これらを配合する場合の
配合割合としては、組成物の固形分100重量部に対し
て、その合計が100重量部以下であることが好まし
い。重合禁止剤を配合する場合の配合割合としては、組
成物の固形分に対して10wtppm〜2重量%である
ことが好ましい。
【0040】(6)硬化方法 本発明の組成物を硬化させるための活性エネルギー線と
して紫外線を用いる場合には、組成物に光重合開始剤を
配合する。活性エネルギー線として電子線を用いる場合
には、特に光重合開始剤を配合する必要はない。光重合
開始剤の好ましい例としては、水溶性又は親水性の光重
合開始剤であるイルガキュア2959、ダロキュア11
73、同1116、イルガキュア184〔チバガイギー
(株)製〕、カンタキュアABQ、同BTC、同QTX
〔シェル化学(株)製〕が挙げられる。また、通常溶剤
系又は無溶剤系で用いられている、ベンゾイン、ベンゾ
インメチルエーテル、ベンゾフェノン、ベンジルジメチ
ルケタール及び2,4−ジメチルチオキサントン等も使
用できる。また、必要に応じて光重合開始剤の2種類以
上を併用してもよい。光重合開始剤は、本発明による組
成物の固形分に対して0.1〜10重量%配合すること
が好ましい。光重合開始剤の添加方法としては、水への
溶解度が低い光重合開始剤を使用する場合には、変成多
官能(メタ)アクリレート(B)にあらかじめ溶解させ
た後、この変成多官能(メタ)アクリレート(B)とと
もに添加することが好ましい。また、水溶性又は親水性
の光重合開始剤を使用する場合は、加熱攪拌等の方法に
より組成物中にそのまま添加混合することができる。
【0041】本発明の組成物を硬化させる際の活性エネ
ルギー線照射方法としては、ラジカル重合性化合物の硬
化方法として知られている、一般的な方法を採用すれば
よい。例えば、この組成物を金属基材に塗布し、加熱等
の方法により分散媒である水を除去した後に、活性エネ
ルギー線を照射する方法が好ましい。硬化膜中に水分が
残留すると、硬化膜の強度が不足したり、膜の透明性が
損なわれることがあるためである。また、アルカリ成分
としてアンモニア又は低分子量有機アミンを使用した場
合には、硬化膜の臭気を低減するために、この加熱時に
アンモニア又は低分子量有機アミンを水とともに蒸発飛
散させることが好ましい。
【0042】(7)使用方法 本発明の組成物を適用可能な金属基材としては、切板或
いはコイル状の鉄板、熱延鋼板、冷延鋼板、合金メッキ
鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、又は
これらにクロム酸、リン酸処理等の化成処理を施したも
の、アルミニウム板、ステンレス板、ブリキ及びチンフ
リースチール板等を挙げることができる。また、上記の
金属基材に、必要に応じて前処理等を行ったものでもよ
い。例えば、上記のようにその製造工程において既に化
成処理を施した基材を用いる場合には単に洗浄処理を行
ったものを使用することができるし、また化成処理を行
っていない基材を用いる場合にはその材質に応じた前処
理を行えばよい。更に、鋼板としては、鋼板の表面にプ
ライマーを塗布したものを使用してもよい。このように
鋼板の表面にプライマーを塗布することにより、鋼板の
耐腐食性や塗料組成物の硬化膜との密着性を改善するこ
とができる。このプライマーとしては種々のものを使用
することができ、例えばエポキシ樹脂、変性エポキシ樹
脂、ビスフェノール樹脂、エポキシアクリレート及びポ
リエステル等が挙げられる。
【0043】本発明の組成物を金属基材に塗布する方法
としては、直接塗装や印刷等の従来公知の方法を用いれ
ばよい。次いで、好ましくは水分を除去した後、活性エ
ネルギー線を照射することにより組成物を硬化させるこ
とができる。組成物を直接塗装する場合には、カーテン
フローコート及びロールコート等の方法を用いればよ
い。更に、本発明によると、低粘度の組成物を得ること
ができるので、スプレーコートによる直接塗装を行うこ
とも可能である。また、印刷により塗布する場合には、
オフセット方式、グラビアオフセット方式、グラビア方
式及びフレキソ方式等による通常の印刷方法を用いるこ
とができる。本発明の組成物は、予め金属基材上に硬化
膜を形成した後にこの金属基材を所望の形状に加工して
もよいし、また予め折曲げ加工や押出加工を施した金属
基材上に本発明の組成物を塗布して硬化させてもよい。
本発明の組成物は、上記金属基材を利用した2ピース缶
又は3ピース缶等の缶用、又は家電外板用或いはトンネ
ル内装用等のプレコート鋼板等の用途に使用できる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下に実施例及び比較例を示し、
本発明をより具体的に説明する。尚、以下において、部
及び%は重量基準である。
【0045】〔参考例1、2〕本発明の実施例に用いる
反応性樹脂水分散体(Adp)の製造方法を説明する。 (1)高温連続重合による共重合体の製造 電熱式ヒータを備えた容量300mlの加圧式攪拌槽型
反応器をジエチレングリコールモノエチルエーテルで満
たし、温度を250℃にして、圧力調節器により圧力を
ゲージ圧で25〜27kg/cm2 に保った。次いで、
反応器の圧力を一定に保ちながら、カルボキシル基含有
(メタ)アクリレートとしてのアクリル酸(AA)、エ
チレン性不飽和単量体としてのスチレン(St)及び参
考例2においては更にα−メチルスチレン(MSt)、
及び、熱ラジカル開始剤としてのターシャリーブチルパ
ーオキサイド(TBPO)からなる、表1に示す組成及
び重量比の単量体混合物を、一定の供給速度(23g/
分、滞留時間:14分)で原料タンクから反応器に連続
供給し、単量体混合物の供給量に相当する反応物を出口
から連続的に抜き出した。反応開始直後に、一旦反応温
度が低下した後、重合熱による温度上昇が認められた
が、ヒータを制御することにより、反応温度を270〜
271℃に保持した。
【0046】温度が安定した単量体混合物の供給開始か
ら1時間後を、次のエステル化反応の原料としての反応
液の抜き出し開始点とした。これから3時間反応を継続
した結果、単量体混合液約4140gを供給し、反応生
成物約4130gを回収した。その後、反応液を薄膜蒸
発器に導入して未反応モノマー等の揮発成分を分離し、
共重合体濃縮液約3800gを得た。ガスクロマトグラ
フによる分析の結果、この濃縮液中に未反応モノマーは
存在していなかった。この共重合体につき、テトラヒド
ロフランを溶媒とする液体クロマトグラフより数平均分
子量Mn及び重量平均分子量Mwを求め、これから多分
散度Mn/Mwを算出した。また、この共重合体の酸価
AVを測定した。以上の結果を表1に併せて示す。
【0047】
【表1】
【0048】(2)反応性樹脂水分散体(Adp)の製造 攪拌器及び冷却管を備えたフラスコに、共重合体50
g、25%アンモニア水6.0g及び水186gを入れ
て70℃に加熱し、撹拌して共重合体を溶解させた。共
重合体が完全に溶解した後、グリシジルメタクリレート
(GMA)13.9g及びハイドロキノンモノメチルエ
ーテル(MQ)32mgを仕込み、75℃で2時間撹拌
して反応性樹脂水分散体約256gを得た。以上の反応
条件を表2に示す。得られた反応性樹脂水分散体の粘
度、固形分及び固形分換算酸価を表2に併せて示す。
【0049】
【表2】
【0050】表2に示すように、いずれの反応性樹脂水
分散体も粘度が低く、後述する実施例における組成物の
調整時や金属表面への塗工時等の作業性は良好であっ
た。また、これらの反応性樹脂水分散体を40℃にて2
00時間放置したところ、いずれの分散体においても粘
度上昇や凝集物、沈殿物等の発生は見られず、液安定性
に優れるものであった。
【0051】〔実施例1〜4〕参考例1及び2により得
た反応性樹脂水分散体(Adp)に、表3に示す組成割合
で変成多官能(メタ)アクリレート(B)及び光開始剤
を加え、スリーワンモータを用いて60分間攪拌するこ
とにより混合して塗料組成物を調整した。このとき、調
整後の組成物は、いずれもスプレー塗装に使用可能な程
度に低粘度であった。尚、表3において「固形分比」と
は、反応性樹脂水分散体(Adp)中の固形分(即ち、反
応性樹脂(A))と、変成多官能(メタ)アクリレート
(B)との重量比をいう。また、使用した物質は以下の
とおりである。 M−350;トリメチロールプロパンのエチレンオキ
サイド3モル変成トリアクリレート(東亞合成株式会社
製、商品名「アロニックスM−350」、SP値9.74) M−220;トリプロピレングリコールジアクリレー
ト(東亞合成株式会社製、商品名「アロニックスM−2
20」、SP値9.13) M−310;トリメチロールプロパンのプロピレンオ
キサイド3モル変成トリアクリレート(東亞合成株式会
社製、商品名「アロニックスM−310」、SP値9.2
0) 光開始剤DC1173;2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニル−プロパン−1オン(日本チバガイギー
株式会社製、商品名「ダロキュア1173」) 光開始剤Irg2959;1−〔4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)−フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチ
ル1−プロパン−1−オン(日本チバガイギー株式会社
製、商品名「イルガキュア2959」)
【0052】〔比較例1〜6〕表3に示す組成物を使用
した以外は、実施例1〜4と同様に塗料組成物を調整し
た。尚、使用した物質は以下のとおりである。 M−400;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ート(東亞合成株式会社製、商品名「アロニックスM−
400」、SP値10.02) M−270;ポリプロピレングリコールジアクリレー
ト(東亞合成株式会社製、商品名「アロニックスM−2
70」、SP値8.80) M−101;フェノールのエチレンオキサイド2モル
変成アクリレート(東亞合成株式会社製、商品名「アロ
ニックスM−101」、SP値10.21)
【0053】
【表3】
【0054】〔性能評価〕上記実施例1〜4及び比較例
1〜6で調整した組成物及びその硬化膜について、下記
の方法により評価を行った。その結果を表4に示す。
【0055】(1) 硬化性 ボンデライト鋼板PB−144(日本テストパネル株式
会社製)、及びアルミニウム板H−4000(日本テス
トパネル株式会社製)を基材として、バーコーター#2
0を用いて各組成物を塗布し、80℃の乾燥機中で5分
間加熱して塗膜から水分を除去した。その後、以下の条
件で、紫外線ランプの下に上記塗布物を繰り返し通過さ
せた。 紫外線照射条件; ランプ:80W/cm集光型高圧水銀ランプ ランプ高さ:10cm コンベアスピード:10m/min このとき、塗膜の表面からタックがなくなるまでの通過
回数にて下記の3段階で硬化性を評価した。 ○:通過回数2回以内 △:通過回数3回以上5回以内 ×:5回通過後にも表面タックがなくならない また、上記照射条件にて紫外線ランプの下を5回通過さ
せた硬化膜について、下記(2) 〜(5) の評価を行った。
【0056】(2) 密着性 得られた硬化膜に、カッターナイフにより1mmの幅で
碁盤目カットを入れて正方形の区画を100個作り、そ
の表面に市販セロハンテープ(ニチバン株式会社製)を
圧着させてから剥離して、残存した碁盤目の数により下
記の4段階で評価した。 ○:剥がれなし(残存率100/100) △:一部に剥がれあり(残存率1/100〜99/10
0) ×:全面が剥がれる(残存率0/100)
【0057】(3) 鉛筆硬度 JIS K 5400に準拠して測定した。
【0058】(4) 耐水性 80℃の温水に1時間浸漬した後、60℃にて2時間乾
燥させた硬化膜について、その表面状態を目視により観
察し、下記の3段階で評価した。○:異常なし △:若干の剥がれ及び/又は白化が生じた ×:明らかな剥がれ及び/又は白化が生じた
【0059】(5) 耐溶剤性 アセトンを染み込ませた綿棒を使用して、荷重500
g、毎秒1往復の条件で得られた硬化膜の表面をこす
り、硬化膜表面に白化又は剥がれ等の異常が生じるまで
の回数により、下記の3段階で評価した。 ○:20往復後、硬化膜に異常なし △:10往復以上20往復未満で硬化膜に異常発生 ×:10往復未満で硬化膜に異常発生
【0060】
【表4】
【0061】表4から判るように、実施例1〜4の組成
物はいずれも硬化性が良好であり、またその硬化膜は密
着性、硬度、耐水性及び耐溶剤性のいずれにも優れた性
能を示した。これに対して、比較例1は変成多官能(メ
タ)アクリレート(B)を用いない例であり、組成物の
硬化性が低いとともに、その硬化膜は密着性、硬度、耐
水性及び耐溶剤性が不良であった。また、比較例2は変
成多官能(メタ)アクリレート(B)の量が少ない例で
あり、硬化膜の密着性、硬度、耐水性及び耐溶剤性の向
上効果が不十分であった。一方、比較例3は変成多官能
(メタ)アクリレート(B)の量が過剰に多い例であ
り、組成物の液安定性が低く変成多官能(メタ)アクリ
レート(B)が分離したため、組成物の硬化性及び硬化
膜の性能を評価することができなかった。また、比較例
4〜6は、反応性樹脂水分散体(Adp)に対して、本発
明の変成多官能(メタ)アクリレート(B)とは異なる
(メタ)アクリレートを配合した例である。即ち、比較
例4はアルキレンオキサイドによる変成を行わないヘキ
サオールの多官能アクリレートであるM−400を用い
た例であり、相溶性が不足しているため硬化膜の金属基
材への密着性が不良であった。比較例5はアルキレンオ
キサイドの付加モル数が11モルと過剰に多い変成多官
能(メタ)アクリレートを用いた例であり、硬化膜の親
水性が高すぎるため耐水性が不良であった。また、組成
物の硬化性や硬化膜の硬度及び耐溶剤性も不十分であっ
た。更に、比較例6は単官能の変成(メタ)アクリレー
トを用いた例であり、硬化膜の架橋密度が低いため、硬
化膜の耐溶剤性及び耐水性が不良であるとともに組成物
の硬化性及び硬化膜の硬度も不十分であった。
【0062】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。
【0063】
【発明の効果】本発明の金属用塗料組成物は、反応性樹
脂水分散体(Adp)と変成多官能(メタ)アクリレート
(B)とからなる水系組成物であるので、溶剤を含まな
い活性エネルギー線硬化型金属用塗料組成物や反応性樹
脂水溶液を用いた組成物に比べて著しく低粘度である。
このため、反応性樹脂水分散体(Adp)の製造時、金属
用塗料組成物の調整時、及びこの組成物の塗工時等にお
ける作業性等に優れる。また、本発明の金属用塗料組成
物は活性エネルギー線硬化型であるので、硬度、耐溶剤
性及び耐水性のいずれにも優れた硬化膜を形成すること
ができる。更に、組成物中において反応性樹脂(A)は
水に分散されているので、粘度の制約を受けることなく
比較的高分子量の反応性樹脂(A)を用いることができ
る。このように高分子量の反応性樹脂(A)を用いるこ
とにより、活性エネルギー線照射時における塗膜の硬化
収縮が抑制されるので、金属基材に対する密着性等に優
れた硬化膜が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一個以上のカルボキシル基を有する(メ
    タ)アクリレートの一種以上を、或いは、該(メタ)ア
    クリレート以外であって一個のエチレン性不飽和基を有
    する単量体の一種以上と該(メタ)アクリレートの一種
    以上とを、150〜310℃の重合温度において重合し
    て数平均分子量1,000〜15,000且つ酸価10
    0〜300mgKOH/gの重合体(a)を得、次いで
    当該重合体(a)をアルカリ性水溶液中に溶解又は分散
    させた後、一個のエポキシ基を有する(メタ)アクリレ
    ートを当該アルカリ性水溶液中において上記重合体
    (a)に付加反応させて得られる、酸価20〜200m
    gKOH/gの反応性樹脂(A)が水に分散した反応性
    樹脂水分散体(Adp)と、 二個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、アルキレン
    オキサイド1〜10モルを付加したポリオールの(メ
    タ)アクリレートである、アルキレンオキサイド変成ポ
    リオール多官能(メタ)アクリレート(B)と、からな
    る組成物であって、 上記反応性樹脂(A)80〜40重量部に対して上記ア
    ルキレンオキサイド変成ポリオール多官能(メタ)アク
    リレート(B)20〜60重量部を含有することを特徴
    とする水系活性エネルギー線硬化型金属用塗料組成物。
  2. 【請求項2】 上記一個のエチレン性不飽和基を有する
    単量体の少なくとも一種類はスチレン又はアルキルスチ
    レンである請求項1記載の水系活性エネルギー線硬化型
    金属用塗料組成物。
  3. 【請求項3】 上記アルキレンオキサイド変成ポリオー
    ル多官能(メタ)アクリレート(B)の溶解性パラメー
    ターは8.5〜11.0である請求項1又は2記載の水
    系活性エネルギー線硬化型金属用塗料組成物。
JP1331497A 1997-01-08 1997-01-08 水系活性エネルギー線硬化型金属用塗料組成物 Pending JPH10195372A (ja)

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